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#68  あなたが恵理をパートナーに選び上半身を責めるよう鈴菜に聞こえないよう指示を出すと、彼女は薄い銀色の眼鏡をクイっと手の甲で軽く持ち上げ頭を一度だけ頷かせ了承した旨をあなたに態度で示した。  そして、目に掛かり気味になっている銀色の前髪を手で面倒くさそうに掻き分けながら鈴菜の背後に立つと、僅かにニヤつくように口角を持ち上げ両手をゆっくり前に構え彼女の腋の部位にその手を運んでいった。  紺色のスーツ袖から露出している恵理の白く透き通るような美しい手が、宙に浮かぶ見えない鍵盤を弾く様に優雅に指先を動かして鈴菜の腋に接近していく。  ピアノを弾くかのように繊細に……それでいてしっかり全ての指を宙で折り曲げてくすぐる仕草をして見せる彼女の指先の動きに、あなたは思わず震えてしまう程の寒気を背筋に走らせてしまう。  アレが……今から腋の窪みを触るのかと想像すると……  万歳の格好を強いられ完全に無防備にされているワキにアレが触るのだと想像すると、自分の事ではないとしても想像だけで体中がゾワゾワと寒気を催す。  あの美しい指は……恐らく凶器だ。  あなたの脳裏にその言葉が過った瞬間、今まで緊張の為か言葉一つ零していなかった鈴菜の口から何か怖いものを見たかのような大きな悲鳴が吐き出される。 「はぎゃぁああぁぁあぁぁあぁぁあぁっっ!? な、な、なにっ!? 冷たひぃぃっ!? ワキに何か冷たいのが触ったっッはッっ!? ひぎゃああぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁっっ!!」  鈴菜には氷の様な何かが触れたように感じたのだろうが、実際に触れたのは恵理の人差し指だけった。人の指でそこまで大袈裟に反応を返してしまう程冷たさを感じたのだとするなら、恵理の指は常人の体温よりも随分と低いのだろうと思わざるを得ない。  普段から無口で機械的な表情しか浮かべない彼女だが、まさか体温まで人間のそれよりも低いとなると増々不気味さが際立ってくる。  彼女は実は……幽霊か……もしくは本当に機械で出来た人形なのではないだろうか? と、さえ思えてきてしまうから恐ろしい。 「コチョ……コチョ……コチョ……」  人差し指以外の指達も鈴菜の腋の窪みに着地させ終えた恵理は、そのまま表情を変えることなく指だけを動かして彼女の腋をくすぐり始める。  その時に呟いた煽り言葉にも生気は込められず、ただ機械がプログラム通り喋っているかのように同じ言葉を同じ感覚で繰り返していく。 「あぶぐっっふ!!? こ、この声っっ!! 恵理ねっ? 恵理が私のワキをっっ!? くひぃぃっっ!!?」  呪文のようにコチョコチョという言葉を繰り返す恵理に、鈴菜は腋を触っているのが恵理である事をすぐに悟る。 「あがっっはっっひっッ!? 指が冷たくてッっへ!! 普通よりこそばくっっふっっ!? 感じちゃうっっふふふふふふふふっっっくっくっくっくっくっくっくっく……」  鈴菜は恵理のくすぐりに笑うまいと必死に手をバタつかせてこそばゆさを紛らわそうとする。  しかし、その様子を眉ひとつ動かさずに見ていた恵理は、手の動きは変えず自分の顔を鈴菜の顔横に近づけて彼女の耳に触れるくらいの距離まで口を近づけさせて、今度は耳元であの呪文の様な擬音を彼女に聞かせ始める。 「こ……ちょ……こちょ……コチョ……こちょ……コチョ……」  抑揚のない機械音声のようなその言葉の連続に鈴菜の口元はみるみる笑いの形を取り始め、波立つように歪んだ唇の端から「ぷふっ! ぷぷぷふっっ!!」という空気の漏れるような小さな笑いが漏れ始める。 「コチョ……こちょ……こちょ…………コチョコチョ……こちょ……こちょ……」  決してくすぐる刺激が強いわけではない。皮膚の表皮を掠るだけの単純なくすぐり……  しかし、鈴菜はその単純な刺激にすら笑いを堪える事が出来なくなっている。  脚をモジモジと内股気味に擦り合わせたり、背中を十字架の柱に打ち付けて敢えて痛みを自分に与えてみたり……ジッとしていられないこそばゆさをどうにかして鎮めようと彼女は努力するが、恵理の執拗なくすぐりは一向に止む気配を見せない。 「はぐぐぐっっふっっっ! くふぅぅぅ~~~っっっ!! んぐふっっ! んんんんんっっ!!」  辛うじて声を出しての笑いだけは堪えている鈴菜だが、彼女の口は完全に笑っている時の形に引き攣り今にも笑いを溜め込んでいるダムは決壊しそうな勢いを見せている。  そんな意地でも笑うまいと必死に口元で笑いの圧を堪えている鈴菜を見て、恵理は不敵な笑みを浮かべ耳元に寄せていた口を更に突き出すように前へと出した。  そして…… ――ペロッ♥  言葉が一瞬途切れたかと思ったそのタイミングで恵理は口から細い舌を出し、鈴菜の耳の奥へとその舌を入れ込んでペロリと舐め上げた。  その予想外の行為に鈴菜は時が止まったかのように口を大きく開いて身体中を痙攣させた。