のびのびストレッチ・ユニ(カラー + 小説) (Pixiv Fanbox)
Published:
2020-06-17 19:27:13
Edited:
2021-07-15 03:08:41
Imported:
2021-09
Content
ざっと描くつもりだったのに結構時間をかけてしまった… 以下SS!
次回更新はボディ・ローション2になります!!
English Story ver: https://tonde-itte.fanbox.cc/posts/1143666
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ストレッチ・ユニ
「ふぅん、なかなかいいじゃないか」
自室にて、ドニーは買ってきたばかりの濃紺のユニタードを着て、姿見に映る自分の姿を見て頷いた。
伸縮性のあるつやつやとした生地はドニーの身体にぴったりと張り付き、鍛えて盛り上がった筋肉のシルエットが生地の光沢によって浮き上がり強調されているように思える。 その光沢はドニーを興奮させた。
ドニーは大学のウェイトリフティング部に所属している。
日々のトレーニングで鍛え上げられた肉体は力強い筋肉で覆われていて、ドニーはそんな自分の肉体に誇りを持っていた。
そして、その肉体をぴったりとした衣服で包むのを趣味としていた。
ぴったりとしたユニフォームや、頭まで覆うようなラバースーツ、アメコミヒーローのような柄入りコスプレスーツ等、全身を包む色とりどりの生地は筋肉の隆起をさらに彩るように思え、ドニーはそういったものを買い漁っては大学の寮の個室のクローゼットにため込み、時折それを着て鏡の前に立ち悦に浸るのだった。
その商品--『ストレッチ・ユニ』を見つけたのはたまたまだった。 部活で使っていたユニタードがそろそろ傷んできていたので、スポーツショップで新しいものを買おうとドニーは休日に出かけた。
見たことのない雑貨店を目にとめ、スポーツグッズもあるというので冷やかしのつもりで店に入った。
商品はどれもこれも胡散臭いものであったが、品揃えだけはたいしたものでユニタードまで置いてあった。
そして『ストレッチ・ユニ』を見つけたのだ。
『あなたの肉体に無限の柔軟性を!』
キャッチコピーを見てなんだそりゃ、とドニーは思ったが、パッケージのビニール越しに見えるつやつやとしたラテックスのような生地は彼の目を惹きつけた。
そしてドニーは気付くと濃紺と赤の二つのユニタードを手にレジに向かっていた。
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パッケージから出したばかりのストレッチ・ユニからはラバーの匂いがぷんと漂い、ラバー製のきつそうなユニフォームはきっと実際の運動には向かないだろうな、とダニーは思っていた。
だが予想外にストレッチ・ユニの着心地は上々のものだった。
程よく冷たい伸縮性のある生地は適度なタイトさで筋肉を圧迫してきて、それが妙に心地よい。吸い付くようにぴったりと張り付いた生地にはシワも少なく、ドニーの動きを阻害することもなさそうだった。
ドニーは姿見の前でポーズをとり、スマホで自撮りをする。
動くたびに筋肉のシルエットの上に光沢が揺らめき、ドニーはそれを指でなぞる。
今まで様々な生地越しにそうやって自らの肉体をさすり興奮のボルテージを上げていたドニーだったが、ストレッチ・ユニは段違いの極上の触感を彼に与えたいた。
しばらく鏡越しに自分の姿を愛で、手で撫で触感を味わっていくうちに、生地に包まれた部位がなんだかむずむずしてきた。
不快な感覚ではなく、むしろ身体を動かしたくなるように細胞がせっつかれているように感じる。
そしてドニーは軽い準備体操を始めていた。
実際に身体を動かしてみると、なんだかいつもよりエネルギッシュに肉体が動くように思えた。
それはやり慣れた動きを大振りに、より深く沈み、より大きく伸びをさせ、気付けば軽い準備体操は本格的なウォーミングアップへと移行していった。
身体が温まってくるが、ストレッチ・ユニは程よく冷たいままで、熱で蒸れる感じもしない。
だが一方でドニーは妙な違和感を覚えていた。 身体が動きすぎるように思えたのだ。
