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いつもご支援ありがとうございます。更新が遅れたことを謝罪いたします。

理由は単純に出せるストックが薄かったのと、うち一つがこれだったので物凄く躊躇いました。書く際の躊躇いから書いた時のノリノリ感……手を出して良かったのか今でも悩んでいる一作です。

これまで以上にマゾ要素が強く、士織ちゃんがエレンにひたすら虐められるお話です。ちなみに想定の二割も進んでいないので一応その一としていますが、反応が悪かったらこのまま眠りにつくシリーズです。


私が本気で書いたマゾ向け作品、久しぶりに読めるものなら読んでみろと言わざるを得ない。よろしくお願いします。


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 少女が気づいた時には金属製の椅子に座らされ、来禅高校の制服を身につけた姿で、手足を頑丈な手錠で戒められていた。


「何のつもりだ……!」


 黒のスーツを着た金髪の少女に、拘束された少女が叫ぶ。事ここに至って、一つだけ認識に過ちがあるとするならば――――少女は少女ではない。少女にしか見えない〝少年〟だった。

 五河士道、この姿では五河士織と名乗る少年はある敵対組織の長の手で囚われの身となってしまった。その長というのが金髪の少女であり、世界を変え得る力を持つ精霊を付け狙うデウス・エクス・マキナ・インダストリーの総括、及び魔術師部隊の執行部長、エレン・メイザース。

 立場の強さを十全に理解しているのか、エレンは凄む可憐な少女の如き容貌の少年にニコリと微笑を返した。


「何のつもりとは? 私は貴方と話し合いの場を持ちたいと考えて、当社へご招待させていただいたまでのこと……歓迎しますよ、五河士道。いえ、五河士織とお呼びすべきでしょうか?」

「どっちでも、あんたに呼ばれる筋合いはない! こんなところに閉じ込めて、何が話し合いだ」


 無骨な機械仕掛けの部屋に、手足を硬く戒める拘束椅子。これから拷問や肉体改造を始めると宣言された方が、士織はまだ信じられた。

 自分一人でこの拘束を破るのは不可能。まして、目の前の相手は霊力が限定されていたとはいえ、精霊の一人を軽々とを打ち破るほどの魔術師、最強の魔術師(ウィザード)なのだ。

 予想だにしない邂逅による囚われの身となった士織だが、彼女の目的は以前から度々あった接触で彼もよく知ること。そんなエレンへ簡単に頭を垂れる心はなく、従ってやる義理もなかった。


「見解の相違ですね。精霊と深い繋がりを持つ貴方を歓迎するのに、テーブルを並べて呑気にお茶会を……などと、考える方がおかしいとは思いませんか?」

「っ!」


 やはりそういうことだ、と士織は視線だけは鋭く必死にエレンを睨め付けた。彼女の狙いは士織と通じた精霊たち。彼女たちの霊力を封印し、エレンの言う深い繋がりを持つ士織を捕まえ、何かしでかそうというわけだ。

 目的がハッキリした以上、士織の抵抗は尚のこと激しさを増す。もっとも、可愛らしい乙女の姿で拘束された少年が、人類最強の力を持つ上位存在に睨め付ける以外の行為ができるわけではない。そして彼の視線は弱者のそれとして呆気なく受け流され、エレンは涼し気な顔で彼の前に置かれた椅子に悠々と座った。


「手荒い真似をしたことは謝罪しましょう。しかし、こちら……いえ、私の方針が変わったが故のことであるとご理解いただければ幸いです」

「御託はいい。俺に何の用だ……何をするつもりだ」


 芝居がかった大仰な振る舞いにうんざりした士織が、今度は最初よりも単刀直入に問いかけた。

 不意を突かれ、DEM本社ビルの奥深くまで連れてこられた。精霊保護組織〈ラタトスク〉の目を掻い潜った敵ながら鮮やかな手並みではあるが、もちろんかなりのリスクを伴う行為だ。如何な最強の魔術師と言えど、怒り狂った精霊全員を相手取るのは利口な考えとは言えない。

 そこまで考えた士織がハッと目を見開いた。


「……まさか、俺を使ってみんなを誘き出すつもりか!?」

「少し違います。貴方を利用して、というところまでは合っていますがね」


 応えたエレンは彼へ見せつけるように自慢の美脚を組み、整った顔立ちを温厚な微笑みに変えて言葉を重ねた。


「あなたに習った単刀直入な要請です。五河士織、私のモノになりなさい」

「は?」


 士織の間の抜けた吐息を境に、部屋の中に静寂が訪れる。彼はエレンの言葉に手足をもがくことも忘れ、ポカンと大口を開けた。これほど呆れ果てたという言葉が似合う表情もあるまい。


「おや、驚くことがありますか? 貴方の価値は先に告げた通りです。ならば、貴方さえ堕ちれば精霊の〝反転〟は容易である。論理的な思考に基づいた提案でしょう」


 理屈の上では確かにそうかもしれない。エレン、ひいてはDEMが求める精霊の反転現象は、彼女たちの深い絶望をトリガーとして引き起こされる。深い情愛で結ばれた士織が彼女たちを裏切れば、精霊たちは間違いなく反転する。

 だが、それはあくまでも理屈の上での話だ。鳩が豆鉄砲を食らった顔の表す意味が分からないエレンではないだろうに、なぜ彼女は感情を度外視した提案を行ったのかと士織は疑問を覚えつつ、キッと尖らせた視線で応えた。


「お断りだ。っていうか、なんで俺が頷くと思うんだ?」


 士織が何度DEMのせいで命の危機に陥ったか。何よりエレンたちは幾度となく精霊たちを付け狙った前科を持つ。こんな拘束した姿で脅しながら交渉する敵組織の長に対し、士織が『はい』と頷き従う理由は皆無。驚愕などより呆れが遥かに勝る提案だ。


「でしょうね。〝今の〟五河士織が私の提案に頷いてくれるとは考えていませんよ」


 否定の言葉を聞いたエレンが、士織に向かって肩を竦めて意味ありげにほくそ笑み言う。

 もしかすると自分をからかって遊んでいるのかもしれないと。無理な要求をしてから、凄惨な拷問にかけるつもりなのかと士織が疑いの目を持ち始める。


「それはより惜しい考えです。まあ、貴方のような人間に拷問が意味をなさないことは知っていますから」


 要するに拷問だが、士織の考える拷問ではないと。疑念が益々深まるばかりの答えに訝しげな表情を見せた士織に、エレンは〝可愛らしい〟とでも言いたげな嘲笑を露にした。


「これは分からない、と。やはりまだ子供ですね」


 思考を先読みされた挙句、分からなければこれだ。挑発に乗せられるかと士織は苛立ちながらも素面を貫いた。


「ふふ♥」


 それがまた〝可愛い〟とエレンは唇をペロリと舌で舐めた。それは魔術師が敵を無慈悲に屠る時のモノとは違う。獲物を前にした雌の舌舐りだ。

 士織はそれでも気が付かない。似合いすぎる女装をさせられているためか、あるいはエレンがそんなことをするはずがないという思い込みか。年頃の少年なら、エレンほどの美少女を見て一番安直な考えに至ってもおかしくはなかったであろうに。


「では、籠絡の拷問を始めましょう。言い得て妙ですが、この場で頷かなかったことを後悔はさせませんよ」


 結局、士織は最後までエレンの真意を見抜くことはできず、彼女が立ち上がって自身へ近づいてくる光景にゴクリと息を呑み込む他なかった。

 殺られるとは思わない。殺すならもっと早く、それこそ一瞬で殺されていることを士織は知っているからだ。故に何をされるか分からず、愛らしいその容貌を伏せて目をギュッと閉じる。


 むぎゅうぅぅぅぅ……♥


「んぐ……!!?」


 目を強く閉じるよりずっと優しく、柔らかい感覚が士織の顔面を包み込んだのは、まさにその時のことだった。

 次の瞬間、士織の鼻腔を甘い香りが擽った。花のように芳しく、少女特有の甘い匂い。だがどこか大人びてもいそうな、エレン・メイザースの容姿に相応しいモノだ。

 急いで目を開くと、士織の視界いっぱいを透き通るような白磁の肌が埋め尽くしていた。端には彼女が着ていた高級なスーツの細やかな生地が映っている。そういえば、今日のエレンはスーツの下にシャツを着ず、乳肌を露出した大胆な装いだったことを思い出した。


(!!?)


