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 ロルフ・ヴァン・マイヒェルベックにとって、この世に存在する全ての物事は美しいか美しくないかの二択だった。ロズワール邸で見たエミリアという少女は美しかった。腰まで届く長い銀髪に紫色の瞳が印象的だった。それに首から下も実に抱き心地のよさそうな体型をしている。若い肌を惜しげもなく晒し、胸の谷間を見せつけるファッションは誰の趣味だろう?


 世間では銀髪のハーフエルフは不吉だと嫌われている。それはかつて世界中を混乱に陥れた『嫉妬の魔女』を想起させるからだ。しかしロルフは世間の基準になど流されない。彼から見たエミリアは文句なしに美しい少女であり、好みのタイプだった。


 ロズワール邸で実際にエミリアの姿を目にしてからは、如何にして彼女をベッドに連れ込み、無垢な少女に性の悦びを教え込んでやろうか考えていた。


 肝心のエミリアの周囲には邪魔者が何人もうろついている。まずラムとレムと呼ばれていた双子の使用人が常に主人を守ろうと目を光らせており、近づく隙がなかった。


 だが運はロルフに味方したらしい。双子姉妹のうち妹のほうが単独で奇襲を仕掛けてきた。レムは青髪の美少女で、長く伸ばした前髪により右眼を隠している。姉のラムに比べ物腰や語調こそ柔らかいものの、胡散臭い男に向ける警戒の眼差しは姉以上だった。


 ロズワール邸を辞したあと、ロルフは屋敷に監視用ミーティアを仕掛けるため戻った。彼を尾行していたレムは、男の怪しい行動を見つけるや否や襲いかかった。鬼族の膂力を生かした鉄球での攻撃は、もしロルフが見た目だけの男なら瞬殺されていただろう。だが彼は騎士を名乗るだけの実力者だった。


 レムを返り討ちにしたロルフは彼女を犯した。鬼かわいいメイドの下腹部に淫紋を植え付け、術者に逆らえない性奴隷にしたのだ。


 その後、彼はレムを調教し手駒にした。レムは命じられるがままロルフのために情報を集め、彼にエミリア陣営の動きを報告する忠実な間者に成り果てた。


 あれから数日経ち、舞台はロズワール邸から王都に移った。いよいよ王選が本格的に始まる。エミリアたち王候補が王都に集まった。


「本当にこれを着て、するんですか?」


 そう言ってレムが恥ずかしそうに身をよじる。彼女が身にまとっているのは、ノースリーブの上着にタイトなミニスカート。胸元は大きく開いていて、たわわな胸がこぼれ落ちそうだ。太ももまでの黒いストッキングが、ガーターベルトと相まっていやらしい雰囲気を漂わせている。ミニスカートの丈は、床に落ちた物を拾おうと前屈したら下着が見えてしまうくらい短い。


 露出度の高いその格好だけで男を誘っていると言われても仕方ない服装だ。レム自身も羞恥を感じているのか頰は紅潮している。


 そんなレムを見てロルフは満足そうに笑う。


「よく似合ってるじゃないか」


 男の賛辞に、レムの顔がさらに真っ赤になった。「そんなわけないじゃないですか!」


 王選会議に出席するエミリアに付き従い、レムも王都にやって来た。それを幸いとしてロルフはレムを自分の屋敷に呼び出したのだ。


「他の人間には気づかれないようこっそり俺の家に来い」


 淫紋を介した命令に逆らえないレムは、行けばどんな扱いを受けるか分かっていながらロルフの屋敷を訪れた。


 案の定、レムが部屋に入るなりロルフは彼女に服を脱げと命じた。当然、レムは反抗したが結局は逆らうことができず、彼が用意した衣装を身につけることになったのだった。


「レムちゃんって背が小さいから大人っぽく見えないけど、こうやって見るとちゃんと魅力的な体してるよね」


 ロルフはベッドの上に腰掛けると両手を広げて、隣に座れとレムに合図をする。


「いやです」


 淫紋を介した命令ではなかったため、レムはロルフの隣に座ることを拒否した。たとえ最後は彼の命じるままになるとしても、私は自分の意志であなたに従っているのではないと示しておきたかった。


