トールズ催眠学院・本校合同演習(前) (Pixiv Fanbox)
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いつもご支援ありがとうございます。本日はトールズ催眠学院シリーズから合同演習編の前編になります。いやなんか増えたな……?
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制服に身を包んだ少年たちがズラリと整列した壮観たる光景。帝国の未来を担う者たちだけあり、若いながらも様になる絵を生み出している。場所は簡易演習地。今、彼らは眼前に設えられたレールの上に現れるものを待っていた――――そのうちの一人、見るからに生真面目な少年が隣の生徒にボソリと声をかけられた。
「なあ、ジャス」
「なんだい?」
「今回の演習って、分校との合同訓練なんだよな?」
何を当たり前のことを、と思いながら、ジャスと呼ばれた少年はそう聞いているねと無難な言葉を返した。分校との合同演習、つまりこの演習地で待機する彼らはトールズ士官学院・本校の生徒たちということになる。
「分校との鍛錬でさらに飛躍を期待する、だったね。何か不思議なことがあるのかい?」
「いや……なら何で男しかいねぇんだ? 合同ってならおかしくねぇか?」
「それは……まあ、何か理由があるんだろう」
かくいう問いかけに応えたジャスも、トールズ本校に所属する成績優秀者。合同訓練でも得るものがあるはずだ、と気を引き締めてこそいるものの、学友の疑問には曖昧な答えを返すことしかできずにいる。
現在の本校と分校の関係は冷え込んでいる、擦れている……などということはない。《黄昏》を超えて、本格的な軍事学校へと変化していた本校も緩やかにかつての校風を取り戻し、今も『若者よ、世の礎たれ』という校訓を忘れずにいる。こうした合同訓練の要請(オーダー)に対しても、快く応えるだけの関係を築いていた。
(確かに、僕たちを含めて男子生徒しかいないな。一体、どんな演習をするつもりなんだ?)
しかし、それを含めても今回の合同訓練は不可解な点が見られた。軍事学校であるとはいえ、この時代に今さら女が弱い、などという風潮はない。皆が志を持ち、カリキュラムをこなす日々だ。が、そんな女子生徒の姿はこの演習地にはない。どの学科を見渡しても、彼自身の組を見ても男、男、男――――まさか、真面目な演習で欲求を溜めて、それを発散しようとする不届き者がいると思われたのだろうか。だとしたら心外だな、と少年が息を吐いた。
「お、分校の連中が来たみたいだぜ」
すると、そういう意味で話題の本命であるトールズ分校の導力列車がレールを走り、到着したようだ。
流麗なフォルムが特徴的な特別装甲列車『デアフリンガー号』。大陸各地を移動することが可能な導力車両で引かれたそれは、移動のみならずデアフリンガーを中心とした簡易演習地を敷くことが可能であり、今は殺風景な郊外もすぐに立派な演習地へと様変わりすることになるはずだ。
程なくして荘厳な音を立てて停車した列車の扉が開き、降車の準備を終えた分校の人間たちが姿を見せた。
『………………は?』
そして、降車した者たちを見た少年は目を丸くして、間の抜けた声を発した。少年だけでなく、トールズ本校の優秀な生徒たち、全員が〝彼女たち〟を見て呆然となり、言葉を零すこともできなかった。
一人、また一人と列車内から姿を見せる者、全員が美少女から美女まで例外なく女であったことに驚愕した……というわけではもちろんない。それだけなら、男を集めてその忍耐力を試しているのかと勘繰るくらいで済んだ。
「な……なん、だ?」
だが、彼女たちは美しい女ではあったが、とても分校の〝生徒〟とは思えない痴女たちだった。
恐らくは分校の制服を改造したのだろう。胸とパンツを丸出しにしたその女子制服は、あまりに冒涜的で侮辱罪に当たるとさえ考えてしまう。少年のように瞠目し、呆気に取られるだけならまだいい方だ。中には痴女たちの降車に対し、恥知らずにも《ARCUSⅡ》を取り出して撮影を試みる生徒までいる。恥知らずは降車中の女子生徒だ、少しくらいなら――――――
「……くすっ♥」
「っ!!」
