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 神からの加護を受け、勇者となった少年レオンは、魔王討伐の旅を行う最中立ち寄った村でとある問題の解決を依頼されていた。


 その問題とは、ここ最近若い男性たちが相次いで行方不明になっていることだ。

彼らは何らかの用事で村周囲に存在する森へ入ったが、それっきり顔を見た者がいないという。

また、既に近隣の大国や冒険者ギルドへ要請を出し、数日前には多少名のある冒険者たちが調査へ向かったようだが、結局戻ってきたのは一人もいないらしい。


 そうして希望を絶たれ、半ば懇願するようだった村の人々からの依頼を、レオンは快く引き受けていた。







「はぁっ!」


 不意に襲い掛かってきた魔物を、剣の一太刀で真っ二つにする。

森に入ってから数時間経過したが、これまで相手になるような強敵は居なかった。


 勇者レオンは、まだ年若い少年だ。

体格は発展途上で、大抵の大人よりは小さく、さらに顔つきもどこかあどけない。


 だがそんな見た目とは裏腹に、長い旅で得た経験は彼にベテランの冒険者めいた貫録を醸し出させていた。

まず戦闘を終え周囲を窺う目つきがそうだ。

勝利に酔いしれることは一切なく、隙が感じられない。

加えて全身からは程よく力が抜けており、固まってしまっているということもなかった。

であれば例え新手が来たとしても、後れを取ることはないだろう。


「ふぅ」


 やがて敵が居なくなったことを確認すると、レオンを緊張を解き、武器を鞘に納める。


 そうして再び歩き出し、数分が経った頃だった。


「ん?これって……」


 近くから強い魔力の気配を感じ取り探せば、何の変哲もない自然にできたのだろう洞窟を発見する。

ただ、内部には眩しすぎない程度に照らす灯りの魔法が随所に見られた。

明らかに何かが棲んでいる証拠だ。

それも、魔法を使えるほどある程度の知性を持った存在が。

ともすれば村人たちが行方不明になっている原因かもしれない。


「よしっ!」


 そう思った彼は気を引き締め、気配を消し警戒しながら中へと踏み入った。


「っ……」


 するとまず感じるのは、武骨な岩肌で囲まれた場所にはまるで似つかわしくない、人間の女性が出す甘い匂いだ。

香水ではなく体臭のようにどこか嗅ぎ慣れた自然なもので、ただそれにしては煮詰めたみたく濃い。

しかもそれで本来なら増すはずのエグ味は殆ど無く、むしろとにかく上品で良いと純粋に思える。


 だが、同時に不自然さもあった。

何せ一切の不快な感情を覚えないどころか、もっと味わいたいとすら感じられるのだ。

これほどまで強すぎる香りは、時に吐き気や頭痛をもたらすはずだというのに。


 それはつまり、漂うのが単なる匂いでないことを表していた。

例えば何らかの作用をもって獲物を誘い出すための罠、あるいは獲物を弱らせるための毒など。


 そして、どうやら充満する臭気は後者らしい。

洞窟へ入って少ししたぐらいから、意識の陶酔は無いものの、全身が少しずつ火照ってきている。

さらに下半身へはやたら血が巡っているらしく、ペニスが仄かに硬度を高めていく。

明らかに性欲を高めて動きを鈍らせる、卑猥で卑怯な魔物たちが使う毒だ。


 勇者の加護によって、そうした肉体を内側から蝕むものへの耐性はあった。

しかし完全に影響が無くなるわけではなく、軽減には限度もある。

以前ある魔物の強力な毒に侵された時、数日上手く動けなかったことをよく覚えていた。


「……」


 加護があったとしても確実に効いてくる香りから、恐らくここに棲むのが「目的」であると推測する。

手練れの冒険者数人までも行方不明となっているのだ。

それほどの存在など、そうそう居ないだろう。


 であれば一度退き、態勢を整えて再び挑むべきか逡巡する。


「うん……!」


 ただ、その間に新たな犠牲者が出ては元も子もない。

レオンは決意を固め、止めていた歩みを再開した。


「うっ……」


 そうしてさらにいくらか進んだ後、周囲にはこれまで感じていた女性の体臭とは異なるものの匂いが漂い始める。

それは、レオンも日頃から度々嗅いでいる精液だ。

しかもこれまで漂っていた臭気同様にやたら濃く強い。

ともすれば、他が気にならなくなってしまうほどに。


 こちらは煮詰めたようでありながらエグ味をそのまま残しており、同性かつ他人のであるのも相まってとにかく鼻についた。

そういえば、行方不明となっているのは全員男性だったことを思い出す。

つまりよほどの量が、この辺りに撒き散らされたのだろう。


 ただそれにしては、やたら濃密すぎるようにも感じられた。

彼自身が一気に数十、数百と射精しても、ここまでにはならなそうだ。

であればこの洞窟に潜むものは、人の肉体をある程度変化させられるのかもしれないと推測できた。


 途端に高まった厄介さで尻込みしてしまうが、逃げた先にあるのはさらなる犠牲である。

勇者である自分が、ここで止めなければならない。


 そうしてレオンは、さらに奥へと進んでいった。







 やがて辿り着いたのは、いくらか開けた空間だった。

さらにその中央には、何らかの方法によって円形にくりぬかれ窪んだ異質な場所が存在している。