 レムに拒絶されたロルフは、肩をすくめて「まいったね」と笑うだけだった。この関係に適度な刺激を与えるスパイスとして、彼は少女のささやかな抵抗を楽しんでいた。


「じゃあその格好のままこっちに来て、俺の服を脱がしてくれ。メイドならご主人様の身支度も慣れたものだろう?」


 今度は淫紋に魔力を通しての命令だ。レムはのろのろと男のほうに歩み寄った。


 ロルフがベッドから立ち上がるとレムは彼の前に跪く。そして少女の小さな手が、男のズボンを降ろすと、既に半勃ちになっている男根が現れた。レムはそれを両手で掴むと、恐る恐る口に含む。舌を使いながら喉の奥深くまで飲み込んでいく。


「俺はレムちゃんに服を脱がせてもらいたかっただけなのに、レムちゃんはそれさえ待ちきれないくらい俺のチンポがほしかったんだな」ロルフは優しくレムの頭を撫でる。


 レムは悔しそうな上目遣いでロルフを睨んだが、そうやって反抗心を燃やせば燃やすほど、淫紋の主――この場合はロルフだ――のチンポがほしくなってしまうところが、この術の厄介な点だった。


「うっ……んん、ちゅぷ……ふぁ、んぅ……んむぅ」


 レムは小さな口を精一杯広げて懸命に怒張を咥え込んでいる。頰が凹み、口腔粘膜で擦り上げられる感覚が心地よい。時折喉奥まで迎え入れようとして嘔吐いているが、涙目になりながら健気にご奉仕を続けていた。


 ロルフの手がレムの耳を弄ぶ。レムはぴくっと体を震わせたが抵抗はしなかった。耳の形を確かめるように撫でられたあと、指が首筋へと下りていく。指先がうなじの辺りを軽くくすぐる。


「ふっ……んっ、んぁ」


「やっぱりレムちゃんはいいなぁ。こんな可愛い子に奉仕してもらえるなんて、それだけで男に生まれてきたかいがあるよ」


「んぐっ!」


 レムの口内を圧迫していたモノの大きさが増すと同時に、先端から苦い液体が流れ出てくる。膨張したチンポに押し出され、レムの口の端から唾液が漏れ出す。


(また飲まされる)


 嫌悪感とは裏腹にレムの体は反応してしまう。喉がゴクリと鳴り、精液を飲み下すための準備運動を始めてしまう。男根の先端から漏れ出す先走り汁と自分の唾液を一緒に啜り、レムは少しずつ、味わうようにして卑猥な混合液を飲み干していく。


 男が出す体液の味、臭い、喉越しがレムを狂わせる。彼女の下腹部が熱を帯び始め、股の間から蜜が溢れ出るのを止められない。タイトスカート姿で男の前に跪き、大きく脚を広げた格好でフェラチオに熱中する姿は、恥じらいも忘れチンポに夢中になるエロ女そのものだった。


 エロ蹲踞でずり上がったスカートから真っ白い臀部がこぼれ出る。純白のショーツにも負けない、きめ細かい美白尻がくねくねと左右に揺れるのは、ロルフのデカチンを咥えながら彼に犯された記憶を思いだしているためだ。淫紋の刻まれた下腹部を疼かせ、レムの膣内が淫猥な愛液で潤っていく。


「はぁ、っんむ、むぅ、ぢゅるるっ♡」


 目の前にあるのは自分をイキ狂わせ、弱い女に変えてしまうデカチンポ。またこれを陰道の奥深くまで突き込まれたら、レムは自我を保っていられる自信はない。


 今のレムは、自分で自分を駄目にする武器を研ぎ澄ませ、準備している状態だった。それが分かっていても彼女は目の前のチンポから口を離せない。ただ単に命令に従っているだけではない。淫紋によって強化された性欲は、もはやレム自身の理性では抗えないところまで高まっている。


「そんなに熱心に見つめられたら俺も興奮してくるよ」


「見つめてなんていません」


 ロルフは笑い出しそうになってしまった。いま、レムの前に鏡を差し出したら、彼女はどんな反応を見せてくれるだろう?