 だからどうした。全く意味が分からない。なぜエレンが自分の顔を胸で抱き込んでいるのかが、士織には皆目見当もつかなかった。

 エレンの乳房はかなり大きい。彼の知る少女たちの大きなモノにも負けず劣らずだろう。普段は意識するはずのないモノだが、彼とて男だ。こんな風に生に近づけたおっぱいを押し付けられては意識せざるを得なかった。

 意図は相変わらずまるで理解できないが、何があっても従うわけにはいかないという本能が士織の息を堰き止めた。これ以上、エレンの匂いを吸うのはマズいと分からないなりに本能で感じ取ったのだ。


「うふふ♥」

「ん、ぐ……うぅぅ……っ」


 そんな抵抗にもならない行動をエレンも相変わらず〝可愛らしい〟と嗤って、より乳房での圧迫を強くする。二の腕と腋で士織の顔を挟むように閉めて、おっぱいから決して逃さぬよう谷間を鼻腔に押し付ける。

 しばらく、およそ一分ほどは息を止めていられた。だが、如何に本能が急務を告げたとはいえ、人の身で欠かせない呼吸を断ち切っていられる時間はそこまでだった。

 酸素不足で思考能力が鈍っていく。それ以上は遠退くより前に、失った酸素を取り込むべく鼻が開いて空気を吸い上げた。


「すぅぅぅ……ん゛ぉ♥♥」


 目が反転しかけるくらいの衝撃だった。異臭だったのではない。いいや、ある意味で未知の異臭ではあるか。事故で乳房を顔で味わったことはあれど、これだけの濃い匂いをじっくりと嗅いだ経験があるはずもない。

 開かれた谷間から漂う甘みが、士織の鼻梁を劈くように刺激した。人は美味の八割を香りで感じているという。士織の感じたモノは確かにその甘露だった。エレンの豊満な谷間が擦れて溜めた淫蕩なフェロモンが、見た目は少女なれど感性は一端の少年である士織の脳天を瞬時に焼いた。


「すぅぅぅぅぅぅ♥」


 数多くの精霊を攻略してきた彼でも、ここまで露骨な女の甘い香りを嗅いだことはない。エレンの確信が的を射たように、士織は酸欠で散乱した思考を纏める暇もなくしっかりと呼吸を繰り返した。エレンの谷間で、エレンの匂いを確実に〝覚えた〟。

 拘束された彼が動かせる身体の部位は少ない。だからこそ、おっぱい吸いでピクピクと跳ねるように動く腰は目立つし、何より卑猥だった。彼自身は気づいていないかもしれないが、密着しているエレンからすれば丸分かりだ。彼がおっぱいの香りで肺腑を満たし、若くて暴れたがりなモノが無意識に打ち震えていることが。


「……は、はっ♥ な、なにひへぇ……♥」

「おやおや。たったこれだけで〝それ〟ですか」


 たっぷり数分間、己の乳房の匂いを士織に吸わせたエレンが離れ、クスリと微笑を零した。

 士織はさっきまでの鋭い視線を失い、それどころか口の端から涎を垂らして舌足らずな疑問を発する体たらく。エレンが仕掛けたとはいえ、予想よりも楽な結果に笑いの一つは込み上げてしまうものなのだろう。

 だが、ある種エレンの予想通りだ。士織には純粋な拷問より、余程効果がある。正確には士織以外にも効果が感じられるはずだが、それはまだまだ先の話だ。


「ですが、拷問ですから。貴方の意識を少し意識を覚醒させなければいけませんね」


 言って、エレンは士織の股座に身体を滑り込ませた。彼の拘束は足を大きく広げるものであるため、少女の身体であれば十分に入り込めた。

 そうして、胸の匂いに放心した士織の下半身を目の前にしたエレンは、スカートを捲り上げ、彼が穿くショートパンツを下着ごと引き下ろした。


 ポロンッ♥


「ふふ、おや♥ おや♥」


 今一度、エレンは嘲笑を区切るように発した。スカートと下着を下ろせば必然、彼の女顔に似つかわしくないモノが現れたはずである。だと言うのにエレンは、それすら可愛らしいと蔑んだのだ。


「これは何と言いますか……貴方の顔と同じく、可愛らしいですね♥ 私も直接見た経験が深いわけではありませんが、年相応というには少々不足している♥ そして皮も剥けていない……ふふ、てっきり一人や二人には手を出していると考えていましたが、なるほど♥」

「へ、え……? な!?」


 逸物をまじまじと眺められ、じっくりと評価を下されてようやく士織は甘い残り香を振り払って声を上げた。

 はだけたスカートの下から、年相応から少し離れた小ぶり気味な竿をしならせ飛び出させてしまっている。


「気にしていましたか。それは失礼……可愛らしいのなら、気にすることはないと思いますがね♥」

「っ♥」


 包茎ちんぽを可愛いなどと評されて喜ぶ男はまずいない。しかし、敵の女に逸物を嬲るように見られ、蔑まれて、士織は心臓が不可思議な音を奏でたことを自覚していた。

 彼は自制心で何とか押さえ込もうとする。これはエレンの悪趣味な挑発で、何も気にすることはないと。小さいなど、彼女の独断と偏見でしかないのだと。

 もっとも、士織のペニスが女の匂いで僅かに勃起してなお一介の高校生としては少し小さめなことも、未だ皮が剥けていない仮性包茎であることも、拘束されて股間をさらけ出した状態では、エレンの意のままであることも純然たる事実なのだ。


「ふぅー♥」

「ひゃあんっ♥」


 熱くなり出したちんぽを冷ますようにエレンが息を吹きかけた。が、士織は甲高い悲鳴を上げ、冷めるどころかちんぽを熱くしてしまう。


「どうかしましたか? 息を吹きかけただけなのですが」

「そ、そんなところにいきなり息を吹かれて、驚かないわけないだろ!」

「ふふ、そういうことにしておきましょう」


 私は理解していると言いたげな笑みに士織が唇を噛み、悔しげな表情を浮かべる。男であるにも関わらず女の姿をさせられているだけで屈辱なのに、その上で男の象徴を辱められれば、我を忘れかける怒りを覚えるのは無理のないことだ。

 士織のちんぽを吐息で手玉に取ったエレンは、いよいよ本格的に〝触れ〟始めた。敵の異性である男の逸物を右手で優しく握り、左手は玉袋をギュッと握る。


「うぁぁぁっ♥ あ……や、やめろ♥」

「異性に触れられたのも初めて、と♥」


 冷静に分析をされてしまうくらい士織の抵抗は弱々しい。拘束されているとはいえ、反応の差があまりに顕著だ。

 彼とて命を狙われた女に大事なちんぽを触られ、興奮する倒錯的な趣味はない。しかし、先の匂いが鼻腔にこびりついて離れないまま、曲がりなりにも精霊たちに勝るとも劣らぬ美少女のしなやかな手に触れられると、士織は頭がおかしくなりそうだった。

 脳天を衝いた香りがエレンを敵では何かと誤認させる。精神の抵抗が揺らげば、後に残るのは絶世の美少女が自身のちんぽを優しく撫で、扱くという堪らない絵面だけだ。


「くっ♥ うぅ♥ あぁっ♥♥」


 エレンの手が竿に絡みつく。精巣をギュッギュッと圧迫されてその気になったちんぽは、エレンの手でシコシコと扱かれてあっという間に勃起の天井まで辿り着かんとする。


「あぁ、あぁぁ♥ あ、あんた♥ 恥ずかしくないのか♥ こんなことをして……♥」

「恥ずかしい? 貴方はおかしなことを問うのですね。ペットを可愛がって恥ずかしいと感じると思いますか?」

「なぁ……♥」


 人を真顔でペットと称したエレンに士織は返す言葉がなかった。思い返せば、エレンは人を人と思わない冷徹な一面があった。

 そんな彼女からすれば、士織のペット扱いはまだ上等なランク付けなのだろう。下手をすれば、道端に転がるゴミや飛び交う羽虫の方が彼女の気を引くことができるのだから。


「逆に問います。貴方こそ恥ずかしくないのですか♥ 私は貴方の敵です。その敵に陰茎……いえ、おちんぽをシコ♥シコ♥と」

「っ〜〜〜♥♥」


 急に耳元であられもない卑猥な言葉を囁かれ、士織が歯を食いしばり拳を握りしめた。そうでもしなければ、弾けてはいけない何かが頭の中で破裂しそうだった。


「シコシコ♥ しこしこ♥ しーこしーこ♥ ふふ、ほら♥ こんなに大きくして♥ カウパーもダラダラと私の手を汚して……女の格好に慣れているだけでなく、異性の匂いに興奮する図々しさ♥ 敵にちんぽを扱かれて勃起する厚かましさ♥ 恥を知りなさい、変態♥」

