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#20 「あらそう? まだくすぐったいのが強いんだ? あんたってばホントにくすぐったがりなのね? まぁ、その方が調教のし甲斐があるってものだけどさ……」  鈴菜はそう言うと背後から十字架の裏に回りこみ貴方の顔を正面から覗き込んでニコリと笑った。 正直この笑顔は幼く見える彼女に似合うとても無邪気で可愛らしい笑顔だったのだが、今の貴方にはその笑顔を素直に可愛いと思えるほど余裕が無い。どちらかと言うと屈託のないその笑顔の裏に何を企んでいるのか分からない不気味さの方を感じ取ってしまう。 「じゃあ、今度は快感の強い刺激を送ってあげるわ♥」  鈴菜はその言葉を言い終える前に十字架の裏に設置してあった何かしらのスイッチをONに切り替えた。  すると十字架の内部からブゥゥゥゥンという低い音が鳴り始め、貴方のムスコが納まった穴の中のシリコンに更に空気が送り込まれ貴方の淫棒を圧迫し始める。 「あんたのその粗末ないきり棒も、こんな事をされれば発情しないわけにはいかないはずよ? フフ♥ 遠慮せずに限界までカチカチに勃起させちゃいなさい♥」  上下左右全ての方向から肉棒を圧迫するシリコンの壁。それがしっかりと貴方の棒に押し当てられたら今度は空気の圧を絶妙に変え貴方のイチモツに掛ける圧迫感をランダムに変え始める。その刺激はまるで柔らかな指で棒の根元から先までを揉みほぐされているかのような感触。肉棒全てを包み込みながら色々な箇所を同時にグニグニと揉み上げていくかのような感触。  その絶妙な力加減で揉み解されていく刺激に、貴方の淫欲は一気に高められ下腹部にゾクゾクッとした射精欲が芽生え始める。 「あらあら、もう勃起しちゃったの? この程度の刺激でおっ勃っちゃうなんて……敏感過ぎもいいとこね……」  鈴菜は貴方のいきり棒が勃起したのを見て小馬鹿にするように笑う。そしてまた十字架裏の何かしらのスイッチを新しく入れ穴の中のシリコンに変化をつけ始める。  グニグニと揉み解すようにゆっくり動いていたシリコンの壁がそのスイッチによって動く向きを変えられていく。根元から先端に向けて押し上げていくような動き……。シリコンの圧迫感が下から上へとしごいていくような動き変わる。  それはもう、手でシコシコと肉棒をピストンしているかのような動きであり、下腹部に溜め込んだ射精欲を一気に棒の先端まで押しやろうとする強制力を孕んでいた。  気持ちが良い。大きな快感が徐々に固棒の根元からカウパー液を垂らす先端部分まで運ばれていき後はソコこから射出するだけの状態まで持っていかれる。今すぐに出してしまいたい! 気持ち良くこの射精欲を吐き出して全身を快感の寒気に包ませてしまいたい!! 貴方の頭ははち切れんばかりにその思いに囚われ、イク直前の苦しさに身悶え身体を震わせていく。  最後に射精するきっかけになる刺激が欲しい。それはくすぐりでもムスコへのしごきでもどちらでも良い。とにかく身体が浮いてしまうほどの快感を与えて欲しい……。貴方はその想いをこめて鈴菜の目を見るが……貴方と目が合った鈴菜はフフっと嘲笑を浮かべ貴方の願いを反故にする言葉を述べる。 「気持ち良いでしょ? 早くその気持ち良いのを思いっきり出してもっと気持ち良くなりたいと思ってるでしょ? でもね……この機械は意地悪だから、そういう……ただ気持ち良いだけのご褒美はあげないようになってるの♥」  意味深な言葉を漏らす鈴菜の言葉を体現するように、限界まで貴方の射精欲を高めたシリコンは一部分だけが特殊な動きを始め貴方のその欲の解放を妨げ始める。  肉棒の先端に配置されていたシリコンが貴方の射精欲を満たすであろう先っぽに上から圧をかけ始め蓋をするように覆い被さる。