そして耳を舐められたと分かるや否や悲鳴にならない悲鳴を上げ、身体を拒絶反応させるかのようにバタバタと暴れさせ始めた。 「はぎゃああぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっっっ!!? にゃ、にゃ、にゃにすんのよぉぉぉっっ!!!」  口を開き悲鳴と共に抗議の言葉を出した鈴菜の隙を見逃さず恵理はすかさず腋への責めを素早いものへと切り替えた。  先程までの責めが愛撫や前戯の類であるとするならば、今行い始めた責めは本格的なくすぐり。  目にも止まらぬ速さで全ての指をしなやかに動かして鈴菜の腋窩を搔き乱していく。  責め手の突然の切り替わりに猛烈なこそばゆさに襲われた鈴菜は、開いてしまった口を閉じようと必死に口に力を込めるが時すでに遅しの状態で……閉じるよりも先にけたたましい量の笑いが吐き出される結果となってしまった。 「はぎゃああぁぁああぁぁぁっっっはははははははははははははははははははははははは、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ず、ず、ずるひぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、耳を舐めて驚かすなんてズルいわよぉぉほほほほほほほほほ、ヒギャッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  恵理の奇襲とも呼べるくすぐりに笑わされる結果となってしまった鈴菜は、その責め方が納得いかないのか彼女に抗議の言葉をぶつける。しかし恵理はそのような抗議など相手にしないという態度を示すようにいつもの冷たい口調でマイペースに擬音を囁き続ける。 「コチョ……コチョ……。こちょ……こちょ。コチョコチョコチョ……こちょこちょ……」  感情も威圧感も何も感じさせないその擬音の繰り返しに拒否感が生まれたのか、鈴菜は頭を左右に激しく振り乱して恵理の言葉を勢いで掻き消そうと行動を起こす。  しかしそういう態度に出ても恵理の表情は何一つ変わらず、淡々と同じ語調で「こちょ……こちょ……」を繰り返していく。 「あはっっ!? あはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ちょっとぉぉほほほほほほほほほほほ、何とか言いなさいよぉぉほほほっっ!! 気味悪いじゃないのよっ!! このっっはひ!? くはひゃっ!? うはっ、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、やめっっ! その指っっひひひひひ、こそばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! だ~っははははははははははははははははははははははははは」  素早く腋の窪みを引っ掻いたかと思えば突然指をピタリと止め無刺激な時間を作ってみたり……そうかと思えば布地の表面を撫で確かめるかのように繊細なタッチでゆっくり撫で上げる刺激を与えてみたり……はたまた腋の柔肌を摘まみ上げるかのような勢いで指で挟んでクニクニと揉み解す刺激を与えてみたり……。恵理は多種多様な責め方を数秒置きに入れ代わり立ち代わりさせながら鈴菜の腋を責め抜いているが表情や発している声だけは相変わらず淡々としており、言葉と責め手との温度差のようなギャップを鈴菜に植え付ける事に成功している。 「はがっっはははははははははははははは、やばっっはははははははははははははははははははははははは、この声ッっへへへだめぇっっへへへへへへへへへへへへへへへへ!! 責めは強いのにぃひひひひひひひひ、言葉に生気が宿ってないのがっっはははははははははははははは、違和感過ぎて思わず笑っちゃうぅぅふふふふふふ、クヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、うあははははははははははははははははははは、だはははははははははははははは!! いひぃ、はひぃぃぃ!!」  くすぐりのテクニックは言わずもがな鈴菜の急所を突き続ける見事な責めと言わざるを得ないが、その嵐のようなくすぐりに対してよくも興奮せずにあの様に淡々と同じ言葉を繰り返せるな……と、あなたは感心してしまう。  そんな、自分の責めを忘れ彼女の責めに見入っていたあなたに恵理は僅かに口角を上げニコリと笑みを浮かべて見せる。そして右手の責めは続けながらも左の手を鈴菜のワキから離しスーツのポケットにその手を突っ込んで何かを取り出すようなそぶりを見せ始めた。  こんな時に何を取り出そうとしているのか? と、疑問符を浮かべたあなたに恵理は、ポケットから氷が2~3個入った袋を取り出してあなたに受け取るよう差し出してきた。  なぜ氷を入れた袋がポケットに? いや、その袋をなぜ自分に?? 差し出された意味が一瞬分からずキョトンとしてしまうあなただったが……氷という言葉が頭を再度過った時、鈴菜のあの時の反応とあの言葉が鮮明に蘇る。 