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「んぇ~♡♡♡」


「ん~っ♡♡♡……♡♡♡」


 太白は上に乗る猫亜人へと舌を突き出し、伸びてきた濃い桃色の粘膜と絡ませ合う。

空中で粘っこく交差する肉は、下で鳴る水音にぐちゅぐちゅと淫猥な響きを足した。

それは二匹の獣がどれほど貪欲であるか、余すところなく表現しているかのようだ。


「んむっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 どちらともなく唇を重ね、口交尾の熱を次第に増加させていく。

接合部分からは混ぜられた体液が零れ出し、長い情事によって乱れ大量の体液を吸った敷布に更なる湿り気を与えた。


「ぁっ♡♡♡っ♡♡♡ぉ゛っ♡♡♡」


「むふ~っ♡♡♡むふ~っ♡♡♡」


 やがて喉から飛び出す声は甘く荒いものとなり、全身は小刻みに震えはじめる。

やや慣れた、しかし依然としてひどく幸せな感覚が徐々に下腹部からこみ上げていく。


「んぁっ♡♡♡クぅっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


「はぁ~っ♡♡♡♡」


 そして、メスの絶頂と、大量の雄汁による熱が全身を支配していった。







 少しして、太白は紫峰神社裏手にある湖へ入っていた。

周囲は強くなり始めた朝日に照らされ、眩しく煌めいている。


「ふぅ~……」


 日課となっている起床後の性交、それによって火照っていた身体が冷やされ、気持ちがいい。

同時に何度も中出しされて重たくなった腸内も浄化し、今日の準備を整えていく。




 猫亜人――呼びやすいよう鈴香と名付けた――を解放してから早一か月、あれから毎日、朝と夜寝る前には欠かさずセックスをしていた。

その甲斐あってか、今日に至るまで性欲に悩まされることはただの一度も無い。


 また、幸運なことに鈴香は知性もいくらかあるようで、「人前には出るな」や「村には下りるな」といった言いつけをきっちり守ってくれている。

ゆえに村人とのトラブルも、太白が知る限りではこれまで一度たりとも無い。


 彼は行為による強い快楽も相まって、ともすれば以前よりも幸せとすら思える日々を過ごしていた。

ただ唯一、神の力が少し不調であることを除けば。




「む」


 これまでのことを振り返っていると、少し離れた場所で水浴びしていた鈴香が近づいてくる。


 伸びっぱなしだった白銀の髪は、みっともなく感じた太白が整えさっぱりした短髪にしていた。

顎の辺りで整えられたショートボブは、くせ毛ゆえかいつも外側へ向かって跳ねている。


 そして、憎たらしくも愛らしい、大きな釣り目の猫顔。

しかし、その表情は眉が下がり不満げだった。


 下腹部を見れば、原因を示すように未だ半勃起の肉棒がある。

相変わらず卑猥な物体だ。

当然のように包皮は剥けており、淫水焼けして以前より浅黒くなったアヤメ色の亀頭が顔を出している。

さらに先端からは、湖水とは違う粘着質で少し濁った液体が滴っていく。


「んぅ……♡♡♡」


 彼女は手を伸ばせば届くほどの距離まで寄ると、陰茎を腹に押し付けてきた。

次第にそれは硬さを増していき、よだれを出しては塗りたくってくる。


 明らかな性交の誘いだった。


「よせ、鈴香」


「むぅ……」


 だが、それを毅然とした態度で突っぱねる。

先ほど何回戦も交尾を繰り返した彼にとって、誘惑は意味を為さない。

漂ってくる甘ったるいフェロモンも、いい匂いであるが劣情がぶり返すほどではなかった。

この一か月で、太白は欲望の乗りこなし方が分かってきている。


「すまぬがこれから人と会う約束があるのじゃ。それが終わったら相手をしてやってもよい、が……」


「!♡♡!♡♡」


 予定を確かめつつ呟けば、すぐ表情を嬉しそうに変える鈴香。


「んん?しかし、そろそろ用意せねばならんことが……むむ……」


「……」


 だが雲行きが怪しくなるにつれ、また顔つきが落ち込む。


「すまぬが、今日は夜までお主の相手をできそうにないのぅ……」


「っ――」


「あっ、おい鈴香っ」


 そして暇がないことを告げると、遂に彼女はどこかへと走り去った。

