閉鎖病棟体験その9 (Pixiv Fanbox)
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「あ、ぁあっ……んあ……ッ、あ、かはッ……」
汗と涙に塗れた口をステンレスの金具に無理やりこじ開けられ、紅い舌を惨めに曝け出す麻乃の顔は、甘い吐息に満たされており、まるでこれから行われるであろう入浴介助を心の底から待ち望んでいるようにも見える。
でも、違う。
麻乃はそんなつもりさらさらない。
今すぐにでも家に帰りたいと本心から願っている。
だから、早く――
早くこんなことは終わらせてほしい――
「それではお湯をかけてから、お身体洗っていきますね〜」
「あ――ッ、んぁあッ!?」
そう願った麻乃の素肌へ、適度な熱さに調節された温かいお湯がかけられていく。
その手際は、とても手慣れていて、当たり前の作業を行うかのようだった。
「さぁ、洗いますよ〜」
「あ、あぁッ……!? あ、ぁあ、あっ、あ、あぁあッ!?」
湿り気を帯びた柔肌の部分から、筒井さんたちは次々とローションのようなボディソープを麻乃に塗りたくり、敏感になっている麻乃の肌の上を黒いラテックスのグローブでめちゃくちゃに撫でまわしては、もみくちゃにする。
今まで経験してきたものよりも何十倍も強い不快感。気持ち悪くて、いやらしい感触が肌の上を蠢いていく。
「あぅッ、ん、ンんッ……!? あ、ン、んッ、んぁあ〜〜〜〜ッ!?」
なのに、麻乃の脳裏に響いてくる女の子の声はあまりにも気持ち良さそうな声を漏らしていて。
無理やり身体を嬲られているとは思えない姿を晒してしまってる。
「怖がらなくても大丈夫ですよ〜。身体の隅々まで全部きれいにしてあげますからね~」
「あぅ、あ、あぁあ~~~~ッ!?」
筒井さんからも、麻乃が悦んでいるように見えているのか。動いている手を止めることはなく、麻乃の手のひらの腹や、指と指の間。足の裏から土踏まずに至るすべてを撫でて、こすって、くすぐって、シリコンベルトに縛められた手首から二の腕、足首や太もも、無防備に晒したままのへその周りやおっぱい。他には首筋やら脇の下までも、容赦なく刺激し、麻乃に快感を与えてくる。
「あ、んあぁッ……! あ、あぅ、んっ……うぅ〜〜〜!」
それらの刺激に脇を締め上げ、麻乃がベルトの締め付けに抗おうとすると、——ギギッ、ギギギギッ。と身体を縛めるベルトたちが鳴き声を上げながら、麻乃の肌を締め付けてくる。
「ン、ンんッ……!? んはぁ、あ、あぁ〜〜〜〜!」
何とも言えないベルトの締め付け具合に、心地よさを隠すこともできず、麻乃はアングルワイダーを咥えさせられた口からさらに大きな声をもらしてしまう。
「だいぶ馴染んできましたね」
気づけばローションのようなボディーソープは敏感になってる麻乃の肌の隅々まで行き届き、汗でくすんでいたはずの白い肌は浴室の白い照明をテカテカと反射するほどに光沢を放つものへと変わり果てていた。
「次は乳首も洗っていきますよ~」
「〜〜〜〜〜ッ!?」
そこで筒井さんから告げられる言葉に、もう、何をどうすればいいのか麻乃はわからなくなる。
身体は十分すぎるほどに綺麗に洗浄されたはずなのに。筒井さんの愛撫が、敏感な部位へと移動してくる。
今でも十分刺激的なのに、乳首を触られてしまったら、どうなってしまうだろう。
