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#47  足の裏を正面に見ている……と言われると普通なら意味不明な言葉に聞こえて来るかもしれないが、今のあなたの視界にはその言葉通りの光景が広がっているのが現実だ。  ベッドの端から足裏だけを晒す様に寝かされている七穂には、その晒された足裏を隠したり逃がしたりする手段が与えられていない。足首の部位を枷にて固定されているのだから足を上下に動かす事も左右に逃がす事も自分の意思では出来ない。  あなたはそんな七穂の肩幅に開かされた脚の間に立ち、見放題になっている股間の方には目も向けず……開かれた左右の足裏だけを交互に見て筆を這わせるデモンストレーションを脳内に浮かべ責め欲を高めている。  だから“七穂の足の裏を正面に見ている”という表現は何一つ間違っていないし、今目の前に広がっている光景を説明するのに端的な言葉だと言わざるを得ない。  これから……手に持った筆を使って、このビクビクと震えながら怯えている足裏をくすぐる事が出来るのだ。今まで妄想の中で想像する事しか出来なかった七穂の本物の足裏が目の前にあるのだから……責め欲が膨らまない筈がない。あなたの欲は今にもはち切れんばかりに高まっており、すぐにでも手を出したい欲求に苛まれている。 「せ、せ、先輩? ダメ……ですよ? 足の裏なんて触っちゃ……絶対ダメ……ですからね?」  すぐにでもこの柔らかそうな足裏に直の手で触れてあげたい! と思っているのは間違いないが……しかしながら、本番のくすぐりを始める前にもうひと押しの“焦らし”を入れる必要があるとあなたは感じている。  本番のくすぐりの威力を底上げするにはまだ焦らしが足りていない……とあなたは理解している。だから、責めたい欲は限界まで高まってはいるが……ここはもう少しだけ我慢して最後の焦らしを敢行しなくてはならない。責めたい気持ちをグッとこらえて……七穂の足を更に敏感にする魔法を今かけて上げなければならない。 「せ、せ~~んぱい? あの……見るだけで何もしないんだったら……もうヤメにしても良いんですよ~? ほら、羽根のくすぐりで十分悶える姿も見れたでしょ? 満足したでしょ? ね?」  七穂は愚かにも“満足したでしょ?”などと呑気な言葉を投げ掛けてきている。満足したかと聞かれて“した”と答えてくれるとでも思っているのだろうか? そうであるなら、やはり七穂はくすぐりフェチという人種を侮っていると言える。筆を持って足裏が見える位置に来たというのになぜ見るだけで終わるという選択肢を選ぶだろうと思えるのか? それは彼女があまりに“くすぐりフェチの責め欲”を甘く捉えているか、もしくはあなたを“逆に煽っている”という両極端の解釈しか浮かばない。  後者だとするならば……いい度胸である。そういう考えを持っているのであれば解らせなければならない。くすぐりフェチを煽ったらどういう酷い目に合わされるのかを……身体に……。  あなたは心の中でその様に言い聞かせを行い、筆を持ってソッと彼女の左足に近づけさせて行った。  小筆の先をコチョコチョと上下に動かしながら、反り返る様に拘束された足の指に筆を向かわせ……そしてそのまま最初の刺激を彼女の足の親指の肌に向けて…… 「先輩? やっぱりヤるつもりなんですか? 黙ってないで何か言ってくださいよ! ねぇ! センパ……イひぃっ!?」 ――コチョ♥  最初の刺激は優しく……と心の中で呟き、足の親指の腹部分を筆先でチョロっと撫でて刺激を加えてあげた。 「ひゃはぁーーーーっ!? ちょ、指ぃっ!? 足の指ぃ! ニャハっッ!!?」 ――コチョコチョ♥  親指の腹をナデナデしてあげた後は、隣でジタバタし始めた人差し指の腹にも筆先をなぞらせてあげる。 ――コチョコチョコチョ♥ 「おはっっハッ!? にゃひゃ!? やだぁ~~~っは!! ムズってするぅぅぅぅ!! ひィぃっ!!!」  人差し指に筆が触れるとその指はさらに激しくジタバタを行おうとするが、足裏を反る様に拘束された彼女の足は例えそれが指であっても自由に動かす事は出来ない。限られた範囲で限られた角度までしか指は動かせない為あなたの筆から逃れる事など出来やしない。  あなたはそれを理解して、逃げようとする七穂の足指を追いかけながらこのムズムズを生み出す刺激を与え続けてあげた。 ――コショコショコショ♥ コショコショ♥ 「ひゃ!? あひゃっ!? ひゃめ!! うひゃ~~~~っ!! ヒィっ!!!」  