閉鎖病棟体験その5 (Pixiv Fanbox)
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2022-11-25 06:22:48
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2023-05-27 09:33:21
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研修三日目の朝。
病室の照明が強まるのと同時に麻乃は目を覚ました。
拘束衣に包まれた両腕は相変わらず胸の下で組んだまま動かせず、口の中ではシリコンの突起が唾液に塗れている。
白いクッションに囲われた病室やベッドに蔓延る抑制帯は、依然動きがなく、この病室に連れてこられてから二日ほど経過したのにもかかわらず、麻乃を取り巻く環境に変化はない。
けれども、麻乃自身は違う。
「ン、んぅ……ッ、ん、ンむ、んッ……ッ!」
研修初日のときサラサラだったショートカットの黒髪は、異臭を放つくらいギシギシになり、キャンバス生地に包まれた身体は強い倦怠感に襲われていた。
いくら楽な姿勢とはいえ、二日間にも及ぶ拘束は麻乃の精神ともども体力を摩耗させるのに十分な効力を発揮していたのだ。
なのに、下腹部の奥は寝起き早々から疼いてきて、疲労感の蓄積した身体だろうとお構いなしに「気持ち良くなりたい」と拘束衣のベルトに股を擦りつけてしまう。
おかげでラバーパンツの内側は、常にぐちょぐちょに湿り気を帯びて、完全に出来上がってしまっている。
「ン、んむ、ん……ッ! んぐ、ンんッ……ッ!」
昨日もそうだったが、身体を締めつけているベルトへ股間を擦りつけるという異質な行為に、バカなことをしているのだと麻乃も理解してる。
でも、そうやって刺激を求めないと身体の疼きがますます強くなって、頭の中を淫らな妄想だけで埋め尽くそうとしてくるのも事実だった。
だから、麻乃はこの欲求が少しでも軽減するならば、と繰り返し股をベルトに擦りつけて、身体の芯で渦巻く欲求を抑えつけていた。
ブーッ。
「「おはようございます」」
耳障りな音が病室に響き渡り、重厚な扉をガララと開いて入ってきたのは、二人の見知らぬ看護師さん。
一人は銀色のワゴンカート。もう一人は抑制帯を散りばめた車イスを押している。
車イスがあるということは、この病室から麻乃を連れ出すということだろうか。
それはつまり、長かったこの研修とのお別れが近づいているということになる。
「ん、ンん……ッ!」
雁字搦めの生活から解放されることが嬉しくなり、麻乃は拘束衣に包まれた両腕をギシギシと動かして、一刻も早く拘束から解放してもらいたいことを訴える。
ただ口に流し込まれるだけの朝食もいらない。
とにかく、自由になりたい。
「このあとすぐに入浴があるので、朝は二人で対応させていただきますね」
「んうッ?」
入浴というワードに麻乃は一度首を傾げる。
そういえば、研修初日に新井さんから入浴があるという話しをされた覚えがある。
どうやら、麻乃は入浴も体験しなくちゃいけないらしい。
「はい、流し込んでいきますね」
「ん……ッ、んぐ、ンッ……っ、ンんッ」
麻乃が考えごとをしているうちに、二人の看護師さんは抑制帯のベルトのチェックを済まし、研修6回目の流動食を麻乃の口へ流し込んできた。
昨日や一昨日と同じように、口の中へと強制的に注がれてくるから、何もできない麻乃は、甘くて濃厚なその流動食を喉に詰まらせないように飲み込んでいくしかない。
「んむっ、ン……ッ、んぐ、ン、ん……ッ」
相変わらず、飲めば飲むほど頭がぼーっとしてきて、下腹部の奥が熱くなってくる。
寝起きのときから、すでにアソコが疼いて仕方がなかったのに、さらに下腹部の奥がムズムズと疼いて、おしっこのあとの清拭が待ち遠しく思えてきた。
早く、早くおしっこしたい。
「はい、おしっこしていいですよ」