そこは他の岩肌とは比べ物にならないほど天井、壁面は滑らかで平たい。

恐らく居住スペースだろう。

その主らしき気配がしたため、近くの岩陰に隠れて探る。


「えっ。なに……あれ……」


 するとそこに居る、こちらへ背を向けて直立する女性。

ただそれにしては、人間ではありえない特徴がいくつかあった。


 肩甲骨辺りまで伸びた流麗な深紅の髪、その頂点からは、外側へ向かってとぐろを巻きながら禍々しい角が伸び、腰からは黒く艶やかな尻尾が生えている。

加えて服装もおかしく、着用しているのはヒモ同然の黒い下着らしきものだけだ。

臀部に至っては全く隠されることなく、尻の間と身体の前側へT字に「線」が伸びている。

しかも線であるのだから、下側は当然尻たぶへ埋もれて見えない。

もちろんここは住処であるため着替え中などの可能性はあるが、だとしても不可解なアンダーウェアだった。

あれではデリケートな部分が服と擦れてしまうだろう。


 人としては常識的でない姿、ここに来るまでの特徴から、恐らくサキュバスだと判断できる。

あまり目撃例の多い種族ではなく、出会うのも初めてだ。


 だがレオンが驚いたのは、その現実離れした肢体にだった。


 まず肌はある種病的だと言えるほど白く美しい。

勇者である彼でさえ、触れれば穢してしまいそうな清廉さを放っている。

さらに表面は毛穴やシミ、出来物の一つさえ無く滑らかで、瑞々しく艶めいてもおり、作られた芸術品なのではないかと思ってしまう。


 ただそこだけ見れば儚げでもある身体つきは、実際にはとにかく卑猥の一言だった。

なぜなら背後から観察しているというのに、彼女が伸びをした瞬間、脇腹から乳房の裏側がいくらか見えたからだ。

よほど胴体に対して大きすぎるのだろう。


 またブラジャーが、本来であれば胸自体を支えるカップさえ無く、その殆どがヒモのみで構成されているせいで、守るべき箇所へかえって食い込んでいる。

そのせいで、脂肪の塊は3の字型のたわみを形作っていた。

引き締める力を優しく受け入れる柔らかさと、それでも形を失わない適度な弾力、ハリが伝わってくる。


 そして、淫靡なのは決して乳房だけではない。

むしろやたら幅広い胸元は、くびれた細い腹部、そこから再び広くなる腰と、それぞれ互いに性的魅力を強調し合っていた。

流れるようなボディラインと豊かな肉づきの対比は、女性性を激しく強烈に感じさせ、眺める男性の下半身をひどく煽る。


「うっ……」


 当然、これまで甘い匂いで火照らされ、あまつさえ元から性欲が余りあるほど旺盛な少年レオンにとって、そのような光景は目に毒だった。

目を逸らしたとしても、ペニスは履いているズボンの中で痛いくらいに硬く張り詰め続け、萎える気配を微塵も思わせない。

名も知らぬ魔物の露骨に卑猥すぎるカラダは、容易く脳裏へこびりついてしまっている。


 もし相手がサキュバスであるのならば、この状況は明らかに危険だ。

だが本能が生み出す女体への興味は、抑えきることができない。


「はぁっ……はぁっ……」


 視線を戻せば、彼女の肉体は全体としてかなり大きいことに気づいた。

胸や腰などの横幅もそうだが、身長が明らかに高い。

2メートルは優に超えているだろう。

対してレオンは、恐らく彼女の胸元辺りと同じほどしかない。


 であればあの爆乳に身体はどれほど包み込まれてしまうのだろうか、という妄想が膨らむ。

頭などは簡単に全てが閉じ込められてしまうかもしれない。

それどころか、肩までも包まれてしまう可能性だってある。


「ん~?♡♡♡」


 太ももや尻もそうだ。

捕らえられ、圧し掛かられてしまえば、きっと盛り立てられる劣情も相まって、豊満な肉の牢獄から抜け出せなくなりそうだった。

おまけに洞窟内へ充満する甘い匂いの元は、十中八九彼女である。

零距離でそれを嗅がされたら、我を忘れる可能性さえ感じられた。

そして気持ち良く、何度も何度も射精させられるのだろう。


 頭に浮かび上がった被虐的な光景の中の自分は、ひどく無様だ。

だというのに興奮は強く、ペニスが先走りを吐き出すのさえ分かる。


 しかし、それは今までの自慰で想像さえしなかったものだった。

女性から性的に弄ばれるなど、考えたこともない。

ただそれにしては慣れているみたくやたら鮮明にすぎ、正直なところ彼は驚いてもいた。

もしかすると、今まで気づいていなかったが自分にはそういった嗜好があるのだろうか。


 そう思った時だった。


「おい、出て来いよ♡♡♡さっきから我慢汁の青くせぇ匂いがしてんぞ?♡♡♡」


「……!」


 洞窟内に、彼へ向けられたのだろう少し低い、荒っぽくてやや刺々しくもある声が木霊する。

言葉はかなり威圧的だが、魔力が込められているのか響きはどこか心地よく耳へ入っていく。


 いやらしい肢体に見惚れて有利な状況が作り出せなかったことを悔やみつつも、であれば正々堂々勝負するため岩陰から姿を現した。


 同時に、彼女もレオンと相対する。


「えっ……それって……」


「へぇ……♡♡♡へへっ♡♡♡」


 そうして向き合えば、背後から推測することしかできなかった豊満かつ大きな女体が見えるようになった。


 まずその顔つきは、声色から想像される通りはっきりしている。

主張しすぎない鼻や、薄いが艶やかで、キスをすれば吸い付いてきそうなほど瑞々しい唇などに対して、碧眼が大きくてやや吊り上がりとにかく強い。