「あ、ぇあっ! ぇあぇうッ! あぇ、あえぇえッ!」
だから麻乃は、自分の意思を伝えるべく、声を上げながら首を横に振る。
もう、気持ちよくなんかなりたくない。と——
「遠慮なんてしなくていいんですよ? ちゃんと気持ちよくしてあげますから……。ほら、どうですか? 乳首気持ちいいでしょう?」
「ぁ、かはッ……!? おぁッ……!? お、お、おあぁ~~~~ッ!?」
それでも筒井さんは、ニップルピアスに摘ままれた麻乃の乳首に瞳を落として、麻乃の乳首の周りである乳輪のあたりから、ローションのようなボディソープに塗れた左右の乳首それぞれに人差し指と中指を宛がって、クルクルと円を描くように撫で回してくる。
くりくり、くりくり。と、繰り返すように。
「ふふふ、ちょっと刺激するだけでこんなに乳首を大きく膨らませちゃうなんて……川嶋さんは本当に欲しがりな患者さんですよね」
「あ、あ、あ、あぁあッ……ッ!? ん〜〜〜ッ、んぁ——かはッ、あ、ぁああ〜〜〜!?」
筒井さんの言葉に麻乃は声を上げながら首を横に振るも、何度も何度も繰り返し乳首を撫で回されてしまうせいで、瞼の奥がチカチカと明滅してくる。
次第に乳首の刺激だけで全身が震えあがるように、ビクビクと動き出し、ギチギチ、と身体を縛めているシリコンベルトが軋んでは、麻乃の肌を抑えつけるように圧迫してくる。
「んぁ、あぁあ~~~~~~ッ!?」
だから、麻乃は、わずかに残った意志を胸に、乳首に与えられる刺激から、なんとか身体を逃がそうとする。——いや、逃がそうとしてしまう。
逃げられないことなんて、わかってるのに。
何をしても意味がないのに。
この絶望的な快楽を前に、そうすることしかできないでいる。
一体麻乃は、いつまでこんな地獄を繰り返されなくちゃいけないのだろう……?
もう、わからない。
わからなくて、わかりたくもなくて、いっそのこと、気持ちいいこと全部を受け入れてしまいたくなる。
でも、ダメだ。
これ以上気持ちよくなっちゃいけない。
この空気に流されていたら、麻乃は一生このままここで過ごすことになってしまう。
そんなことになったら……麻乃は——
「怖がらなくても大丈夫ですよ。乳首も、クリトリスも、おまんこも、いっぱい気持ちよくしてあげますからね」
「ぇあッ……!? ぇあうッ! ぇあいあうッ! ——あ、あ、あぅッ……んッ、んぅッ、ンん〜〜〜ッ!?」
麻乃の脳裏に浮かび上がった最悪な未来を掻き消すように、筒井さんは、十字の杭によって根本からつねり上げられた桜色に大きく勃起する麻乃の乳首の先端部へ人差し指の腹をのせて、すりすり、すりすり、とのの字を描くように繰り返し撫でつける。
「んぁ、あっ、かはッ……あッ!? あ、あ、あぁぁ、あッ~~~~~ッ!」
「ほ~ら、きもちいい、気持ちいいですよ~?」
「ンぁ、あ、あ、あッ――あぁああ~~~~~ッ!」
たったそれだけのことなのに。
頭の中がとろけていくように脳はピリピリとしびれて、思考は真っ新に染まっていく。
もう、気持ちいいこと以外何も考えられない。
入浴介助が始まって間もないというのに、アングルワイダーに開かされた麻乃の口もとは、ただ甘くよがる淫らな声を漏らすだけの器官に成り果ててしまってる。
こんなにも気持ちいいことをされているのに。麻乃はどうして、抵抗しているんだろう……?
なんで、受け入れようとしないんだろう……?
