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「うぉりゃああああああああああ!!!!」


 海上輸送と共に発展してきた沿岸都市。国内でも五指に入るほど発展したその街には近代的な大きなビルが立ち並んでいる。そのビルの間から、雄たけびとともに、それこそビルほどもあるサイズの何かが放たれるように飛んでいく。綺麗な放物線を描きながら海へと落ちたそれは、海中で爆発があったかと思うほどの水しぶきをあげる。陸から相当離れているのにもかかわらず街にしぶきが雨となって降るほどだ。海に投げ込まれたフェリーほどもありそうな何かが浮力によって浮かび上がってくる。それは巨大な獣のようにも人のようにも見えたが、海面に浮かび上がってくる前に白い光とともに消えてしまった。


「ふう……送還完了……っと」


 雄たけびが上がったビルの間から、小さく息を吐く音が響く。そしてぬぅっと、ビルをもしのぐほどの大きな影が伸び上がっていく。それは――人だった。ただ、とても巨大な男だった。そのあたりのビルをはるかにしのぐ身長。ツンツンとした黒髪にどこか異国情緒を思わせる褐色の肌。どんな人間からも好かれそうな整った顔立ち。そこに少しばかり目じりの下がった双眸が、彼の表情に柔らかさを与えていた。

 服装は人間のモノとは似ても似つかない、銀を基調とした全身タイツにこれまた不思議な素材のジップアップパーカーのようなものを羽織っている。少しオーバーサイズに見えるそれだが、その上からでもわかるほど鍛えられた肉体。開いた隙間からはタイツにくっきりと浮き上がるほど盛り上がった大胸筋や腹筋が見え隠れしている。一見すらっと長い脚もしっかりと筋肉がついており、その隆起が足元のトラックサイズのブーツへと続いていた。


「……あと、は」


 彼はぐるりと足元を見渡す。六車線もある大通り。アスファルトは砕け、ところどころに乗り捨てられた車が文字通り転がっている。男は車を踏みつぶさないようにしながらゆっくりと歩き始める。男がブーツを踏み下ろすたびに地面が揺れるが、彼の体躯から推定できる重さからすれば不自然なほどに軽い揺れだった。男は一つのビルの前で立ち止まる。ただそのビルは完全に崩れてしまっていた。もし崩れる前に避難できなかった人間が中にいたのなら、ほぼ確実に生きてはいないだろう。男はゆっくりしゃがみ込むと、車も楽に覆えそうなほど大きな手でビルの瓦礫を上から丁寧に取り除いていく。――すると、崩れた瓦礫の中から、おおよそビルの素材とは思えない、薄い緑色の板のようなものが現れる。まるでビルの一フロアをまるごと覆うようなそれは半透明になっていて、その向こうには男を見上げる人々の姿がある。――普通なら、確実に死んでいたはずの。


――アレスさま!

――ああ、ありがとうございます! アレス!


  中の人々が歓喜の声を上げる。アレスと呼ばれた男が瓦礫をどかし終わると、すうっと中の人間を守っていた緑色の壁が溶けるように消えていく。


「お怪我はありませんか?」


 アレスが優しく語りかけると、ないよ、ありがとう、と言った言葉が返ってくる。その後アレスは崩れかけのフロアから人間を一人ずつ手のひらに乗せ、道路へと降ろしていく。最後の一人を降ろし終わる頃には避難していた人間たちも集まり始め、救助隊や駐留していた軍も到着した。すると潮時だろう、とでもいうようにアレスがゆっくりと立ち上がる。ぐんぐんと伸びゆく身体に空気が引っ張られて巻き上がるような風が吹く。地上の人間たちはその姿を首が痛くなるほどに見上げながら歓声を上げる。


 ありがとうアレス!

 さすがヒーロー!

 また助けてくれたのね!


 立ち上がったアレスは地上の人間たちを見下ろしながらその歓声を受け取るとにっこりとさわやかに笑う。


「皆さんを守るのが、俺の使命ですので」


 そういうとアレスの身体が白く光り輝いていく。そうして白い光にアレスの身体が覆われ、次の瞬間、ビルより大きいアレスの姿は消えてしまった。人間たちは爆発するような歓声をもう一度上げた。




***




 とある銀河のとある星。その星の科学力は国家の威信をかけてようやく衛星に人間を送り込むことができる、という、宇宙全体から見たら原始的も原始的な文明。そのうえこの星の人類は比較的小型なため、侵略したい宇宙人にとっては格好の的だ。

 価値ある星をそのような行為から保護するため、宇宙全体を管轄する組織から侵略的宇宙人を撃退し、その星の生物を守る人員が派遣される。それがこの星のヒーローであるアレスだった。

