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いつもご支援ありがとうございます。先日投稿したバッドエンド集のアラミス三人組版……というか正式制作版になります。なんと3万7000字あります。私がびっくりしてる。

評価というか反応次第で予定だけは立てている裏編も制作予定です。流石に労力が労力なので、反応を見てから決めます。めちゃくちゃたくさん書いたので、どれか一つくらいは気に入って貰えたら嬉しいです。

あとシンプルに気になったことがあるので読み終えた方はアンケートにご協力いただければ幸いです。キャラとかじゃなく、今回の形式でどうした方がいいかなーと思った部分を聞いてみようと思った次第です。


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平和な結末の裏には必ず不満を持つ者がいる。それは理不尽で不条理で身勝手な理屈を掲げて、己の欲を叶えるために行動する者が大半を占めている。総じて時勢を読めぬ無能者である。


「行け、我が戦闘員たちよ! アラミスを制圧し、組織の拠点とするのだ!」


 とある組織に属する男、ムノーダムもその一人だった。

 彼が所属する組織は災厄を引き起こす大戦に乗じた計画を企てていたのだが、かの英雄たちによって世界大戦はたった数日、ほとんど未然という形で組織された。その影響を受けた組織のほとんどが活動を停止したのだが、唯一ムノーダムだけは諦めずに水面下で戦力を増やし続けていた。

 そして組織の実質的な壊滅から一年半後、彼は遂に行動を起こした。着実に増やし続けた戦闘員を連れて、共和国首都の名門アラミスに突発的なテロ行為を仕掛けたのだ。

 これには深い理由があるわけではなく、単に戦闘員を増やすのなら美しい少女がいいという至極無謀な考えによる発案だった。当然成功などするはずのない作戦なのだが、彼の肯定者となった戦闘員たちは問題点を指摘できるはずがなく、平穏な学園を襲撃するという愚策は決行されてしまった。

 彼の命に忠実な戦闘員たちが教師や生徒たちを襲う中、ムノーダムが元凶であることを突き止めた三人の生徒が彼の前に立ち塞がった。


「貴方がこの混乱の元凶ね。まったく、学芸祭も近いっていうのに大胆なことをしてくれたわね」


 レン・ブライト。そしてアニエス・クローデルとナーディア・レイン。

 ムノーダムと全く関わりのないループ現象を超え、ようやく収まるべき場所に収まった物語を引っ掻き回す男を倒すために現れた美しいヒロインたち。彼女たちを見た途端、ムノーダムはだらしない顔で鼻息を荒くし始めた。


「むほっ、美少女がしっかりといるではないか……こほんっ! 我が組織は拠点と戦力を探している! この校舎は組織に! 貴様ら女どもは、戦闘員としてワシがこき使ってやろう! 光栄に思い、頭を垂れながら感謝をするといい!」

「戦闘員、って……」


 アニエスが目を向けた先には、無能な指揮官を崇めるようにビシッとした気をつけで敬礼をする若い少女たちの姿があった。レンとナーディアも目を向けるが、その時点で眉を顰めてムノーダムを女の、人としての敵であると定めたようだ。


「あの格好と統率力。恐らく無理やり従えているんでしょうね」

「うえ〜、最低なおじさんだねぇ。こんなゲス男、なーちゃんでも見たことないよ〜」

「人を自分の道具みたいに操ろうだなんて……絶対に許せません」


 少女たちの怒りは最もだ。自分たちと年が近い女の子が尊厳も何もあったものではない破廉恥なハイレグスーツを着て、あのような男に付き従わされている。彼の語る理由が身勝手でめちゃくちゃだったことも相まって、情け容赦なく叩き潰せる外道だと三人はムノーダムに対して共通の認識を得た。


「ワシに意見するとは生意気な奴らめ。くく、すぐにこいつらと同じ待遇でこき使ってやるぞ! 行けいおまえたち! あの娘たちを生きて捕らえるのだ!」

『ハッ! 全ては忠誠と大義のために! ご主人様のために!』


 律儀に部隊長へ敬礼を捧げ、突撃準備を開始する戦闘員たち。中には戦術殻やガンブレイカーといったどこかで見覚えのある武器を扱う少女の姿もあったが、その動きは素人目から見てもかなり荒く、連携も部隊長の指示にいちいち耳を傾けるせいで練度の低さが目立っていた。


「あら、この程度の指揮で私の懐に入ってくるだなんて……こんな間抜けな人は見たことがないわ。少しお灸を据えるくらいじゃ足りないでしょうね」

「あはは、レンちゃんってばこわーい。まあなーちゃんも、頭の隅々までし〜っかり情報を抜き取らせてもらうつもりだけど。じゃないと、余計なことばっかり口にしそうなおじさんだもん」

「戦闘、開始します! 嫌な感じがします……お二人とも油断せず、気をつけてください!」


 片や無能者と練度の低い戦闘員たち。片や様々な事件を解決し、学生ながら高い戦闘能力とコンビネーションを身につけたヒロインたち。それは誰かの目(プレイヤー)から見たとしても負ける理由のない戦い(勝ちイベント)だ。

 だが、だからこそ見てみたくはないだろうか――――――美しいヒロインたちが無様に敗北するありえない結末というものを。


たとえば無能者が、有能な者たちが予想だにしない無謀な策を打ち、それが成立してしまう。


 たとえば予期せぬ援軍によって孤立無援のまま打ち倒されてしまう。


 たとえば慢心のあまり屈辱的な敗北を喫してしまう。


 たとえば誰か(プレイヤー)の意思が介在することで敗北の結末を迎えてしまう。


 これはそういう物語なのだ。本来ならばありえない結末を迎える、あるいは迎えた、あるいはその結末の先にすら辿り着いてしまった美しいヒロインたち――――――その醜態の姿と恥辱の感情と無様な末路を暴き立てる物語なのだ。




【フィールド︰アラミス高等学校・校門】


【前哨戦敗北エンド・思考改変敗北】


 学園内でまともに戦える戦力はレンたちのみと言っても過言ではない。避難誘導中の教師は戦いに参加することができないからだ。

 しかしいくら数が多かろうが、足を引っ張る無能な指揮と抜群のコンビネーションを誇る三人の少女とで戦いになるはずもない。僅か数分で数十人の戦闘員が無力化され、敗北濃厚の環境にムノーダムは一転して歯噛みをする羽目になった。


「ぐぐぐ……おい、小娘一人に何を苦戦しておるのだ! 貴様ら、ワシのためにシャキッと働かんか!」

「無駄よ。何人いようと、指揮官が未熟では意味がないわ。まさかそんなこともわからないだなんて……」


 暗におまえがいない方が彼女たちは戦えるのだと告げ、男に余裕の嘲笑を向けるレン。ナーディアとアニエスも、内心では全く同じ思いに違いない。

 だが事実を事実として受け止められないムノーダムは、冷静になるどころかその怒りを抑えることができず、自らの身を真摯に守る戦闘員に矛先を向けた。


「えぇい、ワシのせいにするとは愚か者どもが! おい貴様、何をしているのだ! 例の新型を奴らに使え! 早くせんかぁ!」

「あひぃんっ♥ は、はい、今すぐっ♥」


 尻を引っぱたかれた名も無きミント髪の戦闘員が、どこからか奇妙な形の銃を取り出して構えた。戦闘能力が著しく低下していようと、名手と言えるだけの技量の片鱗だけを覗かせる見事な構えでトリガーを引く。同じく銀髪、ピンク髪の戦闘員たちも奇っ怪な形の銃をアニエスたちに向けてトリガーを引いた。


「思考改変銃、発射します!」

「「発射します!!」」


◆戦闘員21号、22号、23号が合体クラフト『思考改変銃』で攻撃!(成功率・命中率1%)



 当然、ムノーダムの指示で動く戦闘員には慢心せず警戒の目を向けていた三人は油断なく防御の姿勢を取った――――――が、トリガーを引いた後は静寂に包まれ、彼女たちと周囲に何ら変化を及ぼすことはなかった。

 光、または音などの目視ができないものも考えた三人だが、そういった異常も見受けられずに困惑してしまったほどだ。


「んー……何も起こらないし、失敗しちゃったみたいだねぇ〜」

「失敗作、だったんでしょうか?」

「何にしても悪足掻きは終わりのようね」


 新型の武器と聞き警戒を解かずにいたのは取り越し苦労だった。万策尽きたはずのムノーダムが、自分たちを見てニヤニヤと笑っているのが気にかかるが、彼女たちは強がりでしかないと判断したらしい。陣形を崩さず、戦闘員たちを無力化しながらムノーダムを拘束する準備を整える。


「アニエス、ナーディア、私に続いて。これでトドメを刺すわ!」


 そう言って、優秀で的確な戦闘指揮を取っていたレンは制服と下着を脱ぎ、靴すら捨てて全裸になった。


「りょーかーい。茶番は終わりだよ〜」

「はい。あの人から、みなさんを解放しましょう!」


 レンと同レベルの高速思考を持つナーディアも同意見だったのか、彼女と同じく裸体を晒しに、支援役のアニエスもここ一番の奮起を見せて素っ裸になる。

 結果、本格的な戦闘を開始した校門前で一糸纏わぬ麗しく若々しい素肌を笑みを浮かべる中年のゲス男の前に晒してしまったレン、ナーディア、アニエスたち。しかし三人とも羞恥の感情は微塵も見て取れず、罪のない人々を彼の手から解放する気高い正義の精神が現れた生真面目な顔で【攻撃の準備】を行う。


「私たちの連続攻撃、受けきれるかしら!」


 バッ、とレンは攻撃の姿勢を取る。両手を頭の後ろで組み、腰を軽く落として股を大きく開く。いわゆるガニ股腋見せポーズをムノーダムに見せつけた。明らかに服従の無様ポーズなのだが、ナーディアとアニエスすら何の逡巡もなくレンに続いて腋見せポーズを取る。

 スミレ色、桃色、金色と鮮やかな陰毛が丁寧に整えられた乙女のデルタゾーンが下品なくらい露になる。


「二人とも、まずは連携して相手の体勢を崩すのよ!」


 レンは連携の指示を出しながら、腰を前後に振り始める。


「喰らいなさい、グリムリッパー!」


 へこへこへこっ♥


「おぉ〜、さすがレンちゃん。なーちゃんもちょっとやる気を出して〜」


 かくっかくっかくっ♥


「アン・ドゥ・トロワ〜」


 勢いのあるレンの腰振りと滑らかでリズミカルなナーディアの腰振り。両方が合わさり、あまりにも無様なガニ股ダンスが披露された。

 ぐっぐっと腰に力が入った踊りで秘部を突き出し、尻の穴すら自ら晒す様は滑稽としか言いようがない。だがレンたちはマヌケな踊りが完璧な連携であると信じて疑わず、続け様に【技】を放った。


「今よ、アニエス!」

「はい、ここはお任せを!」


 二人の支援に徹底していたアニエスは腰振りダンスに参加しない代わりに、裸体をブルリと震わせることである技の準備を完了していた。


「大いなる光の円環よ……我らに息吹を与えたまえ!♥ ブリリアントハイロゥ!♥♥」



◆アニエスはSクラフト『ブリリアントハイロゥ(失禁)』を発動した! 我慢を重ねた濃厚なおしっこが周囲にぶちまけられていく!



 アニエスは乙女の恥部から黄色いアーチを描く小水を発射し、自分たちが脱ぎ捨てた衣類に致命的な汚れをぶちまけた。配慮を抜きに言うなれば、アニエスはガニ股で立ちションをし始めたのだ。

 鼻を突く濃厚なアンモニア臭が清楚な金髪美少女の股間から溢れ出し、無様さは先までの腰振りダンスの比ではなくなる。


「さあ、これで決めるわよ!」

「うん。イクよ〜!」


 無様なアニエスに負けじと、レンとナーディアの腰振りが一層激しさを増した。ガニ股はさらに深みを増し、外側の限界まで両脚が開き切ったマヌケすぎる格好になる。

 やがて二人の陰裂から愛液が滲み、糸を振りますようないやらしい光景が生まれた。


「ふーっ♥ ふーっ♥ フーッ♥♥」

「おっ、おっ、おっ♥♥」


 動きの勢いと快感がリンクしているのか、二人の表情に快楽の色が混ざり、それを堪えて溜め込むために歯を食いしばったおかしな顔になる。


「私の本気、受け止めてちょうだいね……!♥♥♥」

「ふふ〜ん、進軍開始だよ〜♥♥♥」


 そして、ドスケベ腰振りダンスの勢いと快感がピークに達した瞬間、二人は全力で腰を振り上げた。


「グラン・レ・ラナンデスッ!!♥♥♥♥」

「なーちゃんフェスティバルッ!!♥♥♥♥」



◆レンとナーディアはSクラフト『グラン・レ・ラナンデス(腰振り絶頂)』『なーちゃんフェスティバル(腰振り絶頂)』を発動した! 激しいアクメをキメる!!