本当は、もっと、欲しいのに。
もっといっぱい、気持ちよくなりたいのに。
「次は、おまんことクリトリスのほうも気持ちよくしてあげますからね~」
「あ、あぁ~~~~~~ッ、ぁ、あぁ……ッ! んぁ~~~~~ッ!?」
ギチ、ギチチっ、と手足を縛りつけるシリコンベルトを軋ませて、麻乃はただただ声を上げる。
悦んでいるのか。嫌がっているのか。
もう、麻乃にもわからない。
ただわかるのは、乳首だけでこんなことになっているのに、おまんこやクリトリスにも刺激を送られたら、もっと気持ちよくなれるってことだけ。
「まずはおまんこの上から撫でますよ~?」
「あ、あぁあッ、ぁああああ~~~~~ッ!? ——かはッ、お、おぁ、お、お、おぉぁぁあああ~~~ッ!?」
だから、麻乃は手足を縛めるシリコンベルトに抗って、抵抗して、締め付けられる素肌に心地よさを覚えて、思考がふわふわにぼやけることをいいことに、刺激が欲しくて欲しくてたまらないおまんこを高く突き上げる。
どうせ、麻乃が何をしようと筒井さんたちに迷惑はかからない。
だって、ここに勤めている看護師さんたちにとっては、これが日常なんだから。
「はい、おまんこにお手てあてますね」
「ンゥ〜〜〜〜〜ッ!?」
麻乃の願いに応えるように、太ももあたりを刺激していた看護師さんのぬるぬるテカテカの黒い手が、愛液に塗れた股間部へ、ペタリと覆いかぶさってくる。
「では、動かしますね~」
「あぁぁあああッ~~~! あえ、あぇえええッ! んあ、あ、あぁあああああッ!?」
口では嫌がったような声を上げるも、性的な刺激を受け入れる準備が完全に整っていた桜色のおまんこは、待ち望んでいた刺激に悦びを隠せずに反応してるのか、大きく割れ目を広げながら、看護師さんの黒い手をぴったりと吸い付けて、脈動する。
「ンァっ、あ、ぁあ……ッ! あ、あぅ、ん……っ、んはぁ……ッ、あ、あぅあぁあ〜〜〜ッ!?」
看護師さんの手のひらの腹が、おまんこの上で上下に動いたり、左右に動いたりして、クチュクチュ音が鳴る。
それだけじゃない。
大きくなったクリトリスの包皮を剝きあげたり、膣口の入口あたりをこすったり、なによりも、尿道へと挿入されているカテーテルが人差し指と中指の間に挟まれて、そのまま適度な強さでグリグリと動かされるから、尿道のなかのほうまでヒリヒリとしたくすぐったさに襲われて気持ちいい。
「あ、あぁ、あぁあああぁああっ! あ、あぅ、うぅぅ~~~ッ!? あぁああああぁああああッ!」
先ほどあげたものよりも、さらに大きな甘い声を麻乃は喉の奥から響かせて、今度は腰を弓なりに大きく突き上げる。
手足が引きちぎれんばかりの力でシリコンベルトの縛めに抗いながら、その拘束に縋り付くように、何度も、何度も、繰り返すように……。
「いいですね~、この調子でもっと気持ちよくなりましょうね~」
おまんこに与えられてる刺激だけでいっぱいいっぱいなのに。筒井さんは手を休めてはくれず、乳首のほうにも、甘くて濃厚な刺激をくりくりと送りつけてくる。
「あぁ~~~~~ッ、っんあ~~~~~~ッッ!?」
だから、麻乃はあふれるばかりに息を漏らして、身体を無作為に暴れさせる。
永遠に与え続けられるかのような快楽から逃れるために、ただ無意味に、声を上げて、頭の中を真っ白にしながら、拘束に抗い続ける。
——ギシッ、ギギ、ギギギギギッ。
けれども、身体を締めつけるシリコンベルトの縛めは緩むことはなく、看護師さんから与えられる愛撫は弱まるどころか、さらに勢いを増すばかり。
ただひたすらに暴力的な快楽が繰り返されていく。
「あ、あぁあ、あッ、んぁっ、あ、あぁあああああ~~~ッ!?」
アングルワイダーを咥えさせられた口から、淫らなよだれと一緒に卑猥な叫び声が宙に舞う。
頭の先からつま先まで、ピンと身体を張り詰めて、首を振り回していたら、当然だ。
もう、麻乃がどんな声で叫び声をあげようと知ったこっちゃない。
