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 ──汗の雫が、ユニフォームから覗く腋を伝って、落ちていく。

 その光景から目が離せなくて、桃井さつきはロレッタ・橙のことをじっと見つめていた。

 ロレッタはちょうど休憩に入ったところで、タオルで顔の汗をぬぐっているところだ。

 スペイン人とのハーフだとかで、身長180cmを超えている彼女が真っ白なタオルを顔に当てる姿は、何だか大型犬がタオルを手にしてはしゃいでいるような微笑ましい印象を受ける。

 実際にロレッタはふわふわとしたゆるい性格をしており、男子にも負けないくらいの長身に対して、美人とか綺麗よりも可愛いという印象を持つ者が多く、女子バスケ部の練習にも非常に真面目に取り組むので、先輩たちからも可愛がられているらしい。

 この辺は天然気味なのに空気が読めることや、試合運びなども含めて割と頭が回ることも関係しているかも知れない。見た目に反して、生粋の日本生まれの日本育ちなのが、好意的なギャップになっているのだろう。

 そんな風に思いつつロレッタを見つめていたら、彼女が腋下へとタオルを持った手を伸ばした。


「あ……」


 さつきの喉から、咄嗟に声が漏れてしまう。明らかに、何かを惜しんでいるような声音。

 慌てて口元を抑えたけれど、ロレッタには聞かれてしまっていたようで、彼女は笑みを浮かべると、さつきの方へと近づいてくる。


「マネージャー、なにか問題でもあった?」

「え、えっと……特には、何も……」


 近くに来るだけで、むわぁっ……♥ と甘酸っぱい匂いが鼻腔に漂う。

 男の子の汗のツンと来る感じとは違う、鼻の奥にずっと張り付いて頭の中を支配してしまうような、甘い匂い。散々に嗅がされて、覚え込まされて、やったロレッタが覚えていないはず無いのに。

 ロレッタがすっと頭を下げる。そうやって、桃色の髪に覆われた耳元に唇を寄せると、囁きかけてくる。


「大丈夫、まだまだ練習して汗かくから、さつきちゃんの分は残るよ……♥」

「わ、私、そんなこと……は、ふぅっ……♥」


 ぽんとタオルを投げ渡されて、それがちょうど鼻先に引っかかってしまう。

 濃厚な汗の匂いがむんむんと香り、思わず足をこすり合わせていると、ロレッタが「持っておいて、練習してくるから」と再びコートに戻っていった。


「もう、何なんですか! ひどい人……んっ……♥」


 練習が再開されて、誰も見ていないのを確認してから、さつきはタオルに顔を埋める。

 じゅんっ……と大切なところが濡れてくる感じがして、みるみる内に顔に熱がこもり始めた。



 ──さつきは本来、男子バスケ部のマネージャーを務めているのだが、女子バスケ部のマネージャーまで兼ねることになったのは、友達からどうしてもと頼まれたからだった。

 桐皇学園高校の男子バスケ部が“新鋭の暴君”と呼ばれるほどの成果をあげて注目を浴びる中、女子バスケ部もこの流れに乗りたいらしいのだが、マネージャーの入部動機がとある選手の追っかけだった為、ほとんど仕事が出来ないらしい。

 なので1週間でいいから仕事ぶりを間近で見せて、勉強させてほしいと言われて、断り切れなかった。

 正直なところ、自分だけで解決できない問題が起きていたりで、気分転換をしたくなったのもあり、さつきは割と楽しんで女子バスケのマネージャーに勤しんでいた。

 それで、ミーハーマネージャーがお目当てだという選手こそが、ロレッタ・橙──スペイン人とのハーフで180cmの長身を誇る女子バスケ部のエース。

 その長身を活かしたディフェンスに関しては超高校級であり、その姓と髪色を捩って“橙色の壁”と他校から恐れられているらしい。

 これまで女子バスケに目を向けることはほとんど無かったのだが、ロレッタはもし男子ならば“キセキの世代”に数えられていたかも知れないと思わせるほどの、スーパープレイヤーだった。

