百合の花は乱暴に摘まれる(永藤妙子/安達としまむら) (Pixiv Fanbox)
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「やっぱ永藤の胸ってすげーよな。歩くたびに揺れて男を誘ってやがる」
「夏服の季節は毎日あの胸でシコらせてもらったわ。早くまた夏服の季節にならないかな」
「これだから素人は。夏服で胸が目立つのは普通だろ。厚着をしてても隠せないボリュームこそ本物。よって冬服の着衣巨乳こそ至高。異論は認めない」
「変に通ぶるなって。薄着の季節のほうが何かと見てて楽しいのは間違いないだろ。お前もそう思うよな」
聞くともなしにクラスメイトの話を聞いていた俺に、その中のひとりが意見を求めてきた。永藤のおっぱいを視姦することで忙しかった俺は正直鬱陶しいなと思いつつ、話しかけてくれた相手をぞんざいに扱う勇気もないので愛想笑いを浮かべながら頷く。
「冬服の良さもあるけど、やっぱり夏服で防御力薄めのほうが見てて楽しいかな。腕を上げたときとか脇から中が見えるし。永藤って抜けたところあるから、えっちぃ身体してるのに隙が多いんだよな」
さっきから俺たちが話題にしてるのは永藤妙子という女子生徒だ。セミロングの髪に赤いアンダーリムの眼鏡を掛けた小柄な女子。それでいて胸のサイズはクラス一の巨乳。そのアンバランスさは目立つ。最近衣替えで冬服に変わったが、その程度で永藤バストは隠せない。
普段は男女で体育の授業が分かれているため拝む機会ないが、体育祭では同じクラスのよしみで応援と称した乳揺れ鑑賞会が開かれた。普通に歩いていても、たゆんたゆんに揺れるモチモチバストが踊り狂う様は、男子にシコシコチャンスをプレゼントした。
あの晩は永藤の乳揺れを思い出してクラスの男子はオナニーしたことだろう。俺はした。人生で一番濃いザーメンが出た夜と断言する。
「お前たちは本当ダメな。まるっきり分かってない」冬服至上主義を否定された男子がムキになって力説する。「お前たちの貧困な想像力じゃ、もし永藤のおっぱいを自由にできる権利持っても、大したことできないだろ」
「言い出しっぺの法則というものがあってな」夏服派の男子が言った。「そういう話なら言いだした人間が最初に何をしたいか話すべきじゃないか」
なんだこの不毛な会話は。いつものことながら無駄なことに時間を費やしている。教室の隅に固まって女子の胸を視姦しながら、もしあのおっぱいを自由にできたらなどという品性下劣な話に花を咲かせている俺たちは、間違いなくクラス内ヒエラルキーで下層民。クラス一の巨乳を好きにする機会など回ってこない。
もちろん妄想するのは自由だし、猥談で盛り上がるのは男子の重要なコミュニケーションだ。ここでスカしたこと言ってノリが悪いやつ扱いされると、イケてないグループにすら居場所がなくなってしまう。
もし俺が永藤の胸を好きにできるとしたら、彼女を縛ってみたいと考えたことが何度かある。前にインターネットのエロサイトで見つけた、女が縛られてる画像に影響を受けたのだ。乳房の形を際立たせるように胸元ぐるり回された縄は、縄化粧という言葉が存在するとおり女体の美しさを強調するものだった。
両腕を吊り上げて身動きできなくしたあと、無防備な腋から胸にかけて羞恥を煽るように舐め回し、永藤の顔が朱に染まる姿を観察したい。恐怖と恥ずかしさに震える彼女の胸にしゃぶりつき、乳首を吸い立てて時には甘噛みしたい。彼女の震える身体を抱きしめ、空いた乳房を手で掬い手のひらで重みを感じながら揉む。
胸だけで三回はイケるくらい時間かけて愛撫したい。
「お前はどうなんだよ」
永藤を犯す白昼夢に浸っていた俺は、冬服派の言葉で我に返る。どうやら二人は既に話し終えたらしい。聞いてなかったが支障はない。
「俺か。まあ普通に揉ませてもらおうかな、一晩中」
本心は隠して当たり障りのないことを言う。猥談に参加しないのはギルティだが、尖りすぎた性癖を披露するのも引かれてしまう。
「本当に普通だな」夏服派がつまらなそうに言う。
「おっぱいだけで気持ちよくなってセックスしたくなってるのに、もう挿れてってお願いしてる永藤を無視して、おっぱいだけ責め続けるのよくない? 涙目になって恥ずかしさを堪えながら、おまんこもじもじさせておねだりしたのに無視されて、自分の価値はおっぱいだけしかないのかなって不安にさせてからイチャラブしたら燃えると思うんだけどな」
「ありだな」と言ったのは冬服派。「揉みすぎて手首ぶっ壊れそうだけど」
「おっぱい揉みすぎて腱鞘炎は男の夢だろ。永藤のおっぱいで手首ぶっ壊れるなら俺は本望だね」
俺は二人を通り越して永藤に目をやる。彼女は自分が妄想の餌食になってるなど気づかず、同じクラスの日野晶と談笑していた。日野は永藤よりも小柄な女子で良く言えば古風、悪く言えば地味な格好をしている。なかなか可愛い見た目をしているので着飾れば男子にモテそうだが、家が厳しくて許してもらえないのだとか。
永藤と日野はいつも一緒に居る。少なくとも俺の目が届く学校内では常に二人一セットだ。女子は男子より友人間の距離が近く、気軽に手を握ったりハグしたりするが、それだけでは説明がつかない雰囲気を二人からは感じる。
もし永藤が百合っ娘だったら? あんなに男好きのする身体がもったいない。
2
世間的に家というのは心安まる場所のはず。外で受けたストレスを癒やすためリラックスして過ごすのだろうが、俺は家にいるときこそ緊張を強いられた。
帰りたくない場所へ向かう足取りは重くなる。どこかで時間を潰そうか、帰りを送らせようかと考えるが、つまらない小細工を弄したところで最後は帰らざるを得ない。時間稼ぎした分だけ問題がややこしくなる。
気乗りしない足取りで一歩ずつ自宅があるマンションに近づく。建物の外観が見えてくると錘を呑み込んだように胃が重くなった。ドアの前で一度大きく息を吸い、ゆっくり吐いてから開ける。
「遅かったわね」
ドアを開けてすぐ母親が仁王立ちしていた。両腕を組み、今では自分より背が高くなった息子を僅かに見上げながら、しかし精神的には自分のほうが上なのだと主張するように顎を突き出して威圧気味に喋る。
遅いという言葉に俺は苦笑する。まだ時刻は十七時。すっかり秋の風が吹く十月でも外はまだ明るい。高校生ともあろう者が健全すぎる帰宅時間。それでも母親はお気に召さないらしい。
「何がおかしいの。言ってみなさい」
「別に」
母親の気分を害すと面倒だ。俺は靴を脱いで家に上がる。彼女は少しだけ横に避けて息子に進路を譲った。
「高校は残念だったけど大学こそ母さんの決めた学校に行ってもらうわよ。もう成績が理由でランクを下げるなんて恥ずかしい真似させません」
「毎日その話ばかり聞き飽きたよ」
「あなたが志望校に合格してれば私だって、つまらない小言を毎日言わずに済んだのよ。分かってるの」
「そうだね。俺の頭が悪かったから母さんにも迷惑かけてごめんね。俺じゃ母さんの期待には応えられそうにないから何も期待しないでくれるとありがたいな」
いつにも増して今日は鬱陶しい絡み方をしてくる。俺は面倒くさくなって少し感情的に返した。それが気に入らなかったのか母親は目尻を吊り上げる。
「あなたたち兄弟はどうしてそうなの。少しは真面目に親の話を聞きなさい」
足を止めたら負けだ。俺はヒステリックに騒ぎ立てる母親を無視して自分の部屋に向かう。自室のドアを開ける前に隣室のほうを見た。そこには三歳違いの兄が引きこもっている。もう三年になる。たまに風呂やトイレに出てくる以外は家族とも顔を合わせたがらない。必要なものがあれば夜中のうちにこっそり部屋へ運び込んでるようだ。
かつて兄貴は母親ご自慢の息子だった。中学時代に成績は常にトップクラスで生徒会役員も務め、卒業アルバムの将来成功しそうな人ランキングではクラスで二番目に選ばれた。一位はサッカーでプロチームの下部組織に所属していた生徒。兄貴の存在は離婚した元夫を見返してやりたい母親にとって希望の星だった。
俺が小学校へ上がる年に両親は離婚した。原因は父親の下半身の不始末。父親とは離婚後一度も会ってない。母親が会わせたがらないし、父親も新しい女との家庭が大事で昔の家には関わりたくないようだ。
離婚してからの母親は人が変わった。俺たちを立派に育て上げることで父親を見返してやりたい、お前なんか必要なかったと復讐してやりたいのだろう。幼いころの記憶にある彼女は笑顔の絶えない穏やかな人だった。シングルになってからは不機嫌な時間が増えた。
子供を立派に育て上げると言っても立派の定義は曖昧だ。何を持って立派と言うのか。ただ成人まで育てば満足? 彼女は誰が見ても頷ける基準を求めた。子供たちに見栄えがするキャリアを歩んで欲しがったのだ。
そこからはたちの悪い教育ママに変貌した。俺と兄貴は学校から帰ってくると机に齧り付いて勉強することを求められた。早い段階で母親は俺の頭の出来に見切りをつけた。どれだけ勉強しても抜きん出ることができなかったのだ。どうやら俺は勉強向きではなかったらしい。じゃあ何に向いてるのかと聞かれても困るが。
早い段階で見放された俺は気楽な立場だ。苦しいのは兄貴のほう。遺伝的には兄貴だって俺と大差ない頭なはずなのに、彼は足りない資質を努力で埋め合わせた。なまじっか母親の期待に応えられてしまったのが兄貴の不運。
兄貴は母親の望むとおり高校から私立の進学校に通うことになった。地元で一番頭のいい子が集まる学校に長男を入れられて、母親は自分の教育方針が間違ってなかったのだと誇らしげだった。それも続いたのは数ヶ月程度。すぐに兄貴は周りについて行けず挫折した。元々の出来の違いってやつを思い知らされた。優等生から落ちこぼれに一転した。
