スーツの撮影 (Pixiv Fanbox)
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俺、『前葉カケル』(まえば かける)は、普段学校に通いながら、個人的にモデルや動画などでも活動をしている。
いわゆるインフルエンサーだ。
そこそこ人気もあるんだぜ。
今日は俺のイベントで販売するブロマイド撮影の日。
衣装のスーツを着て、「大人の休憩時間」がテーマだ。
真っ白なアパートの一室で、男女数人のスタッフに囲まれている。
プロのカメラマンチームに依頼をしたから、気分がいいな。
何枚か撮影したあと、小道具として、カフェの飲み物を渡された。
スタッフA「すいません、中身入ってるんで、気をつけてください。」
前葉「わかりました。」
颯爽と返事をして、飲み物を受け取った3秒後。
バシャ
前葉「やべ...!しくった〜....」
しかも、かなり恥ずかしい箇所にこぼしてしまった。
すぐに衣装さんが飛んできて、スーツにこぼれた飲み物を拭きとろうとする。
前葉「すいません...」
スタッフB「いえこちらこそ!コーヒーなんですぐ落ちますよ」
そう言いながら、背広の拭き取りを終え、股間周辺の拭き取りにうつる。
スタッフBの顔が股間に近ずく。
布を軽く叩くようにしたり、さっと軽く拭いてみたり。
その振動が、俺の股間にも伝わってさらに恥ずかしくなる。
必死に脳内で羊を数えて意識を逸らす。
スタッフB「範囲が広くて、なかなかとれない...」
く...!これ以上されたら........!
スタッフA「あー、じゃあもう脱ぎましょうか。もう全身撮影した素材ありますし、この場所も借りてる時間がギリギリなんで。」
脱ぐ....?
スタッフB「了解です!」
スタッフBは、俺のスーツのズボンに手をかけ、素早く下着ごと脱がしてしまう。
前葉「ちょ、待って!え?!」
露出した下半身。
どうしたら良いのかわからず、硬直してしまう。
現場は少しざわめいたが、冷静な人がほとんどの様子だ。
前葉「え、あの」
パシャパシャ!
何度かシャッター音が鳴る。
スタッフA「大丈夫。あとはバストアップだけだから。ほら笑ってー」
前葉「〜〜ッ!」
....時間やばいって言ってたし、なんとか乗り越えるぞ!!
プロの現場にまだ慣れていない俺は、この状況に疑問を抱きつつも、平然と仕事をこなす製作陣の雰囲気にのまれ、気合いで乗り切った。
スタッフ「はい、以上です!お疲れ様でしたー」
写真を確認して、撮影は無事(?)終了。
控え室に戻り、私服に着替えると、ポケットに1枚のメモ用紙が入っていた。
メモは手書きで
『キンタマがおっきくて素敵だね。また仕事したいです』
その下に、連絡先とギャラが書かれていた。
欲しかったブランドのアクセサリーを思い出し、ゴクリとのどが鳴る。
絶対に怪しいのに、心が揺らぐ。
俺はメモを小さくたたみ直し、そっとポケットに戻した......
〜完〜
パイパン