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 あれから、どれくらいの時間が経ったのだろう。後ろに組んだまま背中で一纏めに縛られた両手は上半身を締めつける二の腕の縄と合わさり、ギシギシと軋む音を響かせて私の自由を奪ったままで、首輪から伸びた鎖のリードに引かれながら私は歩き続けていた。 「ぶふぅ……ふぅ……うぅ……っん」  靴も履くことを許されずに、家から外へ連れ出されたこともあり、ソックス越し感じる地面は土の上で非常に不安定だった。時々硬い物を踏んでは転びそうになる。  ただでさえ目隠しで視覚を塞がれて、股に深く食い込む縄に大事なところを刺激されて……足元にも不都合をきたされる。  事実、何度か転んでしまった足は所々に擦り傷ができてヒリヒリと痛んでいる。  私を好き勝手に弄ぶ犯人たちに自然と殺意が溢れてくる。元々は私のちょっとした好奇心が招いた出会いだったのは確かだけれど、だからといって無関係な人間にここまで酷い仕打ちをするなんてどうかしてる。  これじゃまるで……家に返すつもりがないみたい……。 「……っん」  喉の奥まで入り込む口枷のせいで口元から涎が溢れて顎を伝う。条件反射で嚥下をしようと喉を動かす度に喉奥の異物感に無理やり犯されては吐き気を催してしまう。  それがすごく嫌で屈辱的で今すぐに外したいのに背中に纏められた両手は縄でガッチリ固定されて軋む音を響かせるだけで……何もできない自分がすごく惨めで悔しい。 「んふぅ……っん……んぐっ」  ユズリの縄を解こうとした時に『口枷だけでも着けてみたい』なんて考えていた自分が馬鹿みたいだ。こんなにも“卑猥で歪な”モノを喉奥いっぱいに咥えこみたいなんて好奇心でも思っちゃダメだったんだ。 「おごっ……!?  っん……んふぅう……っん」  少しだけの喉の動きで何度も何度も喉の奥を犯されるたびに後悔が脳裏をよぎってこんな事に『あこがれ』を抱いていた自分に叱責を入れる。  でも、こんな風に連れ回されてみたいと妄想にふけっていた時期があったのは確かで……今はその妄想が現実に起こっているんだ。って考えてしまうと不思議と身体が熱をもって全身が火照ってきてしまうのが伝わってくる。 「ん……ふぅ……んんっ……っん」  わざとらしく縛られた上半身を捻ってみたりして、身体に施された縄の味を噛み締めて肌に食い込む締め付けを自らの動きで楽しもうとしてる自分がいる。  犯人に施された縄は私の抵抗する意志を奪うために最低限の縄の量で関節を捉えて適材適所の縛り方で完璧なまでの拘束を施してしまっている。  それがどれほど洗練された技術で巧みな思考を持ったモノなのか、実際に縛られてしまえばすぐにわかってしまう。 「んっ……んぐっ!? ……ぶふぅう……うぅ」  だって、こんなにも身体は正直に縄の味に敏感に反応してしまっていて……股縄から突如襲われる快感に全身の力が一瞬で抜け落ちてはその度に喉奥の異物を噛み締めて転ばないように必死に足に力を込めている。  ただ、身体を縛られて、視界も口の自由を奪われて、首輪のリードに引かれながら歩くだけのはずなのに……それがすごく気持ちのいいモノだと脳が勝手に記憶してしまってる。  本当はそんな気持ちのいいことじゃないってわかってるのに、私の意志なんか汲み取る必要もないと言わんばかりに身体はそれを求めてしまっている。  気がつけばリードに引かれるよりも先に自分の身体が前に向かって歩いてしまっていることに今さらになって気づく。  自分の身体が自分のモノじゃないみたいなこの感覚は依存的で酷く捨てがたい。一種の麻薬と似たような感覚がずっと私の思考を快楽のことだけに集中させる。  犯人の掌の上に転がされる自分が哀れで惨めであるほどに身体に返ってくる快楽は強くなって火照りと共に思考を染め上げていった。 「んっ……んぅ?」  そんな私を見ていたのだろう。