どうせ、麻乃は頭のおかしな精神病患者としてこの病棟に囚われているのだ。
だったら、麻乃はひたすらに、与えられる快楽を貪り続けるだけだ。
もう、それでいい。
だって、この閉鎖病棟では、それが当たり前なんだから……。
「さて、お身体の洗浄が終わったので、次はお尻の中の洗浄をしていきますね」
「…………っ、んっ」
麻乃の身体を散々弄び尽くしたのち。
筒井さんたちは髪の毛の洗浄や口腔内の洗浄も強制的に行うと麻乃を縛り付けているシリコンベルトを次々と外していった。
疲れ果てた身体を無理やり起こされたから、両脇を抱えられながら別の場所に連行されるのかと思いきや、看護師さんたちは有無も言わさず麻乃の姿勢をうつ伏せへと変更し、両手を両肩付近に移動させて、ストレッチャーへ縛りつけ直すとお尻を天井に突き上げる屈辱的な体制になるように麻乃を四つん這いの姿勢にして、両足もストレッチャーに拘束してきた。
「うぅ……っ、んぅ……、ぅぅ……」
その四つん這いの姿勢は主人にお尻の穴をのぞき込んでくださいと言わんばかりの地面にひれ伏す犬みたいな恥ずかしい恰好で……。
「〜〜〜〜〜ッ」
こんな格好にされるとは思っていなかった麻乃は、苦し紛れに拘束から抜け出そうとする。
けど、手足を固定するシリコンベルトはギッチリと締まっていて、緩む気配なんてない。
麻乃が何かしたところで全部無意味なだけ。
看護師さんたちの成すがまま、大人しくしていたほうがいいのかもしれない。
「それでは、お尻の洗浄を始めますね。まずはお尻からお湯を腸内に注入していきます。準備はいいですか? 入れますよ?」
「えぁ、あがッ、えぁあッ! ——んひッ!?」
でも、やっぱり、お尻からお湯を入れられるという現実を知って急に怖くなってしまう。
麻乃は、大粒の涙を浮かべながら首を横に振って、自分の意思を示した。
でも、そんなのに意味なんてなくて、お湯をたくさん含んだ大きなシリンジの先端部は小さく閉じた麻乃の肛門を広げながら、お尻の中へと入り込んできて、次の瞬間には問答無用でお湯が注がれてくる。
「あ、あ、あ、あ、ぁぁああああ〜〜〜ッ!」
自分の体温とほぼほぼ同じ温度のお湯が肛門の中を満たしてくる感覚に、麻乃は嫌悪感を感じて、情けないくらい無様な声を上げた。
しかし、筒井さんの手は止まらない。
シリンジの中のお湯がなくなるまでお湯は注がれ続ける。
1秒。2秒。3秒。
「~~~~ッ」
長いのか。短いのか。
お尻から液体が注がれてくる不快感に、時間の感覚さえわからなくなる。
頭に浮かぶのは、早く終わって。という願いだけ。
「はい、全部入りましたね。次は踏ん張って、お尻の中のお湯を全部出してください」
「え――あんえ……!? えあぇう、えぁあ……っ!」
やっと終わったと思ったら、今度はお尻の中にあるお湯を排泄するように指示されてしまう。
あまりにも酷すぎる対応に麻乃は口からだらだらと涎を垂らしながら、反射的に首を横に振っていた。
だって、それってつまり、四つん這いの恥ずかしい姿を晒しながら、うんちを漏らせと言われているようなものだ。
そんなこと死んでもしたくない。
「大丈夫ですよ。これはお尻の中の洗浄ですから。さっきのうんちみたいに漏らしちゃっていいんです。ほら、お尻もお腹の中も苦しいでしょう? 早く出せば、楽になれますよ? それとも、もっとたくさんお湯を注いであけたほうが出しやすいですか?」
「うぅ、う、う〜〜〜〜!」
声音を穏やかな高さに抑えて、優しく諭してくる筒井さんの言葉が怖くて、麻乃はまたも涎を溢れさせながら首を横に振る。
今でも十分おなかの中が苦しくなってるのに、これよりさらにお湯を注がれでもしたら、もっと苦しくなってしまう。
「仕方ないですね。それではもう一度注いであげます」
「——んあッ!? あ、あ、ぁぁあああッ!?」
だが、麻乃が否定したところで意味はなかった。
お尻の穴に再び挿入されたのは、お湯をたくさん含んだシリンジの先端部。