マスクからチューブが抜き取られてすぐに、看護師さんが入れ違うように股間を覆っているラバーパンツのファスナーが開かれ、グチョグチョになっている桜色の割れ目へと尿瓶が当てられる。
「ん、ンんッ……んぁ……ッ」
――ちょろ、ちょろろッ、シャーーーッ。
麻乃はその尿瓶へ、何一つ疑問を抱かずに排尿していく。
人前でおしっこするという行為に背徳感はあったが、今日は今までと違う。
今日は研修最終日。
このあとの入浴を済ませれば、研修が終わる。
だから、一刻でも早く研修を終わらせたくて、麻乃は迷わず尿瓶へおしっこした。
ただそれだけのこと。
「上手におしっこできましたね。えらいですよ」
「んふ……ッ、ン……ッ」
しかし、尿瓶が外され、看護師さんに褒められるとやっぱり顔が熱くなる。
ベッドの上でおしっこをしている事実を突きつけられると、どうしても胸の奥がドキドキしてしまうのだ。
内股をモジモジと動かしながら、アンモニア臭を漂わせる桜色の割れ目を麻乃はひくひくさせる。
その割れ目からは、相変わらず、とろとろの愛液が溢れ出し、えっちな匂いを室内に充満させていた。
「はい、おまんこ清拭していきますね」
「ん、ンんッ……!? んぁ、あ、ん……ッ!」
看護師さんは、そんな麻乃の桜色の割れ目に湿った布を触れさせて、とろとろの愛液共々残ったおしっこを清拭していく。
「ン……ッ、ん、ンんッ……! んぅ……ッ!」
朝一で与えられる陰部への刺激に、麻乃は腰をヒクヒクと動かしてそれを受け入れる。
自分ではどうすることもできなかった部分へと、刺激が伝わってくるのは、やはりすごく気持ちがいい。
「んッ! ンんッ! ん~~~ッ!」
もっと、もっと拭いてほしい。と麻乃は看護師さんにおねだりするように、恥部をグイグイと押しつけていく。
そこに麻乃の理性は存在してなかった。
「あらまぁ……この子、自分からお股を押しつけてくるわ。ずいぶんとお盛んな子なのね…?」
「そうね。まだ若いから、こういうことには初心だと思ってたけど、どうやら違うみたい」
「ん、ン~~~ッ! んぅっ、んむっ、ン~~~~ッ!」
「はいはい、ここが気持ちいいんですね?」
「ン……ッ! ん~~~ッ!」
看護師さんの会話に耳を傾けることなく、麻乃は遠慮なく喉から甘い声を漏らして、おねだりを続ける。
「ふふ、可愛い子ね」
「ン~~ッ!」
看護師さんもそんな麻乃のおねだりに付き合うようにアソコを優しく清拭してくれる。
研修が終わりに近いことも忘れて、この至福の時間がずっと続けばいいのに。と麻乃が思い始めたころ。
もう一人の看護師さんが麻乃に向かって口を開く。
「嬉しがってるところごめんなさいね。このあと、お便出せそうですか?」
「――ッ!? んむッ、ンんっ!?」
不意の問いかけに、麻乃は股間をモジモジさせつつも、すぐさま首を横に振った。
正直、流動食を摂取してからお腹の調子は悪くなってきてるから、意識的にいきむことをすれば、出せなくはなかった。
けれども、こんな状態でうんちをしたくない麻乃は、研修が終わるまで我慢するつもりでいたのだ。
「でしたら、入浴前に浣腸します」
「んむぅッ!? ん、ン~~ッ!?」
しかし、首を横に大きく振る麻乃に構うことなく、清拭をしていた看護師さんは動かしていた手を止めて、もう一人の看護師さんの指示で麻乃を拘束している抑制帯のベルトを片側だけ外していく。
そのまま、横を向くように姿勢を変えられ、半開きだったクロッチ部のファスナーをさらに開けられると、横から割入ってきた看護師さんにお尻の穴をグリグリ触られる。
このままだと、浣腸されちゃう。
「肛門に管を挿入するので動かずジッとしててくださいね」
「ンーーーッ!」
「暴れちゃだめですよ。おとなしくしててください」
抵抗虚しく、二人目の看護師さんに身体を抑えられたと思えば、ベビーオイルが塗られた細長い管がにゅるっとお尻の穴に入れられる。
「浣腸液入れますよ」
「ん、ンむぅうーーーッ!?」
そのまますぐに体温よりも少しだけ温かい熱量の液体がじわじわとお腹の中へ注ぎ込まれ、ぐるぐると肛門の中が掻きまわされていく。