「「あひぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん♥♥♥♥♥」」


 ケツ穴を吹き晒すガニ股ブリッジアクメをキメた二人が、口をだらしなく開いたアヘ顔でイキ潮を噴射する。

 二人の大技を受けたムノーダムと戦闘員たちは当然一溜りもなく打ち倒される…………わけもなく、棒立ちで彼女たちの【攻撃】を完全に受け切っていた。ムノーダムはニヤニヤと笑っているが、彼女たちにはそれが人が変わったように冷静な微笑みにでも見えているのだろう。


「はぁ、はぁっ♥ まさか、私たちの連携を捌き切るなんてね。やっと本気を見せてくれるということ、かしら♥」

「ふぅ……ふぅ〜♥ 窮鼠猫を噛むって、よく言うからね〜♥ あーちゃんもまだイケそう?」

「はい、何とか。相手は強敵です。一旦体勢を立て直しましょう!」


 これ以上の油断は敗北にすら繋がりかねないと判断した三人は、どういった思考の判断があったのかまでは定かでないが、自分たちが脱いで捨てた下着を顔面に装備する。


「さあ二人とも、次こそあの人にトドメを刺しましょう!♥」

「はい!♥」

「お〜♥」


 アニエスのおしっこで少し濡れて、黄色く汚れた多種多様なパンティを被った変態美少女たちが、今度は腰に両手を当てたガニ股腰振りダンスを一斉に踊り始めた。


「はっ、はっ、はっ♥」

「ふっ、ふっ、ふぅ〜♥」

「んっやっ……んぶっ♥」


 鮮やかな色に汚い染みを作ったパンティで口と鼻を覆ったせいか、段々と鼻息が荒くなって顔付きが下品になりつつあった。


「……ぐふふ。様を見ろ、ワシをコケにした報いだ!」


 ド変態ブサイクおパンツウーマンと化した少女たちのドスケベおマヌケダンスを鑑賞しながら、部隊長は勝ち誇る。

 彼が命じた【思考改変銃】は、名称の通り撃ち抜いた対象の思考を特殊な電波によって書き換える危険な武器だ。

 組織の遺産から自分が組み立てた、とムノーダムは自らを称える考えをしているが、実際に彼の手柄は対象を撃ち抜いた際に引き起こされる思考ルーチン改変部分、その内容くらいで、それ以外は運良く高い技術を持っていた戦闘員が組み上げたものだ。それでも一度きりしか使えず、効果が出るかも運次第だった。

 知らぬ間に幸運に見舞われた男は、そうとも知らずに後に判明する破損の原因を撃った戦闘員に押し付けるのだから、それはこの場では関係のないことだ。


「続けてイクわよ!♥」


 攻撃(腰振りダンス)が通じないと理解し、今度は別の攻撃(ケツ振りダンス)にレンたちは切り替える。

 美少女たちの健康的な巨尻が手で触れられる距離まで近づき、上下左右に艶めかしく振り乱される。


「むほほ、効かん効かん。もっと激しい攻撃をしてみせんか」

「うぅ〜、急に態度が生意気になってムカー!♥」

「もっと息を合わせましょう! せーの!♥」


 尻肉が乱れる度に、前からでも見える立派な巨乳がブルンブルンと淫らに暴れる。無様極まりない光景を男はしばらく目的も忘れ、堪能し続けた。


 当然だが、攻撃手段を全て変態的な動きに取り替えられたレンたちに勝ち目があるわけがなく、ムノーダムが飽きると同時に三人は呆気なく敗北を喫したのだった。



【状態異常『思考改変』・キャラクターの思考が改変された状態。混乱と異なり、当人たちは正しく敵を認識して【攻撃】を仕掛ける。シャードを展開することでキャラクターの思考を正常化できるが、それ以外の解除手段は存在しない。この状態で戦闘を終えた場合、戦闘終了後もクラフトとアーツが【変態ダンス】に改変された状態を引き継ぐ】



       GAME OVER







【コンティニュー︰思考改変銃照射後】


「な、なぜ何も起こらない!? 貴様ァ、ワシの兵器に何をした!」


 虎の子の新兵器が何の効果も表さなかった。その事実を自分の過失ではなく戦闘員に責任転嫁したムノーダムは、戦闘員に八つ当たりをするという醜い行為に及んだ。


「んー……何も起こらないし、失敗しちゃったみたいだねぇ〜」

「失敗作、だったんでしょうか? あの銃、嫌な感じは残っていますが」

「何にしても、私たちの前で見るに堪えないことをしてくれたわね」


 実戦で安全確認を怠った兵器を使用するだけならいざ知らず、その責任を強制使役した部下に押し付けるなど醜いという他ない。

 この期に及んで三人の逆鱗に触れたムノーダムは、もはや逃げることすらできないだろう。


「二人とも、イクわよ」

「うん、イこうイこう〜」 

「イキます!」


 各自の武器を構えるレンたち。戦力の大半を失ったムノーダムは、戦闘員たちが果敢に肉壁を作る裏で尻もちをついて情けない悲鳴を上げる醜態を晒していた。その方が余計な指示を出して部下を混乱させることもないため、むしろ勝率は上がるのかもしれない。

 もっとも、トドメを刺される前ともなれば今さらだ。三人の攻撃が戦闘員たちを一蹴し、ムノーダムを一撃で気絶させる。


「私が先走りしてシコリまくるわ! 二人はまんズリしながらバックからケツハメをお願い! ザー汁どっぴゅどっぴゅさせてあげなさい!」

「おっけー、バックから腰へこファックしちゃうよ! 左右からデカパイズリで一発ヤってピンク乳首でアタック! チンポ目掛けて一直線!」

「マン汁準備OK! いつでも即パコできます! デカクリ待機、二穴OK! とどめの腰カクスクワットは任せてください!」




「……お?」


 だが、攻撃がムノーダムへと到達することはなかった。代わりに美少女たちの喉元から信じられないほど下品で卑猥な言の葉が紡ぎ出され、ムノーダムは涙すら流していた情けのない顔を一転させた。


「ふふ、ふははは! き、効いているではないか、脅かしおって! よくやったぞおまえたち!!」

「あんっ、あんっ♥ ありがとうございます、ご主人様♥」


◆レン、ナーディア、アニエスは『強制淫語』状態になった!


【状態異常『強制淫語』・頭に卑猥な言葉を植え付けられ、強制的に使用してしまう状態。淫語を口にする度に『羞恥』が高まっていき、全ステータスが低下する。

解除行動を行わない限り、戦闘終了後も『強制淫語』状態は継続する】


【状態異常『羞恥』・このデバフはレベルが下の敵から一部の攻撃を受けることで発生する。EPとCPが減少し、全ステータスが僅かにダウンする。快楽と絶頂の抽選率が上昇する。

一定時間以内に再度羞恥状態になった場合、重ねがけされる。数に応じてデバフに内包された全ての効果が上昇する】





 手のひらを返して戦闘員の尻を叩いて褒め称える。彼女たちにとっては賞賛と叱責はどちらも同じ、主からの期待の表れである。彼女たちは股を濡らして喜びの声を上げる。


「……!?!? そんな私たちのオマンコ……っ!」

「何言ってるの? あの人、なーちゃんたちを見ておちんちんがバキバキ勃起し……っ!?」

「けど、罠の可能性があります。ケツ穴を引き締めて挑みましょう! ……え!?」


 あまりに自然な形で下品な言葉が入り込んでいたため、三人とも気づくのが遅れた。頭の中に幾つも知らない言葉が浮かび、無意識にそれを発してしまう。

 うら若き乙女たちがカァッと頬を赤らめ動揺を露にする。知らなかったはずの言葉も、その意味が次々と頭に浮かんできてしまうため、否が応でも羞恥が三人の身体を苛む。その結果、集中力が霧散した少女たちの動きは目に見えて精彩を欠いた。


「よし、今だ! おまえたちは奴らの足止めをしろ! ワシが逆転の一手を作り出してやる。それまで死ぬ気で戦線を維持、良いな!?」

「「「ハッ! 死に物狂いで足止めします! ご主人様に栄光あれ!」」」


 使い物にならなくなった銃を投げ捨てた戦闘員たちは、残った戦力を集結させてレンたちを足止めする。その間にムノーダムは尻尾を巻いて校舎の中へと逃げてしまう。


「しまった……! 中にはまだ逃げ遅れた雌マンコたちがいるわ!」

「もぉ、弱っちいチンポのくせに手間かけさせないでよ〜」

「ケツマンコたちを無力化して、急いで追いかけましょう!」


 普段の三人なら戦闘員を薙ぎ払い、見るからに運動不足な男を追いかけるくらいは容易くできる。だが、強制される淫語の羞恥に意識を割かれてしまい、まんまと逃げられてしまった。

 避難誘導は進んでいるが突入してきた戦闘員の数が数だ。このままでは逃げ遅れた生徒や教師が巻き込まれるかもしれない。最悪の場合、戦闘員化の犠牲者が増える可能性すら考えられた。


 三人は干渉を受けた思考を洗浄する暇もなく、ムノーダムを追いかけなければならないのだった。





【戦闘中のデバフ解除に失敗した……レンたちは『強制淫語』を引き継いでフィールド探索を行う】


【フィールド変更︰アラミス高等学校・校舎内】


【選択肢発生】


『少しでも早く敵部隊長を発見し校内の危険を取り除く』

『各個撃破されるリスクを抑えて三人で行動を続ける』

『???』



→『少しでも早く敵部隊長を発見し校内の危険を取り除く』



「まずいわね。まだ逃げ遅れた人たちがいるかもしれない……二人とも、手分けして彼を探しましょう」


 レンの提案にナーディアとアニエスは頷き、異論はないと別行動を取った。これは無能な部隊長を相手にするなら、手分けをして探した方が効率がいいという理にかなった判断だ。分担することで早期の発見、または逃げ遅れた生徒を先回りして保護することができる。

 アラミスの中は広いが、三人はこの学園の生徒だ。無策で逃げ回る彼より地の利がある以上、今は自分たちの安全確保より大胆に動いた方がいい。

 幸い、淫語癖は意識をすれば抑えられる程度のものだったため、三人は効率を重視してしまった。その〝選択肢〟が、果たしてどのような軌跡を辿るのだろうか。




【個別敗北分岐︰ナーディア・レイン】


「ほらほら〜、早く出てきた方が痛い思いしなくて済むかもよー。なーちゃん、拷問の手加減は得意な方だからさ」


 追跡に長けているナーディアは、ムノーダムが残した痕跡を追って校舎内を探索していた。観察による分析から、彼の体力はそろそろ底を尽きた頃だろうと踏み、脅迫めいた言葉を発して心理的に追い込んでいく。

 近場に隠れているのはわかっている。あとはしらみ潰しに探せばいい。


「はぁ、おじさんと鬼ごっこしたがる趣味はないんだけどなー。すーちゃんがいてくれたらもっと楽だったのに」


 いつもは一緒なのにとことん間が悪いとしか言いようがない。不在の相方に不満を零しながらナーディアは校舎内の探索を続けた。

 無論、無駄なことを口にしているのも計算尽くである。目に見えて油断のアピールをしたナーディアをあの無能な男が見逃すはずがない。

 ナーディアが廊下の角を曲がった直後、彼女の前に無数の戦闘員がズラリと立ち塞がるように現れた。


「「「ムノーダム様のために!!」」」


 相変わらず意識を縛られた哀れで無様な姿だ。以前クロスベルで見かけた特務支援課の女たちと見た目が似ているのも、ナーディアの同情を誘うに足るものだ。


「んー、まだこんなにいたんだねぇ。放っておくわけにもいかないし、ササッと倒して」


 それは女としての同情であり、もはや人としての慈悲だ。あんな男の小間使いにされ、辱められてさぞ無念であろうと彼女は柄でもないと知りながら一刻も早く意識を刈り取り、彼女たちを解放せんと奮起した。


「――――ぐふふ、引っかかったな!」


 しかし、そのせいで背後から近づく怪しい人影に気づくことができなかった。

 ナーディアなら素人の不意打ちに楽々対応できたはずだが、言語機能を支配しようとする強制淫語(デバフ)に意識を取られていた彼女は運悪く彼の不意打ちをまともに喰らってしまった。