「はい、注ぎますよ」
「〜〜〜〜〜〜ッ!?」
無慈悲にも、そこからお尻の穴へ2度目のお湯が注がれてきた。
それは確実に麻乃のお腹の中を満たしてきて、内側から内臓の全てを圧迫してくる。
肛門をギュッと締めて我慢するけど、ありえないくらい苦しい。少しでも肛門から力を抜くと中にあるお湯が全部溢れ出してしまいそうだった。
「——————ッ、うぅ……ッ!」
それでも麻乃は我慢を続ける。
だって、絶対にこんな姿勢で排泄なんてしたくない。
今までさんざん恥ずかしい姿をさらしてきたけど、これはなんか違う。
こんなにも屈辱的な姿で排泄なんてしたくない。
「まだでなさそうなので、もう一度注ぎますね」
「えああああああッ! えあっ! あえ、あえええっ!」
なのに、筒井さんは容赦なく麻乃のお尻へシリンジを挿入し、お湯を注いでくる。
もう2回も注がれたのに。
3回も注がれてしまったら、無理に決まってる。
「さあ、出しやすいように肛門もマッサージしてあげますね」
おまけに筒井さんの指が麻乃のお尻の穴をぐりぐりと突いてきて、必死に閉じている麻乃の肛門をほぐしてくる。——その瞬間だった。
「えあッ、あ、あ、あ——あぁぁあああああッ!?」
ストレッチャーの上にお尻を突き上げるよう四つん這いに拘束されている麻乃のお尻から汚物の混じったお湯がおしっこみたいにジョバッ、ジョバッ、と溢れ出していく。
どこかの噴水像のように弧を描く汚水を排泄したあと、最後にはグチュチュッと詰まったような音を鳴らして、わずかに残った無色透明のお湯も汚らしく排出してしまう。
「あ、あぁ……、あ……ぁぁ……」
まるで自分のアイデンティティーがそのままお尻から排出されてしまったような感覚に言葉を失う。
一体麻乃は何をさせられているんだろう。
わからない。
わかりたくない。
なのに、筒井さんは麻乃のお尻回りを清拭してから、耳元でこう告げてきた。
「あと、2回繰り返しますね」
「——ふぇ……?」
「準備はいいですか? 注いでいきますよ」
「え、えあッ!? えああああッ!! あ、あっ——んあ〜〜〜〜ッ!?」
お尻に注がれてくるのはさっきと同じ。
何も変哲もないお湯だった。
それは麻乃もわかってる。
でも、いくらなんでも、こんな——こんなのありえない。
「出ないですね。それでは、もう一度注いでいきますよ」
「あ、あ、えあッ! えあああああ!! えあぁぁあああああッ!」
そんな考えを脳裏に浮かばせても、現実は何一つ変わらず連続し、お尻の中が綺麗になるまで肛門内の洗浄は繰り返された。
「次はこちらのアナルプラグを挿入しますね」
「……んぅ、うぅ……っ」
3度目の肛門洗浄が終わり、完全に疲弊し切った麻乃に見せられたのは人差し指ほどの長さがある蕾型の突起物。
その形状は丸みを帯びた先端部から中ほどにかけて返し針のような直径3センチメートルほど膨らみがあり、蓋のように広がる根本の栓から少し離れた部分だけは括約筋のサイズに合わせるためなのか極端に細く作られており、その直径は1センチメートルにも満たない形をしていた。
筒井さんはその突起物へローションのような液体を塗りたくって、麻乃のお尻の前に移動してくると口を開いた。
「準備はいいですか?」
「えあ、あ、えあぁああッ!?」
筒井さんの問いかけの意味がわからなくて、麻乃はただただ首を横に振る。
いや、実際はなんとなくわかってた。
ただ麻乃は、一体それをどうするつもりなのか。
そんなことを理解したくしなかっただけだ。
「力まずにリラックスしててください。それでは入りますよ〜?」
「えあっ!? あ、あっ、あああッ——んいぃッ!?」
お尻の穴を指で広げられたかと思えば、ものの数秒で大きな塊が肛門をずぷりッ、と逆流してきた。
さっきまで散々お湯を注がれ続けていたからか、括約筋も緩んでいたらしい。
ぬめり気を帯びているおかげもあって、麻乃の肛門はあっさりとそれを根本まで呑み込んでしまう。