それは、紛れもなく医療用のグリセリン浣腸だった。
「はい、浣腸の管抜きますよ」
「――ッんぅ!?」
キュっと細長いものが引き抜かれるのと同時に、いきんでしまいそうになる麻乃だったが、看護師さんにお尻の穴を指で押さえられ、なんとか我慢する。
浣腸されたことなんて麻乃は今までなかったけれども、まさか、こんなにもお腹が苦しくなるなんて思ってもみなかった。
「これからお風呂場のトイレに行くまではお腹のものを出さないように我慢してくださいね。では、お尻から指を離しますよ」
看護師さんはそういって、お尻の穴から指を離すとクロッチのファスナーを締めきってしまう。
このような状態で麻乃がうんちを漏らしてしまえはパンツの中もろともあちこち酷いことになってしまう。
絶対に漏らすわけにはいかない。
「残りの抑制帯も外していきます。外れたらすぐに起き上がりますね」
「んんッ!?」
麻乃がそう決意するのも束の間。二人の看護師さんは麻乃を拘束している残りの抑制帯を外していき、拘束衣に包まれている汗まみれの身体をベッドから起こしていく。
「――――ッ」
けれども、上半身がベッドから起き上がったところで麻乃は強いめまいに襲われて、一瞬意識が飛びかける。
拘束衣に包まれた身体が崩れるようにうなだれて、二人の看護師さんに支えられていた。
「大丈夫ですか? 次は車イスに乗りますよ?」
「ン……ッ、ん、ンッ……ッ」
長いこと身体を起こしていなかったから、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなかったらしい。
ぐらついた意識から解放された麻乃が小さく頷くと、両脇を二人の看護師さんに抱えられながら、車イスへ乗せられる。
「んぐ……っ」
移動のための車イスの乗り心地は相変わらずで、あちこちに蔓延る抑制帯が如何にもな感じだった。
「いいですね。次は転落防止のために身体を固定していきます」
看護師さんはその抑制帯を麻乃の胸と肩。股と腰。そして足首へと巻き付け、一つずつしっかりと固定していく。
拘束されるのは嫌だったけど、ここで麻乃が嫌がったところで、二人の看護師さんに抑えつけられてしまうのが落ちだろう。
それに、浣腸液をお腹へ入れられたせいで、腹痛もある麻乃は、変に抵抗する気力もなかった。
麻乃はじっと肛門を引き締めながら、それら抑制帯の拘束を受け入れる。
「では、99番さんを連れてお風呂場へ向かいますね」
「はい、お願いします」
抑制帯の緩みがないか最後に確認し、麻乃を乗せた車イスのハンドルを握った看護師さんが、もう一人の看護師さんにそう告げると、「動きますよ」と麻乃に耳うちをして、麻乃の返事を待つことなく病室から麻乃を連れ出してしまう。
「ン……っ」
麻乃が何かをするでもなく、自分の意志とは無関係に動き続ける車イス。
車イスは病室を出てすぐ右に曲がり、麻乃が病室へと連れて来られた道を帰るように長い廊下をひたすらに移動していく。
数分かけて突き当りの警備員がいるエレベーターへとやってきて、看護師さんと警備員の無言のコミュニケーションののち、車イスごと麻乃は開かれたエレベーターへ乗せられた。
扉が自動的に閉まり、しばらくして浮遊感に襲われる。
エレベーターの中は相変わらず階層の表記がないために、ここが閉鎖病棟の何階なのか麻乃にはわからない。
だが、看護師さんは違うらしい。
特定の階層でエレベーターが停まり、扉が自動で開かれ、麻乃を乗せた車イスごと看護師さんがエレベーターから降りると警備員と無言のコミュニケーションを交わし、何階かもわからない一直線の廊下を奥に進んでいく。
そして、突き当りを曲がってからたどり着いたエレベーターとそっくりな鋼鉄の電子扉の前で一度止まってからインターホンのような電子パネルを操作をした。
プシューッと音を立てて扉が自動で開放されると中には更衣室のような空間が広がっていた。部屋の隅には名前のわからない装具や、麻乃が身につけている拘束衣と同じものが並べてある棚が見えた。