境内近辺を覆うように張った結界から出てはいないようだが、鬱蒼と茂る木々の間に入ってしまって姿は見えない。


「はぁ……」


 以前にも、こうして「足りない」様子の鈴香を見たことはあった。

その時は偶然時間があって相手をすることができ、不満を解消してやることが出来たが、しかし今回は違う。


 元々性行為は、村人たちと憂いなく接するためのものなのだ。

先約が入っている今、応じてやることは出来ない。


 存外聞き分けも行儀もいい鈴香に悪いとは思うが、仕方ないと自分を納得させる。


 しばらくして身体の火照りが抜けきると、太白は服を着て、客を出迎えるため玄関へと向かった。







「それ~!」


 木々に囲まれた境内へ、大きく無邪気な掛け声が響き渡る。

声の主たる幼い少女は、弾んできた鞠をこちらへ蹴り返した。

身体を動かすこと自体への未熟さからくる、ぎこちなく大仰な動作が可愛らしい。


「おお、うまいぞ梅。ほれ!」


 少しだけ外れた方向へ転がってきた鞠を捉え、再度軽く送り返した。


 反応しとてとてと走る彼女、梅は紫苑村の子供だ。

その中でもかなり年若いほうで、つい最近勉強会に参加するようになったばかりなほど。

身長も太白より少し低いぐらいしかない。


「えいっ!」


 お転婆、天真爛漫といった言葉がいかにも似合う彼女を見ていると、心が洗われていくかのようだった。

先ほどまで肉欲を貪っていたことなど、綺麗さっぱり発散したこともあってすっかり意識の外にある。


 しかも愛嬌に溢れる梅は、自力で麓から神社までのやたら長い石段を登りきるほど、よく懐いてくれていた。

そうまでして貰って対応できないとあまりに申し訳ないため、いつも約束をしてから会っている。


「おお、そうじゃ梅」


「な~に~?」


 一度打ち合いを止め、手招きして呼ぶ。

駆け寄ってくる姿もまた愛らしい。


「少し前に忠蔵のやつから羊羹を貰っての、休憩がてら一緒に食べぬか?」


 言うと幼い顔はぱぁっと明るくなる。


「うんっ!」


 そうして二人は神社とは名ばかりな住居の、玄関脇にある縁側へ向かった。




「ん……うむ、やはり忠蔵の作る羊羹は美味いのぅ」


「おいし~!」


「それに――ふぅ、この茶ともよく合う。……飲んでみるか?」


「うん!」


「火傷せぬようにな」


「は~い……」


 湯呑を渡すと、梅は言った通り頬を膨らませながら息を吹きかけて中身を冷ましていく。

なんとも可愛らしい姿に目が吸い寄せられ、思わず笑みが零れた。


「……?」


「あぁすまぬ。梅がかわいくての」


「えへへ~。梅かわいい?」


「うむ。……ところで、最近村で変わったことは無いかの?」


 頭を撫でつつなんとなく聞けば、少女は思案し始める。

やがて思い至ることはなかったようで、こちらへ視線を戻した。


「なかった!」


「そうかそうか。ということは、梅の家族もみんな元気なのじゃな?」


「うん!おとうさんもおかあさんも、おばあちゃんもみんな元気だよ!」


「それは重畳じゃ。みなが元気だとわしも嬉しいのぅ」


「うめがげんきなのは~?」


「あぁ、もちろん嬉しいぞ」


「えへ~」


 紫苑村の人々がくれるあまりにも穏やかで、落ち着いた日々。

太白はこの日常が続く、続かせていくためならばどんなことでもすると改めて心に誓った。




「では、気を付けて帰るのじゃぞ、梅」


「うん!たいはくさま!またらいしゅーね!」


「うむ」


 やがて太陽が頭上まで昇りかけた頃、梅との時間は終わりを告げようとしていた。

次会う予定も立て、あとは見送るだけだ。


「それじゃあ、ばいば~い」


「あぁ、またの」


 手を振られ、背中を向けられる。


「む……?」


 その刹那、背後から鈴香の気配がした。


「っ……」


 何故、と思い後ろを振り返ろうとした時、すぐ横をもの凄い速さで通過していく。


「きゃっ」


 すぐ聞こえた少女の悲鳴に、正面へと視線を戻す。


「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 そこでは、全裸の猫型亜人が、発情しきった様子で幼い少女を押し倒し今にも犯さんとしていた。

