Home Artists Posts Import Register

Content

#26 「さて……まずは言い訳から聞いてあげましょうか?」  美咲はコツコツとヒールの音を立てながら貴方の下半身の方へと歩みを進める。  手を後ろに組み貴方の裸体を舐めるように眺めながら辿り着いたのは、貴方の足指さえも拘束された足元だった。 「あ、やっぱりいいや♥ 言い訳を聞いてもイライラしちゃうだけですし……」  美咲はクスリと笑みを零し石ベッドの縁にチョコンと腰掛ける。そして貴方の反り返った足裏をうっとりした目で見つめ右手をゆっくりその足裏に近づけていった。 「どうせ……私の事が一番好きだって……口では言うつもりなんでしょ? ……分かってますよ、そういう貴方のズルいトコ♥」  近づけた手から人差し指が1本だけ立てられ、その指先が貴方の足指の付け根にそっと触れる。無刺激だった足にそのような刺激が突然与えられ、貴方はビクリと身体を跳ねさせてしまう。 「でも……嘘でもいいから聞いてみたい気もしますねぇ……貴方の口から……」  足指の付け根から、大きく膨らんだ拇指球の丘へ向けてツツツとなぞる彼女の指先。そのじれったい動きはあまりにもこそばゆく、貴方の口元を意図せず緩ませていく。 「私だけを愛して欲しい……なんて贅沢かもしれませんが……女の子は誰でも望むものですよ? 自分だけに囁いてくれる愛の言葉を……」  なぞる指先は拇指球をのぼりきり、その頂上で軽くイタズラっぽくコチョコチョと指を動かして刺激を加えると、その場で僅かに静止しそれからゆっくりと土踏まずの窪みを見下ろすかのように拇指球の端まで指先が進む。  そして美咲の声がワントーン下がったのをきっかけにその指先も……。 「さぁ、その口から言ってみてください? 私の事だけを愛していると……♥」  拇指球の下りの丘陵をまるで滑り台に乗った子供のようにツツツと滑り降ろしていく。  土踏まずの中央まで一気に線を引くようなその指先の滑り方に、貴方は口に含んでいた空気を豪快に吐き出してしまう。  土踏まずまで滑り込んで来た美咲の指は、貴方の吹き出しを見るや否や窪みの汚れをほじくる様にコソコソと引っ掻き始め、開ききってしまった貴方の口から今度は息ではなく意図せぬ笑いを吐き出させていく。 「ほらほらぁ! 笑っていては私への愛は伝わりませんよ? 笑ってないでしっかり叫んでください。私だけを愛していると……」  そうは言われても美咲の指の動きは貴方を笑わさずにはいられない。あなたの弱い箇所を知り尽くしているかのような動きで土踏まずの様々な敏感な箇所を指先で引っ掻いていく。  一度堰を切って笑い始めた貴方に、その意地悪なこそぐりに耐える手段など用意できるはずもない。笑いに笑いを重ねてしまい、貴方の正常な呼吸は阻害され息の出来ない苦しさが一気に高まっていく。 「こんな悪戯程度の刺激に私への愛は負けちゃうんですか? それは許されませんねぇ……お仕置きをしないといけませんねぇ……。ほらっ!」  人差し指だけのなぞりだったのが美咲の声と共に全ての指が足裏に展開され貴方の足裏の各所に複数の指が触れていく。  そしてその指達は皮膚に薄く触れると間髪入れずにコショコショと敏感な表皮を軽めに引っ掻き回し始める。  その刺激は貴方の想像した以上のこそばゆさであり、耐え難いムズ痒さに貴方は頭を激しく左右に振りながら大笑いを搾り取られていく。  美咲の指は土踏まずの中央、足裏の側面、カカト、足指の付け根……ありとあらゆる“くすぐりに弱い箇所”に指先が這い、その箇所に適したくすぐり方で貴方の笑いを最大限に引き出していく。  カカトや足指の付け根のような皮膚が少し硬い箇所はガリガリと爪を立てて少し強めに引っ掻き、拇指球や小指球のような僅かな刺激にも弱い箇所には優しくフェザーなタッチでムズ痒さを強く与えていく。くすぐりに最も弱い土踏まずは刺激に慣れさせないために素早く様々な箇所に指を這わせつつ貴方が笑わずにはいられないよう仕向け、足の側面やその付近は親指の硬い爪先でガリガリと引っ掻いてこちらも笑わずにはいられない刺激を貴方に与えていく。   貴方は笑いが止められない。 苦しいと脳が理解しているのは分かっているが、それでも笑いの衝動が抑えきれない。 