身の丈に合わない環境で苦しむ兄貴に母親は努力が足りない、もっとできるはず、ここは目標ではなく通過点と発破を掛け続けた。追い詰められてノイローゼ気味になってる兄貴の状態には目もくれず、家から追い出すように登校させる母親の姿に俺まで怒りを覚えた。あのときの母親は今でも人でなしだったと思う。
そして、ある日を境に兄貴は糸が切れたように立ち上がれなくなった。
3
人によってオナニーのやり方は様々。妄想の種――いわゆるオカズを用意する人、妄想だけで抜ける人、オナホールなどの道具を使う人、手淫こそ最強と疑わない人、オナニーでもコンドームを使う人、滑りをよくするためローションを使う人などなど。
俺は素手派でゴムやローションも使わない。ローションは興味があって一時期使ったこともあるが、家族と同居だと後片付けが面倒なのだ。特にボトルを捨てるときが面倒くさい。どうしてローションのボトルは、ラベルを剥がしても形だけでローションのボトルですと分かる形状をしてるのだろう。
オカズは用意したり用意しなかったりだ。使うときはスマホからブラウザのブックマークに登録してるエロサイトを開く。エロ動画から巨乳物を選んで再生。女優の顔を脳内で永藤に置き換えて硬くなったちんぽを擦る。
今日は寝取られ物だ。眼鏡を掛けた少し地味だけど巨乳で可愛い彼女が、教室で彼氏とセックスしてるところを教師に見つかり、脅迫されて一度セックスしたら今度はそれをネタに脅されて何度もハメられる。繰り返し抱かれてるうちに彼氏よりちんぽも大きくて経験豊富な大人のセックスにハマってしまう。
寝取られ物を見る視点にも個性がある。二人の男の間で翻弄される彼女の心理に同化して見る人、大切にしていた彼女を寝取られて絶望する彼氏の気持ちになって安全な傷つきを楽しむ人、寝取り男のつもりで他人の大切な物を奪い自分とのセックスのほうがいいと彼女に言わせて楽しむ人。
俺は寝取り男の視点で楽しむタイプ。
「永藤、永藤」
彼女の名前を呼びながらちんぽを激しく扱いた。画面の中では制服姿の女優が教室の机に手をつき、立ちバックで教師に犯されている。ブラが捲り上げられた巨乳は教師の手に揉みしだかれ、ぐにぐにと形を変えてその柔らかさを画面のこちら側にも見せつける。
後ろから覆い被さり密着した体勢で腰を振る教師役の男優に自分を重ねた。
『先生ッ♡ すごい、すごいですぅっ♡ あっ、いいっ♡ せんせい、せんせいッッ♡♡』
『ガキのちんぽじゃここまで挿れてもらえなかったろ。挿れても単調に擦って終わりか。先生の彼女になれば毎日このセックスしてやるぞ』
『やだっ、やぁぁぁっ♡ それはだめっ、だめぇぇッッ♡ 彼を裏切れない♡ 絶対むり、むりぃッッ♡ ゆるしてッ、ゆるしてぇぇぇ~~ッッ♡♡』
『先生とのセックスで喘ぎまくってて今さら彼を裏切れないもないだろ。痩せ我慢したってガキまんこが大人ちんぽに勝つのは無理なんだぞ。お前は頭いいから分かるよな。分からなくても心配するな。分かるまで教えてやるから』
『いやっ、やらっ、おねがいッ、ゆりゅしてぇ〜〜〜〜ッッ♡ もっ、ゆるひてくらひゃいッ♡ あひゃまのなかひもちいいっ、いぃぃッ♡』
永藤が喘いでいる。永藤が泣いている。彼氏を裏切れないと。だけどちんぽは俺のほうが気持ちいいと叫んでる。画面の中で男優がフィニッシュに向かって腰を振る。俺も扱くスピードを速める。
『ひうぅっ! や゛あぁ゛っ♡ やっ、やらあぁぁっ♡ うごかないでぇぇ〜〜!』
カメラが立ちバックで突かれる女優の下に潜り込む。男優の太い肉棒がまんこを出入りした。卑猥なアングルで股間がアップになったところで俺は慌ててティッシュを掴む。
『ん゛っ♡ やんっ♡ ん゛っ♡ や、やあっ♡ あ゛♡ お゛っ♡ せんせい、だめっ♡ やっ、やぁっ、はげしぃっ♡ ああ゛っ♡ やだっ、い、イク、イきゅっ♡』
女優が快楽に負けて全身をわななかせた。きゅっと力を入れて踏ん張る内ももに筋肉の線が出る。おまんこの切なさを押さえつけようと内股で脚をもぞつかせた。
女優に遅れること数秒で男優も発射する。俺は脳内で自分が永藤にナカ出ししたものと置き換えた。そうすると射精欲が高まり俺も限界が来る。ティッシュを亀頭に被せ跳ね回るちんぽを握りしめた。三枚重ねにしたティッシュが精液でビチャビチャになる。
俺がイッてる間も画面ではストーリーが進行する。ナカ出しされてイッた生徒は床に倒れ、セックス疲れと膣内で射精された衝撃に呆然とした。教師は彼女の顔に勃起したままのちんぽを突きつける。一度イッたら回復まで時間かかる彼氏とは違うタフネスぶりに彼女の目が雌みを帯びた。
ティッシュを丸めてゴミ箱に捨てる。空打ち精液を受け止めた紙くずでゴミ箱はパンパンだ。明日ちょうどゴミの日なので母親に見つからないうちに捨てなくては。以前オナニーティッシュでいっぱいのゴミ箱を見られたことがある。そんなことしてる暇があるなら勉強しろと小言が一週間続いた。
兄貴がドロップアウトしてから再び母親は俺に期待するようになった。積極的な期待ではない。長男が使い物にならなくなったので、数段劣るスペアでもないだけマシと考えたのだ。
兄貴が引きこもったとき俺は中一だった。優秀な兄貴のおかげでノンストレスな小学校生活を送らせてもらい、中学でも適当にやってればいいか長男は大変だなと子供ながらに考えていたところへ、兄貴が壊れたから今後はお前を教育すると言われた。
「お兄ちゃんと同じ高校に進学しなさい。あなたは優秀な成績で卒業するの」
まるで兄貴を狂わせた責任は全て学校にあり、俺が連中の鼻を明かしてやることが仇討ちになると言いたげ。こいつは自分の見栄で二人続けて子供を壊すつもりか。こんな奴の言うこと聞いてやるもんかと固く決意した。
そうじゃなかったとしても俺が兄貴と同じ高校に受かるなんて無理な話だったけど。もともと出来が悪くて見放した次男に何を期待してるんだか。
4
男が射精すると眠くなるのはイッた直後にナンタラ言うホルモンの分泌量が急増するからだそう。入れ替わるようにして男性ホルモンの分泌量が減るため、攻撃性が抑えられ穏やかで気怠い気分になり眠気も誘発されるんだとか。いわゆる賢者モードってやつ。人によってはホルモンバランスの変化が起きない体質の人間もいるらしい。これが連射可能な俗に絶倫と呼ばれる人種だ。
どうやら俺も選ばれた人類らしい。イッてもイッても永藤の裸を妄想すると全然萎えない。攻撃性が衰えるどころか射精するほど興奮が増す。いつか現実の永藤もこうしてやるんだと闘志が沸き起こる。それが無理だから毎日毎晩こうして自分でちんぽ擦ってるんだけど。
六発目を出し終えるころには、すっかり夜も深まっていた。スマホの時計を見ると日付けが変わるところだった。充電しながらエロ動画再生しっぱなしだったため背面が熱くなっている。目玉焼きでも焼けそうなスマホを休ませてやるため動画の再生を止めた。
途中から使用済みティッシュをゴミ箱に投げるのも面倒で足元に転がしていた。乾いた精子でガビガビになった紙くずを足先で突く。俺の分身たち。一億の細胞。空打ちされて無駄死にした生命の素。
「風呂でも入るか」
ちんぽが精液まみれで気持ち悪かった
タオルと着替えを持って部屋から出た。俺の部屋から風呂場へは右へ曲がる。当然そちらへ行こうとしたのだが途中で足が止まった。反対側のキッチンに仄白い灯りが見えた。ダイニングもキッチンも大きな電灯は消えている。光量からしてレンジフードの手元照明だろう。
俺はバスタオルと着替えを小脇に抱え直し、キッチンに向かった。うるさい母親を起こさないよう足音は殺す。三人暮らしが始まってから気配を消して生活する技術が身についた。
キッチンの隅から何かを啜る音が聞こえた。それだけで誰が潜んでるか答え合わせは済んだようなものだった。
「兄貴」
俺はレンジフートの真下でカップラーメンを啜っている人物に声をかけた。その人は顔の上半分を隠す前髪の奥からこちらを見た。カップラーメンから立ち上る湯気越しに兄弟は久しぶりに顔を合わせた。前に見たのはいつだろう。衣替え前だから一ヶ月は経ってるか。
「風呂?」
兄貴は汁を飲むついでに聞いた。
「兄貴は飯?」
「今日あの人なかなか寝なかったから、この時間になった」
兄貴は引きこもってから母親の作ったものを食べなくなった。食べようとしても身体が受け付けないらしい。精神的に母親の手で触れたものが自分の体内に侵入するのを拒むのだとか。そんなことあるのか俺は知らない。だけど本人がそう言ってるのだからそうなんだろう。
最初こそ母親も意地になって食べさせようとしたが、部屋の前に置いた手つかずの料理を自ら残飯に捨てる生活が一週間ほど続いたあと、とうとう諦めて店で買ったパンやおにぎり、カップラーメンや惣菜を置くようになった。
兄貴のほうも一週間に及んだ籠城生活で兵糧が尽きたのか、未開封の加工食品や出来合いの惣菜は受け入れた。
引きこもりの長男を苦々しく思いながらも母親が食料の供給を断たないのは、兵糧攻めされた兄貴が食料を求めて家の外へ出ることを警戒してのことだろう。かつて期待どおり育った長男は自慢の息子だった。それはそれは自慢した。その子が落ちぶれた姿など見せたくないのだ。
「部屋の電気ケトルは?」
「壊れた」
「ネット通販で九百八十円の安物が何年ももったら元は取れたのかな」
高校受験を前に兄貴の部屋は要塞化した。何時間でもこもって勉強できるようにと一通りの設備が揃えられた。一人暮らしサイズの冷蔵庫、電子レンジ、電気ケトルがあるので食に関しては融通が利く。
まだ引きこもる前に見せてもらった部屋は、水回りさえあれば手狭なワンルームとして完結する充実ぶりだった。
引きこもりに最適な環境を作ってやったのが、勉強部屋のつもりで用意した母親とは皮肉な話である。
「今日は悪かったな」