人差し指が終われば次は中指……  中指が終われば薬指……薬指が終われば小指……と、足の指を順番に撫で回してあげた後は、今度は小指側から薬指、中指……と逆辿りを行い、また親指まで刺激を回していってあげる。それを1セットとしてその後何度か同じように往復させ、十分に足指のもどかしさを高めたと判断したら……次は逆の足の指も同じように何往復かして右足同様の焦らしを丹念に彼女に与えていく。 ――コチョコチョコチョ♥ コチョコチョコチョコチョ♥ 「にょは~~~っ!! あひひっ!? はひぃぃ~~~!! 左足ヤバいぃひっ!! コッチの方がゾクゾクするぅぅふふ!! ぅひ~~~っ!!」   指を触るたびに波打つように身体を震えさせて嫌がる様を見せてくれる七穂……あなたは右と左で僅かに違う彼女の反応を見つつ、足指の腹を触っていた筆を今度は指の股の間に落とし込んで新たな刺激を与えてみる事にした。 ――サワサワサワ♥ サワサワ~♥ 「ハギャ~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハ!! 指の間ぁぁッはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! くすぐったいっ! そこはくすぐったいぃ~~っひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!」  流石に指の腹よりも神経が過敏になっているであろう指の股への刺激は耐えられなかったようで、七穂はこの責めが始まるや否や、足とは関係の無い腰や腹を天に向かって突き出す様に浮かせ大声で笑い悶え始めてしまった。 「ギャ~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! やはははははははははははははははははははははは、そんな所コショコショしないでぇへへへへへへへへへへ!! そこは反則ですよぉォ!! 先輩ィぃひひひひひひひひひ、んははははははははははははははははははは!!」  指股をくすぐればドタンバタンと腰をベッドに叩きつけて笑い悶え、くすぐられている足の指も先程以上に嫌がる様にくねらせて見せる彼女。そんな踊るように蠢く彼女の足指を眺めながらもあなたは責めを緩めず左右の足の親指から小指までにある指股に筆を突っ込んで刺激を続けていった。 ――コチョコチョコチョ♥ コチョコチョコチョコチョコチョ♥ 「にゃはぁ~~~っはははははははははははははははは、やだっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うひひひひひひひひひひひ、えへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ひぃひぃ! くはぁ~~っはははははははははははははははは!!」  指の股へのくすぐりは指の腹を刺激した時よりも神経の感じ方が違うのか効き目が高い。それ故、初めて刺激された時の衝撃は強烈に感じたとは思うが、持続力という面では今一つの面も持ち合わせている。  くすぐったい! と強く感じるのは最初の数回の刺激くらいのもので、後はすぐに刺激に慣れてしまい効きにくくなってしまう。 「ひぃひぃ! も、もうやめて! ホントにもう許して……先輩! はひひっ!! ひひ……」  七穂もだいぶ参っているように振舞ってはいるが、既に刺激には慣れてしまった後なのだろう……笑いの合間に言葉を零せる程の余裕が現れ始める。  当然この指の間の責めや足指の腹への責めはまだ本当の焦らしではない。七穂の反応を見たいがために行ったデモンストレーションに過ぎない……焦らしはここからが本番なのだ。 「ハァハァハァ……はひ……はひ……ふぅふぅ……」  一旦足指から筆を離したあなたは、七穂がわざとらしく呼吸を整えている様子をジロリと睨むように眺める。すると七穂は、自分のわざとらしさを見透かされたと感じたのか、わざと大きくあげていた呼吸の声を気まずそうに萎ませていき、あなたの視線から顔を横に逃がして通常の呼吸をし始めた。 「うぅ……その様子じゃ……まだ……終わりじゃない……ですよね?」  七穂は横を向きながらも目だけは怯えながらあなたを見てその様に言葉を零す。あなたはその言葉に大きく頷きを入れ、離してあった筆を再び彼女の足裏へと近づけさせる動きを開始する。 「ひっ!? ま、また来るっ!! 筆が……また私の足に……ッ!!」  今度は足の指ではなく正真正銘の足裏……の、少し外側にずれた足底の端とも表現すべき肌に筆先を触らせた。 ――ソッ♥ 「ひっ!? ぅひぃぃぃぃっっ!!?」  