ただきつさはあまり無く、値踏みするように細められているのもあってかなり淫靡だ。

長い後ろ側の髪に対して、眉の少し上から耳まで全く隠していない前髪も相まって、健康的であけすけな色香が見るものを劣情に狂わせていく。


 さらに小指大らしき乳頭だけを、肌に映える極小サイズの黒ビキニで隠した、こぼれてしまいそうなほどにはみ出す爆乳。

下端はへそよりいくらか上ほどにあり、やはりレオンの頭などは容易く包み込めるくらい大きい。

また、かろうじて頂点にある突起こそ隠されているものの、乳輪は全くそうではなく、円形の薄桃色が丸見えだ。

黒と白、そして甘い色合いの対比は、丸々とした乳房を可愛らしくかつ卑猥に飾り立てる。


 そんな露骨な性的アピールは、より彼女の明るいふしだらさを助長していた。

飛び込めばきっと、何の衒いも無く受け入れられるのだろう。

生殖に適した時期のオスにとって、メスのそういった誘惑はあまりに欲望を刺激してくる。


 しかし、総じてただただ男性を誘惑するため特化したカラダの中で、ひときわ異彩を放つものがあった。


 股間の、本来であれば女性器が存在しているはずの場所から生える、勃起途中のチンポだ。

先ほどまで萎えていたらしく先端がやや下を向いているものの、長さが既にレオンのモノを優に超えている。

というか比較対象が発展途上のペニスとはいえ数倍の差がついており、少しの膨張でも既に雄々しかった。

太さも彼の小さな握りこぶしに負けず劣らずといったところで、最早記憶にある大人のソレと比べても明らかに大きすぎる。


 しかも、暗い茶色の竿表面と赤黒い亀頭でやたら禍々しい。

清楚な白肌とのコントラストは、よもや同じ人物のとは思えないほどだった。

とはいえ全体としていやらしいものをできる限り詰め込んだようだからか、それぞれには不思議な親和性があり、違和感はそこまで覚えない。

もちろん男性器自体へ拒否感はあるものの、そのせいで興奮が妨げられることは無かった。


「アタシはガーネット、サキュバスだ♡♡♡お前は?♡♡♡」


「っ……。僕はレオン。これでも勇者です」


「ほぉ……♡♡♡」


 そうして動きを探るという意味でも目を逸らさずいれば、彼女は自ら名乗る。

応じると、何がさらにお気に召したのか視線はより粘つきを増した。


 感じるのはオスのものらしき激しい性欲であり、少し背筋がぞわつく。

これまで女性からはそういった感情を向けられたことがあるものの、同性からの経験は無い。

咄嗟に湧き出てくるのは、恐怖だった。

思わず剣を抜く。


「近くの村から男性を攫ってるのはあなたですね?」


「あぁ、そうだぜ?♡♡♡」


「なっ……」


 続けてここへ来た目的であるのか聞けば、ガーネットはあっけらかんと答えた。

全く悪びれない態度に驚いてしまうが、実際の所サキュバスにとって人間は食事でしかないのだろう。

一呼吸おいて落ち着きを取り戻し、凄みを聞かせながら訊ねる。


「もうやめてくれませんか?あと、彼らを返してください」


「へぇ?♡♡♡嫌だって言ったらどうすんだ?♡♡♡アタシだって『メシ』が無いと死んじまうんだがな?♡♡♡」


「それは……。でも、もしやめないならここであなたを倒さないといけません……!」


「へへっ♡♡♡」


 だが、まともに取り合われることはなかった。

彼女はこれから斬られるかもしれないというのに、余裕そうでねっとりした目つきのままだ。


 しかもチンポの勃起が依然として増し続けており、亀頭はもはやレオンの顔へ相対するほど上向いている。

また我慢汁によって濡れそぼってもいて、タコ型の魔物が持つ触手みたくぬらつく。


 そういえば先ほどから空間へは、甘い女性的な体臭の他に、男性の体臭を煮詰めたようなかぐわしい臭気が漂いだしていた。

まだ出始めだというのにやたら濃く鼻腔を刺激する饐えた匂いだ。

だというのに、あまり気色悪さは覚えない。

加えて、鈍い色に煌々とした照りが合わさると、彼でさえどこか卑猥さを感じてしまった。


「でもよ♡♡♡お前が言う村の奴らは殺してねぇし……それに、アタシと居られて幸せそうだぜ?♡♡♡このおっぱいとチンポで腑抜けにしてやったからな♡♡♡」


「なにをっ……♡」


 さらに、その汁を掬い取り掌に伸ばすと、爆乳へ塗っていく淫魔。

動きはやけに念入りかつ、柔らかさを見せつけるようだ。

まず下から持ち上げるように手の側面と親指を外側から滑らせていく。

極小サイズのブラジャー程度ではやはり支えきれていないのか、重たい脂肪の塊はずっしりと新たな支えへ乗っかり、愛撫めいた動作に合わせて流動的に絶えず形を変え続ける。


 その姿は水のようであるが、しかし決して胸であることを忘れさせない。

粘液を伸ばされた後は必ず元の形へと戻るからだ。

しかも、可愛らしく淫靡に弾みつつ。


「戦うなんて野蛮なことはやめて、それよりもっと愉しくて気持ちいい事しようぜ?♡♡♡」


「ふわぁっ……♡」


 変化し、揺れる姿はただででさえいやらしい。

それなのにテカってもいく、それも彼女自身のものとはいえ、オスの欲望を表すような体液によってとなればなおさらだった。


 輝きはまろやかな雫状のカタチをより強調する。

白く清楚な乳肌を、濃密な劣情で穢し、粘つかせていく。