「あぁぁ……くっ……うぁぁ……違う♥ 違うゥゥッ♥♥」


 いくら言葉で否定してもちんぽはエレンの手に夢中で勃起し、皮の内からトロトロと我慢汁を滴らせる。

 美少女に耳元で罵倒されながらちんぽを扱かれる。ある意味では垂涎物の体験だが、今の士織には苦痛でしかない。快楽を感じてしまっていることそのものが、士織の心を酷く痛めつけていた。


「否定するならもっと強くなさい♥ でないと私も、より本気で虐めたくなってしまいます♥」


 言って、エレンは扱いていた手を止めて勃起ちんぽの先端、その余った皮を剥き始めた。勃起してもなお頑固に赤みを守る臆病な皮をカリ首が見えるまで捲る。


「んひぃ!?♥♥」


 遂に亀頭が顕になった。カウパーをダラダラと垂らしすぎて真っ赤に光っている。プルプルと惨めに震える亀頭を見て唇に弧を描いたエレンは、髪をかきあげながらちんぽにその口を近づけた。

 塗られた薄紅の唇が艶めかしく、士織は思わずゴクリと息を呑んだ。彼にとって思わず想起したものは人並み以上に深い意味を持つ。


「ふ〜〜〜っ♥」


 だが、士織の予想通りには勿論いかず、エレンの唇は亀頭に触れることなく再び息を吹きかける。


「はぁぁぁぁ〜〜んっ♥♥♥」


 薄皮一枚に守られていた時とは訳が違った。士織は自慰行為で得る射精など及びもつかない快感で脳髄を焼かれ、声高に何とも情けない声を上げてしまう。男しては最高にみっともないが、少女顔としては最高に似合っている。少女の顔に男のモノを持つ士織ならではの矛盾した嬌声だ。


「キス、されると思っていましたか♥ 残念……まだ、差し上げませんよ♥」


 少なくとも、貴方が私のモノになるまではね。そう囁くエレンに士織は身を震わせた。

 つい十数分前までの士織なら、決して返答に迷うことのなかった言葉だ。が、今はできない。それだけ快感で脳の処理が溶けている。気の迷いと言える段階とはいえ、躊躇いを咄嗟に否定できないのは確固たる事実だ。

 五河士織は、エレン・メイザースの性的拷問に強固な意思を犯されていた。


「さあ続けましょう。逃げてはいけませんよ……逃げられるとは思えませんがね♥」


 肉体的にも精神的にも無力な士織(雑魚オス)が、エレン(上位存在)から逃げられるはずがなかった。


 くちゅくちゅくちゅくちゅ♥


「んっんんーッ♥ あ、あっひ♥♥ あひぃぃ♥♥♥ だめぇ♥♥ つよいっ♥♥ 声♥ 変な声出るぅぅぅぅ♥♥♥」


 エレンの手のひらが竿から離れ、亀頭全体を包み込むように撫でる。少女の柔らかな手のひらはカウパーと絡み合い、亀頭に得も言えぬ甘美を与えた。

 無論耐えられるはずがない。亀頭はちんぽの中でも特に敏感な部位で、士織のように仮性包茎で包まれた童貞亀頭であれば殊更嬌声を抑えられる理屈はない。

 口を半開きにして首を反らした士織が、涎や鼻水をみっともなく零しながら無我夢中で叫ぶ。


「男のモノを刺激されながら、女のように喘ぐ。本当に、度し難い変態ですね♥ 貴方のような弱々しいオスのことを、世間ではマゾと呼ぶのですよ♥ ちょうどいい名です。返事をなさい、マゾペット♥」

「ちがっ♥ マゾじゃないっ♥ おれはっ♥ マゾじゃ、なひぃぃぃぃぃぃんっ♥♥♥」


 カリカリカリ♥ カリカリカリ♥


「んぐっ♥ ん゛ん゛っ゛♥♥♥ んあ゛ぁぁぁぁぁ♥♥♥」

「声を我慢できるなどと思わないことです♥」


 亀頭を爪先で引っかかれ、湯水の如く淫汁を吐き出す鈴口の近辺を疎らに刺激されて士織は言葉にならない声を上げた。


「あっあっあっあ♥♥ あぁーっ、うぁぁぁぁぁぁぁ……っっ♥♥♥」

「啼け♥ マゾの啼き方を覚えなさい♥ 貴方が覚えることは山のようにあります。声を噤む余裕があるはずがないと知りなさい♥」


 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ♥


「くぅ♥ ふ、ふーっ♥ んぐぁあ♥♥ あっ♥ あぅ ♥ あぁっ♥」


 亀頭がひたすらに撫で回される。腰がガクガクと怪しく痙攣して、士織の感じるモノが如何に大きいかが顕著に現れていた。

 しかしエレンは手を止めず、執拗に手のひらで亀頭だけを責め立てる。


「弱い♥ あまりにも弱い♥ 少しは骨のある人間だと思っていたのですが、ちんぽが雑魚すぎる♥ 小さい癖に亀頭をこんなにも腫らして……ふふ、もう出したいですか?♥」


 ずぷっ♥ ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ♥


「お゛ごっ♥ ふっふっふ、おぉぉっ♥♥ ふう゛ぅぅぅぅぅ♥♥♥ お゛ぉぉぉぉぉぉ!?♥♥♥」

「駄目です♥ 指を咥えて〝待て〟しなさい♥ 射精は、マゾペットのモノを覚えてからです♥」


 クパクパと卑猥に開閉する尿道口に小指を差し込まれ、グチュヌチュと掻き回される。女の秘部とは全く話が違う小穴だが、エレンの華奢な指先と我慢汁の吐き出しすぎで馬鹿になった穴が合わさって、本当の意味で指を咥えて〝待て〟をしてしまう。

 手コキで勃起させられただけならまだしも、敏感な亀頭を責められた士織の感覚はもう限界だった。具体的には後数擦りで射精に至る。彼のしてきた自慰行為が淡白極まりないと思えるとてつもない絶頂射精だ。


「おぉぉぉっ♥♥ で、でないっ♥ でないぃぃぃ♥ だせないぃぃぃ〜〜♥♥♥」


 射精せれば、の話をするならだ。亀頭責めは言うに及ばず、尿道の出口を塞がれては出せるものも出せない。絶大な射精感と尿道を塞がれる違和感に苛まれた士織は、我もマゾと呼ばれる屈辱さえもこの一時は忘れ、間の抜けた悲鳴を上げた。

 当たり前の感覚を当たり前に言葉にするくらい士織には余裕がない。目に大粒の涙を浮かべ、鼻の下を伸ばした情けないトロ顔で暗に射精を求める。


「分別過ぐれば愚に返る。その心に一片でも迷いがあるのなら、私に懇願なさい。そうですね。マゾペットに向けた最初の一歩となれば、簡易的で構わないでしょう……『マゾちんぽをイカせてください、お優しいエレン様』と言えば、一度だけ射精させてあげます♥ 言え、マゾちんぽ♥」


 男女の概念の前に人であることを放棄するとしか考えられない言葉で、たった一度の射精を許す。肉体的な代償はともかくとして、それは精神に重大な欠損をもたらすものだった。口にすれば間違いなく、士織がエレンに屈服したと取られてしまう。


「い゛っ、い゛わない゛ぃ〜〜♥♥」


 だから士織は拒否しなければならない。たとえ射精できない苦痛の叫びの延長線上で、勇ましさなど皆無のマゾ悲鳴であろうと、彼は精霊に慕われる少年の心を捨てなかった。辛うじて、ではあったのだけれど。


「……そうですか」


 エレンの瞳は士織の間抜けな返答に今度ばかりは満足しなかった。冷たく細められたアメジストの瞳に、士織がひっとか細い悲鳴を上げようと口を大きく開いた。


 ぐりゅっ♥


「んグぅー!?♥」


 口の中に何かをはめ込まれた。それがボールギャグと呼ばれる、空気と唾液を排出する細かな穴が開いた口枷だと気づいたのも束の間、士織はマゾらしく意味を素早く理解してサッと顔色を青ざめさせた。とはいえ、頬と耳が再び真っ赤に染まるのに十数秒とかからないだろうが。


