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みなさんどうもです!さかいです!

今回も最近僕が読んだ本の感想やらレビューやらそんな感じのモノを書いていこうと思います!

さかいが普段なにを学び、どんなことを感じているか見てもらえたり、見ている人にとって少しでも役立てることがあれば嬉しいです…!

あくまで個人の感想として!お付き合いいただければ幸いです!それではどうぞ!



・サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)



一時期とても話題になった人類史の本。

上下巻に別れ結構なボリュームがあり、上巻はだいぶ前に読んでいたんだけど下巻を読んでなかったので読んでみた。

上巻は太古の昔、人類がまだホモ・サピエンス以外(ネアンデルタールやホモ・エレクトス)もいた時代から解説されている。

そこで「なぜホモ・サピエンスはほかの人類を駆逐し、唯一の人類となり、栄華を極めたのか」という問いへの答えとして「認知革命」というものの説明がされていた。

要するにホモ・サピエンスは「虚構を信じる能力」を持っていたがために宗教などの共同幻想を信じ、ほかの人類ができなかった「ダンバー数(認知的な上限)を超えて群れを形成する」事ができたというもの。

言ってしまえば、嘘を信じるのは人間が進化の過程で手に入れた能力であるということ。

そう考えると、Twitterとかでデマが拡散されるのも仕方がないのかもしれない。だってそれを信じるのは能力の一部なんだから。

閑話休題。

下巻は国家や資本主義、コミュニティや産業の発展など認知革命によって人類が得てきたものを紹介していた。

こういった概念には想像力が不可欠であり、それこそが人類の人類たり得る証左であるといえる。

そして人間の幸福も認知の賜物であり、認知革命の果てに人類は途方もないテクノロジーを手にし、もはや神の一歩手前まで来ていると主張。

どこまでもサティスファクション出来ない人類の行く末を案じて本書の結びとしていた。

全体的に皮肉たっぷりなだいぶ茶目っ気のある文章で書かれていて、作者の人はきっとクセ強いけど面白い人なんだろうなぁ~と想像させてくれた。

人類を知りたい人向け。



・翻訳できない世界のことば(エラ・フランシス・サンダース)



絵本。

世界中にあるその地域特有の「言葉」を紹介する本。

日本語で言うと「木漏れ日」や「ワビサビ」のような言葉が紹介されているといえばイメージしやすいかも。

言葉の特性上、名詞や形容詞が多く、その土地柄が出る情緒ある言葉をたくさん知ることが出来た。

もとから知ってる言葉は日本語と「サウダージ」くらいで、後はほとんど初めて聞く言葉ばっかりだった。

個人的にマレー語の「ピザンザプラ」が好き。意味は「バナナを食べるのにかかる所要時間」。

マレー民話で人食い鬼は日中バナナの木に隠れているらしく、うわーめっちゃ地域性出てるなーって思った。

絵本でリラックスしたい人に。



・シャーデンフロイデ(中野信子)



脳科学の本。

日本の脳科学者の中で今一番ホットな人と言えば中野信子先生。そんな先生の一冊。

タイトルのシャーデンフロイデとは「他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感」。

有名人や成功者が失敗したときなどに糾弾し悦に浸る、そんな感情をドイツ語でこう呼ぶという。

ヒトは社会性の動物であり自分たちの社会・コミュニティを破壊する可能性のある異物を常に排除し、その秩序を守ってきたという純然たる歴史がある。

「目立つ人」というのはそれだけで集団にとって異質であり、妬みの対象(妬みと嫉妬は心理学上別のもの)になりやすい。

そして多くの人はこうした目立つ人が失敗することを社会正義だと信じている。

こういった状況に陥ると、正義は自分にあるのだから相手を制裁する権利があると思い込む「サンクション」という状態になり、私刑という加害行為に走る。

勿論、法治国家では許されない行為なのは当然なのに

「先に悪いことをしたのはあいつなのだから」

「リンチしても自分だけは許される」

「善良な市民である自分を不快にさせた謝罪をしろ」

という、理不尽な思いが正当であると感じてしまう。

不倫報道や不謹慎狩り、もっと身近な例で言えばいじめなど、こういったことが無くならないのはこのため。人間の脳は、そもそもそういうことに対して喜びを感じるようにできているのだから。

このような脳の癖を知っておき、義憤にかられたときも「自分は今、何のため、だれのために怒っているんだろう」と立ち止まって考えることが重要かもしれない。



・つみたてNISAはこの9本から選びなさい(中野晴啓)



つみたてNISA解説本。

将来的に必要になるだろうという予想でお勉強がてら読んでみた。

内容としては大まかに「投資は資産形成においてどれだけ有利か」「どこで買うべきか」「何を買うべきか」の3点を解説していた。

銀行金利がほぼ0で給料が上がらない日本では、もはや投資による資産形成が必要不可欠であり、つみたてNISAのような初心者でもやりやすい制度は積極的に活用していくべき。

投資を始める金融機関や金融商品も、自分が普段使っている銀行で勧められるままに購入するとどうしても短期での買い替えや手数料が割高な商品を買わされてしまう場合が多いので、どこで買うかというのも慎重に見極めるべき。

そしてつみたてNISAで買うべき銘柄を本書では「どこの国の経済が伸びるかなんて現時点ではわからないのだから、全世界(オールカントリー)に投資すべき」。

以上の3点がこの本の主張だった。

個人的にはやっぱりS&P500のような米国株が手堅く思うが、全世界投資も選択肢としては大いにあり得ると感じた。

というか全世界株も中身は6割くらい米国株だし…。

ともあれ投資初心者にも分かりやすく、筋道立てて理路整然と説明されていたので非常に納得できるものだった。

これからの資産形成を考えている人向け。



・アーモンド(ソン・ウォンピョン)



韓国小説。

何年か前の本屋大賞翻訳小説部門一位の本。

韓国の小説は初めてだけど読んでみた。

主人公のソン・ユンジェは生まれつき脳の偏桃体と言われるアーモンド形の器官部分が小さく、ほかの人より感情を感じにくい失感情症。

何があっても無表情なユンジェは異質な存在として、社会に馴染むことが出来ない「怪物」として扱われる。

そんな中、学校の問題児として現れるもう一人の怪物ゴニ、走るのが大好きな少女ドラとの出会いを通じて、少しずつ成長していくジュブナイル小説。

感情のない主人公の目線で淡々と語られながらも、最後はとても爽快感のあるスッキリとしたラストで万人にお勧めできる良作だった。

近年、韓国のエンタメは素晴らしいという話をよく聞くが、まさに、と思わせてくれる一冊。

さわやかなヤングアダルト小説を読みたい人向け。



以上になります!

夏コミ原稿も終わり、これからも定期的に読書していこうと思っていますので、またお付き合いいただけたら幸いです!

それでは!

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Comments

aoki1249588

シャーデンフロイデのような快感を覚える。そのような能力、脳になっていったのは何故~と言うところでサピエンス全史のような本がまたさらに面白く感じるのかもしれませんね。

さかいワカ

別の知識がリンクして、さらに深い知識になるの、たまらないですね…!