 レムは目の前の雄の象徴を愛おしく舐めまわし、しゃぶり上げ、媚びた視線を送り続けている。本人は気づいていないようだが、その姿は浅ましく貪欲な雌犬そのものだ。自分が発情していることにも気づかず、一心不乱に雄の性器を求める淫乱メイド。ロルフは優越感に浸りながら、レムの頭を撫でてやった。


「よしよし、よく頑張ったな。偉いぞ」


 優しい言葉とは裏腹に、ロルフはレムの頭を押さえつけ、自分の股間に押し付ける。彼女の喉の奥までペニスを押し込んで射精した。


 熱く粘ついたザーメンが胃に直接流し込まれる感覚に身震いし、レムは絶頂に達した。体が痙攣して、その場にへたり込んでしまう。だらしなく開いた口から白濁液がこぼれ落ちた。


 淫紋で結ばれた主従の間では、主人のあらゆる体液が従者を狂わせる媚薬となる。その中でも、最も雄の成分が濃い精液を口から取り込んだのだ。レムは全身を満たす淫気で正気を失いそうになる。だがまだ理性を投げ捨てるわけにはいかない。主人を満足させるまでは終わらないのだから。


「そろそろいいか?」


 レムは蕩けきった頭でコクンとうなずく。ベッドに上がるよう指示され従うと、仰向けになった男に跨った。タイトスカートは穿いたまま、下着だけをずらして、男の巨大な亀頭の上に腰を浮かせた姿勢で待つ。


 これから起こることへの期待で胸がはち切れそうだ。そう、たしかにレムは期待してしまっている。自分をレイプしたロルフのチンポに、早く蹂躙してもらいたいと思っている。そんなことは道徳的に間違っていると頭で考えても、はしたない蜜をこぼしながら雄しべとの結合を待つ陰唇の動きを止めることはできなかった。


「自分で腰を落として挿れるんだ」ロルフが命じた。


 レムは、ゆっくりと腰を下ろす。男の巨根が侵入し、秘所が押し広げられていく。肉襞をかき分けて、熱い肉の棒がレムの中を満たしていった。


「ああぁあぁぁああっ♡♡♡」


 ロズワール邸裏でレイプされて以来の性交だが、淫紋の作用によりレムに苦痛はまったくなかった。むしろ、快感しか感じられない。憎い男のグロテスクなまでに巨大で卑猥な形のチンポを、自らのヴァギナで咥え込んでいく。それは愛する男に自分の意志で奉仕するかのような体位だった。


 だが、これは愛の営みではない。自分は男の欲望のままに体を使われる性処理道具に過ぎないのだと、レムは己の立場を思い出す。だから、どんなに気持ちよくても感じてはいけない――レムは頭の中で、必死に己へ言い聞かせた。


 しかし、それを打ち消すかのように、淫紋が甘い電流を流してくる。子宮の奥から湧き出る快楽物質が、全身隅々にまで染み渡っていき、彼女の意思に反して肉体を蕩かしていく。


 もう耐えられないとばかりに、レムの腰が大きくバウンドする。自分から激しく動き始めてしまったのだ。もはや完全にロルフ専用となってしまったレムマンコは、騎乗位で上下に踊る度に大量の愛液を吹き出した。雌の発情臭を撒き散らす本気汁が男根をしごく手伝いをしていた。


「レムちゃんまんこ、ぬるぬるで気持ちいい~。もっと締め付けて」


「言わないで……くだ、さい……」


 羞恥心を煽るロルフの言葉に、レムの顔が真っ赤になる。いくら拒否しても淫紋に魔力を通されてしまえば、少女の抵抗など濡れ紙を破るよりも容易く突破されてしまう。レムは下半身に力を入れ、きゅうきゅうと蜜壺を締めつけた。そうすると膣壁と密着したロルフの陰茎の形がより鮮明に分かってしまう。


(表面がゴツゴツしてて、細かい凹凸まで引っ掛かってきます……それに、すごく硬いっ!)


 ロルフは少女の反応を楽しみながら、下から突き上げるようなピストンを繰り返す。二人の間でレムのおっぱいが、ゆさゆさと揺れ弾んでいた。その光景に誘引された男の手が、少女の乳房を下からすくい上げるように揉む。


 たぷたぷと左右に揺らしたり、乳房に指が沈み込む感触を楽しみながら何度も揉んだり、四本指で乳房を揉んだまま人差し指で乳首を転がしたり。男の手はレムのおっぱいをあらゆる角度から味わうように弄んだ。


 レムの乳頭は敏感だ。彼女の乳首は男の手遊びに反応し、コリコリに固くなっていた。指で摘まれると甘い声が抑えられなくなる。


「やあっ、おっぱい、揉んじゃっ……んっく、おっぱい、気持ちいいっ……」


 胸からの刺激で淫紋が活性化する。その熱さが全身を駆け巡り、血液の流れに乗って脳まで届くと思考が溶け、何も考えられなくなる。もう何も考えられない、考えられなくしてほしいと、頭の中の情動的な部分がレム自身に訴えかける。