「頑固な貴方に免じて、もう一度だけチャンスを差し上げます。私の手で射精させて欲しくなったら、どうぞいつでも、大きな声で、先の言葉を復唱してください」

「んっ、んぐっ……っ!♥ ん゛む゛っ…!♥ ん゛ーーっ!♥」


 失言の一回はなかったことにしてくれると言うエレンは、確かに慈悲深い心の持ち主であろう。士織はそれに感謝を示し、誠心誠意の射精懇願をすることで今ある苦心から解放される。

 言いたくないのならそれでいい。彼は彼のままでいられる。そうでありたいというなら、望むのなら、口枷は紛うことなく士織の味方だ。


「それまでは慈悲深い私が貴方の前に現れることはないと知りなさい。では――――――覚悟しろ。マゾペットが主に逆らっていいと思うな」





「5分経過。再開します」


 時の経過を無機質に告げる冷たい声色が響く。くぐもった少年の悲鳴など聞こえていないかのように、エレンはスラリと伸びる指先を竿に絡ませる。


 ぐちゅっ♥ ぬぢゅ♥ ぬちょぬちぃぐちゅっぐちゅっ♥


「しこしこしこ。しこしこしこ。しこしこしこ……はい、休憩。次の再開は10分後です。……なんですか? 不満があるなら言ってごらんなさい」


 秒間にして数十とない時間、エレンは休憩の間にも一切乾くことなく濁流を滴らせるちんぽを扱いた。当然、イケはしない。少年の目は不満というよりは苦痛を露にしていた。が、塞がれた口がエレンの鼓膜を言葉で震わせることはない。


「再開。しこしこしこ、しこしこ……休憩。次は15分後です。……はぁ、またその目ですか。言いたいことがあるならハッキリ言ったらどうです?」


 どの口が、そのような素面で言ってのけるのか。もちろん、ビンビンに滾ったちんぽをたった数度擦り、またも伸びた休憩を与えたエレンが言う。

 あとほんの数擦りでイケる。けれどイカせてもらえない。ギリギリのラインを見極められ、頂点に達する寸前で刺激が離れていく。休憩の数分、数十分、あるいは体感で一時間。幾度となく射精寸前まで持っていかれた感覚は、どんなに時間をかけても引くことなく固定化される。

 故にエレンの言う休憩などありはしない。性感極まったちんぽはビクンビクンと哀れに泣き喚き、脳髄は寸止めされた絶頂を求めて覚醒し続ける。脳天が数える一秒が一分、十分、一時間と加速度的に伸びていく。


「15分経過。不満がないようなら、再開します」


 ぐぢゅ♥ ぐちゅ♥ ぐぢゅ♥ ぐぢゅ♥


「しこしこしこしこ……休憩。次は30分後」


 ずちゅうぅぅ……にゅるっぬぷちゅぅ……♥


「し〜〜〜〜〜こ。し〜〜〜〜〜〜こ。はい、次は一時間後です。ふふ、今のも立派な扱きです。もっとして欲しいならそう言いなさい」


 たった数度の擦りで休憩。行き来をとてつもなく長くされて休憩(お預け)。


 ちゅこちゅこちゅこちゅこちゅこっ♥


「しこしこしこしこしこしこしこしこ……休憩10秒。ほら、短くして差し上げましたよ。言葉を使わないマゾペットは咽び泣いて喜べ。再開」


 かと思えば急に秒数を極端に縮められ、ろくな休憩がないまま手で竿をストロークされる。ともすれば射精しかねないが、目に見えない圧迫感が竿の根元を締め上げ、どんなに短すぎる扱きの感覚でも決して射精はさせない。待ち焦がれたはずの断続的な扱きは、射精機能の強制停止によって頭が狂いそうな地獄に変わる。それはエレンが言った拷問というものの本来の意味で言えば正しいが、正しさが苦痛に変わるのが拷問だ。

 長時間の休憩でさえ射精寸前の感覚が抜けなくなったのだ。寸止めの感覚が極端に短くなればどうなるかは火を見るより明らかだった。士織のちんぽは火を付けられた悲鳴の代わりとばかりにカウパーをびゅるびゅると吹き出すが、肝心の白濁液は一滴足りとも零れはしない。

 ちんぽが痙攣しない時間はとっくの昔に無くなった。カーディガンが変色するほど涎を滴らせた口はもはや言葉を発することを諦め、懇願の代行をカクカクと震える腰に任せていた。


「再開……休憩……再開……休憩…………ふぅ。もうこんな時間ですか。私も少々休息を取ります。そうですね、じっくりと3時間ほど身を休めてきます……はぁぁぁ。何度言わせるつもりですか。言いたいことがあるなら、口に出せと教えている。早く言え、ちんぽマゾが」


 ベチンッ♥


 手を上げられ躾られたちんぽが左右に揺れて飛沫を上げる。普通なら痛みしか覚えない平手打ちも、絶頂感が極限まで高められた今ならば快楽に変わる。快感が紐づけられ、脳が苦痛ではないと誤認する。

 何度言い聞かせても〝聞かない〟士織を置いて、エレンは本当に退席してしまった。

 長く辛い時間が始まった。数分ですら小一時間に感じる士織の感覚で、エレンが宣言した休息の時間を正確に測ることなど不可能だ。辛く、ただ苦しい。彼女に従わないことが如何なる苦痛をもたらすかを如実に表している。

 エレンが不在の間に何とか射精しようとした士織だが、腰を左右にくねり、前後に振るだけが限度いっぱいのマゾちんぽが射精へと到れるはずがない。仮に空気を切る自慰行為で射精できるほど感覚が高まっていたとしても、実際に射精することは、エレンの並外れた随意領域(テリトリー)の制御によって不可能なのだと士織は気づいていなかった。

 徒労に終わる努力をくぐもった吐息と共に重ね続け、無意識に射精感を留め置く微弱な腰振り刺激を行うこと数時間後、部屋に再び光が灯り、無骨な機械の扉がピピッと音を立て開いた。


「お待たせしました。3時間と30分、私としたことが時間の計算を間違えてしまったようです。マゾペットの貴方と違って、しなければならないことが幾つもありますから。どうか寛大な心で許しなさい」


 遅刻を許す、許さないの権利すらエレンが握っている。徹底的な上下関係が一方的に躾られる中、腰振りちんぽをピクピクと痙攣させた士織は、エレンの言葉よりその姿を目にし血流を駆け巡らせていた。


「ああ、私の格好が気になりますか? この部屋は私の自室と直通ですから。ペットの躾にわざわざスーツを着ることもないでしょう」


 そう言ってエレンは、たわわな胸元が顕になり美脚まで存分に映えるバスローブを纏った格好を惜しげも無く士織の前で披露した。

 女が男の前で風呂上がりのバスローブ姿を晒す意味は二つに一つ。意識をする異性への性的なアピールか、本気で性的な対象にしていないかだ。

 しかし、エレンの士織に対する感情はそのどちらでもないことが読み取れた。エレンは士織を性的な目で愛でていながら、人間のオスとしては識別していなかった。肌色成分が多量に含まれた扇情的な装いも、ペットを躾けると考えれば意味合いは〝ラフな格好〟で留まる。

 要するにエレンは士織を敵の異性ではなく、警戒する必要が全くない無力な飼い犬くらいにしか考えていない。家でペットを愛でるのに肌を晒して、見られて恥ずかしがる人間はまずいない、ということだ。

 どこまでも徹底的に男として、人として下に見られ蔑まれ、大胆な露出の美少女に逆に辱めを受ける。精神的な屈辱は計り知れないはずだが、士織は抵抗心などまるでないような蕩けた目でエレンを見つめていた。


 ピクピクピクンッ♥


「ふふ、私の匂いに興奮しているのですか。どうやら、マゾ犬として大事なことをようやく覚えられたようですね。愚鈍ですが、一つ賢くなったことは褒めて差し上げます」


 風呂上がりの少女の香りは甘く濃厚だ。こんなにも〝良い〟ものだと士織は初めて知った。並み居る極上美少女たちの匂いを嗅ぐ機会は何度もあったが、反応の差は雲泥だった。

 花の如き芳しい香りを纏ったエレンの匂いに、限界射精管理で蕩けた士織の脳内は一瞬で頭を垂れてしまう。乳房で抱きすくめられたあの瞬間を脳髄が無限に想像する。エレンの匂いは芳しく気持ちいいものだと、快感ならば求めるべきだと訴えかけてくる。

 あの匂いにもう一度包まれたなら、士織はたちまちに射精してしまうだろう。数時間の寸止めの果てに得る匂い吸いの射精はさぞ無様だろう。しかし、エレンはそれさえ安易であると断じる。