そしてユニタードは冷えたままで、それどころかじわじわと冷たい何かが身体の中にしみこんでいるような冷感を感じる。
しかし身体を止める気にはならなかった。
ドニーは両腕を頭上で交差させ、目を閉じ、上体を横に倒す柔軟運動を行おうとした。
倒した反対側の筋に、めりめりと伸びていく慣れた刺激が走る。 いつもより身体の角度が大きく曲がっていくのがわかる。
刺激が続くが、いつも感じるはずの限界点を感じない。 まだまだ身体を倒せそうだ。
やがて刺激は薄まり消え、まだまだ肉体は曲がりそうだ。
そして頭上で交差した腕の肘が、自分のすねの横に当たったとき、ダニーは我に返って目を開いた。
「ええっ!?」
ダニーはさかさまになった景色と、そして目の高さの真横に自分の足があることに驚き、口をぱくぱくさせて動けなくなった。
彼の腰部と下腹部は骨を無視したようにぐうんと伸び弧を描いた。
つやつやとしたラバーのユニタードで覆われた胴体は、異様に伸びた形状とあわせてとてもヒトの胴体には見えず、おもちゃのゴム人形か何かのようで……しかしその下にはドニーの硬い骨と肉で出来た胴体があるはずなのだ。
「な、な……」
ダニーはぐらぐらと頭を揺らしながら、しかし曲げた腰を反対側に戻そうとする。 するすると胴体は縮んでいき何事もなかったかのように普段通りのダニーの胴のかたちに戻った。
「なんだ、こりゃ…」
ダニーは恐る恐る自分の腹をさすると、それは確かに自分の腹だという感触がある。 触れ慣れた筋肉の隆起は妙に柔らかくも感じるが、さらに何か違和感があった。 それは生地越しではなく直に皮膚に触っているという感触からくるものだったのだが、そのときの彼は気付かない。
そしてダニーは鏡を見てはっと気づいた。
ユニタードは最初、裾は膝の上あたりまで、上部は肩から脇の下が開いていて、襟のバンドを肩口にのせるオーソドックスな形状をしていたはずだ。
だが、いつの間にかそのラバーは膝下まで延び、上半身もシャツを着たように袖が出来ている。
ユニタードがだんだんとその領域を広げている、と理解したのは数秒後だった。 鏡で見ている間にもじわじわとその端が拡がっているのが見えたのだ。
「なんなんだっ、このユニタードは!」
はっきりと意識すると、生地が拡がった部分のそのすぐ下の皮膚がむずむずとする。
乱暴にその端のあたりを掴んで引きはがそう引っ張る、と、ラバー生地がぐにゅうと長く伸びる。
そしてドニーは同時に、自分の皮膚そのものが引き伸ばされている感覚を味わっていた。 拡張するラバーは、同時にドニーの皮膚と同化していたのだ。
痛みはなかったが、小さく驚きの声を上げて手を離すと、ラバーと融合した皮膚は勢いよく収縮しぱちんと音を立て元に戻り、ダニーはその刺激に奇妙な快感を得て身を震わせる。
これは侵食だ、という直感があった。 冷たいラバーのような何かが皮膚と同化し、肉体の内部にすら潜り込み、筋肉も神経も骨も全く別の物質……ラバーに造り替えようとしているのだ、というはっきりとした感覚があった。
だがその侵食は奇妙な高揚感を伴っていた。 造り替えられた新しい肉は力強いエネルギーを内包しているように思えた。 何か素晴らしいものになろうとしているという予感があった。 筋肉はさらに力強く盛り上がり、表面を踊る光沢は美しく見えた。
……だが、それが逆に恐ろしい。 ゴムの何かになろうとしている、という生理的嫌悪感は止められなかった。
ダニーはあちこち引っ張ったり水で洗おったりと抵抗をしたがそれは侵食を緩めることなく、やがてダニーの口元までたどり着いた。 ぎゅっと唇を閉じていたのだが、ラバーはその表面を塗りつぶしていく。
そこで今までとは違う変化が起こった。
「むぐっ… むむむぅ…」
唇の上下が侵食すると、それらが融けるように融合し、口がなくなってしまったのだ。
そして咥内が冷たいラバーに侵食されていくと同時に、ぐむぐむとラバーが充満していき咥内の空間が溶けていってしまう。
やがて舌もその物質に溶けて混ざっていくと、喉の奥までが狭まっていくようだった。
そうしている間に顔の侵食は鼻まで進み、口と同様に溶けて消え去っていく。
このままでは呼吸ができない!!