「おまたせしました。本日入浴の99番さんです。排便の確認がなかったので浣腸してあります」
「この子が例の患者さん? ずいぶん若いのね」
「今のところはおとなしいですが、暴れてしまうこともあるそうなので気をつけてください――それと」
入浴対応をするためなのか、更衣室には看護師さんが三人待機しており、そのうちの一人の看護師さんが麻乃を連れてきた看護師さんから耳うちを受ける。
「わかりました。あとはこちらで対応しますね」
「よろしくお願いします」
麻乃を連れてきた看護師さんは、そう言い残して更衣室をあとにしてしまう。
「入浴担当の筒井です。これから入浴になりますが、まずはトイレでうんちを出しましょうか」
他の看護師さんの挨拶を省略するように筒井と名乗る看護師さんだけが麻乃にニコリと微笑みかけながら自己紹介してくる。
「ん、ン……ッ」
「このまま浴場のほうへ移動しますよ」
麻乃が頭をコクリと動かして返事をすると、車イスが押されていく。
更衣室からガラス張りの扉を抜け、六畳ほどの広さがある一面青タイルの浴場に入り、その一角に仕切りのない洋式便器が用意してあった。
どうやらここでうんちをすることになるらしい。
「はい。立ちますよ」
「んむッ……ッ」
三人の看護師さんにすべての抑制帯が外され、ベッドから車イスへ移動させられたときと同じように、二人の看護師さんに両脇を掴まれながら半ば強引に立たされる。
何かに繋がれていない間は、常に看護師さんに身体を掴まれている気がする。
それは麻乃のことを患者さんとして扱っているからであって、何かの拍子に転んだりして怪我をしないように最善の注意を払っているからなのだろう。
でも、そうやって、本物の患者さんのように扱われれば扱われるほど、麻乃の身体はじっとりと熱を孕んでいってしまう。
「お便するのでパンツだけ脱がしますよ」
「ん、んふ……ッ」
二人の看護師さんに両脇を抱えられ、棒立ちしている麻乃の鼠頸部に食い込んでいる拘束衣のベルトが、筒井さんの手によって外されていく。
鼠頸部の締め付けが無くなり、ギチギチにウエストに嵌り込んでいる黒いパンツへと指を掛けられ、グイグイと下へと引っ張られ無理やり脱がされてしまう。
「あらあら、これはまた……っ、すごい患者さんだこと……」
「……っ」
パンツの内側が見えた途端に筒井さんが独り言のように呟いて、それを聞いてしまった麻乃は何も言えず、顔を紅くしながら立ちすくむ。
麻乃が身につけていた黒いパンツの内側には、誰が見てもわかるほど、熱気を交えた透明な蜜がねっちょりと満たされていたのだ。
病室で清拭をされたばかりだというのに、どうしてこんなにも恥ずかしいことになってしまってるのか。麻乃にもわからない。
「とりあず、座りましょうか」
「ン……ッ、ん、ンッ……ッ!?」
黒いパンツを足もとから抜き取るように取り払われると、看護師さんたちによって、麻乃は便器へと座らされる。
「はい、いつでもお便出していいですよ」
それから一人にされるのかと思いきや、麻乃の両脇を抱えた看護師さんは、傍から放れず、じっと麻乃を抑えつけていた。
パンツを脱がしてくれた筒井さんまでも、麻乃の股を覗き込むように正面に屈んで、麻乃の白い太ももに右手を添えている。
病室で浣腸されてしまったせいで、お腹の状態がかなり不安定なことになっているけれども、こんな状態では出すにも出しにくい。
「どうしました? ここはトイレですから、どうぞ出してください。次は入浴があるんですから、遠慮しなくていいですよ」
「――ッ」
だというのに、筒井さんは麻乃の太ももをトントンと叩いてニコっと微笑みかけながら、排便をするように促してくる。
それはもう、麻乃個人へ向けているものではなく、患者さんに対して行う対応そのものだった。
今の麻乃は患者さんの気持ちを知るための研修を受けている身だ。
ここで看護師さんに囲まれながら麻乃がうんちをするのも研修に組み込まれていることなのだろう。
