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 というわけで、自分自身のメモとしても書き留めておきます。

 極限までぶっちゃけると「低解像度でピクセル(ドット)が見える絵」なんですが、それでは「単に縮小した画像」でもいいわけで、そうではないですね。ドット絵には「ドット絵らしさ」というものがあります。

 それは何か?という話なのですが、描き手の「ドット絵観」が大きく作用します。

 大まかにはおそらく①昔のレトロハードへの懐古、②ビーズ絵のような表現の一形態、③視認性の良いデザインの3つくらいになるでしょうか。

 私だと①が6割②が4割、くらいでしょう。それに則って話を進めます。

 ファミコン、MSX、コモドール64、スーパーファミコン、メガドライブ、ゲームボーイ等色々ありますが、それぞれ固有の制限がありました。ファミコンでしたら解像度256*240全53色中1スプライトに3色までですとか、MSXなら256*192全16色中1スプライトに1色ですとか、ゲームボーイだと解像度160*144ハードの都合上やや緑がかったモノクロ4階調ですとか。

 それらの制限に合わせることで「ドット絵らしさ」が私は感じられます。それが私の「ドット絵観」ですね。ただし私には②が4割ほどありますので、4割ほどはレトロハードの制限を無視します。

 私は「昔のハードの絵がハードの限界を超えて大量にヌルヌル動く」のが見たいんじゃぁー!「昔のハードの低解像度のまま美しくしたい」んじゃぁー(゚д゚)ギィヤアァァァァ

 ………では技術の話になります( ˙꒫˙ )スン

 ポチポチとドットを打って1コマ1コマ手描きしヌルヌルになるまでコマ数増やしてもいいのですが、それやってると凄いけど死にますので、私はMOHOというアニメーション制作ソフトで動きを作ります。

 このソフトはTV放送などで使われるアニメを制作するソフトなので、当然ドット絵専用機能などはありません。なので「大きな絵を描いて動かし、ドット絵に縮小する」という手続きになります。

 まず原画をClip Studio Paintで描きます。どのソフトで描くかは別に何だっていいのですが、MOHOで動かしドット絵になる絵を描くという要件上「アンチエイリアス(画像補完)が切れる、バケツでの単色塗りつぶしが便利、レイヤが使える」が必要で、その要件を満たし私の手元にあるのがクリスタだというだけの話です。

 塗りつぶし領域がちゃんと閉じていなくでも塗りつぶしがはみ出さない「隙間を閉じる」と、僅かな塗り残しを検出して自動的に塗りつぶしてくれる「閉領域フィル」は非常に便利です。


 MOHOで作るアニメーションはいわゆる「多関節アニメ」なので、パーツごと切り分けながら描いていきます。ドット絵という超低解像度になって細部が潰れてしまうのを見越して描いていかなければならないので、簡単そうに見えて実は意外と経験の積み上げが必要です。

 何度も描いて実際に作ってみて、どのくらい潰れるか、潰れた時どう見えるかを把握する必要があります。

 色ですが今回は私が大好きなファンタジーコンソールPico-8(https://www.lexaloffle.com/pico-8.php)の16色パレットを使用しています。

 Pico-8は「レトロゲームっぽいものしか作れない制限をかけたモダンな開発環境」なのですが、私はPico-8の「MSXかコモドール64っぽいがさらに厳選された16色」が大好きです。私が大好きなダルトーン(濁りのある穏やかな色味)を基調に、どの色をどう合わせても見栄えのする素晴らしいパレットだと思います。

 昔のハードっぽさを出すために、1パーツ3色以内(兜に3色、マントに3色、肌に3色…)を基本に描いていきます。少ないパレットで描いている感&統一感を出すために、各パーツの陰影は同じ色を使うのが好みです。ここでは兜の陰、マントの陰、メカ部分の陰、ズボンの陰が同じ色ですね。


 描き上がったらMOHOでモーションを付けていきます。このレグの場合はあまり小難しい事はしていません。MOHOのボーンリギングとメッシュ変形を使ってモーションを付けていきます。

 モーション付けはもうひたすら知識と経験の積み上げしかありません。アニメーション関連の本を読んだり実際に動かしてみて知見を積み上げます_(:3」 ∠)_


 最終的に128*128ピクセルに仕上げるため、MOHOではその4倍角の512*512で制作しています。

 「MOHOで128*128で作って書き出しちゃダメなの?」と思った方は合理的です。しかし問題がありまして、MOHOは高解像度のアニメ制作向けのソフトなので低解像度に弱いのです。具体的に言うとアンチエイリアスのないニアレストネイバー縮小の計算が非常に雑で、低解像度にするとそれが非常に目立ちます。


 このようにやたらチカチカしたり、本来直線の部分がぐちゃぐちゃになってアミ点のようになったり、パーツのフチがジャギジャギになります。超FUCKです_(:3」 ∠)_

 というわけで、この縮小時の計算は別のソフトに任せることになります。

 MOHOで動画を連番pngで書き出した後、私はXnConvert(https://www.xnview.com/en/xnconvert/)で低解像度に一括縮小します。

 以下がMOHOで512*512で書き出したものをXnConvertで128*128に縮小したものです。画質の違いお分かりいただけるでしょうか。



 そして縮小した連番pngを今度はAseprite(https://www.aseprite.org/)へ持ち込みます。

 このソフトはいわゆるドット絵エディタで、ドット単位での操作、減色、ドット絵に使うエフェクト等が揃っている非常に優秀なソフトです。

 このソフトでフチを付けたりキャラと背景を重ねたり等してドット絵として仕上げれば完成です。


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