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※ながらくお待たせしましたが、ようやく本格的に更新再会です!

 今回のお話はこちらのお話の前日譚となっております。

(https://fallen02side.fanbox.cc/posts/7205490)

 また本作に登場する“ある超越存在”はこちらのお話を読んでおくと分かりやすいです。

(https://fallen02side.fanbox.cc/posts/7259953)




「あはっ♥ ともち、最近は期待しちゃってるのか、あーしに押し倒されると“匂い”が甘くなっちゃってるよお♥ すん……えへぇっ♥ これ嗅ぐだけで、あーしのおちんちんフル勃起だし♥」

「あぁ……へ、変なこと言わないでぇ……♥ んっ、あっ……おちんちん、ぐりぐりは……おほぉっ♥ 反則だよぉ♥」


 ──組み伏せられて、お腹に固くなったモノを当てられて、首筋に顔を埋められて。

 男にされていた時は、そのすべてが吐き気がするほどに悍ましいものに感じられたのに、寿菜花にされている時には“ともち”こと壇ノ浦知千佳の中に、不快の念が沸いたことが無い。

 それでも、この世界……突如として乗っていたバスごと召喚されてしまった異世界で、延々と男性たちから受ける羽目になった陵辱を思い出したのを察したのだろう、菜花は「あーしだけ見てよ……♥」とキラキラ輝く瞳で知千佳を見つめ、自然と股間が濡れてくる。


「あっ……あっ♥」

「ともち、もうあーしの顔見るだけで軽くイッちゃうくらいになったよね♥ 大丈夫、ともちの中身、ぜーんぶあーしで塗り変えてあげる……ともちのこと、完璧に“寝取って”あげるからね♥」

「んっ、んんぅ……♥」


 寄せられた唇は、愛撫の時間の終わりの証。

 下着をチン先でよけるように、菜花のそれが挿入されて……知千佳はもう「おへぇぇっ……♥」と甘くうめくことしかできない。

 何人に犯されたか、何人に尊厳を穢されたか、もう覚えていないけれど……菜花との行為は、文字通りに寝屋の記憶を塗り替え、奪い取るかのように。

 自分とはタイプの違う、愛らしいギャルの頭を抱え込もうとしたところで──知千佳の眼は、捉える。

 本当にそれまで、半瞬前ですら影も形も、気配すらもなかったのに。黛色の青黒い髪をなびかせた、清楚な印象の少女が思い切り足を後ろに引いているのが。

 何でもありの弓術をやっていた経験が、射撃武術者の優れた視覚が、その動きが超高速の部類に入る蹴りの初動だと見切り……その着弾点が、菜花の頭部だと看破する。

 咄嗟に菜花を突き飛ばそうとした知千佳だが、彼女の眼の動きだけで何かを察したようで“じゅぽんっ♥”と自前の竿を抜きながら、その場で“グルン”と軽く跳ねながら回転し、蹴られるのと逆方向に力を逃がしたようだ“ばすんっ”と気の抜けた音と共に数m吹っ飛び、下半身を露出したまま蹴りかかってきた美少女と向かい合う。

 知千佳は、この少女の名前を知っていた……菜花と同じく、同級生だからだ。

 そう、共に……この異世界へと、召喚されたはずだった少女──匂宮黛。


「──傷には雨を、華には毒を、不義には鉄槌を」

「──あっはぁ♥ お堅いこと言ってるぅ♥」


 そうして、青黒い風と化した黛を、菜花が真正面から迎え撃つ。

 なんで……同じ世界からきたクラスメイト同士が、殺し合っているんだろう。

 何度も経験したシチュエーションなのに、知千佳は今さらそんなことを考えていた。



「ぱひゃぁっ」


 空気の抜けるような異音と共に、高遠夜霧の頭があっさりとはじけ飛び、体から赤い砂のようなものが噴き出して、しなしなと伸び切ったゴムのように平たく地面に転がる。


「え……?」


 時間にして一秒以下。

 ありとあらゆる反則的な存在、超人たちだけではなく神や悪魔に類するもの、果ては死を概念的に持たない存在ですらも、一方的に蹂躙し、時には「死ね」の言葉すら必要せず相手が殺意を抱いた瞬間にカウンターで滅却してきた。

 史上最強、天下無双。

 そんな象徴だった夜霧が、使い捨てられたコンドームのようになって転がっている。

 死んでいた。完膚なきまでに、滅び去っていた。もはや、どこか非人間的な彼の精神が、この肉体には一片も残存していないのが明らかだった。


『──ガタノトーアの力の一部が、偶然に入り込んだ人間ね。劣等雄の分際で、我ら偉大なる旅団の力のほんの一端で、次元の王にでもなったつもりだったのかしら? お前の魂は、永遠に呪わしい単調なメロディの中で、狩人たちに追われ続けるでしょう……』