位置で言えば小指の少し下の端……小指球の外側の縁に筆先を這わせたのだが、七穂はその僅かな刺激さえも敏感に感じ取り身体を大きく震わせる反応を見せた。 ――コソ♥ コソ♥ コソ♥  あなたは皮膚の上へ丁寧に色を塗るかのように筆を上下に動かし、足の端の肌をくすぐり始める。 「にゃはっ!!? アヒャヒャヒャヒャヒャ!? いひっ! やだっっこしょばいっっ!!!」  くすぐりが始まると再び七穂の口から笑いが零れ足指のジタバタする動きがさらに活発さを増した。足指がジタバタすればするほどその指を動かす為のスジが足裏の各所に浮かび上がっては消えを繰り返し、緊張を強いられている足裏の肌の姿を妖艶に変化させあなたを誘ってくる。それを見たあなたは今すぐに手で触ってあげたいと思う欲を生唾と一緒にゴクリと呑み込みつつ、足の沿縁に筆の先端を沿わせて大きく上下にくすぐる動きを続けた。 「はひ! はひぃっ! はひひひひひひひひひひひ! やははははははははははは、足の裏ダメっっへへへへへへへへへへへへへへ!! さっきの羽根のヤツで敏感になってるから余計にこしょばく感じるっっふふふふふふふ!! やだ、やだ、やだぁぁっはっはっはっはっはっはっはっは、ひぃ~~~~!!」  外側の縁肌を丹念にくすぐってあげたら、今度は足の内側(親指側)の縁肌に筆を移動させてコショコショ……  内側のくすぐりを十分に行ったら次は左の足へとくすぐる箇所を変え、それも外側と内側を丹念にコショコショ……  急所である“土踏まず”には決して触れず、その周囲の外側を焦らしながらくすぐる事で触っていない土踏まずが余計に際立って意識させられている事だろう。弱点である土踏まずを避けるようにくすぐっているのだから、いつ触られるか分からない不安に苛まれながら七穂は緊張を強いられているはずだ……。 「ひい~~~っひぃ! はひぃぃ!! こしょばいぃぃひひひひ!! 先輩こしょばいですぅぅ!! くふふふふふふふふふ、んぐっくっくっくっくっくっくっ!!」  周囲をくすぐられる事で足の裏の肌がどれだけ敏感にさせられているかをこれでもかと感じ取る事が出来ただろう。この状態で土踏まずくすぐられればどれだけくすぐったさを味わうか想像できてしまっているだろう。  筆の刺激だけでも絶望的にくすぐったいと思っているに違いない。こんな刺激を土踏まずに与えられれば自分がどんな惨めな顔で笑い狂ってしまうのか想像できていないはずがない。 「っはっはっはっはっはっはっはっは、やだやだやだぁ! もうやだぁ! 先輩もう嫌ぁぁははははははははははははははははは!!」  しかし、土踏まずを責めるのにこの筆を使うつもりは更々ない。最大の弱点にはちゃんと最大のパフォーマンスを発揮できるくすぐり方をするつもりだ。  それは羽根でも筆でもなく……勿論……この“手”でのくすぐりだ。  道具に頼るのは焦らしを行っているココまでであり、本番は当然……自分の手で行うのがくすぐりフェチの礼儀(?)というものだ。  これまで散々焦らして本命を残してきたのだから、素手でくすぐってやれば途方もないくすぐったさで七穂は笑い狂う事になるだろう。  今はまだ喋ったり文句を言ったりする余裕があるだろうが……本気のくすぐりが開始されてまだその余裕を保てるだろうか?  その反応を見るのも楽しみだ……。  七穂の本気で悶える姿を見るのも楽しみだ……。  さぁ、焦らしは十分に足裏に沁み込ませた。  後は自分の手で七穂をくすぐって笑わせる時間だ。  散々誘惑してきた彼女をしっかりと分からせてやらなければならない。  くすぐりを舐めてかかった彼女に……くすぐり責めがいかにヤバイ責めになるかを……その身体に……教え込んでやらなければならない。  あなたはその様に自分に言い聞かせ、這わせていた筆を七穂の足から離していった。  そして、筆をテーブルの上に置いたあなたは、改めて彼女の無防備に晒されている足裏を左右とも見渡して……ゆっくりと身体の前に両手を運びワキワキと指を動かして七穂の反応を伺った。 「はぁはぁはぁ……先輩? 嘘ですよね? まだくすぐるつもりですかっ!? もう十分でしょ? 十分に仕返し出来たでしょ? だったらもう……」  あなたの手の動きを見て本番はこれからだと察した七穂は、焦る様に顔を横に振り乱してあなたに慈悲を乞う言葉を返した。  しかしあなたにそのような言葉はもう届かない……  なにせあなたの視界には七穂の足の裏しか映っていないのだから。  彼女の足裏から目が放せなくなってしまっているのだから……。  →#52へ

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