◆ムノーダムがクラフト『拘束』を発動した!(拘束成功率5%)


「え、うそ!? やっ、んぐ、むぐぅぅっっ!!?」


◆ナーディアは『拘束』状態になった……。







「レン先輩、そちらはどうでしたか?」

「駄目ね、人の子一人見当たらないわ。あなたは?」

「逃げ遅れた生徒はいたんですが、それ以外は何も」


 昇降口前で合流したレンとナーディアはほとんど空振りの成果を報告し合っていた。校内は事実上もぬけの殻で、ムノーダムが逃げ込んだ痕跡が見当たらない。

 もしかしたら、残るナーディアが探しに行った場所に潜んでいるのかもしれない。そう考えてXiphaを開いた二人だが、彼女からの連絡はない。時間が来たら一度合流する手筈だったため、アニエスが不安げな顔になる。


「ナーディアちゃん、遅いですね……」

「ナーディアなら心配いらないわ。もしかしたら、もう彼を見つけて捕らえているのかも……あの子、私たちより〝そういうこと〟は得意だから」


 とはいえ万が一ということもある。レンはXiphaを使ってナーディアの位置情報を解析した。


「……あら、噂をすれば何とやら。すぐそこまで戻ってきたみたい」

「良かった。ナーディアちゃ――――――」


 位置情報を頼りに、ナーディアが姿を見せるであろう方向に目を向ける二人。

 確かにナーディアは現れた――――――あまりにも無様に変わり果てた姿で。


「むはは、見つけたぞ小娘ども!」

「んっ、んぎっ! は、はなしてぇ!」


 レンとアニエスは絶句した。制服を破かれて恥部を露出させられたナーディアが、ムノーダムに両脚を抱え上げられ『固め拘束』されている姿に、思考が停止してしまった。

 膝裏を両手で固められて巨尻を正面に突き出す〝フルネルソン〟の体位で拘束されたナーディアは、何とか抜け出そうと藻掻いているものの、男の両手は膝を固めるのみならず彼女の顔を左右からガッチリと掴み、力の限り動きを制限している。男と女の根本的な力の差によって即座の脱出はできないようだ。


「小娘如きがワシを馬鹿にした報いを受けるがいい!」


 そしてムノーダムは体型からは想像できない馬鹿力でナーディアの身体を持ち上げ、振り下ろした。彼女の臀部にはちょうど、ムノーダムの無駄に大きな陰茎が剥き出しで添えられており、それは運悪く一部の狂いもなく尻の穴を突き穿った。


 メリメリメリィィィィッ♥


「んほぉおおぉぉぉぉっ!?♥♥」


 巨根で尻穴を無理やりこじ開けられ、挿入という名の『固め拘束』状態をより強固なものにされる。強制淫語の影響か、ナーディアは寄り目のブサイク顔であられもない悲鳴を上げてしまった。


「い、今助けます!」

「待ってアニエス! 焦ったら駄目」


 無様な『アナル固め』を受けて悶絶するナーディアを見て我に返ったアニエスが、彼女を助けるためにアーツを使用する。

 レンの制止は間に合わず、アニエスのアーツ攻撃が発動し、三つの光弾が放たれた。


「ふんっ、効かぬわ!」

「んぎぎぎっ!?♥ ほぎょ〜〜〜〜っ♥♥」

「あ、あぁ!?」


 だが全面に抱えたナーディアは、彼の恰幅を見事に守り切る。光弾は剥き出しの恥部に直撃し、ナーディアに白目を剥かせるだけの結果をもたらした。


「わはは、これはいい盾だ! ほれ、もっと攻撃するがいいわ!」

「ナーディアちゃんごめんなさい! い、一体どつすれば……」

「んほっ、おっおっおっ、んおぉぉおぉおぉぉっ♥♥♥ け、けつあにゃっ、やめへぇぇぇええぇ〜〜〜〜♥♥♥」


 攻撃を肩代わりさせられる便利な肉壁を手に入れたムノーダムは、上機嫌になってナーディアの尻穴に肉棒を出し入れし、わざと彼女を揺らして巨乳をブルンブルンといやらしく揺れさせる。

 ナーディアを盾にされ、迂闊な手出しができない。しかも無防備な背後は戦闘員たちが守りを固めているため、明確な弱点を潰された二人は本格的に手出しができなくなっていた。

 デバフを受けたまま人質を取られたレンたちは、辛うじてできていた冷静な判断もできなくなる。


「く……ナーディア。ほんの少しでいいわ。我慢してちょうだい!」


 隙間から背後に攻撃を加えるしか突破口が見つからない。そう判断したレンは、僅かな死角を突く物理攻撃を選択した。


「ふぐっ、いひっ♥ いぎっ、おごぉぉぉぉっ♥♥」


 しかし精彩を欠いたレンに思い描いた通りの攻撃を行うことはできず、彼女の操る鎌の柄が乳首を突いたり、秘部に叩きつけられたりとナーディアを傷つけるだけの散々な結果に終わる。

 マヌケな悶絶顔のナーディアは味方からの攻撃で『アナル固め』から抜け出す力を完全に喪失し、着実に体力を削り取られ、そして。


 ドピュッ♥ ドピュドピュドピュドピュッドピュルルルルルルルッ♥


「ん゛ッほお゛ぉぉぉぉっ♥♥♥♥ イっ、イグゥッッ!!♥♥♥♥♥」


 尻穴に大量の射精を注ぎ込まれたことで、イキ潮噴射ケツアクメをキメてしまった。


「おほぉぉぉぉぉ……♥♥♥」


 ちょろろろろろろっ♥


 体力が尽きたナーディアは戦闘不能になり、情けない顔で勢いよく失禁する。彼女の痴態に動揺したレンとアニエスもまた、戦闘員たちの手で倒されてしまうのであった。




【状態異常『アナル固め』・このデバフは『拘束』を引き継ぎ発生する。

強力なバッドステータスによってあらゆる能力が大幅低下した状態。アナル固め中はEPとCPが徐々に低下し、確率デバフ『絶頂』が起きるとHPに無敵貫通の割合ダメージが発生する。状態異常『羞恥』を継続的に与え続ける。

挿入状態のため自力での脱出は不可能。この状態で戦闘不能になった場合、無様に失禁してしまう。味方の支援で解除可能だが、敵を攻撃した場合は確率でアナル固め対象キャラクターの『肉壁』防御が発動し、ダメージを肩代わりする】





【個別敗北分岐︰レン・ブライト】



(おかしいわね。痕跡が不自然に途切れている……あんな人がシャードサーチを誤魔化せるとは思えないのだけれど)


 二人と別れたレンは、得意の導力ネットワークを用いた情報解析でムノーダムの足取りを探っていた。だが、ある一時を境にして彼の痕跡が途切れていることに気づき、レンはその状況を不自然だと訝しむ。

 考えても答えは出ない。いや、答えが出せないほど思考が阻害されているという方が正しいだろう。普段なら一秒足らずで導き出せる答えに十数秒と要するほど、レンの思考は強制淫語によって阻害され続けているのだ。

 このまま考えていても埒が明かないと頭を振ったレンは、一度アニエスたちと合流することにした。まさにその時、レンの身体がブルリと大きく震えた。


「んっ……こ、こんな時に、おしっこに行きたくなるなんて」


 学園襲撃というテロ行為で緊張し、すっかり忘れていた尿意がここに来て限界を迎えようとしていた。美少女高校生が『おしっこ』などと口にしてしまうのは、間違いなく強制淫語が悪さをしている。誰の目もない状況でも淑女であらんとするレンは、口にした言葉に頬を赤らめながらトイレに向かって歩き始めた。


「はっ、はっ、んん……っ!」


 尿意は意識すると加速度的に強くなり、その上油断すると溢れ出そうな卑猥な言葉まで我慢しなくてはならない。

 レンは余計な口を縫い合わせるように手で押さえつつ内股で小走りをするという、いつになく余裕のない格好で女子トイレに駆け込むことになった。

 個室に駆け込んだレンは、漏らしてしまわないよう気をつけながらタイツとショーツを脱いだ。


「あ……」


 そうしてからようやく、駆け込んだトイレが『和式便器』という使い慣れていないものであることに気づいて顔を顰めるが、ここから個室に入り直す時間すら惜しいと意を決してしゃがみ込んだ。

 いくら伝統あるアラミスとはいえ、今さら『和式便器』が現存しているかどうかなど、極限まで高まった尿意の前では思考の片隅まで追いやられてしまう。そして、こんな状況で生理現象に悩まされ続けるわけにはいかないと、彼女はグッと込め続けていた力を逆に全力で抜いた。


 ちょろっ、ちょろろろ……ぷしゃぷしゃぷしゃっ♥ じょぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼっ♥ 


「んっ、ふぅっ♥ はぁぁぁぁぁぁぁぁ……♥」


 溜め込みすぎて潮を吹くが如き勢いで尿が撒き散らされ、そこから勢いのある濃厚な小水が和式便器の中へと放射された。

 さしものレンも極限まで溜めた尿意の解放感には叶わなかったのか、目を潤ませて恍惚とした表情を浮かべた。今にも『おしっこ気持ちいい〜♥』と叫んでしまいそうになる感情を堪えるだけで精一杯の彼女では、だらしのない顔を引き締め直すことはできそうにない。


「はぁ……おしっこをこんなに出すの、一体何年ぶりかしら……んっ、やだ、気持ちいい……♥」


 ただ生理現象を解消し、不純物を出しているだけ。そう言い聞かせても淫語の知識で色ボケしかけた脳は、噴水のような放尿に蕩けてレンに声を上げさせようとする。

 軽く口元を手で隠したレンの頬が、トイレ中に響き渡るような放尿音の羞恥に染まっていく。

 それは数十秒間絶え間なく続いた後に、ようやく勢いが衰え出した。さっさと終えてしまおうと考えたレンは、出し残しを切り上げるように膀胱に力を込めた。

 放尿を終えた直後は誰しもが気を緩める。しかしそうでなくても、このトラップを察することは不可能だ。

 天才であればあるほど無能の考えなど理解し難い。そうしてレンは、油断して半開きになった尻穴を容赦なく突き穿たれた。


 ドチュンッッッッ!!♥♥♥♥


「ん゛お゛っ゛っ゛……ウ゛ホォ゛ーーーーーーー!!?♥♥♥♥」


◆『カンチョートラップ』がレンのアナルをカンチョーした!


 便器の中から飛び出したマジックハンド。重ねて突き出した太い指先で、もっとも無防備だったレンの尻穴を突く。いわゆるカンチョーという子供の児戯だ。

 実はムノーダムは、学園襲撃の際に様々な場所に彼が考案したトラップを仕掛けるよう戦闘員に命じていた。それは彼自身、命じたことを忘れるくらい趣味に偏り実利を捨てた戦術だったのだが、戦闘員たちは隙を見て命令を実行し続けていた。

 その中の一つが『カンチョートラップ』だった。誰かが用を足した瞬間、剥き出しの尻穴を貫いて悶絶させる。行動不能にさせるだけなら他にいくらでもやり方があり、襲撃が始まった時点で学校のトイレを使用する者などいるはずがない――――――あまりに非効率的でふざけたトラップが、奇跡的なかみ合わせでレンを襲ったのが、この一瞬の出来事だった。


「か、かかかっ、かんちょーきくうぅぅぅうぅうぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜っっ!!?!?♥♥♥♥♥」


 美少女生徒会長が放尿の最中にカンチョーされ、爪先立ちで白目を剥いて鼻水を噴き出したドスケベ悶絶無様顔を晒してしまう。

 アナルに指をねじ込まれたせいで倒れることもできず、ガクガクと痙攣したまま残りの放尿が周囲に勢いよく撒き散らされていった――――――異常を察したアニエスたちがレンを救出したものの、心に深い傷を負った彼女を守りながら、援軍を引き連れてきたムノーダムと戦うことができず、彼女たちは敗北を喫してしまうのだった。



【状態異常『アナル拡張』・排泄穴を強制的に拡張された状態。防御無視のダメージ判定が発生する他、感度上昇中は強力な性感ダメージが発生して絶頂の抽選が行われる。段階が上昇するとデバフが自動変化する】





【個別敗北分岐︰アニエス・クローデル】



 二人と別れて学園内の捜索を始めたアニエス。追跡力がレンたちより劣る彼女は、今の自分にできることを優先した。それは逃げ遅れた生徒の捜索だ。

 他人を助けることを第一とする心遣いのおかげか、ナーディアたちより早く生徒を見つけることができた。


「あ……! おまん……んっ! そこの方、大丈夫ですか、怪我は?」

「う、うん、大丈夫……驚いて、腰が抜けちゃって……」


 教室で襲撃に驚いて、取り残されていた女子生徒に肩を貸すアニエス。ムノーダムや戦闘員に襲われずに済んで良かった、と安堵の息を零したアニエスは、己の身に迫る危機を察するのが遅れてしまった。


「っ!? 危ない!」


 ギリギリで女子生徒を突き飛ばしたが、彼女自身は頭上から落ちてきた巨大な筒状の機械に呑み込まれてしまう。


『きゃあぁぁぁ!?』

「え、あ……だ、大丈夫!?」

『っ、大丈夫です。あなたは逃げて』


 筒は視界を完全に遮断する無骨な作りのようだが、外と会話ができる程度の厚みだった。これなら自力で脱出できると、女子生徒へ急いで逃げるように、とアニエスが言葉を発し切る前に、その『簡易洗脳装置』は稼働した。


【洗脳プロトコル実行。洗脳ユニット装着。対象者解析……カウントダウン3、2、1】

『やっ!? な、なんですかこ』

【実行(スタート)】


 バチバチバチバチバチバチチチチチッ!