『冷たひぃぃっ!? ワキに何か冷たいのが触ったっッはッっ!?』   恵理が最初に鈴菜の腋に触れた時のあの反応……  あれは恵理の手が元々冷たくてそのような反応を彼女に取らせただと勝手に思っていたが……恐らくコレのせいだったという事が今にして理解できる。  性格の冷めている恵理の手は冷たいのだろうと勝手なイメージであの時は納得していたが、鈴菜のがあれほど冷たいと反応するのだからなにかカラクリがあるのだと悟るべきだった。  彼女の手は元々冷たいのではなく……鈴菜を責める為にポケットに忍ばせていた氷でワザワザ冷やしていたのだ……  氷に冷やされた指の冷たさが目隠しをしていた鈴菜を驚かせない筈がない。誰だって素肌に氷のように冷たい何かが当たればそれは驚くに決まっている。  責めの直前にそんな予想だにしない刺激が加えられれば、責めに備えようとしていであろう鈴菜もそちらに意識を奪われてしまう……その隙をついて更にあのようなくすぐりを展開されたのだから、勘所が笑わないという選択肢はもはや存在しなかったのだろう。  恵理はそういう責め方をすれば鈴菜が必ず笑うであろう事を計算に入れて、この氷を服に忍ばせ密かに指を冷やし続けていたのだろう。流石は鈴菜の師匠(という設定)であると言える。意外な責めに弱いという彼女の弱点をしっかりと突いた素晴らしい一手だと感心させられる。    しかし……その隠し持っていた氷をあなたに向けて差し出しているというのはどういう意味があるのだろうか?  同じことを……やれと言わんばかりだが…… 「(あなたも、ほら……これで指を冷やして……彼女のアシ…………足の裏を……責めてあげて下さい♥)」  鈴菜の笑い声に掻き消されるくらいに小さな声であなたに囁きかける恵理の言葉……。あなたはその言葉を聞いてハッとなり思わず鈴菜の足元に視線を落とした。  あまりに簡単に鈴菜を笑わせられたものだからあっけにとられ“自分も責め手であった”という事を忘れてしまっていたあなただったが、彼女の言葉でようやく自分の使命を取り戻したかのように思い出した。そう……あなたは鈴菜の下半身を責めなくてはならないのだ。  片方の責めを休ませてまでその事を気付かせてくれた恵理に無言で頭を下げて礼の代わりを示し、慌てて差し出された溶けかかた氷の袋を受け取ると、彼女に倣うように急いでその袋を両手の手のひらの上に乗せ両手の簡易的な冷却を行うあなた。その時間は恐らく恵理の冷やした時間よりもずっと短い時間であっただろうと思いはしたが、腰を屈め彼女の足先が目の前に来る位置まで座り込んで位置を調節すると受け取った氷の袋を隣に立っていた美咲に預け早速と言わんばかりにくすぐる構えを取って見せた。  触られる側もその冷たさに驚く事は必至だろうが、触る側も冷たくなった指先が空気の揺らぎすら感じられるくらいに刺激に敏感になっている事を改めて教えられる。  この指先に触れるいかなる物も触った瞬間にリアルな感触をその指の神経に伝える事だろう……  それだけ刺激に過敏になった冷たい指先で……鈴菜の足裏を触ればどのような感触を味わえるのか……まだ触れていないにもかかわらず様々な“触り心地”をあなたは脳内で妄想してしまう。 「はひかひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、え、え、恵理ぃぃひひひひひひひひひひひいひひひひひひひっひひひひひひひひひひ、や、や、やめへっっ! あんたのくすぐりはヤバイんだからぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、一旦止めでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  あなたは両手を逆手に構え、ゆっくりと鈴菜の無謀な足裏へと近づけさせていく。  足裏へ近づくにつれ指先に感じ始める彼女の足裏の熱気……笑い苦しみながらも足をバタつかせようとする動きに揺らぐ空気の移ろいすらも敏感に感じてしまう指先に、今最初の接触が訪れようとしていた。  短い時間ながらも急速冷却させた手……その僅かに水滴を滲ませた冷え切った指先……  その代表と言わんばかりにあなたは中指を緩やかに曲げ……他の指より僅かに早いタイミングで鈴菜の足裏……恐らく刺激に一番敏感であろう土踏まずの中心部分にその中指の腹をソッと優しく……しかし明らかに触っている感触を味わえるような強さで最初の“触り”を行った。 ――コソッ♥♥ 「――ぃひゃひゃひゃひゃ……えっひひひ……ひゃっ!? あひっ!!」  中指の腹に伝わった鈴菜の足裏の感触……  腋や脇腹の部位に比べてその皮膚に柔らか味を感じることは出来ないが、限界まで引っ張られるように反り返されている彼女の土踏まずの肌は緊張しているかのように張りが強く指を置けば反発で跳ね返される位に弾力のある触り心地だった。   ――コソコソ♥ コソッ♥♥  中指の着地から時間差で次々に足裏の肌上に指先を触れさせていくあなたの指達……その全てが氷により冷やされ冷たい感触を直に足裏へ伝えている筈だ。 