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前編はこちら

巨人サウナ(前編)

「霧島雄太様ですね。……お待ちしておりました」  とてつもなく広い空間。ドーム球場が何個も置けそうな広さに、高層ビルを二つ重ねてもまだ届かなそうな高さの天井。その一角にその空間と比べれば小さな、といっても雑居ビルなどは優に超える大きさと高さの白くのっぺりとした直方体があり、その上にはまるでホテルのカ...





 霧島を乗せた手が、ゆっくりと下がっていく。タクミが息をするたびに腹筋が収縮し、垂れ幕より大きなTシャツが揺れる。臍の近くまで下がると、直立していたタクミが少し屈んだ。上空が影となり、上からタクミが覗き込む形になる。その鼻先から汗が一滴流れ落ち、霧島が乗る手の指先が濡れる。バケツ一杯はありそうな水量の汗が皮膚の上ではじけ飛び、その飛沫と匂いが霧島の元まで降りかかる。霧島が濡れた髪をかき上げると、もう手のひらはハーフパンツの目の前まで来ていた。ごくり、と霧島の喉が鳴る。


「すっげえ……」


 通常運動用のハーフパンツは動きやすいようゆったりと作られているものだが、タクミのそれは発達した太ももに引っ張られていてあまり余裕がない。タクミの手になで回されて円筒のようなシルエットが浮き出るが、そのでかさは尋常ではない。霧島のような人間は比較にすらならず、その辺のセダンタイプの乗用車より確実に大きい。路線バスクラスでようやくいい勝負になりそうなブツを、霧島の目の前でタクミが撫でまわしている。時折ぐにぐにと掴んでいるところからすれば、まだ勃っていないのは明白だ。


「ふふ……ボクサーの中もすげー蒸れてるんで……」


 タクミは股間を撫でまわすのをやめると、ハーフパンツの腰ゴムに手をかける。霧島を乗せた手のひらを臍のあたりまで寄せると、ボクサーパンツごと、ゆっくりとハーフパンツを開いていく。こもった熱による上昇気流とともに、パンツの中で濃縮された匂いが一気に舞い上がる。それを直接浴びた霧島の衝撃は今までの比ではない。汗と柑橘類と、それから少しばかりのアンモニアの匂い。激烈に濃いタクミのフェロモンに霧島はタクミの手のひらの上で昏倒しそうになったが、なんとか気力で立ちとどまる。


(こ、これからだぞ……)

「いいリアクションっすねー」


 タクミがそっと開いたパンツの中に霧島を乗せた手を近づける。霧島が手の上に四つん這いになり覗き込むと、そこにいたのはまるで黒い茂みの中に、パンツのカーブに沿って悠々と横たわる、大蛇のような一物であった。勃っていないのに既にバスをしのぐ大きさ。霧島の腕ほどもありそうな太さの血管が蔦のように竿全体に張り付いており、ドクドクと血液を本体に送り込んでいる。高く張り出したカリは大きく段差を作っており、亀頭の大きさはそれだけで軽自動車ぐらいならぺしゃんこに押し潰してしまえそうだ。運動と興奮で血の巡りがよくなったチンコ全体から熱と匂いが止めどなく発散されている。


「じゃ、いいですね」

「は、はい……」


 タクミは了承を取ると、霧島を乗せた手の親指と人差し指で器用に霧島をつまみ上げる。そして反対の手で開いているパンツの中に手を入れてパンツの大部分を占領している肉棒の上に霧島を乗せた。


「それじゃ、サウナをお楽しみください」


 最後に上から笑いかけて、タクミはそっとパンツを開いていた手を戻した。



***


(さーてと)


 自らのパンツの中に霧島を入れたタクミは、しばらく身体を動かさないままにしてチンコの上に乗っている霧島に意識を集中した。サウナの際はぴったりとしたボクサーパンツをはいているが、パンツから落下するのもないわけではないのだ。もっとも太腿がぶっといタクミではボクサーの裾はパツパツになるほど引き延ばされるため、人間程度の重さでは隙間に入ることすらできないが、チンコから滑り落ち、そのままチンコやきんたまの重さで押しつぶされたりすることは十分可能性はある。


