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影の描き方についての質問をたくさんいただくので、今回は私もよく使っている「ハードライト」というレイヤーモードを使った影の描き方について解説していきます。



「ハードライト」は昔はそんなに使われてませんでしたが、最近は本などでも取り上げられているので、結構注目度が高まってるように思います。


まずは、ハードライトの性質について簡単に述べておきましょうか。


── お願いします!


ハードライトは、下の色に対してRGB数値(128,128.128)を基準点として明暗色彩を塗り加えることができるモードです。基準点よりも暗い色を選択すると暗く、明るい色を選択すると明るく、更に彩度の高い方に振れば色彩も加えることが出来ます。



この性質を利用することで、影をつけるだけでなく光を当てることも出来るのが特徴です。



── 便利ですね。基準となる真ん中を選択した場合は色が乗らないという認識でよろしいでしょうか?


その通りです。ハードライトを使って簡単な影を描いてみましょうか。



例えば、こんな六角形があるとします。




この六角形にハードライトモードのレイヤーをクリッピングして、影をつけてみましょう。



少し紫目のグレーを選択して、先程説明したハードライトの特徴を考慮して明暗を塗り分けてあげると



── 影がついて、立方体になりましたね。


こんな感じで普通に影を入れるときにも使えるのですが、個人的には、イラストを仕上げる一番最後の工程で使うのがオススメです。


── 仕上げ?どう使うのか見せていただけますでしょうか?


では、応用編としてこちらの沖田さんのイラストにハードライトで影をつけていきましょうか。




先程のように、ハードライトのレイヤーを作成して、暗めのグレーに紫色の彩度が少しのった色を選択し、逆光の影を描いていきます。



── 影に彩度をのせると綺麗に見えますよね。


そうですね。最近は影に青とか紫をのせるのが流行っているような気がします。日本人に好まれる色使いかもしれません。



よく影に彩度をのせようとすると色の調整が難しい、色合いが合わないという人がいます。そんな人こそ、色調的に統一感が出るこのハードライトを使った手法を試してみると良いと思います。



こういったライティングに関する考え方は、カラー&ライトという本で詳しく解説されているので、興味ある人は読んでみてください。


── チェックしてみます。


もう1つハードライトの便利なところは、色も簡単に変えられるということです。紫色の影をつけていましたが、同じレイヤーで色域を変えて赤色の影にすることも可能です。




こんな風にハードライトを使うと、色の管理と明度の管理が1枚のレイヤーでものすごい幅の広いコントロールができるようになります。



今回はこちらで完成としましょうか。



── 影の部分と明るい部分がより明確になったので、影を付ける前よりコントラストが印象的なイラストになりましたね。


はい。今回紹介した手法は、こんな感じで大きなライティングの影をのせて、完成したイラストのライティングをがらっと変えたい時や、光のあたり方のドラマチックさを演出するときに有効です。



線画で描く人は、線画を描いて色分けでレイヤーを作ると思うのですが、その上にハードライトでレイヤーを重ねて色調の調和を高めるように使っても良いかもしれません。


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