そんなほんの僅かに芽生えた邪な思考を、降車中の翠髪の少女に見透かされた。否、向けられた気がした微笑にそう考えただけなのかもしれないが、その妖艶でありながら格好で下品にもなる微笑みに、ジャスは慌てて首を振った。
一体何が起こっているのか。夢でも見ているのか。それとも何かの悪い冗談で、ハニートラップに引っかからないための趣味の悪い訓練か。
「雌奴隷一同、未来ある雄の皆様に敬礼!」
『はっ!』
「!?」
そう、本校で学んだことを何一つ活かせずポカンと口を開いていると、いつの間にか本校生徒と対になるように並んでいた分校女子生徒たちが〝教官〟の声に合わせて敬礼を取る。形だけなら本校の生徒以上に乱れがない。その形だけなら……大小様々な胸の乳首に、良く目を凝らせばじわりと濡れた下着、敬礼によって見えた健康的な、あるいは不衛生な毛を生やした腋を見せつける姿が、敬礼の正しい形というのなら、だ。
未来ある雄の皆様と呼ばれた少年たちは、恥ずかしい格好に真面目な顔で敬礼をする美少女たちを前に混乱の真っ只中にあった。突如として導力車に括り付けられ、引きずり回された方がマシな混乱だろう。何しろ豪華絢爛、思わず見惚れてしまうほどの女たちが自分たちに惜しげもなく敬礼し、その女体を見せつけているのだから。
「そこのお主」
「っ、は……はい」
「うむ。うぬじゃ」
同じく敬礼を返すべきなのだろうか、などと混乱の境地を見た少年だったが、ふと最前列の少女に語りかけられ咄嗟に返事を返した。同じく最前列であり、目に付いたからなのだろう。しかし、彼としてはこんな状況の中で声をかけられて気が気ではない。ありえない状況にあって、お気楽でいられる性格を彼は持ち合わせていなかった。
彼に声をかけたのは金髪の少女、それも極上の美少女ながら酷く幼い。分校の改造制服ではなく白いハイレグボディスーツ……乳首どころかマンコの割れ目や人によっては陰毛がハミ毛する、こちらも着ている方が恥ずかしい衣服以下のものを恥ずかしげもなく着た古風な喋りの少女だった。
「皆〝様〟方がトールズ本校の生徒で間違いないかの?」
「……はい。合同、演習……分校との、訓練を……」
本校で学ぶようになってから今日まで、これほど言葉に迷う日はなかった。わかりきったことである、そのためにここにいるはずなのに、そう応えるべきか疑問しか浮かばない。
「そうか、ならば良い。これより一ヶ月、共に学びがあることを期待しておるのじゃ。準備は妾たち雌奴隷がする故、皆様は中で寛いでおると良いぞ♥」
しかし金髪の少女は口篭りハッキリとしない応えを気にすることなく、笑みを浮かべてデアフリンガーの中へと本校生徒を歓迎する。その笑み、声が女を知らない少年たちには〝濃すぎる〟。全裸より卑猥な格好も加わり、たちまち一部分に血が巡ることを必死に抑えながら会話が途切れる前に少年は声を発した。
「ま、待ってください。い、いい、一体……何を!」
「む? 意なことを問うのじゃのう――――妾たち雌を従える皆様に、心から悦んでいただくための合同訓練じゃろう♥」
全く意味がわからない。彼女の言うことがまるで理解できず、呆気に取られたままの本校生徒たちに金髪の少女はふむと不思議そうな顔をしながら言葉を続けた。
「まだ理解が及ばぬか? じゃが案ずることはない。足りぬ言葉は彼女が継ぎ足してくれるじゃろう」
彼女、と金髪の少女がチラリと視線を向けると、同じハイレグボディスーツの少女が首肯を返して入れ替わるようにジャスたち本校生徒の前に躍り出た。
「お、おいあれ、トワさんじゃないか? ほら、歴代会長の……」
「っ!」
そして、彼らは少女と思っていた人物の正体を悟り、ジャスも目を見開く。トワ・ハーシェル。本校がまだ士官学校の名だけを授かり、分校の存在がなかった時代の出身者であり、有名な生徒会長だ。まだ貴族主義が根付く中、平民出身でありながら多くの支持を得て生徒会長へと抜擢された才女。
身体にばかり目を向けていたからか、ようやく少女の正体を察してざわめきを強め始める男子生徒たち。しかし、トワは彼らを咎めたり注意をすることなく、ニコリと笑って姿勢を変えた。
「本校生徒の皆さん、おはようございます。わたしは分校教官のトワ・ハーシェルです。今日は、皆さんに本日から始まる合同演習の概要を説明させていただきます」
ヘコッ♥