犯人の持つリードが一度だけ『グイっ』と引かれて止まれと指示を出してきた。快楽に身を任せそうになっていた私は寸前のところで我に返り、身体に施された拘束を疎ましく思いながら足を止めて次の指示を待つ。  今の拘束を施されてから犯人は私に一言も話すことをせず、リードの動きだけで指示を出してくる。だから首元のリードの動きには敏感になっていた。 「……んぅ……ふぅ……ん?」  なのにいつになっても動きがない。顎から涎が垂れては胸もとを濡らしてしまうからずっと腰を曲げて前屈みの姿勢のまま喉奥の異物が気孔を塞がないように顎下を前に出していた所為もあって同じ姿勢はやっぱり辛い。  筋を伸ばそうと少し胸を張るように身体を動かした所で胸もとにジャラジャラと擦れる音を響かして手放されたリードが身体に当たった。 「……んっ……んんぅ?……っん!」  それが意味するのは犯人がリードを掴んでいないってことで、私を繋いでいるモノが放たれていて今なら犯人の側から逃げられるということだ。と瞬時に理解した。  だから、まずはとりあえず駆け出した。どこに向かって走ってるなんてわからないけど走った。何かにぶつかったりとか、足下が不安定とか前が見えてなくても関係ない、逃げれるならどうなってもいいって思った。 「んぐぅっ……んっ、んんっ……っん……ぶっ……ぶふぅ……ぶふぅっう……うぅ」  喉奥まで咥え込む口枷を何度も噛み締めて、吐き気を催しながら走った。鼻でしか呼吸できないからすぐに息切れして走れなくなったけれど、結構走れた。  なのに周囲からは人の気配も何もしなくて、ただ自分の身体を戒める縄の軋む音と首輪から垂れ下がる鎖の擦れる音しか聞こえない。 「んぐぅ……お、ごっ……ふごっ……んっぐぅ……ん」  息は切れ切れで喉の奥の異物が呼吸を邪魔して苦しい。相変わらず縄は解ける気配はなく、先ほどよりも身体に深く食い込んだ縄は軋ませながら擦れる音を鳴らすだけ。  それでも犯人のいない間に少しでもここから離れて誰かに助けを求めようと歩いた。  身体を戒める拘束だけがどうしても解けないけれど、今ならどこにでも行ける。誰でもいいからこの拘束を解いてもらってそれから警察に連絡すればいい。  それから暫く歩いて、歩いて、歩き続けて。 「……ん……ふぅ……ふぅう……っ」  自分がどこを歩いているのかも分からなくなって、足を止めた。  私が車を追いかけた時、車が停まったのは木々が生い茂る森の中だったはずだ。でも、犯人の家を出てから木々が揺らぐ音も足下に草木を引っ掛けることもなく私は歩いていた。  ソックス越しに伝わってくる地面は土の上で時々石ころがあるだけだった。なのに今は地面は硬く補強されていて、明らかに人口的なアスファルトかコンクリートの道路のモノで明らかに森の中ではなくなっている。  それなのに人の気配がしないのはどうしてなのかわからなかったけど、私が犯人に捕まったのは夕暮れ時だった。  あれから時間が経った今は夜の何時でここはどの辺りなのだろう?  もしも……もしもここで知らない誰かに会ったとして、私はどうやって助けを求めたらいい?  こんな暗い夜の道で身体に縄を施されて自由を奪われた女の子を見過ごす人はほとんどいない筈だ。  なのに目隠しで視界を塞がれて、口枷で助けの声も出すことができないどこの誰かもわからない女の子を何もしないでただで返す人がいるのだろうか?  こんな平和な世界でこんな格好で夜の道を歩いていたら、誰かに犯してくださいって言ってるのと何も変わりない。  今の私は歩けるだけで言葉も意志も抵抗する術もないただの人形と変わりないんだ……。 「んっ……んぐぅ!!」  その意味を理解した私は後ろに振り返って走り出した。離れてしまった犯人に助けを求めて声を出した。  せめて目隠しだけでも外してくれていたら戻らなかったかもしれない。  歩くことしか許されない拘束された姿で、もしも変な人に捕まってしまったら……。