『れれれれれべべべべべべべべ〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!?!?!?♥♥♥♥』

「ひぃ!?」


 装置が激しい電流を発すると、アニエスから言語という言語が失われた。完全に遮断された内部で何が起こっているのか想像もできず、女子生徒は腰を抜かしたままガタガタと震えることしかできない。


『あば、あばばばっ♥ あだ、あ゛ッだだだまままっ、しろろろろろになっなっなっなるるるる♥♥♥♥♥ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛!?!?!?♥♥♥♥♥』


 十数秒、あるいは数分だったかもしれない。少なくともそれだけの時間、恐怖と罪悪感に苛まれる生徒の眼前で、アニエスの凄惨な悲鳴が響き続けた。


【人格消去完了。擬似人格インストール・プロトコル実行】

『……………………………………』


 その後に続いたのは大波が引いたようなアニエスの沈黙と、不穏な機械音声。逃げることも助けることもできない無力な女子生徒の目の前で、プシュゥと音を立てて装置が開き、アニエスが再び姿を現した。


「クローデルさ」

「忠誠を誓います!!」



「…………………………は?」


 女子生徒が見上げる少女は、本当にアニエス・クローデルなのか。そんな疑問が滲む長い沈黙と声だった。

 装置から出たアニエスは制服がどこかへ消えて、代わりにシースルーのハイレグスーツだけを着ている。戦闘員たちのものと似ているが、より無色に近い透明度で手足のグローブやブーツもなく、あれ以上に簡素な印象を抱かせた。この学園でもっとも大きな半球がスーツに包まれることで、その淫猥さを確かなものへと変えていた。

 簡易戦闘スーツを身に着けてビシッと凛々しい敬礼をしたアニエス。虚ろな目はやがて、尻もちをついた女子生徒へと向けられた。


「未洗脳者を発見! 直ちに捕獲します!」

「ひっ」


 簡易洗脳装置で戦闘員処置を施された者は、簡単な命令のみを自動で実行する。ムノーダムに忠誠を誓う。未洗脳者を捕まえる。片手で足りる数の命令だけを実行する兵士となるのだ。

 もちろんアニエスも例外ではなく、目の前の捕獲対象に手を伸ばす。無機質で、別人のような顔付きのアニエスに恐怖が先行した女子生徒は、思わず反撃を行う。


「いやぁ!!」


 錯乱した未成熟な少女の攻撃など、護身程度の技術でも避けることができる。


 ゴチンッ♥


「お゛ぎょ!?♥♥♥♥」


 だがアニエスは開きすぎているその股座に、女子生徒の蹴り上げをモロに喰らってしまった。白目を剥きかけ、素っ頓狂な声を上げながらアニエスは前のめりに倒れてしまう。


「お゛っ、ご……おぉぉぉぉぉ……っ♥♥」


 ちょろ、ちょろろろろろろ……♥


 ビクビクッと身体を痙攣させながら、しまいには掲げたデカ尻から失禁する醜態を晒した。


 実は『簡易洗脳装置』はその名の通り、通常の戦闘員化処置を遥かに上回る〝簡易〟仕様なのだ。人格の強制消去による戦闘員人格の植え付けは、肉体と精神に過剰な負荷をもたらし、100%の確率で全ての能力が失われ、そのくせ簡単な命令しか受け付けない戦闘員の中でも欠陥品に分類される者たちを造り上げてしまうのだ。

 だからアニエスは無力な女子生徒の反撃に合って敗北したということだ。もちろん、彼女を元に戻す手段は存在しない。この洗脳装置は、あらゆる意味で使い捨て。こんなものに囚われた不幸と慢心を呪うこともできず、彼女は雑魚戦闘員として生きていくことになる――――――――



【トラップ『簡易洗脳装置』・戦闘員用洗脳装置のプロトタイプを流用したトラップ。キャラクターを捕らえると、数ターン後に人格消去が開始される。そのまま救出に失敗するとキャラクターは洗脳され『下っ端戦闘員』として敵対し、二度と復帰しない】


【『下っ端戦闘員』・簡易洗脳装置で従わされたキャラクターたち。全ステータスが1になり、痛みが強力な性感に変換される。事前に設定された簡単な命令しか実行できないため、大概の場合は使い捨てにされる】




       GAME OVER






【コンティニュー︰選択肢発生後】


→『各個撃破されるリスクを抑えて三人で行動を続ける』



「地の利は私たちにあるわ。けど、あの戦闘員たちが何か仕掛けているかもしれない。急いで追いかけたいところだけど、ここは慎重に進みましょう」

「さんせ〜い。あの感じだと、どうせ遠くに逃げられないもんね」

「逃げ遅れた人たちの安全を確保しながら、ですね」


 一瞬、分担作業でムノーダムを探し出すことも考えたレンたちだったが、ここが自分たちの知るアラミス学園ではなく、戦場の真っ只中であることを思い出して冷静になる。

 アラミス学園ならば三人の方が地形への理解が深い。しかし、テロ行為の直後では何が仕込まれているかわからない。まして今は三人とも敵からの干渉を受け、個人のパフォーマンスが著しく低下している状態だ。

 迅速な手段と確実性のある手段を天秤にかけて、三人は同意の上で後者を選んだ。それがどのような軌跡を描くのだろうか。



 混乱の中、教師の誘導からはぐれてしまい散り散りに逃れて校舎に取り残された生徒たちを救助し、改めて避難場所へと誘導していく。その途中、彼女たちは校舎に幾つもの罠が仕掛けられていることに気づき、憤りを感じていた。


「ふざけた罠ばっかりだねぇ。こんな見え透いた間抜けなトラップに引っかかる人なんていないよ」

「そうですね。でも万が一ということもありますから、逃げ遅れた人たちが無事で良かったです」


 神聖な学び舎を小馬鹿にするような仕掛けは、タチの悪い妄想を形にしようとする間の抜けたものなだけでなく、罠だと一目でわかる幼稚で見え透いたものばかりだった。

 ナーディアとアニエスは罠の杜撰さに呆れ気味な様子だ。レンも概ね同意見だが、僅かな引っかかりを覚えたのか、顎に手を当て思案を行う。


「確かに仕掛け方はあの男の指示でしょうけど……根本的な技術に関しては、想像以上に脅威かもしれないわ。こんなあからさまな仕掛けられ方じゃなかったら」


 アニエスが言ったように、万が一もあっただろう。もしくは男への慢心や、何か他に気を取られることがあれば危ないかもしれない。

 それに警戒すべきは技術力の高さだけではなく、忠実な戦闘員たちもそうだ。見え透いた罠、見え透いた囮。そういったものに対して〝もしも〟が起これば取り返しがつかない。実際レンたちは油断して、強制淫語なるふざけた攻撃を受けたばかりなのだから。


「何が潜んでいるかもわからないわ。気を引き締めて進みましょう」


 二人に警戒を促すレン。彼女の予感は、ここから先で尽く的中することとなる。しかし、その内容は天才児のレンですら想像できない醜悪で卑猥なものなのであった。





「二人とも構えて!」


 校舎内を探索中、レンの警告を皮切りにして何かが飛び出してきた。

 三人の前に立ち塞がったのは戦闘員……ではなく、奇妙な機械の大群だった。球体状の金属が浮遊していたり、人型に近かしいフォルムを描いていたり、何かの動物を模していたりと正しく多種多様な機械軍は、まず間違いなく男の言っていた〝逆転の一手〟となる増援であろう。


「ろ、ロボット……?」

「当たり〜。けど、帝国で見かけた機械人形とは違うかな。基盤はパクリみたいだけど、オリジナル要素がてんこ盛りって感じだね。まあついでに言うなら、あの人が作ったわけじゃないのは確かかな〜」


 もっとも、大口を叩いていたのに彼自身の功績がまるでないであろう機械兵が頼りとは、と彼女たちは納得と呆れを感じてしまう。

 男の言動から察するに、技術面は洗脳した戦闘員に任せたことが明らかだった。それでいて、機能面には無理難題な口出しをしたことも安易なくらい想像できた。

 しかし技術面を戦闘員に任せただけあり、裏の技術に勝るとも劣らぬ性能なことは見て取れた。戦闘員たちと違い、片手間で相手にできる量と質ではない。


「避難誘導を優先して正解だったようね。こんなものをアラミスにのさばらせておくわけにはいかないわ……正念場よ。この壁を乗り越えましょう!」


 レンたちはシャードレベルを限界まで引き上げ、無数の機械兵たちの迎撃と排除に向かった。

 多勢に無勢だが、三人であれば乗り越えられるはずだ。万が一のことが、ありえない〝もしも〟が戦闘中に起こらなければ、彼女たちはきっとムノーダムへ追いつくことができるだろう。




【PT敗北分岐︰フィールドバトル】


【フィールド敗北エンド︰淫乱牝犬化】


 戦闘場となった校舎内は決して広いとは言えない。そこで三人は、極力でも広い場所で戦うため中庭へと飛び出した。

 しかし、広さという地の利を得るのは何も彼女たちだけではない。獣型の機械兵たちは、その本能を取り戻したように機敏な動きで少女たちを追い詰めていく。そして僅かな油断の隙を突き、大型犬を彷彿とさせる機械兵が三人を同時に組み敷いた。


「くっ、しまった……!」

「きゃあぁぁっ!」

「やっ、あぐっ!?」


 大型犬に背後から押し倒されるように強襲されては少女たちの力では抗えない。四つん這いに組み伏せられると、その大きさがより顕著になる。人間の男に組み伏せられる以上の圧力と恐怖で身体が竦み、犬畜生を模した機械に平伏させられる屈辱をレンたちは味わった。


「うぅっ、んぅぅぅ、動けないよぉー!」

「んっ、くうっ! 力が、強すぎて、全然……」

「っ、アーツで引き剥がすわ! もう少しだけ堪えて!」


 重さと力の多重負荷でビクともしない。振るうこともままならない以上、アーツ攻撃で覆いかぶさってきている本体を迎撃するしか手段はない。

 けれど『拘束』によって攻撃の順番が狂ったこともあり、アーツの起動準備に手間取っている間に機械兵器の再行動を許してしまった。


◆獣型ユニットのSクラフト『交尾』!