「教官と言っても、このように雄の皆さんには絶対服従♥ 肩の力を抜いて、物より気軽に扱ってください♥」
ヘコッ、カクカクッ、ヘコヘコッ♥
腰を振る、それだけの動き。だが、それは腋を見せつけて淑女として品位に欠けたガニ股によって、最大級の下品へと変貌する。
教官が生徒に対して行う言葉遣いではなく、雌が雄に敬意を払う言葉遣い。さらに陰毛まで透けた変態スーツをあのトワが着込み、小柄な女体を曝け出して腰振りダンスを踊っている。あまりに荒唐無稽な光景が、夢ではないのだと思考を叩きつけてくる。
「我々、トールズ奴隷学院の女学生は男性に奉仕する事を至上の命として存在しております♥ 性欲、加虐心、特異性癖。男性のあらゆる欲求にその身体をもって対応するのが我々の使命です♥」
「……へ? じゃ、じゃあ……トワ先輩と、セックスしたり……」
「っ、おい!!」
トワの腰振りダンスに魅了されたとでも言うのか、一人の男子生徒がポツリと言葉を零して他の生徒に諌められる。とはいえ、彼らは揃って下半身のスボンを痛ましいほど膨らませており、直後その膨らみは最高潮に達する。
「はい、もちろんです♥ わたしたち雌奴隷は雄の皆さんがいなければ生きていけません♥ 喉の奥からオマンコの膣内まで、雄に使い道を決めていただかなければならない♥ それが、下等生物である雌奴隷の使命……そうやって、素直なおちんぽをわたしにハメハメしてくれると嬉しいな♥」
『……っっ!!』
あのトワ・ハーシェルが、淫らで低俗な言葉を使って男を誘っている。写真でしか見たことがない少女の誘惑は、女を知らない真面目な本校生徒たちには些か刺激が強すぎた。
明らかに目の前の少女たちからではない性臭が立ち込めている。何人か、今ので出して(堕ちて)しまったのかもしれない。
「ほう、若いだけあって期待ができるのぅ……♥」
だが、そんな人間の尊厳を損なう行動をジャスは気に留めている余裕はなかった。尊厳というのなら、男の性臭を嗅いでじわりと秘部を濡らして欲情した様子を見せる金髪の少女の方が損なっている。そして、その秘部の濡れに目を向けてしまったことを恥じて、ジャスは必死に目を瞑った。
「説明は以上じゃ。わからぬことがあれば、その辺の雌奴隷に声をかけて聞くがよい。雄である主たちがすることは、妾たち雌奴隷を理解し、使役し、支配し、犯すこと――――お主らの若いおちんぽ様に、期待しておるぞ♥」
目を瞑ることでしか避けられない。目を瞑っても、その魔性の声が脳髄に響いてくる。
さあ――――彼らの中で、何人の資格者が目を覚ますのだろうか?
◆
「ど、どうなってんだよこれ!?」
「……落ち着くんだ。冷静にならなければ、その問いの答えは出ない」
「冷静になったところで出るもんじゃねぇだろ!」
分校の教官と生徒たち……否、痴女たちと邂逅を果たしてしばらく。本校生徒たちの行動は一律ではなかった。慌てふためく者、早速〝取り込まれ〟た者。ジャスやその友人たちのように、とりあえずは従いデアフリンガー号の中に腰を落ち着けた者。
当然、彼らは取り込まれたのではなく腰を落ち着け、意見を交わす場を求めただけのこと。デアフリンガーの三号車両、食堂とラウンジを兼ねた場で言葉を交わし合う。もっとも、冷静な言葉などなく、仮に冷静だったとしても答えなど出ないだろう。
ジャスもまた怒声ばかりで進まない話し合いを収めるだけで精一杯であり、仕方なく気を休めるために窓の外へ視線を向けた。
「……くっ」
が、それは失策。窓の外、つまりはデアフリンガー号を起点とした簡易演習地を覗いたことを彼は後悔した。
何せそこは女体の巣窟。恥らないのない格好をした猥褻な雌たちが設備を整えている真っ最中なのだから。目を向ければ尻のラインが浮かぶ扇情的な下着、丸見えの乳房を揺らした少女たち。そして情報収集にかこつけ、彼女たちの身体をさり気なく物色する男子生徒たち。あの様子では、大胆になるのも時間の問題だろう。
(……分校で、一体何があったんだ)
女性の、というより人としての人権や尊厳が感じられない格好と態度。それに疑問を持たず、羞恥どころか誇らしげに奴隷の地位を語る分校の教官と生徒。
何かしらの精神制御を受けていることは間違いない。だが、トールズでも高名な卒業生を含めて、全員を掌握するほどの力など想像もつかない。明らかに、自分たちの手に負える範囲を凌駕する事件。
