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■11 ○月○日 晴天 入院30日目 僕は今まで、夢らしい夢を見たことがありませんでした。 それはノンレム睡眠の時間が長いか、記憶に残る夢をみないせいか、はたまた僕自身がそういった脳の使い方ができていないのかはわかりません。よく生徒の皆さんが見た夢を語るのを聞いて少々寂しくなった記憶があります。 恥ずかしながら未だに治っていない夜尿の件も、いわゆる「おトイレの夢」を見て失敗したりはしたことがありません。 ————ですが、逆月医院に来てからの僕は変わってしまいました。 初めの頃は、あまりの恥ずかしさやジュン先生への遠慮もあり今まで通りに夢を見ずにいた僕でしたが。ここしばらく、毎晩毎晩夢を見るようになってしまったのです。 ジュン先生に……おトイレの世話をしていただく、夢を。 そのような夢は40にもなる僕が見るのはおかしいのは自分でもご理解しています。息子もいるし、お亡くなりになった妻も。 でも、でも見てしまう。 その中でも昨日見てしまった夢は、非常にお恥ずかしいものでしばらく忘れる事はないでしょう。 夢の中で、僕は自宅の書斎に籠もりいつも通り論文を書いていました。もう少しでそれが終わるといったところで僕はおトイレに行きたくなるのです。 そこで僕は、ちゃんとおトイレにいけばいいものの……『僕はおトイレができない』と思い込んでいて。ぎゅっとお股を抑えてリビングにいるジュン先生のもとへとやってきてしまいます。 僕は笑顔で微笑むジュン先生を見ると、どうにも足が動かなくなる。僕の脳が動かなくて良いと判断しているのでしょうか。 リビングに来た僕を見て、ジュン先生は読んでいた本を閉じてこちらへやってくると、「おしっこかな?」と僕に質問するのです。 僕はその声にどこか嬉しくなってしまい、頭をコクリと頷くと……そこで下腹部の力が抜けていってしまいました。 ですが僕は、ジュン先生にあてられたおむつをしています。どんどんお股が暖かくなっていく感覚がして…少しだけ惨めになるのですが、ジュン先生に優しくぎゅっとしていただくとその惨めさが全部吹き飛んでしまうのです。 ああ、温かい。人に甘えるとは、こんなに気持ちいいんですねぇ。 僕は最後の一滴まで出してしまい、ジュン先生を見上げると…先生は、僕の顔に顔を近づけて…… そこで、僕は目を覚ましました。ジュン先生に「寝付けないといけないから」と贈って頂いたとても大きなぬいぐるみを抱いたまま、もう日が昇る時間になりお越しに来てくれたジュン先生が僕に声をかけていました。 とんでもなく恥ずかしい夢を見た僕はジュン先生を見て混乱してしまったのですが、夢と同じ様にジュン先生は僕を抱きしめて落ち着くまで密着してくれたのです。 ————そこから先は、まぁ、言わずともわかるでしょう…? 僕はどうかしてしまったのでしょうか…うぅ、コヨミさんはこんな感情を持ってしまった情けない僕を許してくれるでしょうか……? ———天野ノブの日記より

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