不意に兄が謝った。唐突な謝罪に俺は何の話をされてるか理解できず、目で兄貴に問い質した。
「あの人、機嫌悪かったろ。俺のせいなんだ。まだ仕事から帰って来ないと思って風呂に入ってたら、いつもより帰りが早くて」
うちの脱衣所は玄関を入ってすぐ。そこから出てきた兄貴と仕事帰りの母親が鉢合わせたらしい。
「最悪なタイミングだ」
他に言う言葉が見つからなかった。
「まともに相手するだけ無駄だから俺は無視して部屋に入ったけど、しわ寄せがお前に行ったな」
兄貴は申し訳なさそうに肩を落とす。その姿は往時と比べて酷く小さく、弱々しく俺の目には映った。
「俺のせいだな。俺が投げ出したからお前に面倒が行ってるんだよな。毎日遅くまで勉強させられて大変だろ」
自分も経験したから分かると兄貴は長男に続いて母親の見栄の犠牲になった次男に共感を示す。誰が言えるだろうか。この男の哀れみと慈しみが綯い交ぜになった瞳に直視され、遅くまで起きてるのは勉強のためでなく、クラスメイトの女子をズリネタにしてたからだなんて。
だけど俺は話すべきだったのだ。たとえ恥ずかしくとも。俺は適当にやってるから弟の人生まで兄貴が重く考える必要ないよって。それより今度一週間オナ禁して溜めてから、一晩で何回射精できるか挑戦してみようと思うんだって。明るく。馬鹿っぽく。梅雨時のシューズボックスみたいにジメジメした空気を笑い飛ばすように。
そうすれば、この夜が生きてる兄貴と話す最後の機会になることはなかったかもしれない。
そうしない代わりに俺は「風呂行ってくる」と兄貴の傍から離れた。
「湯冷めするなよ。上がったら髪乾かして寝ろ」
最後まで兄貴は弟の心配をしていた。
5
十一月の空気は身を切るような寒さと言うには及ばない。それでも季節が秋から冬に移行する時の流れを感じるには充分だ。俺は吹き抜ける風に肌を撫でられ首をすくめた。スマホで時刻を確認する。十六時半。辺りは薄暗くなり始めている。キャップを目深に被り直した。完璧な変装には程遠いが構わない。計画を実行に移すまで永藤に俺だと気づかせなければ役目は果たす。
俺は歩道脇のベンチに座って彼女を待った。隣に置いたナップザックを持ち上げると腕にズシッと重さがきた。これから犯す罪の重みに感じられた。感傷的だ。あまりにも情緒に酔いすぎている。くそったれ。
やがて俺の前を見知った制服姿の生徒たちが通り過ぎる。誰も俺に不信感など抱かない。手元でスマホを操作していれば俯いて顔を隠しても気にされない。
絶えず手を動かしてるがこれといって何をしてるわけでもない。ブラウザで適当なページ開いて上から下まで何往復もスクロールしたり、SNSの新着がないか更新し続けたりして時間を潰す。
登校拒否し始めたころは届いた心配のメッセージも最近はこない。義理は果たしたということなのか、そっとしておいたほうがいいと判断したのか。
身内の死で精神的に追いつめられてるように見えたなら幸いだ。人は自分の手元にあるカードの組み合わせから、自分の能力でも理解できる範囲の結論を導き出して飛びつく。凶悪な犯罪が起きても犯人の動機が分からないでは不安だ。だから手っ取り早く分かった気になって安心できる論理を編みたがる。そうして形作られた理解が彼らの能力を超えることは決してない。
なんで学校でも地味で目立たないグループだったやつが、そんなだいそれたことをと連中は噂するはず。そのとき俺の家庭環境がやり玉になれば言うことなし。
顔はスマホに落としたまま目だけ動かして通行人の姿を確かめる。まだ来ないのか。そろそろのはずだが。
この時期は一瞬で夕暮れから夜に変わる。オレンジと紫のグラデーションだった空は黒一色に塗り直された。キャップなどなくても俺の顔は見えないかもしれない。
「寒ッ」
日が落ちると気温も急降下した。スマホを操作する手が冷たくてカモフラージュが続かない。仕方なくスマホはしまい手をジャンパーのポケットに入れた。大事なときに手がかじかんで動きませんでしたでは困る。
まさか今日は永藤も学校を休んだのでは。永藤の登校状況は調べていなかった。もし休みだったら今日は無駄足になる。計画の見通しが甘かったことを悔やみ始めたときだった。
――来た!
肩をすくめジャンパーの襟に顔を隠しながら、伏し目で盗み見た歩道を永藤が日野と一緒に通り過ぎた。彼女たちは俺に気づいた様子がない。お互いの会話に夢中で周りにまで気を配る余裕がないようだ。
少し抜けてるというか鈍いところのある永藤ではそんなものだろう。俺は二人が通り過ぎてから、ゆっくり十数えて立ち上がる。バックパックを担いで彼女たちの後を尾行した。
このまま数分歩くと二人は別れる。永藤が一人になってから少し行くと老朽化で取り壊し予定の廃ビルがある。一階は中華料理屋だったが退去済み。ドアを閉めるとガラスに施された装飾で中が見えにくい造りだ。前もって鍵は壊してある。
はやる気持ちを抑えて尾行する。まさか気配を消して生活する特技がこんなことろで活かされるとは。
永藤と日野が二手に別れた。もちろん迷わず永藤の後をついて行く。少しペースを上げ彼女に接近した。鈍い永藤は気づかない。巨乳は頭が弱いってのは本当なのかもしれない。
周囲に人の目がないことを確かめ一気に近づいた。背後から口を塞ぐとさすがに永藤も慌てる。やっと異変に気づいてもがく彼女の眼前に俺はナイフを突きつける。
「動くな。声をだすのもダメだ。生きていたかったら大人しく歩け」
必要最低限のメッセージだけ伝えると彼女は怯えつつも頷いた。
「そこのビルに入れ。鍵は壊してある」
永藤は言うとおりにした。彼女にドアを開けさせ俺も一緒に入る。
「――――痛ッ!」
背後から床に押し倒すと永藤は呻いた。転んだ勢いでスカートが捲れ上がり太ももの大部分が露出する。暗闇の中でも僅かな月光を受けて女子高生の新鮮な肌は白く輝いた。おっぱい同様に尻から太ももに掛けても永藤は肉付きがいい。日野と並ぶと太ももの太さが全然違う。言うまでもなく俺は永藤の太さが好きだ。
今から永藤の身体を好き放題できるんだと思うと欲望に歯止めが利かない。
俺は倒れた永藤にナイフを見せびらかしながら命令した。
「パンツ脱げ」
「許してください。何でもするから家に帰して」
ガタガタ震える永藤の顔は恐怖で表情が凍りつき、血の気が失せて真っ青。顔面蒼白とはこのことか。急にナイフ持った男に襲われてパンツ脱げと命令されたのだ。このあとに起きること想像して生きた心地がしないだろう。
だからといって手心を加える気は一切ない。俺は繰り返し命令した。
「パンツ脱げ。何でもするんだろ。言うこと聞けば命までは取らないから」
6
彼に私と話し合う気がないことはすぐに分かりました。彼は私が助けてください、家に帰してくださいとお願いしても一向に構わず自分の要求だけを突きつけました。その無慈悲さは彼が構えたナイフ以上に私を恐怖させました。この人は本気だ。要求が受け入れられなかったり、私が抵抗したりすれば躊躇なく殺すつもりなんだと感じました。
言うことを聞く他になく私は両手をスカートの中に入れました。恐怖で涙が滲んできます。手は氷水に浸かったように震えました。
「早くしろよ」
上手く手が動かない私を彼が急かします。どこかで見たことある気がするのは気のせいでしょうか。月明かりを背にする彼の顔は逆光で見えません。しかし全体の雰囲気や声に何となく覚えがありました。
下着に指を引っ掛けて下ろします。秘部を覆っていた布が剥がれ落ち、スルスルと太ももの半ばまで脱ぎました。僅かに腰を浮かせて脱ぎやすい体勢を取ると、彼は身体を斜めにして私の恥ずかしい部分を覗き込みました。
「暗くてよく見えないな。まあ、いいか。あとでじっくり至近距離から見物させてもらえば」
ああ、やはり脱いだだけでは許してもらえないんだ、その先もされてしまうんだと私は絶望的な気分になりました。分かっていたこととは言え、そこを至近距離で見られるような行為もするつもりなんです。
ふと私は大声で助けを呼んでみたらどうだろうと思いました。無謀なことはやめたほうがいいと一瞬で諦めましたが。運良く近くに人がいたとして、その人が飛び込んできてくれるより、彼のナイフが私に刺さるほうが速いでしょう。
私が下着を脱ぐと彼の手が引ったくるように奪い取りました。
「へー、これが永藤のパンツか。そういえば今日は体育があったな」
彼は呟いて私の下着を自分の顔に押し当てました。特に股布のにおいが濃いと思われる部分に鼻を擦りつけ、深く深く息を吸います。すーはー、すーはーと何度か深呼吸を繰り返しました。
「ちょっと汗臭いね。だけど女子高生のいいにおいだよ」
下着のにおいを評価される恥ずかしさに私の身体はカッと熱くなりました。体育のあと日野が胸の谷間に顔を突っ込んでくることはありましたが、パンツのにおいを嗅がれたことなどありません。ましてや男の人に。
恥辱で混乱する私は気づくのが遅れました。犯人が私の名前やクラスの時間割を把握してる――これが偶然の通り魔ではなく、計画的に私を狙った犯行なのだ――と。
そのことに思い至った私を別種の恐怖が襲います。大声を出すなり暴れるなりしてこの窮地を脱せても、彼が捕まらない限りまた私を狙ってくるかもしれません。この犯人なら私の家まで把握してると考えるのが自然でしょう。
「これ咥えて」
犯人は私のパンツを口に押し込んできました。
「むぐぅっ、むっ、んぅふぅ」
「そのまま、そのまま。吐き出すなよ」
彼は背負っていたバックパックを床に下ろし、中から一巻きのガムテープを取り出しました。
「これくらいかな」
適当な大きさに切ったガムテープが私の口を塞ぎます。口内に放り込まれた布が下の動きを抑え、ガムテープが口を開けなくします。この時点で私は助けを呼ぶことができなくなりました。