(けど、諦めちゃ駄目だ)
何のために学んできたのか。こうした危機に立ち向かい、世のために戦うためだろう。
方法は必ずあるはずだ。自分一人で駄目ならば仲間たちと、それでも駄目ならばこの事態を本校の頼れる人間に上手く伝えることさえできれば。
腕を組み、思案に耽るジャス。こういった面で、彼は非常に模範的で優秀な生徒であった。成績のみならず、その正義感や信念が年に見合わぬものであることは明白――――それ故に彼は苦心し、葛藤することになる。
「車内販売でーす♥」
「おぉ!?」
「す、すげぇ……」
「? ――――ッ!?」
そうして思案に耽り、覚悟を固めていたジャスは突如としてその鉄の意志を揺らがせる美女と出会った。
「私はポーレット。【出張モンマルト】の店主と接客を勤めさせていただいてます……まだ開店準備ができていないので、本日はカートを牽引しての販売です……あぁん♥」
ぶるんっ、たぷんっ♥
その凶器はあまりに目に毒だった。カートを〝尻穴で〟牽引した朱色髪の美女。かなり若く見えるが、とても教官や生徒という立場には見えなかった。精神制御の支配は一般人にすら及んでいる……という危険性に彼らは行き着けなかった。その場の全員が、ポーレットの裸エプロンに見入ってしまったからだ。
揺れる巨乳の横乳、そのグラマラスなデカケツがはみ出る短い黒エプロン。それがまた教官や生徒の衣服もどきとは違うエロスを醸し出す。妖しく、若い少女たちにはない妖艶な魅力だ。
「あ、あの……販売って、どんな」
「はい。オススメはこちらになります」
その魅力に取り憑かれたジャスの仲間の一人がポーレットにそう問うと、彼女はアナルディルドにと紐で結ばれたカートの中から一本の食べ物を取り出した。
それは何ら変哲のないフランクフルトだ。それを彼女は、ぴらりとたくし上げたノーパンの秘部、轟々と生い茂りながら欲を誘う無駄毛で溢れたマンコに挿入した。
『!!』
「あぁっ♥ マン汁ソースのフランクフルト♥ ん、ふぅ♥♥ 私たちのマン汁は精力剤の代わりにもなるんです♥ それからほんわりおっぱいサンド♥ 看板メニューの搾り立てミルクも――――――」
フランクフルトに愛液と陰毛を巻き付けながら商品の説明を行う雌奴隷に、ジャスはすぐに席を立って食堂車を後にする。看板メニューとやらをどこで搾るかなど聞きたくもない。
「ジャス!」
「……ああ、君か。他のみんなは…………聞くまでもないか」
四号車に移動し、ホッと安堵の息を吐いていたジャスを追いかけ、呼びかけたのは演習前に彼の隣にいた生徒だ。親友という間柄ではないが、学友として信頼する彼が自分を追いかけてきてくれたことに安堵し、同時に他の仲間たちには落胆の感情を抱いてしまう。
そんなジャスの考えが顔に浮かんでいたのか、追いかけてきた彼は複雑そうな顔で声を発した。
「まあ、仕方ないっちゃ仕方ないが……とにかく、俺たちだけでもこの車両を調べて」
「――――ん、君たち、本校の生徒?」
「え……」
涼しい声音に少年たちがハッと目を向けると、そこには〝正常な格好をした〟少女の姿があった。
正常と言っても、戦闘用の軽装なのか露出はある。だが、雌奴隷を名乗った子たちに比べればしっかりと肌を隠せていると言えるラインだ。初めて出会ったまともな格好をした少女と、その正体にジャスたちは目を見張る。
「《Ⅶ組》の……クラウゼル先輩!?」
「元が着くけど……フィー・クラウゼル。よろしく」
《Ⅶ組》。本校生徒でそのクラスを知らない者はいない。異端であり異色であり、彼の英雄を生み出した伝説のクラス。その《Ⅶ組》の元メンバーであるフィー・クラウゼルが目の前にいて、しっかりとした受け答えをしている。
「く、クラウゼル先輩、あのっ!」
「そこ、空けてもらっていい?」
「へ……あ」
もしかしたらという期待が膨らみ、声をかけたジャスだったが、フィーが指を指して示した場所を見て出鼻をくじかれた。そこは、ジャスが背にしていた扉は【女子トイレ】の入口だったのだ。
「す、すみませんでした! あの……ど、どうぞ」
「ん、ありがとう。急ぎなら、今聞くけど?」
「いえ、後で大丈夫です!」
「そ。じゃあ使わせてもらうから」
