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2020年1月16日から日本語版がリリースされたモバイルゲーム『アークナイツ』。
https://www.arknights.jp/
本作はかねてよりの僕の想像よりも更に大きな話題性と影響力を既に見せつつあり、「これは何か面白い事になる気がする…」と昨今は期待と共に様々に考えるので、今回はイラストレーターやデザイナーの視点から主に3つのカラムに分けてお話しようと思います!

※なお高解像度イラストとかの配布は無いです!今の所、当FANBOXでは基本的に支援者限定記事での二次創作物公開・配布は扱わない方針です。

■0:新世代の予感がする!!========
まずすべてのカラムについて言えるのですが、『アークナイツ』は、「旧来や近年のオタクコンテンツが抱えていたものが変化する、新世代への一端になるのではないか」という期待があるんですよね。

■1:SF小説的なジャンルの広がりがさらに進む・・!?==========
『アークナイツ』のジャンルはいわゆるSFですが、そこで登場するガジェットはあくまで舞台装置としての街並み、科学技術、工業製品、武器装備などであり、ロボットや自動車、航空機などの「マシンを主に操縦する」という形式ではない、という世界観をもっています。
これは近年のゲームジャンルだと『NieR:Automata』や『DEATH STRANDING』でも見られる形式で、SF小説では一足早く、例えばアニメ化もされた伊藤計劃先生の『虐殺器官』や『ハーモニー』などにもみられるように、2000年代以降に一定の興隆があったフォーマットでもありました。

深井の『ARMS NOTE』もこのフォーマットですし、necoさんの『重兵装型女子高生』もそうでしょう。現代の一定数のSF作品がこの形式をもっています。いわば『アークナイツ』ふくめ、これらはさらに細分化するならば「SF小説型」ともいえるジャンルかもしれませんね。

しかし、こと本邦のアニメ、漫画、ゲーム系のオタクコンテンツのステージにおいては長らく「マシンを操る」事を主題とするSF作品が主要なものとして続き、それはかつて「アニメ革命」ともされた『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『新世紀エヴァンゲリオン』という3作品すべてが「マシンを操るSF」だった事からもわかります。便宜上この細分化したSFジャンルを「ガンダム型」としましょう。
(その3作品の影響が強い世代が今に至るまで企画制作・出資を担っているという面も大きそうです)

『アークナイツ』の隆盛が大きくなれば、「SF小説型」の作品市場はもっと広がり、「ガンダム型」の企画が多かった現場の流れが変化し、(できれば深井も含めて)新世代のSF系クリエイターが活動できるステージがもっと広がるのかもしれません・・!

■2:モバイルゲーム市場への影響はきっと大きい!==========
この話は前のカラムにも少し関連するのですが、『アークナイツ』の特筆すべき点は何より「中国発」さらに「SFというジャンル」である事でしょうね!
さらには同じ中国発であった『アズールレーン』『ドールズフロントライン』らとは異なる、「擬人化もの」などの親しみに繋がる地盤がないオリジナル作品である事も大きなポイントだと思います。

本邦では長らく「剣と魔法のファンタジー」ブームが続きましたが(オタク文化は多様化しているのでもちろん今後も続くでしょう!)、しかしそこへ「比較的売れない」とされてきたSFの『アークナイツ』が乗り込んできた事、大きな話題性を獲得しつつある事はきっと驚きをもって迎えられるでしょうし、さらには、『アークナイツ』がいわゆる「ガチャ」を「求人採用」として無理なく世界観に合わせて巧みにゲームに組み込む設計を行った事などは今後、より世界観とビジネスモデルを上手く組み合わせたゲームの設計が求められる流れを生みそうです。
この一貫した世界観の構築とゲーム設計との組み合わせの妙は、ひとえに『アークナイツ』が若手の優れた少数メンバーで作られた作品である、という一体感にもあるかもしれません。

『アークナイツ』には、いわば黒船になり、「売れているものと同じような設計ならばよい」という習慣すらついてしまっている、本邦のモバイルゲームの市場にひとつの新世代への変化をもたらして欲しいなと考えています。(今もうあるんだろう、「なら『アークナイツ』の真似した作品作ろうぜ!」って所からどんどん駆逐してほしい~~~~!!!!!!!!)

■3:キャラクターデザインに「ファッションコーディネート」が求められる!==========
『アークナイツ』最大の話題性のひとつに「ファッショナブルなキャラクターデザイン」があります。
今、日本を含めた東アジア圏ではオーバーサイズのジャケット等によるビッグシルエットな着こなしや、スポーツミックスのコーディネート等が男女問わずに興っており、ちょうどその流れに見事に『アークナイツ』は乗っているんですよね。(これはアークナイツの多くのキャラクターデザインが4~2年前には既に行われていた事から考えると、偶然もある程度味方していると言えるかもです)

オタク市場での「オシャレな作品」といえば『ペルソナ』などがありますが、これらはあくまで画風や演出がオシャレなのであり、それとはまた異なる「実際のファッション・ムーブメントをも汲み取ったコーディネート」に注目されている『アークナイツ』のキャラクターデザインは新しい可能性をもっています。
さらには、「女性キャラクターをキャッチーにするにはセクシーにすべし」という、ある種悪習でもあったろう文化にも『アークナイツ』は更なる変化をもたらすかもしれません!

オタク、特に男性のそれは長らく「ファッションに興味がない」存在、としても捉えられてきましたが、近年の若年層へのオタク文化の大きな広まり、男性向け作品を好む女性の増加や顕在化、さらに「服飾や性格にリアリティがある女性キャラ」への支持の文化が強まった事が、「ファッションコーディネートが見事なキャラクターデザイン」を支持する地盤となったのかもしれませんね。
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もっと詳細に書きたい事もあるんですが、カラムはここまでで!
以上の3点をもっても、『アークナイツ』は新しい世代の匂いと力をもった強いコンテンツであり、オタク市場に面白い変化をもたらすと考えています。
何より、このムーブメントが興り、続くならば深井もそれに応じられるだけの得意分野やスキルが少なからずある・・はずなので、『ARMS NOTE』ともども上手く動いて、その新世代の流れに乗る事ができればベスト!と、考えています。

『アークナイツ』の今後にさらに期待ですね!!

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