 これは確かに女の子が夢中になるのも仕方ないと思って見つめていたら、気さくなロレッタの方から近づいてきて仲良くなって。バスケトークが出来る女の子友達というのが斬新で、どんどん親しくなっていって。

 そうやって深い関係になると、ロレッタには困った点があることも見えてきた。


「スキンシップが、ちょっと激しいんですよね……」


 日本生まれ日本育ちだという話なのだが、太陽の国スペインの情熱の血が流れているのか何なのか、さつきに対するスキンシップが時どき過剰な気がする。

 あいさつと同時にお尻を触られたり、廊下で話しかけてくる時に抱きしめられたり。

 勿論、女の子同士なので変な意味などないと思っていたのだが……そう信じていたのに、さつきの方に第2の問題が浮上してしまった。


「んっ……ふ、うぅぅ……♥」


 ロレッタの匂いが、なんだかすごく……癖になるのである。

 ユニフォームを選択していても、他の子たちも汗の匂いは強いのだけれど、ロレッタのそれは何だか“鮮烈”という感じだった。

 いい匂いという訳ではないのだけれど、癖になる感じといおうか……嗅いでいるとついつい時間を忘れてしまいそうになって、スキンシップ中などは特に夢中で鼻を鳴らしているのに気付いたりする。


「これじゃあ、私の方が変態さんで、ロッタちゃんに執着してるみたいじゃないですか!?」


 さつきは親しくなった相手に変なあだ名をつける癖があり、ロレッタは「ローラってあだ名が多かったよ」と言っていたのに、わざわざ特異なロッタ呼びを定着させていた。

 普段ならば仲良くなった時のお約束なのだが、ロレッタの汗の匂いに惹かれている状況と合わせると、なんだかちょっとガチっぽくなってしまう。

 そんな風に一人で悶々と過ごしている中、ふとユニフォームを選択に向かう途中でロレッタの分を手に取ってしまった。


「(……いっそ息苦しくなるくらいに、この匂いを吸ったら気分も落ち着くかも知れません)」


 完全に“魔が差した”という奴だと思われる。

 気付けば他の選手の分を洗濯機で入れた後、両手でロレッタのユニフォームを軽く延ばして、そのままゼッケンの辺り……ちょうどロレッタの胸の部分へ顔を寄せて、すぅ……と息を吸った瞬間。


「んっ……これ、すごっ……♥ ん、ふぅぅ……癖に、なっちゃいそう……♥ ふぅー……んふぅー……♥」

「へぇ。さつきちゃん、そういう趣味があったんだ」


 ……ユニフォームから恐る恐る顔を上げると、そこには何故かロレッタの姿があった。

 下のポケットに何か入れてたかもと気になったとか言っていたけれど、その後に「実は、入学した時からずっと、さつきちゃんとこんな風になりたいって狙ってたんだよね♥」と明かされるのを思うと、わざと訪ねてきたのかも知れない。