助けを求めることもできないこの姿で普通の一般の人と会って変に勘違いされたら……。  相手の顔を見ることができない女の子に何をしようと顔がバレることはない。好きに弄んでから警察に通報したって遅くはないのだ。  そう考えただけで全身から冷や汗が溢れ出て、自然と涙が出てきた。  ひとりぼっちにされるのは怖い。 「……んぅ……うぅ」  すると、誰かが私を抱き寄せて頭をポンポンと二回撫でた。そのあとすぐに『グイグイ』とリードを引かれて犯人が戻ってきた事を知る。ただそれだけで溢れていた涙が止まって、すごく安心してしまっていた。  安心すると私を置いて行こうとした犯人に殺意が目覚める。それと同時に股縄の食い込む大事なところから何かが滴る感覚がたしかにあった。快楽は正直に身体に反応を起こさせて私の意志を蔑ろにしてくる。 「……んっ……ん……んぐっ……ん」  自尊心がそれを許したくないから恥ずかしくなって身体が熱くなる。すごく悔しくて、すごく惨めで口枷を強く噛み締めては吐き気を催して後悔して……。  犯人の思い通りにコントロールされてる自分が哀れに感じてしまって勝手に悲劇のヒロインの気持ちになっていく。  結局、犯人の手によって車の中へ連れて行かれるまで拘束された身体のまま奴隷みたいな囚われのお姫様の気持ちを痛いほど体験させられて……。どこかへと走り出した車に揺られて私はいつのまにか眠りに落ちてしまった。 ―――――――――― 「……んっ……ふ……んふっ……んんっ……ん」  おっぱいだけが誰かに触られている感覚がして身体が無性に何かを求めて自然と瞼を開ける。喉の奥を犯し続ける異物は今も変わらず口の奥いっぱいを涎まみれにして私の顔から離れていなかった。 「ん……んんっ……ふぅっ……んふっ……んんっ……ん」  暗闇しかなかった視界は良好で、真っ白い布団の上で自分が寝そべっていることがすぐにわかった。ただ、胸を揉み続ける存在は健在で私の目覚めなど関係なく延々とおっぱいを揉む。  たしかに私もおっぱいを揉むのは好きだけれど、いくらなんでも揉みすぎだった。  抵抗しようと動かした両手は背中に纏められたままで相変わらずの縄の軋む音を上げる。それと同時に今までよりも縄の量が増えているように感じた。二の腕に掛けられた縄は肩から伸びるV字の縄と連結して更に胸を締め付けて強調して、お腹のところでは新たに菱形の輪を形成していた。四方へ伸びる縄たちは私の身体を適度に締め上げてギシギシと音を響かしてお互いを擦り合わせる。 「んんっ……ん……んっ……ふぅっ……ん!」  その間も容赦なく続く胸のマッサージが変に身体を刺激してきて両足に力が入る。けれど、足は膝を曲げたまま伸ばすことができなかった。  視線を無理やり足のほうへ向けるとボンレスハムみたいに網状に絡まる縄が私の足を縛りつけていた。適当に見えるその縄の掛け方は一本一本が確実に足の関節を絡めとり、お腹で作られた菱形の輪へと集束していた。 「んくっ……!? ……んっ……ふぐっ……ん」  実質太股しか動かせない状態の私に許されたのはほんの少しの身動ぎだけで、少し身体を捻っただけで菱形の輪に繋がる縄が全身をギチギチと締めつけて一瞬だけ身体がフワリと浮かんだ気がした。  それが何なのかわからないまま、意識を手放そうとすると、胸を揉みしだく存在が私の目を覚まさせる。 「……んんっ……ふぅっう……んぅ」  縄の締めつけに抗いながら身体を無理やり起こそうとする。すると首元で聞きなれた鉄の擦れる音が聞こえてきて、変わらず首輪がつけられていることを知ってしまう。  でも、そんなこと気にしてる場合じゃない。今は胸を揉みしだく存在からとにかく逃げたい。ただその一心で身体を強引に動かして縄の締めつけを全身で噛み締めながら身体を起こした。 「……逃げてもダメだよ。カザリちゃん」 「ーーっぶふ!?」  突然耳元で語りかけられた声に驚いた身体は無駄に入った力の前でなすすべなくバランスを崩してまた倒れた。