だというのに薄桃色の愛らしい乳輪が段々と赤みを増すのがあまりに悩ましい。

黒い布に隠された突起が、着実に目立っていくのも淫らだ。

生娘があられもない姿へと変貌していくような、背徳的な光景が想起される。


 当然それは、同い年の少年たちと同じように性欲旺盛な勇者レオンにとっては目に毒だった。

また、見せつけることで興奮しているのか強くなったガーネットの匂いに呼応して、彼の肉体が火照っていく。

ペニスの勃起も、今までの人生で無いほど激しい。


「っ……!」


 だが咄嗟に手の甲をつねり、鋭い痛みで我に返る。


「何をしているんですかっ……」


 そして、先ほどまでの行動について問い詰めた。


「ん~?♡♡♡だってアタシはサキュバスだからな♡♡♡こうやってお前みたいにオナニー好きそうなマゾガキを誘うのは当然だろ♡♡♡」


「オナっ……そんなこと僕はっ!」


「へへっ♡♡♡そうやってムキになるとこがガキなんだよ♡♡♡」


「~~っ!」


 だが返ってきた嘲り交じりの挑発に、頭がカッと熱くなっていく。

下品で粗野な言動は不愉快で、怒りの感情を強く搔き立てる。


「ふぅ……」


 とはいえ、そうしてまた我を失ってしまっては恐らく相手の思うつぼだ。

一度深呼吸をして、冷静さを取り戻す。


「ん……」


 そこで、彼女を見ていればどうにも苛立ち、反抗したい、しなければならないと考えてしまうようになっていることを認識する。

だがこれまで魔物相手には、仕方ないと思いこそすれ、あまり自ら倒さなければならないと感じたことは無い。

むしろ利害の不一致によってそうしなければならないことに、哀れみさえ覚えていたはずだ。

つまり、ガーネットにはそうして、相手の反抗心を掻き立てる能力があるということなのだろう。


 さらに、少しずつオス臭やチンポへの拒否感が薄れていることにも気づく。

それどころか、ガーネットの胸や腰同様卑猥なものとさえ思えてくる。

例えば先ほどまでは、「男性の欲望で穢された胸」に興奮していたはずだが、今は「我慢汁で濡れた胸」自体に興奮している。

発情によって肉棒から溢れ出した粘っこい体液も胸も、今の彼にとってはそれぞれいやらしい。


「くっ……」


 そうして目前のサキュバスから放たれる力に呑まれつつあるのは、明らかに危険だ。

このまま続けば勝ち目が無くなってしまうだろう。


 だが勇者の加護には、時間がかかるもののそんな身体へ作用する毒を綺麗さっぱり取り除く効果もある。

であればやはりここは一度撤退して、再び体勢を整えてから挑むのが最善だ。

搦め手の多い相手に、準備無しで戦うことほど愚かなことは無い。


 そう考え退路の確認もしながら、目にするだけで追い込まれる肢体、その足元だけに注目して隙を窺いだした時だった。


「おいおい♡♡♡勇者サマともあろうお方が、か弱い村人を置いて逃げんのかよ♡♡♡」


「っ……!」


「なっさけねぇなぁ♡♡♡それでも本当にチンポついてんのか?♡♡♡」


「なっ!関係ありませんっ!」


「へへっ♡♡♡ってか、そんなとこに収まるぐらい小せぇならあっても無くても変わんねぇか♡♡♡」


「うるさいっ!」


 逃げようとしていることを、嘲笑が大いに含まれた声で意地悪くなじられ、一気に怒りがこみ上げる。

男性器までも馬鹿にされると、カッとなって無視することができず、売り言葉に買い言葉で言い返してしまう。


「それにさっきからアタシのカラダちらちら見てよぉ♡♡♡そんなに見てぇなら言えよ♡♡♡いくらでも見せてやるし、触らせてやるぞ?♡♡♡……レオンちゃん♡♡♡」


「僕は勇者だぞっ!馬鹿にするなっ!」


「へっ♡♡♡その前にガキじゃねぇか♡♡♡アタシに誘惑されて、馬鹿にされて簡単に興奮しちまってよぉ……♡♡♡」


「そんなことっ……あっ……♡」


 そうして言い合いをしているうちに、レオンは視線を交差させて威圧しようと顔を上げた。


 だがその途中でやたらに目立つ、三角の黒い布切れ内で勃起しきって浮き出し、胸全体に先走りが塗られる度一瞬だけ見え隠れする乳首。

小指大に太長いそれは乳輪より少し濃いピンク色をしているらしく、充血した様子なのがひどく淫靡だ。

また硬くなってはいるがチンポと異なり適度に柔らかいようで、下着の中で出口を探すみたく、上下左右に忙しなく蠢いているのもいやらしい。

そんな光景を見せられると、思わず顔を出す瞬間が待ち遠しくて凝視してしまう。


 さらにそれだけではなく、どうやら先ほどから母乳らしきものが分泌されていた。

三角形の布地は濡れてより暗い色となり、ただでさえひどかった食い込みに張り付きを追加し、より明確に突起物の形状を表出する。

浮き出たやや丸みを帯びる円筒形は、とてもしゃぶりやすそうだ。


 しかも液体はそれで吸収しきれないほど多いのか、乳肌まで滴り、不透明な黄白色で濡らす。

そして、粘性も高いらしく糸を引きながら床へ垂れていく。


 ともすれば精液をも想起させる汚れ方は、目を逸らすことなど許してくれない。

魔力や媚香といったものでない純粋に淫猥な光景は、当然勇者の加護など意に介さず、レオンの生殖本能を激しく揺さぶる。

それも、匂いなどによって少なからず強制的に昂らされている彼の本能を。

身体、特に下半身は、火にかけられたみたく熱い。

 