言って、フィーはジャスが入口から退いた女子トイレの扉を操作して開いて中に入っていった。
「危なかった……」
「へへ、セクハラだな」
「今のは仕方ないだろ。ここがトイレだなんて――――――」
思わない。そうは思えなかった。仰々しい機械の扉に、隣の壁には大小様々なモニタが設置されている。まるで、ありえない話だが――――中の光景を覗けるような設備ではないか。
「あの……本校生徒の方、ですよね?」
「っ、は……はい。あなたは……!?」
設備の違和感、まさかという思いに言葉を止めたジャスたちの前にフィーに次いで別の少女が向かいから歩いてきた。彼女もまた普通の衣服、旅装束と見られる衣装に身を包んだ少女であり、フィーと同じ《Ⅶ組》出身者だとジャスは気づいた。
三つ編みの髪と豊満な胸、帽子が似合う垢抜けた少女はジャスたちの驚愕に微笑みを以て応えた。
「私はエマ・ミルスティンと言います。そのお顔だと、知られてしまっているみたいですね」
「もちろんです! 《Ⅶ組》の……そ、それより聞きたいことが!」
「はい――――私たちガイド役雌奴隷に、何でも聞いてください♥」
瞬間、エマの微笑みを前にしてジャスたちの期待の笑みは凍り付いた。
「……ガイド、役?」
「ええ。合同演習に当たり、雄様に失礼や不便がないようにと申し付けられました。では、お二人のガイドは私が担当します。えっと、まず最初は……この【雌奴隷専用トイレ】についてですね」
微笑みは穏やかでありながら、言葉の端々が狂っている。いいや、衣服が規則的であるために気づけなかった、もしくは希望を抱きたかったのだろう。《Ⅶ組》の面々ならあるいは――――その希望を粉々に打ち砕き、エマは【女子トイレ】改めて【雌奴隷専用トイレ】の設備を操作しながら解説を始めた。
「雌奴隷の排泄管理は雄様に委ねられています。そのため、指示がない場合はこの【雌奴隷専用トイレ】、もしくは野外での排泄が義務とされていますね」
さも彼女たちの常識、当然と語りながらエマは導力モニタを操作して点灯させる。そのあまりに高画質、鮮明な映像には、やはりというべきかフィー・クラウゼルの姿があった。
「このように車両各所に設置された設備から、雌奴隷の排泄を監視することが可能です。便器の種類は立ち用からおまるまで様々……」
『フィー・クラウゼル。排泄準備完了』
「あ、ちょうど始まりますね。どうぞご覧ください」
各種のモニタにはフィーが映っている。それは単純な姿だけというわけではない。スカートと下着を下ろし、洋風の便座に尻を嵌めたフィーの全身図、顔面図、パイパンマンコとアナルがくっきりと映された個別の光景。
一体どれだけ高性能な導力カメラがこの【雌奴隷専用トイレ】に仕込まれているのか。思わずエマが示す手に誘われ、二人は食い入るようにフィーの艶姿を目撃してしまった。
『おしっこ発射。ふ、んっ♥』
ぷしゃっ♥ ちょろ、ちょろろろろ、じょぼぼぼぼぼっ♥
尿道が込められた力に応えて開き、一度大きく水を弾けさせ、黄色く濁った水の流れを整えて発射した。
『ふ、ぁぁぁぁ……♥♥♥』
小便。マンコから吹き出す汚水、不純物だ。しかし、フィーは何とも心地よさげに頬を蕩けさせ、おしっこの快感に浸っている。とても先のクールな少女と同一人物とは思えない。
『……ふぅ。ゼリー大便も、始める♥』
ぶぼっ♥ ぶぼぼっ♥
快感に浸って小便を出し切ったフィーが、今度はジャスたちがギョッとしてしまう汚らしい放屁を奏で、小さなケツ穴に力を込め始めた。
『ふ、んっ、んんっ♥♥ んぐぉぉぉ〜〜〜♥♥♥』
「ご安心ください。私たち雌奴隷の肛門排泄は体内で不純物を浄化、除去し切ったゼリーで行われます。もちろん、どちらにも対応はさせてもらっていますが」
そんなことを聞いているのではないし、ジャスたちはフィーの鼻の穴まで開いた不細工な排便顔と、むりむりゅと顔を出しつつあるアナルゼリーを目撃し混乱の境地に達しようとして、エマの言葉を聞き流しかけていた。
『ふぅ、ふぉっ、ほぉぉぉ……んほぉぉぉぉっ!♥♥♥』
むりむり、むりゅ♥♥ ぶりっ、ぶりぶりゅりゅ、ぶぼぶりゅりゅりゅりゅ♥♥♥
――――やがて、彼らは初めて雌の排泄風景というものを目撃した。