(ふふ、くすぐってえな……)


 チンコの上でもぞもぞと小さなものが動く感触にすぐチンコが勃ってしまいそうになるが、それはまだ早い。気力で勃起を押さえていると、慣れてきたのか霧島の動きが安定してくる。


「(いいかな……)じゃあ、動きますよー」


 霧島が滑り落ちないようにタクミはゆっくりと歩を進める。目的はデスクだ。さすがにサウナの間ずっと立ち続けるのは大変なので、大部分は椅子に座る。二歩でデスクにたどり着き、キャスター付きの椅子を引く。チンコが動かないように股を開いて、どっかりとタクミは座面に尻を下ろした。さすがに慌てているのか、チンコの上で霧島がバタバタともがいている感触がタクミに伝わる。


「ふふっ、くすぐったいな」


 タクミは戯れにチンコに力を入れ、ピクリとだけ動かした。



***



 そんな外の様子とは裏腹に、パンツの中にいる霧島は壮絶だった。


(すごっ……これ……すげえ……)


 タクミのチンコに上に乗せられた霧島だが、既に汗だくのタクミのチンコはつるつると滑るため、チンコを抱え込むようにして何とか体勢を保った。もちろん抱え込むことのできるサイズではないため、正確には大の字になったという方が近いが、それでもなんとか太い血管に手をかけながら滑り落ちないように身体を安定させる。パンツが閉じられると、光はさえぎられてほとんど真っ暗になってしまう。だが視界がなくとも霧島の残りの感覚は目まぐるしく稼働していた。パンツの中そのものがすごい熱気に包まれているが、霧島が今抱き着いているチンコはそれ以上に熱い。もちろん火傷するほどではないが、まるで岩盤浴のようにチンコの熱が霧島の体全体をほてらせていく。タクミ自身の汗によってパンツの中は霧すら出そうなほどの湿気で、霧島から噴き出す汗はただだらだらと体を流れていくだけだ。


(そんで……この……雄の、匂い……!!)


 密閉されたパンツの中はタクミの匂いをさらに濃いものにし、もはや香水を直接ぶっかけているかのように霧島の鼻孔を強烈に刺激している。匂いに興奮して息が荒くなり、それでさらに匂いを取り込んで興奮するスパイラルだ。霧島の、人間としてはそれなりのサイズだが、タクミとは比べ物にならない小さなチンコは当然のようにガチガチになっている。


「ふあっ……」


 果てそうになってとっさに霧島は腰を浮かす。バスのようなでかさのチンコだが、チンコである以上血は巡っており、その脈動がドクドクと霧島の体を揺らす。手をかけている血管にはダイレクトに振動が届き、また血管を流れる血の音も霧島の耳に聞こえるぐらいには大きい。



「じゃあ、動きますよ~」



 こもったような大音量がパンツの中に響いて、そのあとぐらりと地面が揺れた。霧島は転がらないよう慌ててツタのような血管に手をかけなおして踏ん張る。ぐらぐらと激しく揺れるも、パンツの中を埋めつくす巨大なチンコはぶらぶらと揺れることなく安定しているので霧島は何とか振り落とされずに済んだ。ふわりとした浮遊感の後、身体が跳ねるほどの衝撃。ジェットコースターなんて目じゃないぐらいのスリルに霧島は汗で滑るチンコを何とかつかもうとすがるように手や足を動かす。熱気の汗と冷や汗が同時に吹き出てだくだくだ。