「おいおい♡♡♡そんなにアタシのおっぱい好きか?♡♡♡」


「ふぇ……?♡♡」


 だがそんな無防備な状態で、レオンはガーネットの接近を許してしまっていた。


「だったら直接味わわせてやるよ♡♡♡」


「っ……!んぁっ♡♡」


 気づけば、視界が埋め尽くされるほど間近に迫っていた深い谷間が、両手で外側へ開かれていく。

中からは、恐らく日頃から塗りたくって蒸らしているのだろう、これまでの煮詰めたようだったものでさえ比較にならないほど濃いオス臭と、甘ったるいミルク臭が解き放たれる。


 ただ、一応は下着のていを持っている物によって締め付けられ、加えて大きすぎるせいか、最も濃密だろう奥はまだ明らかになっていなかった。

そのためかろうじて理性を取り戻し、まずいと気づくことができる。


 だが、それと回避できるかは別の話だ。

疑似餌を使って射程距離まで獲物を誘う生物が如く、やたら速い動きにより一瞬で、頭は中の深い場所へと招き入れられてしまう。


「うぁぁっ……♡♡♡」


 すると今までの人生でも夢想しつづけ、本当は味わってみたかった感触がついに訪れた。


 頭部側面の殆どを包むのは、抵抗するための力、その意志さえすぐさま奪っていく柔らかさだ。

この状況で安心すら覚えてしまうほどまろやかに心地良い。

しかも表面は濡れているため吸い付いてあまり離れようとせず、しっとりした肌と、落ち着く温かな体温が常に密着した。

それと比べれば、専用に作られたはずの着心地良い服さえ不快に思えてしまう。


 さらにほんのりでも擦れ合うと、異常なまでのきめ細やかさが顔面を愛撫していく。

恐らく技巧も何もない単なる身じろぎであるはずなのに、身体の芯からはこみ上げるような甘い快楽が押し寄せた。


 であれば両肩へふてぶてしく乗っかる重みも、嫌なはずはなかった。

むしろその大きさ故範囲のやたら広い接触は、乳内への監禁による幸福を高めていく。


「へへっ♡♡♡すぐトロけやがって♡♡♡」


 また、レオンの胸元へなすり付けるように押し当てられている、服越しでも伝わってくるほど熱い亀頭。

激しい脈動も相まって、持ち主の興奮がいたく表される。


 同様に著しい濡れ方も伝わってきた。

時間が経つにつれ、防具としても機能するやや厚手の布が水気を孕んでいく。

加えて新たな我慢汁が絶えずかけられているようで、湿りはどんどんとひどくなった。


 そして、彼女との距離がかなり近いためか、へそ上から当然のように竿も当たっている。

もう勃起しきっているらしく、硬度はまさしく鉄だ。

間に物があったとしてもはっきり分かってしまう。

自分のペニスなど比べ物にならないことも、容易く理解できる。

だが、オスとしての敗北感よりもむしろ、強く逞しいチンポへの興味が強かった。

自分に対し猛る「強いオスの象徴」に、うっすらと背筋の官能を覚える。


「ふぁぁ……♡♡♡」


 続けてあまりの心地よさで止まってしまっていた呼吸を再開すれば、媚薬といって差し支えない、強烈に鼻腔から脳、全身までを内側から刺激する香りを吸う。

それは、ガーネットが発するあらゆる匂いをただめちゃくちゃに混ぜ合わせたようだった。

むせ返るように濃すぎ、しかしただただ男を発情させる体臭、とにかく甘ったるく、味わっているだけで子供にさえされてしまいそうなミルク臭。

さらに、分泌する元のモノなど使わずとも、嗅がせただけで女という女をすぐさま屈服させうる、青臭く饐えたひどすぎるチンポ臭。

その三つが折り重なり、とにかく過多な情報として頭へ飛び込んでくる。


 だがそんな主張の激しすぎるそれぞれは、不思議な調和をしていた。

邪魔し合うことなく、とにかく獲物を着実に素早く仕留めていく。

興奮させ、赤ん坊みたく無抵抗になるよう弱らせ、メスに堕とす。

勇者の加護を持つレオンの意識を、少しの間無理矢理快楽に蕩かせる。


「でもこれで終わりじゃねぇぞ?♡♡♡」


「んむっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 しかも爆乳は、まだ自らの中に彼を収めただけだ。