「ぴぎゃあぁああぁぁあぁぁぁぁ!!? あ、あ、あじにぃぃひひひひひひひひ、あじの裏にぃ冷たいのが触っだぁぁッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、いひゃあぁぁあはははははははははははははははははははははは!!」  あなたの指はまだ動いてなどいない……足裏の肌にそっと触れさせただけの段階だ。しかし鈴菜の反応は想像以上に大きく、そして拒否反応もこれまでにない程強く手足に伝えられた。  あなたは鈴菜の大げさすぎる程の拒否反応を下から見上げて堪能しつつ、お待たせしましたと言わんばかりに肌上に置いていただけの指達へ次の指令を脳から送る。 ――コ……チョ♥ 「プっひッっ!? はぎひゃっっはっっ!? ひぃぃっっ!! ゆ、指が動き始めたぁぁ!!」  あくまでゆっくり……  足裏の固まらんばかりに緊張した皮膚を丁寧に愛撫するように……  全ての指を足裏の中心へ向かって集めるような動きで……  ゆっくり……コチョリ……コチョリ……  焦らす様に……最初から笑わせにかかるのではなく、あくまで冷たい指に触られているという感触を存分に味わえるようゆっくりと集まっては広がり……集まっては広がり……を繰り返す。 「はっっがっっひっ!? あひひっっひひっっ!! 何よその指ぃィひひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、ぬ、濡れてるの? つ、冷たいひひひひひひひひひひひ、はひぃぃぃぃ!!?」 あなたの指は確かに濡れている。氷の入った袋の外側に滲み出ていた結露的な水滴を指先が吸収したまま触っているのだから濡れていて当然である。  冷たさを敏感に感じ取った鈴菜は濡れたあなたの指先の感触も明確に感じ取ってしまう。  あなたはその濡れた指の水分を鈴菜の足裏に移し込むように塗り伸ばしていく。  ゆっくりと……ジワジワと……ねちっこく焦らす様に…… 「はひゃっ!? あひゃひゃっっ!! はっっはははははははははは、ぬ、濡れたとこが強調されてっっへへへへへへへへへへへ、こそばいっっひひひひひひひひひひひひ!! そのじれったい触り方もッっむず痒くてっへへへへへへへへへ、どんどんこそばくかんじてきちゃうっっふふふふふふふふふふふふふ、くひぃ~~~っひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、うぷぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!」  指についていた水分を足裏に満遍なく塗りたくったと自負したあなたは、一瞬指の動きを止め鈴菜にほんの少しの休憩を与えてあげる。  それに合わせるようにしたのか、それともたまたまだったのか……恵理の手もそのタイミングで止まり鈴菜はほんの数秒ではあったが不気味なほどし静かな静寂を味わう事となった。  これは休憩なのか? と彼女は思っただろうが……勿論違う。  止めてあげたという油断を誘っておいて、その期待を裏切るのが本命なのだ。  それを恵理は理解しているようで恵理は鈴菜の腋から手を離し、本番のタイミングに合わせるようにその手を脇腹の方へと移動させた。そしてあなたの手の動きを見逃さない様にとジッと下を睨むように見続ける。  あなたはその熱視線を腕に受けながら足裏に這わせていた手に力を込め始めた。  今までの愛撫のような触り方が嘘であったかのような刺激を送り込むために……指の関節にも指先にも力を集中させる。  そして……休憩のような間を与えて2~3秒経った後……  あなたの力のこもっていた指は、その力を解放するかのように素早く力強く動き鈴菜の足裏の皮膚をこれでもかと言わんばかりに引っ掻き始める! ――ゴヂョっ! ゴヂョ、ゴヂョゴヂョっっ!! ゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョゴヂョ~~!!!  皮膚が赤む事など気にしない程の強さで土踏まずの反り返った肌を引っ掻きまくるあなたの指達! その責めが開始されると同時に恵理の手も鈴菜の脇腹の柔肉を変形させてしまう程の強い力で揉み込むくすぐりを開始した! ――モニョモニョっ! コチョコチョっ! モニョモニョ、コチョコチョ!!  責めが止まって一瞬の安堵を噛みしめようと油断していた鈴菜に、脇腹と足裏から猛烈なくすぐりの応酬が嵐のように送り込まれ一瞬驚く様に身体が硬直してしまう彼女だが、その硬直した身体はすぐに力を抜き取られたかの如く弛緩し始め、意図せず開いてしまった口からは先程の比ではない洪水のような笑いが吐き出される事となった。 