 股間から生えた人のものとも機械とも異なる赤い陰茎が振りかぶられ、爪で割かれて露になった少女たちの秘部を貫いた。


「あ゛ぎぃぃぃ!?♥」

「あ゛ぁぁぁぁぁっ!♥」

「ぎぃあ゛ぁあ゛……っ!♥」


 挿入による鋭い痛みが脳天を貫き、アーツの詠唱が中断される。そして機械たちは少女たちの尻肉に股を叩きつけるように陰茎を振った。セックスとは言わない獣の交尾を開始したのだ。


「あ゛あぁぁぁぁっ♥♥ いやっ、いやぁぁぁぁ♥♥ レンのおまんこに、そんな乱暴しないでぇぇぇぇっ♥♥♥」

「あっあっあ♥ だめっ、だめぇ♥ おまんこいやっ、いやですっ、やめてぇぇぇぇっ♥♥」

「やだ、なーちゃんのおまんこ使わないでっ♥ なーちゃんの処女まんこが、ワンちゃんの交尾なんて、いやぁぁぁぁぁぁっ♥♥♥」


 機械とはいえ犬の形をしたモノにレイプされている。その事実は大なり小なりレンたちの心に傷を付け、奮起するべき状況にも関わらず行動力を奪い去る。

 しかも強制淫語の副次効果で脳は拒絶の是非を問わず快楽物質を大量に分泌して、三人は知らぬ間に犬の交尾の手助けまでしてしまっていた。

 美少女たちが機械の犬に跨られ、同じ犬のように這いつくばった無様な姿で女の秘所を犯される光景が続く。


 ボコンッ♥


「「「ほぎょお゛っ゛♥♥♥」」」


 それはやがて、何かが膨らむ音で変化した。三人揃って目を剥き、鼻水を噴きながら素っ頓狂な悲鳴を上げる。

 犬の亀頭球を再現し、射精の際は膣の離脱を決して許さない。そして射精量まで犬を模した彼らは、約十分に渡って少女たちの子宮に精液を注ぎ込む。


 どぴゅっ♥ どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅどびゅるるるるるるるるるる♥


「「「いひぃいいぃいぃいぃぃいぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥」」」


 悲鳴と嬌声。恐怖と恍惚。相反するものが綯い交ぜになったおかしな声と赤面で、三人は犬機械の射精をモロに浴びてしまう。


「いや、やめっ、はなし……てっ♥ はなしなさいっ♥ いやぁぁぁぁぁぁっ!♥♥」


 這いつくばったまま何とか抜け出そうと藻掻くが、亀頭球に『拘束』された秘部が身体の一部である以上、レンですら脱出は困難だ。それどころか、腰を『へこっへこっ♥』と前後に動かして、交尾の悦びを顕にしているようにしか見えない。


「あぁぁぁっ、おっ♥♥ あっあっ♥ これぇ、きもちいい〜♥♥♥ なーちゃんの膣内に、きもちいいのくるのぉ〜♥♥♥♥ おほぉぉぉぉっ!♥♥♥♥」

「なーでぃあちゃん♥ だめ♥ 流されたら……あぁっ♥♥ お、おまんこきもちいい♥ ちがいます♥ こんなの違う、ちがう、ちが……イクッ♥♥♥♥ ワンちゃんのおちんぽきもちよくてイク、イクゥッ!♥♥♥♥」


 機械兵に注入されている精液には総じて強力な催淫効果があり、それを十分間常に注がれ続けられたナーディアたちは、たちまちに口から涎を垂らして秘部からイキ潮を撒き散らす淫乱な雌へと落ちぶれてしまう。


「あへっ♥ あへぇ……へっへっへっ♥ ハッハッハッ♥ 犬チンポ気持ち良すぎ、子宮下りて受胎準備整ってるぅ♥ 犬ザーメン頂戴♥ 犬の赤ちゃんいっぱい産ませてぇ♥」

「犬ちんちんで蓋されてるの、良い!♥ 精液パンパンになって奥まで染み入るぅ♥ もっと、もっと動物チンポ押し付けて膣内に塗り込んでぇ♥ 腰カクカク止まらない、みっともなく発情してるのぉ♥」

「おひょ、あひょぉぉ!♥ バックから尻合わせ結合さいこうぅぅ♥ お尻ぶつけ合ってズンズン突かれるの気持ちいいの♥ 結婚すりゅ♥ 私、この犬のお嫁さんになるぅぅ♥」


 やがて彼女たちは牝にまで堕ちた。ケダモノのように蕩けた顔で腰を振り、犬機械と尻を打ち合わせる無様な交尾のために生きる淫乱な牝犬へと。

 そんな彼女たちが壁を乗り越えられるはずもなく、物語は敗北という軌跡を描いて幕を閉じることになる。



【状態異常『交尾状態』・犬型のユニットに組み伏せられ、数ターンの行動不能から解放されなかった場合に発生する。交尾中に射精を受けると特殊な催淫デバフによって解除不可の行動不能に陥る。キャラクターは犬型ユニットの番『牝犬』になり、PTから永久離脱する】







【フィールド敗北エンド︰拘束拷問の時間】


 無数の敵を相手にするには狭すぎる場所から脱するべく、三人は校舎内を駆け回る。だが多勢に無勢で連携が上手くできず、各個で攻撃を受けねばならない危険な陣形を取らざるを得なくなった。

 中でもナーディアは得意の素早い動きが封じられたことで、とある機械兵器の特殊な拘束攻撃を受けてしまった。


「うぅ、はーなーせー! なーちゃんに触るな、無礼者め〜!」


 プレートのような分厚い機械に四肢を埋め込まれ、股を思いっきり開く下品で恥ずかしい姿勢で拘束される。言葉の上では余裕そうだが、一人で脱出できる状態ではなく、分断されたことでアニエスたちも彼女の危機に気づくのが遅れた。


「あがっ!?」


 プレートから飛び出した幾つかのアームのうち、鉤のような細い機器がナーディアのお喋りな口を無理やり開いたまま固定してしまう。開口器を取り付けられたのと同じ状態で、歯茎が見えるような大口のまま開け閉めができなくなる。

 さらにその鉤はナーディアの口だけに留まることなく、鼻梁にまで迫っていく。二股のフックとなって穴に引っかかろうとする動きに、サッと顔を青くしたナーディアが慌てて首を振るが、完全な対策には至らない。


「あーっ、あーっ! んごっ、むう゛う゛ぅ゛う゛う゛ッ゛!?」


 遂に抵抗虚しくフックが引っ掛けられた鼻孔が、ギリギリと音を立て強引にこじ開けられていく。縦に全力で引っ張り上げられた鼻梁は、繊毛も垣間見れるほど大きく開かれる。それは一部分の形を損なうだけでなく、ナーディア・レインという少女の幼さを残した可憐な顔面を豚鼻ブサイクなものへと変貌させた。

 口と鼻の穴をこじ開けられて涎と鼻水で顔面を彩ることになり、ナーディアのプライドは文字通り言葉にならないほど傷つけられる。

 だが機械はナーディアを『拘束』しただけだ。つまり攻撃の準備を終えたに過ぎない。瞬間、ナーディアの全身が眩い光に包まれた。


「お゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥」


 高圧電流がナーディアに流し込まれた。激しい痛みと、それを誤魔化すように溢れる快楽にナーディアは白目を剥く。

 電流は特殊な破壊機能を有しており、彼女の制服や下着を塵に返し、少女が校舎の中で全裸で大股を開く恥辱の拘束へと変化を促す。

 苦しみから逃れるように叫び、暴れるナーディアだが拘束はまるでビクともしない。それどころか、ナーディアの裸体にアームを差し向け、局所的に電流を追加で流し込んだ。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!♥♥♥」


 頭の中がミキサーでぐちゃぐちゃに回されるような感覚に襲われ、涙と鼻水と涎を流してみっともない雄叫びを上げてしまう。股からは大量の愛液が吹き出し、殊更情けのない光景だった。

 ナーディアを『拘束』した機械は、対象から情報を抜き取るため尋問、拷問用のプログラムを搭載したものだ。が、厳密な設定がされておらず、情報を抜き取る名目がありながら言葉を封じてしまう矛盾を抱えていた。しかも、抜き取る情報の精査をする者がいなければ、一度捕らえた相手が力尽きるまで延々と責め続けるという、加減が求められる尋問と拷問の概念に全く合致しない欠陥品だった。


「ん゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ーーーーーーーッ゛ッ゛!♥♥♥♥」


 設定した目的から逸脱したという点では間違いなく失敗作だ。もっとも、これを生み出した男がこの場にいれば、ナーディアがブサイクブザマ顔で電流アクメをキメる姿に大喜びしていたことも間違いではない。

 強力な拘束と電流によって一人で脱出することは極めて困難である。ナーディアは電流アクメで薄れ行く意識、その片隅でアニエスとレンが異常を察して駆けつけてくれることを切に願うばかりだった。


「む゛ごお゛ぉぉぉぉ……っ!?♥」

「い゛ぎゃあ゛ぁぁぁぁっ!?!♥」


 肝心の二人が鼻フックで吊り上げられ、空中でジタバタと惨めに跳ね回っていることも知らずに。




【エネミー『拷問ユニットH-2』・ムノーダムが開発した拷問及び尋問用のユニット。名称こそ拷問を謳っているが、実際には開発主任である彼の嗜好が盛り込まれたことで、情報を聞き出す機能性は皆無に等しい。だがその分、捕まってしまった女キャラクターの無様な末路は想像に頑ない】





【フィールド敗北エンド︰改造装置の中で】


「ん、んん……」


 薄く深い、形容し難い微睡みからアニエスは瞼を開けた。

 様々な思考が頭の中に去来した。自分はどうして眠っているのか。あの後、ムノーダムと名乗る男が学園を襲撃してから、逃げる彼を追いかけて、それから機械軍兵と戦いになって、どうなった。


(そう、だ。レン先輩と、ナーディアちゃんの援護、を……)


 未だ微睡みから醒めきらぬアニエスは、記憶が断絶する直前の思考を再生して無意識で援護を行おうとする。しかし彼女の手に導力杖はなく、さらに身体の自由も全く効かないことに気づき、そこでようやく目を見開いた。


「……え!? い、いやっ、いやぁぁぁあ!?」


 アニエスは〝自分の身体を見て〟悲鳴を上げた。咄嗟のことで思考が情動に追いつかず、そうすることしかできなかったのだ。

 彼女の身体は小さな箱のようなものの中に、両脚で身体を挟み込むまんぐり返しと呼ばれる姿勢で拘束されていた。膝から先だけが箱の扉から飛び出しており、それだけでも酷く無様な格好ながら当たり前のように裸体が晒されている。

 けれど問題なのは、その裸体の〝状態〟だ。アニエスは一目でそれが自分のものであって、自分の身体でないと驚愕と恐怖を覚えた。


「わ、私のおっぱいが、なんで、こんな……お、大きく、なって……!?」


 まんぐり返しになった両脚が挟もうとすると優に溢れて卑猥、あるいはドスケベと呼べるほど品性のない〝超乳〟に変わり果てていた。元々から大きかったが、今やUカップの超特大サイズまで改造され、寝転がっていると自身の目の前が白い乳肌で埋まるほどの凄まじい圧だ。

 その乳房に目を引かれ、というより乳房で隠れて何も見えないというのが正しいか。アニエスの身体は他にも秘部の陰毛が少女としてはありえないほど伸び、金色のジャングルを彷彿とさせるムダ毛をもっさりと生い茂らせていた。

 戦闘直前、アニエスは巨大なポッド型の機動兵器に強襲され、その中に取り込まれてしまった。『無様雌奴隷改造用ポッド』はアニエスの身体データを読み取り、彼女に相応しい改造計画を立案し実行に移した。

 催淫ガスで意識を奪いながら感度を上昇させると、短期間の膨乳と増毛を施してアニエスを男が、否、ムノーダムが喜ぶアンバランスで下品な身体へと改造してしまったのだ。目覚めた時には手遅れで、アニエスは涙が出そうなくらいみっともない身体に成り果てていた。


『レンちゃん、あーちゃんが起きたかも!』

『アニエス、大丈夫なの!? 無事なら返事をしなさい!』

「ナーディアちゃん、レン先輩……あ、やだ、駄目です、すぐ逃げてください! 今の私に構わないでぇ!」


 ポッドの外に飛び出した脚の動きからアニエスが目覚めたことを察したナーディアたちが助けようと動いてくれているのはわかるが、こんなだらしのない身体になった自分を見られたくないと二人に逃げるよう促してしまう。

 自分を見捨てて逃げるような者たちでないことをアニエスは知っているはずだが、それだけ肉体改造のショックが大きいのだろう。

 だが、肉体改造が終わったといつから思っていたのか。彼女の改造はまだ、部隊長の思考ルーチンをトレースした強烈な性癖はまだ、ほんの一部分しか終わっていないというのに。


「逃げて、早く逃げ――――――ん゛ほぉ゛ッ゛!?♥♥♥♥」


 突如としてアニエスが汚い嬌声を上げた。超乳が狭いポッドの中で激しく揺れて彼女の視界を容易く呑み込む。剛毛に隠れた秘部から扉までイキ潮が一直線に吹き出した。


「お゛ほお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛!♥♥♥♥ ケツ穴イグイグイグゥッ!?♥♥♥♥♥」