「あ、あの、これは違くて、ですね……そ、そう! ちょっとゼッケンが取れちゃいそうだなと思って!」

「嗅いでたんでしょ、私の汗の匂い。さつきちゃん、抱き着いた時とか胸の間ですぴすぴ鼻鳴らして、可愛かったもんね♥」

「あぁぁぁっ……」


 バレていた。もう、見事にバレバレであった。

 ロレッタは近づいてきて、さつきの肩を掴んでくる。ついさっきまでユニフォームを堪能していたせいで、傍に寄られるだけで甘酸っぱい匂いが立ち込めている気がしてしまう。


「さつきちゃん、匂いフェチなんだ? それも、女の子の匂いが好きなんだねー……いいと思うよ、可愛いし♥」

「ち、違うんです、本当に違って……ついと言うか、うっかりと言うか……」

「私は、さつきちゃんに好かれてるなら、嬉しいんだけどなぁ?」

「え?」


 なんだか何時ものふわふわした感じと違う、ニヤリという感じの笑みを浮かべると、ロレッタは頭の後ろに手を回して、そのしっとりと汗に濡れた腋を露わにしてくる。

 玉のような汗が腋のしわの間で光っていて、自然と喉がごくりという音を立てたのが分かった。


「もしも、さつきちゃんが嗅ぎたいっていうなら、来てくれてもいいよ? もしもいらないって言うんだったら、腋はもうしまっちゃおうかな……」

「ま、待って! 待って、ください……!」


 否定しなければいけないのに、変態さん扱いされてしまうのに。

 さつきはふらふらとロレッタの腋へと引き付けられ、そっと鼻先を近づける。

 ユニフォームなんか相手にならない、濃くて籠った匂いがして、思わず体を“く”の字に折ってしまいそうになるほどだ。


「はー……♥ んっ、はぁぁ……♥ こ、こんなの、おかしいのにぃ……♥ あぁっ……ロッタちゃんの腋、すきぃ……わぷっ♥」

「そんな可愛いこと言われたら、さつきちゃんのこと、逃がしてあげられないよ♥」


 さつきの顔は、ロレッタの腋にすっぽりと挟み込まれてしまい、柔らかくて匂いの濃いお肉に、顔が覆われてしまう。


「(んっ、んーっ……♥ 視界が、全部ロッタちゃんの腋でぇ……♥ はぁ、はぁ……ダメ、こんな濃い匂い、耐えられないですぅ……♥ わ、私、何をしようとして……あっ、あっ……し、舌が、とまらなっ……ぴちゃっ♥ ん、あぁぁっ♥ おい、しい……♥)」

「夢中で腋舐めて、可愛いね♥ 私の腋に顔を挟まれて、汗たっぷりかいた場所の匂い嗅がされながら、さつきちゃんの大事なところ、濡れてるよ……♥」

「んんーっ♥ んむっ、ふぅぅっ……んあっ♥ んふぁぁぁっ……♥」


 腋に顔を挟まれた状態で、ジャージの中に手を突っ込まれてしまう。

 指が下着の中に入ってきて、ぐちゅんっ……とエッチな音がした。下着がびしょびしょになって、ジャージの股間の色だけ濃く染まるくらいに、感じてしまっている。


「私の腋を嗅いだり舐めたりしながら、ここ、ピンって勃てちゃってるんだ……♥ ここ、興奮してないとこうならないよね? さつきちゃん、変態なんだ……もう、大好きかも♥」

「(ふへぇぇっ……す、好きぃぃ……♥)」


 濃厚な匂いに閉じ込められながら、つぷっ……と指先が大事なところへ入ってきて。耳元では変態さんな自分を好きだって、情熱的に囁かれて。

 腋の中で悶えるようにしながら、ぷしゅっ……♥ と愛液を噴いてしまった。女の子の腋の匂いで、イッてしまった。同性に、お大事を弄られながら、達してしまった。

 さつきが呆然としている前で、取り落としたユニフォームを拾い上げて、ロレッタはそのまま洗濯機の中に放り込む。さつきの喉から「あぁ……」と残念そうな声が漏れ出てしまい、ロレッタが満面の笑顔で呆けているところを覗き込んできた。


「そんなに残念がらなくていいよ。これからは直接、嗅がせてあげるから……♥」

「あっ……あふあぁぁぁっ……♥」


 ふぅぅ……と濃厚な甘い吐息を噴きかけられて追いイキしてしまい、さつきとロレッタの関係はこの日から変わってしまったのだった。



 ──ロレッタは早くも女子バスケ部のエースとなりつつあるが、1年生なので準備や片付けを積極的に行っている。

 その日も一年生と本家マネージャー、さつきで片付けをしていたのだけれど、ほとんどのメンバーに予定があったらしく、ぽろぽろと人が減っていって、気付けばロレッタと2人きりになっていた。

 あんなことがあったばかりなので、さつきも緊張していたのだけれど、掃除や片付けに関してロレッタは非常に真面目だったので、最中に何かされたりしないだろうと楽天的に考えていた。