 夜霧と知千佳の前に突如として出現し、夜霧を無視して「那由多を知らない?」と意味不明な問いかけをしてきた、その女。

 金髪の美しい少女のように見せかけているが、髪の先端は夜の色……濃過ぎるほどの黒に染まっており、整いすぎていて恐怖すら感じるような眼の奥には、山羊を思わせる細い瞳孔がある。

 突如として虚空から、慇懃無礼な態度を知千佳に取ってきた女に、これまで通りの夜霧は「──死ね」って絶対無敵の言葉を放った。

 その瞬間、金髪の美女は心臓を抑えて崩れ落ちる……訳でもなく、夜霧の頭が破裂して、異常な死体になり果ててしまったのだ。

 異世界人の勝手な都合でバスごと召喚され、チートスキルとやらが備わっていないという理由で見捨てられて以降、ずっとその奇妙な暴で以て知千佳を守り続けてきた少年は……ふわりと風に飛ばされた瞬間、ぱらぱらに崩れて痕跡するもこの世から消えた。

 赤い砂も大分と散ってしまい、もう高遠夜霧がこの世にあった形跡は、知千佳の頭蓋の中にしかない。


『ふぅん……本来ならば、見目麗しいから眷属にして連れて行ってもよいのだけれど、袂を分かったとはいえ旅団の仲間の力をあのような半端な形で酷使されて、それで守られてきた女となると……正直、食指が働かないわ。劣等雄からは解放してあげるから、後は好きに行きなさい』


 金髪の怪女はそう言い放つと、髪の毛をかきあげるような仕草をした瞬間、その奥に“宇宙”が見えた気がして。

 そこにくるりと反転して飲まれるように、消え去ってしまった。

 後には、異世界チートを蹴散らしてきた守護者を失った、少しばかり弓術の腕が立つだけの少女が残され……そこからは、地獄だった。

 ありとあらゆる陵辱がその身に襲い掛かってきた。清らかを保っていたはずの体は二日で並の娼婦よりも猥雑なものに作り替えられ、自身が底辺の生き物になったのだとあらゆる方法で教え込まれた。

 犯され、売られ、騙され、壊されて。


「はぁ、はぁ……あの知千佳たんが拙者に完璧に傅き、こうして卑猥に成り果てた体を晒している……拙者、男として完全勝利! 異世界チートで得るべきものすべてゲットだぜ! でござるよ!」

「は、はい……ご主人様、これまでの無礼を全てお詫びします……雄々しい本物の男で在らせられる花川様に、どうかこの汚れきった体を献上させてください……」


 流れ流れて、見向きもされないほどに改造と蹂躙が進んだ頃、夜霧が居た頃はなんども因縁を持った花川大門……かつてのクラスメイトであり、レベル99の“異世界2周目”超人に買われた知千佳は、媚びた口調と共にその股間に顔を埋め、乳首のピアスがチリチリと泣くのを聞きながらひっそり涙する。

 弱い者は、何も手にすることができな……その絶望が、どこまでも深く知千佳の精神を苛み、闇へと堕としていく……。


「あ、いたいたー。やっと見つけたし♥」

「ひぃっ!? ギャル!?」


 そんな「理不尽な普通」の光景の中、突如として締め切られていたはずの部屋の中に現れたのは、如何にもといった容姿の金髪のギャルである。

 知千佳はぼんやりと、その顔を思い出す……同じクラスだった、寿菜花。ほとんど話したことは無いが、どんな相手とも仲良く接する、見た目に反して確かな倫理観を持った娘という印象だった。

 そう言えば……あの時、バスに残された組にも、賢者に連れられて行った組にも、何故かどちらにも菜花はいなかった……バスには乗っていたはずなのに。


「ごめんねぇ、花川くん。この子、もらってくし♥ あーし、綺麗でかわいい女の子がクズ男に好きにされてんの、絶対見逃せないんだよねえ♥」

「なっ、なっ……回復術師レベル99である、拙者をクズ男ぉっ!? クラスの中でならまだしも、ギャルなんぞまとめて肉オナホにしてもよいんですぞぉっ! 大体、かわいいだのきれいだの、ここまで犯されつくしたら性処理にしか使えない便器で……」


