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予定では、ここまでを1万文字で書くつもりだったのですが、実際に書いたら1万5000文字でした。


本文


 古来より美少女の軽挙妄動は、その代償を彼女の純潔で払うと相場が決まっている。


「ひぐっ……あ、うっ……」


 ロズワール邸で働く使用人姉妹の妹・レムであっても例外ではない。いま、彼女は己の衝動的な行動の代償として、出会ったばかりの男に犯されていた。


「う……あぁ……ふ、くぅ……ぅ……うぅ……」


 レムはメイド服を着たまま、地面に敷いたマントの上で四つん這いの姿勢を取らされ、スカートを大きく捲り上げられている。小柄な体にしては肉付きが良いヒップを彼女は男の目にさらしている。


 レムを犯している男はロルフ・ヴァン・マイヒェルベックという騎士で、年齢は二十代半ばほどだろうか。金色の髪に端正な顔立ちをした美青年であり、一見したところでは爽やかな印象を受ける。


 彼の本性を知れば、そんな感想はすぐに消え失せることになるのだが。


「んぅ、んふぅ……んふぅ……んぁ……んぉ、おぉ……」


「いつまでも我慢してないで、気持ちいいならもっと気持ちいいなりの声を出せ。体だけじゃなく声や言葉でも男を誘うんだ」


 ロルフが命じるとレムの腹で怪しく淫紋が光った。先ほど彼からレムへプレゼントしたものだ。当然レムは自分の肉体を男に差し出す契約の証など欲しくなかったが、彼を襲撃して返り討ちにあった末に無理矢理押しつけられたのだ。


「ほら、このへんか?」


「あっ! ……あう!」


 男が腰を突き上げるように動かすたび、レムの下腹部の奥深くで何かがキュンと震えるような感覚があった。子宮口を中心とした性感帯の群れが甘く疼いているような感じだった。


「最奥より少し手前。お腹側のポイントを、チンポの裏筋で擦るとレムちゃんの反応はいいぞ? どうだ、こことか。ここなんか、特にイイだろう」


「――――ッ!」


 ぐりっと先端を押し込むようにして刺激されるたび、レムの中の熱が高まっていくようだった。膣内の媚肉が痙攣するような甘痒さに苛まれて、少女は太腿の内側を震わせる。


(こ、こんな……)


 レムは唇を強く噛みしめながら、屈辱に耐えていた。しかし、そうやって耐えていても彼女の秘所は口ほどに物を言う。レムがどれほど強く否定しても、彼女自身の意志に反して彼女のそこは濡れそぼっている。透明な粘液が溢れ出して内股まで濡らすほどだった。一突きごとにジュボジュポといやらしい音が響く。


 その音を自分で聞いて、自分がどれだけ興奮しているのか思い知らされる。レムはそのことにまた顔を赤らめた。


「すごいな、中からどんどん汁が出てるじゃないか。レムちゃんの気持ちいい汁がチンポの出し入れを助けてる。これだけ濡れてるんだ、今さら抵抗する気なんてないだろ? 俺もそろそろヤバイんだよ、中に出しちゃってもいいよね?」


「あ……だめ、ダメです、そんな……あぐっ!」


 レムは必死になって首を振るが、男の方は聞く耳を持たない。彼はさらにペースを上げた。パン、パン、パンと、激しく腰を打ち付けられるたび、彼女の頭の中に火花のような衝撃が生まれる。


 その快感の強さに流されないため、レムは奥歯が悲鳴を上げるほど歯を噛み締めねばならなかった。


(あ、ああ……だ、め……わたし、こんな……きもち、よく……)


 レムは生まれて初めて感じる快楽の奔流に翻弄され、思考をめちゃくちゃにする。頭が真っ白になる。自分が何を考えているのかすらわからない。自分が自分ではなくなっていくのを感じる。レムは自分が、自分の体が、別のものに変化していくような錯覚を覚え始めていた。


「はぁ、あぐ、ぅうっ……だ、ぁ、んひぃ、ぁ、あぐぅ……っ!」


「おぉっ……イクぞ! レム!」


 ロルフが叫ぶ。彼は亀頭をレムの最深部へと押し込んだまま射精した。熱い濁流の直撃を受けて、レムの視界に星が点滅した。これまで誰も教えてくれなかった、女の体の本当の使い途を本能で理解してしまった。男を悦ばせるために存在する、この肉体の機能を知った。


「……ぁ、う、んぅうぅ…………」


「まだ放心するには早いぞ」


 ロルフの愛液にまみれたペニスは未だ硬く反り返り、精力絶倫ぶりを見せつける。彼の男根はレムの膣内で些かも萎えていないのだ。


「覚えておくといい。レムちゃんのような可愛い女の子にチンポ突っ込んでおいて、一度で満足するようなやつは男じゃないのさ」


「……ぅ……ぁ……はぁ……ぅ……」


 レムはもはや指一本動かすことすらできない様子でうつ伏せのまま倒れ伏していた。意識はかろうじてあるが全身の感覚がない。体が自分のものではなくなったように重い。


 ロルフはレムの脇の下から腕を通し、美少女メイドの肩を掴むと上体を起こした。そのままレムを抱き寄せ、彼女を背後から犯し始める。レムの尻に男の下半身が密着し、ピストン運動を再開する。