「さて、ちんぽは……まだ握るどころか、触れるだけで出せそうな状態を維持。休息が足りないようなので、代わりに別の場所を愛でて差し上げます」


 直接的な言葉があったわけではないが、あくまで与えてやるのだと鬼畜な調教の中で、さも慈悲が零れたと言わんばかりの言葉回しは、寸止め地獄が続くという絶望を暗示させるのに充分だった。


「ふ〜っ♥」


 エレンが不意に士織の耳に息を吹きかけた。耳にかけられたのに、鼻腔をくすぐる甘美な吐息に身体が跳ね上がり、平衡感覚が完全に失われた。

 ただでさえ真横につけて耳元に顔を寄せてきている。塗り変わった好みが欲する香りに包み込まれ、士織はもう何をされているか分からなくなった。目の前が見えているのに分からない。息を艶めかしい唇から吹きかけられ、わけも分からず身悶えし、ボールギャグの隙間からくぐもった喘ぎ声と大量の涎を吹き出した。

 そろそろ精液以外の体液が枯れ果てるかもしれない。ありえない錯覚を感じ始めた士織が次に感じたのは、完全に未知なる快感だった。


「今の貴方にはここが相応しい」


 ぴんっ♥


 淡々と言った端から指で弾かれ、士織は驚愕と官能の吐息を零した。

 耳に吐息を吹きかけられている間に、士織の上半身から制服が綺麗さっぱり消えていた。スカートからはだけたちんぽのみならず、オスのもう一つの象徴が露になる。膨らみが全くない平たい胸だ。

 とはいえ、絶壁の女はそう珍しくもない。彼の妹だって気がある。だから大切なのは、そこで感じるかどうかだった。


 ぴんっ♥ ぴんっ♥ ぴんぴんぴんぴんっ♥


「本来、オスの乳首は快楽器官ではない。感じて、ましてメスのように弱っちく啼く理由はどこにもないはず……ですが、マゾの犬は話が異なる」


 エレンの指先が士織の乳首を『ぴんっ♥』と執拗に弾く。すると、彼はその度に首の根を痛いくらい反り、胴体を必死にくねらせて指から乳首を逃がそうとする。それは痛いから、くすぐったいから嫌なのではなく、気持ちよくて堪らないからこその反応だ。


「ムクムクと勃起して、男として恥ずかしくないのですか。ああ、失礼。マゾペットに真っ当な人間の羞恥心を求めるのは間違いでした。では、オス乳首で、存分に気持ちよくなりなさい」


 ぴんぴんぴんっ♥ すりすりすりぃ♥ むきゅっ♥


 爪先で弾いて勃起を促し、指の平で小さな乳輪をスリスリと擦って焦らして、充血した乳首を唐突に強く抓り上げる。変化する乳首の快感に首根を反った少女顔から酷い雄叫びが轟いた。


「いい声です。ちんぽもぴくんぴくんと喜んでいますね」


 口枷も相まって聞くに堪えない品性に欠けた声のはずだが、エレンはむしろ褒めるように囁いた。飼い主からすれば、無意味な抵抗の言葉より汚い喘ぎ声の方が好ましいのだ。もちろん、抵抗は抵抗で躾のし甲斐があるのだろうけれど。


「弾く、弾く、弾く。擦り、擦り……抓る」


 ピアノを弾くかのように、音階を追うようにエレンは士織の乳首を指で嬲る。乳首を弾かれ堪らず官能の吐息が零れ、乳輪を撫でられてもどかしげな呼吸が走り、ジンジンと熱を帯びた勃起乳頭をトドメとばかり摘まれ、あられもない悲鳴が響いた。

 男の乳首は快楽器官ではない。定説が合っているのなら、乳首を虐められて嬌声を上げ、感覚がリンクしたように寸止め勃起ちんぽからぴゅるぴゅると透明な汁を噴く士織は何なのか。決まっているだろう。


「いいですよ、マゾ。このまま乳首で気持ちよくなることを許可します。最後までイカせてはあげませんがね」


 マゾ。とんでもない変態のマゾペットが当てはめられる認識の中で最も適した表現であろう。士道、士織の区分すらなくなり、彼は寸止めちんぽで気が狂いかけて乳首でメスイキしかけるド変態のマゾペットだ。

 女装男子のスケベ乳首がイカされかける。だが、エレンは宣言通り絶頂を許さない。乳首が絶頂に近づいてピクピクとあからさまに震え出したと見るや、徐に指を止めて、左胸の乳首に顔を寄せ、絶頂寸前のそれをパクリと口へ放り込んだ。


「んっ……イカせない、と言ったでしょう。ちゅ、ちゅる……」


 涎を溜め込んだエレンの口内に包まれた左乳首から快感が迸り、閃光が瞼の裏で眩く明滅した。絶頂寸前まで熱された乳首は、生暖かい口内ですらひんやりとした状態だと錯覚する。

 エレンは乳首に吸い付く。舌の先でチロチロと舐める。それは心地いいがもどかしい、決してイクことのできない寸止めの時間だ。さらに右側の乳首は指先で『カリカリッ♥』と引っ掻かれ、絶妙な快感が保たれる。

 乳首でイキかけた屈辱が、乳首でイキたいという願望に変わる。エレンの頭髪からフワリと鼻腔を刺激する甘い香りも、士織の性感を極限まで引き上げて、けれど決して射精はさせない。


「他はまだ許しませんが、乳首ならば良いでしょう。僅かな慈悲に感謝なさい……ちゅっ♥」


 乳首にキスが落ちた。口付けは、何度も言うように士織の中で特別なモノ。否、誰であっても特別であろうモノが、先んじて乳首に落ちていく。

 エレンは『ちゅっちゅっちゅっ♥』と乳首へバードキスを行う。それは深いとは言わないまでも、僅かばかりの慈悲が感じられる行為だ。彼女なりに士織というマゾペットへの愛着が感じられる。それがなければ、本命の目的を士織で達成することは不可能だ。


 ぐじょじょ♥ ぬぢぃぬぢぃ♥ ぐちゅぐちゅぐちゅ♥


 ただ深くはない慈悲であるため、エレンの手は気持ちよすぎるのに射精できない亀頭責めを再開した。寸止めの中で感じた喜びは文字通り本当に僅かで、彼は逃れ得ぬ寸止め快感に出来もしないのに身体を必死に捩った。

 それから時計の針が二週するくらいの時間、士織はひたすら乳首と亀頭を責められた。真っ赤に腫れ上がった亀頭は言わずもがな、乳首も幾重ものキスマークが浮かび、直に触れれば達するという段階まで寸止めされ、それでもなお乳輪を舐め回し弄り回され、切なくもどかしい感覚に気が狂うこと数時間、だ。


「もう本当に限界のようですね」


 どこに触っても射精しそうだ。真っ赤に太く腫れた乳首と乳輪。椅子の下に透明で粘り気のある水溜まりを作るちんぽ。そのどちらでもいいから、エレンの手で触れてもらえれば、あるいは彼女の匂いを深く吸い込めば。

 随意領域の戒めはいつの間にか消失し、胸を張って腰を揺らし絶頂のギリギリで堰き止められている士織は、あと一擦り、一吸いで射精できる。本当にあと少し、ほんの少しの刺激があれば。


「それでは休憩です。次は12時間ほどの休息……私にも睡眠が必要ですから。貴方もじっくり眠りなさい」


 湯冷めしてしまいましたし、もう一度湯船に浸かりますか、とエレンはバスローブの胸元をこれみよがしにはだけさせる。無論、それを血走った目で見て鼻を鳴らして嗅ぐ士織は、青みがかった長髪とちんぽを振り乱してイヤイヤと請願した。

 数分も数時間も同じに感じる士織だが、そうだからと言って半日このまま放置されるなど絶対に嫌だ。脇目も振らず今すぐ射精させて欲しいと思っている。けれど、そのために必要なモノを彼はまだ与えてもらっていなかった。


「射精させてもらえると思いましたか? 駄目に決まっています。貴方はまだ言っていない。それを聞くまで、私が貴方のちんぽを射精させることは未来永劫ないと考え、行動なさい」