 尻穴をディルドでこじ開けられて強制淫語が抑え込めなくなるほどの絶頂を味わい、アニエスの自意識はそこで完全に停止した。


『アニエス、どうしたのアニエス! 返事をして』

『レンちゃん、危な――――――』


 アニエスの両脚がピクピクと痙攣する光景を目にしたのか、焦った様子の声が外から響いてくるが、その声もいつの間にか聞こえなくなる。


「ん゛ほッ、お゛ッッッ♥♥♥♥ イグッ、おほっっっ!♥♥♥♥」


 尻穴をガツガツと耕すディルドピストンの衝撃で、彼女たちがポッドに取り込まれた現実を認識できない。

 さらにクリップが陰毛に埋もれたクリトリスを正確に捉え、快楽電流を流し込む。


「ん゛ッお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛っ゛っ゛♥♥♥♥♥ イグッ、イグッ、イグッ、イグーーーーーーーッ゛ッ゛ッ゛!!♥♥♥♥♥」


 獣の如き嬌声をポッドの中で響き渡らせる。彼女を助ける仲間さえいなくなった今、そのポッドが開く時、敗北を告げる醜悪な笑みが共にあることだろう。それまでアニエスは装置の中で、アクメをキメ続けた。



【エネミー『無様雌奴隷改造用ポッド』・一定以上のランクを持つ女キャラクターを捕獲し、独自の肉体改造を施す敵。普通は弱く、大体は一撃で倒せるだろうが、もしも捕らえられたら救出が遅れれば遅れるだけ中のキャラクターは取り返しのつかない変化を遂げるだろう。何故ならこのポッドは、ムノーダムの思考を再現したAIを搭載しているのだから】


【状態異常『肉体改造』・特殊な改造によってキャラクターの身体が著しく変化した状態。大抵の場合はステータスが大幅に低下し、様々なデバフが付与される。

超乳化︰DEFが上昇し、それ以外のステータスが大幅にダウンする。特にSPDにマイナス補正がかかり、戦闘開始時の行動順が最後列に確定する。絶頂の抽選回数が10倍、発生確率が常時100%になる。

増毛化︰露出状態で『羞恥』レベルが最大になり、増毛化が続く限り永続的な行動不能状態になる】




【フィールド敗北エンド︰校内を駆け回る絶頂】


「く、まずいわね。二人ともどこへ……」


 無数の機械兵から逃れるために移動中、レンはナーディアとアニエスを見失ってしまった。ひしめき合う機械の大群によって、校内はもはや迷路、どこから攻撃されるかもわからない危険な場所と化した。

 危機から脱するために校舎の外へと出る算段だったのだが、機械兵の予期せぬ動きでレンは孤立してしまった。

 分断された二人が校舎の中で戦っているかもしれない。強制淫語で思考を妨害され続けているレンは、彼女たちを信じるか、守るために戻るべきかを決断しきれず逡巡した。いや、本人は逡巡で済ませたつもりだった。

 刹那の思考を極限まで熟考へと引き伸ばせるレンだからこそ、完全な状態ではない思考の遅さを計算に入れきれていない。校舎の出口間際で立ち止まり、あまりにも遅い本当の意味での熟考を行う美少女生徒会長は罠を踏んでいることにも気づかないナーディアの言う〝間抜け〟を晒してしまう。


「きゃっ……」


 地面の一部が浮き上がり足を取られ悲鳴を零したレンだったが、悲鳴は不意に断絶した。


 ゴチュンッッッ!


「ぴん゛ッ゛!?♥♥」


 股間を強襲した〝木馬〟の一撃で脳が一瞬で使い物にならなくなる衝撃を受け、レンの知的な瞳はぐるりと白く反転した。

 せり上ってきた『機械木馬』は、本体の三角部分でレンの陰裂を突き上げた。先端が丸みを帯びているとはいえ、女の急所に勢いよく食い込む金属の痛みは凄まじい。それが強制淫語の副作用で快楽に変われば、誰であろうとタダでは済まない。


「ん゛ッ?♥ ご、お゛ぉぉぉぉぉ……ッ!?♥♥」


 レンほどの天才でも例外ではなく、股間が引き裂かれたかのような衝撃で俯いた顔から濁声を轟かせ、あまつさえ木馬の斜面に『ちょろろろ♥』と黄色い小水を滴らせてしまう。

 小刻みに身体を痙攣させ、悶絶声と失禁を漏らすことしかできないレンに対し、機械木馬の機能はここからが本番だった。

 機械木馬の側面から飛び出した拘束具がレンの両手を後ろ手に縛り上げると、さらにディルド搭載型のアームが尻穴を突き上げた。


「ン゛ホーッ♥♥♥」


 股間強襲のダメージからも回復しきらぬままタイツとショーツが破れる勢いで尻穴を突かれたレンは、寄り目で唇を尖らせたブサイクな悶絶顔を無理やり引き上げられた。

 余裕のない無様な悶絶快楽顔を暴かれたレン。後ろ手とアナル挿入の二重拘束を終えた彼女を機械木馬は運び上げる。空中に浮き上がり、ブースターによる加速を行って馬を彷彿とさせながら、かの者より遥かに早く校舎内を駆け抜けた。


「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!?!?♥♥♥♥」


 美少女生徒会長に有るまじき情けない悲鳴が校舎内を駆け巡る。

 速度とコントロールは完璧だが、捕縛した対象の拘束が不安定極まりない。アナル挿入だけではとても固定しきれず、上下にガクンガクンとロデオのように暴れ回り、レンの股間は何度も何度も金属の突起に打ち付けられた。


「ほぎゃっ、んごっ!?♥♥ お゛ん゛っ゛!♥♥♥ 止めて、とめへえぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!♥♥♥♥」


 秘部が激しく打ち付けられ、ディルドも不規則に抜き差しされている中でまともな思考が結べるはずがない。

 涙と鼻水と涎を垂らした情けない泣き顔が、高速で動き回ることで風に煽られて見たことブサイクな顔を晒す。


「イグイグイグッ♥♥♥♥ おまんことアナルがイッちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜っ!♥♥♥♥♥」


 ガクンガクンと揺さぶられながら高速軌道を伴ってイキ潮とおしっこを校舎内に撒き散らす美少女生徒会長。


「いひぃぃぃいぃいぃ〜〜〜〜〜っ!?♥♥ 誰かっ、誰かとめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!♥♥♥♥」

「いやっ、おまんこがっ、いやあぁぁぁあやめてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!♥♥♥♥」


 似た悲鳴を上げたナーディア、アニエスと何度も交差するが、互いに高速で動きすぎているため助けようがないし、助かりようもない。


「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?♥♥♥♥」


 レンたちは校舎の中を飛び交い彷徨い、木馬の上で身体を振り回しながらよがり狂った悲鳴を反響させ続けたのだった。



【エネミー『機械木馬』・床に偽装するトラップ型の敵。拷問器具の三角木馬を模した形状。

キャラクターが木馬トラップに引っかかると一時的な行動不能状態になり、1ターン後に特殊な『拘束』状態が付与される。戦闘中の場合は、対象キャラクターがその戦闘から離脱し、木馬はフィールド上を超高速で移動し続ける。キャラクターを木馬から引きずり下ろすか、木馬を破壊するかで『拘束』を解除できるが、一定時間経過すると木馬が敵のアジトへ自動帰還し、キャラクターがPTから永久離脱する】


【状態異常『拘束(三角木馬)』・機械木馬に跨らされた特殊拘束状態。尻穴にディルドを挿入され、非常に不安定な姿勢でフィールド上を駆け回っているため、自力での脱出はほぼ不可能。仲間に救出してもらうか、木馬が帰還モードになるまで慣れ親しんだ土地を無様な姿で駆けずり回ることになる】






       GAME OVER





【コンティニュー︰フィールドバトル開始時後】



 レンたちは多勢に無勢の状況を切り抜けて中庭まで辿り着いた。数だけは圧倒的だったが、奇妙な指令が機械たちを縛っていたことで性能が十全に発揮されていたとは言い難く、そんなものを並べたところで彼女たちの敵ではなかったのだ。

 中庭に出た三人は、講堂の入口付近で数多の機械兵器に指示を出すムノーダムと戦闘員を発見することになる。


「……ぬ! 貴様ら、ワシを追いかけて来おったのか!」

「ようやく見つけたわ。まだかなりの数の人形を従えているようね」

「あれだけの数を従えて、一体どこに隠れていたんでしょう」

「確かに謎だけどー、わざわざ出てきてくれたなら叩いたら良しってことで、万事解決、オーケーだよ」


 校舎内ならともかく、そう広くはない中庭のどこにあの恰幅が潜んで、援軍を呼び出すことができたのか。痕跡が不自然に辿れなくなっていたのも気にかかるが、その理由を探るより現れた彼を倒す方が先決だ。

 講堂には校舎外へ逃げ損なった生徒や教師が隠れているだろう。ムノーダムがどこまで考えて講堂に入ろうとしているのかはわからないが、放っておいていい理由はない。


「そこまでよ。鬼ごっこはこれでお終い……学び舎をくだらない私欲で汚した罪、償ってもらうわ」

「くだらない? ククク、ワシの大望を理解できぬとは低脳な女だ。もはや手加減はせぬ! ワシの本当の力で貴様らを捕まえてくれるわ!」

「うわー、器のちっちゃい人間が使う台詞のオンパレード〜」

「けど、嘘は言ってないようね。人形の質がさらに上がっているわ」


 これまで見てきた人形兵器は、技術面はともかく戦力としては雑魚ばかりの烏合の衆と呼べるものだったが、本気を自称するムノーダムが従える機械兵器は先ほどまでの物とは造形が大きく異なるタイプが幾つか見て取れた。それらを率いて、ムノーダムは己の全てと言っているのだ。

 もちろんほとんどが自ら出した成果ではないのだが、彼はこの期に及んで自分の力だと誇張して憚らない。そんな傲慢な男が立てた壁を難なく乗り越えてきた三人が、負けることなどありえない。

 身勝手な欲望の宴はここで終わる。凛々しい表情で導力杖を構えたアニエスが言葉を発した。


「負けるわけにはいきません。足元をすくわれないよう、どうかご注意を!」

「ええ。ここまで来て、全てを台無しにさせるわけにはいかないもの!」

「イエス・サー! なんて、なーちゃんのぐーたらスクールライフを取り戻すために頑張るのだ〜!」


 ここが本当の正念場、最後の戦いとなる。アニエスたちは自分たちの経験を全て出し切るこれまでにない集中力を見せ、強制淫語の思考阻害を振り切った。


【コマンドバトルへ移行・BOSS】


【アニエス・クローデル/Lv150/状態異常『強制淫語(封)』】

【ナーディア・レイン/Lv150/状態異常『強制淫語(封)』】

【レン・ブライト/Lv150/状態異常『強制淫語(封)』】


【ムノーダムと配下たち/ムノーダム︰Lv10/配下︰Lv100】



 精細を取り戻した三人が敗北することなど、やはりありえないことだろうがその〝もしも〟の可能性は最後まで必ず存在している。もし彼女たちを指示(操作)するのが、美しい少女たちの無様な姿を好む者ならば――――――ヒロインの有り得ならざる敗北の軌跡が、事ここに至って現実として観測されるだろう。




【バトル敗北︰ヒロインの無様なオブジェ】



「ムフフ、威勢が良いのは口だけのようだな! おまえたち、やってしまえぃ!」


 ムノーダムは相も変わらず後方で無能な指示を出す。ふんぞり返っている姿さえ幻視しそうになる光景だったが、レンたちは何故か彼が指示を出す機械兵器に追い詰められつつあった。

 攻撃を受けて体力を減らされ、回復もせずにいた三人は、背中に無数のアームを保有する人型兵器に捕獲されてしまった。


「きゃあ!? う、動けない〜!」

「っ、このままじゃ……!」


 両手と両脚をガッチリと掴まれ『拘束』されたナーディアたちは、脱出の機会を逸して身動きが取れなくなった。


「まずはワシに逆らったらどうなるか、その身をもって知るがいい。おまえたち『メス肉バスター』じゃ!」

「きゃぁっ、さ、逆さまに……!?」


 謎の技名が叫ばれたのと同時にアームが回転して、アニエスたちの視界が逆転する。天地が反転し、少女たちのスカートが捲れて下着が丸出しになるが、それを気にする前に少女たちの身体が宙に浮き上がった。


「うそぉ!? ま、待って、やめて」

「シャードで衝撃を緩和して――――――」


 空中に浮かんでしまった時点で脱出に意味はなくなった。否、むしろ人形兵器の制御下から逃れる方が危険だと言えよう。

 急速に上下する視界の中でレンだけは衝撃の落下を試みるが、間に合わない。高く飛び上がった視界が戻っていくまで数秒となく、それは無慈悲なまでの落下を意味している。不安的な姿勢で強制的な落下を受け入れられるはずがなく、三人は恐怖で股間を濡らし身を竦ませて悲鳴を上げることしかできない。その悲鳴すら風切り音によって掻き消されて少女たちの世界から声が消えた。