「がひゃっっ!? あぎゃはっっ!!? イギャアアァァアァァ~~~~~~~ッッッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ひぎゃははははははははははははははははははははははははははははははははは、えがはっっひへっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、あがぁ~っははははははははははははははははははははははははははははははは、うえひへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  反論の言葉も、理不尽さを訴える悲鳴すらも言わせず……ただひたすらに彼女の“笑い”だけを純粋に引き出すあなたと恵理の責めは鈴菜の口を限界まで開かせ、横隔膜の収縮を強制的に運動させ、彼女の意図しない“笑い”を絞り出させていく。  脇腹に指を食い込ませ神経の奥にあるくすぐったいツボを直接まさぐる様にくすぐる恵理の容赦のない責め、そして頑固な足裏の垢を意地でもこそぎ落とすかのように何度もしつこく爪先で引っ掻き回すあなたの責め……  鈴菜はその責めに笑う事でしか応えることが出来ない。  裸に近い格好にされて……  腕を万歳させられ……十字架の様な台に拘束され……  決して笑いたいような気分ではない筈の彼女を、あなたと恵理はくすぐりという凶器を使って無理やり笑わせる。  笑いたいなどと微塵も思っていない彼女を……  プライドが高くて気の強い彼女を……  あなたや美咲の事を見下してさえいた生意気な彼女を……  まるで恨みを晴らすかのように、足裏の敏感な皮膚を刺激できるだけ刺激して……  脇腹に存在する笑いのツボを集中攻撃するかのようにしつこく揉み込んで……  ひたすら彼女を笑わせる。  笑いが止められず咽て咳き込んだとしてもあなたの手は止まらない。  むしろ、もっと笑えと命令するかのようにくすぐりを強くする。  恵理のくすぐりも容赦など一切ない。  鈴菜が何処を揉まれれば笑ってしまうのかをくすぐりながら反応を見て探り“ツボ”を見つけたらそこを徹底的にまさぐって笑わせる。  人差し指と親指で挟み込むようにくすぐったり、脇腹の括れを全ての指で掴んでグニグニと揉み込んだり……その時に応じて……反応に応じて臨機応変に攻め手を変えていく。 「ギャッ~~ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、ひぎゃはははははははははははははははははははははははははははは、ゲホ、ゲホゲホっっげっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、うははははははははははははははははははははは!! ひゃ、ひゃめっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、いひぃ~~~っっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ぐるじひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、がははははははははははははははははははははははははははは!!」  絶え間ない笑いの洪水が鈴菜の大きく開いた口から垂れ流されていく。  唇はビクビクと痙攣を起こしながら震えているが、その震えが笑いを抑えてくれるというような事は一切ない。  アイマスクの隙間からは彼女の汗と涙が混じった体液が止めどなく溢れ出してくる。  脇腹を守ろうと手を降ろす仕草を何度もとるが手首に巻かれた枷がその動きを自由には行わせない。  足裏のくすぐりから逃げようと足をバタつかせようとするが足首の枷がその動きを封じてしまう。  抵抗しようと暴れても、逃げる為に動かそうとしても……鈴菜に自由は与えられない。  守りたいであろう脇腹は恵理にくすぐって貰う為だけに万歳の格好で晒され続ける。  逃げたいであろう足裏もカカト以外の全てが宙に浮いた状態で拘束されあなたのこそぐり回しから逃れられなくされている。  どんなに暴れようとも……どんなに叫ぼうとも……あなたと恵理のくすぐりから鈴菜は逃げられない。  どんなに笑う事が苦しくなろうが、これ以上笑いたくないと心底思っていようが鈴菜は笑わされる。  無理やり腹の底から搾り取る様に……恵理とあなたは無抵抗な鈴菜をその児戯によって追い詰めていく。 「あがっっはははははははははははははははははははははは、いぎぃひひひひっィひひひひひひひひっぇひひひひひひひひひひひひひひひひ、ぐるじぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、いぎがでぎないぃぃ~っひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ダヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、んははははははははははははははははははは」  氷袋から吸い取った水滴がくすぐりを通じて肌に塗り伸ばされ彼女自身のかいた汗と混じり指と皮膚との抵抗力を薄め滑りを良くしていく。  