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Solfeggio_Frequency

 性懲りもなく幾度でも出てくるインチキ疑似科学の諸々ですが、先日「ソルフェジオ周波数」なるものを発見してしまいました。


 特定周波数を聞くことにより様々な神秘的効果が得られるそうです。

174Hz 意識の拡大と進化の基礎

285Hz 多次元領域からの意識の拡大と促進

396Hz 罪の意識や恐怖の解放

417Hz 変化に挑戦する心、知性

528Hz 無限の可能性、DNAの修復、奇跡

639Hz 人間関係の向上

741Hz 問題を解決する力、表現力

852Hz 直感力の覚醒

936Hz 高次元、宇宙意識とつながる


 …読んでるだけで(#^ω^)ピキピキってなりますね。

 「グレゴリオ聖歌で使われた失われた古代の音階」とか言われてますが、節子、それ純正律や。十二平均律が使い勝手いいから廃れたやつや。

 「528Hzは奇跡の周波数であり、名曲や名歌手はこの周波数を持つと言われています」とか説明があったりしますが、節子、それほぼドレミファソラシドのドや。むしろドが入ってない曲があったら教えてくれ。


 発案者見かけたら妖怪首置いてけになって追いかけ回しそうになりますが、そんな嘘っぱちはさておき、ソルフェジオ周波数だけ使ってヒーリングミュージックを作る縛りプレイは面白そうじゃないですか…というわけで、作ってみました。

 まず、MUXモジュラーでソルフェジオ周波数しか出ないシンセを組み立てます。「特定周波数に効果がある」のであれば、倍音(整数倍周波数)を含む波形は使ってはいけません。よって倍音を含まないサイン波のみが使っても良い音です。

 変調したり倍音を付加したりするエフェクタを使ってはいけません。実質ディレイ(エコー)と反響音を加えない最近のモダンなリバーブ(残響効果)のみ縛りです。


 次。ソルフェジオ周波数だけじゃ癒やしが足りないので、他の癒やしも加えましょう。パっと思いつくのは90年代に流行した「1/fゆらぎ」です。1/fゆらぎの音の代表は雨音、ピンクノイズなどですので、雨音をアトモスフィアとして加えます。


 また1/fゆらぎはスピリチュアル界隈では「規則性のゆらぎ」ともされるので、規則的なようで規則的でない音を加えましょう。

 先のエントリで書いたAAS Multiphonics CV-1モジュラーシンセで、規則性を失わない程度に不規則な音を出します。今回は「4/4拍子が確率で歯抜けになる音」を作りました。


 最近癒しな音といえばバイノーラルASMRでしょう。

 バイノーラル技術を実験していたのが丁度役に立ちました。CV-1の音をバイノーラル処理で空間上に配置します。

 ASMRの音はパリパリ、ガサガサ、コツコツみたいな連続的で硬質な音が多いのでそこにグラニュラーエフェクトをかけ、コツンカリカリカリカリ…な音にします。


 ところでASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)も多分に疑似科学です。

 なんか大仰なこと言ってますが、要するに「梅干しを見ると唾液が出る」と同じ原理で、「こちょばい記憶を想起させる音を聞くとこちょばくなった時と同じ反応が出る」というパブロフの犬な条件反射反応と思われます。

 その反応自体は存在するが、ASMRと名付けてさも新しく凄いもののように言う話ではないでしょう。


 最後、トドメとばかりにこれらの音を安静時の心拍数と同じ毎分60拍で配置します。このリズムなら落ち着くこと請け合い。


 ソルフェジオ周波数全部盛りに1/fゆらぎ、バイノーラルASMRを安静時の心拍数で配置して鳴らし、これでバッファローマン!おまえを上回る1200万ヒーリングだぁー!(゚д゚)


 …と、ウォーズマンの顔をして提出いたします。

 ふざけて作ったんですが、実際に聞いてみると凄い納得感のある「睡眠用音楽」ができあがりました。ヘッドホンで聴くとバイノーラルの定位感もかなり出ています。


 いわゆるアンビエントミュージックとして完成度高くね…?(゚д゚;)


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