「準備完了」
そう言って彼は私の肩を突き、仰向けで寝るよう指示します。従うしかありませんでした。
彼の視線が胸に注がれるのを感じました。いつのころからか急激に成長して男子にジロジロ見られるようになった胸は、私のコンプレックスでした。日野は羨ましいとか有名税だとか言いますが、知らない男の人に性欲だけのギラつく目で見られるのは苦手です。島村は、クラスの男子は妄想の中で私の胸を十回は揉んでると言っていました。考えただけで鳥肌が立ちます。
「これが永藤の胸。おっぱいデッカ! 間近で見ると本当にでけーな」
犯人もこれが狙いだったようです。やはり胸なんて大きくていいことありません。
彼の手が制服の上から胸を鷲掴みしてきました。はぁはぁと荒い息を吐き出し興奮した様子で手を動かします。慣れてないのでしょうか。ときおり力が強すぎて私は眉間にしわを寄せました。夢中で揉んでいるためか辺りが暗いためか彼は気がつきません。
性衝動に任せた乱暴な手つきで胸を弄ばれるのは大変な苦痛でした。日野に揉まれたことは多々あります。彼女はさも自分に所有権があるかの如く鷲掴みしてきます。人前で触られるのは恥ずかしくても、日野に揉まれること自体は嫌と感じません。
彼女の実家は大きなお屋敷に住む名家で、何かと肩がこることも多いようです。私は自分から息抜きに胸を提供することもありました。
そうした私と日野との間だけで許されたコミュニケーションに、男の人が乱暴に割り込んできたのです。私は相手が刃物を持ってることも忘れて拒絶しました。こちらの胴体を跨ぎ、膝立ちで胸を揉んでいる彼の手を引き剥がそうとします。
「暴れんなよ、暴れんな。言うこと聞いて大人しくしとけ。痛い目はみたくないだろ」
そのときの私には彼の言葉も届きません。胸を自由にされるのは日野との思い出が汚される気がして我慢できませんでした。身体を左右に激しく振って彼を振り払おうとします。
しかし男と女の腕力さは考えてる以上に大きいものでした。彼は私の両手を片手で押さえつけ床に縫い止めてしまいます。空いた片手でガムテープを掴むと、クロスさせた私の手首を頭の上でぐるぐる巻きにしてしまいました。
口に続けて両手の自由も奪われてしまったのです。
7
両手を一纏めにしてもまだ永藤は抵抗しようとした。俺の胸を押し返して距離を取ろうとする。だが俺だって男子。運動が得意なほうではないが腕力で女子に押しのけられるほど弱くはない。
制服の上から巨乳を鷲掴みにして大きく手を動かす。お前のおっぱいを堪能してるのは俺だぞと見せつける。夢にまで見た永藤の胸は現実感がないほど柔らかかった。未だかつてここまで柔らかく、触り心地がよくて、全身で沈み込みたいと思う感触は経験したことがない。
エロ動画で男優がやってた方法を思い出し、下から掬い上げるように円を描く動きで揉む。横乳に指を当てて、そこにあるらしい敏感なツボを押した。全てが初体験。触れる場所みな未体験ゾーンなので、とにかく童貞バレしないことだけ気をつけた。経験がないなんて思われると精神的なアドバンテージが減ってしまう気がしたからだ。
お餅バストを両手で揉みながら首筋に唇を押しつけた。
「んんッ……」
ビクッと身体が震えて首をすくめた。感じてるのではなく、顔が近づいてキスを警戒した動きに見えた。首の太い筋肉に沿って耳のほうへ舐め上げた。くすぐったそうに永藤が身をよじる。耳の裏まで舌が達すると離し、再び首筋に唇を押し付ける。今度は先ほどと同じルートを優しく啄んでキスの雨を振らせた。
レイプされてても感じるものは感じるのか、永藤は鼻から湿った吐息を漏らして艶めかしく仰け反る。
俺は永藤の耳の後ろに鼻を押し当て、髪の生え際から香る体臭を肺いっぱいに吸い込んだ。汗をかいた女子高生の甘酸っぱいにおいに制汗剤の香料が混じる。恥ずかしがって逃げ出そうとする彼女の身体を押さえつけ、何度も息を吸い込んだ。
「心配しなくていいよ。永藤の体臭、俺好みのいいにおいだ。これ分かるかな」
俺は元気になった下半身を彼女の柔らかい腹に押し付ける。硬い肉の塊が何を意味するか分からないほど子供ではない。組み敷いた身体が緊張でこわばる。
「永藤のおっぱい揉みながらにおい嗅いでたら元気になっちゃった。あとで挿れてあげるから楽しみにしてるんだよ」
真っ赤になった耳の外縁を舐め回す。甘噛みしてやると快感に抗う身体がわなないた。
「っン! はっ、はっ、はっ」
永藤の呼吸は浅く速いものに変わる。興奮してるのだ。クラス一の巨乳で男子のオナペットアイドルだった永藤が俺の手で。クラスどころか学年中の男子が揉みたい、吸い付きたいと思っていた巨乳を俺だけが好きにできる。優越感が半端ない。しかし人間の欲望とは際限なく膨らむもの。俺は服の上からだけで満足できなくなった。
近くに置いてあったナイフを拾う。怯える彼女の制服に刃を引っ掛け勢いよく走らせた。多少の抵抗を残して制服は真っ二つに引き裂かれる。続けてブラも剥ぎ取ると乳房とのサイズ比では適正と思われるサイズの乳輪が出てきた。
「永藤のデカ乳輪えっろ! 乳首も大きめなんだ。そりゃそうだよな。豊胸してない天然ものなら、おっぱいのサイズに合わせて乳首や乳輪も育つよな」
俺としては褒め言葉のつもりだった天然おっぱい認定。だが言われたほうは恥ずかしさと悔しさで目に涙を溜めてしまう。今にも泣き出す寸前に見えるのに気丈に睨みつけてくる永藤の目が余計に俺の興奮を煽り立てた。
ド迫力の巨乳を揺らすように揉みながら、戒めから解き放たれた乳首に指を引っ掛ける。
「んあっ、くっ、うっ、んあ!」
感じたくないと思ってる女を気持ちよくしてやるのがこんなに楽しいとは想像もしなかった。肩で息をしただけでも、ぷるぷる揺れるスライム乳に指を食い込ませる。直に触り始めるとすぐに乳首が勃起した。
巨乳は感度が悪い、脂肪が分厚いからなんてそれっぽい俗説も聞いたけど、永藤は乳首の感覚が鋭敏なようで、軽く指で転がしてやるだけで激しくイヤイヤしながら身体を揺らした。
「永藤の乳首すっごく勃起してる。触ってほしそうにしてるよ」
辱める目的で言うと狙いどおり全身が桜でも咲いたように染まる。白い肌に朱が差してピンク色になる。乳房に浮いた血管の青との対比がエロティックだった。
親指と人差し指で乳首を摘んで転がした。
「はぅぅ、うっ♡ んく、んんっ♡」
吐息に含まれる糖分が急上昇する。練乳のように甘ったるい鼻息が出てることにも気づかず、永藤は大胆に腰をくねらせた。おまんこの切なさをやり過ごそうとしてるのがバレバレだ。
いつか自分で言ったことを思い出す。永藤のおっぱいばかり責めて気持ちよくしてやり、セックスしたくなった彼女の懇願を無視して胸ばかり責め続ける。あのときは不可能だと思った生殺しシチュエーションに近づいてる気がして、俺はさらに興奮した。
死ぬ気でやれば不可能はないなんて挫折を知らない人間の戯言か、弱者に夢を見させるための方便としか思っていなかったが、あながち間違ってもないのかもしれない。
自分の人生どうなってもいいと腹を括って事に当たれば、狙っていた相手を巻き込んで破滅するくらいのことはできるのだ。
8
「私のせいじゃない。私は悪くない」
そう呟いた母親の背中は細かく震えていた。床にへたり込んだ彼女は腰が抜けたのか立ち上がれない。緩く握った手で床を引っかく。
「私の責任じゃない。私は何もしてない。あの程度であり得ない」
自己弁護を繰り返す母親の視線の先で兄貴が死んでいた。玄関のドアノブで首を吊って動かない。投げ出した両手足はピクリともしない。血の気が失せて真っ青になった顔は映画に出てくるゾンビのようにも見えた。口から舌が飛び出している。
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
母親は玄関に繋がる廊下を通せんぼするように座っている。障害物を跨ぎ越して玄関に向かった。その間も現実感がなかった。首吊りというのは自分の背丈よりも高い場所に吊るすことだと思っていた。気道を圧迫するだけの負荷が掛けられれば、それより低い場所でも充分なのだと後にインターネットで調べて知った。このときの俺はまだ、兄貴が冗談でやってる可能性に賭けた。そうであってほしかった。
しかし手で触れた兄貴の肌は冷たくて生気を感じさせなかった。祖父母とも健在で他人の死を見たことがない俺でも、この体温で人間が生きてられるはずないと直感した。
手首に指を当てる。脈がない。呼吸を確かめようとして未だにドアノブから吊り下がったままなことに気がついた。キッチンから包丁を持ってきて縄を切る。
解放された兄貴の身体を横に寝かせる。口と鼻に手をかざすが呼吸はない。
「どうすればいいんだよ」
途方に暮れて呟いた俺の背後で母親が弾かれたように立ち上がった。
「救急車! まだ生き返るかも」
死んだ人間が生き返らないことは子供でも分かる。誰がどう見たって兄貴は手遅れだ。それでも一縷の望みをかけて彼女は電話に飛びついた。
。結論から言うと母親の行動は兄貴の死亡を公的に確認してもらう意味しかなかった。
「葬式には親父も来るかな」
死亡届が完成するのを待つ間、病院の待合室で俺は母親に尋ねた。
両手に顔を埋め泣いていた母親は息子の質問で身体を起こす。泣き腫らした瞼を三角に尖らせた。全身が耐え難い怒りのためかわななく。赤く充血した目に憎悪の光をたたえた顔は幽鬼のよう。
こんな状態になっても父親への憎悪は一向に衰えないのか。俺は本格的にこの女のことが分からなくなった。
「来るわけないでしょ。あの人はもう関係ないんだから」それから母親は少し考え、自分だけの考えではないと言い訳するように付け足した。「離婚したとき今後はお互い連絡しないって決めたの。新しい家の人が歓迎しなかったんでしょうね。だから今の連絡先も知らないわ」
