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#46  ヒクヒクと小刻みに震える腹部……。  鎖骨から胸へと羽根によって撫でる刺激を加えてみると、なぜかワキなどではなくこの脇腹の部位を気にする仕草を彼女は取っていた。  あなたは羽根を小筆に持ち替えた後、胸の下から腹に中心線を引くかのような動きで筆先を滑らせ、震えの起きている腹部へとその筆を向かわせてみることにした。 「あっ♥ はあぁっあっ!? ひゃへ!!? んひぃっ!!」  筆の毛先が胸下から臍穴の直前までを一直線に撫でると、七穂は顎を天に突き付けるくらいに顔を仰け反らせながら色を帯びた声と戸惑う様な悲鳴を同時に口から吐き出した。  身体の反応も顔の仰け反りと同時にビクンと電撃を食らったかのように跳ね上がり、その刺激に対して拒絶の意思を示す反応を返している。  筆の細い毛先を上下に往復させながらコソコソと腹の表皮をくすぐってみると、その度に彼女の腰は大袈裟なほど何度も跳ね上がり刺激に対して嫌がるそぶりを見せ続けてくれている。  言葉では「やだ!」や「やめて!」などの拒否の言葉を大声で吐いてはいるが、くすぐりが続く程に刺激へは慣れが生じているらしく、腰の跳ね上げも徐々に小規模な動きに抑えられていくのが伺えた。あなたはそんな彼女のリアクションの変化を素早く見抜き、もっと新鮮な刺激を送り込んでやろうと筆の撫でコースを単純な直線の往復から蛇行する動きをプラスしてくすぐってみる事にしてみた。すると七穂の反応は再び燃料を補充されたかのように激しくなり…… 「にゃはっ!? や、や、ヤダッはっっ!! っくっくっく……くふっ! そ、それ……くしゅぐったぃ……」  先程までの反応よりも一段と大袈裟さを増した動きであなたのくすぐりに反応を返し始めた。 「やぁ~だぁ~っはっひひぃぃ!! やめて下さいってばぁ~先輩ィ~! ヒィヒィ! くひひひひひひ……うくっくくく……」  筆が蛇行する動きが加わることにより単純にくすぐられる範囲が広くなったというのもあるが、七穂にとって耐え難いのは動きの不規則性から来る予測できない刺激が与えられている事が大きいだろう。  蛇行しつつも左右に振れる幅はランダムに移動させている為、次はどれくらい広がってくすぐってくるかの予測が立てづらい。  ただでさえ新鮮な刺激に意識を奪われる場面であるのに、その様な不確定要素が加わればより一層くすぐったさを感じてしまうのは言うまでもない。  そのくすぐったさは七穂を笑わすのに十分な火力を秘めているのは明らかだが、それでも七穂はその強制力の強い笑いの衝動を意地でも抑え込もうと必死に口を閉じ我慢しようと試みる。 「ぅくぅ~~~っふっ! くふっっふっっふっ……くく……っくっくっく……んむぅ~~!」  腹の部位でも、胸に近い場所よりも臍に近い場所の方が反応が良いのが触ってみて分かる。  特に、臍近辺でも“脇腹”の肌に近づけば近づく程反応が敏感になっていっているのを見るに、先程の羽根での焦らしが脇腹の肌を敏感にさせてしまったという事実は疑いないようだ。  あなたは刺激により敏感になった腹部の方を重点的に責める為に筆を臍回りに這わせる事を決め、縦に往復させる動きから臍を中心として円を描く様な刺激の仕方に切り替えた。 ――ツツツ♥ コショコショコショ♥ 「はわぁ~~~っはっ!!? にゃめでぇへへへ!! お臍の周りは余計ゾワゾワしてムズ痒く感じちゃうぅぅ!!! ひっ!? ぅひゃ~~っ!!」  スポーツジムで鍛えている事が分かる、無駄な肉の無い薄っすらと腹筋のスジが入って見える見事な七穂の腹部……その腹部にお絵描きをするかのように円を描いてくすぐる筆先は、緊張しようと力みを見せている彼女の腹筋を強制的に脱力させムズッとする違和感を送り込み続ける。  その感触は七穂にとっては腹筋を鍛えること以上に腹筋をイジメる刺激になっているのだろう……腹筋のスジがヒクヒクと震え、それを嫌がっているように見受けられる。 「はっ♥ ひっ!! いひひ!! せんぱっ……はひ!? おねが……ひっ!! もう許し……へっ! んひゃ!! くひひ……」   臍に近づけば近づく程七穂の反応は悩ましそうに上半身をくねり艶のある声を口から出してくる。逆に臍から離れ腹部の外周をなぞればくすぐったさが強まるようでをビクンビクンと腰を震えさせ手足のバタつきも激しくなる。  