 ロルフは、さらにレムを追い込むように、両方の親指と人差し指で両の突起を強く挟み、こりっこりっと捻るように捏ね回した。敏感な部分に与えられた刺激にレムが悲鳴を上げる。


「や、やめ……♡ くはっ……はあっ、ああ……んううううううっ……!」


「気持ち良くなってるだけじゃなく、そろそろ報告もしてほしいな。エミリア周りは最近どうなってるんだい?」


 乳揉み騎乗位で下から攻めつつ、ロルフはレムに間者としての働きも求めた。


「んっ、ふぁ、はぁ……んっんっんっ、んんんっ! ぁあんっ!」


 自分から聞いておきながら、ロルフはレムが返事をするより先に、少女の膣奥めがけてチンポを突き上げた。子宮口をハードヒットされたレムの喉から嬌声が溢れる。


「レムちゃん答えてよ。命令拒否?」


「ひゃだ……駄目、です……そんなに、突かれ、たらぁ!」


 レムは快感で呂律が回らない。その間も愛撫を受け続ける乳首は痛いほど張り詰めている。淫紋によって感度が増したそこは痛みすら覚えるくらい過敏になっていた。それなのにロルフは容赦なく二つの突起をこね回し、摘み、引っ張る。


「い゛いっ! ご、めんなっ、さ、いっ! もう、らめ、や……あ゛っ!」


「答えられないのか?」


「ご、ごめんなさいぃ! いひいぃっ!」


「それならこう言ってよ」と男は、レムに囁いた。


(そ、そんなこと言えない!)


 レムは首を横に振るが、淫紋による誘導で勝手に口が開いてしまう。


「レ、レムは、おまんこが気持ち良すぎて、頭が、馬鹿になって、ロルフさまのおちんぽで、イカせてもらわないと、報告ひとつ満足にできない駄メイドです」


 レムの言葉を聞いた瞬間、ロルフは素速く上半身を起こした。そして彼女を押し倒した。あっと言う間に天地が逆さまになり、男女の位置が入れ替わる。


「レムちゃんの綺麗な脚にキスさせてよ。ご主人様がメイドの脚に口づけるなんて本来は立場が逆だけどね」


 ロルフはレムの細い足首をつかむと、彼女の両脚を持ち上げる。レムの股は大きく開かれ、ロルフの眼前には少女の秘密の花園がさらけ出されていた。そこを大きく割り開き、何度も出入りする自分の肉茎も丸見えだ。


「いやっ、駄目っ!」


「どうしてだい? こんなに綺麗で美味しそうな脚をしてるのに。俺が味わってあげないともったいないだろ?」


 男は少女のふくらはぎへ黒ストッキング越しにキスを繰り返した。そのまま彼の唇は先端へと回り、レムのくるぶしや土踏まずの部分にも押し当てられる。


 他人の唇が足に触れることなど使用人の人生では経験あるはずがない。レムはこれまで感じたことがない、むず痒さに身をよじらせた。


「やっ♡ そんなとこ舐めちゃ……汚いですからぁっ!」


「可愛い女の子の体に汚いところなんてないよ?」


 レムの懇願をよそに、ロルフは丁寧に足の指一本一本に至るまでキスし、舐めしゃぶり、吸い上げる。時には甘噛みし、歯形をつけたりもした。


「ふぅうんっ、やぁ、そこばっかり……」


 ロルフはレムのガーターベルトを外す。彼女の脚を飾っていた黒ストッキングを脱がせ、ベッドの脇に投げ捨てた。そして自分の腰にレムの両足を巻き付けさせる。これでもう、レムは逃げられない。再び男の性器を咥え込むことになってしまったのだ。


「それじゃあいくぞ」ロルフはレムの中に挿れた状態のまま、体位を変えるためにレムを抱き上げた。


「きゃふっ!」


 いわゆる駅弁スタイルで、二人は繋がったままベッドから下りた。レムの体重がかかることでロルフの男根はさらに奥まで入り込む。その衝撃でレムは軽く達してしまったらしい。膣が痙攣し、襞の一枚一枚が生き物のように蠢く。