母親の言うことに嘘はない。だが彼女には意図的に説明してないことがある。父親の両親……俺から見て祖父と祖母にあたる人たち……の存在だ。祖父母は両親が離婚して法的には他人になった後でも俺たち兄弟のことを気にかけてくれた。母親が嫌がるので大っぴらに会ったりはしなかったが、彼らの連絡先なら知っていた。
俺が祖父さんたち経由で連絡してもらおうか。喉元まで出かかった言葉を飲み込む。母親が烈花の如く怒り狂い拒否することは目に見えていた。やるなら勝手に進めるしかない。
俺は祖父に兄貴が死んだこと、もし葬式に来るつもりなら日程は決まり次第教えることを伝え、父親に連絡してもらえるよう頼んだ。祖父は泣いていた。電話の向こうでは別な人間の啜り泣きも聞こえた。
居た堪れなくなって電話を切った一時間後に着信があった。予想してたことだが父親は出席しないらしい。
「私たちも行けない。恐らくお母さんは、私たちの顔を見たらいい気がしないだろうから」
「分かった。ありがとう」
祖父の言い分はもっともらしく聞こえたので、それ以上なんとも返事のしようがなかった。
このとき初めて俺は父親に捨てられたのだと理解した。父親と母親が役所からもらってきた紙にサインして他人に戻っても、それだけで血縁まで切れるものでないとピュアに信じていた。おめでたい勘違いは正された。やっと認めることができた。
誰も俺たち兄弟のことを大事にしてくれる人はいない。誰からも愛されない存在を、なぜ自分だけは愛さなければならないのだろう。
誰もが俺たちのことを自分の都合で振り回すなら、逆に俺たちが自分の都合でそいつらを振り回したっていいじゃないか。兄貴は自分の命で大人たちを右往左往させた。俺は何をする。
痛いのも苦しいのも嫌だ。半端者の俺は連中に目にもの見せてやると言いながら、兄貴ほど捨て身にはなれない。
「どうせなら楽しいことがいいな」
楽しくて気持ちいいこと。永藤とセックスして妊娠させてやったら楽しいだろうな。いっぱい気持ちいいことして彼女の腹に種を仕込めたら、その後に待ってる罰とも釣り合いは取れてるように感じた。
9
「一ヶ月だ。この日のために一ヶ月掛けて準備してきた。永藤が使う通学路のどこで襲えばいいか調べたし、道具も揃えた。何より一番大変だったのはオナ禁だ。永藤のおっぱいで毎日シコることが日課だったのにやめて、本物のまんこに特濃ザーメン射精するため精液を蓄えた。おかげで金玉パンパンに腫れ上がったよ。それもこれも永藤の腟内なかで射精して孕ませてやるためだ」
これから何が起きるか乳首を舐め転がす合間に俺は永藤に語って聞かせた。彼女も気づいてはいただろうが、改めて孕ませ目的の本気交尾だと明言され目の色を変える。イモムシのように這いずって俺の下から抜け出そうとする。
「あんまり暴れるとスカートずり上がって、パンツ履いてないまんこ丸見えになるぞ」
くるっと女の上で身体を反転させる。相手の顔に股間を押し付けるような体勢になると、反対に俺の顔は女子高生の処女まんことご対面。永藤が処女の確信はなかった。しかし日野とばかりつるんで男の陰もないのだから未経験に違いない。
割れ目の両脇に手を添え左右に開いた。女の閉じた部分を剥き出しにする。綺麗なピンク色のまんこは使い込まれてない初物に見えたが、童貞の俺には判別できない。モザ無しビデオで見た女優のものより初々しいのは確かだ。それでいてナカは少し湿っていた。濡れ始めてるのだ。俺におっぱいを責められて。
御開帳に永藤は身を振って抵抗した。シックスナインの体勢でしげしげまんこ覗き込まれながら――顔に勃起をゴリゴリ押しつけられながら――俺を振り落とそうとする。
俺は永藤の腰を抱き抱えるようにしてガッチリ掴む。下のお口が逃げられないよう固定して傷跡のような秘部にキスした。
「はぁっ……あんぅ……んっ……はぁっ……はぁっ……」
肉の合わせ目から飛び出した濡れ光る粒に唇で触れた。童貞なりに勉強の成果を発揮して、そこがクリトリスと呼ばれる敏感な部位であることに気づいたのだ。ちゅっちゅっと啄んで軽く吸う。まさかファーストキスよりファーストクンニが先になるなんて。一ヶ月前には想像もしていなかった。
「んっ! ふぅっ! んっ……ぅんっ……んっ!」
クリを刺激すると口に詰め物していてもなお呻き声が止まらない。身体のくねらせ方も激しくなる。荒波を乗りこなすように俺は永藤の身体を押さえつけた。
「だんだん濡れてきたよ。無理やりされてもクリは気持ちいいんだ。いつもオナニーするとき弄ってるのかな?」
言葉で彼女の羞恥心を煽りながら、固く凝ったクリトリスを指先で挟み扱いた。
「ん゛っ、ん゛っ、ん゛っ」
永藤は豊満な肉体を大きく仰け反らせ、上に乗せた僕ごとブリッジする。快感に悶える身体は普段の何倍も力が出ているようだ。自分の顔に向かって突き出されたおまんこが切なげに揺れる光景に我慢できず、俺は割れ目のほうともキスした。クリトリスにしてやった啄むようなキスではなく、舌を突き出し淫裂に沿って刺激するディープキス。
シャワーを浴びてない女の濃厚なフレグランスを感じながら、そこが唾液まみれになるまで舐め回す。びちゃびちゃのぐちゃぐちゃのぐっちょぐっちょになるまで舐めるのを辞める気はなかった。
「うめぇ! これが永藤の味。におい。永藤の顔にちんぽ押しつけながらまんこ舐めてる。俺に舐められて感じてるのか。ここヒクヒクしてきてるぞ」
無我夢中で舌を差し出し、動画で見た男優の真似をして襞をしゃぶった。暴れ疲れたのか無駄だと観念したのか永藤の抵抗が弱まった。やっとクンニに集中できる環境が整った。この隙に押し切ろうと再びクリトリスに触れる。
今度は唇で軽く触れる程度じゃ許さない。ねちっこく舌で敏感すぎる豆を舐め転がした。
「ンんっ、んぅ! うっ!」
もし口を封じてなければ悲鳴にも似た声をあげていただろう。くぐもった声が絶え間なく誰も居ない空間に響いた。クリトリスに被っていた包皮をすっかり剥いてやり、無防備になった弱点を咥える。口の中で吸い付きながら唾液をよく絡めた舌でねろねろ舐める。バキュームされながらの舐め舐めに永藤の脚は忙しなく動き続ける。見えないペダルを漕ぐように藻掻いた。
ちんぽを押し当てていた顔も千切れんばかりに振られる。髪をバッサバッサ振り乱して快感に押し流されまいとする。
そうやって暴れ続けないと我慢できないくらい気持ちよくなってる。この責めで問題ないと俺に自信を与えた。
さらに大胆な体位で責めてやりたくなり、俺は永藤の腰を抱えて起こした。
10
私の恥ずかしい部分を舐め回していた彼が立ち上がります。顔に押しつけられていた男の人の硬いあれから解放され、ほっと一息ついたのも束の間でした。
彼は私の膝裏に手を当てると、膝が顔の横にくるよう私の身体を二つ折りにします。息苦しさよりも恥ずかしさと、自分が取らされてる姿勢の卑猥さに心奪われました。私は下着を履いてない下半身が剥き出しで、スカートは完全に捲れ上がって何も隠せていません。
海老のように丸めた身体で顔の正面に股間が来ました。さっきまで男の人に舐め回されていた部分がよく見えます。自分でも時間を掛けて観察したりしたことがない部分。日野とお風呂に入ったときも手を添え、わざわざ開いて見られるようなことはありませんでした。
誰にも見せない、触らせないできたのにレイプ犯の手で押し広げられ、舌で舐められてしまった秘部。彼にされたことを思うだけで顔から火が出そうです。
「よく見えるだろ永藤。これが永藤のおまんこだぞ。月明かりの下で濡れ光って綺麗だけど、この濡れ方は俺のツバだけじゃないよな。奥からヌルっとした汁が染み出してきてるぞ。もっとたくさん出てくるように気持ちよくしてやるからな」
彼は地面に押しつけた私の両膝を自分の脚でロックします。私の胸のあたりに彼が腰を下ろします。私の視界には彼のお尻しか映りません。それでも触感で彼の手が私のお尻を撫で回してる様子が伝わってきます。
先ほど仰向けでされたことを今度はこの窮屈な姿勢でされるようです。
彼の手が太ももを愛でるように撫で回します。そんなことをされても嫌悪感しかなく一刻も早くここから逃げ出したいのに、その手が身体の中心に進出してくると身体の反応は一変してしまいます。しっとりと濡れ始めた恥ずかしい部分を掻き混ぜるように弄られました。
(やだ……やめて、そんなところ触らないで……指で優しくこねちゃだめっ♡ あっ♡ 嫌なことされてるのに、敏感なところ触られると……あっ……いやぁ……んっ……あん……)
穴のほうを弄っていた手とは反対の手でクリトリスも転がされます。刃物と腕力で女を無理やり襲う犯人なのに触り方は不自然なほどソフトでした。壊れ物を扱うように鋭敏な突起を刺激されると、指先まで快感が広がりますます呼吸困難になります。
「だいたい分かってきた。永藤はこれくらいの力でクリ転がされるのが好きだろ。腰もピクピク動いてる」
彼に指摘されるまでもなく自分の腰が震えてる自覚はありました。
これまでも自分の身体が己の思いどおりにならず歯痒い思いすることはありました。大きく育ちすぎた胸のことだってそうです。こんなに成長してほしくなかった。こんなものがあるから男子にはジロジロ見られ、おかしな人に襲われたのです。
現在の状況が自分でどうしようもないと分かってるからでしょう。目の前で行われてることより、これを生み出した過去に私の怒りは向かっていきます。いくら怒っても目の前の現実を変えられない己の無力さから目を逸らすためでもありました。
「ここ弄られるの好きだろ? 特に反応がいい場所。ほら脚は閉じないで。もっと気持ちよくしてあげるから」
(はぅっ♡ はぁ、ん♡ いや、あっ、やっ♡ も、もう止めて!)