その刹那に全身締め付ける縄の感触が私を優しく抱き締めて、またフワリと意識が浮かび上がりそうになる。 「縄で縛られてイッちゃうなんて……カザリちゃん可愛い」 「……んぁ……ぅ」  そのまま動かなくなってしまった私の上で声の主人は嬉しそうに微笑んで私の頬を優しく撫でた。  白いネグリジェ姿の女の子は明らかに知っている顔で、私がここに捕まってしまった元凶の要でもある人物だった。  私に着けられている拘束具を元々身につけていた女の子。  今は何一つとして拘束されていないユズリがたしかに私の目の前にいた。  なんで……? どうして……? 私のことを騙してた……? 「んっ……んぐっ!?」  今まで感じていた身体の火照りが一気に冷めていくのを感じた。と思ったら、突然お腹のほうで何かが大事なところを縄越しに刺激してきた。 「どうして……? って顔してる。本当はもうわかってる癖に……」  何処からか聞こえてくる振動する音の正体がソレだとわかった時には、振動する物体は縄でしっかりと私の大事なところに抑え込まれて微弱な振動を『ヴヴヴヴッ』と伝え始めていた。 「ふぐっ……! んぐぅっ……! ……んんっ!」  その快楽は今まで感じていたモノとは明らかに違う異質なモノで思考の隙間を駆け抜けて現れた刺激は私の脳裏を簡単に快感で押し潰していった。 「……あ、もしかして……ローター初めてだった?」 「んぐぅぅぅううっ!!!」  犯人に無理やり身体を縛られた時に感じた時とは比べ物にならないくらいの快感が大事なところを刺激して、声を出して喘いでしまう。  抵抗しようとした身体は縄の音を不協和音でギチギチと響かして、暴れ回る。 「んぐっ……おっ……ごぉっ……ぶぅぅううっ!?」  それが逆にさらなる刺激になって全身の神経を快楽に沼に沈めていく。私の身体を敏感に高めていく過程を踏み終えたこの拘束状態では何をしても全てが手遅れだった。 「あははっ、カザリちゃんすごいって……素質ありすぎっ!」  面白おかしく嬉しそうに高い声を上げるユズリの顔は高揚していて酷く歪んでいた。そのユズリの手はいつのまにか自分のアソコと胸に伸びていて、白いネグリジェをはだけさせてオナニーを始めていた。 「んんっ! んぐぅうっ!……ぶふっ……ぅ……んごっ!?」  ユズリの異常さを垣間見て快楽に堕ちそうな自分に喝を入れようと声を出す。それが喉奥を犯す異物に阻害されて息が詰まったと思えば突然強くなった振動に腰が跳ねた。 「イイなぁ……カザリちゃん気持ち良さそうで……あ、でも今ならカザリちゃんのこと好きにできるのは私だけなんだっ! ふふっ……一緒に気持ちイイことしよ?」  ユズリの手には溢れるほどの道具が山積みになって周囲に放り出される。まるで私が着せ替え人形だと言わんばかりに豊富に揃う道具たちはユズリの手によって私の身体に装着されては動き出し、脳の許容範囲を超えて肉体そのものを淫乱の塊に堕としていく。 「んぐぅっ……おごっ!?……ぐふっ……んごっ!?」  腰が跳ねて視界が白く点滅するたびに口枷の異物が喉を突き上げて息が止まる。そのたびに意識が遠のいて、自分が何処にいるのかわからなくなって、淫靡に微笑むユズリの手でおっぱいを強引に弾かれる。 「ほんと、すごい感じてるっ……身体がビクビクって跳ねて跳ねて止まらないなんて……カザリちゃんそのままじゃ死んじゃうよ?」 「ごっ……っ……っご……!? ……ぅぶぁっ!?」  本気の本気で息ができなくなって、やっと初めて口枷を外される。酸欠に陥ってた身体は必死に酸素を求めて息を吸い込む。その途端に正常になった身体が神経に従順になってまた腰が跳ねる。 「かわいいなぁ〜……かわいいなぁ……このままずっと私が飼ってあげようかなぁ……」  耳元でで囁くユズリの声が少しずつ私の頬を伝って唇へ近づいてくる。 「ーーんんっ!?