女の、ではなく。雌の、だ。腰を据え、正面からもマンコが見えるよう便座の上で股を開いたフィー。人形の如き美形が台無しになり、美形であるからこそ生える口を窄めて立たせた間抜け顔。聞くに絶えない肛門からの排泄音と、それに伴って入口の肉を捲りながら便器に落ちる白く透明な流動体。
『んほっ、んほぉ♥♥♥ 脱糞ゼリーでイグッ♥♥♥♥ 快便アクメいく〜〜〜〜〜っ♥♥♥♥♥』
「私たち雌奴隷はあらゆる穴を開発し、このように排便でオホ顔アクメをすることも可能です♥ ――――では、他の施設へ案内します」
それを肛門からひり出し、潮を吹き上げながら絶頂する《Ⅶ組》のフィーと、そんな仲間を目にしながら雄の案内を笑顔で行うエマ。とち狂った、という言葉が似合う光景にジャスたちは呆然とエマの後を追いかけてしまった。
フリ♥ フリ♥ とスカートに浮かぶ肉尻を露骨なほど揺らすエマに案内をされ、ジャスたちは五号車に足を踏み入れた。そこは事前の情報では機甲兵を格納する大型の貨物車であるはず、だった。
「じゅっぽ♥ じゅぽっ♥♥ んちゅ、じゅる……♥」
「おっ、や、べ……アリサ先輩のフェラ、たまんねぇ! 胸も勝手に揉んでいいとか、最高!」
「じゅぞぞぞぞっ、じゅぼっ♥ ずずっ、ぢゅずぶちゅるるるるるるっ♥♥」
「あ、アルティナって子もやべぇぞ! こんなバキューム見たこともねぇ……ぐぉぉぉ!」
貨物車の半分が巨大な〝壁〟で仕切られ、そこにあるものが並べられている。白い壁掛け式の小便器とでも言うのだろうか。丸く小さく、縦長ではないため人が入れる大きさではないが、人を組み込める最低限の大きさはある――――《新旧Ⅶ組》の二人、アリサとアルティナが腕や腹の下を小便器の中に入れ、差し出されたチンポを口で奉仕する光景を生み出すことはできていた。
便器の縁に乗ってはみ出たアリサの巨乳を揉みしだき、フェラに合わせてセルフパイズリをする男子生徒。アルティナのひょっとこバキュームフェラに吸い込まれるように腰を突き出した男子生徒。皆、ジャスたちと同じ志を抱いていた生徒たちだ。これも、だったと言うべきだろうが。
「こちらは【性処理用男子トイレ】です。しばらくは【パートナー】がお決まりにならないかもしれませんので、性処理に困った時はこちらのトイレをお使いください。……あ、セリーヌ」
【性処理用男子トイレ】の凄惨な光景を前にして、相変わらず顔色一つ変えずにガイドを進行していたエマが声をかけたのは猫耳、獣人の少女――――もちろん、壁掛け小便器の中に組み込まれたセリーヌであった。
「調子はどう?」
「じゅる、じゅぽっ♥ ぐぽっ……エマ? 調子も何も、見ての通り猿みたいに欲望剥き出しの連中が絶え間なく――――にゃぁぁぁぁっ♥♥♥♥」
チンポから口を離し、エマと言葉を交わしていたセリーヌが突如として官能の声を上げた。小便器に組み込まれているためわかり辛いが、ビクッビクッ♥ と蕩け顔で痙攣をしてジャスたちを驚かせる。
「こ、こんな風に、前も後ろも、ずっと、来てて……あひんっ♥ ご、ごめんなさい、アタシは猿以下の雌猫♥ オマンコいっぱい使ってくださいっ、いきゅう!?♥♥♥♥」
「良かった。上手く機能してるみたいね……あ、ごめんなさい! この【性処理用男子トイレ】は二列に分かれているんです。こちらが上専用、反対側が下専用になります。出入りは自由なので、お好きな方をお使いください」
つまり上半身を使いたければこちらのトイレを。下半身を使いたければ、恐らく壁から尻が飛び出した向こう側のトイレを使え、ということだ。頭を下げ、爆乳をどたぷん♥ と揺らしたエマの言葉を信じるなら、そういうことになる。
(……なんだ、これは)
今一度、訳が分からず頭を抱えて目眩に耐える。女子トイレは常識を逸したものだった。単純な尊厳の破壊などではない。尊厳という言葉が存在しない世界だ。そして、雄のために用意されているという性処理用男子トイレ――――言葉だけでなく、目に映る全てで雌を支配しろと訴えかけてこられている。
「あの……さっき、パートナーって言いましたよね?」
ふと、目眩に耐えるジャスの横で学友がエマにそう問いかけた。ジャスは彼の言動は、情報を求めた故の行動だと思い込みたかった。
だが違う。彼の笑みは歪んでいた。ジャスが目を見開き、震えてしまうほど僅かであれ別の期待で歪んでいた。
「それって、エマ先輩を選ぶことも……できますか?」