「くっ……すごいな、搾りとられそうだ」


 ロルフはレムを落とさないよう慎重に歩く。一歩進むごとに振動が伝わり、レムは軽い絶頂を幾度も繰り返した。


 必然的に、二人の顔の距離が近くなる。レムの小さな唇を奪おうとロルフが顔を寄せると、彼女は顔を背けて逃げようとする。その仕草が逆に可愛らしく感じられ、彼は口元を緩めた。


「レムちゃんは恥ずかしがり屋さんだね。キスしやすいようにこっち向いてごらん」


 淫紋の支配下に置かれたレムに拒否権はない。彼女は瞳を潤ませながらもロルフの命令に従い、おずおずと唇を差し出した。


「んむっ! ちゅっ……んんんっ! はぁ、むぅうう♡」


 お互いの舌を絡ませ、唾液を交換する濃厚な口付け。ロルフの舌先がレムの口内に侵入し、歯をなぞっていく。口蓋を舐められ、頬の内側を擦られ、口の中の粘膜という粘膜を舐め回され、レムは快感に震えた。


 その間にも男の肉竿は抜き差しを繰り返し、レムを追い詰めていく。子宮の入り口をノックするように小刻みに揺さぶられ、その度にレムの口から甘い声が漏れ出た。淫紋の力だけではない。レムの肉体が己の初めてを奪った男の肉棒に馴染んでしまっている。


「ふぁ、ちゅぷ……じゅるる……れろ、れるるぅ、んんっ!」


 レムは無意識のうちにロルフの舌へ自らの舌を絡めていた。まるで恋人同士のような熱烈な接吻。これは愛の営みではない。淫紋の力でロルフの望むままに行動させられているに過ぎない。それを思い出してレムは闘争心が耐えないようにする。だが、そうすればそうするほど、淫紋はレムの肉欲を高め、ロルフのチンポを求めるよう彼女の思考を上書きしてしまう。


「はぁっ、んんぅっ! ちゅっ、ぢゅるるる~ッ♡♡♡」


 レムは全身の力が抜け、ロルフの首に抱きついていることもできない。男に支えられなければ床に落ちてしまう状態だった。完全にロルフに身を任せてしまっている。


 レムの限界が近いと見るや、ロルフは彼女を近くのソファに下ろした。タイトスカートが腰までめくれ上がり、もはや何一つ隠せていない美少女の両脚を限界まで広げさせ、自分はそこへのしかかるように体重をかけた。


「はぁぅ、んぅっ……んっ、んむっ、ぢゅぷっ、ぢゅぱっ、ぢゅるるっ……ぷはぁっ!」


 レムはキスハメに夢中だ。彼女の脚はロルフの肩に担がれ、つま先だけがぷらぷらと揺れている。何も知らない者がこの部屋に入ってきたら、精力旺盛な男が美人秘書をソファの上で犯しているように見えるだろう。その見立ては当たらずとも遠からじと言ったところか。


 ロルフはレムにとどめを刺そうと本腰を入れてピストンした。少女の弱点を責め立てるような激しい抽送に、レムは髪を振り乱して悶え狂った。


「ひぁ、や、だめぇ! こんなっ、あっ、ひいぃんっ! こ、これ以上は、あひぃん、も、もうだめぇええっ! もっ、もうっ、むりぃっ、もうむりぃいい! ――ああぁあ゛っ!」


「まずは一度イカせてあげないと、うちの好色なメイドさんは報告ひとつできないらしいからな」


「そ、そんなのぉおおっ! あぁああっ、だめぇっ……イクっ……イキます!」


「よし、イッていいぞ。俺も一緒に出すから」


「あ、あの、中だけは……中には出さないでくだひゃい……」


「それは無理な相談だな」


「そんなっ……お願いします……レムは、あなたの子供は嫌です……」


「駄目だね。そんなこと言われたら余計に産ませたくなるだろっ!」


「ああぁぁあっ! 熱いの出てましゅうぅううっ!」


 絶頂の衝撃に身悶え、暴れる少女の体をソファに押し付けて、ロルフは彼女の膣内に精液を吐き出し続けた。


「ふう、スッキリしたな。それじゃ報告のほうもよろしく」


 射精し終えるとロルフは素早く頭をエミリア攻略に切り替えた。


 レムの報告によれば、王選会議のあとエミリアと使用人のナツキ・スバルとの間で一悶着あったらしい。


 スバルの名前を聞くとロルフは苦虫を噛み潰したような顔になる。


 スバルはロズワール邸でもロルフを警戒し、何かとちょっかいを出してきた男だ。誰が見てもスバルはエミリアに気があると分かる。彼女の前で格好つけたいのだろう。王選会議にもエミリアには秘密で乱入して一暴れした。


