今週のやーつ (Pixiv Fanbox)
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日も落ちると昼間の賑わいは、忘れられたように落ち着いていた。
お祭りの終わりがけのような、独特の切なさは少し苦手だ。
楽しかった時間が口惜しく、眩しく思える。
園内から出る時の"終わり"という感覚が胸を締め付ける。
夢の時間は終わり、明日はもう日常が待ってるんだという絶望にも似た感覚がある。
街頭がとぼとぼと帰る2人を照らしていた。
あたりからは白昼夢を振り返り、あれだこれだと楽しそうに話す声が聞こえる。
ぺこらはというと、まだ少しぐったりとした様子だった。
余程お化け屋敷効いたのか、申し訳ない気持ちがまた胸の辺りまで込み上げてくる。
そんな中でもちらちらとぺこらの横顔を見るたび、下心が膨らむ。
食事に誘うにもどう切り出したものか。
もう疲れて帰りたいだろうか。
頭のなかをどうしようない考えがぐるぐると回った。
不意に大きなため息の音が聞こえ、
「楽しかったぺこだね」
疲れたような表情とは裏腹な言葉が飛び出る。
「ぺこーらさぁ、なんか帰るのちょっと寂しくなっちゃって。だって楽しかったぺこでしょ?」
あんたは?とでも言いたげにこちらに目を向けてくる。
もちろん楽しかった。
だがそれは遊園地が楽しかった以上に、ぺこらと一緒にいたから。
プライドで口からは出ない思いが胸の内に溜まる。
妙に間を開けた後、楽しかったという返答で精一杯だった。
もうすぐ駅に着いてしまう。
このまま終わりでいいのだろうか。
いいわけがない、いい加減覚悟を決めなければこのまま終わりになってしまう。
やって後悔しよう。
なるようになれ。
口を開きかけた瞬間ーー
ぐううう…
という大きな腹の虫が呻き声を上げる。
なんとも格好がつかない。
顔が熱くなり、耳が焼いた鉄のように熱い。
そんな状態とは知ってか知らずか、けたけたと笑いながらぺこらが追撃をしてくる。
「あんた、お腹空いたんけぇ!」
緊張で忘れていたが自分は何も食べていなかった。
仕方ないと思う。
「あんたしょうがないねぇ……。ご飯…いくぺこ?」
本来こちらから誘いたかった。
どうにも格好がつかない。
やっとでた言葉は「お願いします」という何とも情けないものだった。
運良く当日予約できたレストランの窓から見える景色は暗闇から爛々と光を届けてくる。
ロマンチックすぎる状況を俯瞰した自分が笑っている。
なんと言うか、いかにも"デート"といった感じでまたもや気恥しい。
「わっ、結構何か〜・・・すごいね」
お互いにぎこちない動きのまま、そわそわとしたまま注文を取る。
「こういう所あんまり来ないから初めてぺこ…」
自分もそうだ。随分背伸びをした気がする。
「夜景、綺麗ぺこだね」
あまりにもスムーズに、アンニュイな顔つきで言われたから笑ってしまった。
「何笑ってんのあんた!そんな夜景より君の方が綺麗って言えぺこだよ!」
それを言うにしてもスタートはこっちからだろう。
茶化すように君の方が綺麗だと言って見ると、「そうぺこでしょ」とドヤ顔でウィンクされてしまった。
たしかに冗談半分だったが半分は本気だったのだが。
そんな話をしていると 丁寧に飲み物が運ばれてくる。
それを手にすると、自然と乾杯の音頭を取ってくれた。
「じゃあお手を拝借〜!乾杯!」
カランという子気味いい音が響く。
料理も順に届く。
話す時間があれば、先程の薄暗い気持ちはこの夜景のように明るくなった。
あれやこれや、遊園地でのあったことを話し、感想を言い合う。
「杖いいぺこでしょ!マルフォイの杖ぺこだよ? 」
「あんた、あのジェットコースターで相当驚いてたぺこだよね 」
「買い食いばかりじゃなかったぺこでしょ!」
あれやこれや順を追っていけばお化け屋敷にたどり着く。
「あれはビビったぺこだよ!作り物だからって舐めてたね、あれは!」
たしかにビビってたと笑うとあっ、と思い出したように冷ややかな目を向けられる。
「あんた、そういえば助けてって言ったのに助けてくれなかったぺこだよね」
ぎくり、と言う音が出たかと思った。
「無理矢理腕掴んでやらせるの、酷すぎじゃねぇぺこか?」
ここにきて詰められ慌てる。
あれやこれやと言い訳を考えたが、いいアイデアが思いつかない。
酒のせいか頭がぽかぽかする。
もう素直に言った方がいいかと、諦めの気持ちが湧いてきた。
ぺこらに、驚いてる姿が可愛くついついしてしまったことを伝えると、はぁ。という顔をされてしまった。
「褒めたらいいってもんじゃねぇぺこでしょ」
全くもってその通りだ。
でも好きな子には意地悪をしたくなるものである。
そのまま思ったことを伝えると「あんた、バカたれか?小学生じゃねぇぺこでしょ」と一蹴されてしまった。
変な間が流れる。
「ぺこーらのこと、好きなんだ?」
そりゃあ、好きだ。
なぜ好きなのかわからない、気が付いたら好きになっていた。
「ふーん」
素っ気ない態度で料理に手をつける。
「ま、ぺこーらも同じかもね」
え?
不意な言葉に理解が追いつかなかった。
顔を上げると
優しい微笑みは夜景に照らされ、妙に色っぽく見えた。
それってどういう意味?と聞くと「うっさい!」とまた一蹴されてしまった。
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土曜の朝に間に合った!(間に合った)
彩色の手順をおもっきり変えてみようと思って、線と色を統合して塗ってみました~
この塗り方をするのはパンケーキのぺこちゃん以来なんですが、その時よりスムーズに塗れた気がします。
次はラフ線をそのまま活かして塗る方法を試してみたい!
手数が減って早くなったらいっぱいお絵かきできるで~~!!!!
ぺこちゃん新衣装くれ~!!
はやくかきてえ~!!!
PSDおいときますね(´・ω・)⊃[.psd]
必殺仕事人のテーマを聴きながら見ると見え方が変わるきがする耳かきぺこらさん
19:55 更新 気になる点があったのでレタッチして更新しました~~!