「ええ♥ あらゆる選択権は私たち底辺の雌奴隷ではなく、本校生徒……あなた方、優秀な雄の皆様にありますから♥」
その〝パートナー〟という制度が何なのかをジャスたちは知らない。しかし、彼の学友にしてみればエマの言葉に含まれた自身への敬愛、敬服、服従の意味がわかれば十分だったのだろう。
「へ、へへ……悪いな、ジャス」
もはや掛ける言葉もない。ジャスはせいぜい軽蔑の視線を送るだけだ。エマの腰にいやらしく手を回し、大胆に胸を揉みしだく学友だった少年に。
「ん、あぁ♥♥ はぁ……♥ で、では、これよりガイド役から、リバー様のパートナーとして私を登録します♥」
「よ、よろしくっす、エマ先輩」
「敬称は、ふようれす♥ こんな風に、おっぱいを揉まれただけで喘ぐ、雌奴隷ですからっ♥♥ あ、ジャス様♥」
そう言えば学友はそんな名前だった。ジャスの優秀な脳も、エマから発せられる官能混じりの蕩けるような声に遮られて断片的な思考しかできない。
「まだパートナーが決められないのであれば、《ARCUSⅡ》に組み込まれた機能を使ってください。きっと、お気に入りの雌奴隷が見つかりますから♥」
それだけを言い残し、ガイド役から同胞だった少年の【パートナー】となったエマは、胸や尻を揉みしだかれながら妖艶な足取りで立ち去っていった。ジャスも、このような下品な場所にはいたくないと五号車を出る――――その興奮から、思考も視線も逸らして。
◆
「古代遺物……いや、そんな程度のものじゃない。もっと、想像し難い危険なものが……」
日が暮れ、夜が来る。ジャスは個室に籠り、集めた情報から何とかこの異常事態を究明しようと必死だった。
あれから幾人ものガイド役と出会い、合同演習と車両の説明を受けた。何とも豪華なことに、本校生徒たちには専用の個室が与えられているという。寮の個室より遥かに広く、何かあれば即座に雌奴隷たちを呼びつけられる高待遇だ。
(本当に、何のためにこんなことを……!)
その高待遇は不自然極まりない。仮に彼女たちを洗脳した者がいるのなら、自分たちを巻き込むメリットは皆無に等しい。この合同演習が始まるまで、第Ⅱ分校が崩壊していたなど噂にもなっていなかったのだ。だというのに、この合同演習でわざわざ彼女たちと対面させ、あまつさえこの待遇。
まさか、こんなふざけた手段で全員を調略できるとでも考えているのか。それなら馬鹿にされている。ジャス以外にも、トールズの志を失わなかった少なくない生徒たちはいる。それとも、自分たちの力など塵に等しいとでも言うのか。
「…………」
――――実際、そうなのかもしれないとジャスは嘆息した。その手元には、通信機能が封じられた《ARCUSⅡ》が開かれている。
ここに来る前は正常だったはずが、デアフリンガー号が到着してからあらゆる通信機能が妨害されてしまっていた。その上、エマの言うようにおかしな機能が追加されていた。
「く……っ」
倫理的に許されない機能。だが、それが本当に事実であるのかを確かめる必要がある。そう言い聞かせ、痛いほど張った下半身のテントを深呼吸で抑えて、彼は端末を操作した。
画面にはデアフリンガー号の内装、部屋割りが映っている。本来は六号車までしかないはずだが、ジャスたちの個室を含めて大編成の車両と化している。その中で目立つよう赤く発光した部屋――――エマ・ミルスティンの自室をジャスは押した。
『――――あ、あぁぁぁぁ♥♥ あんっ、あっ、んふ……あぁん♥♥♥』
「!?!?」
瞬間、その声と光景は部屋の中に大きく響いた。まずモニタが大画面で空中に浮かび、次いでエマの裸体と喘ぎ声が。
それだけではなかった。エマが乱れているのは誰かに突かれているからだ。腕や足で、ではなく……ベッドの上で正常位で、雄のチンポを雌のマンコで包み込み、交尾することで。つまりエマは、チンポに突かれて喘いでいるのだ。
『エマ、エマ!』
『あ、あっあっ♥♥ リバー様のちんぽ、すごい……♥♥ んあ、あぁーっ♥♥♥♥』
パンッ♥ パンッ♥ パンッ♥ パンッ♥
エマの肉々しい尻が音を立て、裸身で汗ばんだ巨乳、そのサイズでは爆乳だろう果実がゆさゆさと艶やかに跳ねている。その深い愛情が込められているとさえ感じられるセックスの相手は、エマを【パートナー】として選んだリバーだった。