 エレンは冷たく、マゾを躾ける言葉を告げながら士織の乳輪と精巣にローターを取り付けた。極微弱な振動で、射精を促しながら決して頂点には行かせない寸止め専用の淫具だ。


「もし、私が休憩から戻ってきて、貴方の第一声が求めるものでなければ……分かるな、マゾちんぽ♥」


 取り付けられた淫具が一瞬で気にならなくなるほどに、士織の心臓が嫌な鼓動を奏でた。それは心の臓に直接刃を突き立てられるより、士織の恐怖を煽り立てた。


「それでは、12時間後の貴方に期待していますよ。その時のために、射精寸前のマゾちんぽをビクビクビュルビュルさせながら――――――〝待て〟」




 半日後、士織は音を立てて開いた扉にビクンと肩を跳ね上げた。いつ来るか、いつ来ても良いようにと神経が尖って仕方がなかった。ともすれば音を拾う耳より早く、鼻がエレンの匂いを嗅ぎ取って反応したのかもしれない。

 現れたスーツ姿のエレンは、彼とこの部屋で会った時と表情が変わっていない。人を人とも思わないほど冷淡で、けれど愛玩動物を愛でるだけの慈悲は思っている。そんな彼女がコツコツとヒールを鳴らして拘束された士織へと歩み寄った

 鼻梁がエレンの香りを嗅ぐ時だけ何百倍にも研ぎ澄まされている……ような気さえしていた。一歩踏み出す度に士織の脳髄が甘い匂いで焼け爛れる。だが、彼は喘ぎ声どころか吐息すら発しない。零れそうになる興奮の吐息を必死に我慢している。エレンの言う第一声と判断されることを本気で恐れているようだ。

 士織の前に立ったエレンは、恐怖と興奮とがめちゃくちゃに混ざり合った顔を見て、可愛らしいと言うように手を伸ばした。

 その手はボールギャグを口からスルリと抜いた。士織がどんなに喚いても解けなかった口枷があっさりと口から退く。一日中口を開かされ、疲れ果てた顎を労るよりも、素早く息を吸って言葉に変えて吐き出す方が早かった。


「マゾちんぽを♥ イカせてください♥ お優しいエレン様ぁ……♥」


 今の士織には、何よりも顎より心より労るものがある。寸止めで射精を焦らしに焦らされ、マゾ興奮しっぱなしの変態ちんぽのために、彼は敵対する女に涙声で屈服するみっともなさ過ぎる姿を晒した。

 一日ぶりに発せられた言葉は、エレンへの屈服宣言を一語一句違えず復唱すること。たかが一日か、されど一日か。どうであれ、今の士織がエレンに歯向かうことなど不可能なことだ。


「マゾちんぽッ♥ イカせてくださいッ♥ エレン様♥♥」


 ろくに息を整えず言葉にして、足りないとでも考えたのか、士織は恥ずかしくて情けない屈服の台詞をもう一度、自らの意思で発した。強制されたのではなく、射精がしたいという一心で、我慢汁の涙を流しながら言ってしまった。数刻後の後悔より、瞬間の寸止め解放絶頂を彼は欲したのだ。


「よくできました。褒めてあげましょう」


 エレンは〝慈悲深い笑み〟を浮かべると、士織の前で膝を折りフル勃起したちんぽに手で触れる。普通のモノより小さいなりに皮を剥き、肥大化したちんぽが喜びに打ち震えて『ぶぴゅっ♥』と射精と見紛うようなカウパーの塊を弾き出す。


「んふぅぅぅぅぅぅっ♥♥♥」

「本当によく頑張りました。マゾちんぽとしては上出来ですよ。なでなで♥」

「はぅンッ!!♥♥♥」


 激しすぎる鞭の後には甘い飴を。ただ濡れた竿皮を指の平で撫でる。触れているかさえ怪しい擽ったい微弱な刺激でも、今の士織からすれば己で百回扱くより遥かに強烈な快感だった。


「え、エレン様ぁ……イかせぇ♥ ちんぽ♥ イかせてくださいぃぃ……♥」

「どんな風に」

「へぁ?♥」


 言い切った。だからもう解放されるはず。多少慈悲を見せたくらいで文字通り甘い考えを抱いたペットの目を見つめて、エレンは問いかけた。


「どんな風にされたら、貴方は嬉しいですか。たとえばこんなものはどうです」


 ぐりぃ♥ ぐりぃ♥ ぐりぐりぐりぃ♥


「お゛っ♥♥ お゛ぉぉぉぉ……♥♥♥」


 さぞ大きく四散するだろう大口を開いた尿道口を親指で押し広げられ、士織は唇を尖らせて野太いよがり声を上げた。


「気持ちいいですか?」

「あひぃっ♥ あぁ♥♥ ヒィん♥」

「喘ぎは遠慮がなく大変結構ですが、返事はしっかりなさい。ここは、気持ちいいですか?」


 ぐにぢゅぅぅ♥


「おぉぉぉーーッ♥ う、うれしぃ♥ き、気持ちいいですぅ……♥♥」

「どこが、どう?」

「……お、おしっこのあにゃ♥ エレン様のお指でぐりぐりされるの、うしいでしゅ♥」

「変態ですね」


 ぶぴゅっ♥


 直球の罵倒に親指が捩じ込まれた鈴口の隙間から汁が吹き出した。本人の返答と言いちんぽの行動といい、躾の成果が速やかに発揮されていた。


「変態のマゾちんぽ。今から行う全ての管理行為に正直な気持ちを答えなさい。口を噤むことは許しません。マゾちんぽに黙秘権はないと知れ」

「はひゅっ♥ はひぃんっ♥♥」


 慈悲を見せたのは一瞬だった。十分すぎるくらいエレンの言葉に逆らう意味、抗う無意味さを知らされた。だが、それを得て言葉を返してもらってなお、エレンの躾は終わっていなかった。彼が心の底からエレンの言葉に逆らえず、歯向かえず、マゾらしく素直な被虐を求めるようになるまで、彼女は徹底した籠絡調教を継続する。


 ぐちゅぬ゛ぢゅぐぢょぬぷぢゅぷっ♥


「あひゃぁぁぁぁっ♥♥ それ、それむりぃ♥♥ むりですっ♥♥ 出したいのに出せないっ♥ ちんぽの先っぽナデナデ♥ だめぇ♥ 気持ちいいのにつらいのぉぉ♥♥♥」


 刺激は強いがイクことができない亀頭責めは、士織からすれば果てなき監獄だ。気持ちいいけど辛い。快感が痛い。それがまた気持ちよくて堪らない。


 ちゅこちゅこちゅこ♥


「おぉぉほォ♥♥ う、裏筋♥ もっと♥ もっとちゅこちゅこしてぇ♥」


 ぐちゅぐちゅぐちゅ♥


「あ゛ぁぁぁぁぁ♥♥ ま、また亀頭♥ イけないちんぽのせんたんんんっ♥ ごめんなさい、ごめんなさい゛ィ♥」


 カリカリカリッ♥


「ちくびぃぃぃ〜ん♥ いきなりぃ♥♥ 乳首キクぅぅぅぅ!!?♥♥」


 ぎゅっぎゅっぎゅっ♥


「んひっ♥ お゛ぎっ♥ ほぎゃッ♥ おっ、根元♥ ちんちんのねもとっ♥ だ、出せないっ♥♥ 握られてりゅ♥ だしぇにゃい♥ だしゃせへっ♥ ちんぽしこしこしへえ〜〜〜〜♥」


 気持ちいい、射精したい。気持ちいい、射精せない。

 カリ首の裏筋を擦られ、片手で足りないくらい亀頭を手のひらで包まれ、唐突に乳首を爪で引っかかれ、竿の根元を痛いくらい握られて、射精できない。

 半日間ローターのありきで過ごしていたちんぽは、何も無かった時よりは快感を得ていた。ほんの僅かではあったが、触れるだけでイク状態からは退いた。その今際の際一歩手前の状態と、エレンの絶妙な力加減が一日中寸止めされ続けているちんぽをイカせない。

 マヌケな蕩け顔が、女に股間を責め立てられる恥ずかしさをいよいよ上回り、射精をハッキリと懇願し始めた。エレンはピタリと手を止めると、唇に嗜虐的な弧を描いて言葉を発した。


「もう分かっていると思いますが、貴方は真性のマゾです。精霊の保護を謳う愚か者たちの手先でありながら、私に浅ましくも射精を乞う。頭が足りていないとしか思えないド変態。そんなマゾが私に乞い願うというのであれば、相応の対価が必要でしょう」

「た、対価、って……?」

「射精で頭とキンタマがパンパンの貴方には分かりませんか? 貴方に捧げられるモノなど一つしかありえません」


 精霊。彼が裏切ることで、当たり前の日常を手に入れた十数人の少女たちは奈落より深い絶望の深淵に堕ちる。ヒュッと息を呑んだ士織に、エレンはその美貌で笑みを深めてみせた。