 数年前侵略的宇宙人を撃退する形で現われたアレスに人類は喝采し、そのルックスと雰囲気も相まってあっという間に名実ともに世界のヒーローとなった。宇宙人を撃退するだけではなく、バリアで逃げ遅れた人々を守ったり、テレパスで孤立した人の声を聞き救出したり、また自重で道路を破壊しないよう浮遊能力で衝撃を軽減したり、人間への気遣いも欠かさない。人類にとって、アレスはまさに理想のヒーローだった。


 今日、この時までは。



***




 次の日、再びその沿岸都市にアレスは現われた。消えたときと同じくまぶしい光とともにその巨大な姿を見せる。違ったのはアレスの出現とともに今までとは比較にならない地響きが起きたことだ。ズゴォン! という音とともに地面が大きく揺れ、人々は地面に伏し、車は飛び上がり、近くのビルの窓ガラスにひびが入った。アレスが着地した道路のアスファルトは無残にも砕け散り、ブーツが地面にめり込んでいる。人々は戸惑いながらもアレスを囲むようにして見上げる。


アレスよ

どうしたのかしら?

また侵略が?



 人々は戸惑いながらもアレスへの信頼から、逃げるようなことをせずその天を突くような姿を見上げていた。一方のアレスは自分の踝にも満たない人間たちをじろりと見下ろす。その目つきは今までのように優しげなものではなく、まるで虫を相手にするかのような蔑んだものだった。


「……ったく、ようやくだぜ」


 アレスがにやりと笑う。動揺している人々を見下ろしながらおもむろに右腕を上げると、真横にあるビルにその拳を叩きつける。拳はビルに難なくめり込んでいき、コンクリも鉄骨もまとめて破壊していく。――もちろん、まだそのビルの中にはまだ人間がいた。衝撃で割れた窓ガラスが落ちていき、地上にいた人々が悲鳴を上げながら逃げまどう。人間たちの動揺が大きくなっていく。が、それでも人々はなりふり構わず逃げ出すようなことはなかった。何故ならアレスは自分たちを助けてくれるヒーローだからだ。ビルに拳をぶち込んだのも、何か理由があってのことだと自分に言い聞かせていた。そんな人間たちを見下ろしていたアレスは、口角を上げながら鼻を鳴らす。


「ずっとウザかったんだよなあ……こんな下等生物のお守りなんかさせられてさ」


 アレスがビルから拳を引き抜く。銀色のタイツの指部分には点々と赤い血の模様がへばりついている。人々はアレスの言葉をすぐには理解できなかった。ウザかった? 下等生物? 何かの聞き間違いではないかと縋るようにアレスを見上げる。が、その視線を受けたアレスはとうとうこらえきれずに大きな笑い声をあげた。街中に響く声がビリビリと空気を震わせる。


「ばっかだよなあ、お前らは」


 今までの爽やかさなどかけらも見られない歪んだ笑み。手についた人間のシミを一瞥しながらアレスは喜々として、まだ何も知らない人間たちに、告げる。


――お前らの星は、もう保護する価値が無くなったんだよ。さっき俺のとこに通知が来てさ、用なしだってさ。だからこの星、俺が滅ぼすから。


  シン、と周囲が一瞬静まり返る。何を言っているんだと言わんばかりに。アレスを見上げる人々は困惑しながらも、男も女も老人も子供も、誰一人この今から星を滅ぼすと宣言した男の前から逃げ出そうとはしなかった。それは今までアレスが培ってきた信頼の賜物。だがそれもアレスからすれば愚かな行いにしか見えない。アレスはゆっくりとアスファルトに埋まる右足を持ち上げる。大型トラックを簡単に踏み潰すことのできるブーツが土くれをパラパラと落としながら五メートル以上持ち上がる。そしてそのブーツが、群衆のまっただ中に踏み下ろされた。ズゴォン! というすさまじい轟音とともに衝撃で周囲の人間が吹き飛ばされる。アスファルトを砕いたブーツは完全に地面にめり込んでいた。真下にいた人間の生死など聞くまでもない。周囲には赤い血が飛び散り、吹き飛ばされた人間の腕や足が散らばっている。あっけにとられる人間たち。それを見下ろしていたアレスは、また小馬鹿にしたように告げる。


「逃げねえのか?」


 ――その一言で、ようやく群衆の一人が叫び声をあげた。それを皮切りにパニックが次々と伝播していき、どんどん大きくなる悲鳴とともに人々がアレスから逃げるようにして走り出す。その圧倒的なのろさにアレスは噴き出してしまう。


「おっそ。それで逃げてんの?」


 アレスが反対の足を浮かせると踏み砕いたアスファルトのかけらがばらばらと落ちる。アレスはその足をゆっくりと前に出すが、それは人間からすれば車より速いスピードだ。あっという間に逃げる群衆たちが影に覆われる。人々が上を見上げると、トラック並み、いやそれより大きい靴底が勢いよく迫ってきて――また衝撃。吹き飛ばされた周りの人間を見てアレスはははっと笑い捨てる。