 本当に「じゃあ、終わってからは?」ということを失念していたのか、それとも心のどこかで続きを期待していたのかは、分からない。


「んんっ……♥ あ、あぁ……やめてぇ……♥ ロッタちゃん、やめてくださ……はふぅ……♥」

「さつきちゃんも、おっぱい大きいからわかるでしょ? 胸の下の部分……お腹との境目。ここ、すごく汗がたまるの……ふふ、どう? 匂いフェチのさつきちゃん、たまらないんじゃない?」


 最後にボールを片付ける際に、内側から体育倉庫を閉められて、しまったと思った時にはもう遅い。

 汗びっしょりのユニフォーム姿のままで抱きすくめられて、さつきに負けないくらいぽよぽよとした胸に顔を挟まれ、意識してしまった以上は胸の舌の饐えたような匂いを夢中で嗅いでしまう。


「(腋よりも……んんっ♥ 熱い……♥ 匂いに熱があるなんて、初めて知ったかも……ふぁ……頭、焼けちゃいそう……♥)」

「気持ちよさそうな顔してる……♥ さつきちゃん、おっぱいの匂いだけでイッちゃうんじゃない♥ あの後、私の匂いを思い出して、ここ触ったりした?」


 ジャージの上から大事なところを触られて、弾かれる様にロレッタから離れる。力は全然、入っていなかった。離れようとすれば、いつだって離れられたということだろう。

 じゅん、じゅん、じゅん……♥ と大事なところが濡れてしまっている。本当に、おっぱいの匂いだけでイッてしまったかも知れない。


「そ、そんなことしません! あれはロッタちゃんが、無理やりやったんでしょう? とにかく、私は臭いフェチなんかじゃ……」

「へぇ……♥」


 ロレッタが怪しい笑みを浮かべて、跳び箱の上に腰かける。

 そうして、バッシュを脱いでみせると……それだけで濃厚な甘い匂いがしたのに、更に靴下までするすると取ってしまった。


「あ、はぁぁぁ……♥」


 ぺたんとその場で尻もちをついてしまう。

 腰が抜けるというのを、さつきは初めて経験した。ゆらゆらとロレッタは足を左右に動かしてみせて、指先まで美しい造形のそれを目で追うようにしながら、すんすんと鼻を鳴らしてしまう。


「(すごっ、すごいぃぃっ……♥ 1日、靴の中で蒸れて……こ、こんなの嗅げたら、私……ろ、ロッタちゃんを、好きに……♥)」

「えいっ♥」

「ふあぁぁぁぁぁぁぁっ♥」


 顔の上に軽く足を乗せられた瞬間、頭の奥でぱぁんと何かが弾けた気がした。

 足の匂いは物凄く濃厚で、酸っぱさの中に脳を焼く甘みがあって……気付けば自分でロレッタの足を掴んで、自分顔へぎゅーと押し付けていた。


「ふぅー♥ んふぅぅっ♥ み、見栄張って、ごめんなさいぃぃ……♥ 好き♥ ロッタちゃんの匂い、好きですっ……♥ 私、私ぃ……匂いフェチで、女の子が好きみたいですぅぅ……♥ んあぁっ♥ な、舐めていいですかぁ……♥」

「いいよ、さつきちゃん♥ 私の足は、さつきちゃんのモノだよ♥」

「(はふぅぅぅっ……♥ ロッタちゃん、なんて優しいんでしょう♥ 好き、好きぃぃっ♥)」


 ぴちゃぴちゃと夢中で足を舐めていると、触れてもいないのにお大事から何度も粘っこい潮を噴いてしまった。ジャージはぐしょぐしょで恥ずかしい染みだらけになり、とても履いて戻れないだろう。

 そんなことは些末だと言わんばかりに、さつきはその桜色の唇をちゅっ……とロレッタの足先に落とし、そのまま指先をはむっと咥えると、丁寧に1本1本フェラして回る。指は全部味が違っていて、指の合間の匂いが濃くて、イキっぱなしになってしまう。