下手に我慢してどこかで漏らしてしまう前に、トイレでうんちしたほうが自分の為にもなる。
「んふッ、んぅ……ッ!」
顔を真っ赤に染めながら、身体に起こる生理現象に従って、麻乃はお尻に力を入れた。
結局のところ。うんちを我慢するのも限界だったのだ。
「――んふぁっ!? ん、ン……ッ!」
ビチャビチャと勢いよくお尻から排出されていく汚物から、鼻に突き刺さる異臭が漂ってくる。
「んぁ、ぁ……ッ」
ずっと我慢していたお腹の苦しさが綺麗に流されていく感覚に麻乃はある種の解放感を味わう。
麻乃を囲い込む看護師さんたちはその様子を顔色一つ変えずに見守り続けていた。
「お腹はスッキリしましたか?」
「ん……」
排便がおわったころに筒井さんに状態を聞かれて、麻乃は感情を隠すように無言で頷いた。
水様便のせいで肛門の辺りがヒリヒリして、快便とは言えなかったが、お腹に中に溜まっていた便は、思いのほかほとんど排泄できた。
もう、これ以上は麻乃がいくら踏ん張っても何もでないだろう。
「でしたら、清拭しますね」
「――ッ」
両脇の看護師さんに身体を持ち上げられるように立たされると、股を肩幅に開きながら前かがみにお尻を突き出すような姿勢に固定され、筒井さんに肛門が清拭されていく。
「ン、ん〜〜ッ!?」
割れ目から肛門のほうへとお尻の穴を掘るように清拭されるゾワリとした感触に喉から変な声が漏れていた。
うんちを終えたばかりで、お尻の穴が敏感になっているのか、少し触られるだけでも、腰が勝手にびくびく跳ねてしまう。
「はい、終わりましたよ」
そんな麻乃に対し、筒井さんはさくっと清拭を終わらせて、麻乃から排泄された汚物の溜まる便器内へ布巾を投げ込むとトイレの水を流した。
「上手にうんちもできたことですし、そろそろ入浴のほうに移りましょうか」
「ン……ッ!?」
筒井さんの言葉に合わせて麻乃の両脇を抱えている看護師さんが動き出す。
麻乃が足を動かすまでもなく、問答無用で連れていかれてしまう現実になすすべはなく、瞬く間に浴場の中心部へと連行されていく。
「はい、ここに座りますよ。座ったら、足はこちらに伸ばしててくださいね」
「んむぅ……ッ!?」
麻乃が連れて行かれた場所には、寝たきりの患者さんように開発された昇降機付きの浴槽が準備されていた。
それは、対応したストレッチャーに寝たきりの人を乗せて、湯船に浸からせることができる画期的な介護用品だ。
けれども、麻乃が強制的に座らされたストレッチャーの各所には病室のベッドにあった抑制帯を思わせるようなシリコン製のベルトがいくつも備え付けてある。
「拘束衣は入浴の邪魔になるので、脱がしちゃいますね」
シリコンベルトの用途がどのようなものなのか。と麻乃が思案しているうちに、筒井さんを含めた三人の看護師さんが麻乃の上半身を縛めている拘束衣のベルトへ手を伸ばしてきた。
背中のほうでカチャカチャと留め具が音を鳴らし、拘束されている両腕が何度か引っ張られる。
「んぐ……ッ」
研修開始からずっと身につけていた拘束衣からやっと解放される。
その事実に若干テンションが上がって、麻乃は口の中のシリコンを噛みしめながら、身をあずけた。
背中で束ねられた拘束衣のベルトが一つ一つ丁寧に緩められ、上半身を縛めていた締め付けがじわじわと消えていく。
腕を組むように背中で固定されていた袖先のベルトも外されて、胸の前にある縦のベルトから交差した両腕を引き抜けば、麻乃の腕は自由に動かせるようになっていた。
今まで麻乃がどれだけ暴れても拘束衣の縛めが緩むことなんてなかったのに、他人の手が加わるだけでこんなにも簡単に拘束が緩んでしまうなんて、変な感じだった。
「両手は前に伸ばしててくださいね」
「ん、ンッ……ッ」
拘束衣に包まれた両腕が自由に動かせるようになったあと、背中で閉じてある五つのベルトも外されていき、麻乃の白い背中がキャンバス生地の隙間から見え隠れする。
そこから脱皮をするように正面に伸ばした両腕の方向へ拘束衣がぐいぐい引っ張られていき、生まれたばかりの赤子のようなきめ細かい白い肌が露わになった。