クリトリスを根本から先端まで、搾るように擦られて腰が電気打ち込まれたように痺れます。空中で藻掻いていた足に力が入り、指先が丸まって何かを握り込んでるかのように開きません。
「充血してクリトリスがパンパンに膨らんでる。興奮してるんだ」
自分でも感じていた身体の変化を言葉で指摘される恥ずかしさといったらありません。気が狂いそうなほど敏感になったクリトリスを、彼は執拗に撫で回しました。時には指の腹でタッピングしたり、爪でデコピンしたりと違う刺激も織り交ぜてきます。そのたびに私は息も絶え絶えに喘ぎます。
(や、やあ! はひ、んあああ゛っ)
口に詰め物されてなければ恥ずかしい声を我慢できなかったでしょう。
「永藤のここ、ドンドン濡れてくる。いやらしい汁でべちゃべちゃ。啜ってやるよ」
彼の口が再び私の股間に触れました。クリトリスは弄ったまま、口で穴のほうに吸い付かれます。
(そんなぁ♡ 同時にされたら頭おかしくなる……ひぅ、んんッ♡ あっ♡ そんなっ、はうぅ♡ そんなに奥まで舌♡ おくち、だめぇ♡ 汚い♡ ぎゅうぎゅう顔を押しつけて深いとこまで♡ だめぇ゛ぇッ♡)
押し寄せる快楽が私の体温を急上昇させます。風邪と違うのは、熱を感じる中心が頭ではなく下腹部にあること。お腹の奥に高熱を発する何かがありました。
(負けない。絶対に負けない。どれだけそこをトロトロにされても、掻き混ぜられても、情けない声が出てお腹が熱くなっても、気持ちはこの人を拒否し続ける!)
一方的で卑劣な行為を私は絶対に受け入れないし、悦んだりしないと固く決意しました。
11
初めは嫌がってた永藤も時間を掛けて執拗にクンニし続けると身体が正直になってくる。全身がおしっこでも我慢するようにぶるっと反応して、舌先で弄んだ膣口がキュゥっと締まる。AV男優の見様見真似でしかない不器用なクンニでも感じてくれてるようだ。
「永藤のここ、ドンドン濡れてくる。いやらしい汁でべちゃべちゃ。啜ってやるよ」
奥から染み出してきた汁を啜った。俺にだって女のアソコはセックスで感じてるときだけでなく、異物や乾燥から粘膜を守るため濡れることがあるくらい分かる。だけどこう言っておいたほうが気分出るだろ。
俺は派手な音を立てて永藤のおまんこ汁を啜った。
「んじゅるるるるるるるるる!」
内側に差し込んだ舌を尖らせ、肉襞をあやすように掻き混ぜると、おかわりとばかりに甘酸っぱい汁が滲んできた。持ち主の気持ちとは関係なく反応してしまう女体に俺は気をよくした。もともと永藤に持っていた好意に加え、素直に感じてくれる女のことは可愛く見えてくるものだ。ますます愛撫に力が入った。
閉じようとしてくる彼女の脚を内側から押し返す。足の力は手よりも強いと言うけど、だとしても女に負けるほどではない。濡れた赤貝のような肉を舌でほじくり奥まで舐め回した。
そのうち永藤の反応がなくなり、ぐったりし始める。無理がある体勢で長時間責め過ぎたようだ。まったく反応しない女を抱き続けても面白くない。俺は彼女の上から降りて折り畳んでいた身体も開放した。
自由になったというのに永藤は呆然としてスカートを直す余裕もない。よって愛液と唾液まみれのおまんこが丸出し。いやらしい穴だけが男を求めてひくひく動く様は淫らだった。
ちんぽは硬くそそり勃ってすぐにでも突っ込む準備ができていた。
いよいよか。永藤で童貞を捨てるときがきたんだ。俺は武者震いしながらパンツとズボンを一緒に脱ぐと、投げ出された脚の間に自分の身体を割り込ませた。
くちゅりっと濡れた音がして俺の亀頭と永藤のまんこが触れ合う。当然ゴムなんか付けない。最初から一ヶ月間溜めたドロッドロの精液で孕ませるためにやってるんだ。
「一番搾りは絶対まんこに注ぐって決めてたんだ。誤射を防ぐためにパイズリ我慢したんだぞ。一発でデキるように気合い入れてピストンしてやるからな」
腰に力を込めて突き出す。
――と、そこで思わぬことが起きた。
挿入はいらないのだ。俺のちんぽが、永藤のまんこに。
「あれ? なんでだ」
永藤の膣口は処女らしい狭さとキツさで固く閉ざされている。そこへ侵入しようとすると、本来は挿入をサポートするはずの愛液で亀頭が滑り弾かれてしまう。動画では苦もなく挿入していたのに。
「くそっ。こうか」
思えばエロ動画は男も女もセックス慣れしたプロが演じてるのだ。挿れるほうも挿れられるほうも初めての自分たちとは違う。
手こずってる間に永藤が意識を取り戻した。初め状況が飲み込めないでいた彼女も、俺が上手く挿入できないと気づいて最後の抵抗を試みるように腰を揺らす。ただでさえ苦戦するのに挿れるべき穴が一箇所に留まってないのはやり難いことこの上ない。
「動くな!」
イラついた俺は傍らに置いてあったナイフを拾う。彼女にも見える位置でナイフを月光にかざした。両手を束ねられ抵抗できない女の命など易々と奪ってしまえる凶器が、燐光のような月の光を反射して鈍く輝いた。
「大人しくしろ。ナイフで刺されるのと、ちんぽ挿されるのどっちがいい?」
どちらも嫌だという選択肢は与えない。
抵抗をやめた永藤に俺は安堵する。正直に言えば俺は彼女を刺す気などない。だってそうだろ。今日まで苦労して準備を重ね実行に移したのは永藤とセックスするためだ。暴れられたので殺しましたでは俺に何の得もない。
元中華料理屋だった店内に女の泣き声が響いた。口を封じてもしゃくり上げる嗚咽は漏れる。その声を進軍ラッパ代わりに俺は再突入した。
初めから間違ってたのだ。童貞と気づかれないようスマートに挿れるなど無理。ちんぽを手で押さえ先端を穴に押しつけた。彼女のへその下に手を当て逃げないよう固定し、力任せに捻じ込んだ。
「~~~~~~~~~~~~~~ッ!」
俺のちんぽは、男を知らない初物の肉オナホより一回り大きい。そいつが無理やり膣壁を押し広げながら突き進んできたのである。多少愛撫に時間を掛けてやったが滑りはよくともサイズ差だけはどうにもならない。
ミスマッチな異物に永藤は苦痛で顔を歪めた。勢い任せに処女膜を破った証しに血がちんぽを伝わって床に落ちた。
俺は無言で腰を進め根本まで挿入した。ここまで挿れてしまえばこっちのもの。今さらジタバタしようが、童貞のくせに大それたことをと内心で見下そうが、挿入してしまえば逃がさない。
俺は腰から這い上がってくる感じたことがない心地よさに突き動かされて腰を振った。
12
俺たちの力関係は誰が見ても俺が支配者の側だろう。両手を拘束し、啜り泣く女のまんこにちんぽをぶち込んで、滅茶苦茶に腰を振りたくってるんだから。しかし実際は俺のほうが快楽の下僕しもべになっていた。永藤の濡れたマン肉にちんぽを締めつけられ、ヌルヌルの海に溺れながら出入りする気持ちよさは、生まれてから一度も経験したことがない種類の快感だった。
一擦りごとに腰が重くなる。前立腺が縮み上がって金玉がキュッとした。彼女と繋がった部分から発生した官能が速効性の毒のように身体を駆け巡る。金玉をぶつけたときのように息を詰まらせ、顔を歪めて腰を振り続けた。
我ながらブサイクな腰振りだった。
たとえ挿入までスマートにこなせたとしても、ぎこちない腰の動きでいずれ童貞バレしていただろう。それでも俺の先端が膣奥に届くと永藤は悲鳴をあげて身をよじった。その動きが余計に濡れた粘膜を俺のちんぽに擦りつける。柔らかな肉襞の感触に包まれ俺は実感した。永藤とのセックスで童貞卒業する夢を叶えたのだと。
その代償に何が待っていようと関係ない。今この一瞬が人生の全てだと感じた。端的に言って俺は感動していた。
「永藤いっぱい突いてやるからな。濡れたおまんこ掻き混ぜてやる」
これまで見たエロ動画を思い出しながら男優の動きをトレースする。再現度は十分の一も満たせてるか怪しいが、とにもかくにもイキそうなのを我慢しながら動き続けた。
「はッ……はぁ、はぁ、あっ、ああっ」
前戯でおまんこ舐め回してやったときにも聞こえた永藤のエロい吐息がまた漏れた。ちんぽ挿れられても気持ちよくない、クンニのほうが好かったなんて言われたらどうしようかと心配したが、泣きながら拒絶しても身体は感じてるらしい。
彼女の泣き声にリズムを合わせて突いた。突いて突いて突きまくった。嗚咽交じりに泣き叫ぶ彼女の嫌悪を快感で上書きしようと動き続けた。
初心者なりにも動き続けてるとコツや改善点は見つかる。少しずつ理想に現実をアジャストさせた。
「これが永藤のおまんこ。想像していた以上にキツくて、ヌルヌルしてて、温かい。気持ちいい。生まれてきてよかったよ俺。初めて親に産んでもらって感謝してる。永藤は気持ちいい? 俺のちんぽで幸せ感じてる?」
永藤は何ごとか叫びながら激しく首を横に振った。口を封じてなければ彼女の頭で考えつく限りの罵詈雑言が飛び出したことだろう。
俺は身の丈に合った小さい動きだけで我慢できなくなった。腰を大きく引いてロングストロークに挑戦する。ちんぽの根本から先端までフルに使って引くときは膣内を引っ掻き、挿れるときは恥骨と恥骨をぶつけて突き上げた。