「それでは、抜けないように膨らませますね」
「——ッ!?」
告げられた言葉に麻乃が四つん這いに拘束された手足をガタガタと暴れさせたころ。お尻から飛び出しているアナルプラグの根本に筒井さんが注射器で何かの液体を注ぎ込んでくる。
お尻の中の異物感が急激に強くなっていき、それが直腸を満たすように膨らんだアナルプラグの先端部だと麻乃が理解したのは強い排泄欲求に襲われて、しばらくしてからだった。
「んううううううっ!? ンゥッ、あ、ん、ンんッ!? んううううっ!」
お尻の苦しさにかまけて、無様な姿勢のまま何度も何度もお尻に力を込めて踏ん張ってみる。けれど、その異物が外に出ていく気配はない。
ただ腹筋が苦しくなって、息が詰まってしまうだけだった。
アナルプラグと呼ばれた異物は、麻乃のお尻の穴をわずかに広げたまま、肛門に垂れ下がっているかのように残り続けている。
まるでその位置が自分の居場所であるかのように主張して。
「あ、あう……うぅ……うぅ……っ、う……」
お尻の中の圧迫感に嗚咽声を漏らしながら麻乃は涙を流す。
たしか括約筋は、内側と外側の二種類があり、内側の括約筋にかぎっては直腸に便が下りてくると無意識に開こうとしまうため、意識的にはコントロールできない仕組みになっているはずだ。
今もなお、延々と麻乃のお尻に残り続けている苦しさは、内側の括約筋が直腸に残っている異物感を排泄しようとしているからに違いないだろう。
だからこそ、麻乃は今全力で、直腸に居座り続けている異物を排出しようとお尻に力を込めて踏ん張ってる。
なのに、どれだけ踏ん張ってもびくともしない。
尿道に挿入されているカテーテルが膀胱内で膨らんでいるように、アナルプラグも肛門よりも広い直腸で膨らんでしまったため、そこから一切、外に出て行ってくれないのだ。
「お便が外に漏れてこないか確認するので、もう一度肛門内にお湯を注ぎますね」
「あ、あぁッ!? えあえう! あがッ、あええ!」
筒井さんは事務作業を淡々と行うように、麻乃の肛門に居座り続けているアナルプラグの栓へとシリンジの先端部を差し込み、腸内へお湯を注ぎ込んでくる。
どうやらこのアナルプラグは口に挿入されていた突起物と同じように中が空洞になっているらしい。
「うぅう〜〜〜〜〜〜〜ッ!?」
なのに、何かがおかしい。
アナルプラグにはお湯を流し込めるほどの穴が空いてるはずなのに、麻乃の腸内に入ってきたお湯が外に出ていかないのだ。
「一回目は大丈夫そうですね。二回目も注ぎますよ」
「ううううぅうう~~~~~~ッ!」
シリンジの中身が空になるまでその行為は続けられ、空になったあとは新たなお湯が用意されて2回目、3回目、と繰り返された。
そのたび、お腹はパンパンに膨れ上がっていき、息をするのも苦しいというのに、お湯は一向にお尻から漏れ出すことはなかった。
「どうやら、大丈夫そうですね」
「うぅ……っ、んう……っ、うぅ……」
お尻に残り続ける圧迫感とお腹の中を満たすお湯の存在感に涙しか出てこない。
あんなにもあっさりと、お尻の穴に蓋をされて、現実味が薄れていく。
まさか、本当にお尻にも栓をされちゃうなんて思ってなかったのだ。
「これで川嶋さんが今後うんちを漏らす心配はなくなりました。今はアナルプラグの栓を閉じているので何も出てこないですが、これからは私たちのほうで適度に排泄させてあげるので安心してくださいね」
筒井さんは微笑みながらそう言って、シリンジなどの道具を片付けていくと、麻乃を四つん這いに縛めているシリコンベルトを解いていく。
お腹がたぷんたぷんに膨れるほど張っていて、若干の吐き気を催してるというのにお腹に注いだお湯はそのままにするつもりらしい。
なんて酷い仕打ちなんだろう。
「さあ、身体を起こしますよ。こちらの更衣室で身嗜みを整えましょう」
「あ、んう……ッ、ぅぅ……」