ドニーは混乱して口の周りをあちこちに引っ張るが、無くなってしまった口や鼻がもとに戻ることはなかった。
だが、不思議なことに息苦しさは無かった……というよりも、元々いつの間にかドニーは呼吸をしていなかったのだ。
彼の胴体が侵食された時、既に彼の体内の臓器は軟質なゴムの塊に溶けて消えてしまっていたのだ。
胸筋を手を押し当てる鷲掴みにすると、力強い弾性を感じながらもずむずむと手が沈んでいく。 その触感と湧き出る快感にぐらつきそうになるが、それどころではないと持ち直す。 心臓の鼓動を感じないのだ。
ドニーはパニックになり乱暴にそのまま胸を引っ張ると、胸筋全体がパン生地のようにぐうんと伸ばされ、やはり気持ちよさのフィードバックを返す。
ドニーは混乱の中自分の身体を乱雑に引き延ばし、その度に弾ける快感に興奮し、精神は恐怖と悦楽の波の中で翻弄される。
やがてその瞳にも濃紺のラバーが侵食していき… 視界が閉ざされた。
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一瞬、気絶していたのかもしれない、と思った。
先ほどまで感じていた恐怖と混乱は脳がリセットされたかのように消え失せていた。 そしてすうっと自然に視界を取り戻していた。
目の前にかかげた両手は指先まで濃紺のラバーになっていた。
爪も指紋も皺もなく、つるりとした表面は生き物ではない人工物を思わせる。
そして鏡を見て、ドニーは驚愕した。
『一体オレの身体はどうなってしまったんだ?』
ドニーはそう言ったつもりだった。 口のない身体は人間の言葉を発生させなかったが、代わりに喉のあたりが振動し、ぶうううん、と低いエンジン音のような響きが生まれた。 だがその振動音は感情の含みを感じさせた。
ドニーの全身がすっかり濃紺のラバーと同化し、つやつやと光沢を放っていた。 そして頭部もてっぺんまでが濃紺のラバーと同化していて、まるでマネキンの頭部のような、目も鼻も口も耳も髪も何もない、綺麗でのっぺりとした曲面だけがある顔になっていた。
しかし不思議なことにドニーは鏡を通して自分の姿を見て、ゴムの匂いを嗅ぎ、部屋の外の音を聞いていた。
身体の中まですっかりゴムになってしまったという実感はあったが、それでもドニーは生きて動くことができ、五感も残っているようで、むしろ感覚は鋭敏になっていると感じられる。
そして奇妙な全能感と解放感が体の内側から湧き上がってくるのを感じる。
腕を伸ばそうとすると、本来あった間接や骨のくびきを抜けた前腕と二の腕が筋肉をまとったままにゅうっと伸長しぐねぐねと蛇のようにうねり自由に動く。 先ほどまでその感触に違和感をもっていたはずが、今はそれが思いもよらず自由で気持ちがよく、楽しい。
そしてふと股間に目がいった。 ユニタードを着た時に性器を包んだまま融合したようで、股間からは丸い塊が膨らんでいるようになっている。
ひょっとして無くなってしまったのか? と怪訝に思いながらその塊を軽く揉んでみて…… 瞬間、そこから全身に走り抜けた圧倒的な性的快感にドニーの全身がぐにゃぐにゃと波打った。
ぶううん、ぶううんと低い振動音が連続して鳴る。 何も知らない者がそれを聞いても、なんだか気持ちよさによがっているような音だ、と感じたかもしれない。