「ですが、それを差し出せば今の貴方は耐えられない。心が壊れる」


 それでは籠絡にはならない。心を砕かれて使い物にならなくなった少年に利用価値はない。


「だから士織、貴方は私に尊厳を捧げなさい。その足りない頭を快楽のために賭し、たった一度の射精のために言葉を尽くしなさい。刹那の解放に身を折って遜りなさい。

無様に懇願しろ。

下品に哀願しろ。

淫猥に請願しろ。

あまねく射精を求めて、私という主に理性と尊厳を差し出せ。貴方が持つべきものは命と、命より重いくだらないモノと、マゾペットの心だけでいい」


 ちっぽけな想いを守るために人としての全てをエレンに捧げることで、たった一度の射精権利を受け取れる。


「言え、マゾちんぽ♥ ぐつぐつ煮えた赤ちゃんの素を無駄打ち射精したいなら、言え♥ ちんぽぴゅっぴゅ♥したいなら言え♥ 二度とあの少女たちとセックスできないちんぽになりたいなら言え♥言え♥言え♥ キンタマとマゾちんぽ、両方気持ちよくなりたいですと、敗北裏切り変態ちんぽ確定させろ♥ イケ♥イケ♥イケ♥ イケイケイケイケ♥ だぁせぇ〜〜〜〜♥」

「うぁ、あぁぁぁぁぁっ♥ ふぐぅあぁぁぁぁぁぁぁ♥♥」


 憎たらしい敵の声が。自分を女装寸止めの淫獄に突き落とした声が――――――今は何より心地よく耳に響いた。


「……わ、私は♥ お射精が♥ したいです♥」


 言った。せめてもの救いを求めてか、顔を俯かせて士織は言葉を発した。しかし、快感以外の羞恥で顔を反らすことは許可しないとばかりに、エレンは士織の顎を指で挟んで持ち上げる。


「っ……マゾ犬ちんぽ♥ 射精哀願します♥ イキたいですっ♥♥ 脳みそ射精満天♥ エレン様のマゾ犬が宣言します♥ おちんぽしこしこびゅっぴゅ♥ おちんぽしこしこびゅっぴゅしたい♥ エレン様の手で、完全無駄打ちお漏らしザーメンどぴゅんどぴゅん♥ したいのぉ♥ させてぇ♥ ちんぽ汁一回のために裏切り宣言しますから♥ キンタマに溜まった気持ちよさの素♥ 空っぽになるまで搾り取ってくださぁい♥ 慈悲深くてお優しいエレン様の綺麗なお手々で、童貞マゾのド底辺クソちんぽを気持ちよくイかせて……ください……っっ♥♥♥」


 無様に懇願する度にちんぽの先っぽからぷぴゅんぷぴゅんと汁が飛び散る。竿が下品な屈服被虐哀願にビクンビクンと打ち震える。陰嚢が己を蔑む淫猥な請願にぐつぐつと煮えた無駄打ち確定子種を尿道へと押しやる。

 すっかり射精脳になった女顔は悔しげでもだらしなく蕩け、ちんぽは敗者の先走り汁を勇み足で撒き散らす。女装姿で無様下品淫猥に射精を強請る彼の様は、どんなに心から惚れた少女でも間違いなく幻滅する。

 だがエレンは彼を見捨てない。士織を男して見ていない以上、惚れた腫れたの幻滅はありえない。愛でるペットがオスマゾというだけならば、彼女は受け入れるだけの器量を持っている。


「さて、どうしたものか。飼い犬に生意気な態度を取られた分の躾が、まだ終わっていないかもしれませんが……」

「ひっ、やだ♥ もう寸止めやだ、やだぁ♥ イカせて♥ イキたいイキたい♥ ちんぽイキたいイカせてぇぇぇ!♥ もう絶対生意気言いませんっ♥ 犬らしくします♥ 犬のくせに生意気なことは金輪際言いません゛ん゛♥♥ はあ゛っ♥ エレン様のほっそりお手々でしこしこされながら♥ エレン様の柔らかおっぱいでぱぷぱふされながら♥ イキたいイキたい!♥ ちんぽイキたい!♥ マゾおちんちんイカせてください!♥ もう射精寸止めはいやぁぁぁぁぁぁイカぜでぇ゛ぇぇぇぇぇ♥」


 渋るエレンに士織は脳内のあらゆる思考回路を総動員し、命より大切なもの以外全てを投げ捨てて叫びを上げた。

 人としての尊厳。男としてのプライド。当たり前に持ち得るモノが、あの苦痛に比べればあってないようなモノ。軽すぎるモノ。容易に差し出せるモノだと己に言い聞かせて叫んだ。


「あれも嫌、これも嫌と言いながら自分の要望を伝える余裕はあるのですね……いえ、責めているわけではありませんよ。ただ浅ましいマゾ犬風情が、と思っているだけです。まあ、そういった浅ましい姿勢が好ましいとも感じますが」


 ところで、とエレンは言葉を区切って自分の乳房を指差した。スーツの下にシャツを着用しておらず、相変わらず見事な形のおっぱいが白い肌の張りを見せつけている。


「女の乳房を求めて恥ずかしくないのは、赤ん坊まで……しかも貴方が求めているのは母乳ではなく乳の匂い。恥ずかしくはないのですか?」

「恥ずかしいですっ♥ 死ぬほど、恥ずかしいですぅ♥ でも、ちんちん我慢できないんです♥ エレン様のおっぱいの匂いを思い出してずっと勃起して、痛くて辛くて、頭がエレン様でいっぱいで……とにかく♥ もうだめ♥ おっぱいに顔埋めて♥ ちんぽシコシコされてイキたいのぉぉぉぉ♥♥」

「ふふ、変態も度を超えると可愛らしく思えるものです。それとも顔のおかげでしょうか。その女顔に感謝なさい」


 エレンはスーツのボタンをプツプツと外し、肩からズラした。すると、エレンの艶かしい美巨乳が音を立てて露になった。本人の小顔より大きな果実が、ノルディックブロンドの頭髪を色艶やかに肌で受け止めながら士織の眼前に飛び出してきた。

 拘束椅子の上でなければオスとして一秒の逡巡となく飛びついていたに違いない胸は、日本人離れした顔立ちと淡い金髪とのコントラストに相応しい黒いレースのブラジャーに覆われ、エレンの芳香に魅了された雑魚オスには少々刺激が強すぎる絵になっていた。


「はぁぁぁ♥ エレン様のおっぱいぃ♥ す、素敵ですぅ♥ 大きくて綺麗で♥ す、すきぃ♥」

「ふむ。ペットに乳房の形を賞賛されるという行為は、おかしな気分になりますね。悪くはありませんが……ああ、今日のところはこのままシますよ。今の貴方にこれ以上下を見せようものなら、その場で全て漏らしてしまいかねない♥」


 確かに、ここでエレンがブラのホックをプツンと外して、生乳を士織の眼前で『ぶるんっ♥』と揺らそうものなら、彼は興奮で鼻血を垂らしながらノーハンド絶頂というド変態の極地にイキかねない。ペットの前で肌を晒す羞恥心を持たないエレンだが、彼の精神が壊れる塩梅と射精の見極めは恐ろしいほど完璧だった。


「さあ、貴方のために少々蒸らしてきました♥ 鼻腔の奥までしっかり味わいなさい♥ 私の乳房の匂いがなければ生きていけない脳髄になってしまえ♥」


 むぎゅうぅぅぅぅぅ♥♥♥♥


「すううううぅぅぅぅ……んんっ、んほっ、んあああああああああぁぁぁぁぁぁっっ♥♥♥♥」


 深く深く吸い込む。エレンの慈悲深い配慮で汗が滲んだ谷間の奥底に付けた鼻で、彼女の乳臭を思いっきり吸い上げる。少女との口付けより甘酸っぱくて、頭を鈍器で殴りつけられるより衝撃的で、射精ではない絶頂を脳が感じたと信じられるくらい甘美で卑猥な香りだった。

 全身が跳ね上がる勢いで痙攣する。ちんぽが『びゅーびゅーびゅーっ♥』と壊れた水道のように透明な粘液を噴射し、エレンのタイツやスカートを汚していく。止めどなく溢れ出すペットの粗相を、しかしエレンは断罪しない。