足の裏だけでどうしてこんなに笑いが抑えきれないのか? それは指一本すら動かせないくらいに完全に拘束された足裏を責められているからというのも勿論あるが、それ以上に今のシチュエーションのギャップが貴方の笑いを誘ってやまない。  もしかするとこれはプレイではないのかも? という不安……。  その高まりきった緊張をほぐすかのような的確なくすぐり。  この威圧するような部屋の作りと緊張を強いるシチュ……そこに加えられた緊張を無理やり弛緩させていく“くすぐり”という行為のギャップに、貴方は精神的にも肉体的にも笑わされている。  足裏が特別弱いというわけではないが、それでも通常以上にくすぐりに対して敏感になり過ぎてしまっている。  それはこの緊張感のせいなのだろう。極度の緊張が貴方の危機態勢を整え過ぎ、くすぐりに対して耐性を失ってしまっているのだろう。貴方はそう分析するが、それが分かったところでこの苦しい笑いを止められる有効な手立ては思いつかない。それよりもむしろくすぐったい刺激は時間を追うごとに強くなっていっている。  それは貴方が刺激に弱くなっていっているのか? それとも美咲のくすぐりが巧みになっていっているのか……それは分からないが、とにかく足の裏がくすぐったくて仕方がない! すぐにでも逃げ出したい! 逃げて暴れて床に足裏を擦り付けてこの刺激から解放されたい! そう思っているが、その願いは絶対に叶わない。美咲がくすぐり易いよう足の指まで拘束された貴方の足はどんなに暴れようとしても逃げ出すことも指を動かすことも叶わない。彼女のくすぐりにただただ無防備に晒されれるだけの哀れな存在なのだから。 「笑ってばっかりでちっとも私の事を愛してはくれないのですね? そっかぁ……そんなにくすぐられる方が好きですかぁ……。ふぅ~~ん。なるほどねぇ~~。じゃあ、そんなに笑いたいんでしたら……もっと大笑いさせちゃおっかなぁ~~♥」、  右の足の前に立ってくすぐっていた美咲は足裏を左手でくすぐり続けながら、身体だけ開かれた足の間に移動させ貴方の未だ萎えきっているムスコをいやらしい目で見つめつつ逆側の左足の方へ反対の手を伸ばしていく。  モデルのように長い手足を持つ美咲であるため右手は簡単に貴方の左の足裏に届き、その手は無刺激だった貴方の左足裏に中心に向けて近づいていく。  そして……。 「ほ~~ら♥ 笑いたいんだったら笑わせてあげますよ。こ~~ちょ、こちょこちょこちょ~~♥♥」  右足同様に左足の裏にも美咲の5本の指が一斉に這い回り始める。 最初こそ土踏まずの中央に全ての指がすぼめた状態で集まりモジョモジョと小さくくすぐったが、その指達は蕾が花開くようにパッと足裏全体に広がり足裏の各所へ散らばって貴方を責め始めた。利き手であろう右手のくすぐり方は左手でのくすぐりと違いもっと触り方ががはっきりしていて余計にこそばゆい! 今まで無刺激だったというのも重なってその刺激の新鮮さと強さは貴方に未知の笑いを引き出させていく。まるで咳をするように勢いの強い笑いが呼気と共に吐き出される。  発作的に何度も咳が止まらなくなるような笑いが貴方の肺から急激に酸素を絞り出していく。  これは苦しくて堪らない! 笑わされることに快感を覚えていたはずの貴方なのに、この無理やり肺の酸素を搾り取られるような笑わせ責めは窒息死の恐怖すら何度も頭を過ぎってしまう。笑ってしまう自分が怖い……このまま笑い続けて脳に酸素が届けられなくなったら……いや、その前に肺の酸素がなくなって呼吸困難になってしまったら自分はどうなってしまうのか? 死んでしまうのではないか? 殺されてしまうのではないか?  そんな緊張が脳裏を駆け巡り貴方は笑いながらパニックになってしまう。  なんとか笑いを止めなくては……と必死に口を閉じようとする。  しかし、口は閉じられない。それどころか死の恐怖から緊張すればするほど反比例的に可笑しさが募っていき、笑いが止められなくなる。こんなに苦しいのに……。こんなに辛くて怖い状況なのに……。 「こ~~ちょ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょ~~♥ こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~~~♥♥」  貴方が死の恐怖に苛まれているというのに、美咲は手を緩めてはくれない。それよりももっと苦しむようにとくすぐる指の動きを早めて貴方が笑いを途切らせないよう工夫さえしている。  