「っ……っぅうっ……あんっ……ぃ、やっっ……ぁ、ぁあっ……っぁ……っ!」


「上体を起こしてチンポ出し入れすると、レムちゃんの好きなお腹側の気持ちいい場所に当たるだろう? それにこうやって抱きしめるようにして体を押さえつけながら動くとな」


「んっ、んんっ! んんんーっ!」


 ロルフが言う通り、挿入の角度が変わるとレムはGスポットやお腹側の弱点を刺激され、今まで以上に激しい反応を見せた。まるで陸に打ち上げられた魚のようにビクビク跳ねる。


「下半身だけじゃなく、体全体で男の存在を感じ取れるようになるんだ。レムちゃんが誰のチンポで感じているか、はっきり分かるよな?」


「あっ、ああっ、あふ、ひぅ、ひんっ、あふ、ふぁ、あ、あ、あっ!」


 レムには分かってしまう。分かりたくないのに分かってしまうのだ。この相手がナツキ・スバルであれば、レムはどれだけ喜んだことだろう。しかし、ここにいる相手はレムの知らない男。昨日出会ったばかりの男がレムを犯している。それが悔しくて悲しい。


「……ぅ……っく……ふ……うぅ……う……っ……」


 レムは嗚咽を漏らす。彼女は涙を流す。それを見たロルフは嗜虐的な笑みを浮かべ、レムをいたぶるかのようにゆっくりと腰を動かし始めた。


「レムちゃんは泣き顔もかわいいねぇ。だけどほら、俺が気持ちいいってことはレムちゃんだって気持ちいいわけだろう? もっと声を上げてごらん」


 ロルフのペニスはカリ首の溝が深く、女の膣内を掻き混ぜる用途に最適な形をしていた。彼が腰を回すと、ぬるぬるの愛蜜がペニスにまとわりつく。くちゅくちゅと卑猥な音を立てて撹拌されると、レムは自身のおまんこで発生した淫楽に押されて声を上げてしまう。


「――ッ! ふぁ……あふ、ぁ……んんぅう……んぁ、ぁぁ……ぁ……」


「そうそう、その調子だ。声を我慢したら気持ちいいのが体に溜まっていって、もっと辛くなるからな」


「ぅ……ぅ……んぁ……んぁ、んぅ……ぁ……」


 レムは唇を噛んで声を押し殺そうとする。ロルフはレムが必死で堪えようとする様を見てニヤリと笑うと、再び最奥目掛けより一層激しく腰を突き上げ始めた。


「ぅ、ん、――っ! ……ん、んぅっ! ふぅ、ん、ん、む、んぅっ……ぅ……ぁ、む……ぅ、ふ、んぅ……っ!」


 レムは一度イッて感じやすくなった体をロルフに抱きすくめられ、逃れようのない状態で犯されている。そのせいで、ロルフの言葉責めに羞恥心と敵愾心を煽られ、感度が増しているように感じた。


「ほら、わかるか? いま俺のモノで突かれてるのは、レムちゃんの体のどの部分かな? レムちゃんの気持ちいいところはどこにあるんだ? 言ってみな」


「……ん、ぁ、あ、や、やぁ、あ、ぁっ」


 レムは思わず甘い声を漏らしてしまう。それを恥じらい、再び唇を噛み締めるが、すぐにまた唇が解けてしまう。レムの膣内の一番奥、子宮の入り口をぐりぐりと押し込まれると、口を閉じていられないほどの快感が押し寄せてくるのだ。


「ほら、言えよ。レムちゃんの気持ちいい場所、教えてくれよ」


「……あっ♡ ……ひっ…………うぁっ…………くふっ……あ、あっ……あっあっ♡」


「さっきより声が甘くなってきちゃった。ダメだね、しょせん女の子が頑張ってみたところで、じっくり丁寧に子宮を躾けられたら、すぐ骨抜きになっちゃうもんなんだよ。だからほら、もっと声を出して、もっと素直になりな。そしたら俺がもっと気持ちよくしてやるからさ。ほら、ほら!」


「いゃ、いゃぁ! だめ、そこだめぇ! やめて、やめてください! お願いします、レムは、レムは!」


「いいかげん諦めろよ。もうお前は俺の女だ。このチンポがなきゃ生きていけない体になってるんだよ。いい加減、その体がどうしようもなく求めてるものに身を任せちまえ!」


「――――ッッッッ!」


 男の剛棒が少女の最奥を突き上げた瞬間、レムの膣内が激しく痙攣し絶頂に達した。同時に、彼女の胎内で何かが弾けたような気がした。


(また……射精された……また、男の人に中で……)