これでやっと、麻乃は自由だ。
「次は身体を固定していくので、そのまま横になりますよ」
「んむぅうッ!?」
だが、次の瞬間に麻乃の身体は二人の看護師さんに抑え込まれ、すぐさまを仰向けに押し倒されてしまう。
「ン、ん〜〜ッ!?」
「はーい、暴れないでくださいね」
「んむぅううッ!」
解放感を味わう間もなく身体を拘束されると思っていなかった麻乃は、その拘束に抗うように身をよじって声を上げる。
しかし、一人の麻乃よりも二人の看護師さんのほうが力が強くて、片方ずつ掴まれた細腕は、看護師さんに容易く抑えつけられ、振り払うことさえできない。
その間に、筒井さんがストレッチャーにある各所のシリコンベルトを麻乃の身体へ巻きつけて、一箇所ずつキツく締め上げていく。
「んぐぅううッ!? んむぅううッ!?」
手首、足首、二の腕、太もも、ウエストや胸の上下などにベルトが食い込んできて、麻乃はあっという間にストレッチャーに磔にされていく。
自由になったとおもったら、またすぐに拘束されてしまう。
あまりにも理不尽な現状に涙が溢れそうになる。
「マスクも邪魔なので、外しますよ」
麻乃をストレッチャーに完全に拘束したことを確認した筒井さんは、麻乃の口を塞いでいるフェイスクラッチマスクにも手を掛け、首の後ろにあった留め具を一つずつ外していく。
「ん、ンんッ――うあッ、あ……ッ、あは……ッ、ぁ」
頭を締めつけていたハーネス式のベルトの縛めが緩んでいき、顎が動かせるようになると、淫らに粘ついた白い糸を引きながら、シリコンの突起が口の外へと引き抜かれ、長いこと塞がれていた麻乃の口がやっと自由になる。
「はい、次はお口開けてくださいね。開口器着けますよ」
「あ、へ……ッ? ま、まっへくださ――あ、がッ……ッあ、――ンがぁッ……ッ!? あ、おあぁあッ……ッ!?」
しかし、自由になった口へ続けざまに入ってきたのは、∞字型に閉じたクリップをクチバシのように上下に広げることで口を強制的に開けさせる鋼鉄の開口器――アングルワイダー。
上と下の歯にしっかりと開口器の鉄のフレームを宛てがい、頬の横にあるハサミのような調整器具で開口器を広げれば、口が二度と閉じることがないように顎が大きく開け放たれる。
そうなってしまえば、言葉を話す手段も絶たれてしまうわけで。
「あ、ぅあ……ッ、あぁあ……ッ、んあ……っ」
行き場を失くした麻乃の紅い舌が口の外へと彷徨うように飛び出してしまってた。
「あ、あぁあ……ッ」
拘束衣とマスクを外してもらえたのに、結局拘束されてしまっている現状に麻乃は何も言えずにたじろぐ。
手足に力を込めてもベルトによってストレッチャーに磔にされているから、仰向けのまま動けないし、口は強制的に大きく開かれたままだから、あ、とか、う、しか言えない。
二つの豊満なおっぱいを晒している麻乃にできることは、これから行われるであろう入浴をただ受け入れることだけ。
そう思えば思うほど、麻乃の身体は不思議と興奮して、桜色の割れ目から愛液をとろりと零してしまう。
抗いようもない理不尽なことをされているという事実そのものが、麻乃の身体に悦びを教え込んでくる。
「それでは、準備ができたので、まずは身体から洗っていきますね」
「――ッ、あっ、んぁ……ッ!?」
筒井さんは、白い歯を晒しながら吐息を漏らすだけの麻乃にそう告げるとストレッチャーに拘束されて逃げ出すことのできない全身にぬるま湯をかけてきた。
熱すぎず、ぬるすぎず、絶妙な温度のお湯によって白い肌が湿り気を帯びて、紅く滴っていく。
「はい、まだまだかけていきますよ」
「あ、あぁあ……っ、あ、あ、おぁ……っ、んあッ!」
自分の意志とは関係なく、お湯をかけられていくというのは、中々に恐怖が芽生えてくるもので、麻乃はお湯が身体に掛かるたびに声をあげていた。
「次は、ボディーソープ伸ばしていきますね」
「――ッ!? あ、あぁあッ!」
そして、身体へ触れてくるのは、黒いラテックスの手袋を履いた六本の手。