「ふふっ、くすぐったいな」


 くぐもったタクミの声が聞こえた瞬間、霧島の下にデロンと横たわっていたチンコがびくりと揺れる。タクミにとってはほんの少し動かしただけだが、霧島にとってはバス並みの巨根。なすすべなく宙に吹っ飛ばされる。吹っ飛ばされた先はワイヤーのような太さの陰毛の茂みで、霧島は柔らかくそれに受け止められる。そして同時に陰毛がからめとっていたタクミのフェロモンを大量に吸い込んでしまう。霧島の脳は電流が走ったかのようにスパークする。ふらふらになりながら霧島はタクミのチンコへと戻った。熱気と興奮とフェロモンで頭はほとんど回っていない。ただ本能のままに自身の何倍もあるその肉棒に手を触れ、抱きつき、口づけをする。霧島がしばらくそうしていると、チンコを流れる血流の音が地鳴りのように大きくなる。そして霧島は自らがはいつくばっている地面が広がって、つまり大きくなっていくのを身体全体で感じた。


(勃ってきてるんだ……)


 自分の存在がタクミのチンコを勃起させていると理解して、霧島の心が高鳴っていく。パンツをぐいぐいと押し広げながらでかくなっていくチンコによって霧島の存在できる空間は逆に小さくなっていく。霧島は圧迫から逃げるように、長さを増していく竿の上を這いずりながら亀頭へと向かう。が、カリに差し掛かったところでその腰ほどはありそうな段差の先は既にぎちぎちと嫌な音を立てるほどパンツを押し広げている最中だった。その先には行けないし、もし行けたとしてもあっという間に亀頭とパンツに挟まれて霧島は押しつぶされてしまう。むしろ今もそのカリの段差のおかげで助かっているぐらいだ。


「あちい……」


 勃起によってチンコはより一層熱を放出しており、霧島の周囲は砂漠のような暑さだった。もちろん通常のサウナに比べれば低い温度だが、それに劣らないほど霧島からは汗が噴き出ている。身体の下にあるチンコには直接触れておりそれが常に熱を発しているのだ。血管から直接伝わる脈が霧島を身体ごと揺らす。チンコにたたきつけられるたびにまた霧島の小さなモノも揺すられて果ててしまいそうになる。


(ちょっと落ち着こう……)


 霧島は体の向きを変え、カリの段差に身体を潜り込ませるようにして体勢を変える。洗い残しがあったのかほんの少しだけ恥垢の匂いがする。そのままの体勢で息を整えている間にもタクミのチンコは勃ちつづけていく。最初のころの柔らかさは消え、今や硬質ゴムのような硬さで大きさを増していくタクミのチンコ。既にバスなど一撃で叩き潰せるサイズだが、それでもまだ完勃ちではない。パンツのいたるところから衣擦れの音が響きわたって、もはやこのカリの段差だけが安全地帯はないのではないかと霧島は息を吐く。


「……そろそろだな」


 くぐもった声が聞こえてぐん、と霧島の体が引っ張られるほど勃起が加速した。もはやパンツを突き破らんばかりに巨大化するチンコに霧島は必死で縋りつく。それと同時にチンコの角度も変わっていく。固さを保ったままパンツをかき分けるようにして上昇していくチンコ。霧島はしがみつこうと頑張ったが汗でどろどろの身体では重力に耐え切れず、ずるずると竿を滑り落ちて、陰毛の茂みの上に落ちる。落下の衝撃で陰毛が蓄えていたフェロモンがまた霧島を包む。


「うわ……」


 ぐんぐんと巨大化していくチンコは、もはやパンツにおさまらなかった。立ち上がり怒張する亀頭が、霧島には到達することすら不可能な腰ゴムを押し入る形でこじ開ける。その瞬間、腰ゴムとチンコの隙間から柔らかい光が霧島のもとへと降りてくる。くらむ目を細めながら見上げると、霧島の足元から、まるで樹齢百年を超える大樹のような一物が腰ゴムを割ってそびえたっていた。光が柔らかいのはまだパンツの先のハーフパンツが閉じているからだが、そのハーフパンツが突如開かれる。今度は強烈な光が霧島を襲う。