周囲には我慢汁の青臭い香りや、甘ったるいフェロモンが漂い始める。


「……おい、鈴香」


 声をかけるも反応は無い。

怒りに囚われないようあくまで冷静に、極大の神性を掌に集めて圧縮する。


「その子から離れるのじゃ」


 力は時空間を歪め、周囲に稲妻と眩い光を走らせていく。

だが鈴香はそれが目に入らないようで、梅の衣服に手をかけた。

愛嬌のある小さな瞳は怯えきり、じわりと涙が湧きだしてきている。


「二度は言わぬ」


 自分でも意外なくらい重たい音が喉から出て行く。


「――ひっ……」


 するとようやく、大きないたずらっぽい目がこちらを見た。

亜人はすぐさまぞわりと毛や尻尾を逆立て、表情は少女以上の恐怖におののく。


 そして、脱兎のごとく神社の方へと駆け出していった。

不要になった力を体内へと戻し、泣くのをこらえている梅の元へと駆け寄り助け起こす。


「たいはくさまぁ……」


「おおよしよし、怖かったのぅ」


 抱き着いてくる彼女をあやしつつ、軽く打っただろう背中へ治癒術をかけていく。

小さな自分よりもさらに小さな身体は未だ震え、強くしがみついてくる。


「急にびっくりしたのぅ。痛いところはないか?」


「んっ――うん、だいじょぶ……」


 だが言葉をかけ頭を撫でてやれば、やがては落ち着いていった。

白衣に皺ができそうなほど掴んでいた手は緩み、顔がこちらを向く。

まぶたがうっすらと赤らんではいるが、本人が言った通り大丈夫そうだ。


「おお、えらいのぅ梅。――お主を泣かせたあやつにはきちんと言い含めておくからの」


 腹の底で煮え滾る怒りをなるべく出さないよう、気にしつつ言葉を紡ぐ。

怯えられていないところを見るに、どうにか本心は隠せたようだった。


「……たいはくさま」


「なんじゃ?」


「あの人、だぁれ?」


「むっ……」


 だが、想定していなかった問いかけに今度はぎくりとさせられてしまう。

まさかまだ幼い梅に「本当の事」を告げるわけにもいかないし、かといってどうごまかせばいいだろうかと考えあぐねる。

そうこう思案しているうちに、強かった感情は冷や水でもかけられたみたく落ち着いていく。


「たいはくさま?」


「う、うむ……」


 無邪気な視線が痛い。

どこか浅ましい本性を見透かされているかのようで、罪悪感まで湧いてくる。


「あ、あやつはわしの友達でな。いたずら好きなやつじゃから梅を少し驚かせたかっただけなのじゃろう」


 やがて太白はこの状況から逃げだしたくて、咄嗟に思いついた嘘をついてしまった。


「じゃが繊細でもあっての。そなたを怯えさせたのが申し訳なくて隠れてしまったようじゃ」


 襲った時の興奮した様子からして、そんなことはまずあり得なかったが、どうしても他に思いつかない。

詰められれば簡単にバレてしまう苦しい言い訳だ。


「ふぅん、そっかぁ……」


「あぁ……」


 やはり怪訝に思ったのか、彼女は少し考え込んでしまう。

しかしやがて、明るい顔で再度こちらを見上げた。


「じゃあたいはくさま!あの人のこと、怒らないであげてね!」


「へ……?」


 何とか納得してもらえて安堵するより先に、意外な答えに対して気の抜けた声が出る。

隠せていたはずの怒りが悟られている事にも驚いてしまう。


「だってあの人、うめとともだちになりたかったんでしょ?でもうめびっくりしすぎて、泣きそうになっちゃったし……」