快感のあまりドニーの理性がとんだ。 未同化の人間の脳のままだったらショックで気絶していたかもしれないというほどの衝撃だった。
5本の指が触手のようにぬるりと伸び股間の塊を乱暴にもみあげ刺激する。 超柔軟のゴムボールを握るようにぐねぐねと形を変えるが、痛みはなくさらに強烈な刺激を彼に与えた。
そしてドニーのたがはあっさり外れた。
空いた片手をぐにゃぐにゃとのたうたせながら全身をこすり、愛撫し、もてあそぶ。
本来肉体にあるべき間接の限界や伸びの制限は新しい肉体にはなく、また疲労感もなかった。 まさしくドニーは自由になった。
腰をぐるりと捩じろうとして、勢いがつきすぎて2回転半ほどさせてしまう。 そのまま上体を倒し伸ばしながら顔面を筋肉でたっぷりと膨らんだ尻に押し付ける。 むっとしたゴムの匂いと、不思議と同時に味を感じる。 それはゴムの味だったが今ではとても甘美に感じられ、さらに楽しもうと足を伸ばして自分の後頭部を踏みつける。
足の指は手のものと違い何故かいっしょくたに溶けてソックスを履いたような形状になっていたのだが、それがまたずぶずぶと後頭部に沈みこんでいくのが楽しい。 顔の内側で足のシルエットがぐにぐにと動くのが理解できる。
軟体の肉体を自由に動かす感覚はいつの間にか自然に理解できていた。 腕も足も、胴体も頭部も臀部も、自由に伸ばし、紐状にし、帯状にし、互いを絡ませあうことができた。 あらゆる変形が楽しく、あらゆる擦れ合いが気持ちよかった。 一際強い股間の塊からくる衝撃は感じる度に最高のものと思えた。
ドニーは数分間自分の新たな肉体を楽しでいたつもりだったが、実際には数時間が経過していた。
そしてそのころにはドニーは喉…… といってもそれがどこかは絡みあったゴムの塊からは分かりにくいものだったが…… だけではなく全身を震わせ振動音を放っていた。
そのとき、唐突に私室の部屋のドアがノックされ、ドニーの絡み合った全身がびくんと跳ねた。
「おおいドニー、こないだ貸した雑誌、ちょっと今見せてくんないか?」
無遠慮な友人はドアノブをひねりドアを開けようとしている!
ドニーは数瞬のうちに部屋に目を走らせ隠れる場所を探し、そして身体をほどくのも半端のまま、空いていたダンボール箱に全身を潜り込ませ折りたたませる。
「あれ、留守か?」
丁度全身が収まったところで、同じウェイトリフティング部にいる友人が部屋の中に入ってきた。
そしてきょろきょろと周りを見回すと、床にあった、まだ開けていない赤色のストレッチ・ユニを手にとった。
「へぇあいつ、新しいユニフォーム買ったのか…って ゴム製か? これ」
ダンボール箱の中で、ドニーはぎゅっと自分の肉体を圧縮していたが、その圧迫感もまた楽しく、ぎゅうぎゅうと股間と顔を押し付けあったまま声を漏らさないように耐えていた。
だが鋭敏な皮膚感覚は、ダンボールの外で友人がストレッチ・ユニを拾い上げたのをドニーに感じさせ……同時に激しい欲求が湧いていた。
あいつにもアレを着せたい、 同じモノにさせてやりたい!!
モラルや理性を押しのけるほどの欲求はドニーを興奮させ、そして行動に移させようとする。
ドニーは操られるように、そして音をたてないように慎重に、ダンボールの隙間からひらぺったく伸ばした四肢を友人に伸ばしていく…
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