「さつきちゃん、私たち、お付き合いしようか♥」

「ふぁ、ふぁいぃっ……♥ ロッタちゃんのぉ……せ、専属マネになりましゅっ♥ はむっ、ちゅぴっ……♥」


 親指を咥えてピースサインをしながら、さつきは遂に匂いフェチであるのを認めたうえで、ロレッタと恋人宣言をするのだった。



 ……さつきはこうして、女子マネージャーとしての日々を終えたのだが、ロレッタとの個人的なつながりは残った。

 これまでは男子が好きだと思っていたのもあって、ロレッタの恋人として扱われる日々は刺激的で、さつきの興奮は高まるばかり……もっとも、それはロレッタがちょっと特殊ない愛情表現をしてくるのもあるが。


「ほら、見せて? ちゃんと付けてくれてるんだよね?」

「うぅ……こ、これのせいで、マネージャーのお仕事、全然できないんですよ……♥ 桃井は最近たるんです、なんて言われて……んんっ♥」


 胸を開いて、下穿きを下げて。胸の先端を挟むように2つずつ、クリストリスにくっつけるように1つ、合計5つもピンク色のローターが装着されて、ヴヴヴと震動しているのを見せる。

 男子バスケ部のマネージャーに戻った後も、ロレッタのことを意識して欲しいと付けられたものだが、性感を開発されつつあるのも手伝って、まともな思考すらできないこともある。このまま、ロレッタの名前を叫びながらオナニーしたらどうなるのかな……と破滅的な思考まで浮かんでしまうのだ。


「さつきちゃんが付けてると、ローターもアクセサリみたいで可愛いね♥」

「そ、そんなこと言っても、これ以上は何も聞いてあげませんからね……♥ ほ、ホントに、もうこれ以上は……♥」

「今日は、これを着たさつきちゃんとエッチしたいな♥」


 ロレッタは文句には一切構わず、胸元がハートマークの形に開いたニットを差し出してくる。

 童貞を殺すなんちゃらという知識はさつきにはないが、流石にこんな服を着るのは恥ずかしい。


「む、無理です! こんな、エッチなデザインの……それに、なんだかちょっと伸びちゃってるし……あ、あれ……? ロッタちゃんの匂いが……ふぁ……♥」

「気付いた? これ……私が、1回着てるんだよ♥」


 そう言われた瞬間、ほとんどひったくるようにニットセーターを手に取り、すぴすぴと鼻を鳴らしながら着替えを終えてしまう。

 全身から、ロレッタの甘い匂いがする。ロレッタは眼前にいるのに、既に抱きしめられているような、そんな安らぎがある。


「あ、へぇぇぇ……♥ こ、こんなのぉ……♥ こんなの、まともじゃいられないじゃないですかぁ……♥ え、エッチしたい……♥ ロッタちゃんのことすんすんしながら♥ ロッタちゃんの匂い2倍で♥ エッチなこと、したいですぅぅ……♥ 来て、来てくださいぃっ♥ さつきのこと、可愛がってぇぇ……♥」


 セーターだけを纏っているので、丸出しの下半身をヘコ♥ ヘコ♥ と前後に振り、大きな胸も豊かなお尻も丸出しで誘惑する。

 ロレッタの目も、あっという間にケモノの輝きを宿しており、媚び媚びの恋人へと襲い掛かり、その体を抱きしめてとっくに準備完了しているお大事に指を挿入する。


「ん、くぅぅぅぅっ……♥ ロッタちゃんの匂い、いつもよりすごいぃぃ……♥ 私の体から、甘い匂い取れなくなっちゃいますぅぅっ♥ ロッタちゃんの恋人だって、カノジョだって、みんなにバレちゃう♥ 毎日くんくんさせてもらってる、変態マネージャーだって知られちゃうぅぅっ♥」

「そうなったら、男子バスケ部もやめさせられちゃうかもね……大丈夫、そうなったら私が拾ってあげるから♥ さつきちゃんは、私の匂いを一生すんすんしながら、可愛くそばにいてくれればいいからね♥」