ヌルヌルテカテカと光沢を放ちながら、ボディーソープのようなとろとろの液体をまんべんなく白い柔肌へと敷き延ばして、肌という肌を舐めまわしてくる。
「んぁッ……ッ!? あ、おぁあッ……ッ!?」
そのくすぐったさに、麻乃はさらに声を上げて身体を暴れさせる。
――ギチ、ギチチ。
しかし、シリコンベルトによって磔にされている身体は無抵抗にその愛撫を受け入れるしかない。
「お、おぁッ……!? あ、あ、あぁッ!」
へその周りから、太ももへ。
「んぉ、おッ……ッ、おおぉッ……ッ!?」
脇の下から、二の腕へ。
「あぉ……ッ、お、ぁ……ッ、あぁ……ッ」
爪先から下腿へ。
上、中、下、の各部位に分かれた六本の手が優しく揉みこむように麻乃の白い柔肌を優しく擦り上げ、絶妙なくすぐったい刺激をまんべんなく送り込んでくる。
「どうですか。気持ちいいですか?」
「あ、あ、あぁ……ッ! おぁ、あ、んぁ……ッ、ひあぁッ……あ!」
今すぐに逃げ出したいような不安感。それと一緒に、今まで届かなかった痒いところへ手が届いていく謎の幸福感がぐちゃぐちゃに混ざり合って、全身がフワリと浮かんでいくような錯覚に麻乃は襲われる。
「このまま続けますね~」
「あ、あぁあッ……ッ! んぁ、あ、あ~~~ッ!」
肌が嬲られるほどに、身体の芯が熱を持ったように滾っていき、下腹部の奥がジュクジュクと疼いて、むず痒くなっていく。
――触りたい。
――アソコを触って気持ち良くしたい。
「あ、あ、あぁあッ!? んぁ、あ、おあっ、あ……ッ!?」
デリケートな部分のみを残しながら、くすぐったい場所である脇の下や横っ腹、内ももなどを的確に刺激され、じっとり、ねっとり、と身体だけが興奮していく。
それがたまらなく辛くて、悔しくて、麻乃は小刻みに身体を震えさせながら、衝動に抗うように手足に力込めて暴れる。
「はーい、おっぱいも洗っていきますよ」
すると、麻乃のおっぱいに筒井さんの手が伸びてきた。
「あ、あ……ッ !? あ~~~ッ! んぁッ、あぁあ~~~ッ!」
もみもみとパンの生地を揉みこむように二つの豊満な乳房を押しつぶしながらマッサージをして、先端にある乳首へと刺激を集めていく。
おっぱいの先っちょに向かってジンジンとした痒みが募っていって、そこに強い刺激が欲しくてたまらなくなる。
ぐにぐに、ぐにぐに。
もみもみ、もみもみ。
けれども、筒井さんはその先っちょには触れてくれず、乳首の根本までしか刺激してくれない。
「あ、んあぁッ!? あっ、あ、おあ……ッ!? ――あぁあ~~~ッ!」
解き放たれることのない悶々とした快楽がおっぱいに募っていくばかり。
――もっと、触って……ッ。
――もっと、ほしい……ッ。
――もっと、気持ち良くなりたい……ッ。
麻乃の脳裏に浮かぶのは、そのことだけ。
「ん、ンん~~~ッ!」
麻乃は喉を鳴らすように声をあげ、もっと刺激が欲しいとおねだりをする。
「あらあら、そんなにえっちな声だしちゃって……もしかして、乳首も触ってほしいの……?」
「――あ、あぁあッ! あ、あッ!」
麻乃はその言葉に、強く頷いた。
せびるようにおっぱいを突き出して、何度も必死におねだりをする。
もう、我慢しきれないくらい限界だった。
はやく、早く気持ち良くしてほしい。
「うふふ、そうですか。触ってほしいですか。でしたら、これからいっぱい気持ちいいところも触ってあげますね」
「あ、あぁッ、おあ、あぁあッ……ッ! あ、んあッ!?」
筒井さんがニコリと笑って、他の看護師さんとアイコンタクトを取ると、太ももを撫で回していた看護師さんの手が鼠頸部へと伸びていき、とろとろになっている桜色の割れ目に触れてくる。
すりすり、すりすり。とクリトリスが擦られて。
くりくり、くりくり。と乳首がこねくり回される。
「んはぁ……ッ! あ、あっ、あッ――んあ……ッ!? あ、おあぁあ~~~ッ!?」
待ち望んでいた刺激に、麻乃の腹筋がわななくように震えて、腰が勝手に跳ね上がって、逃げ出そうとしてしまう。
「あらあら、すごいよがっちゃって、可愛い子」
「おぁ、あ、あぁ~~~~ッ!?」