「……」


 幼さゆえか、それとも元々そう言う性質なのか、あまりの優しさに言葉も出なかった。

同時に、怒りを向けるべきは本当に鈴香だけなのだろうか、という疑問さえも浮かぶ。

何せ自分は、経験して分かっていたはずの、苛立たしさすらあるあの欲求不満をないがしろにしたのだ。

原因を作った張本人であるとはいえ、言わば共生関係である相手に対して。


「うめもあの人とともだちになってみたいなぁっておもうし……」


「――うむ。分かった。それならばあやつに梅の事を紹介しておくよ」


 再度深く考えてから、反省も兼ねて梅と約束をする。


「ほんと?」


「あぁ、必ずじゃ」


「やったぁ!」


 そして、思いを無下にしないよう誓う。


「では、わしからも一つ約束してほしいことがあるのじゃが……」


「なぁに?」


「あやつはかなり恥ずかしがりでもあるのでな、村の者たちには内緒にしてくれぬか?」


 さらにもう一つ、混乱を招きかねない猫型亜人の存在がバレないよう、約束を持ちかけた。


「……おとうさんとおかあさんにも?」


「――あぁ、そうじゃな。そうしてもらえると助かる」


「……うん。わかった!やくそくする!」


「おぉ、ありがとうな。梅は本当に優しくていい子じゃなぁ」


「えへへ~」


 それを理解してくれたことに安堵と感謝をしつつ、慈しむようにまた頭を撫でる。


 先ほどこみ上げていた怒りは、事が丸く収まったため、そして彼女の優しさのおかげですっかりと消え去っていた。

それこそ、鈴香を許してやってもいいと考えるほどに。


 あの様子からして、性欲が暴走してしまったのだろう。

朝、もしくは昼に相手をすると言っていれば、そもそもこんなことにはならなかったかもしれない。

つまり、自分にも落ち度があるのだ。

太白はこの後すべき行動を頭の中で纏めた。


「では、梅の父と母が心配するといかんからの。そろそろ帰った方がいいじゃろう」


「あ、そうだね!」


「あぁ、ではまたな、梅」


「は~い!またね、たいはくさま!」


 そうして改めて梅を見送る。

少し土がついた着物を着る背中は、今までよりもずっと大きく思えた。







「ここに居たか」


「ひっ……」


 神社の中を探していると、寝室の隅にぺたりと力なく座り、耳まで俯いている相変わらず全裸の鈴香を発見した。

先ほどの殺気で怯えているのか、こちらに気づいた瞬間びくりと身体を震わせる。

視線が合うが、すぐ逸れてばつが悪そうな沈んだ表情へと変わった。

かなり反省、もしくは後悔していることが伝わってくる。


「むぅ……」


 どう声をかけてやるべきか悩む。

思う所があり、梅にもああ言われた手前怒る気は毛頭ないが、こうして怯え切っている彼女には何をするのが正解だろうか。


 少し思案し、やがて一つの結論に辿り着いた。


「鈴香、すまなかった」


「っ……?」


 頭を下げ、心から謝罪の言葉を吐き出す。

しっかりと思いを伝えるように、数秒待ってから顔を上げた。


「朝、予定があるとはいえお主を蔑ろにしすぎてしまったの」


 段々と猫耳が、顔がこちらを向いていく。

少し気恥ずかしいが、口は止めない。


「わしの事情ばかりを押し付けてしまった。お主の事を考えもせずに」


 やや垂れ下がり慈悲を請うようだったまぶたがしっかりと開かれる。


