橘さん家ノ愛人事情~子作り温泉編~プロローグ (Pixiv Fanbox)
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宿ご自慢だという露天風呂は白い濁り湯で自分の身体さえも見えない。少しぬめり気があるお湯を手で掬うと、橘結花は肩から腕にかけて刷り込むように撫でた。美肌効果もあるという温泉の効果が少しでも出るように。よく磨いた肌が輝いて普段より綺麗に見てもらえるようにと願いを込めながら。
「気持ちいいわね」
「本当にそうね」
ほうっと息を吐きながら呟くと横で京香も同意する。
反対側に座る小春は顎までお湯に沈め、目を閉じて恍惚の表情を浮かべていた。今では三人の中で一番の巨乳に成長した彼女だから、お湯に胸を支えてもらえるだけでもリラックス効果は計り知れないのだろう。
結花は他の二人から見えないように自分の乳房を手で持ち上げた。私だって世間的には巨乳で通るはずなのに爆乳二人に挟まれたら見劣りするわね。Kカップの京香、Mカップの小春に挟まれるとHカップの自分が普乳に思えてくる。
でもトータルのスタイルなら結花は自信があった。産後ダイエットに努め出産前のサイズに戻したウエストに、筋肉と脂肪のバランスが最適な太ももからヒップにかけてのライン。長い脚線美は見る人を魅了する。
学生時代ミスコンやモデル仕事に誘ってくる男たちの視線が、胸と並んで下半身に集中していたことを結花は気づいている。そのときはウザいなとしか感じなかったが、好きな男に見られ、そこに性的な魅力を感じると告げられると嬉しくなってしまう。
かつてはユウ、そして今は刈谷がその対象だった。
(……んっ、いけない……お湯、汚しちゃう)
今日、ここに何をしに来たか思い出すと、結花は湯船の中で淫蜜を漏らしてしまう。
秘裂から溢れたものが太ももを伝ってお湯に混ざる感触がある。公衆浴場でそんなことをしては駄目だと思うのだが、思ったからといって止められるものではない。
それに、この後のことを意識すると、どうしたって身体がセックスの準備を始めてしまう。彼に余計な手間を掛けさせないように、すぐに挿入してぬるぬるおまんこでたくさんチンポ擦って膣内射精してもらえるように、身体が万全の体制を整えようとしてしまう。
それは孕ませてもらいたい雌の本能だった。
「早く、欲しい……」
ぽろりと口から漏れた呟きは自分でも驚くほど切実な響きを持っていた。
三人がいる場所は都内から車で四時間ほど離れた信州の山の中。そこにポツンと建つ温泉宿だ。周りには山ばかり。観光地化された温泉街にありがちな夜の経済圏とは無縁の、本当に静かな環境で温泉に身を沈め、癒やされたい人のための穴場スポットだった。
ネットで検索してもなかなか情報を見つけることができないため、宿泊客のほとんどが古くからの顔馴染みか彼らに紹介された人。自力で辿り着く人間は余程の温泉マニアしかいないらしい。
そんな田舎の一軒宿だが、実は最近リニューアルしたばかりで中も綺麗になっているしサービスもいい。食事は地のものを使った郷土料理がメインだったがどれも美味しくて、お肉が大好きな結花など大満足だった。
だけど静かな環境も、最高の温泉も、美味しい料理も全ては前座に過ぎない。これから始まる刈谷との夜通しセックスこそ、この宿に来た目的だった。
(ご飯の後、セックスするんだ。母さんと小春に見られながら本物のセックス――|膣内《なか》に射精してもらって、子供を作るための行為――するのよね)
三人揃って子供をユウ一人に預けて仕事の出張だと嘘をついて、こんな山奥の温泉宿に三泊四日籠もってセックス三昧するなんて最低の母親で妻だ。結花は絶えず自嘲と自責の念に襲われるが、強い男の本物チンポに身も心も陥落した女はその背徳感さえもいけない悦びに変え自らを燃え上がらせてしまう。