こんなに苦しい思いをしているのに! こんなにヤメテと叫んでいるのに! 美咲の楽しそうに囁く“こちょこちょ”の言葉が憎たらしく聞こえる。やめろと言っているのにやめてくれない彼女に憎しみさえ覚え始める……。 「ほらほらぁ!! 私の事を好きって言ってください? 苦しいでしょ? 笑いたくないでしょ? だったら言ってください! 私の気が収まるまで何度も! ほらっ!! ほらぁ!!」  こんな憎らしい相手に“好きです”や“愛している”などの言葉など口にしたくはない。口にしたくはないけど……。 「言わないと、もっと笑わせますよ? 足の裏が壊れるまでこそぐり回して貴方の事笑い死にさせちゃいますよ? 良いんですか? ねぇ! ほら!! ほらぁっっ!!」  美咲の語気が上がるたびにくすぐりは熾烈さを増していく。  足の裏が壊れるまで……などと彼女は言っているが、まさにその言葉通りと言わんばかりに身動きの取れない足裏に美咲の10本の指は這い回り続けている。  素早く引っ掻き回すようにくすぐっているが決して雑ではない。部位に合わせた的確なくすぐりが素早くローテーションしている感じだ。だからやっぱり笑いは止められない。むしろ悲鳴のように笑いを叫んでしまっている。  このまま続けられたら間違いなく壊されてしまう。足裏だけでなく頭も……身体も……精神も……。  嫌だ。それは……嫌だ! 「ココが弱いんでしょ? 知ってますよぉ♥ 土踏まずをコソコソされるのは誰でも弱いですもんね? だからココは念入りにこそばしてあげます♥ 貴方の反り返った土踏まずを爪で引っ掻いたり優しくモショモショしたり、全部の指でこちょこちょしてあげます! ほら、もっと笑ってくださいっ!! ほらほら!!」  美咲の言うとおり土踏まずに指が触れると耐え難い電撃のようなくすぐったさが脳内で暴れまわる。足指を反らさた格好で拘束されているから土踏まずも強調するように反らされ伸ばされていて、神経も過敏にさせられている。そんな箇所を指先でツィ~っと触られでもすれば発狂するくらいに笑ってしまう。それくらい弱い箇所なのに美咲はソコを遠慮なしに様々な手を使ってくすぐり責め立てていく。  そのくすぐりに耐えられるはずもない。この拷問が始まって何分経ったか分からないが、もう耐えられない。  降伏するしかない……。このままいくと本当に笑い死にしかねないから……。  だから笑い苦しむ中で必死に言葉を紡ぎ出す。  彼女の望む言葉を……。 「アハ♥ やっと言ってくれたんですね? “愛しています”って♥」  搾り出し掠れた声でやっと出した言葉に美咲の顔が綻ぶ。  しかしくすぐりは止まってくれない。むしろさっきよりも激しくさえなっている。 「もう一回♥ もう一回言ってください♥♥ はぁはぁ♥ その言葉……凄くイイ♥ ほらっ! 言って! “貴女だけを”っていう言葉もくっつけて!! ほら!!」  貴方は必死に同じ言葉を繰り返す。彼女の要望通りに言葉を加え何度も何度も。  しかしくすぐりはまだ止まらない。さらに激しさを増していく。 「笑い苦しみながら言ってくれる“愛してる”は最高ですっ♥ もっと言ってください! 美咲だけを愛してるって言って! ほらっ!!」  貴方は汗と涙と涎を撒き散らしながら必死に彼女に愛の言葉を連呼する。その度に美咲の体は震え、そして満足気なニヤケ顔を貴方に向ける。  何度同じ言葉を叫んだかわからない……。むしろちゃんと言葉を出せていたのかすらも自分では判断できない。  しかし、美咲はやっと満足してくれたらしい……。  何十回目かの“愛してる”の言葉にビクンと身体を弓なりに反応させ、その場にヘナヘナと座り果てていった……。  やっと……この地獄から解放された。    やっと足裏がバカになるほどのくすぐり責めから解放された……。  貴方は息を荒げながらそう安堵の気を過ぎらせるが……。 「では……次は私の番ですね……」  そんな貴方に冷たい言葉が耳元で囁かれる。  ふと隣を見ると、冷たい表情の次女恵里が立っていた。  貴方の疲れきった顔を見下ろしながら、僅かばかり口角を上げ不敵に笑う彼女……。  貴方は絶望した……。  そう、まだ終わってなどいない。これから始まるのだ……。  くすぐり責めという狂気の拷問が……。 →→#27へ

Comments

No comments found for this post.