摩擦抵抗の僅かに減った足裏へのくすぐりは普通に指で触れるより滑らかに動き、普段触られないであろう足の左右の側面付近やらカカトの周りやらまで指が滑り込み、鈴菜に新鮮なこそばゆさを常に送り込み彼女を笑わせる。  指を冷やした時に得た副産物がまさかこのような効果を発揮するとは思いもせず、あなたは“たかがくすぐり”の中に底の見えない深淵を覗いているかのような可能性をそこに見出す。  ただ指が少し濡れただけだというのに……少し指が冷たくなっただけだというのに……責めにに強いと豪語していた鈴菜をいとも容易く笑い狂わせてしまえるこの“くすぐり”という行為は工夫次第で如何様にもその強度を上乗せする事が可能なのだ。  それこそ、性行為の前の愛撫から子供同士で行う悪戯……果ては強制的に酸欠状態を強いる拷問としてのそれや、生命活動すらも脅かすくらいまで窒息させる事さえ出来てしまう程幅広い。  人間の原始的な対症行動である“笑い”を極限まで引き出すことが出来るこの“くすぐり”は、拘束という自由を奪う行為と組み合わさる事で初めて凶器としての一面を見せる事となる。 「あがっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、だじゅげでぇぇっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ、ぐるじぃぃひひひひひひひひひひひひ!! ぐるじぃぃんだっでばぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、死ぬっっふふふふふふふふふふふふ、じんじゃうぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! んあっっはははははははははははははははははははははははははははははははははは」  哀れにも手足を拘束され、このくすぐりという行為に対して無防備を強いられている鈴菜に“笑い”止める手段は存在しない。 「はっっはっっは、がっっあ、ぎひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、えぎひゃははははははははははははははははははははは、やめでっっ!! お願ひぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、もうやめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「鈴菜……やめて欲しいですか? 貴女の脇腹をまさぐっているこの指を……今すぐ止めて欲しいと思っているのですか?」 「はっはっはっは、はひぃぃあひぃぃぃ!!! やめで! 今すぐやめでっへへへへへへ!! でないと死んじゃうっ!! 私っっひひひひひひ、死んじゃうっふふふふふふふふふふ!!」  両手を限界まで上げ切った万歳の格好で……  足裏をこれでもかと海老反らせるよう完全に拘束された鈴菜に許される事と言えば…… 「そうですか……そうですよね? こんなに苦しそうにしているのですから……」 「くはははははははははは、ふへっひひひひひひひひっひひひひひひひひひひ!! お、お、おでがいぃぃひひひひひひひひひひひひひひ、謝るからぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは、くちゅぐり止めてぇぇへへへへへへへへへへへへへへ!! もう止めてぇぇ!!」  くすぐりに対して大きく口を開けて大笑いする事か……それとも…… 「しかし残念です。まだ時間は半分も経っていないのですから……」 「んへっ!? は、は、半分も経ってへへへへへへへ、いにゃいですってっっ!? うぞでじょ?」 「嘘ではありません。まだまだ十分に時間もありますので……残念ですが貴女の言う“くちゅぐり”とやらを止めてあげることは出来ません……」 「いひゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、嘘よぉぉほほほほほほほほほほほほほ、そんなの嘘っっほほほほほほほほほほほほほほほほ!!」 「それよりも私はまだ……本気で貴女の事をくちゅぐってはいませんよ? これから出すんですからね……本気の……く・ちゅ・ぐ・り・を♥」 「ま、ま、まだ本気じゃないっ!? そ、そ、そんにゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、これ以上は無理よぉぉ!! もう笑いだくないぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「ダメです♥ 貴女には、もっと……もっともっと、も~~っと笑い苦しんでもらいますから♥ せいぜい死なない様に気を確かに持っていてくださいね? ここからが地獄なのですから……」 「あがっっはははははははははははは、ゲホゲホゲホ!! えぎひぃぃぃっぃ!!? カハッ、ゴホ! ゲホ! む、む、無理ひひひひひひひひひひひひひひ、もう……本当にぃひぃぃ! ホントに無理なのぉぉほほほほほほほ、くはははははははははははははははははははは!!」 