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トライセプスです。

一昨日から2回目のコロナでダウンしており、これを書くのも正直しんどい状態です...

今週の小説は治り次第執筆し、今月中に予定通りあと2本書き上げますのでその点についてはご安心くださいませ。

遅れて申し訳ございません。



とりあえず小説の冒頭部のみアップしておきます。


『原作』ド級編隊エグゼロス

『人物』星乃 雲母

『あらすじ』

『文字数』本編約20,000字予定


タイトル未定


 とある連休、星乃 雲母は久々に家族で県外旅行に来ていた。


「だってのに...」

「キーッショッショッショ!Hネルギーを奪い尽くしてあげるわぁ〜!」

「どうして旅行先で野良キセイ蟲が出てくるのよー!」


 キセイ蟲...それは宇宙から地球を侵略しに来たエイリアン。

巨大な虫の姿をした彼ら彼女らは、人間がエロスを感じる物を排除したり、人のエロスの源”Hネルギー(エネルギー)”を吸い取ったりしており、専門家からは「やがて性欲を失い無気力状態になった人類は衰退していき、キセイ蟲に支配される」という分析結果も出ている危険生物である。


「はぁ、はぁ、あいつ飛んで!しまった!人の多い街中へ向かってる!」


 そしてそのキセイ蟲を倒し地球の平和を陰で守っているのが、H×EROS(エグゼロス)。

EROSをHネルギーに変え、日夜キセイ蟲と戦うHEROたちだ。

そしてその1人、エグゼイエローこそが星乃 雲母その人である。


「あのキセイ蟲、どこに行って」

「ひ、ひぃぃぃ、バ、バケモノ!誰か助けてぇぇぇ!!」

「あっちね!」


 高校2年ながらB8W60H82の超絶ナイスバディを誇る美少女は、金髪ショートの髪と大きな胸を揺らしながら、情けなく叫ぶ男の声の元へ走って行く。

路地裏でキセイ蟲に襲われかけていたのは、萌えアニメらしきキャラがプリントされたシワシワのシャツとチェック柄のズボンを身につけた小太りのインキャ男子高校生。

隣に落ちている手提げ袋からは、缶バッジやフィギュアの箱が飛び出している。


「キッショッショ!そこの豚みたいなブサイク男。あんた、尋常じゃない負のHネルギーを持っているのねぇ♡これほどすっごいのは初めてよぉん♡じゅるり♡」

「ひぃぃっ、な、何のことですかぁ!?僕なんか食べても美味しくないですよぉ!!」

「うふふ♡命は取らないから安心なさい♡でもその代わり、粘っこくて獣臭くて薄暗い欲にまみれたそのHネルギー...ぜ〜んぶあたしが吸い尽くしてあ・げ・る♡」

「ひぃぃぃぃぃ!」


 巨大な針が男に突き刺さりそうなまさにギリギリ、雲母がキセイ蟲の背後へ駆け寄りHネルギーを込めた拳を振り上げた。

サイタマ支部で2番目にHネルギー値(要するにスケベ度)が高い雲母の一撃は、1番である雲母の彼氏・炎城 烈人ほどの威力は無いものの、野良キセイ蟲程度なら余裕で退治できる強烈な威力を持っている。


「やめな...さい!!」


 ボッ!!っと爆ぜる音とともに、キセイ蟲の身体に穴が空いた。


「ギッシャーーー!!?ふ、不意打ちなんて...卑怯じゃない......ごふっ」

「ふん!楽しい旅行を邪魔するから悪いのよ!」


 キセイ蟲が動かなくなった後、雲母は男の元へ歩み寄り、声をかけた。

男は恐怖で蟲が退治された事に気がついていないのか、頭を抱えたままガタガタと震えている。


「あの、もう大丈夫ですよ」

「ひぃっ!.........え?人の声...?」


 雲母の声でようやく顔を上げた男の目に、上から自分を見下ろす美少女が映った。

そして男は驚いたように声を上げる。


「あ、ありがとう、ございますっ...ぶひぃぇっ!?」

「うわっ!な、何?」

「え、あ、え、え?」


(何なのこの人?怖いもの見たみたいな表情でこっち見て...気持ち悪い)

(え?この顔、この声、この匂い...も、もしかして星乃さんっ!?)


 男は驚愕した。

中学時代、男嫌いの超潔癖症である『鋼鉄の処女』星乃 雲母へ無謀にも告白してこっぴどくフラれ、そのショックで他県へ転校してしまった苦い記憶を引きずっている彼の前に、偶然にも張本人が現れたのだ。

あの時のトラウマと奇跡の再会による歓喜が、同時に彼の心に湧き上がる。


「あの、も、もしかして、星乃さん、ですか?」

「は?ど、どうして私の名前を?...あなた誰?」

「っ!!」


(そんな!ボクが崖から飛び降りる覚悟で告白したのに、星乃さんに完全に忘れ去られてるなんて!それどころか不審者を見るような目でボクを見てる!ひどいっ!)