「ほんっと弱いよなあ……ちょっとしたことで死ぬから守るのもマジ大変で……おっ?」


 人々がアレスから距離を取ろうと逃げる中、一人の警察官が勇敢にもアレスに銃を向けていた。パン、パンと破裂音が響くが、アレスには蚊が止まったほどの効果もない。


「へえ~……そういうことすんだ」


 アレスはその場でしゃがみ込むと、自分に銃を向ける警察官に手を伸ばす。慌てて逃げ出そうとする警察官を親指と人差し指で難なく摘まみ上げ、自らの顔の前に持ってくる。アレスはしゃがんでいるが、それでも地上二十メートルを超える高さ。落ちれば死は確実の高さに警官は悲鳴を上げる。


「勇気あるお巡りさんだな~……ほら、撃ってみろよ。そのおもちゃでさ」


 警官の前には、アレスの精悍で巨大な顔が視界いっぱいに広がっている。その馬鹿にしたような表情に、恐怖と怒りでぐちゃぐちゃになった警官は自棄になったようにアレスの顔に向けて銃弾を撃ち込む。弾は確実にアレスの赤銅の肌に命中したが、アレスは顔をゆがめもしない。当然のごとく肌に傷一つついていなかった。残弾のない銃のトリガーを引きまくる警官をアレスは蔑むように見つめる。


「……はっ、やっぱ痛くもかゆくもねーな。無意味だったな。じゃーなお巡りさん」


 アレスが指を軽くこねると摘まれていた警官はぐちゅりと泣き別れとなり地面へと落ちていった。ふい、とアレスが道路に目線を向ければ、警官と遊んでいる間に人間たちはそれなりに遠くへと逃げていた。それでもアレスなら数歩で追いつける距離だ。


「……ま、後でもいいか」


 アレスは立ち上がると、ちょうど横にあったビルに身体を向ける。アレスの胸元ほどの高さしかないビルだ。屋上に手を乗せるとその重みでコンクリが陥没し、最上階のガラスが爆発するように割れる。そのままゆっくりと腰を曲げてビルの上層階を覗き込む。


「……まだ逃げてないのか。ほんとトロいな……」


 ビルの中にはまだ人間たちが大勢いた。アレスの宣言は聞いてはいたが直接群衆が踏みつぶされたところを見たわけではないので、パニックになるほどの危機感がなかったのだ。今中の人間たちはフロアの窓いっぱいに広がるアレスの顔に腰を抜かし、距離を取ろうと這いずっている。それを笑うアレスの吐息でビルの窓ガラスが一瞬にして曇りひびが入る。


「ほら、出してやるよ」


 アレスが右手をビルの窓ガラスに当てると、その指は難なくガラスをぶち破ってフロアの中に侵入する。天井や床を削り、机やコピー機を弾き飛ばしながら逃げ惑う人間たちを隅の方へと追い立てていく。一塊になったところで手の中に握りこみ、ビルの外へ引っ張り出す。その瞬間、柱が何本もめちゃくちゃになったそのフロアは鈍い音を立ててぺしゃんこになってしまった。何とかビルの形は保っているが、今にもまとめて崩れそうな不安定さだ。


「お~~お前ら、危機一髪だったな~」


 アレスが握りこんだ数人の人間に笑いかける。当の本人たちはアレスの手の中で震えるばかりだ。そこでアレスの雰囲気が変わる。


「あ? 礼もねえのか?」


 地を這うようなアレスの声に人間たちはヒュッと喉を鳴らした。そしてそのうちの一人が礼を言おうと口を開く前にアレスはぐっと拳を握り、脆弱な人間たちは一瞬でアレスの手の中でミンチになった。ぼたぼたと血肉が地面に落ちる。アレスがぱっぱと手を振れば、特殊素材のタイツに先ほど潰した人間の痕跡など欠片もなかった。アレスは目の前のビルにちらりと目をやる。中を見なくても、テレパスで中にはまだ大勢人がいるのはわかっていた。


「……もういいか」


 ぐっと腰あたりで拳を握ると、そのままビルに向かって突きを繰り出す。解体用の鉄球の何十倍もの威力のパンチがビルの中腹にぶち当たると、衝撃でビルの窓ガラスがすべて割れ、数フロアをぶち抜く大穴が開く。中の壁も柱も階段も人間もまとめてぶち壊しながらアレスの拳がビルの反対側に突き抜けた。そんな大穴が開けばビルが耐えられるわけもなく、上層階が下層階を押し潰しながら崩れていく。中の人間も巻き込みながらだ。腕を引き抜き、一部形を保ってていた下層階をブーツでぐりぐりと踏みにじっていると、バタバタと空気を裂く音がして、アレスはそっちを振り返った。