 レムは絶頂の余韻で息を荒げながら、内ももに垂れてくる自分のものではない体液の熱を感じ取っていた。


「ぁ……ぁう……ぅ……ぅ……」


 レムは小さく喘ぎながら、男の体液を少しでも膣から追い出そうと身を捩る。まだ絶頂の衝撃で痺れる下半身にありったけの力を込め、膣洞を締め付けた。レムは、こんな男の子種なんていらない、自分の中に一滴だって残しておきたくないと反抗したつもりだったが、まだ性器を繋げたままの男からしてみれば、それはただの愛らしいおねだりにしか感じなかったようだ。


「レムちゃんのおまんこも、俺のチンポ欲しいよって抱きついてくるし、まだまだ付き合ってもらおうか」


「ひぅっ!」


 そう言いつつ、彼は腰を強く押し込んできた。まだ硬いままの肉槍の先端が子宮口に押し付けられ、レムは悲鳴じみた声で鳴いてしまう。


「そ、そんな……まだ、そんな……」


「俺はまだ全然満足してないよ。それにレムちゃんだって、さっきみたいな可愛らしいおねだりをしちゃってたじゃないか。このまま終わりなんて言わせないよ」


「ち、違います……レムは……レムは……」


「そうだね、女の子は恥じらいを持ってるほうが可愛いよ。でも、そんな風に否定しても無駄。体のほうが正直だ。ほら、レムちゃんのここ、まだまだ物欲しそうにしてるよ」


「ひぅっ! んぁっ!」


 ロルフの手がレムの肩から彼女の胸元へと移動する。彼はレムの体を抱きかかえる体勢のまま、メイド服の上から揉み解すように双丘を刺激し始めた。


「やっ! あっ! んっ! んぅっ! ひぅうっ!」


 敏感な箇所を二点同時に攻め立てられ、レムは耐え切れずに艶やかな声を上げてしまう。自分の恥知らずな声を聞きながら、レムはロルフとの出会いから現在までを思い出していた。

***


 騎士であり貴族の嫡男でもあるロルフという青年がロズワール邸を訪ねて来たのは、昨日の昼頃のことだった。魔獣騒動が一段落し、張り詰めていた空気が弛緩した屋敷では、使用人たちが束の間の休息を楽しんでいた。


 屋敷の主であるロズワール・L・メイザースが所用で出かけていることも、使用人たちの気を楽にしていた。


 しかし、そこに突然の来客である。それも、あまり歓迎すべき相手ではなかった。彼の名はロルフ・ヴァン・マイヒェルベック。貴族の家柄に生まれた男で騎士でもあると自己紹介した。


「ロズワール辺境伯は留守か。王都までの道すがら寄らせてもらったんだがな」


 ロルフは居並んだ使用人たちの顔を一瞥すると、そのまま応接間に向かい、ソファに腰掛けた。


「どうした? この家では客に茶の一杯も出さないのか? 辺境伯家の使用人とはその程度か?」


 まずもって急に屋敷へ上がり込み、図々しくも歓待を要求する人間など客として認めたくないというのがレム、ラム、そしてスバルの一致した意見であった。とはいえ、彼は間違いなく騎士の制服を着ている。騎士はプライドが高く、自分たちの身分に誇りを持っているため、万が一にも偽騎士など見つけた日には袋叩きである。辺境伯家を訪ね、堂々と身分詐称する馬鹿はおるまい。


 それにマイヒェルベックという家名も貴族名鑑に載っている。


「失礼しました。ただいまご用意いたします」


 レムは頭を下げ、ラムと共に厨房へと向かう。


「レム、レム。今度のお客様は少し変だわ。もしかしたら、また厄介事を持ち込むかもしれない」


「そうですね。姉様」


 レムは内心で同意しながら、廊下を歩く。レムがあの男を怪しむには、それなりの理由があった。


 何と言ってもロルフがロズワール邸を訪ねて来た時期である。そろそろ王選が始まろうかという時期に他家の騎士が訪問したのは、他の候補を次期王に据えようとする他勢力の回し者かもしれない。狙いが直接的な妨害か単なる敵情視察かは定かでないが、もし本当にそうであれば、レムとしては警戒せざるを得ない。


 だが姉妹の心配を他所に、ロズワール邸でのロルフは他勢力の間者にしては軽薄で騒々しく、あまりに迂闊だった。彼曰く、王都へ行く目的は王選会議に出席することだが、自分はどこの陣営にも組みしてないのだそう。


「いや、しかし、実物のエミリア様は実にお美しい。これなら亜人趣味で有名な辺境伯も後援したくなるわけだ。もしエミリア様の騎士が未定なら、是非とも私に任せていただきたいですな」


 ロルフの失礼な物言いにラムが怒りで僅かばかり目を細めた。


 彼は純粋に褒め言葉のつもりだろうが、変わり者としても有名なロズワールの趣味を揶揄したり、銀髪のハーフエルフという世間的には忌避されるエミリアの属性を無遠慮に指摘する辺りで、屋敷の人間ははっきりと彼を不快な人物として認識した。