続けて外からの強い圧を受け、先ほどまでよりもっときつく、今度こそ余すところなど一切ないほど密着してくる。


 すると、頭部側面だけでなく全体で蠱惑的な柔らかさや、濡れた滑らかな肌を受け止めなければならない。

加えて芯の部分にある弾力から揉みこまれもしていく。

決してただ柔らかいだけでない、憧れ想像した「女性の大きなおっぱい」のリアルな感触は、少年をより夢見心地にさせる。


 見るだけで魅了してきた爆乳から、味わいまでも直接念入りに堪能させられると、最早ガーネットのそれ自体が弱点になっていくようだった。

与えられる甘ったるい心地よさを本能が深く念入りに覚え、容易く呼び起こされる鮮烈な記憶として脳の中に残っていく。

例え逃げられたとしても、自ら誘惑に負け、ぱふぱふされたくなるように。

脂肪の塊は押し付けられるたび、勇者の頭の中へはしたない負け癖を無理矢理押し込む。


「おらっ♡♡♡アタシのおっぱいはどうだよ?♡♡♡やらかくてくっさくてたまんねぇだろ♡♡♡」


「フーッ♡♡♡フーッ♡♡♡」


 性欲は、煮え滾っていくばかりだ。

溜められることはあっても、結局発散されてはいないため当然だった。

下着にある程度支えられているはずの金玉からは、腰が落ち、はしたないガニ股になってしまいそうなほどの確かな重みを錯覚する。

さらにその下着も、作られすぎて溢れ出してしまったような液体によって少し不快感があるほど濡れていた。

最早このまま行けば、精液さえ自然と暴発してしまいそうな気がする。


「このままチンポケツに入れたらもっとすげぇぞ?♡♡♡おっぱいだけでこれなら、他の奴らみたいに、勇者のお前でもアタシのペットになっちまうだろうな♡♡♡」


「っ♡♡♡」


 そんな彼へ、粗野で低い声は雄々しいチンポの事を意識させてくる。

触れ合っている服の胸からへそ周辺は、おびただしく分泌される我慢汁で早くも身体と当たる部分まで濡れていた。


 染みてきた粘液は相当熱く、またスライムに侵入されたのかと思うほど粘っこい。

もちろんレオンのものと比べようすらないほどだ。

比較的さらさらしているはずの先走りでこれなら、精液はどれほど濃厚で、量も多いのだろうか。

まさか挿入をスムーズにするためのものが、本番に負けることなどないだろう。

彼女の異様なまでに逞しい男性器となれば猶更だ。


 そして言葉は、後ろの穴の事も忘れさせてはくれない。

というか先ほどから何故か疼いてしまっている理由を、言外に教えてくる。


 それはどうやら、彼女の肉棒を受け容れるためらしかった。

これまで排泄にしか使ったことのない場所へ異物を入れられることに、恐怖を覚える。


 しかし、なぜだか心惹かれるのも確かだ。

胸の時同様に、もしそうされたらどうなるのか夢想してしまう。

思い浮かぶのは、浅黒い巨大な物体を身体のナカへ収めながらも、甘く荒い呼吸をする自分だった。

気持ちよさそうな姿に、発情しきった肉体はより疼きを強める。


「だからほら、さっさと負けを認めちまえよ♡♡♡ってかどうせアタシには勝てないんだからよぉ♡♡♡早ければ早いほど気持ちいい思いできるぜ?♡♡♡」


「ふあっ♡♡♡やめっ……♡」


 ただ初めてのおっぱいという衝撃には、少しずつ慣れてきていた。

すると責め自体への余裕が出てくる。


 またいくらか彼女の能力によるものとはいえ、挑発で反抗心もいきり立つ。

腑抜けていた全身へ力が入り、桃色に靄のかかっていた意識が晴れていく。

利用しない手はなかった。


「ふっ!」


「おっ♡♡♡」


 圧が弱くなった瞬間素早く後方へ飛び退く。

後頭部に一瞬何か引っかかった感覚はあるが、肉の牢獄からは逃れることができた。


「ふぅっ♡♡ふぅっ♡♡」


 だが、状況はあまりよくなったと言えない。

何故ならば、脱出の瞬間激しく擦れた乳肌の感触が頭にはっきり残っている。

さらに顔面や服へガーネットの匂いは染み付いており、息をするたび鼻先へ香っていく。

そして何より、大切な武器は先ほど手放してしまったようで、彼女の足元で無残に転がっていた。

取り戻すのは簡単ではないだろう。


 そう考えていれば、剣は黒々とした尻尾に巻き付かれていく。


「何をしてっ……」


「ん~?♡♡♡返してやるよ、これ♡♡♡」


 次の瞬間、サキュバスはそれを手に取ると、レオンへと山なりに投げてくる。

緩い放物線を描いて落下する軌道に、攻撃の意図は感じられない。

空中でキャッチすることさえ簡単だった。


「どういうつもりですか……?」


 湧き出す疑問から質問を紡ぐ。


「へへっ♡♡♡こうでもしねぇとザコなお前はアタシに勝てないだろ?♡♡♡」


「なっ……!」


「それじゃ面白くねぇし……何より興奮しねぇからな♡♡♡」


「っ……。後悔しますよ……!」


 しかし返ってくるのは、先ほどの行動は情けからなどではなく、ただ侮っていたからだという事実だった。

怒りがこみあげてきて、全身に熱い血が滾る。


「へっ、しねぇよ♡♡♡それにさっき、わざとヒモに頭引っ掛けたやつには言われたくねぇなぁ♡♡♡」


「へっ……?」


「お前のせいでズレちまったじゃねぇか♡♡♡エロガキがよぉ♡♡♡」


「うぁっ……♡♡♡」


 そんな激流を、見るだけで性欲によってぐずついたものへと変化させ、下半身へと送り込んでは強く疼かせていく裸の突起。

脱出の時引っ掛けたのは下着の紐らしく、頼りない布は些細な干渉によっていくらかずり上げられていた。


 そして露わになった乳首は、少し前うっすら見た通り赤みがかった桃色で、相変わらず興奮しているように乳輪より充血している。

加えて精液も思わせる白く粘っこい乳汁が、節々に絡みつき、また先端からは噴き出しており、小指大の円柱にてらてらしたぬらつきを持たせた。


 ただ、そうした淫猥さの中で、当の突起自身はやたら元気に屹立する。

大きすぎて少し垂れた乳房の中央で、存在を主張するようにぴんとはっきり上向く。


 そんなエロスと健気さが入り混じった光景は、濃密な色香を醸し出した。

貪欲にむしゃぶりつかれることも、あるいは乳飲み子に栄養をもたらすことも許容するような姿は、下卑たものを含めあらゆる欲望を肯定されているような気になる。

全てを曝け出し、ただ湧き上がる本能と感情の赴くまま振舞いたくなってしまう。


 さらに紐下着は元がどれほどきつかったのか、少し緩い場所へ移動したというのにまだ胸へ食い込んでいた。

上部には相変わらず3の字型の起伏がある。

どこも、先ほど味わった下側と同じほど柔らかいのだろう。


 とはいえアンダーウェアはもはや秘部を隠すことも、大きな脂肪の塊を支えることもしていない。

本来の役割を放棄し、単なる飾りの布へと成り下がった光景は倒錯的で、極度にいやらしい肢体も相まってひどく劣情をそそった。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