 次の瞬間、中庭に怒号と聞き紛う振動が響き渡った。


「がごォ゛ッ゛!?」

「む゛ッごォォ゛!?」

「お゛ごげぇ゛っ゛!?!?」


 地鳴りに悲鳴が掻き消される、など都合の良いことは起こらなかった。ムノーダムからすれば、それこそ都合の良いことが起きたというべきか。

 衝撃が多少でも緩和されたことで生き埋めになることは避けることができたが、三人は上半身が地面に埋まって下半身がガニ股で露出し飛び出すという、まさに敗者の生き恥を晒してしまった。

 一転し、圧倒的な勝者となったムノーダムの高笑いが中庭に轟いた。


「ぬはははは! 良いザマだ! ワシに逆らった者の末路に相応しいぞ!」

「「「っ゛……っ゛……っ゛っ゛!?!♥」」」


 逆さまのガニ股、W字開脚というマヌケが過ぎる無様敗北姿を晒した三人は、衝撃で失神して両脚をピクピクとみっともなく震わせることしかできない。


 ちょろろろろろろろろ……♥


 否、まだできることがあった。失神と同時に失禁をして下品な噴水のオブジェのように振る舞うことだ――――――



【フィールドオブジェ『逆さま失禁ヒロイン』・人形兵器の特殊攻撃『メス肉バスター』を受けて倒されたキャラクターたち。特殊攻撃で力尽きると戦闘中は蘇生が出来なくなり、フィールドオブジェとして再設置される。

戦闘終了、または逃走すると敵に回収されPTから離脱する】




 講堂には多数の生徒が避難していた。本当なら外に出て安全な場所へと逃げるべきだったのだが、とてつもない数の戦闘員に道を塞がれ、一部の生徒たちは講堂に立て篭もることで一時的に安全を確保したのだ。

 しかし外で戦闘が続く音が響けば不安に駆られずにはいられない。平和な学び舎がテロに見舞われた経験を彼らは覚えておらず、何もかもが初めてなのだ。

 さらにかなり近くで怒号のような地鳴りがし、生徒たちの緊張と恐怖はピークに達していた。


「大丈夫、きっと戦闘が終わった音だと思う。先生が外の様子を見てくるから、みんなはここで隠れてて!」


 子供のような小柄な体躯ながら、帝国の有名な士官学校出身の先生が生徒たちを宥め、安全確保のために外へと行ったきり戻ってこないことも精神的な不安の一因だった。しかし、彼女が出てから戦闘の音はしていないことから、逆に戦いは終わったのだと思い込む者たちもいた。


 不安と希望が綯い交ぜになった講堂の扉が開いた時、その答えは現れる――――――生徒たちにとって最悪の形で。


「ヌハハハハハ! よく聞け愚図ども、この学校はいまからワシの物だ! 全員、ワシに従うのじゃ!」


 貴族崩れにしか見えない恰幅の良い男が現れ、講堂内は騒然となる。中には女子たちを守るように立ち塞がる男子生徒の姿もチラホラと見受けられたが、彼らの戦意は即座にへし折られることになった。


「逆らう者は男なら殺す! 女なら、こやつらと同じ目に合わせてくれよう!」


 ――――――奇妙な機械兵器に吊り上げられた少女たち。

 後ろ手に縛られ、白目を剥いて染みを浮かべた下着を晒して講堂に運び込まれた彼女たちを見て、逆らおうという気配は刹那の間に霧散し、仕方のない隷属の雰囲気が漂い出す。

 逆さガニ股で吊り上げられた中には、タイツが破れて濃厚な失禁跡を刻んだ黒ショーツを露にした生徒会長や、外の様子を見に行っていた教師の姿もある。精神的な支柱を失ったと分かれば、誰もが頭を垂れて当然だ。


「ワシに従うなら命だけは保証してやる。ワシの寛容さに感謝するがいい! そして、ワシに逆らうような愚か者たちには、女であろうと厳罰を与える!」


 執拗に権力を誇示したムノーダムは〝女だから〟の言い間違いでしかない言葉を発した。すると、講堂の床にレンたちが落下する。ただでさえ醜態を晒しているというのに、半ば頭から落とされた彼女たちは「ぐぇっ♥」と潰れ声を漏らして醜態を重ねる。

 自然と、生徒たちに逆さまの白目顔を晒したまんぐり返しの体勢になった彼女たちは、戦闘員の手で衣服を全て剥ぎ取られて裸体を暴かれた。

 さらに戦闘員たちは、天を向いた尻の穴に蛍光灯のような光る棒を無造作に突き刺した。


「ん゛ほぉ゛ー♥♥♥」


 尻穴に異物を差し込まれた衝撃で僅かに意識を取り戻し、白目を剥きかけた顔でマヌケな嬌声を上げる。痛みどころか快楽を感じて股から水を吹き出した少女たちの身体は、どういう理屈かゆっくりと〝浮上〟していく。


「ひ、ひぃぃいぃぃぃいっ!?♥」

「やめてっ、ゆるしてぇぇぇぇ♥ ケツ穴そんなに伸びないですぅぅぅぅぅぅっ♥」


 学園の中でも憧れられる美少女がケツ穴と恥の言葉を発した通り、尻の穴に刺さった光棒が彼女たちの身体を宙に浮き上がらせていた。

 浮力を帯びたその棒によってアニエスたちは空中に〝再び〟浮いた。だが、浮力自体はそう強くないのか、頭が床とスレスレの状態が維持され、差し口にされたアナルが臀部から飛び出して目に見えるくらい盛り上がる無様すぎる姿になる。

 戦闘員たちはそんな無様な敗者たちを抱え上げた。頭を肩で支え、両脚をしっかりと開かせて固める。浮力によって力の弱い戦闘員たちでも持ち上げて運ぶのは容易く、アニエスたちは生徒たちに見せつける〝敗者の裸神輿〟として担ぎ上げられた。


「やだ、やだやだやだぁ!♥ おろしてっ、おろしてぇ!♥ こわいのやだぁ〜!♥」

「ひっ、ひぃ!♥ いやぁぁぁぁぁぁ!♥ ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ!♥ レンたちも従います!♥ 謝るからもうゆるしてぇぇぇぇぇ!♥」


 逆さまで担ぎ上げられる行為にトラウマ(敗北の記憶)があるのか、恐怖で顔を引き攣らせてみっともなく泣き叫ぶ。


「あぁぁぁぁぁっ!♥ 誰か、誰か助けてくださいっ!♥ だれかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!♥」


 美しかったヒロインたちの悲鳴が響く。その誰かは、無力な生徒にとっては彼女たちのことだった。立場が逆転した滑稽な現実で、無力な生徒たちが彼女たちの誰かになることはない。

 そのまま裸神輿として講堂を何十周とさせられたヒロインたちの体力と気力は尽き果て、二度と立ち上がることはなかった。




【バッドエンドⅠ・勝者の権利、敗者の定め】




【コンティニュー︰BOSSバトル開始直後】


【バトル敗北︰コアユニットに鹵獲】


「く、引き寄せられて……きゃあぁぁぁぁぁ!?」

「駄目、なーちゃんも……あーちゃん、逃げ、やあぁぁぁぁぁ!?」

「レン先輩、ナーディアちゃん!」


 当初は戦いを優勢に進めていた三人だったが、部隊長が召喚した『コアユニット』にレンとナーディアが鹵獲され、一人取り残されたアニエスもまた別のコアが放った触手のようなコードに絡みつかれてしまった。


「そんな! こんなことっ、あぁぁぁぁぁ!」


 悲鳴を断末魔の代わりに響かせたアニエスが、コアユニットの中へと取り込まれていく。そうして戦場には鹵獲した〝コア〟を内蔵したユニットと、勝ち誇るムノーダムが残された。


「ムハハハハ! 都合よくエネルギーが手に入ったわ! おまえたちの手で街を蹂躙してしまうがいい、ガハハハハハハハハ!」





 アラミス学園がテロ組織に占拠されたという報道から数刻後、共和国首都イーディスは正体不明の機動兵器によって甚大な被害を受けていた。

 住民たちの安全を確保するため立ち向かう者たちを嘲笑うように、三機の人型巨大兵器は破壊活動を行う。警察や遊撃士だけでなく、政府も最新型の兵器である《AF》を複数投入し撃墜を試みたが、凄まじい性能を発揮する巨大機動兵器の前ではあまりに無力だった。


「おっ、おっ、う゛お゛ぉっ♥♥ やめっ、どべでっ、やべでぐだざい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛〜〜〜〜〜〜っ!♥♥♥」


 戦力が軒並み一掃され、遂には旧市街にまで被害を及ぼし始めた巨大機動兵器の中、コックピットブロックに捕らえられたアニエスは、涙ながらに制止を訴えかけていた。

 全天周囲モニターから収集される破壊映像を、目元を覆うバイザーによって網膜に無理やり見せつけられ続けたアニエスの心は、もう完全に折れ始めていた。

 コックピットの中で四つん這いで跨るように拘束されたアニエスは、秘部と尻穴に接続されたプラグや跨る部分から伸びたケーブルに縛られ、搾乳器を取り付けられた爆乳によって、女体が発する絶頂のエネルギーを巨大機動兵器の動力にされていた。


「お゛っ、お゛ぉ゛っ♥♥ もうやめっ、きもちいいのだめぇえぇえぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥」


 定期的に注入される快楽物質によって、アニエスはコックピットの中で幾度となく絶頂し続けている。全天周囲モニターが感知した敵意は、己の裸体が誰かに見られているような羞恥を彼女に味わわせた。


【快楽定着率70%。最終シークエンス開始】


 イキ潮と母乳を噴くアニエス。無機質なアナウンスと共に目を覆うバイザーに怪しいレンズがついた頭部メットが結合し、最終シークエンスの準備が完了した。

 その時、全天周囲モニターが裏解決屋事務所の仲間たちを映し出したが、ちょうどメットから解き放たれたコードが耳と鼻の穴に入れられた衝撃もあって、アニエスは認識することができなかった。


「ぶごっ、んごぉぉぉぉぉぉ……っ!?♥♥♥」


 認識していれば、あるいはアニエスは心を奮い立たせることができたかもしれない。だが、己の機体が相対する〝敵〟でしかない以上、アニエスが抗える可能性は0に等しいものとなった。


「あ゛っ……んぎゃっ、あ゛ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!♥♥♥♥」


 恥部だけでなく耳や鼻まで入れた穴という穴から、アニエスの脳天に洗脳用の電流が流れ込み、今まで以上のとてつもない快楽に彼女は舌を突き出して絶頂することしかできない。


「あひっ、はへっ、おほぉぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥♥♥ しょこっ、あたみゃも、たいせつなところっ♥♥♥ ぜんぶきもひいいぃぃぃぃっ♥♥♥♥♥」


 舌足らずに喘ぐアニエスは、巨大機動兵器の主砲が生き残った仲間たちに狙いを定めていることに最後まで気づくことはなかった。


「イグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!♥♥♥♥♥」


 我を忘れるのも必然であろう特大のアクメをキメた直後、その絶頂を吸い上げた巨大兵器最大の主砲が辺り一面を焼け野原にした。

 全天周囲モニターでも仲間たちの行方を探ることが不可能なほど破壊される。絶望を生み出してしまったアニエスは、絶頂の余韻で口から涎を垂らして、快楽に溺れただらしのない顔を晒していた。


【全シークエンス完了。洗脳プログラム解除。生体ユニット・コアブロックニ移行】


 プシュウと音を立て機械から解放されたアニエスの身体は、コックピット後部に〝組み込まれ〟た。

 手足を大きく開いた姿で機械の一部となったアニエスは、裸体にエネルギー徴収用のプラグが刺さった無様で卑猥な姿で顔を晒す。


「あへぇぇぇぇ……♥♥♥♥」


 それは、機械のコアにされる敗者の姿に相応しいドスケベと言えるくらいの惨めなアヘ顔だった。

 全く同じ姿のレンとナーディアをエネルギー源とする僚機と共に、共和国を制圧していくアニエスの駆る機動兵器。凶悪な機械を全裸で爆乳を揺らすうら若き少女が操る、否、操られるという無様な結末を迎えた物語によって、世界は無能の支配下に置かれることになる――――――――



【バッドエンドⅡ・洗脳ヒロイン兵器】





       GAME OVER





【コンティニュー︰BOSSバトル終盤】



「ふふ、この〝お茶会〟もそろそろお開きかしら」

「武器を捨ててください。あなたの負けです!」


 如何に有能な部下を揃えたとしても、指揮官が優秀になるわけではない。

 どこまでも無能な男は、三人と戦えるだけの戦力を揃えたにも関わらず追い詰められていた。壁際に追い込まれて逃げ場がなく、さしもの男も苦虫を噛み潰したような表情で呻く他ないが、それだけの気力か残っているということでもあり、彼を見てサディスティックな微笑みを浮かべたナーディアが言葉を重ねた。


「今降参したら、ちょっと痛いくらいで済ませてあげるよ〜?」

「ふ、ふざけるな! ワシはこんなところで終わる人間ではないのだ……こ、こうなれば、喰らえ!」


◆ムノーダムはアーツ『思考改変銃(?)』を発動した!