「はいはいはい、その辺りにしてくれませんかね。うちはキャバクラじゃないんで。女の子を口説きたかったら、そういう目的のお店に行ってください」


 ロルフとエミリアの間に割って入ったのはナツキ・スバルだ。ロズワールの代理人として茶の相手を務めるエミリアに対して、ロルフは最初から好色な目を向けていた。世間知らずなエミリアは気がついてない様子だが、スバルは同じ男としてロルフが脳内で彼女にいやらしい妄想をしていることがすぐに分かった。


「キャバクラ? というのがどういう店かは知らないが、君には私が女性に節操のない下衆に見えると言いたいのかね? 心外だな」


 スバルの言葉にロルフは気分を害した様子も見せず、むしろ愉快そうに笑った。モテない男の僻みには慣れている、とでも言いたげな余裕の表情だった。


「私はあくまで紳士的に彼女と話がしたいだけだ。君が余計な茶々を入れてくれる必要はない」


「そいつは失礼いたしました。それでしたら、うちの女性陣をあまりジロジロ見るのはやめていただきたいんですがね」


「スバル!」使用人の度を超えた失礼な発言をエミリアが代わりに謝った。「申し訳ありません、ロルフ様」


「ああ、いいんですよ。構いません。このくらいのことで腹を立てるほど私も狭量ではありませんから」


 エミリアが恐縮しきった様子でぺこりと頭を下げるのを見て、ロルフは満足そうな表情を浮かべた。「それにジロジロと見ていた、という点については私も否定できませんから。これだけ美しい女性が居並んでいるのを前にして、些か興味本位を抑えられなかったのは事実。しかし、ご理解いただきたいのは、美とは愛でるためにあるということなのです。私にとって女性たちを愛することは息をするように当たり前のことであり、決して性欲や支配欲といった邪な欲望に突き動かされているわけではないのです」


 大仰な仕草で弁舌を振るう姿はいっそ滑稽ですらあった。その芝居掛かった喋り方も含めて、レムはロルフを胡散臭く感じた。


 その日、一晩だけロルフはロズワール邸に泊まっていった。屋敷に滞在中の彼は事あるごとに女性陣の美しさを称賛し、軽薄で気障ったらしい態度を取り続けた。中でもエミリアに対して、露骨なまでに好意をアピールし続けていた。その馴れ馴れしい態度にスバルは終始顔を顰めていたが、エミリアはそれを不快とは思っていないのか、照れたような顔で流していた。


 己の容姿に無頓着で、恋愛感情を理解できるほど情緒も育ってないエミリアは、自分が年上の男から本気で性的対象として見られ、狙われている危機感が持てないのだった。


 それを傍で見ているレムやラムのほうが危なっかしいと感じた。


 姉妹のロルフに対する評価は、一晩で『女好きの軽薄ナンパ野郎』に決まった。だがそれ以上は怪しい点が見つからず、本当にただ王都までの道すがらロズワール邸には興味本位で立ち寄っただけに見えた。


「それじゃ私はこれで失礼する。今回は世話になったね。王都に来たら今度はぜひ私の家にも招待させてくれ」


 別れ際にロルフがそんな申し出をしてきたので、エミリアも笑顔で応じた。


「ありがとうございます。機会があればよろしくお願いします」


「楽しみにしてるよ」


 ねっとりとした粘着質な笑みをエミリアに向け、彼女の手の甲に別れのキスをしてロルフは去って行った。


 急な来客を無事に見送ったことで、ロズワール邸の面々はようやく一息つくことができた。彼らは滞っていた仕事や予定を片付けようと、思い思いの方向に散っていく。そのためレムの独断専行に気づく者はいなかった。


 レムは少し時間をおいて、ロルフの行方を追いかけた。程なくして追いついた彼女が尾行を開始すると、ロルフはまっすぐ王都に向かうと見せかけて森の中を迂回し、ロズワール邸の裏手に戻って来た。


 これだけでも十分怪しい動きだが、加えて彼は何やら作業を始めた。人目を避けるように木々の陰に潜み、周囲をキョロキョロと見回している。


(レムのことにはまったく気づいてませんね)


 レムは音を立てないよう慎重に距離を詰める。彼が何をしていようと関係ない、そのまま始末してしまえ。そう考えながら彼女は接近する。そうしてある程度距離が詰まった瞬間、レムは大きく踏み込んで奇襲をかけた。


 完全に虚を突いた一撃だったが、相手はそれでも反応した。死角から繰り出したモーニングスターの一撃を、手にした剣でいなす。そのまま体を回転させ、振り返りざまマントの下に隠し持っていた短刀を投げつけてきた。