雌奴隷たちの個室に設置された監視カメラへの接続権。変態衣装だけでなく普通の衣装からの着替え盗撮というニーズにも応えている、とガイド役は説明していた。エマやフィーの服装はそういうことだろうが……きっと、この機能の本命はこちらだとジャスは確信した。
リバーもこの機能は知っているはずだが、わざわざカメラのあるエマの自室を選んだのは、誰かに見せつけたかったのかもしれない。雄が雌を交配という行為で征服する原初の快楽を。
『おお、やっておるのう♥』
と、機能が追加された《ARCUSⅡ》の投影ディスプレイが、エマの部屋に入ってきた少女を映し出した。金髪の少女、教官であるローゼリア・ミルスティン。名前から、エマの関係者だろうことはわかる。もっとも、男の目には芸術的なまでに美しい幼き裸身しか映り込んでいないだろうが、ローゼリアはむしろ見せつけるように長い髪を掻き上げながらカメラに向かって語りかけた。
『さて、映像を見ているということは、そういう嗜好かまだ状況を飲み込めておらぬと見える。そんなお主らのために【パートナー】を説明しよう』
リモートで教鞭を振るうが如く、ローゼリアは言葉を続けた。
『パートナーは……まあ、言葉通りの意味じゃ。雄様は自由時間、パートナーを一人指定し行動を共にできる。このように愛情を持ったセックスをするも、嗜好が求むるまま雌奴隷を楽しむも自由。ああ、強姦でも構わんぞ。妾たち雌奴隷は、どんな欲求にも応えるこそが使命じゃからな♥』
どんなことでも受け入れる。初めにトワが説明した通りだ。それが選んだ【パートナー】であれば、さらに〝独占〟できる。
『パートナーを一人で扱うか、共有するかはお主ら次第。パートナーを同意の上で交換、あるいはあまりと入れ替えても良い経験になるじゃろう。代わりはいくらでもおるからの――――そう♥』
ムチィ♥♥♥
そこでジャスは画面の光景を疑った。幼く美しいからこそ、人を選ぶ少女の肉体が膨れたのだ。胸が、太股が、尻が、豊満な雌の魅力溢れるグラマラスな女体に変化する。それでいて腰は細く、脚は長く、少女だった頃とは正反対の雌らしい雌。
伝承に伝わる吸血鬼の美なる姿を、映像の向こう側で少年たちはそれを知らずに目撃した。
『妾を含めてな♥ どうじゃ、これなら悪くないじゃろう。ロリぃなのも気に入っておるが、雄様の反応はこちらの方が良いからのう♥ ――――どれ、エマよ。妾も交ぜよ♥ 身体が疼いて仕方がないのじゃ♥』
『きゃっ♥ ちょっとお祖母ちゃん……この匂い、さっきまで楽しんでたでしょ♥』
『ふむ? なんのことだがさっぱりじゃのう?♥』
――――早く決断しなければ、妾の身体を自由にできる機会がなくなるかもしれんな?
暗にそう含んだ物言いをしながら、ローゼリアは熱い交合いの中に飛び込む。そのデカケツ――――
「っっっ!!」
尻肉を裂いて顕となった縦に割れて花開き、金色の剛毛がびっしりと周りに生え揃ったローゼリアのアナルが画面に収まり、ジャスはどうにもならない衝動に駆られた。
誰かに開発され切った肛門。穢らわしいのに、目が離せない。自然と手がズボンを下ろして肉棒に伸びた――――これは、惑わされないための自浄作用だ。
そう言い聞かせ、肉棒を扱き上げる。映像の中でエマとローゼリアが乱れ、すぐにやってきたローゼリアのパートナー希望者が交ざり、より激しいセックスを見せつけようと。
「はぁ、はぁ……っ!」
「――――うふふ♥」
そんな寂しい彼を見つめる視線に気付かぬまま、ジャスはひたすら情欲を抑える自慰行為を繰り返した。
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果たしてジャスくんは淫魔と化した小悪魔から逃げ切ることはできるのか!ちなみに前編になった理由はエマの出番増やしたからだけど、多分増やさなくても分裂はしてた気がする。エマ好きだから後編も出したいわね。
後編はティオとキーアの雌奴隷実演解説会・強制絶頂とか模擬戦とか貰ったネタを入れていけたらと。模擬戦はどのキャラでやるか決まっていけどね!
訓練入れようかと思ったけど乳首クリ重りスクワットとか雰囲気に合うかどうか。何か今回の演習らしいネタがあればいいのですが。そういう感じで演習編のキャラもネタも募集してます。