「ふふ……楽しんでいただけましたか?」


 上からタクミの声がダイレクトに降ってくる。パンツの隙間からタクミが陰毛に絡まっている霧島を見て笑っている。ぬう、と右手が伸びてきて、人間の胴体より太い指が霧島をつまみ上げた。熱気から解放されて霧島は大きく息を吸う。


「汗だくですね~……そんなに俺のチンコ良かったですか?」

「う、うん……」


 タクミは余裕の表情だが、その顔の前まで持ち上げられた霧島は息も絶え絶えだ。しかしタクミが何をしたかといえば、チンコを勃起させただけなのである。巨人と人間の差を改めて思い知らされて、霧島の興奮はさらに深まっていく。


「ほら見てくださいよ……雄太さんのおかげで勃っちゃいましたよ……」


 タクミが座ったままパンツをずり下ろし、摘まんだ霧島を降ろしていく、霧島が見たのは、今や最初の二倍近くまで巨大化した、タクミの長大な陰茎だった。そのでかさといえば、もはや人間の電車と比べても遜色ないレベルである。高さだけなら雑居ビルと比べてもそん色がない。


「これは一回抜かないとおさまりませんね……」


 タクミは霧島を机の上に置くと、ギシリと椅子をきしませながら立ち上がる。そうすると、もう机の上からでもタクミのチンコは霧島より遥か高いところにある。タクミは脚でパンツとハーフパンツを脱ぐと、そのまま汗で濡れているTシャツの裾に手をかける。汗で張り付いたTシャツがめくられて行って、タクミの鍛えられた身体が姿を現していく。六つに割れた腹筋にわき腹を彩る腹斜筋。そしてその中心で強烈な存在感を放つ、天を突くようにそびえたつ肉棒。ギンギンに勃ちあがったチンコの先端からは、どぷりどぷりと重々しく先走りが噴き出して、亀頭をぬらぬらと光らせている。


「……っはは、声も出ませんか?」


 霧島が見上げていたチンコの、さらに上から声が降る。霧島がさらに首を上げると、岸壁のようにせり出した大胸筋の向こうに、机の上の霧島をにやにやと見下ろしているタクミがいた。


「――そうだ、せっかくだし、手伝ってもらいましょうか」

「えっ……うわっ!」


 タクミが腰を折り、机の上に両手をついた。それだけで霧島の立つ地面は大きく揺れて霧島は立っていられず倒れ込む。その状態のまま真上を見上げると、霧島の視界にはタクミしか映っていなかった。筋肉がみっしりとついた極太の二本の柱。その先には広大なタクミの身体がドームの屋根のように広がっている。光を遮って影になるその身体はとてつもなく重厚で、人間の構造物には存在しえないプレッシャーに霧島は無意識に気圧されてしまう。二本の柱――タクミの両腕のうち一本が机から離れて股間の中央で立ち上がっているチンコを掴む。乗用車をすっぽりと掴んでしまえる程でかい手なのに、握られた匠のチンコはまだ半分以上が飛び出ている。タクミは腰を落としながらその天を衝く肉棒を無理やり机に押し付ける。その衝撃でまた机が揺れた。


「あ……」

「ふふ……ほら、気持ちよくさせてくださいよ……」


 机に押し付けられた肉棒は、その太さですら霧島を超えるほどでかい。鈴口からあふれ出る先走りが机へとしたたり、大きな水たまりを形成している。霧島はゆっくりと立ち上がると、まるで電車のようなサイズのチンコへと歩いていく。先走りで滑らないようにしながら亀頭に触れる。ガッチガチに膨れ上がった亀頭は霧島がどんなに手を押し込もうとしても一ミリもへこまなかったが、それが生き物であることを証明する熱い温度が手を通して霧島に伝わっていく。霧島は亀頭に抱き着いて、むしゃぶるようにその表面にキスをした。流れでる先走りを腕に塗りたくり、こすりつけるようにして手を動かしていく。霧島は全身を使って必死にタクミのチンコを気持ちよくしようと頑張っていたが、そのサイズ差はあまりに大きく、タクミにとっては微々たる刺激にしかならなかった。タクミがほんの少しだけ腰を突き出す。