「あらあら♥ 人の言葉を使う余裕もない♥ オスがそんなにも情けない声で啼いてどうします♥ 啼くなら、射精してから存分に啼きなさい♥ さあ、始めますよ♥」


 長かった。あまりにも長く、けれど男として生きてきた十数年の時間を投げ打つには短い時間で、五河士道はエレンのマゾペット士織となって、射精を求めに求めてしまった。

 カリ首のちょうど下が指の輪っかに囲まれる。今までの寸止めとは明らかに異なる感触に、ちんぽが血流を最大まで竿に血走らせた。


「今、マゾちんぽのカリ首の裏側に私の指が張り付いています。もしこの指が、この太さのまま亀頭を潜り抜けようとしたら……どうなると思いますか♥」


 エレンは士織に問いかける。幾度となく繰り返される問題提起は、士織に答える癖を付けるためのものであることは明白だった。

 特にエレンが脅迫めいた口調を用いる際、彼は無意識のうちに従わなければと考えつつある。しかし今回は優しい問いかけであったためか、士織は柔らかいおっぱいに挟まれ蒸れた谷間を吸うことに集中する。言葉の代わりに、ちんぽを指輪っかに囚われたまま上下させて無様な首肯をした。


「ふふ、そうです。やっと、しゃ・せ・い♥ できます♥ ちんぽ共々、私に頭を垂れた甲斐がありましたね♥ 死んだ方がいいくらい恥ずかしい射願をしたおかげで、貴方は今から思う存分イケますよ♥ ちんぽぴゅーぴゅーできて良かったですね♥ 私から見れば恥ずかしすぎて、死んだ方が良いと思いますが♥」

「すうぅぅぅぅ♥ う、うぅぅぅ♥ くふぅぅぅぅぅんッ♥♥」


 おっぱい枕を涙で濡らす。誰に言われるまでもなく、大切な少女たちの誰にも顔を見せられないくらい恥ずかしいことは分かっている。


(射精射精射精射精射精射精射精射精♥ しゃせーしゃせーしゃせーしゃーせーしゃせー♥ 脳みそぶっ壊れるまでザーメンぶちまけたいのぉぉぉぉぉ♥♥♥♥)


 それでも、射精したい。エレンの胸に顔を埋めて思いっきり、睾丸に溜まったザーメンをマゾ射精したい。それが敵のおっぱいの中であろうが、手の内であろうが士織は構わなかった。今この時だけは、エレンのマゾペットとして全力射精をキメたいことだけが彼の願いだ。


「今さらカウントダウンは必要ないでしょう――――――どうぞ、イキ果てろ♥ 無駄打ちマゾ吐精で満足して死ね♥」


 瞬間、指の輪っかが上下した。竿より広いキノコ頭を押し潰して潜り込み、帰り際にもう一度念入りに圧迫する。

 士織の視界が真っ白に染まる。それがエレンの乳肌の色か絶頂の閃光か、まったく判別できないくらいの凄まじい快感だった。指の輪っか亀頭をギュッと包んで、勢いよく滑り落ちて、亀頭ではイケないという常識が覆されて、それから先のことは全く思考できなくなる。


「んほおおおおおおおおおおおおおっっ♥♥♥♥♥」


 確かなことは、エレンの指が竿の根元と陰嚢を叩いた刹那、士織は自らが死んだと本気で錯覚する絶頂に至った、ということだけだった。


 どぷどぷどぷぷぷうぅぅぅぅ♥♥ ぶびびびびぶびぶびゅりゅうぅぅぅぅぅぅ♥ ぶびゅっぶびゅっぶびゅっぶびゅっぶびりゅりゅぼびゅうぅぅぅぅぅぅっ♥♥♥♥


「おほおおおおおお♥♥♥♥ ああああああああーーーーーッ♥♥♥♥ イク♥♥♥♥ イクイクイクイクイクイっちゃうぅぅぅぅぅぅぅっ♥♥♥♥♥ イクー♥♥♥♥ イクー♥♥♥♥ イクゥゥゥゥゥゥゥッ♥♥♥♥♥」


 完全に馬鹿になった鈴口から発射された精液は濁りに濁って汚らしく、受け皿になったエレンの華奢な手のひらを染め上げるつもりで飛び散る。

 蛇口が崩壊した射精はさながら排便の如き音を響かせ噴き出す。エレンの手のひらに収まりきらず、ネバネバと滴ってボタボタと落ちる。これだけ濃厚なザーメンが、全てメスの子宮に届かず死んでいく。その気になれば十数人の子宮(選択権)を持つ精子が、乳吸い手コキでただただ無為に死んでいくのだ。さぞ無念、と言うには無理のある品性下劣な蕩け顔を士織はエレンの谷間に擦り付けて吠えた。


「お゛っ!♥♥ イく、イッぐぅっ!?♥♥♥♥ しゅごいのぉ゛♥♥ せーしもれ゛っ、も゛れ゛でりゅう゛ぅぅぅぅ……っ♥♥♥♥」

「ええ、漏らしています♥ 酷い音色です♥ 無駄打ちお漏らし射精気持ちいいですね♥ この溜めに溜めた濃厚なちんぽ汁は、一体どこの誰を孕ませるつもりなのです?♥ まさか、私の手とは言わないでしょうね♥ 精子で手が孕む事例はこの世のどこにもありはしません♥ 射精で頭が飛んでいるマゾちんぽでもそれくらいは理解できるはずでしょう♥ それでもまだ、射精し続けますか?♥」

「だしゅ♥ だしゅう゛ぅぅぅぅぅ♥♥♥♥ エレン様のお手々にむだうち♥♥ ん゛ん゛ぉ゛♥♥ ぎぼぢい゛ぃ゛〜〜♥♥♥♥ すぅ゛ぅ゛ぅ゛♥♥♥♥ ん゛ぶぅぅぅぅぅ♥♥♥♥ とまんにゃいとまんにゃいとまんにゃいのおぉぉぉぉぉぉぉ♥♥♥♥」


 射精した快感で射精が連鎖し、そうでなくともエレンの指が行き来する竿と亀頭の心地良さが、鼻腔が嗅ぎ取る極上の甘味が脳天を貫いて絶頂感を引き継いでいく。

 孕ませる相手のことなど何も考えてはいない。生殖欲求皆無のマゾ快楽だけの吐精、否、搾精が士織の情けないアクメボイスと共に続いた。


 ぶぴっぶぴっぷぴっ♥ ぶぴゅっぶぴゅっぶぴゅっ♥ ぶぴっ、ぷびゅっ、ぷぴっ、ぷびゅっ♥


「お゛っ!♥ お゛ォ゛ッ!♥ ぅ゛オ゛お゛ぉ゛〜〜〜〜〜〜〜ッ!♥♥♥♥」


 やがて、溜め込みすぎていた精液が一滴の大きな塊になって鈴口から噴出し、士織は言葉にならない悶絶絶頂の声を上げた。手足がクパクパと忙しなくみっともなく開閉し、イキ狂った頭が頭痛を訴え出して、それをかき消すために乳房芳香へ士織は依存してしまう。

 快楽が苦痛になる。苦痛さえ快楽に変わる。精液を打ち捨てるマゾの射精は、陰嚢の中身を出し尽くした鈴口が『ぷぴぃ〜♥』と空気をマヌケに吐き出してようやく終わりを迎えた。


「やれやれ。射精していいとは言いましたが、恐ろしい量を射精したものですね。この匂い、何日こびり付いたままなのやら……これはどう償って――――――おや♥」


 エレンは恍惚とした笑みを浮かべた。士織の前で何の演技もせず、ただ嗜虐の微笑みを浮かべたのは、彼の意識が現から解脱を果たしていたからだ。

 あらぬ方向を向いた目。だらしなく突き出した舌根。一度の解禁で根こそぎ射精し切った多幸感だけを抱えて、士織は意識を閉ざした。極限の寸止めで覚醒し続けていた意識が、射精の衝撃で遂に断絶したのだろう。


「いいでしょう……25時間52分37秒。射精完了を以て、ファーストフェーズ・導入終了」


 エレンは慈悲深く士織を許した。ザーメン塗れの手でちんぽを撫でてやると、自分の精液を塗りたくられているとも知らずピクンピクンと喜び跳ねる。意識のない幸福を享受する士織とマゾちんぽの、なんと愛らしいことか。



「貴方は私の望みを叶える唯一無二のマゾペット――――――今は安らかに眠りなさい、士織♥」




Comments

タコよっちゃん

ドM男小説は相手を選ぶが、その上でエロティック! 怖いもの見たさでスクロールが止まらない

いかじゅん

女性上位の作品があんなにも多い理由が少しですが分かる気がしてきますね……!