Home Artists Posts Import Register

Content

続き記事になりますので前回も合わせて読んでいただければ幸いです。 〇前回 https://www.pixiv.net/fanbox/creator/843975/post/66993 ※人によってはかなり辛辣な内容なので留意して読んでいただけるといいかなと思います・・・・。 ●●メカ系のジャンルについての所感と総評 現在におけるメカ・ロボットジャンルについて、 私の考えをここでまとめていきたいと思います。 かなりネガティブかつ極端な内容なのでメカ系のジャンルが好きな方は寛容な心で読んでいただければ嬉しいです。 私自身メカ系の絵は好きですし、メカ・ロボット作品がもっと世の中に広まってほしいと考えています。 ですがそうはいかないのが今のイラストの業界であることを皆さんにお伝えできればなと思います。 □□兎に角仕事がない□□ 前回記事冒頭で記載しましたが私は現在メカ系のお仕事はほとんど請け負っておりません。 方向転換したため基本的にメカ系のお仕事自体を控えている(例外有)のですが それ以前にメカ系のお仕事の相談数自体が少ないです。 仕事がない現状は私だけではなく、メカを描ける他イラストレーター様も同様です。 某有名なメカ系のイラストレーター様でも仕事がなく、あったとしてもメカ少女くらいだそうでした。 ソーシャルゲーム、コンシューマ、PCゲーム、漫画、アニメ等々、メカ・ロボット作品を活かせる媒体が増えてはいるももの、私よりはるかに有名で、技量の高いイラストレーター様でもメカ系自体の仕事がないのは不自然に思えます。 私の子供の時はたくさんのSF作品があり、中でもメカ・ロボット作品の多さは印象的でした。 現在においてもメカ・ロボット作品の数はたくさんあるのですが、 作品に登場する人間キャラクターが話題になることがあっても、メカ・ロボットそのものが話題になることは少なく、他ジャンルと比べて大した流行にならないのが実情だと思います。 そしてその流行っていないということ自体のせいでイラストレーターに仕事が来ないのではないかと考えています。 要はジャンルとしての訴求力が弱いため、利益を見込むことができず、クライアント様が制作を打ち切っているのだと推測しています。 またイラストの専門学校で講師をされているイラストレーター様にお願いして学生にメカ・ロボット作品に対してアンケートを取った際、メカ・ロボット作品に対して興味関心がない、という意見を多数いただきました。 10台~20代前半の若い子たちの間ですら流行のジャンルではないのです。 ではなぜ流行っていないのか?その理由について 私なりに考えた「流行らない原因」を次項でお話したいと思います。 □□女性人気を得られない□□ 結論から先にお話しすると流行らない理由は 「男性向けに偏り過ぎているために女性ユーザーの理解が得られていないから」 、と私は考えています。 昨今のメカ・ロボット作品は作りそのものが”偏り過ぎ”ており、女性ユーザーの流入を妨げていると考えられます。 ◇女性ユーザーの必要性について まず初めに女性ユーザーの必要性から語っておきたいと思います。 (この部分からお話しないと以降の内容も理解できないかと思いますので一読頂ければと思います。) 何故女性ユーザーが必要かというと 「女性の経済力が上がってきているため、市場として無視できないから」 です。 昨今では女性の社会進出が促されており、実際男性並みに稼ぐ女性も増えています。 そのため男性だけでなく女性にもサービスを提供していけば、流行に繋がり、結果的に実入りも良くなるのではないか、と考えられます。 ビジネスを考えるとき、小規模な市場を狙うより大規模な市場に対してアプローチするのが自然だと思うので男性だけに偏ったものの売り方ではメカ・ロボット作品も立ち行かない時代になると予想しています。 また補足ですが、 日本では人口減少に伴い男性向けの市場は以前と比べて弱まっていくと考えられます。 逆に女性は今後もうまく社会進出が進めば、潜在的に眠っていた労働力が発揮されていくことになるので 経済力の成長がより進んでいくのではないかと思います。 成長していく市場層の取り込みは実入りをよくするためにも必須だと思うので女性ユーザーの価値は高まっていくと思います。 ◇メカ・ロボット作品の偏り過ぎている箇所 女性からの理解を遠ざけている問題点は主に3つあると考えています。 男性向けに特化し過ぎた結果、多様性を失い、偏ったジャンルになってしまっていると感じます。 ①「戦い」にフォーカスが当たり過ぎ ガンダムシリーズなどをはじめとして、メカ・ロボット作品は「闘争」や「戦争」を舞台にしている作品を多く見受けられます。 作中に登場するメカ・ロボットは兵器としての側面を強調して描かれ、 「暴力的な存在」としての印象を持たされてしまっています。 またそういった戦いを題材にしている作品は往々にして雰囲気が暗く、ストーリーやキャラクター達も非道(虐殺、強姦など)な内容に振り回されていくことが多いです。ユーザーからすると辛い気持ちになることがしばしばあるでしょう。 ②メカ・ロボット以外の描写が甘い ”メカのビジュアル”と”①の戦いの部分”を描きすぎている作品が多く、その他の要素(シナリオ、登場人物、世界観設定)に共感しにくい作りになっています。そのため内容の理解が進まず、メカ・ロボット自体が好きでなければつまらない内容なりやすいと感じます。 ③デザインが似すぎている メカに興味のないユーザーからすると昨今のロボット作品は全部ガンダムに見えてしまうそうです。 別ジャンルのイラストレーター様にも同じように言われた経験があり、メカデザインの差別化が作品ごとにできていないと思われます。 ◇女性人気を得るためには 女性向けに作られてないメカ・ロボット作品の中にも稀に女性の理解が得られている作品が存在するようです。 私が伺った範囲で女性受けしているのは「疾風!アイアンリーガー 」、「トランスフォーマー」、「ドラえもん」の3点でした。 どの部分に魅力を感じているかまではわかりませんが、共通項として「ロボットが自分の意志で喋る」ことが挙げられます。 「喋る」という点においてはイラストレーター様からも同様の指摘を頂いたことがありました。 以前女性イラストレーター様にメカ・ロボットの所感を伺ったことがあります。 そこで意見を頂いたのですが、やはり「ロボットは喋った方がよい」、「見た目の格好良さは理解が難しい」という指摘を受けました。 私の個人的な女性経験とメカ・ロボットの「喋る」という点をヒントに考えたのですが、 女性の理解を得る作品を作るには 「知性を持つ」、「能動的に会話する」、「心を持つ」など「人間性の表現」を題材にした内容にする必要があると考えました。 「人間性の表現」とはつまり「キャラクター性」であり、一般的に広まっている「人間(恋愛、友情、成長、挫折など)」を題材にしたキャラクター商売と同等の内容をメカ・ロボット作品は持つ必要がある、と最終的に考え付きました。 ※※余談※※ ここまでお話したなかで皆さんの中にはこう考える方がいらっしゃるかと思います。 「数十年前から女性の需要などなかった。だから根本的に女性はメカ・ロボットに興味がないのでは?作品を女性へアプローチするのは無理がある。」 という意見です。 この意見に関しては疑問を抱いています。理由は下記になります。 ◇そもそも論としてメカ・ロボットが女性が理解できるように作られていない。 今も昔の作品も女性が好きそうな内容ではない、というのは説明しなくても自明だと思われます。 女性も理解できるように作った作品でも人気が得られなかった、という意見ならわかるのですが元から女性など無視した内容なのに女性が進んで見るわけがありません。 ◇一昔前は男性の方が経済力があったため、市場経済も自然と男性寄りにならざるを得なかったのではないか。故にアニメ漫画等の作品も男性向けに作られていたのではないか。 私の子供のころ(昭和後半~平成前半)はまだまだ女性の地位が弱い時代でした。 会社に女性トイレがない、女性は出世できない、セクハラという概念の認知、男尊女卑、レディファーストという言葉の流行など男性と女性との間には明確な差別がありました。 文化的に差別されているということは市場経済も偏っていたはず、と考えても不自然ではないと思います。 ビジネスにおいても男性向けのサービスが多数ある一方で女性向けのサービスは今ほど多くなかったと思われます。 そしてアニメ漫画の作品も同様だったのではないでしょうか。 男性向け作品群が多い中女性がわざわざメカ・ロボット作品に興味を持ってくれるでしょうか。答えは否でしょう。 上記の理由から考えて以前から女性人気がない理由は 「メカ・ロボット作品を好きになる素質と才能が女性には無いといわけではなく 単にクリエイター側が女性を無視し男性向作品を作り過ぎていたため女性の理解が得られなかったから」、と私は考えています。 ※※※※※※ □□メカジャンルの今後□□ 仕事がない現状と女性人気皆無、他ジャンルの台頭など時代の潮流を鑑みるとメカ・ロボットジャンルの今後は決して明るいものではないと考えています。 現状メカ・ロボットジャンルを支えている層というのは30歳~40歳台の男性のようです。この世代の人間は自分の趣味にお金を自由に使えるような年代ではなく、家庭(妻子、両親)や老後のために余計な消費を抑えていく人たちだと思います。 そういった人たちに対してサービスを展開していっても実入りは減っていくだけでジャンルは衰退していくことになるでしょう。人口減少が叫ばれている昨今、この事態を回避するためには若い層を取り込むか女性層を取り込むしかありません。 ですが若い層も女性層も今現在まったく取り込めていませんし 裾野を広げる努力を業界や各クリエイターがしているようには見えません。 ジャンルとして滅亡することは流石にないと思いますが 携わるクリエイターは激減するでしょう。 ◇メカ系のクリエイター様に向けて 私からメカ系中心にお仕事で活躍されているクリエイター様(特に学生や若い方)にお話ししたいのですが 先に述べてきたジャンルの現状を元にお伝えしますと、 「メカ・ロボットジャンル以外にも人気ジャンルの絵を習得できるようにしたほうがよい」 と進言させて頂きます。 生意気であり、余計なお世話なのは重々承知なのですが、現にメカ系ジャンルに需要がないのが現実なのです。 