「いくら“無理”でも……どんなに“苦しく”ても……私達はとことん貴女の事を笑わせ続けますよ? それこそ……息が出来なくなって……死ぬまで……」 「やだぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、死ぬのは嫌ぁあぁぁぁぁぁあぁぁあぁあぁぁ!! いぎっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、だ~っははははははははははははははははははははははははは!!」 「死にたくないのでしたら……言うべき言葉が……有るのではありませんか? くすぐりを唯一止められる……あの言葉を……」 「げはひっっ!? ごどばぁぁ? 止められるごどばぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!?」 「その言葉が出ない限りは……貴女をこのくすぐりによって……笑い死にさせようと思っていますが……構いませんか?」 「にゃひゃあぁあっっはははははははははははははははははは、ゲホゲホ! うがっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、わ、わ、笑い死にぃィひひひひひひひ!? 笑い死にぃぃ!!?」 「そうです。死因は……くすぐりによる呼吸器不全と窒息……。明日の新聞の見出しにこう書かれるでしょうね……『奴隷調教師……奴隷にコチョコチョされて笑い死にする』って……♥」 「あひゃあぁ~っははははははははははははははは、にゃにそれぇぇへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ、恥ずかしいぃぃひひひひひひひ! 恥じゅかししゅぎるぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふ、いはははははははははははははははははははは!!」 「フフフ……“コチョコチョで笑い死”にって……ホントに恥ずかしい最後ですよね? クフフ……馬鹿みたい♥」 「あげはははははははははははははははははは、いぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひ、ケホケホケホッ!! んがっっひゃははははははははははははははは、くひ、はひぃぃ!!」 「でも……そんな馬鹿みたいな死に方……このまま続ければ本当にすることになりますよ? 良いんですかぁ? 鈴菜ぁ?」 「あがはははははははははははははははははははははははは、わ、わ、わがっだぁぁあはははははははははははははははは、言う! 言うがらぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」 「言う? ホントにィ~? そう言いながら時間稼ぎするというのなら……もう容赦しませんよぉ~? ほらぁ……コチョコチョコチョコチョコチョコチョ~~♥♥」 「違っっはははははははははははははははははははははははは!! 言うってばぁあはははははははははははははははははははは、言うがら止めでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「ほらほらっ! 言わないといつまでたってもくすぐりは止まりませんよぉ? ほらほらほらぁぁ!! ほらぁぁ!!」 「がぎゃはあぁあああぁあぁぁはははははははははははははははははははははは、ぎ、ぎ、ぎびゅぅぅぅぅふふふふふふふふふふ、ぎびゅあっぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふ!!」 「はい~? 今……なんて言いましたぁ? 聞き取り辛くて分かりませんでしたよ?」 「だ、だ、だからっっははははははははは、ギブアップっっ!! ギブアップだってばぁぁははははははははははははははははは、早くどめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  完全拘束された鈴菜に許された唯一の逃げ道……それは、プレイ自体を強制的に止める力を持った言葉……“ギブアップ”を宣言する事だ。 「おやおや……ギブアップですか? 成程……それは……止めなくてはなりませんね……」  ギブアップが宣言されれば、いかなる場合においてもくすぐり行為を一切止めなくてはならない。 それはコンパニオンである恵理だけが対象ではない……足裏をくすぐっていたあなたにも適応される。 「がはっっ! はぎひぃぃ! はひぃぃ、あひぃぃ、ケホケホ!! かは、はぁはぁはぁはぁ……」 この宣言を受けてあなたと恵理は彼女の急所から手を離す事を余儀なくされる。  しかし、その宣言を引き出したことで鈴菜の“敗北”が確定し……あなたと恵理は見事彼女を打ち負かせることに成功したという事となる。 「あぁ~あ……あと少しだったのに……」  肩を震わせ満身創痍で失った酸素を補給しなおそうと鈴菜は呼吸に集中している。