 彼は苦し紛れに隠し持っていた銃を構えて三人を撃ち抜く。それはやはり音も光も発しない特殊な銃撃で、レンたちは為す術なく撃ち抜かれる――――――――





「なにぃ!?」


 はずもなく、三人ともシャードによる防壁を使用して銃の効果をシャットアウトした。レンたちは驚愕するムノーダムに余裕の笑みを向ける。


「生憎、あなたみたいな人から二度も同じ手は喰わないわ――――――これで、終わりよ!!」

「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁ!?」


 レンが放った大鎌の一閃がムノーダムを斬り裂き、彼は無様な断末魔を上げてその場に倒れた。事件の元凶を倒したことで、アラミスの混乱は早期に収まり解決に向かうだろう。

 事件を速やかに解決へと導いた三人は、清々しく笑い合う。数多くの壁を乗り越えてきた三人からすれば、ムノーダムなどという小物に苦戦するわけがなかったのだ。


「終わり、ましたね。はぁ……疲れましたけど、何だか気持ちいいです♥」

「悪い人を何も考えないで爽快に倒せると、こんなに気持ちいいだねぇ〜♥」

「ええ。何だかイッちゃいそうなくらい気持ちいいわ……♥ さ、二人とも。お茶会は後片付けまでしっかり、ね♥」


 可愛らしくウィンクをして勝利を宣言したレンに、アニエスとナーディアも続いた。彼女たちの戦いは終わった。気高く美しいヒロインたちがいる限り、アラミス学園の平和は保たれ続ける……?



【エンディング(?)・平和を取り戻したヒロインたち……?】






【状態異常『睡眠』・在り来りなデバフ。成長したキャラクターたちが掛かることは殆どなく、掛かったとしても攻撃を受けた場合すぐに回復する、はずである???????????――――――――――――――――――――――――】




「ん゛ッほお゛ぉ゛ォ゛ッ゛!!?♥♥♥♥」


 レンは〝目覚めた〟その瞬間、とてつもない快楽に野太く下品な悲鳴を張り上げた。正確には受けた快楽が限界に達したことで目覚めたのだが、把握できるわけがない。


「お゛っお゛っお゛っ!?♥♥ な、なにっ、がぁぁぁぁぁぁぁ!?♥♥♥」


 彼女は身動きが取れないまま秘部をドチュンドチュンと力強く突き上げられ、わけもわからず涎を垂らして喘ぐことしかできなかった。



 レンの戸惑いと快楽が混ざり合ったおかしな顔をモニタ越しに眺めたムノーダムは、耳障りな笑い声を上げる。


「ムハハハハ、やっと目が覚めたようだなぁ。こちらが先に飽きてしまうかと思ったわ、ガハハハハハハハハ!」


 その声は一方的であり、レンに届くことはない。彼女の下半身は遮られた壁の向こうで、ガニ股を描いた無様な格好で犯されている。

 尻肉に腰が乱暴に打ち付けられる感覚を、二穴に何日分かというほど注ぎ込まれた白濁の汁のおぞましい感覚を、掻き回すように犯される感覚をレンは感じることしかできない。動くことのできない『壁尻』として、無様にデカケツを突き出している。ムノーダムは事態を飲み込めずみっともなくよがり狂うレンを壁についたモニタ越しに楽しみながら、無駄に絶倫なチンポでレンのマンコに二度、三度と中出しする。

 レンのデカケツの左右にはアニエスとナーディアのケツ肉もあり、ビクビクと痙攣して大量に書き込まれた正の文字を揺らしている。秘部の毛は長く、精液を十全に滴らせて汚い。陰毛の長さは、それだけの時間〝眠って〟いた証左だ。


 『思考改変銃』の対策をして防いでみせたレンたち。確かに思考改変を防ぐことには成功したのだが、銃はまたも本来の機能から逸脱し、強制淫語同様に未知の効果を発揮した。

 それは何の変哲もない睡眠アーツに変化した。攻撃を受ければ即座に解除される程度の低い睡眠状態。しかし、ムノーダムの行動はことごとくが攻撃という概念から外れていた。そうして極めて幸運な男は、レンたちをアジトに連れ込み、目覚めるまでの数日間ひっきりなしに使い倒した。もちろん性的な意味で使っていたため攻撃の判定を受けず、レンたちは取り返しのつかない時間、こうして眠り続けていたのだ。


「さて、そろそろ残りにも起きてもらおうか。おい、例のものを持ってこい!」


 レンを犯しながら戦闘員に指示を出す。彼女たちはすぐに命令を実行し、眠るナーディアとアニエスの尻肉にあるものを差し向ける。


「やれ!」


 ジュウジュウと音を立て、焼き鏝が二人の汚れた尻肉を熱で炙った。


「みっ――――いぎゃあ゛あ゛ぁぁあ゛ぁぁあ゛ぁあ゛ぁっ!!♥♥♥♥」

「あづい、あ゛づいぃいぃいぃいいいいいいい゛ーーーーッ゛!!?♥♥♥♥」


「ひ、ひぃぃぃぃ……!?」


 己の隣でナーディアとアニエスが瞼を開いて、そのまま白目を剥いて凄惨な悲鳴を上げる姿にレンが歯をカチカチと鳴らして震え上がった。

 二人の尻に焼印が施される。改造された肉体は『負け犬』の文字が刻まれる間、鮮烈な熱量を全て絶頂に変換してナーディアとアニエスをイキ狂わせる――――――無論、すぐにレンの番が来る。


「貴様はワシがしてやろう! 何案ずるな、綺麗に刻んでやるとも、ムハハハハ!」

「いやっ、いやっ、やめてぇ! たすっ、たすけてっ、だれか、だずげでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」


 聞こえていなくともその熱は、屈辱感は嫌でも伝わる。ケツを振って『ぶびっ♥』『ぶぼっ♥』と汚らしいザー屁を吹き散らかしながら必死に助けを求めるレン。

 その数秒後、無慈悲にもレンの尻肉に焼き鏝が押し当てられた。


「ホ゛ギョォオ゛オ゛オ゛オ゛ッ゛!♥♥♥♥ イギッグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ゛ッ゛!!♥♥♥♥♥」


 夢想から目覚めるには充分な絶頂のマグマに、レンは無様な雄叫びを上げた――――――彼女が夢を見ることはもうない。観測された現実の中で、無能な男の負け犬肉便器としてイキ続けるのだ。




【トゥルーエンドⅠ・夢から覚めた壁尻仔猫】



【状態異常『負け犬の烙印』・一定時間『改造』されると敗北の証として刻まれる。洗脳効果はないが、二度と消せない烙印はキャラクターの心を折る。刻まれた烙印は無意識に隠すことができず、装備が強制的に解除される】






【コンティニュー︰BOSSバトル敗北後】



 睡眠状態になったナーディアたちは、事実上戦闘に敗北したも同然の状態だった。無防備なまま連れ去られた三人は、ムノーダムの指示によってアジト内部で実験台にされた。


 アニエスは肉体改造装置の試験サンプルに。

 レンは暇潰しの壁尻肉便器に。


 そしてナーディアは、試作型の洗脳装置の実験体として起用されることになった。


「………………………………」


 洗脳用カプセルの中に立ったナーディアは、装置の干渉で睡眠状態を引き継いだままのため意識はない。スレンダーだが出るところはしっかりと出ている魅力的な肢体を余すことなく晒しながら、虚空を見つめて微動だにしない。

 抗うどころか、自分が何をされるのかも理解できない夢の中にナーディアはいる。


【洗脳プロトコル実行スタンバイ。被検体名︰ナーディア・レイン。対象の抵抗力喪失…………確認。予測成功率99.8%】


 無機質なアナウンスがナーディアの鼓膜を震わせる。それでも彼女が目覚めることはない。彼女の王子様もここまでは助けに来れない。


【洗脳プロトコル実行。人格消去・開始】


 アナウンスは無慈悲に機械音声を続けた。最後の警告である開始の合図にも、ナーディアは一切反応しなかった。

 それ故に、取り付けられたバイザーから脳に流し込まれるモノを知覚したのは、最期の一瞬だけだった。


 バチチチチチチッ!!


「お゛ッッッ♥♥♥♥」


 一瞬だけ白目を剥きかけたナーディア。その後、身体は脱力して失禁してしまう。


【人格消去・完了】


 それを恥と感じる人格はたった今、ナーディアの中から消滅した。彼女を『ナーディア・レイン』たらしめる記憶は跡形もなく、味気ないほど静かな最期を迎えたのだ。断末魔が『お゛ッ』などという成人男性顔負けの野太い嬌声、白目を剥いて脱力失禁という浮かばれない終わりを一片の慈悲なくナーディアは迎えた。


【最新式洗脳プロトコル実行。識別名ナーディア・レイン。上級仮想戦闘員改造、実行】


 空っぽになったナーディアの身体は、これから試作型の洗脳装置のデータを取るための改造に晒される。人格消去までは簡易洗脳装置と同一の規格だが、この先は最新型や他の機械から取り出したシステムが多数導入されている。洗脳の過程で失われる対象の戦闘能力をどこまでの改造なら保持できるか。我が儘で無能な主の期待に応えるために、戦闘員たちが保有する技術を何日にもわかってナーディアの、いいや『最新型洗脳戦闘員』のプロトタイプに注ぎ込むのだ。


「あびょっ、ほに゛ょ゛に゛ょ゛に゛ょ゛!?♥♥♥ お゛ぎュッぐお゛お゛っお゛っお゛っあ゛お゛〜〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥ いぎゅゥ、ほぎゅうぅうぅオオオオ゛オオ゛オ゛ォオぉぉォォォおぉぉのほぉおぉ゛お゛お゛ぉッ♥♥♥♥」


 ナーディア・レインの人格を喪失した肉体は、流し込まれる情報を快楽と認識して奇っ怪な雄叫びを上げた。身体中から体液という体液を垂れ流して、最初に覚えるべきことはムノーダムへの絶対の忠誠心。

 少女の身体は緩やかに右手を上げて敬礼した。本来の持ち主から離れた肉体が、無能な主への真なる隷属に目覚めた証を立てる。


「んぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥ ムノーダム様に忠誠、イクッ!♥♥♥♥ アクメイクッ!♥♥♥♥ 気持ちいい忠誠アクメ気持ちいいきもちいいきもちいい!!♥♥♥♥♥ 忠誠アクメイグゥゥゥゥゥッッッッ!!♥♥♥♥♥♥」


 着ている方が恥ずかしい戦闘員のスーツ。それを纏う時、彼女の身体と人格はスーツより余程恥ずかしいものになっているかもしれない。その結末が観測されるまで、そう長くはかからないだろう――――――――



【トゥルーエンドⅡ・失敗が約束された新型洗脳装置の実験体】


【エネミー『最新型洗脳戦闘員』・上級戦闘員のなり損ない。実験中、開発主任が余分な機能を入れるよう無能な指示を出したことで計画は早期に頓挫。結果、最新型とは名ばかりで予定能力に遠く及ばない性能まで落ちた。能力は通常の戦闘員と変わらず、多少武術を積んだ者なら一蹴できる雑魚敵。


ヒロインとしての特別性、尊厳、名前すらも失ったモブエネミー。もし会敵したならば、変わり果てた姿に正体を突き止められないまま倒すことになるだろう】



       GAME OVER



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読んだ後のシンプルな感覚で投票いただければと思います。一応、レンたちの勝利エンドの構想もあるっちゃあるので。



Comments

Hagoromolibido

超大作過ぎて震えました…

chicory

中間の『???』選択肢が気になる 2回目の選択肢かな