……んぁっんぅ……うぐっ……ん……ぁ……んぅ……っん」  異物を咥えていた口は閉じ方を忘れていたのか、ユズリの口づけをあっさりと受け入れてしまっていた。 「えぁ……んっ……やめっ……んっ……いやっ……んくっ……んんっ」  強引に口の中へ入り込むユズリの舌は執拗に私の舌に絡まってきては何度も何度も繰り返し溢れる涎を送り込んでくる。 「ふぅぅ!?  ……んんっ!?……んぁっ……ぇあっ……!?」  そのまま抵抗できない私のおっぱいを強引に揉みしだいて、視覚が白く弾けるところで私の舌を力強く吸い上げて口の中を犯してくる。  いつのまにかソレがすごく気持ちイイことなんだと身体がわかってきて、自然とユズリの口づけを受け入れて、逆にユズリの口を私が弄んで犯そうとやっきになり始めたころだった。 「ーーおごっ!?」 「……ふふ、はーい。お口はお預けでぇーす」  私の口内を当たり前のように埋め尽くし、喉の奥を犯す異物がユズリの手で押し込まれた。後頭部で止められたバンドは緩む気配なんてなくて、また私の呼吸を制限しては愛のない無慈悲な突きを喉の奥に何度も繰り返し居座り続ける。 「カザリちゃん……すっごい素質あるから、今度はもっと楽しいことしようね」 「んっー!! んぐぅぅうう!!」  すると視界が闇一色に染まった。明らかに目隠しに覆われてしまった視界だった。それが何を意味するのかわからないでいる私を容赦なくユズリは道具を使って責め立てる。  終わらない快楽は延々と私を犯し続けた。 ―――――――― 「……あ、あれ?」  私がどれほどの時間を快楽に溺れて過ごしていたのか覚えていない。  目が醒めると制服姿のまま自宅近くの公園のベンチで寝ていた。  自分が今まで何をしていたのか思い出そうとして、なんだかとんでもない事件に巻き込まれていたことを思い出すけれど、途中からの記憶がほとんど抜け落ちてしまっている。  私は拘束されてから何をされたのだろう? 「そうだ、スマホは!?」  スカートのポケットに手を入れてそこにあったはずのスマホを探す。犯人に壊された覚えのあったスマホは無傷のまま私の手元に存在していた。  スリープモードを解除してロック画面を確認すると通知が一件だけ届いていた。 『拘束されて気持ちイイことされたくなったらまたおいでっ! カザリちゃんの永遠のご主人様より』 「……もしかして……ってーーへ?」  身体を動かすと制服の内側で何かが全身を締め付けた。顔を真っ赤にして公園のトイレに駆け込んで、制服を軽く脱いだら……。 「これっ……亀甲縛り……」  身体のラインを強調して施された縄の模様は見事なまでに私の身体を締め付けて軋む音を響かせていた。  それと同時にスマホの通知が鳴る。  スリープモードを解除すると送られてきたのは動画だった。 「……あ。これ……私だ」  スワイプして表示してみると淫らに腰を左右に振りながら股を横断する縄を深く大事なところに噛み締めて、縄で緊縛された上半身と目隠しや口枷で顔の見えない姿のままエッチな喘ぎ声を喉の奥から鳴らして歩く制服を着た女の子の動画だった。  それを見てしまった私の脳裏で忘れていたユズリとの行為がフラッシュバックして思い出される。 「……んっ……はぁ」  身体は自然とそのことを求めていて、身体に締めつく縄の味が酷く甘美で焦れったくて図々しい。  もし、もしも……。  私の求めていることが好きな時にできるのなら……私は……。  亀甲縛りを施された身体のまま私は自宅へと向かって歩く。  その道の途中で大きな長い黒い車が私の横を通り抜けた。  私の足は自然と車を追って跡をつける。  たとえそれが単なる『あこがれ』からきた淡い期待だとしても……。  もう一度だけあの快楽を味わえるなら私は何度でも繰り返して車の跡をついていく。  住宅地を抜けた森の中で佇むポツリとそこに居座る一軒家に向かって歩を進める……。    

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