「いやいや、ちょっと待てよ、そのメイド服のどこにそんな物騒な得物を隠し持ってるわけさ」


 ロルフの言葉遣いは軽薄さの度合いを増していた。ロズワール邸ではチャラいながらも貴族の男子として最低限の品位は保っていたが、レムと二人きりの今はそんな気取りも不要と見てか、口調がぞんざいになっている。


「答える義理はありませんっ!」


「冷たいねえ。俺と君の仲じゃないか」


「レムにとっては見知らぬ男性です」


「一晩を共にしたこと、もう忘れたのかな」


「同じお屋敷で寝泊まりしただけのことを拡大解釈しないでください」


 冷たく言い放つレムに、男は肩を竦めておどけた顔を見せた。そして青髪の美少女メイドに向かって剣を構え直す。


「最初の一撃で仕留められなかったことが運の尽きだ。君に勝ち目はないよ」


「やってみなければ分かりません!」レムは叫ぶと同時に攻撃を開始した。モーニングスターを振り回し、胴体を狙う。しかし男はその動きを見切り、軽々と避けてレムの懐に入り込んできた。至近距離からの刺突を、レムは後ろに飛んで躱す。


「へえ、いい反射神経してるじゃん。君、何者?」


「……あなたには話したくありません」


「釣れないこと言うねぇ」


 ロルフが再び斬撃を放つ。剣を横薙ぎに払う一撃。避けるか武器で受けるかしなければ、胴体が真っ二つになる。レムはモーニングスターの鎖で受け止めた。そのまま鎖で彼の剣を絡め取る腹積もりだったが、男の鋭い剣戟はレムの体をぐらつかせた。彼女は二歩、三歩と後ろによろめく。


 勢いに負け後退したレムの間合いへ、ロルフが飛び込んでいく。彼は上段に構えた刃をレムの頭部目がけて振り下ろした。レムはその攻撃を半身になって躱し、モーニングスターの鉄球部分を突き出す。それは必中の間合いと思えたが、ロルフは紙一重で身を翻す。


 モーニングスターを避けたロルフは、回転した勢いのまま剣を横に振る。風切り音に反応したレムが頭を低くすると、すぐ頭上を疾走る剣に髪の毛を何本か斬り落とされた。


 レムはバックステップで後退する。一度大きく距離を取って体勢を立て直した。


「だいたいレムちゃんの実力は分かったよ。可愛い見た目の割には強いけど、残念ながら俺の相手じゃない」


 ロルフは余裕綽々の態度を見せながらレムへ近づいていく。


「俺としてはもっと穏便に行きたいところなんだ。美少女は傷めつけるより、可愛がってあげたい性分なんでね。抵抗しなければ、痛い目には遭わせたくないな」


「お断りします」


 レムがモーニングスターを構え直す。鉄球と柄を繋ぎ合わせる鎖が、じゃらりと重い金属音を奏でる。鬼族の身体能力を活かしたパワー型の必殺武器であるが、攻撃モーションが大きいためロルフには見切られている。これを当てるのは至難の業だとレムも自覚していた。


「そうか、残念。じゃあ、俺も本気を出すしかないね。もし切り札を隠し持っているなら出し惜しみはしないほうがいいよ」


 切り札と聞いてレムが真っ先に連想したのは鬼化だ。鬼族であるレムは角の力を開放することにより、身体能力を飛躍的に増大させることができる。だがレムは角の力を制御できないため、開放中は理性を失ってしまう諸刃の剣でもあるのだ。


 心身に大きな負担がかかる鬼化はレムにとって最後の最後の手段だった。


 ゆえにロルフ相手に彼女は鬼化を秘めたまま戦った。それが悪手だと気づいたのは負けたあとだった。


 レムは距離を取ってモーニングスターを振り回した。剣の間合いに近づけさせない以上の対策を彼女は思いつかなかったのだ。しかし、いくらレムが鬼の力で凶器を振り回そうとも、ロルフは易易と軌道を見切り避ける。


「まさか俺が家門の力だけで騎士になりおおせたと思ったのかな? たしかに俺は騎士より役者向きのイケメンと少年時代から言われていたが、見た目で人を判断して油断するとろくな目に合わないってことを、君は今後のためにも覚えておくべきだ」


 速さも力も技術も圧倒的に差があることは火を見るよりも明らかだった。ロルフが軽く振り回す剣の軌跡さえ視認できず、レムは彼の攻撃を受け止め続けるので精一杯だ。防御しても衝撃を殺しきれず、体の節々に鈍い痛みが走る。そのたびに顔をしかめて苦痛に喘ぐが、ロルフは容赦なくレムに襲い掛かってくる。


 しかも彼は本気を出すと言いながら、まだ手加減していた。口元には余裕の笑みを浮かべ、レムが防げる限界ギリギリの斬撃を繰り返す。やがて防戦一方の中でレムは利き手を彼に抑えられた。