 と男が悔しさで拳を握りしめた時、雲母の背後に光線が直撃した。


「きゃぁ!!痛っ...くはないわね」

「キッ...ショッ、ショ...油断、したわね...げほっ。よくもこのあたしを...倒してくれた、わね...」

「キセイ蟲!まだ生きて?!」

「ごふっ...もう死ぬわよ......だから最後の力で、ムカつくあんたに嫌がらせ...」


 キセイ蟲はそう言い残すと、雲母がトドメを刺す前に弱弱しく動いていた頭と腕を地面に落として動きを止めた。

雲母は光線が直撃した背中をさすってみるが、見た目の割に何のダメージも追っていない事を確認する。


「何だったのよ?本当にただの嫌がらせって訳?..........あ、れ?」

「ほ、星乃さん!フラフラしてどうしたの?」


(やだ...なに、これ?急に頭がボーッとして、視界も音もぼんやりしてきた...)


 雲母は魂が抜けたような虚な顔で、壁に持たれかかって座りこんでしまった。

謎の事態に理解が追いつかない男は、キセイ蟲と雲母を何度も交互に見つめる。


「え?え?どうなってるの?」

『キショショ...ねぇ、そこのあんた』

「ぶひぃっ!?バケモノまだ生きてる?!しぶとすぎる!」

『もう指一本動かないから安心なさい...これはテレパシー...だから最後によく聞きなさい』

「へ?」

『あたしは『コンラン蟲』。今あの女に撃ったのは『コンラン光線』って言ってね...けほっ...記憶を曖昧にさせて、偽の記憶を信じ込ませる事ができるのよ......効果は長くても1日程度だけどね』


 先ほど自分を襲おうとしてきた蟲からのテレパシーを、なぜか男は完全に信用して聞き入っている。

『偽の記憶を信じ込ませる』という魅力あふれる言葉に後ろ髪を惹かれたからだ。


『うっふふ♡…ねぇ、あんた。今ならその女に、どんな都合のいい嘘でも吹き込めるわよ♡…その異常なくらいの負のHネルギー...思いっきり発散しちゃいなさいよ♡』

「ぶひぇ?そ、そんな事って...ごくっ...で、でもどうしてボクに?」

『さっき言ったでしょ?...はぁ、はぁ...死ぬ前の嫌がらせよ......据え膳だと思って、そこのドスケベな身体のメスを欲望のまま、好き勝手にしちゃいな......さ...い.......』

「............................死んじゃった?え?本当に?ボクが雲母さんを自由にできちゃうの?......ぶっひ〜〜!!マ、マジで??マジで!?マジで!!ど、どうしようっかな〜!急にいつも読んでるエロ同人みたいな展開になって困っちゃうよぉ!!」


 男は3秒考え込み、すぐに結論を出し実行に移した。

雲母の肩を掴み、耳元で脳へ声を染み込ませるように嘘を呟く。


「ボク...肝田 雄介は星乃 雲母と昔からずっと恋人関係。雲母ちゃんはボクの全部が世界で1番大大大好きで、エッチな事もたくさんしてる。そして今日は遠距離恋愛してたボクのところへ雲母ちゃんが泊まりに来て、お家でイチャラブ濃厚恋人セックスをず〜〜っとひたすらヤりまくるっ予定!........こ、こんな感じで良いのかな?」

「..........................」


(耳元で誰かが何かを言ってる...れっくん?)


「..........ん...あれ?...れっくん?」


(れっくんって誰だ!もしかしなくても彼氏!?...ぶっひひ、まあ星乃さんがすでに中古になってたのは辛いけど、NTRシチュ大好きだからむしろ興奮するぅ〜!)


「雲母ちゃぁ〜ん。寝ぼけてるのかな?君の彼氏の肝田 雄介だよぉ」

「かれ、し...っ!!」


 至近距離で顔を覗き込むキモブタアニオタ男と目が合った瞬間、雲母は顔を真っ赤にして固まってしまった。


「か、か、か」

「ぶひ?か?」

「か、顔...ち、近いって...雄介♡」


(が、がわいい〜〜〜〜〜〜〜〜!!!)


 肝田はコンラン光線の効果が無事に発動している事を確信したと共に、生まれて初めてできた彼女の可愛い照れ顔に心臓が止まりそうになる。

普通なら気持ち悪すぎて女から問答無用でドン引きされてしまうニヤニヤスマイルを、雲母は不思議そうな顔をしながら眺めていた。


「ぶっひひ...ああ、家行ってからにしようと思ってたけど...無理ぃ!ぶっぢゅぅぅぅ!!」

「ふんんむっ?!♡」

「ぶぢゅ!ぶぢゅる!べろ!べろ!べろ!」

「っ♡♡ひょ!♡ゆうしゅけ♡…あんっ♡まっへ♡…んちゅ♡ここ外っ♡んっっろ♡」


(ボクのファーストキッス!何回も夢に出て何回も抜きまくった星乃さんとしちゃったぁ!!唇やわらけっ!口の中あっま!)

(うそっ♡こんな場所で本気のキスしてくるなんて♡…人に見られちゃう♡止めないと♡)



Comments

uzu

アワワくれぐれもお大事に… 動けない事態に備えてスマホは手の届く場所にどうぞ(1敗)