腰と腰をダンプさせたことで永藤の身体が大きく揺れる。衝撃で彼女の胸も大きく揺れた。弾力充分のモチモチおっぱいが弾む。サイズと柔らかさを誇示する派手な動きは、エロ動画で見た巨乳AV女優にも引けを取らない。
もっとエロい揺れ方させたくて俺は永藤の腰を掴み、固定した目標に目がけて力の限り自分の身体をぶつけた。
顔をぐにゃりと歪めて襲い来る快楽に抗う彼女の姿は、男の支配欲を刺激するものだった。気持ちいいと言わせてやりたくなる。
おまんこ初体験の歓喜に浸ってる場合ではない。この場では俺が永藤を支配するのだ。
「分かる? 永藤のまんこが俺のちんぽ咥え込んで食べてるぞ。膣内のヒダヒダが絡みついて、締めつけて、俺が腰を引くと足止めするように纏わり付いてくる。離れたくないんだ。俺と繋がってたいんだろ」
またも永藤は首が千切れんばかりに振って否定する。
「そんなに嫌がられたら逆に燃えてくる。これでどうだ」
俺は彼女の腰を持ち上げ、挿入に角度をつけて上から叩きつけるようにピストンした。膣奥まで一直線に届く体位で子宮ぶん殴る。
「処女の永藤は知らないかな。この体位が別名なんて呼ばれてるか。種付けプレスだよ。た・ね・つ・け。重力も利用して一滴残らず一番奥まで注いでやるからな。こぼさず飲み干して妊娠しろよ」
種付け。
妊娠。
このワードにまたも永藤はわっと泣き出す。腰を揺らしてちんぽ抜こうとするが、彼女の背中には地面がある、前に出てくれば俺を奥深くへ誘うだけ。どこにも逃げ道はない。諦めて膣内射精なかだしを受け入れるしかないのだ。
「孕めよ永藤。お前を孕ませるために俺は人生捨てて来たんだぞ」
13
彼が挿入したまま私に覆い被さってきました。お互いの吐息を感じるほど顔が近づきます。初めてはっきり彼の姿が見えました。そこでやっと気づいたんです。彼は同じクラスの男子でした。
身内に不幸があってから塞ぎ込んでいるらしく一カ月ほど学校を休んでいた彼が、なぜ私を襲ってるかは分かりませんでしたが、私の名前や今日の授業内容を知ってる理由は納得しました。
彼は耳元で「孕め」と囁きました。上から伸し掛かられて腰を打ちつける姿勢が別名、種付けプレスと呼ばれることも彼の言葉で初めて知りました。彼は種付けの部分を強調して繰り返しました。そこには明確にこの行為が単なる快楽目的以上の意味があること、初めから私を妊娠させるつもりだった強い意志が込められていました。
彼のおちんちんが入ってる下腹部と同じくらい、熱っぽい吐息でくすぐられた耳に不快感を感じました。ここまで男子と顔を近づけたことはありません。私は堪えがたい現実が過ぎ去るのを待つため、固く目を瞑って早く終わってと願いました。
「黙ってれば勝手にイッて終わってくれるとでも? そう都合よく物事はいかないんだよ」
彼は限界まで腰を引きます。おちんちんの先っぽギリギリまで引き抜かれました。だからといって私は淡い期待を抱きません。昔から鈍いとか間が抜けてるとか言われてきた私でも、今の状況で彼が自発的にやめてくれるとは思いませんでした。
彼は抜ける寸前までおちんちんを引いたあと、入り口で何度か腰を往復させます。その動きはスタートで勢いよく飛び出すため、反動をつけるものでした。エネルギーが充分に蓄えられた段階で彼が再び私のナカに入ってきます。
先ほどまでのピストン運動で多少は緩んだとはいえ、まだ狭い私の穴を勢い任せに貫きます。今しがたまで処女だった女への無遠慮な突き込みに私は身を強張らせました。
ずん! ずん! ずん! ズドン!
ずん! ずん! ずん! ズドン!
彼は地面のアスファルトを剥がす工事かのように腰を打ち下ろしました。
おちんちんの先のほうにある太い部分が入るときは私のナカを押し広げ、出て行くときは内側のヒダヒダを引っ掻いて巻き込みます。
「んんん! んんんんん!」
乱暴な腰使いに感じる痛みは、ただのクラスメイトでしかなかった男子とセックスしてしまってる証しで、もう自分の身体は綺麗なものじゃないのだと私に突きつけてきます。
「永藤のナカどんどん締まりが良くなってる。俺の形に合わせてぐにぐに動いてフィットしてきた」
彼は興奮を抑えきれない様子で呟きます。私のナカで強い快楽を感じているのは本当なのでしょう。堪えがたい苦痛をやり過ごそうとする人のように顔が歪みます。額や前髪から落ちた汗が私の身体を汚しました。
「ピストンするほど俺たちの身体、相性が良くなっていってる。感じるだろ。永藤のおまんこ、俺のちんぽに媚びて形変えてるのが。この形を覚えておけよ。忘れるな。初めて永藤にちんぽの味を教えた男は俺だぞ」
彼の背中が寒気を我慢する人のように震えました。
「永藤のナカが気持ちよすぎて我慢できない。今日のために一カ月オナ禁して溜めてきた特濃ザーメン注いでやる。一カ月も我慢したことないから自分でもどんだけ濃いのが出るか想像つかないよ」
そう言って彼は腰の動きを速めました。フルピッチで私の穴を抉りながら射精に向かいます。
「永藤にナカ出し! 最高に可愛くておっぱい大きい大好きなクラスメイトの女子に種付け。俺の人生これで終わっても悔いはない。レイプされて妊娠した永藤を道連れに人生終了してやる」
勝手なことを言いながら彼は私の膣内で射精しようと遮二無二ピストンします。いつも教室の目立たない場所にいる大人しい男子だと思っていた彼が、男の人の欲望を全開にして叩きつけてくる姿に私は恐怖しました。
「さっきまで処女だったくせに感じて興奮してるのか。ナカがびっちょびちょの濡れ濡れ、それでいて体温が高くてほっかほか。レイプされて感じるなんて悪い子だな。エッチ大好きそうな身体してるもんな、仕方ないか」
スケベなデカ乳ぶら下げてるんだから一回ヤッたらセックスにどハマりしそう。そんな風に噂されてる声が聞こえたのは入学間もないころ。自分の肉体が女として早熟な上に卑猥な形をしている自覚あった私は、男を誑かす身体してる女は男好きのレッテルを貼られることが苦手でした。
そういった色眼鏡で見てくる人間を避けてきたのに、今は直球でぶつけられています。悔しいのは彼に反論できないことです。口を塞がれて離せないということではありません。認めたくないことですが、彼に腰を打ちつけられてるうちに、苦痛や嫌悪以外の感情が隠せないほど大きくなってきました。
それを世間ではイクと呼ぶのだと思います。
(な、なんで、無理やりされてイクの我慢できないの……もうきちゃう……日野のこと想って一人でするときよりも強いの……キーンて耳鳴りして頭が真っ白になるやつ……)
「イキそうなんだな永藤。ナカの様子が変わったぞ。慌てて俺を押し出そうとしてくる。レイプでイッたら言いわけできないもんな。永藤のここが男なら誰でもいい――無理やりされても感じるスケベまんこだって」
見透かされてる。私の限界を手に取るように把握されてしまっている。イキそうな状態を隠すこともできず私は追い詰められます。
(あっ! や、やだぁっ! ああ、あああっ……だめっ、やだ、きちゃう……ああっ、あっ、ああっ、あっ、あああッ)
14
カリのくびれでナカの肉を巻き込みながらちんぽ引き抜く。奥に溜まっていた愛液が掻き出されて二人の陰毛を濡らした。しっとりした毛を絡ませ合いながら俺は永藤の膣奥に亀頭を押しつける。他とは違うコリコリした部分。永藤の子宮口に鈴口を擦りつけてぐりぐりした。
ぱっくり開いた子宮口に先端が咥え込まれる。頭で拒否しても身体は気持ちよくなってしまった雌の本能で子宮が降りているのだ。自分を気持ちよくしてくれた雄の精液で孕むために準備してしまう。人間としての意思を無視した無慈悲で動物的な反応が初めて俺に哀れの気持ちを催させた。
一瞬浮かんだ気の迷いが泡のように弾けて消えると残ったのは、永藤の身体が俺とのセックスで妊娠したがってる事実と、それがもたらす高揚感だけだった。
永藤は嫌だ、膣内に射精しないでと首を横に振りつつも、俺とのセックスで昂ぶっていた。イッてしまうのは秒読み。俺も我慢できない。するつもりも必要もない。
「射精するぞ。このまま永藤の子宮口に俺のちんぽ食べられたまま、俺のこと歓迎して降りてきた子宮パンパンに膨れるまで出してやる」
耳元で囁いても今度は抵抗しなかった。俺の声が聞こえてるかも怪しい。だから構わず腰を振って好きなタイミングでフィニッシュする。
今日のために溜め込んできた白濁汁を吐き出した。破裂寸前まで張り詰めたちんぽが脈動する。永藤の膣内で暴れ狂いながら精液を注ぎ込んだ。
二人とも汗まみれになって全身が濡れていた。今が十一月ということも忘れる暑さだった。運動が生み出す単純な熱だけではない。狙っていた目標を果たした――初めて己で立てた計画を完遂した興奮が、身体を内側から燃え上がらせている。