「少し痛くするぞ」と言って、ロルフは剣の柄頭でレムのみぞおちを殴りつけた。


「うっ」くぐもった悲鳴を漏らして少女の体が崩れ落ちる。疲労した肉体は攻撃への反応が遅れた。無防備なみぞおちへの衝撃でレムは指先まで痺れる。


 秘密を知った私のことをロルフは許さないだろう、彼は私を殺すだろうとレムは覚悟した。しかし意外なことに彼はレムの体を地面に寝かせると、少女の首ではなく腹を見分し始めた。


「せっかくの上玉だ。殺すのは惜しいし、これからお楽しみに使う体を傷つけたくもない。代わりにこいつでレムちゃんの自由を縛らせてもらうよ」


 レムの下腹部をメイド服の上から撫で擦っていたロルフの左手が怪しく光った。ピンク色の光は徐々に強くなり、バチバチと弾けるような音が鳴り響く。その光が収まると、レムは自分の下腹部に火傷したような痛みを覚えた。


「なに、を、したんですか……?」


「レムちゃんの体にエッチな淫紋をつけさせてもらったよ。今は服で隠れてるから、どんなデザインかは部屋で一人になったとき確認してね。ちなみにこの淫紋、外せないし、勝手に消せないから」


 ふざけたことを言いながら、ロルフはレムの体を地面に下ろし、彼女に背を向けた。


「レムにこんなことをして、ただで済むと思っているのですか」


 レムの声は怒りに震えていた。しかしロルフはまるで怯んだ様子もなく飄々と答えた。


「怖い顔しないでくれよ、レムちゃん。それにこれは君の自業自得だぜ。君が余計な気を回して尾行なんかするからこうなるんだ。使用人なんだから、お給金以上のことなんて気にしなけりゃ良かったのさ」


 ロルフは騎士服のマントを剥ぐと地面に広げた。栄えある騎士の制服も彼にかかればピクニックシートと変わらない扱いだ。彼はレムの小柄な体をひょいっと持ち上げて、その布の上に彼女を転がす。


「なにをするつもりですか!」


 仰向けのままロルフの動向を窺うレムに対し、男はニヤリと笑うと、レムのスカートに手をかけ一気に捲り上げた。露わになったパンツは純白。ふっくらと盛り上がった陰唇の形が、薄い布地越しにくっきりと浮かんでいた。


「言ったろ? これからこの体はお楽しみに使わせてもらうって。ぷにぷにで柔らかそうな美少女のおまんこ、今日からは俺の物だ」


 ロルフがレムの恥丘に人差し指を当てて上下に擦る。陰唇からはみ出た柔肉の感触を確かめたあと、さらに力強く割れ目に指を押し付けた。指の動きに合わせて敏感な箇所を刺激するのか、パンツの下で秘裂がひくつき始め、湿り気を帯びてくるのが分かる。レムは顔を真っ赤に染め上げて身をよじった。


 そんな少女の様子など気にする素振りも見せず、彼女の太ももの間に割り入ったロルフは膝を折り曲げさせる。自然と両脚が大きく開き、スカートの裾がずり上がる。反撃したいのに内蔵を強打されたレムの肉体は、まだダメージから回復しきっていない。力が入らない手足をバタつかせ、必死に逃げ出そうとするがロルフは体を巧みに操ってレムの抵抗を抑え込む。


「やめ、やめて、くださぃ……」


 弱々しく首を振るレムの懇願を、しかしロルフは無視した。少女の下着を片手でずらすと、姿を現したピンク色の二枚貝を反対側の手で開く。むわっとした湿気とともに甘い香りが鼻腔をくすぐった。男を知らない処女膣はぴたりと閉じている。その隙間に無理やり指を差し込むと、レムが短い悲鳴を上げる。


「ひぃっ!」


「やっ、や、やだ、そんな、とこ、きたない、ですからっ」


 レムも許しを求め懇願するばかりではない。大人しく従って辱めを受けるくらいなら、たとえ殺されることになっても反撃してやろうとロルフの隙を伺った。だが彼への敵愾心を燃やすと、レムの情熱は全身の筋肉ではなく、下腹部に刻み込まれた淫紋に向かう。


「ぅん……ぁ、ああっ! ああぁあん……」


 ロルフの指先が膣内の粘膜と絡み合うと、途端にレムの思考が桃色に染まる。まるで恋人と愛を語らうように、優しく繊細な愛撫を求めるレムの本能を、レム自身でさえ制御することができない。


(だめっ、感じちゃだめです、こんな人に好き放題されて感じるなんて……)


 心の中で否定の言葉を呟いても、子宮の奥からこみ上げてくる快感にレムの思考力は急速に奪われていく。レムは自分が何を望んでいるのかも分からず、ただただ目の前の男を受け入れるための準備を進める。次第に強くなる甘い痺れと疼きが、レムの意志を無視して腰をくねらせ、挿入を促すように股を開いた。