 その席で騎士の名誉を汚す発言があったスバルを、ユリウス・ユークリウスが懲らしめたことも記憶に新しい。


「ユリウスのやつめ、余計なことをしてくれたもんだ」


 王選会議中に起きたナツキ・スバルとユリウスの決闘騒ぎは注目の的になった。ロルフも会場で二人の決闘を見守ったが、あれは決闘などと呼べない一方的な制裁だった。ひたすら強者であるユリウスが、殺さない程度にスバルをいたぶっただけのこと。だがそれによってスバルの暴言に対する制裁は済んだという空気が騎士の間に流れた。


 これ以上ナツキ・スバルに追加の制裁を加えることは騎士道に反する、という空気をユリウスは作り出した。結果的に彼は素人を滅多打ちにした騎士という汚名を被る代わりに、他の騎士からはスバルを守ったのだ。


 それがロルフには気に食わない。ユリウスがいいカッコしなければスバルに制裁を課していたのは自分だったはずだ。ただし、そのときは決闘などという方法は用いない。暗殺である。容疑者は王選会議の場でスバルの暴言を聞いていた騎士全員。仮に犯人を探すとなっても騎士の大半は、本気で仲間を吊るし上げようとはしなかったろう。


「あなたはスバルくんのことが嫌いなんですか?」黙ってしまったロルフにレムが尋ねた。


「俺は美しいものが好きだ。では、俺が嫌いなものは分かるかな?」


「美しくないもの、ですか?」


「美の価値も分からないのにそれを欲しがる下賤な存在だ」


 ロルフは己を美の信奉者、あるいは守護者だと任じている。彼にとって美は崇高なるものだ。ゆえにそれを貶める者は彼の逆鱗に触れることになる。


 ロルフの目から見てナツキ・スバルは美しくない。見た目がというだけではない。その生き方、考え方、吐き出される言葉の一音までロルフの美意識を逆なでする。到底エミリアやレムのような美少女の傍にいるべき人物とは思えない。それなのに彼女たちに手を伸ばそうとする。そしてエミリアやレムもスバルのことを憎からず思っている節があった。


 すべてがロルフの癪に障る。


 彼にしてみればこの世で最も醜い存在が自分の最も愛するものに寄生し、搾取しているようなものだ。


「美しいものの傍にいれば、自分も美しく生きられると思っている――取るに足らない、つまらない己の人生に大した意味が生まれ、光り輝くと思っているような人間は大嫌いでね」


 王候補に選ばれた少女たちはいずれも美しい。誰が選ばれても剣を捧げる価値があるとロルフは感じた。だが、どうせなら王の第一の騎士になり、最側近として働いてみたい野望も彼は持っている。


 そのためには騎士が未定のエミリアは願ったり叶ったりの存在だ。


「スバルくんをどうするおつもりですか?」


 心配そうな顔で尋ねるレム。ロルフはふっと笑い、少女の頰に手を添えた。そしてゆっくりと顔を近づける。唇が触れ合いそうになる瞬間――少女が顔を背けた。


「レムちゃんは害虫を見つけたらどうする? 駆除するだろ。その方法が叩き潰して殺すか、自分とは関係ない場所へ逃してやるかは、その時の状況と気分次第だ」


 レムは一瞬きょとんとしたが、すぐに意を決した顔になる。そして両手で男の頬を優しく包み込むと、自分から唇を重ねた。


「う、む……んんっ、ぷあっ、ちゅぶ、ちゅっ……」


 唇を離して恥ずかしそうに顔をそむけるレムだったが、またおずおずと唇を寄せてくる。今度は触れるだけでなく、ロルフの唇を舐め始めた。舌が唇を割って入り込んでくる。少女の小さな舌の感触に、男は満足げな吐息を漏らした。


 この情熱的なキスもすべてはナツキ・スバルの助命嘆願なのだと思うと、改めてロルフはスバルへの嫌悪を深めた。果たしてレムのような美少女にここまでさせる価値が、あの男にあるのだろうか?

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