そんな彼女にニヤリと笑みを浮かべた恵理が制限時間を計るストップウォッチを見ながらそのように呟いた。 「ハァハァハァ……ケホケホ! はひ……はぁ、はぁ……あと……少し?」  鈴菜はその言葉に引っ掛かるものを感じ彼女の独り言に疑問符を返す。しかし、その疑問は……ストップウォッチから流れ出た音によって解消される事となってしまう。 ――ピピピピピピピピピピピ!!  けたたましい高音の電子音。それがストップウォッチから流れ出した瞬間……全てを悟った鈴菜は顔を青ざめさせた。 「う、う、う、嘘……だ、だって! さっき……まだ時間は……半分も経ってないって……」  確かに恵理はそのように言っていた。責めの時間はまだ半分以上も残っていると告げ彼女を絶望の淵へと叩き落したのは紛れもなく彼女だった。  しかし、実際は鈴菜がギブアップを宣言して数分も経たないうちにアラームは鳴った……これが何を意味するのかは彼女の口から僅かに出された舌と満面の笑みによって語られる事となる。 「だ、騙したわねっ!? 時間が残ってるって嘘ついて……私の事……追い込んだのね?」  恵理は静かに頷きを入れ彼女の言葉を肯定する。 「ひ、ひ、卑怯よっっ!! 嘘の情報を与えて騙すなんてっ!! 卑怯以外の何ものでもないわ!! こんなの認めないっっ!! さっきの宣言も無効に――」 「……出来ると思っているのですか?」 「ッっ!!?」  不意に真顔に戻る恵理……鈴菜はその顔を見ると身体をビクリと震わせて気まずそうな表情を浮かべる。 「どういう理由であれ一度宣言したギブアップは取り消せないって……書いてありましたよね? 誓約書に……」  顔に影を落として詰め寄る恵理に鈴菜は視線を横に泳がせ逃げようとする。 「“嘘の情報を与えて絶望させる”っていうのは古くから拷問や尋問の場で用いられてきた古典技法のひとつですよ? それを“卑怯”だと罵るのであれば……また一から教えて差し上げましょうか? 拷問が……何たるかを……基礎から……」  視線を逃がそうとする恵理の顎を摘まんで無理やり自分の方に顔を向けさせ直す恵理……彼女から発せられる言葉は威圧するように低く、鈴菜は彼女の顔をまともには見ていられない程怯え切っている。 「わ、わ、分かってるわよ……そんな事……。冗談言っただけじゃない……あんたが嘘ついたように……」  その言葉を聞いてようやくニコリと笑みを浮かべなおした恵理に、鈴菜は心の底から安堵したかのように脱力する。 「ですよね? だったら……これから何が待っているか分かっているでしょう……当然覚悟のうえで宣言したんですよね? ギブアップを……」  ギブアップは宣言されればすぐさま責めを止められるという効果を有しているが、負けを認めた証拠となってしまうその宣言を行ってしまえば……それ相応の罰が宣言者には与えられてしまう。 「ま、ま、待って! せ、せめて息が整うまで休ませてよ!」  ギブアップを宣言した鈴菜は当月分の給与が減額となる。それに加えて、他のコンパニオン……恵理や美咲にもその減給が波及し連帯責任を取らされる事となる。  しかし、連帯責任を取らされるからと言って彼女達に旨味が無いわけではない。むしろ、少額の負担よりもプレイ後に与えられる権利の方が魅力過ぎて彼女達の責め欲も損なわれる事はない。むしろ“それ”の方を楽しみに責めに協力していると言っても過言ではないのだ。 「休憩は……アラームが鳴るまでの時間と、プラス5分だけと決められているでしょう?」 「で、でも! アラームが鳴ったのはつい今しがたなのよ! これじゃあ全然休めるわけが……」 「それは貴女の責任でしょう? プライドなんて捨てて早めにギブアップをしておけばもう少し多く休めたでしょうに……無駄に意地を張って頑張っちゃったからこういう事になるんです」  恵理の言葉通り……ギブアップをした者にはそれなりの休憩が挟まれるルールとなっている。  しかし、鈴菜は時間ギリギリまで笑わされそこでギブアップをしてしまった為休憩は5分程度しか与えられない。どうせギブアップをするならば早い時間からするべきだったが……鈴菜の場合は意地とプライドが邪魔をしその判断を行えなかった。  そんな彼女に……恵理と美咲は容赦のない笑みを浮かべ彼女の肢体に指をワキワキさせながら近づいていく。  ギブアップをした者は……その場にいるコンパニオンによって制裁を加えられる。 「フフフ~♥ 鈴菜ちゃ~ん、よくもギブアップなんてしてくれたわね~? 覚悟は出来てるぅ~? 私も……恵理ちゃんに負けない様……いっぱいしてあげるからぁ~♥」  その制裁方法は……勿論…… 「美咲さんはやはり……ワキ……ですよね?」 「うん♥ 私……鈴菜ちゃんのワキ……大好きだもん♪」 「では、私も……この趣深い……足の裏を責めさせて頂きましょうかね……フフフ♥」  “くすぐり”である。  恵理と美咲のお仕置きを見る→#70へ

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