有名なクリエイターやスタッフですら口をそろえてメカ・ロボットジャンルに対して否定的な意見を聞いてきた身としては前向きな回答をすることは難しいです。 時折「流行は流転するから流行っていないジャンルも復活する」という意見を持たれる方がいらっしゃいますが、その考え方には賛同できません。 何時復活するかわからないジャンルを待ち続けるのは本当に現実的でしょうか? しかも本当に流転する保証がどこにあるのでしょうか? 待つくらいであれば他の人気のジャンルに対して努力し、名を上げ、お金を稼いでいくほうが現実的だと思います。 また「貧すれば鈍する」という言葉もあります。 自分の意地を通して好きなものを描くのは良いことですが、生活に余裕がない状態でそのような気持ちをずっと持つことができるでしょうか。才能がある方ならまだしも凡人にそれができるでしょうか。私見としてはどんな優れた人間でも生活に余裕がなければ才能を生かすことはできないと思います。私も若い時に貧乏でしたがまさに言葉通りで、心のゆとりもなく、自分を磨いてキャリヤアップするといった建設的な考え方やそのための時間の余裕など持つことはできませんでした。 趣味の範囲でメカ・ロボットを描くのは自由ですが仕事にしている方は今一度メカ系のジャンルについて思案された方がよいかと思います。 ●●足で稼ぐ時代ではない? メカ系の絵描きから女の子系の絵描きへ方向転換してみて印象的だったことがあったので 最後にここで共有していこうと思います。 □□ネットでの人気が現実の人気になろうとしているのではないか□□ ※内容的に思考が飛躍しすぎている部分が多いので冗談半分として読んでもらえると嬉しいです。 ◇女の子イラストを練習しているうちに仕事の相談が増えてしまった メカ絵を描くことを控え、女の子絵を練習がてらにネットに挙げ続けてから半年ほど経ったとき、有難いことに私をフォローしてくれる方が徐々に増え、絵に対するコメントなど何かしらのリプライをいただけるようになりました。 同時に女の子絵のお仕事(書籍、ソーシャル、TCG)も頂戴できるようになりました。それに伴い生活水準も良くなりました。 ただ、当時営業努力など一切しておらず、お仕事を頂戴できることに疑問を抱きました。 フォロワー(pixiv、ツイッターなど)が増えるにつれて仕事の相談数も比例するようになった時、考え付いたことがあります。 「ネットでの人気度(フォロワー数)が現実の人気とリンクしており、お仕事につながるのではないのか?」 ◇「ネットでの人気度(フォロワー数)≒収入の多さ」 生活水準の高いイラストレーターの共通項なのではないか? 方向転換以前も定期的にメカや創作のイラストを描いていたのですが現実的にお受けできる内容(稿料、納期など)のお仕事を頂戴できる機会はほんとうに稀でした。また絵に対するユーザー様の反応も良くはありませんでした。 ですが女の子イラストを描くようになると状況は一変しました。 メカばかり描いているときは既存の継続案件が主な収入源でしたが女の子イラストを中心に絵を上げるようになると 継続案件にプラスされて新規のお仕事の相談が増えるようになりました。 ジャンルによる流行りの差があることは前項目でお話した通りなのですが 露骨に差が出過ぎている印象だったので”都合が良すぎる”と感じました。 その違和感のようなものを感じる中で知人の様々なジャンルのイラストレーター様数名にお仕事を頂戴するきっかけを伺った時、 営業努力は一切してない方が非常に多く、またpixiv等のSNSにもあまり絵を投稿しない方が多い印象でした。 ですが定期的にお仕事を頂戴できている方とそうでない方とで二極化していました。 そこで仕事を頂けているイラストレーター様の特徴はどこにあるのか分析したとき、発見したことがありました。 それは「フォロワー数の多さ」でした。 フォロワー数の多いイラストレーター様は流行っていないジャンルを中心に描いていてもお仕事を頂戴できているようでした。 逆に人気ジャンルを描いていてもフォロワー数が少ない方はあまり羽振りが良い印象を持つことができませんでした。 もちろんすべてのイラストレーター様が同じ共通項を持っているわけではなかったですし そもそも自分でもあまりに理論が飛躍していることは自覚しています。 ですがネットの文化が多くの人に認知されている時代なのでネットと現実の差が埋まろうとしていても不思議ではないと感じました。 新聞やテレビ、本を見る人が減り、ネットの情報を有効に活用する人が増えているのは自明であり、 イラストレーターの認知度もネットの活躍次第で差が出てしまう時代なのだと思います。 そしてそのネットでの活躍の差が現実の仕事につながり、収入に影響するのではないか?と強く感じています。 以上が第二回の記事となります。 読みづらい内容かと思いますし、まだまだ語りきれていない部分や補足したい箇所もありますがまずはここまで長い文章を読んでいただき誠にありがとうございました。 また業界の記事を書いていく予定なので興味があれば見て頂けると嬉しいです。

Comments

No comments found for this post.