恐らく臍は彼女の性感帯なのだろう……その近辺の部位だけは触られると切なそうな吐息を溢すこともあるから一目瞭然だ。  きっとココを弄られれば、飛び上がるくらいの未知の快感を彼女に与える事になるだろう……。それは反応を見れば明らかなのだけど、しかしそれでは彼女を悦ばせるだけで終始してしまうに違いない。  だからココは今は弄らない。七穂が欲しいと思っている刺激を与えてしまっては罰として効力を発揮しないのだ。 「あひゃ! んにゃっっは!! せんぱっはひひ!! 外側はやめてっ!! お腹の外側はっっひっ!? こしょぐった過ぎてヤバイっっひひ!!」  くすぐりフェチに腋や足の裏を見せつけて誘惑した罪は重い。  胸や尻などを見る以上にそういう希少な部位を見れば否応なしに興奮してしまうのがこのフェチに課せられた宿命であり背負わされた業なのだから、一度火がついてしまえば自分でも制御不能になりかねない。  それをいたずらに刺激すればどんな目にあうのか……七穂には分からせなければならない!  誘惑によって我慢させられた欲が、どれほど強いもどかしさを生んで苦しめたのかを分からせないといけない! 「はぐぅっっふふふふふ、ひゃだあ~っくくくく、ぃひぃ~~!」  胸を焦らしていても腹を焦らしていても結局“脇腹”へと繋がる神経が敏感になってしまったのかその部位ばかりに彼女の意識は向いている。  意識が向いているという事を証明するように脇腹の皮膚は小刻みにヒクヒクと震え、刺激される事を怖がっている。  その事実を確認する事が出来たあなたは、静かに筆を彼女の腹部から離し元あったテーブルの上に置き直す。そして、筆を放した手には今度は何も持たせず……その代わりに指をワキワキさせて七穂の寝ている石ベッドの上へとあがり込んで彼女の身体を跨ぐようにして立った。 「せ、せ、先輩? その手は何ですか? その……今にも『くすぐるゾ』って構えてる手は……」  あなたの手の動きを見て顔を真っ青に染めてその様に零す七穂……あなたはそんな彼女の顔を上から眺めながらゆっくりと彼女の股間部分に腰を下ろし始める。 「ちょっ! 手でくすぐるとか言いませんよね? こんな無防備にさせられてる私の事……直接手でくすぐろうなんて酷い事……思ってないですよね?」  七穂の言葉があなたの責め欲をこれでもかと高めていく。  彼女が怯えてくれれば怯えてくれる程……あなたの加虐心は底無しに高められていく。 「ダメ! 絶対ダメです!! そ、そこ……脇腹狙ってるでしょ! ダメっ!! 今……そこ……ムズムズしてて嫌な感じがしてるんですから、触るの禁止です!! ダメですよ? 振りとかじゃなくてホントにダメですからね? 分かってますか? ん! あ、あぁ♥」  腰をしっかりと着席させると七穂の股間が僅かにしっとりとしているのが肌を通して感じられた。これは臍の周囲を触られたから少し興奮して湿らせてしまったのか……? それとも、あなたにくすぐられる事に対して何らかの期待をしてしまって湿ってしまったのか……? いずれにせよこの“湿っている”という事象には彼女自身はまだ気付いていないようだ。自分がいつどんな場面で興奮したか等自覚出来ていなかったのだろう……あなたが座った事に対しても恥ずかしがる様子を見せていない辺りそれが読み取れてしまう。  尻に湿りを感じながらもあなたは身体を前屈みの格好になる様に傾け、顔の前に構えていた手をそのまま彼女の腹部へと近づけさせて行く。  指をこれ見よがしにワキワキさせながら……彼女の不安を煽る様にゆっくりと……。 「ひぃぃっ!? せんぴゃい! や、やめて……ホントに……やめ……て?」  接近してくるあなたの両手を必死に顔を起こし上げながら目で追おうとする七穂……。身体を起こそうとすればその分腹筋に力が入り、筋肉のスジが浮き出て見え始める。  あなたはそんな彼女の腹部に目を落としながらも、視線は左右で震えている脇腹の肌に向かわせている。  ピクリ……ピクリ……と、誘うように震えている七穂の脇腹……  焦らしに焦らしたお陰で敏感になり過ぎているであろう彼女の脇腹に……  あなたの手がソッと添えられ……  そして…… →#50へ

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