「はいはい、もっと気持ち良くしてあげますからね~」
「あ、んあッ……ッ! あ、おぁあ~~~ッ!」
すりすり、すりすり。
くりくり、くりくり。
触れば触るほど大きく尖っていく乳首の先端をくりくりと指先でつまみあげられ、とろとろに尖ったクリトリスがすりすりと擦り上げられる。
「あ、あっ、あぁあッ……ッ! んぁあッ、あ、あぁああッ~~~ッ!」
身体の芯に溜まっていたボルテージが一段階強くなり、麻乃の身体がさらに大きく震えあがったとおもえば、腰を中心に身体が連続するようにビクビクと痙攣し、募りに募った快楽が全身を突き抜けるように解き放たれていく。
「んぁ、あッ、あぁあ……ッ!? あ、あっ、あッ、あ――おぁあッ~~~~~ッ!」
大きく弓なりに仰け反らせようとする身体がギチギチとストレッチャーのベルトに締めつけられ、人生初のオーガズムに麻乃は全身の筋肉を弛緩させた。
しかし――
くりくり、くりくり。
すりすり、すりすり。
「~~~~ッ、っうあ、あぁあ――あ、あぁあッ!? あ、あ、おあぁ~~~~ッ!?」
看護師さんの手は、止まらず動き続ける。
「ふふふ、まだまだ時間はたっぷりあるので、気持ちいいところたくさん触ってあげますからね」
「あ、あぁ~~~ッ!? ンぁッ!? ——あ、あぅあ~~ッ!?」
いっぱいいっぱいになった刺激に安寧を求めて、麻乃は声を上げた。
クリトリスや乳首に与えられる快楽に、頭の中が真っ白になって、もう何も考えられなかった。
なのに、紅く尖った乳首をこねくり回すようにおっぱいが刺激され、包皮に隠れたクリトリスが剥き出しになるように指の間で挟みこまれる。
「あ、あぁッ!? ンァッ、あ、あ、アッ……ッ!? あが、あ、あ~~~~ッ!」
さらにはヒクついた膣口を掻きまわすように、人差し指と中指で膣内を擦り上げられ、内側からクリトリスの根元をトントンと刺激されてしまう。
「あ……っ!? あ、あぁあッ!? あ、んあ〜〜〜〜ッ!? あ、があッ……っ!?」
「お口の中も洗っていきますねー」
「あ、あぁあッ!? あ、あええッ、おえッ!? あ、あッ――んおぇッ、んぶッ、うぶッ!? あ、ぶッ、んぁッ、おあ……ッ、んぶあッ……ッ!?」
開口器で開け放たれた口腔内にも看護師さんの指が侵入してきて、行き場のなくなった紅い舌に絡みつくように口腔内が掻きまわされていく。
「どうですかー? 気持ちいいですかー?」
「んぶッ!? ぶぁ、あぁあッ!? えあ、あうッ……ッ!? んぶぁあッ!? ――あ、あぁ~~ッ!?」
歯茎の隅々までもゴシゴシと擦られる感触に、麻乃はなすすべなく声を上げる。
ありとあらゆる部位を一斉に弄られて、麻乃には何が起きているのか訳が分からなかった。
ただ、頭の中は気持ちのいいことでいっぱいだ。
「あ、あッ――ンあぁ~~~~ッ!?」
なのに、看護師さんたちの手はとまらない。
とろとろになった桜色の割れ目。その中心部を掬いあげるように、ずぶッずぶッ、と中指で何度も、何度も、膣口を擦り上げられ、乳首にも刺激を与えられる。
さらには、内ももや脇の下などもくすぐるように時折刺激を与えてきて、麻乃の身体を玩具のように弄んでくる。
慣れない刺激のオンパレードに逃げ場のない仕打ちを淡々を行われ続けて、ついに二度目の高みが麻乃の目の前に迫ってきた。
ストレッチャーに拘束された麻乃の身体が痙攣するようにビクビクと波打ち、大きく仰け反り、そして――
「あ、あ~~~~ッ!? んぶッ……ッ、うあッ、あ、あ、あーーーーッッ!? ――んおっ、おおぉおお~~~ッ!?」
プシャッ。シャーーーっ。
びちょびちょになった桜色の割れ目から勢いよく潮が吹き出した。
「はーい、まだまだ続けますよ~」
「~~~~っ、~~~~ッ!?」
しかし、看護師さんたちの手はまだ止まらない。
何週にも及ぶその愛撫は、麻乃の身体が力尽きるまで延々と行われ続けるのだった。
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