 ぱぁんっ。

 破裂音と共に花川の顔面が折れそうなほどの後ろに曲がり、その鼻がぐちゃぐちゃに粉砕した。

 菜花は何か動いた風には見えなかったが、どうやら知千佳にすら見えない速度で殴ったらしいことが分かる。


「女の子はさあ、みーんな可愛いの♥ あーしの美的感覚に文句つける悪い子は、こーろーすー♥」

「びぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!? なんでぇぇぇぇぇぇっ!? な、治らないぃぃぃぃっ!?」


 ドラゴンに腕を食われても再生するはずの花川の鼻は、痛々しく骨が露出したままで再生する様子を見せない。

 そんな無様な醜態を気にする様子もなく、菜花は知千佳に「いこ?」と笑顔で手を差し出した。


「何があったかとか、どうでもいいの♥ ともちの中に溜まっちゃったわる~い泥……あーしが全部浚っちゃう♥ 静かに眠れるようになるまで、悪夢は全部寝取っちゃうし♥」


 そう言って満面の笑みを浮かべる菜花の手を、知千佳は気付けば取っており……そして、彼女に抱かれたのはその夜のことだった。



 この世界では戦詩システムというものが存在しており、チートを与えられた者はこれに取り込まれて好戦的かつ挑発的な性格に変貌する。

 これによって、創作物に登場すれば即物語を破綻させかねないような超人的・超越的な能力による破壊や蹂躙を、知千佳は幾つも見てきた。

 しかし……菜花と黛は武器すらも使っていない、己の──美しい少女の肉体のみを用いているのに、その余波や衝撃は異世界の住人たちの比ですらなかった。

 拳がぶつかり合うだけで、風圧が乱気流を生み出し、雲が雨を呼ぶ。

 蹴りが衝突すれば、ソニックブームにも似た音速の風が巻き、結果として雲の中で雪を生み出す。

 ただの殴り合いで先までは春の近い気候だった異世界に“吹雪”を生み出しながら、少女たちは殺し合いを続けていた。

 警察の捕縛術の一種として、テレビで見たことがある腕を取っての一本背負い。

 地面に叩きつけられながら軽石のように吹っ飛んできた黛が、知千佳の目前で立ち上がりファイティングポーズを取る。

 知千佳に何かしようとすれば、余裕で届く距離。夜霧の惨死以降、あらゆる力に蹂躙されてきた知千佳は、怯えたように「ひっ!」と身を縮めるが……黛の声は、驚くほど優しかった。


「見つけ出すのが、遅くなってしまってごめんなさい。あなたは必ず守り抜き、元の世界に返しますから」

「え……?」

「ちょっとちょっとぉ、あーしのともちに気安く話しかけないでよね、匂宮さん? いたた……こんなバケモンみたいに強いとか一回も聞いたことないし」

「……それはこっちのセリフです。あなたこそ“血族”でもなければ、この世界の“青色”の侵略であるチートスキルも持っていないのに、何なんですか、その戦闘力は。寿蘭の娘だとか言われても信じますよ」

「あ、それ、あーしのおばさん。喧嘩の仕方はパパと蘭おばさんに習ったし」


 黛は一言「なるほど」と告げると、再度構えを取り直す。何か成文化された……しかし弓術に通じる知千佳でも理解できない、人間が選択する“戦技”ではない何か、そんな予感を覚えさせる異形の構えだ。


「この地は守護の外ですが、旧き星の守護者・匂宮の名において──情愛を寝取る者には鉄槌を。男の方は情けなくも頓死した後のようですが、それならそれで始末の必要が無いというものです」

「……え? ちょっ、ちょっとまって、匂宮さん! 何か、誤解してるよ! 高遠くんを殺したのは、菜花じゃない!」


 知千佳が叫ぶと、黛の顔からすとんと……本当に憑きものが堕ちるように殺意が消え去り、菜花に向かって「本当ですか……?」と申し訳なさすら覗かせて呟く。

 要するに黛が菜花に襲い掛かったのは、夜霧が菜花に殺害されて、それでそのまま過程を得ずに菜花の女にされていたと、誤解していたかららしい。


「あぁぁぁぁ……鹿の子お姉様にあれほどきちんと調査を行ってからにしろと言われていたのにぃぃぃ……篠崎さんを元の世界へと還している間に、そんなことになっていたとは」

「篠崎さん!?」


 バスの中で死んでしまったはずのクラスメイトの名前が出て、驚いている知千佳の前で、黛が誠心誠意の謝罪をして菜花と和解している。

 これは菜花もなのだが、どうやら戦詩システム自体が二人を嫌い、バスから離れたところに転移させられてしまっていたようで、黛は実は改造人間であった篠崎綾香を回収し、彼女をまずの元の世界に返すよう行動しながら、遠目に知千佳が夜霧に守られているのを確認していたらしい。