「あ~あ~♡♡♡武器まで返してやったのにまた見惚れやがって♡♡♡お前はホントに弱いなぁ?♡♡♡」


 すると再び、我を失ってまじまじとその様子を観察してしまう。

先ほど味わった「中」の気持ちよさを思い出しながら、利き手を少しずつペニスへ近づけてしまう。

燻ぶらされ続けた性欲の火種が、ついに大きく燃え始めたのだ。


「ふ~っ♡♡♡エロい目向けやがって♡♡♡アタシももっと興奮してくるじゃねぇか♡♡♡ん♡♡♡」


「うぁっ♡♡♡」


 そうしたレオンへ呼応するように、ガーネットは白く細長い右手でチンポを握り、同様に美しい左手で乳首を摘まんだ。

両方の勃起からはそれだけで勢いよく汁が飛び出し、彼女の足元周辺を汚し、匂いを広げていく。

鼻につんと来るような激しすぎるミルク臭とオス臭は、容易く脳まで到達し意識を蕩けさせる。


「だったら……オナニーも見せてやるよ♡♡♡」


「なっ♡♡♡」


 その後自慰行為が開始されるのは、自然な流れと言えた。

凹凸の激しい肉棒が、やや豪快な動きで扱かれていく。

一般的なものよりいくらか太長い肉突起が、側面を扱かれ、頂点を指先でひっかかれていく。

それぞれの大きさも相まって動作はどこか勇ましい。

まさしく「オス」のオナニーだ。


 上方では淫らな蕾が蹂躙にあっている。

いたわりは見られず、ただただ強く激しく刺激されていく。

艶めかしい五指によって乱雑に弾かれ、擦られ、捏ね繰り回される姿には哀れみさえ覚えそうだった。


 しかし、そうはならない。

なぜなら乳頭は忙しなくびくつき、頻繁に精液と見まごうほど粘っこい汁を噴き出していたからだ。

虐めにさえ思える責めで、明らかに悦んでいる。


 実際、周囲の乳輪共々これまでより赤い。

それどころか乳房までその身を薄く朱に染め、興奮の様子をはっきりと表す。

血が巡ったことによる色づきは、確かに気持ちよくされている結果だろう。


 加えて白い肌に、そうした紅潮はひどく映えた。

コントラストもさることながら、性的なことなど知らなそうな初々しさと発情の同居が、秘密を暴いているみたく背徳的な気分にさせる。

しかもそれが、自分だけに向けて行われ、見せつけられているのだ。

優越と独占の歓喜に、浅ましくも身体が劣情を深めていく。


 対して、下方で行われているのは奉仕だった。

持ち主の腰からやや浅い垂直にそそり立つチンポは、ふてぶてしい態度で手コキを味わっているように思える。


 そう思うのは、恐らく全体として乳首よりずっと硬いせいだ。

実際どれだけ乱雑に摩擦を受けようとも形を変えることなどしておらず、ただ自らの意志で力強く跳ね、愛撫する方を持っていく。

また愛撫のリズムに関わらず先端から大量の先走り汁を出し、全体へ広げさせて自らの快楽を高めさせる。


 傍若無人な立ち振る舞いは、乳房で行われている動きとの対比も相まってひどくオスらしい。

男性であるはずのレオンですら、惹かれてしまう。

しかもそれは同性としての憧れではなく、少しずつ芽生え始めている「メス」としての憧れ、恋慕みたいだった。

少しずつ全身は甘い脱力に見舞われ、下半身にある穴がきゅんと疼く。

反面ペニスの方は負けを認めるかのように薄い涙を流す。


「へへっ♡♡♡」


「あっ……♡♡♡」


 そんな彼へ追い討ちをかけるように、ガーネットは絶えず溢れ出す二種の分泌液をそれぞれの手で掬い取り、蠱惑的な肢体へと塗り始めた。

するとより、各所の女性的な丸みが明確になっていく。


 まず腰から太ももにかけてが濡らされた。

肩幅よりも少し横に広がる豊かで悩ましい曲線が、徐々に艶々した光沢を帯びる。


 中でも太ももの真正面、最も出っ張った場所が分かりやすくなったことで、股間の直下にある、誘い込むような窪みも強調されていく。

まるで何かを受け容れるためにある緩いすり鉢状のソコは、明らかに暗く狭い。

だが、それは同時に蒸れるということで、顔を埋めれば普段から熟成された彼女の体臭を嗅げそうだった。


 さらに、チンポの根本へくっつくような大きい金玉まであるのだ。

二つによってより濃厚さを増し、オス臭まで足された匂いは、どれほどいやらしいのだろうか。

加えて今はミルク臭さえあるのだから、想像もできない。

しかも同時に、指が通るたび柔らかそうにたわむもも肉、雄大な睾丸の感触を味わえてしまうとくれば、妄想は止まらなくなっていく。


「おらッ……♡♡♡もっとアタシのカラダ見ていいんだぜ……?♡♡♡穴が開いちまうぐらいな……♡♡♡」


「フーッ……♡♡♡フーッ……♡♡♡」


 堕落を誘う低くも優しい囁きも相まって、レオンは今度こそ戻れないほど劣情に支配される。

そうして鋭くなってしまう視線を、新たに粘液を掬い取った手は腹部へと誘う。


 最初にくびれへ握るように塗られていった。

次にへそ周辺、脂肪が乗り、筋肉により引き締まったところと対比になるような場所がぬらついていく。


 特に膨らみが豊かなのは下腹部だ。

さながら乳房の時みたいに、指の動きに合わせて柔軟に形を変えていく。

とはいえ全体がそうなのではなく、身体の正中線から離れ側面へ至るにつれ、肉づきではなくむしろ細さが目立つようになる。

すると、それぞれのしなやかさと柔らかさはより強調された。