「うわっ!」


 タクミにとってはほんの少しでも、霧島にとってはそれこそ電車が急に動き出したようなものだ。後ろに吹っ飛んだ霧島だが、粘り気のある先走りがクッションとなり痛み一つない。それを上から見ながらタクミが笑う。


「はは……もういいっすよ……おれ、もう限界なんで……」


 息を荒くしたタクミが、先走りを塗りたくりながらぐちゅぐちゅと自らのモノを擦っていく。その迫力に、霧島はぽかんと口を開けるしかない。そのスライドで巻き起こった風が霧島の元まで届いて髪を強くなびかせるほどだ。もし触れようものなら人間など一瞬で引きつぶされてしまう。タクミが擦るスピードを上げていくとそれだけ風も強くなり、泡だった先走りがたてる音も大きくなる。そして霧島の目の前で、タクミの亀頭がさらに一回り膨れ上がった。同時にタクミがぐっとその竿を無理やり霧島に向ける。


「えっ!?」

「ああああ!! イク! いきますよ!!」


 霧島の動揺はタクミの声にかき消された。次の瞬間、真っ白い奔流が巨大な鈴口から爆発のように噴き出した。巨人による射精。それも若く、電車並みに巨大なチンコを持つタクミだ。放たれる精液の量も尋常ではなく、浴槽一杯程度じゃ済まない質量が勢いよく霧島へ襲い来る。直撃を受ければ吹っ飛ぶだけじゃ済まない。霧島はとっさに腕で顔をかばうが、タクミの精液は霧島の手前に着弾した。だがそれでも勢いの残った飛沫が霧島に降りかかる。そのまま二発、三発と白い砲弾が放たれて、一発も直撃していないにもかかわらず、その飛沫だけで霧島は真っ白になってしまった。タクミが絞るようにその砲塔を擦り、ぼたぼたぼたと尿道に残った精液を机に落とす。それだけでもバケツ数杯をあっという間に満たしてしまうほどの量だ。


(すっ…………げえ………)


 精液まみれで精液の中にいるといっても過言ではない霧島は、その匂いをダイレクトに喰らって酩酊していた。顔を守っていた腕を下げると、ちょうど霧島の方を見下ろしたタクミと目が合う。いまだいきり立つチンコから手を放してタクミがくすっと笑う。


「あはは、真っ白じゃないですか」


 洗いましょうね、とタクミは机の上の霧島をつまみ上げた。もう息も絶え絶えな霧島を、タクミは机の上に用意してあった小さな洗面器で優しく洗っていく。霧島はとうの昔に果てており、タクミが全身を擦る中で触れる霧島の小さなものも既に萎えた状態だ。


「雄太さんも”整った”みたいでよかったです」


 そのままされるがままに身体を拭かれ、もそもそと服を着ている間にタクミも脱いでいたものをまた着始める。ちらりとタクミが壁の時計を見た。


「時間ですね。ありがとうございました!」


 90分はあっという間に終わった。延長も可能だが、今の霧島にこれ以上何かやる体力は残っていなかった。再びタクミに摘まみ上げられて部屋を出て、フロントのカウンターまで運ばれる。下ろされる前にタクミは霧島を載せている手のひらをぐっと自分の顔に近づけた。


「また、来てくださいね」

「わっ」


 タクミが手のひらの霧島に軽くキスをする。もちろん、人間など一口で食ってしまえるタクミの唇は巨大で、霧島は顔全体で柔らかい唇の感触を受け止めた。それに呆けている間に霧島はカウンターのある地面に下ろされる。


「へへ……慣れてきたら、もっと色々しましょうね」


 用事があるということでタクミは霧島を置いて奥に引っ込んでいく。それを追う術は小さな霧島には存在しない。霧島にできるのは、またタクミに合うために次の予約を入れることだけだった。



END


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