気が遠くなりそうな愉悦で頭が真っ白になった。初めてセックスでイッた童貞らしく、腰をガックガクに震わせる情けない姿を晒しながら、それでも彼女のナカに一番搾りを最後の一滴まで流し込み終わるまで繋がっていた。
彼女の口からガムテープを剥がす。ゆっくりより一思いに剥がしたほうがいいかと気づかったつもりだが、苦痛に呻く彼女は不愉快そうにこちらを睨んでくる。現実の女はエロ動画や漫画と違って、レイプ一発で快楽堕ちしないらしい。当然か。
「今から口の中のものを取ってやる。噛みつくなよ。噛んだら何倍も痛い目に遭わせるぞ」
頷いた永藤の口から唾液まみれのパンツを取り出した。口に入れるときは軽い布でしかなかったそれは、口内の水分をたっぷり吸って今は多少重みを増している。床に落とすと濡れ布巾のような音がした。
「許さない」さっそく自由になった口で永藤は言った。怒りと恐怖と苦痛と、それ以外の感情も乗った震え声だった。「こんなこと絶対に許さない。責任を取ってもらうから」
この期に及んで犯人を脅すようなこと言える根性は気に入ったが、刃物を持ったレイプ犯に言うべきセリフとしては頭が悪すぎる。相手が俺だったからよかったものの、警察に行かれることを恐れた犯人が逆上して口封じに走ることだってあるのだ。
「責任ね。産まれてくる子供には確かに父親が必要だな」
俺は永藤の台詞を殊更に嘲った。
「全部片付いてから結婚する? それとも塀の中で婚姻届だけ先に書こうか?」
「そうじゃないって分かってるでしょ。……どうしてなの」心底から理解できない調子で呟いた。「真面目で大人しいクラスメイトだと思ってたのに」
それくらいしか永藤の中で俺の印象はなかったというわけだ。もし彼女が言うところの真面目で大人しいクラスメイトたちが、自分のおっぱいで猥談に花を咲かせていたと知ったら、二度と教室には戻れないだろう。そこには第二の俺になり得る予備軍たちがいると感じるはずだ。
「俺にもいろいろあるんだよ。真面目で大人しくて普通の子にもいろいろね」
俺は永藤の身体を抱き上げて自分の膝に座らせた。
「この体位は名前分かる? 対面座位って言うんだ。恋人たちがするみたいなラブラブエッチで二発目は注ぐからな」
ぐりっと俺の先端が永藤の最奥を抉った。お互いの気持ちいい部分を擦り合わせ、ビクンと彼女の身体が跳ねた。
「待って。男の子は一度したらすぐにはできないって……」
聞いてた話と違うと永藤は眼鏡の奥で目を見開いた。
「へ~、そんなこと知ってるんだ」
エロ知識を指摘された永藤は俺から目を逸らしてしまう。
「普通は永藤の言うとおりだけど俺はインターバルなしで続けられるタイプなんだ。それに言ったろ。今日のために一カ月オナ禁して溜めてきたって。まだまだ終われない」
両手首はガムテープで纏められたままの永藤。しばらくは腕を上げ続けていたが疲労で徐々に下がってくる。かと言って俺がキツく抱きついて離さないから二人の間に捻じ込むこともできない。嫌々ながらも彼女は俺の首に両腕を回し抱きつくような体勢に落ち着いた。
「やっ、やぁっ……卑怯者っ! あっ、あっ、ああっ♡ いくらされても、こんなことで私は……」
上下に揺さぶられながら永藤は抵抗の言葉を吐き続けた。
「そうだろうね。俺だって都合よく心まで堕とせるとは考えてないよ。だけど身体には忘れられないくらい気持ちよくなってもらう。何年か経って再会してもすぐ永藤の処女を誰が奪ったか思い出せるように」
15
「まさか今日一回だけで終われると思ってないよな」
そう告げた瞬間、永藤は表情を凍りつかせた。判決を待つ被告人のように俺の言葉を聞き逃すまいとする。
「何年か経って俺は出てくるよ。お勤めってやつを終えて。そしたら俺は永藤のことを探す。そのころは高校を卒業して遠くに行ってるかもしれない。関係ない。絶対に追いかけて見つける。見つけた先で今日みたいに犯す。事件の記憶が薄れてやっと平穏に暮らし始めたころ、俺という存在を忘れさせないために種を仕込む。そうしたら俺はまた捕まる。今度は未成年じゃないし再犯だから刑期は長くなるかも。だけど出所したらその足で永藤を探す。どこに逃げ隠れしても、何年かかっても必ず見つける。見つけたら犯す。三人目の子供を作るんだ」
「あなた……まともじゃない……絶対おかしいよ……どうして私なの、たまたま同じクラスになっただけなのに」
「本当にそうだね。その点に関しては同情する。俺自身にもそれ以上の説明はできないんだ。たまたま同じクラスになって好きになっちゃっただけ」
俺は永藤の尻に手を回す。深く指を食い込ませて肉付きのいい身体を突き上げた。
「あっ♡ あっ♡ 待って、硬いのが奥に刺さる♡ 出したくない声が出ちゃう♡ レイプされて嫌なのに……やだっ♡ やだっ♡ 深いところまで入ってくる♡ こんなので感じるの嫌だよぉ♡」
「愛がなくてもセックスは気持ちいいな。俺も童貞だったから上手くできるか不安だったけど、その声が聞けたら自信になるよ」
鷲づかみしていた尻を叩く。スパンキングの衝撃で肉厚なデカケツが波打って揺れた。急に始まったお尻ぺんぺんで驚いた永藤のまんこが、叩かれるたびにキュッキュッと締まった。
密着度が増す心地よさ、自分が女の身体を好き勝手にコントロールしているんだという支配欲。両方一度に満たされるのが楽しくて俺は永藤の尻を叩き続けた。
「やめっ♡ あっ♡ あっ♡ はぁんっ♡ お尻っ♡ お尻叩いちゃダメ♡ あっあっあっ! や、やだっだめっ♡ やめてっ♡ やめてよおっ♡」
心だけは絶対に譲り渡さない。そう固く決意すればするほど身体と心の乖離が進む。自分が望んでいることではない。暴力で従わされているだけの屈辱的な扱い。だから快楽に流されてはいけない。理性で抗わなくてはならない。それなのに身体は未だかつてない愛し方をされて反応してしまう。
自分でも触れたことがない肉体の奥深くに潜んでいた快楽スイッチ。そこを女の指よりも長く、太く、ゴツゴツしたもので突き上げられる。粘つく本気汁を股ぐらから垂らし、目蓋の裏で火花が飛び散るほど感じているのに、その気持ちよさは絶対に受け入れてはならない猛毒。
全ての体験が深く永藤の心に刻まれる。決して生涯忘れられぬ記憶として。
俺は永藤を床に下ろし彼女の身体を引っ繰り返す。膝を立てさせ突き出した尻に勃起を宛がった。ずにゅぅっと柔らかい肉を押し開いて亀頭が挿入はいる。
「あ゛っ♡♡♡ あ゛っ♡♡♡ あ゛っ♡♡♡ あ゛っ♡♡♡ な、なんれぇ♡♡ な゛が♡♡ な゛がっ♡♡♡ なにごれ♡♡♡」
永藤の穴は既に俺のサイズに合わせて拡がっていた。手こずった最初の挿入が嘘のようにフリーパスで通される。
俺のちんぽで気持ちよくなるために大量分泌されたマン汁が腰の動きを助けた。まだ拙いながらも学習の成果を発揮して突く。
「ん゛ん゛っ♡♡♡♡ あっ♡♡♡ あぁっ♡♡♡ な、なんでっ♡♡♡ こんなの違うのに♡♡♡ 私はやりたくないのに♡♡♡ こすらっ♡♡♡ んはぁっ♡♡♡♡」
「バックから挿れると当たる部分が変わって新鮮だな。さっきと違う気持ちよさあるだろ。俺もまたイケそうだ」
依然として永藤は俺とのセックスでイクことを拒否する。それは言葉の内容の部分で示された。その一方で声は甘く蕩けて雄に媚びる調子が混ざってしまう。嫌がる女の身体と心を引き裂き身体だけ都合よく使った。
「あっ、やだっ、だめっ、いや、もうむりぃっ! おねがいします、止めてっ、お願いっ、あっ、あぁ――っ!」
「お願いされてやめられる状況じゃないでしょ」
「んっあっ♡ ああ、イク、イクぅ、またイクぅ! またレイプされてイッちゃう! ああああああっ! やだ、やだよぉ、助けて日野……んんッ! だめ、だめ、だめだめだめぇっ!」
ダメと言われて射精我慢できるほど俺のちんぽは聞き分けよくない。本能の赴くままに射精したいタイミングで二発目の精を解き放った。
「ああ、やだ、やめて……ん、出てる……またナカで出してる……」
その後も俺は夜が明けるまで永藤を犯し続けた。出しも出したり一晩で八発。言うまでもなく全部まんこに注いでやった。
「夜も明けたし終わりにしようか」
意識を失った状態で仰臥する永藤に声を掛けた。返事はない。大きく開いた脚の付け根では、俺のサイズに開いて閉まらないまんこからナカ出し精液が溢れている。だいぶ前に破瓜の血が混ざったピンク色の液体は掻き出し終えた。今は攪拌されて泡立った女の本気汁と俺の孕ませ液だけが残る。
「俺はサックリ自首してくるわ」
あの両親、俺が逮捕されたって知ったらどんな顔するかな。反応を想像して愉快になりながら身支度を調えた。
「今日のこと忘れるなよ。俺は今後も生きてる限り永藤の人生に関わり続ける。だから永藤も俺のこと考え続けろ」
犯され疲れて動けない彼女を残し俺は朝の街に飛び出した。卑劣な犯罪者にも朝日は平等に降り注ぐ。網膜に刺さる陽光の眩しさに目を細めながら俺は歩き出す。
俺たちの子供の名前を考えながら。