湯面に映る自分の顔は快楽に溺れきっただらしない雌犬そのもの。それが今の橘結花の姿なのだと思うと興奮はますます高まり、身体の中から熱くなっていくのを感じた。
こんな顔はユウに見せられないなと思うのだが、見られてしまった場面を想像すると膣奥から更に熱い愛液が溢れてくる。己の妄想で乳首をビンビンに尖らせてるのだから救いようがない淫乱女だ。
子宮は雄の子種を欲しがって降りてきて、セックスする前から子宮口が開いている。受精の準備は整っていると知らせているのだ。
「お姉ちゃんいいな~。初日から赤ちゃん作ってもらえるなんて羨ましいよ」
「仕方ないわよ。発情期が来た順番に抱いてもらう約束だったのだから」
小春が子供っぽく種付けセックスの順番に言及すると、京香が母親らしい口調で宥めた。もう小春も一児の母だというのに京香の前だと娘らしさが抜けない。それを言えば私もかと結花は、ついつい母の前では甘えたところを見せてしまう我が身を省みた。
親にとって子供は何歳になっても自分の子供で可愛い存在なのかもしれない。結花も娘を産んだから自分の血を分けた存在がこの世に生まれることがどんなに素晴らしく尊いことなのか、理解できるようになっていた。
(だから子供は多いに越したことないわよね。|文乃《あやの》にも弟か妹を作ってあげたいし)
種違いの子供を孕むために置いてきた我が子の顔を思い浮かべ、結花は心の中で稚拙な言い訳を並べた。
いつか子供たちが成長し、真実を知ってしまったとき、そんなことで免責されるはずがないのに。
「のぼせちゃうから上がるね」
小春が立ち上がる。お湯が大きく揺れ動き、たわわな爆乳がぶるんと波打つ。結花は無意識に唾を飲み込んでいた。あの大きな胸、羨ましい。パイズリだって三人の中で一番得意だし、あれに挟まれたら男の人は凄く気持ちいいんだろうなと想像してしまう。
「私も上がるわね」
反対側では京香が立ち上がる。湯船から出たことで重力に従い水が流れるような美乳のフォルム。思わず触りたくなるような張りがありつつ、柔らかな質感が見て取れる。若々しさや張りという意味では自分や小春のほうが上だろうと思うが、男を包み込んで甘やかす柔らかさが熟成された肉からは感じられた。
とても孫がいるとは思えない現役の女だった。
火照った肌に浴衣を羽織って脱衣所から出る。秋の夜風が心地よく吹き抜けた。都会では感じられない空気の匂いを感じ取り、露天風呂で高ぶった気分を鎮める。
「やっぱり空気が美味しいわね」
肺一杯に清澄な酸素を送り込み深呼吸する。綺麗なものを取り入れることで、自分のような薄汚れた人間でも幾分か真人間に戻れる気がした。
部屋に戻る途中、京香の携帯が鳴る。画面に表示された相手の名前を見て、京香の顔が一瞬だけ曇った。ユウだ。結花は画面を見るまでもなく相手を察した。
「もしもし。どうしたの」
京香は何食わぬ顔で電話に出る。その声や態度には微塵も動揺が見られない。男と女の腹芸において京香は娘から見ても恐ろしいほどの役者だった。
「ええ、無事に宿に着いて、今はさっそくお風呂をいただいたところよ。ここへ来るまでに疲れてしまったから。お仕事は明日から。……そうね、ゆっくりできるプランで研修日程を組んでくれた刈谷さんには感謝しないとね。結花や小春と違って私はもう若くないから」
電話の向こうでユウが慌ててフォローする雰囲気だけが伝わってくる。
そんなユウの反応を楽しむように、京香は口元に薄い笑みを浮かべた。他の男に子供を作ってもらうため、自分と子供を置いて不倫旅行に出かけたなど露知らず必死に機嫌を取ろうとするユウの姿が滑稽だったのだろう。
刈谷に会う前の彼女なら決して見せることがない、別人のような冷たい態度だった。