お腹の苦しさのせいで、動く気力もなく、麻乃は二人の看護師さんに身を任せるように無理やり身体を起こされて、成すがままに更衣室のほうへと連行されていく。
ここにくる前まではただの看護学生だったのに。
今の麻乃は尿道にはカテーテルをぶら下げて、お尻の穴はアナルプラグというわけのわからないもので栓をされてしまってる。
こんなの、信じられない。
きっと、これは夢だ。
まだ麻乃は悪夢を見てるだけに違いない。
そう思っても、悪夢は覚めてくれなくて。
「ここで横になりますよ」
用意されていたのは抑制帯が張り巡らされたベッドのような診察台。
二人の看護師さんはそこへ麻乃を仰向けに寝かせると手首と足首に身体抑制用の革枷を装着してきた。
それだけで、麻乃はもう何もできなくなる。
「髪の毛乾かしていきますね」
筒井さんは、そんな麻乃の枕元へとやってきて、麻乃の髪の毛をドライヤーで乾かし始め、他の看護師さんは爪切りを始めたり、肌という肌に保湿クリームを塗りつけてきた。
それは、研修最終日に行われた身体ケアと何一つ変わりはなくて、唯一の違いといえば乳首にはあのときに取り付けられたニップルピアスがそのままつけっぱなしにされているということと、手足を枷で拘束されている、ということくらいだった。
ここに来る前までは、こんな乳首じゃなかったのに……。
ニップルピアスにさんざん焦らされて、入浴時に何度も何度も弄られちゃうせいなんだろうか。
おかげさまで麻乃の乳首は以前よりも大きく膨らんで、コリコリに立ち上がった先端は、ずっと誰かに触ってほしくてむずむずしてる。
「——————ッ」
これが夢だったらいいのにと願っても、これが現実であることは変わらないし、変えられない。
閉鎖病棟に研修にきただけの麻乃は、本物の精神病患者として扱われて、変な拘束具で身体を拘束されながら、毎日決まった時間に流動食を無理やり飲まされて。
逃げることが不可能な絶対管理の施設中で、毎日、性的な拷問を与えられてる。
それが、今の麻乃の日常——
これは一生続いていく。
もう、終わらない。
そんなことは、今までの過程を味わっていたらわかってしまう。
この理不尽な日々は今日も明日も連続していくに違いない。
麻乃はこのまま性的な虐待を受けながら、ここからずっと出られないのだ。
もう、川嶋麻乃は精神病棟に入院させられてる精神病患者でしかないのだ。
だったら、何を迷うことがあるんだろうか。
さっきみたいに全部忘れて気持ちよくなっちゃえばいい。
このままここで、拘束されたままずっと気持ちよくしてもらえばいい。
だって、麻乃が抵抗しようがしまいが関係ないんだから。抵抗してもしなくても、全部気持ちよくしてくれるんだから——。
「あ、んん……ッ、ん……」
そう思えば思うほど、身体に塗りつけられる保湿クリームの感触がやけに気持ちよくなってくる。
前のときと同じなら、これらの身体ケアが終わったら、麻乃は両手に革グローブを嵌められて、拘束衣を着せられるはずだ。
そのあとは病室へ連れて行かれて、ずっと玩具で気持ちよくされるのだ。
そして、朝昼晩にやってきた看護師さんにおまんこをめちゃくちゃに弄りまわされて、何も考えられなくされるのだろう。
もう、嫌なほど経験したから、それくらい麻乃にもわかる。
「乳首にもクリーム塗りますね」
「ん、あ……っ、んん……っ、あぅ……っ、ん」
ほら、始まった。
きっと看護師さんは、このまま麻乃のことを気持ちよくしてくれる。
くりくり、くりくり、って大きく勃った乳首を指先で扱いて、絶頂に導いてくれる。
「はい、終わりました」
「〜〜〜〜ッ!?」
そう、思ってたのに。
看護師さんは最小限の触り方でしか刺激してくれなくて、前みたいに気持ちよくしてくれなかった。
「あら、どうしかしましたか?」
「……っ」
でも、だからと言ってここでおねだりなんかしたら、麻乃は本当の変態になってしまう。
麻乃はそう思って、大きく勃たせた乳首を疼かせながら、手を強く握り締める。