先端を押さえられてしまったものだから、今まさに出してしまおうと思っていた精子の水流も先端より手前で止められてしまう。出したいのに出口が塞がれ射精ができない……シリコンの蓋が貴方の射精欲を意地悪に遮断し無理矢理我慢させようと働きかけてしまう。  蓋をしたシリコンは亀頭周りにも圧をかけ尿道を軽く潰す様に圧迫を加える。それにより射精準備の整った精子達は行き場を失いその先端付近に留まり続ける。しかし、根元付近のシリコンは性感を高める動きを続けており射精欲だけは延々と高まり続けてしまう。出したいのに出せない……収めたいのに収まらない……。射精欲は強まる一方なのにその欲は満たされずに延々とループする。この苦しみはくすぐりによる酸欠以上に貴方を精神的に責め立てていく。  射精したいのに射精させてもらえない苦しみ……まだ始まったばかりの責めではあるが、貴方はその片鱗を確かに今感じ取っていた。 「イキたいのにイかせてもらえないのって……苦しいわよね? せっかく性感が高まっているのに出させて貰えないんだもの……もどかしいったらないわよね?」  貴方の苦しみをあざ笑うようにクスクスと笑う鈴菜は、そう言いながらスイッチから手を離す。そしてスイッチを弄っていた右手を身体に戻さずそのまま十字架の根元付近にクロスして拘束されている貴方の素足の方に向かわせた。 「くすぐりだって同じよね? 笑いたくないのに笑わされる……。感情や身体の運動を執行者にコントロールされる……。今のあんたと全く同じだと思わない? イキたいのにイかせて貰えないっていう状況は……」  性感の抑圧に苦悶の表情を浮かべる貴方の足に鈴菜の右手がまるで羽先が触れるかのようにソッと触れる。  中途半端な胡坐をかいているような格好で拘束されている貴方の足裏は、地面を踏みしめてはいない。足首の箇所でクロスして枷をはめられているからカカトは十字架の端についてはいるが足裏までは隠すことも出来ない。十字架の横にはみ出してしまっている状態。そんな足裏の指先に、鈴菜の手が薄く触れる。正確には彼女の手袋が足の中指に僅かに触れただけなのだが、貴方はその刺激だけでもビクリと足を驚かせてしまう。 「こんな風に射精を我慢させられている状態で、こんなトコをこそぐられたら……あんたはどう感じるのかしら? やっぱりくすぐったいって思うのかしら? それとも……」  足指に触れた手がスッと僅かに下に移動し指の付け根に触れる。そしてそのまま母子球の膨らみをなぞるように登山し、土踏まずの窪みに向かって下山していく。その順番になぞっていくもどかしいこそばゆさは性感の刺激を凌駕し、貴方は顔を天に向け「くはっ!!」と小さな笑いを吐き出してしまう。  足裏をゾクゾクさせるシルクの手袋の感触。それが土踏まずに近づくにつれ異常なこそばゆさとなって貴方の脳を混乱させる。今気持ちいのか? それともこそばゆいのか? どちらも強い刺激である為頭で理解しようとしてもその刺激はどっちに傾いているのか判断が出来ない。  判断は出来ないのではあるが……鈴菜の指が土踏まずの窪みに差し掛かった瞬間、その均衡は簡単に崩れ去ってしまう。 ――サワッ♥ サワサワサワ♥  人差し指だけをクネクネと動かして足裏で最も敏感な土踏まずの神経をこそぐっていく鈴菜。貴方はそのゾワ~~ッと湧き上がるむず痒い寒気に一気に身体を震わし再び大きく吹き出してしまった。 「フフ♥ やっぱりこそばい方がまだ強いのかしらね? だったら、こっちの足も触ったげる♥」  鈴菜は遊ばせてあった左手の手袋の先端を口にくわえて手袋を脱ぎ、左手だけは素手になって貴方の責められていなかった反対の足裏にピタリと全ての指を当てくすぐる構えをとる。そして今度は焦らすような動きではなく明らかにこそばさが強まるよう指を蠢かせ貴方の足裏全体を指先で引っ掻き回し始める。 