「レムちゃんに与えた淫紋の効果は大きく三つある。




一 術者のことを憎めば憎むほど、術者のチンポが欲しくなる


二 術者の命令には絶対服従


三 術者と淫紋のことを他人には話せなくなる




 負けたうえにこんな辱めまで受けて、今は俺のことが憎くて憎くて、殺しても足りないくらい憎く感じているだろう? だけど俺への憎悪を滾らせるほど、レムちゃんの肉体は俺と繋がりたくて堪らなくなるんだよ」


 ロルフが嬉々として語りながらレムの膣内で指先を曲げる。彼は天井側のザラついた感触を探り当てると、そこを小刻みに揺らす。その度にレムの口から「あ、ぁ」という喘ぎ声が漏れ出した。彼女の体からは次第に力が抜け、ロルフが指先で刺激を送る度に腰が浮き上がり、ぴくぴくと震える。


「レムちゃんみたいな可愛い女の子は、悔しがりながら感じている姿のほうが似合うからね。もっと俺を憎むんだ。淫紋の力を最大限に発揮して、快楽漬けにしてあげる」


 彼の指がレムのGスポットを押した。それだけでレムは腰を震わせて絶頂する。快感のあまり潮を吹き、愛液が飛び散りスカートの裏地を汚した。


「大嫌いな俺の指で、おまんこほじほじされて気持ちよくなっちゃう自分の体が大嫌いだろ? Gスポットが気持ちいいなんて、今まで誰も教えてくれなかったことをレイプされながら知っちゃうのは悔しいだろ? だから今以上に俺を強く憎んで、俺に屈服しそうになる自分の心を押し返すんだ。簡単には快楽に負けないでくれよ。少しは食いでというやつを残してくれ」


 男の囁きに呼応するように、レムの瞳からは涙がこぼれ出す。彼女は悔しさと恥ずかしさで唇を噛みつつ、それでもどうにか自我を保っていた。


(レムは、絶対に負けるわけにはいきません!)


 そうやって気持ちを強く持つことは通常なら快楽に抗う有効手段だ。しかし、被術者が持つ術者への反抗心を発情エネルギーに変換する淫紋に対しては、むしろ逆効果となる。ロルフの指がレムのクリトリスを転がした。充血して膨らんだ敏感な豆粒を指で擦り合わせると、レムは弓なりに背をしならせ、顎を突き上げて天を仰ぐ。再び彼女の股間から透明な液体が噴き上がった。


(うぁあ、いやぁぁ……どうして、こんなに、感じてるんですか……レムのからだ、おかしいです)


 レムは自らの体の変化に恐怖を覚えながらも、ロルフによって与えられた未知の感覚に翻弄され続けた。


「レムちゃんが頑張って抵抗してくれるおかげで、俺も張り合いがあるよ。どこまで耐えられるか楽しみだ」


 ロルフは満足そうに微笑むと、ズボンを脱ぎ去った。レムの痴態を見て興奮したペニスを露出させる。それは今までレムが見たことない巨大で、淫猥で、猛々しい雄の器官だった。天を向いて反り返る姿は鬼族の角にも負けない勇壮なフォルムをしている。血管が浮かび上がった肉茎は脈動し、鈴口からはカウパー液を滴らせている。


 彼女はそれを虚ろな瞳で見つめて生唾を飲み込んだ。欲しいと思う気持ちを、理性が拒絶して押しとどめる。けれど淫紋によって増幅された欲望は止まるところを知らず、彼女は無意識のうちに手を伸ばしてしまう。


「遠慮しないで」ロルフはレムの手を掴むと、そのまま自分の竿を握らせた。


 手のひらに伝わる熱さと硬さに驚き、レムは手を離してしまいそうになる。しかし彼はしっかりと自分の手を少女の手に重ね、強引に上下に扱かせるのだ。レムの手が動くたび、じゅぶ、ずちゅっ、と粘着質なロルフの股間から発せられる。亀頭の先から溢れる先走り汁が泡立ち、レムの白い手を汚していく。


「さっきまでの威勢はどこに行ったんだ? 自分から俺のチンポを握りたがるだなんて」


「違います、これはあなたが無理矢理させているだけですっ!」


「そうだね。淫紋の命令で仕方なくレムちゃんは俺に手コキサービスしてるだけだよね。嫌々やらされて俺のことがどんどん嫌いになるのに、それゆえどんどん俺とエッチなことしたくなるんだから不憫なレムちゃん。本当にかわいそう」


 レムの体が強張る。図星を突かれ、反論の言葉も出ない。


「俺は優しいから、レムちゃんの心が折れるまで付き合ってあげるよ。レムちゃんの心が完全に折れたとき、きっとレムちゃんのほうからおねだりしてくるだろうね。淫紋とは関係なく俺とセックスしたくなったら教えてね。そしたら、レムちゃんをたっぷりと可愛がってあげる」


「そんなこと、ありえません!」


「そうかい? じゃあ試してみようか」


 ロルフはレムの手を放すと、少女の膝裏に腕を差し込んで持ち上げ、両足を左右に大きく開かせた。スカートが捲れ上がり、レムの股間が再び露わになる。濡れそぼった秘裂に先端をあてがい、一気に貫いた。