「じゃから、許してほしい。これからは……そうじゃな、催したらわしに言ってくれ。なるべく相手をしよう。予定を縫ってでもな」


「……」


 少し前強烈な殺意を向けてきた相手からの意外な行動に、鈴香は困惑しているようだった。

渦巻く感情を表出するみたく、目線は忙しなく動く。

だが、やがて真っ直ぐに交差した。


「にゃぁ……」


「ん」


 そして四つん這いで近寄ってきて、太もも辺りへ頭からじゃれついてくる。

行為の時あれほど苛烈に自分を喘がせてくる彼女が、今ばかりは可愛らしく見えた。

手ずから整えた艶々の銀髪は柔らかくて、袴越しであっても心地よい。

さらに、閉じ込められていた甘ったるい体臭が解放され、鼻先まで立ち昇ってきた。


「う……♡」


 触れているのが腰の辺りというのもあって、少しずつ身体が悩ましい熱を帯びていく。

知ってか知らずか、猫の女は首筋から肩、腕と当てる場所を変えた。

もっちりとした肌の感触が微かに伝わり、朝の、これまで何度も繰り返してきた情事の記憶を呼び起こす。


 当然のように小さな陰茎は勃起し、赤い布を内側から押し上げていった。


「!……♡♡」


「っ♡♡鈴香っ」


 顔を上げ、その様子に気づく彼女。

落ち込んでいた瞳にはいやらしい炎が灯る。


 「行き違いによる喧嘩」の後、行為に及ぶのは流石にはしたなすぎると思い制止した。


「はぁっ♡♡」


 だがすぐさま朱に染まり始めている左手が回り込むように尻へと伸ばされ、優しく撫でられる。

尻尾は自然と持ち上がり、触れられやすいようスペースを作っていく。

広がるのはうっすらとした、しかし腹の底から湧き上がるような心地好い感覚だった。

股間はより硬さを増していき、同様に乳頭も、ふんわりと身を包む白衣に擦れていく。


「くひひ♡♡」


「あっ♡♡まてっ♡♡鈴香っ♡♡」


 続けて左の尻たぶへ頬ずりされる。

見ずとも分かるほど、愛おしむ様な動作だ。

理性をうっとりと蕩かしていく愛撫に、このまま身を任せてしまおうという考えが鎌首をもたげていく。


 そういえば、この後「やっておきたい事」はあっても「今すぐやらなければいけないこと」は無かったと気づいてしまう。


「んれぇ♡♡」


「ひゃぁっ♡♡」


 熱く濡れた物体が布越しに臀部を這った。

同時にとんとんと指が食い込み、弾力のある感触を愉しまれる。

太白の尻はこの一か月間で、その細かった身にいくらかの媚肉をこさえていた。

これまで何度も何度も鈴香に揉まれている。


「んぅ……♡♡」


 そして尻穴は挿入をしやすくするためか、粘り気のある愛液に似た汁を分泌するようにもなっていた。

二つの山の谷間が、じっとりとした湿り気を帯びてくのが分かる。


「すん♡♡すん♡♡」


「かぐなぁ……♡♡」


 彼女はその汁の匂いがお気に入りらしく、いつもこうして嗅がれてしまう。

前戯の後たっぷりと指に付いたそれを嗅がされたことがあるが、クラクラするほど淫猥な甘酸っぱいメスの香りだったことを覚えている。


「ちゅっ♡♡」


「ふあぁ……♡♡」


 続けて双丘の頂点へキスされると、全身の力が少しずつ抜けていく。

太腿へ向かったまさぐりも相まって、自然と肉体は主導権を委ね始めた。

内股になり、当たった膝の辺りがいやらしく擦り合う。


 まだじゃれつきが責めへと変化して殆ど時間は経っていない。

しかも、つい数刻前に性欲を全て発散したばかりだ。