 ガーネットらしいと言える、力強くもふくよかな大きい肢体は、やはり目を逃がさない。

包み込むみたく受け止め、同時に守ることもされてしまえそうだと、心の中にいるメスは思わず甘えたくなってしまった。

きっと既に虜となっている村人たちや冒険者たちも、そうやって堕落させられていったのだろう。


「うぅっ……♡♡♡」


 一般的な男性であれば容易く性欲に支配され、また、彼女の影響を受けていれば女をも芽生えさせられる光景を見せつけられ、レオンはもう限界だった。

神から力を授かったとはいえ、彼は普通の少年なのだ。

しかも、人間の一生の中で、繁殖期と言えるほど精力が有り余っている時期の。

そして仮面が剥ぎ取られてしまえばいよいよ、周囲に漂う「フェロモン」は深く効き、とどめを刺していく。


「あ~あ~♡♡♡もう完全に堕ちちまったか?♡♡♡」


「っ……♡♡♡」


「ホント人間ってのは弱ぇよなぁ♡♡♡アタシがこうやって誘惑してやってるだけで負けちまうんだからよ♡♡♡……なんならかわいそうに思えてきたぜ♡♡♡」


「なっ……」


「それにお前は勇者サマだろ?♡♡♡それがこれじゃあなぁ……♡♡♡くくっ♡♡♡」


 そんな少年を、圧倒的優位から嘲るサキュバス。

愉し気に笑う表情からは、まるで言葉通りの哀れみを感じられない。

むしろ簡単に倒せてしまった勇者を通して、人すべてを馬鹿にしているかのようだ。

それほどまでに笑みは深く、意地が悪い。


「くそぉっ……♡♡♡」


「悔しかったら早くアタシを倒してみろよ♡♡♡ま、こんなに言われてまだ動けねぇお前には出来ねぇだろうけどな♡♡♡」


 こみ上げてきた本当に自分のものかもわからない苛立ちから、悪態をつく。

だが卑猥な肢体への凝視をやめることはできなかった。

結果、見惚れながら言葉だけは凄むという、かえって無様すぎる姿を晒してしまう。


「ほら、倒すなら今だぞ?♡♡♡アタシがお前を侮ってるうちに倒しちまうべきだと思うけどな♡♡♡」


「うぅっ……♡♡♡」


 するとガーネットは、両手を頭上へ上げる。

しかもあまつさえ自らの尻尾で足を簀巻きにして拘束し、身動きを取りづらくした。

自ら窮地に陥るような、愚かな行為だ。


 しかし、そうしたレオンを舐めきった行いは、むしろ敗北感と形だけの反抗心を煽ってくる。

これほどまで挑発してくる相手も倒せないのかと、自分が情けなくなっていく。


「……おいまだかよ?♡♡♡わざわざこうしてやるのも疲れるんだけどな?♡♡♡」


「うるさいっ……♡♡♡はぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 そして彼は、段々とそんな情けなさに、向けられる弱者への憐憫じみた目線に、興奮し始めていた。

全身には凍るようでありながら甘ったるいぞわつきが走り、膝が笑っていく。

魔物を討ち払う勇者として感じてはいけないと分かっているが、そう思うほど快楽は激しさを増す。

思わず膝や肘が笑い、剣を取り落としてしまいそうになった。


「くくっ♡♡♡」


「っ♡♡♡」


 相変わらず無防備な恰好をしたまま、そんな年相応とも言える少年に淫魔は噴き出す。

明らかに、内心はバレてしまっていた。

それを分かっていながらも、彼女は十中八九さらに辱めるためこうしているのだ。

だが、そんな風に弄ばれるのさえも今は気持ちいい。

徐々に金玉がせり上がり、精液がペニスを昇っていくのが分かる。


「は~っ♡♡♡これでもダメかよ?♡♡♡だったらこれならどうだ?♡♡♡」


「ふあっ♡♡♡」


 そうした獲物へ、ガーネットはさらに無防備な姿を晒す。

その場で仰向けに寝転がったのだ。

依然として足は拘束しているため、いよいよ咄嗟に動くことなどできない。


 とはいえそんな挑発は、馬鹿にされることが好きになってしまったマゾをより興奮させた。

手で武器とは違う棒状の物を握り、扱きたくなってしまう。


「おら♡♡♡アタシのカラダ、好きにしていいんだぜ……?♡♡♡」


「あっ……♡♡♡」


 そこへ「好きにしていい」と言われれば、やることは一つだった。

肌をできる限り感じるため、邪魔なものを取り払っていく。


「フーッ♡♡♡フーッ♡♡♡」


「……♡♡♡なんで服脱いでんだよ?♡♡♡アタシを倒すんじゃなかったのか?♡♡♡」


「うるさいっ……♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 やがてレオンは生まれたままの姿になると、ようやくサキュバスへ自らの意志で近づいて行った。

しかしその手に武器は無い。

加えて目を血走らせ、顔から理性といったものは微塵も伝わってこなかった。


「へへっ♡♡♡そうかよ♡♡♡じゃあ来な……♡♡♡」


「うあっ♡♡♡っ♡♡♡」


 そして目前まで近づくと、彼はガーネットの身体、胸元へと頭から覆いかぶさる。


「あぁぁっ♡♡♡♡」


「ふー♡♡♡ザコが……♡♡♡」


 その瞬間、少年のペニスは、さながら白旗と言っていい粘液を吐き出した。


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