「……ようやくお出ましかよ」


 ビルの上空を滑るようにしてやってきたのは、四機の戦闘ヘリである。宇宙人の出現の多いこの都市には軍の基地が隣接している。ほぼアレスが撃退してしまうため殆ど出張ることはなかったが、人間も撃退に協力している、というスタンスを保つために必要だったのだ。四機のヘリはアレスと相対するように500メートルほどの距離を開けてホバリングする。そのうちの一機が拡声器でアレスに呼びかける。


『アレス、今すぐ破壊行為をやめなさい! 君のしていることは重大な犯罪だ!』

「……わかってねえなー。お前ら」


 警告を行うヘリに、アレスは心底呆れたように苦笑した。ちょうど足元にいた、瓦礫に埋まって動けない乗用車を見つけると、屈んで片手で掴み、ゆっくりと持ち上げる。アレスの手のひらより小さい車体は掴まれただけで既にボロボロだが、中の運転手はまだ生きていた。


「お前らのルールなんて、俺には何の意味もねえの」


 アレスに握られた車体がミシリと歪む。残っていたフロントガラスが砕け、車内の人間が悲鳴を上げる。


『アレス! やめろ!』

「俺様がこんな原始的な文明しか持たない星とくっそ弱いお前らを守ってたのは、それが上からの命令だったから」


 アレスの指がバギバギと車に食い込んでいく。運転手はもう逃げることもできず、狭くなる車内でひたすらに泣き叫ぶだけだ。


『アレス!!』

「もう守る価値のない星を滅ぼすってのは、犯罪でもなんでもねえの。だからこうやって……」


 アレスが手に力を入れると、ぐしゃりという音とともに車体がアレスの手の中に消える。アレスがもう一度手を開いたときには車といえるものはなく、ただの鉄くずが手のひらにあるだけだった。車の中に乗っていた人間がどうなったかなど、見るまでもなかった。アレスはその鉄くずをさらに手の中で丸めていく。あっという間に車だったものは丸い鉄の玉に変わってしまった。


「……人間を車ごと潰しても、問題ないってわけ」

『……それは宣戦布告と受け取るぞ』

「だーから、違うんだって!」


 アレスが笑う。手のひらの鉄の玉を一機のヘリに向かってピンとはじく。ヘリはよける間もなく凄まじい速度で突っ込んできた鉄球がぶつかってきて、ぐしゃりと機体が潰れたと同時に爆発した。炎と煙を上げながらヘリの残骸が地上に落下していく。


「人間はアリに宣戦布告はしないだろ?」




続く

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Comments

曹達(ソーダ)

人知を超えた強大な存在が、味方ではなくなる瞬間ってゾクリとしますね……! 「皆さんを守るのが、俺の使命ですので」ってそういう意味かぁ、となりましたw その日まで丁寧口調だったのが、いきなり雑な喋り話し方になるのも、 あぁ本当にスタンスが完全に変わっちゃったんだなぁ……と興奮しちゃいます(*´Д`) 色々と街へのダメージを軽減する配慮をオフにした状態での破壊力は凄まじいですね! そして警官を指先で潰しても何の感慨も無さそうなのがまたたまらないです! 最後のセリフも良いですね……!つまりはアレス君にとって人類はアリ同然ってことですもんね^q^ 後編も楽しみにしています!(*´Д`)

ichiarrow

コメントありがとうございます!! 人間からすれば最高の味方が最悪の敵になるわけですからね… アレス的には命令だから守ってただけなので、滅ぼせることになってすごい嬉しいみたいです。 警官はまだまだ序の口なので、後編もご期待ください!

Mibusaki

爽やかイケメンが豹変するの本当にいいですね……!(アレスさんにとってはむしろそっちが素なんでしょうけど) 一緒に戦っている体を保っていた人間たちのヘリや警官が何もできないのが、圧倒的な力の差を感じちゃいますね!人間側は対話をしようとしてますが、そもそもアレスさんにとっては下等生物としか見られてないので、いや対話も何も……wって感じなのがすごくいいです!!!保護対象じゃなくなった途端、なんの躊躇もなくぐしゃぐしゃに蹂躙していて、本当に上からの命令だけで上辺を取り繕ってたんだな〜って感じます!巨人からしたら虫みたいなサイズの奴らを潰さないように活動するのはさぞ大変だったでしょうに……、これまでのストレスを存分にぶつけちゃって欲しいですね! 本当にイチヤさんの書く爽やかイケメンは最高ですね……!続きが楽しみです!

ichiarrow

コメントありがとうございます! 豹変するイケメンいいですよね…味方だった時も心の中ではあ~~うぜえなあ……とかずーっと思ってたんじゃないかと思います。 力の差も圧倒的で蹂躙に躊躇もないとすればもう、思いっきり暴れるしかないですよね!後編もご期待ください!