 腋を顔に押し付けられて、ニットにじわぁぁ……と自分の汗をにじませながら、さつきは何度も何度も絶頂する。

 ちゅっ……腋にキスをして汗をすすりながら、さつきは幸せと甘い匂いで胸がいっぱいになるのを感じていた。



「あ、リコさん」

「げっ、桃井……そっちの子は、友達?」


 誠凛高校2年生にして、監督とマネージャーを兼任する相田リコは、さつきの隣に立つロレッタを見つめて、少し驚いたような顔をしていた。

 彼女は人の身体を見るだけで、対象者の身体能力や肉体の疲労度合いを数値化して分析することができる『読みとる眼』という特殊能力を持っている。ロレッタの秘めた身体能力を読み取り、キセキの世代に匹敵するポテンシャルに驚いたのだろう。


「これからデートなんです♥ それじゃあ、ごきげんよう~♥」

「う、うん、またね……?」


 普段ならば胸の大きさなどで弄ってくるのに、さつきが早々にロレッタと手を組んで歩き去ってしまうので、リコは首を傾げて不信がっている様子だった。

 さつきとしては女性の恋人ができた今、リコを揶揄う理由が半分くらい減っただけなのだが……その時、ぽろりとロレッタが「あの子、結構タイプかも」と呟いた。

 ロレッタとしては「でも、さつきちゃんが一番だよ♥」という意味合いの言葉だったのだが、さつきの眼にみるみる内に大粒の涙が溜まり、まるで野生動物のように「ふぅーっ!」と警戒の吐息まで放ち始める。ガチギレである。


「よ、よりにもよって、リコさんを! なんですか、胸はつつましやかな方が好みだったんですか!? も、もういいです! ロッタちゃんなんて知りません! リコさんとイチャイチャしてればいいじゃないですかぁーっ!?」

「ちょっ、ちょっとさつきちゃん!? うわ、そんなキレるとは思わなくて……お、落ち着いて! そうだ、今夜は……」


 そっと耳元に唇を寄せ、ロレッタが囁きかける。

 どんなご褒美をもたらされても収まらないと、さつきはキッと鋭い視線をロレッタへ向ける。


「──私のパンツ、顔に被せて犯してあげる……♥」

「は、ひっ……♥ ぱ、パンツ……今、履いてるの、ですか!?」

「そっ♥ 1日、あそこに触れてた部分が顔に当たるようにして、夜の間はずっと可愛がってあげるよ……♥」

「……私、ロッタちゃんと復縁します♥」


 再び腕に抱き着くと、今夜の倒錯的な交情を思い、すぴすぴとさつきは鼻を鳴らしてみせるのだった。




今回の攻め役

※ロレッタ・橙(ろれった だいだい)

・身長180cm、橙色の髪を備えたスペイン人とのハーフ。生粋のレズビアン。日本生まれの日本育ちなので、スペイン語は全然できないが、日本人離れした体躯と運動能力によって、女子バスケ界では超高校級の実力者と恐れられ“橙色の壁(とういろのかべ)”の異名を持つ。

・ゆるふわ天然系だが空気は読めて、頭の回転も速い。相手の望んでいるものを読み取る能力にも長けているが、その分「釣った魚」に対しては地雷を踏んでしまうこともあり、ある意味では付き合った後に残念なところが見えるタイプでもある。

・さつきのことは入学時から注目しており、好みど真ん中であったことから、ずっと気にしていた。女子バスケ部というニアミスする部活なこともありほとんどアプローチできなかったが、幼馴染の少女がミーハーマネージャーを演じることで、さつきを招集してくれたのが今回の真相(ミーハーマネージャーの嫉妬シーンがなかったり、掃除の際に2人きりになるよう行動しているのはそのせい)。

・なお、特別に薫香体質であるとか、何かのサプリなどを服用している訳ではない為、さつきが体臭に惹かれたのは完全に素である。遺伝子の相性がいいもの同士は、匂いで惹かれ合うらしいが……ちなみに、ロレッタもさつき限定で匂いフェチだったりする。一番の好みはつむじ(だから抱き着いているシーンが多い)。

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