Blenderで刀を作る備忘録②鍔・柄 (Pixiv Fanbox)
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こんにちは、ほしです。
fanbox post: creator/3748123/post/2664048
上記の続きで、刀の鍔と柄の製作手順まとめです。
特に柄の部分は最初構造がよくわからなくて苦戦しました…。
1.鍔
Shift+Aで平面を作成します。
E(押し出し)で上下左右に辺を伸ばします。
SubdivisionSurfaceモディファイア(Ctrl + 数字キー)を追加してから
Aで全体を選択し、
Iで内側に一回り小さい面を作ります。
全体を選択し、G(移動)→X(X軸方向)で少し横に動かして、
外周の辺を選択してEで押し出します。
内側の面も同様に少し内側へ押し出します。
押し出して出来た内側の側面に、
Ctrl+Rでループカットを入れ、Ctrl+Bで2分割します。
外周にもCtrl+Rでループカットを入れます。
縦横にCtrl+Rでループカット。
Iで内側に面を作成。
X(削除メニュー)で面を削除。
Eで押し出して形を整え、Ctrl+Rでループカットを入れます。
※SubdivisionSurface(細分化)モディファイアは、辺と辺の間が近いほどシャープな形になります
穴をあけた部分を反対側にも対称で作りたいので、1つ便利なアドオンを使ってみます。
画面上のEdit→Preferencesと進み、
Add-onsタブの検索欄にauto mirrorと入力して、出てきた項目にチェックを入れます。
すると3D画面の右上にEdit→Auto Mirrorという項目が追加されます。
対称にしたい軸を選択しAutoMirrorのボタンをクリックすると、メッシュを自動的に半分削除した上でMirrorモディファイアを追加してくれるので、綺麗な対称形状になります。
きわが一部おかしくなっていますが、これはMirrorをSubdivisionの上に持ってくると解消されます。(下図の赤印の位置をドラッグすると、モディファイアの順序を入れ替えられます)
全体の厚みなどを調整しました。
2.柄
まずはShift+Aで平面を追加します。
TabでObjectモードにした状態で、中央からY軸マイナス方向に少しずらしておきます。
メッシュの中央にある黄色い点はピボットポイントと言って、これが拡大縮小・回転を行うときの中心になっています。
慣れるしかないのですが、ざっくり言うと
・Objectモードはこの中心点ごと全体を移動できる
・Editモードは中心点を動かさず、メッシュの形を変更できる
という違いがあります。
TabでEditモードにして、Eで上の辺を押し出し、Sで縮小します。
Aで全体を選択したら、Shift+Dでメッシュを複製します。
R→Z→180で、180度回転させます。
画面上部の磁石マークをオンにして、隣のプルダウンメニューからVertex(頂点)を選びます。
すると、Gで移動させたとき、マウスカーソルを合わせた頂点にぴたりと吸着してくれます。
メッシュメニュー→Merge→By Distance(距離でマージ)を選びます。
位置が重複している頂点が結合されます。
このようにして、下図のメッシュを作りました。
次にArray(配列)モディファイアを追加します。
これはメッシュを複製して並べてくれる機能です。
下図のように設定しました。
先ほど作ったメッシュが30個分複製されます。
Mergeにチェックを入れておくと、複製後一定距離内にある頂点を自動的につなげてくれます。
次にSolififyモディファイアを追加します。
これは平面メッシュに厚みをつけてくれる機能です。
そしてBevelモディファイア。
面取りをしてくれる機能です。
更にSubdivisionSurfaceモディファイア(Ctrl+数字)を追加して滑らかにします。
疑似的にですが柄巻ができたので、次はこれを巻いていきます。
まず柄の内側を作ります。
Shift+Aで円を作成し、左下に出るメニューからVertices(頂点数)を6に。
Eで辺を押し出して円柱を作り、S→Yで横に引き伸ばして、
Ctrl+数字キーでSubdivisionSurfaceモディファイアを追加して滑らかにします。
端の辺を選択し、
Shift+Dで複製。
Pで出てくるメニューからSelectionを選択し、複製した円を別オブジェクトに分離します。
TabでObjectモードにし、右クリック→Convert To→Curveを選択。
下図ではわかりにくいですが、円がメッシュからカーブオブジェクトに変わります。
クリスタでいうところの、ラスターレイヤーをベクターレイヤーに変更したのと同じ感じです。
Objectモードで右クリックし、Set Origin→Origin to Geometryを選択し、
中心(オレンジ色の点)を円の中央に変更しておきます。
再び柄巻を選択したら、Curveモディファイアを追加します。
これは、カーブオブジェクトの形に添ってメッシュを変形してくれる機能です。
CurveObjectの欄で、先ほど作った円を選択します。
こんな感じになります。
綺麗に並ぶように、メッシュの形やArrayモディファイアの数値を微調整します。
上手く間隔の調整ができたら、今度は反対側からも巻いていきます。
柄巻のメッシュをAで全体選択し、Shift+Dで複製。
Ctrl+M(ミラー)→X(X軸方向に)で左右反転したメッシュを作ります。
中央の辺はこのように高低差をつけておくといい感じになります。
P→Selectionで片方を分離。
分離したほうのArrayモディファイアの数値を変更します。
Relative OffsetのYの項目をー1にします。
するとこのように、反対方向に複製され、
Cruveモディファイアも設定済みなので自動的に逆側から巻かれた状態になります。
もしずれていたら、Arrayモディファイアの値を調整します。
細かい部分を足して基本的な形ができました。
3.形を整える
柄が直線になっていて違和感しかないので、全体の形を整えます。
ラティスというものを使います。
Shift+AでLatticeを選びます。
このように透明な四角い箱が作られます。
TabでEditモードにし、G、Sなどで柄の形に合うように形を変えます。
LatticeタブのResolutionから、この箱を何分割するか設定できます。
今回はこのように、中央部分のサイズを変えられるように分割しました。
次にちょっと面倒ですが、
柄の各オブジェクトにLatticeモディファイアを追加していきます。
それぞれ、Objectの項目に先ほど作ったラティスを設定します。
再度ラティスを選択し、Editモードで頂点を移動させると、
このようにラティスの形に添って変形するようになります。
あとは参考資料の形に合わせてラティスの頂点を移動させることで、
細かい形は崩さずに全体の形を調整できます。
こんな感じになりました。
ちなみに、
柄巻は交差する部位の上下がひとまきごと逆になるのが正しいようです。
これはモディファイアを全て適用したあと、手作業で一つずつ上下を入れ替えていきました。
もっと良いやり方知ってる方いらっしゃったら教えていただきたいです…!
4.終わりに
最後は各マテリアルを作って完成なのですが、あまりにも長くなってしまったので今回は割愛させてください。
ここが知りたかったという方がいらっしゃったらまた別途記事にできたらと思います。
ともかく、一度作ってみることで、なんとなくでしか捉えていなかった刀の構造を色々観察できてよかったです。
下図のようにクリスタに持ってくれば一発で線画を出してくれるので、作画補助としても今後使えそうな気がします。
というわけで、本当に長くなってしまいましたが…
ここまで読んでくださった方、お疲れ様でした。
そしてありがとうございました!