「あの子たちも元気かしら。声が聞きたいわ」
電話の向こうから幼い子供の甲高い声が聞こえてくる。女の子三人分の声なので電話から離れていても聞こえてくる。最近どんどんお喋りが上手くなっている娘たちは、なぜ家に母親たちがいないか不思議がっている様子だ。
賑やかな子供たちの様子に京香は愛おしげに微笑んだ。その表情だけは偽物であって欲しくないなと結花は思ったが、己も同じことをしているのに京香ばかりを悪者かのように語る自分のアンフェアさに気くと、私たちは全員が共犯者なのだと改めて現状を認めた。
「そろそろ切るわね。おやすみなさい」
最後に別れの挨拶を口にして、電話を終わらせる。
ふぅと京香は溜め息を吐いた。
「全部分かっていて決めたことでも、あの子たちの声を聞くと決意が鈍るわね」
「でも私、もう我慢できないよ」
「お母さんも小春と同じよ」
やはりやめようと言い出すのではないかと不安なのだろう。小春が泣きそうになりながら訴えると、安心させるために京香はその髪を撫でてやった。そして結花のほうを見る。
「……あなたはどうするの?」
当然の質問に結花は沈黙で答えた。ここまで来て今さら良識ぶるなという少しの怒りを込め、京香の視線を真っ正面から受け止める。
「そうよね。ごめんなさい、変なことを聞いて」
先に折れたのは京香のほうだった。彼女は口を閉じ、刈谷が待つ離れに向かって歩いて行く。いくら三人が乱れても周りに迷惑がかからないようにと準備された部屋。はしたなく彼との生交尾に熱中して子作りのことだけ考えられるように整った環境。
そこに足を踏み入れた瞬間から三人は子を孕ませてもらうためだけの存在になる。
(いよいよね)
期待に胸が高鳴る。身体が疼き始め、子宮の奥が熱くなるのを感じた。まだ何もされていないというのに子宮口が開いて愛液が流れ出すのが分かる。
これから起こることに胸を高鳴らせながら結花たちは部屋へと入っていった。
後書き
ここまでがエロゲで言うところの共通ルートで次回から生ハメ交尾編に入って行きます。
順番は結花→小春→京香。
冒頭3000文字ほど書いたけど設定を説明するための面白くない会話が延々続くだけだったので全部消して、結花が温泉に入りながら子作りセッ!したくて堪らなくなって濡らしてる場面から始めました。
面白くもない会話で文字数稼ぎするのって書いてるほうも読んでるほうも苦痛だからね。
むかし何かで読んだ本に「全ての会話シーンは取り引きである必要がある」という教訓が載っていました。取り引きとは金品をやり取りするだけでなく、たとえば主人公が持ってる譲れない信念だったり、主義思想だったり、アイデンティティだったりが相反する立場との間で綱引きされてる状態。
そして取り引きは一度どっちかを選んでしまうと後戻りできない、選択肢の間でトレードオフの関係にあるほどいい。
ユウと内縁関係にあるだけでなく、そこに母親としての立場という二重拘束が掛けられた状態で、それでも彼を欺いて他人棒を選んでしまう京香はどうしようもない女になったな~。
子供に悪いと言ってるだけでユウに悪いとは一言も言ってないんだよな……。
ちなみに三人の子供の名前は過去回にも一度だけ出てるから忘れた人は読み返してね。作者も自分で名付けたのに忘れてバックナンバー引っ繰り返したのは内緒だよ。
橘さん家ノ愛人事情~僕との未来を語る裏で始まってた寝取り男との4P~2
目次ページ 前回のリンク ようやく新居に辿り着いたのは十九時を回ったころ。予定より少し遅れた。 京香のフェラとパイズリで抜いてもらったあと、至福の一時を過ごしたユウの愚息は一度で満足しなかった。しばらく引っ越し準備やら仕事やらで忙しかった彼は、溜め込んだ性欲に火がついて二発目を最愛の妻に求めた。...