 夜霧の能力は黛からしても“そこそこ”のものであった為、綾香を優先していたのだが……その間に夜霧は怪女に殺害され、同じようにクラスメイト達と元の世界に帰らないか確認して回っていた菜花に救出されるに至ってたという訳だった。


「ご先祖様でしたか、もこもこさんも既に元の世界でお待ちになってます。急に帰って来なくなったので不安だと言っておられました」

「ああ、はぐれたままだったから心配してたの……と、とりあえず、匂宮さんもありがとう。菜花も、私のせいでごめんね」

「へーきへーき、むしろあーしと本気で喧嘩できる相手とか、エイラ姉ちゃんくらいだったし、楽しかったー♪ カポエラ使いなんだよ、姉ちゃん」


 のほほんとしている菜花だが、その肉棒は今でも屹立したままであり、行為の最中だったのを知千佳は思い出す。

 そして、あまりにも普通の口調で黛に向かい「混ざる?」と言い出した。


「ちょっ、何言ってるの菜花!?」

「だって、ここまで必死に探してくれてたってのは、黛ちゃんも知千佳にゾッコンってことじゃないかなぁって。今回は違うけど、寝取り被害者を幸せにしてたりするんじゃない?」

「それは、まあ……おっしゃる通りです」


 ぼろんと露わになった黛のそこは、菜花でも異常なほど大きいと思っていたのだが、それと並ぶほど。

 そして、男たちに強要された行為のすべてを菜花に塗り替えられた知千佳は、黛のふたなりにも反応してその場で崩れ落ち、ぴゅっ♥ ぴゅつ♥ とマン汁を噴いてしまう。


「まあ、ともちはもうあーしのもんだけどぉ……寝取りの守護者の黛ちゃんが寝取ってみる?」

「まだ、それは確定していないでしょう。選ぶ権利は壇ノ浦さんにあります」

「んひうぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ♥」


 ギャルと清楚、二人の美少女に前後から挟まれ、どちゅどちゅと二穴ファックされてしまう知千佳。

 菜花の「どっちがいい?」という問いかけにもこたえられず、アヘり続ける少女は……もうしばし、元の世界に戻るまで時間がかかりそうだ……。

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Comments

とろがけ

あの…Web小説系主人公でよく最強って言われる夜霧が「そこそこ」って、もしかして我々が想定してるより黛って強かったりします?(戦慄) そして、そんな夜霧でも敵対すらできずに無に帰される瑠璃宮(離反者)の圧倒的な実力よ…大丈夫?本当に第二次創世期戦争勝てる…? そう言えば、グラスチルドレン相手に奮闘してたんですもんね…エイラ、蹴れる相手なら菜花くらい強いんだ…(恋太郎ファミリーの超強化ぶりに別の意味で戦慄)

ソウシップ

久々のFANBOX側待ってたぜ! いや何さらっと致命的な事だけやって帰ってんだあの那由多ストーカー(白目) そして夜霧の庇護が無くなったら、まぁこうなっちゃう程度にはあそこの世界魔境ではあるからね……なお黛と菜花() 後意外とおっちょこちょいな面を見せた黛と、そんな黛視点でも「何その強さ」レベルな一般家庭出身の菜花と、そんな菜花と本気戦闘が出来るエイラという、チートスキル?なにそれおいしいの?状態の魔境よ() ……これ実際問題恋太郎ファミリーどんだけ強さが盛られているのだろうか(白目)

屋根が高い

ぶっちゃけ、屋根高時空でも確実に勝てるメンツとなると、瑠璃宮や那由多になってくるって次元ですかね…(なお、あくまで黛の話であってオリセや鹿の子はまた別) みんなで頑張れば、きっと未来は開けるはずです!…きっと!(投げっぱ) 忘れがちですが、この世界はスーパー戦隊やプリキュア、ライダーなんかも存在するので、野良のハイスペック女子は結構いるのです!w

屋根が高い

お待たせしておりました! 本作世界では夜霧の能力=瑠璃宮の力の残滓という設定ですので、やるだけやって保護もしないという最悪ムーブに… まあヘレンからすると身内の死体で武器作られてたみたいなノリなんでぶっ殺し案件ではあるのですが 叔母の蘭や父親の大和くんのスペックがヤバいとは言え、ここまで極まって生まれてくるのは完全に“終末期の英雄”の1人なんだと思われます、菜花。 ぶっちゃけエイラや騎士華先輩、山女ちゃん辺りはこの世界でも最上位層で通じるとだけ…(戦慄)