その刺激に貴方は上半身を可能な限り仰け反らせ、射精する代わりとするように勢いのある笑いを口から吐き出させていった。 「ほらほらぁ~~♥ どっちがこそばい? 素手の方? それとも手袋をした方? うん?」  貴方は手枷をギチギチとしならせながら、暴れられない身体を無理矢理暴れさせようとする。それほどに足裏への責めは容赦が無く、貴方の笑いはすぐに苦しさを増していく。  手袋をつけた滑るような乾いた刺激もこそばゆい! まるで羽根にこそばされているかのようにむず痒くて堪らない!  素手でのくすぐりも当然くすぐったい! 手袋とは違いはっきりした指や爪の触れる感触が土踏まずの敏感な皮膚に伝わり我慢ならないこそばゆさを脳に送りつけられる。どっちもくすぐったい!! 絶えられないほどくすぐったくて笑いが止められない。  そんな笑いが止められなくて苦しい状況が続いているにもかかわらずムスコをしごくシリコン壁の動きは弱まらない。もはや血管がはち切れんばかりに膨張してビクビクと脈打ちながら肉棒を勃起させ続けているのに一向にその先の快感に繋げて貰えない。それも苦しくて苦しくて……貴方はくすぐりと射精我慢の二重苦に苛まれながら笑い悶えることを余儀なくされている。  しかし、そんな苦しみが続くと、不意に妙な感覚に襲われる瞬間が何度か訪れる。苦しいはずなのに……気持ち良くなってないはずなのに……身体中に氷をつけられたような寒気が全身に走り、そして射精した後のような快感の余韻を僅かに味わえる……。それがどういう何故起きてどんなタイミングで起こるものなのか全く分からないが、確かにそういう瞬間が何度か過ぎっている。特にくすぐられることを意識した時……自分がくすぐられて笑っている事を恥ずかしく思ったときその衝動が起きている気がする。ただくすぐられているだけなのに……。笑うことが苦しいと思えてならないはずなのに……。 「どう? こんな風に我慢させられて足の裏をコチョコチョされるの……気持ち良いでしょ? くすぐったくて笑っちゃう自分が情けないけど愛おしく感じるようになってきたでしょ? ね?」  絶対にそんなことは無い! 気持ち良いはずが……ない! 自分が情けなく感じる事は数多くあれ、それを愛おしく感じるなんて事……。 「拘束されて身動きが取れない自分の事……弱々しくて愛おしくて堪らなくなってくるでしょ? あんたは私のくすぐりからどう足掻いても逃げられないの♥ どんなに逃げたくても逃げられないの♥ 無力でしょ? あんたの事苦しめている私の事が憎らしいでしょ? 快感を邪魔する機械が憎くて堪らないでしょ? でも私がコチョコチョするのを止めない限りあんたは笑わされ続けるのよ? 私が機械に命令を下さないとこれ以上の快感は得られないの! それは無力で弱くて情けないと思うでしょ? 生まれたての赤ちゃんよりも無抵抗なのよ? 今のあんたは……」  鈴菜の言葉に誘導させられていく。笑いと快感我慢の苦しみから頭が真っ白にさせられ思考が止まってしまっている。自分は赤ちゃんよりも無防備で、無抵抗にされている。そんなか弱く無抵抗な自分の事を鈴菜はくすぐりという暴力で嬲って楽しんでいる。憎い……確かに憎い! でも……それを意識すると湧き上がってくるこのゾクゾクした快感は何処から来るのか? 不自由にされ抑制され感情さえもコントロールされ苦しめられている自分の何処にそんな快感が湧き上がって来る隙間があるのか? 分からない。分からない……分からない……が、責められ続けて……自分が何かに目覚めてしまったのではないかと思えてしまう。射精欲とは別の……もっと強い何かに惹かれてしまっている。そんな気がしてならない。 それは何なのか? それはいったい何なのか……。 酸欠により白く薄らぐ脳内にその疑問を持った貴方へ鈴菜がそっと促すような言葉を貴方に優しく投げかけ始める。 「笑うのは本当に苦しい? くすぐられるのは本当に辛いことかしら? どう? 