「ふふ、そんなに残念そうな顔しないでください。今日はクリトリスにこちらのリングをつけて差し上げますからね」
「……んえ?」
ドライヤーの手を止めた筒井さんは、麻乃の目の前に小指の先よりも小さな銀色のリングを見せびらかすと、もう一人の看護師さんに手伝いを促してから、そのリングを二つに割ってしまう。
「クリトリスの皮剥きますね」
「——あっ!? え、あぅ!? う、ううう〜〜!」
「はーい、暴れないでくださいね。暴れると怪我する恐れがあるのでジッとしててください。これからクリトリスにクリリングつけますからね」
「ううう〜〜〜〜!?」
看護師さんが麻乃のクリトリスを隠している包皮を上下左右に当てた四本の指で優しく剥いている間に、今もなお勃起したままのクリトリスの根元へ二つに分かれたリングを繋げ合わせるように筒井さんが——カチッ。と装着してしまう。
「——んいッ!?」
一瞬だけ、ピリッとした刺激が骨盤を伝って全身を貫くと、それからはじゅくじゅくとした疼きが湧き上がってきた。
「上手に嵌りましたね。こちらのクリリングは乳首のニップルピアスと同様に特別な磁石を使用したリングなので、簡単に外れることはないので安心してください」
「……あ、あぁ」
筒井さんにそう説明されるも、半分は上の空だった。
クリキャップに吸われ続けていたときよりも弱々しい僅かなその疼きは、乳首と同様に延々とそこに残り続けるように麻乃を責め立ててくるから、今すぐクリトリスを触って刺激を送り込んでしまいたかったのだ。
——ギギッ、ギチチッ。
「————ッ」
でも、麻乃の両手は革枷に拘束されてる。
ギチギチと音を鳴らしながら、頑張って指先だけでも届かせようとするけど、どうやっても届かない。
「次はこちらの保護衣を着ていただきます。川嶋さんのために用意された特別製です」
筒井さんが棚から持ち出してきたのは、飴色に透けた薄っぺらいゴムのような弛れた生地。
保護衣というだけあって、自傷行為をしてしまう患者などに着せるための物なのか、見た目はつなぎ服みたいに首から下、つまさきから指の先まで覆い尽くす全身タイツみたいな見た目をしてた。
「さぁ、まずは足から着ていきますよ」
その飴色のゴムのスーツには、クロッチ部まで一直線に続くファスナーが背面の襟元まで設けられていて、筒井さんはそのファスナーを全開まで開けると他の看護師さんと協力しながら麻乃の下半身をスーツの中へと押し込んでいく。
足枷を外されたこともあって、その行為に麻乃は抵抗しようと思ったが、——やめた。
どうせ、麻乃が何かしたところで、無理やり着せられてしまうのが落ちなのだ。
だったら、おとなしくしてるほうがいい。
こんなもの、着たくもなんともないけれど、そうするほうが賢いと思った。
「うまく入りましたね。次は上のほうも着ていきますよ」
足先がゴムのような膜にぴっちりと包まれたころには、ずりずり、ずりずり、と下腿や太腿の上を這いずりながら飴色の生地がウエストまで到達していた。
その感触は、まさに麻乃が毎日履かせられていた黒いラバーパンツとほとんど一緒だった。
この飴色のゴムのようなスーツは今まで麻乃が身につけていたラバーパンツの全身用なのだろう。
「さぁ、川嶋さん。袖を通してください」
麻乃に暴れる気配がない。とわかったのか、筒井さんは麻乃の手首を縛めていた革枷をあっさりと外して、残りの飴色の生地を麻乃の目の前に手繰り寄せてくる。
麻乃は仰向けのままに、その袖の中へ両腕を差し込み、おとなしく身を預ける。
そうしてるうちに、筒井さんと看護師さんがスーツの生地をずりずり、ずりずり、と手繰り寄せて、麻乃の肌へ密着させていく。
気がついた頃には、身体をうつ伏せに変更され、背面にあるスーツの口が閉じられていた。
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