 膣内の襞が異物を吐き出そうと蠢く。それを征服するように体重をかけて腰を突き出せば、最奥部に到達した瞬間ロルフは、周囲とは感触が違うコリコリとした臓器の存在を感じた。


「分かるか、これがレムちゃんの子宮だ。今からこの入り口を開いて、直接レムちゃんに種付けしてやる」


「や、やめ、やめて、くだ、さい、いやぁ!」


 レムは悲鳴を上げて抵抗するが、淫紋の力に阻まれる。どんなに足掻いても、ロルフの動きを止めることさえできない。ゆっくりと、それでいて確実にレムの胎内へと侵入してくるロルフの剛直。その圧倒的な質量が、レムの心に無力感を植え付けていく。


「女の子は損だよな。どんなに憎らしい相手の子種でも、ここに射精されてしまえば子供を身籠ってしまうんだから。孕みたくないならせいぜい抵抗してくれ」


 ロルフはレムを辱めるために言葉を並べる。そのすべてが彼女に自分を憎ませるための燃料だった。ロルフの言葉責めはレムの精神に作用し、それは淫紋を通して彼女の発情を促す。


「ぅぁ……はぁ……んんッ!」


 膣壁を擦り上げる肉棒の感触にレムの腰が跳ね上がる。初めて味わう男根の大きさに戸惑う暇もなく、ピストンが始まった。最初は浅く小刻みに前後させ、徐々に深く速くしていく。子宮口を押し上げられ、内臓を引きずり出されるような錯覚を覚える。


「どう? 気持ちいい?」


「誰が、気持ちよくなんか、ありません!」


「そう? レムちゃんはもっと激しいのが好きなのかな?」


 ロルフは腰の律動をテンポアップさせた。二人の下腹部で若い肌と肌を打ち付け合う、澄み切った打擲音が鳴り響く。


「うっ……く、うぁ、は、はんっ……やっ、やめ、……はう、あぁ……っ」


 膣奥を激しく突かれる快感に、レムは嬌声を上げまいと必死に耐える。だがそんな彼女の努力を嘲笑うように、ロルフの動きはさらに激しさを増した。まるで獲物を仕留めようとする獣のように、レムの小さな体を蹂躙する。


「レムちゃんの狭いおまんこ、きゅうきゅう締め付けてくるけど濡れ方が激しいから簡単にチンポ滑るよ。レムちゃんも気持ちいいんだろ?」


「ち、ちがいますっ、こんなの、気持ちよくなんて、ないっ、ああっ、やだ、だめ、だめですっ、やめてくださいっ」


 否定しながらも、レムの体はさらなる快楽を求めて貪欲にロルフを求める。彼女の意思に反して全身が痙攣し、蜜壺からはとめどなく愛蜜が溢れ出た。


 そうやって前から後から、挿入の角度や深さを変え、何度もレムはロルフに犯された。指一本でもキツキツだった小穴が、ロルフのデカチンを滑らかに丸呑みできるようになるまで拡張されたころ、やっと二人のセックスは終わった。

***


「ヤッた、ヤッた。さすがに俺も精液空っぽだわ」


 ロルフは汗で濡れた前髪をかき上げながら立ち上がる。彼の股間には大量の白濁液がこびりつき、湯気を立てていた。


 処女を奪われ、膣内射精までされてしまったレムは放心状態となり、仰向けに倒れたまま動かない。虚ろな瞳が暗くなり始めた空を見上げている。


「本当は監視用のミーティアを設置していこうと思ったんだけど丁度いい。今後はレムちゃんが俺の手足になって、エミリア周辺で起きてることを教えてくれ。俺が命令したら、いつでもどこでも、どんな状況でもすぐに俺に知らせるんだ」


 独断専行で挑み、敗れ、レイプされたうえに今後は間者として生きろというロルフの言葉は、レムの自尊心を大いに傷つけた。己の軽はずみな行動の結果とはいえ、あまりにも惨めな扱いだと感じずにはいられない。それでも淫紋がロルフとレムを結んでいる限り、彼女は悪徳騎士の命令に逆らうことができない。


 今のレムには選択肢などなかった。


「……わかりました」レムは弱々しい声で返事をする。


「それじゃレムちゃん、早速だけど俺のちんぽを舐めて綺麗にして」


「はい」


 言われるがままにレムは身体を起こすと、仁王立ちするロルフの前に跪き、彼の股間に顔をうずめた。萎えてなお巨大なペニスを両手で握り、舌先でチロチロと舐める。


 悔しさで涙が出そうになるが、それでも彼女は淫紋の効果によって奉仕を続けるしかなかった。舌の上に広がる苦味を感じながら、丁寧に亀頭を舐め回し裏筋をなぞる。そうやって一心不乱に、ロルフの男性器を綺麗にすることだけに集中した。

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