今のあんたは本当に苦しんでいるの?」  考えがまとまらない。頭が回らない。呼吸もままならない……。  でもこの苦しみが……脳を甘い痺れで犯していく。鈴菜の言葉を乗せて脳の快感中枢を無理矢理痺れさせていく。 「ほら! 足裏だけじゃなくワキもわき腹もくすぐってあげるから! もっと悶えなさい! 訳が分かんなくなるくらいに笑い狂って本当の快感を味わいなさい!! ほら!! ほらぁ!!」  鈴菜の手が一層忙しなく動き貴方の足裏のみならずわき腹や脇の下にも這い回り貴方に新たな刺激を加え笑いのループを更に強くさせていく。もう笑う力すら残していないのに……疲労はピークに達しているのに、鈴菜のくすぐりを受けると笑わずにいられなくなる。限界を迎えていてもなお笑ってしまう。延々と……。 ――コチョコチョコチョコチョコチョ、コショコショコショコショ♥ モミモミモミモミモミ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!  手の動きが追えないほどに素早く動く鈴菜のくすぐり。足の裏をくすぐったかと思えばわき腹を揉み、わき腹を揉んだかと思えば脇の下をコリコリと強く刺激し、そしてワキの窪みをコショコショと優しくこそばしていく……。それをワンセットとし、何度もそれらを繰り返し行っていく。  貴方はもはや笑っているのか叫んでいるのか分からない声を発し続けている。目の前に火花が散って見えるほどに神経が焼かれくすぐりに笑わされている苦しみが徐々に曖昧になっていく。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョ! こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ! コショコショコショコショコショコショコショコショ、こそこそこそこそこそこそこそ♥ 「良い顔になってきたじゃない♥ そうよ。くすぐられるのは気持ちが良いの。身体中がムズムズして頭の中までゾクゾクしちゃうでしょ? それが快感よ。くすぐったい刺激はアソコをいじくられるよりも気持ちが良い事なの……分かるでしょ?」  意識が飛びそうなくらい笑わされている貴方は、脳内に響いてくる鈴菜の声に反論の言葉が返せない。反論よりもむしろ肯定した方が楽なのではないかと考えが傾き始め、そしてやがて一つの結論に着地する。 「くすぐられるのは気持ちが良い……そうでしょ? 笑わされるのがとっても気持ち良い……身体中に指が這い回るのが気持ち良過ぎて堪らない……そう思うでしょ?」 くすぐられるのは……気持ちが良い。    笑わされるのは……気持ちが良い……。 「もう、コチョコチョの快感無しの生活は考えられない……そうでしょ?」  こちょこちょの快感無しの生活は……考えられない。 「もっと気持ち良くなりたいでしょ? 私にコチョコチョされながら……天国を味わってみたいと……思うわよね?」  もっと気持ちよく……なりたい……! 鈴菜の指に……身体中をこちょこちょくすぐられて……もっと気持ち良くなってしまいたい!! 「じゃあ……仕上げに本当の天国を味あわせてあげる♥ もうコレを味わったら引き返せなくなるくらいの快感をあんたにプレゼントしてあげるわ♥」  天国……。引き返せなくなるほどの……天国。  貴方はその言葉を何度も笑いながら呟いた。  頭では何も考えきれてはいない。ただ本能だけがその言葉を欲してしまう。  限界以上に我慢させられた射精欲と快感を見出し始めたくすぐり責め……それが合わさるとどんな天国を見られるのか……貴方は宙に浮かぶような心地でその天国を想像した。  貴方はもう……引き返せない。 →→#22へ

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