だというのにあっさりと発情する自分に、ここまではしたなかったのかと思う。


「ん……♡♡」


「んにゃぁ……♡♡」


 だが、スイッチが入ってしまっては止まらない。

更なる交わりをねだるように、左手で鈴香の後頭部を愛おし気にさする。

すると唇の接触はより熱を増し、彼女の桃のように大きく膨らんだ下半身は機嫌よさげに揺れた。

折り返す時、たっぷりとついた肉は重たげに遅れ、ぷるんと一度大きく弾んでから微細な振動を繰り返す。

以降媚臀は絶えず柔らかそうにいやらしく震え、視線を奪う。


 そんな光景を見ていると、やがて口寂しくなってきた。

膝と似たように上下で擦り合ってどうにか紛らわすが、全くもって物足りない。


「すずかぁ……♡♡」


 名前を呼びつつ亜人の頭を上へ軽く引っぱれば、意図が伝わったようで正面へ移動し近づいてくる。


「ぁ……♡♡♡」


「ひひっ……♡♡」


 やがて視界に入り、膝立ちしているようで同じ高さで止まるいたずらっぽい笑みを浮かべた顔。

しかし目元や口元と言ったパーツはサーモンピンクに染まり、悩ましい湿り気に満ち満ちている。

おまけに眉毛まで垂れ下がり、ぞっとするほど淫蕩な表情をしていた。


 恐怖や怒りといった強い感情が全て劣情へ変換され、ひどい熱となって互いの肉体を渦巻いていく。


「ちゅっ♡♡」


「んっ♡♡」


 一度、どちらともなく粘膜を重ねる。

味がするわけもないのにひたすら甘く、ぼぅっと思考が陶酔した。


 もっとシたくて首を前に出すが、鈴香は引いて逃げる。


「うぅ……♡♡」


「――♡♡ちゅっ♡♡♡」


「んむっ♡♡♡」


 そして我慢できなくなってきたところで口付けが襲う。

もっちりと優雅な触り心地に、意識が薄桃色で覆われた。

緩やかな幸福感が胸に充填されていく。

逃がしたくなくて、後頭部に手を回す。


 すると口付けはべっとりと押し付け、きつく吸い付きながら離れるものに変化した。

奥にある歯すら感じるほど互いが貪り、絶対に離したくないとばかりに口元が伸びつつも最後には破裂する。

誰のものとも知れない荒い息遣いと淫靡な水音だけが、やたら大きく寝室に木霊していた。


「んぇ♡♡」


「うひひっ♡♡」


 少しすると太白から口元を舐め、合図をする。


「んぇ~♡♡♡」


 すると空中で舌を絡め合う下品なピクニックキスが始まった。

口腔に吸収されていないナマの、はしたなくていやらしい音色が響きだす。

脳の奥深くまで浸食するかのようだ。

しかも粘っこく行き違わせると、ざらつきにやすられる快楽も合わさる。


「……♡♡」


 さらに、少し距離が離れているため目線はずっと交差していた。

向けられているのはやたらと粘り気に富んだ、彼女の精液みたいな視線だ。

肉々しい劣情と濃い愛欲に塗れ、全く物理的な刺激でないのに感じればひどく発情させられてしまう。


「んふぅ……♡♡」


 軽く潤んだ大きな瞳に写るのは、目尻を重たく垂れ下げた自分の顔。

誰がどう見てもすけべなメスだと思う様な、あられもない姿だった。

「オス」をぶつけられ、チンポをぶちこまれるのを今か今かと待っている。


「ふあっ♡♡」


 長ベロはそんなエロメスの粘膜を舐り回す。

上下左右から、触感と味を余すところなく愉しんでいく。

太白は、何もできずなすがままになっていった。

時折よだれが滴り落ちては音を鳴らす。

甘臭い香りが、鼻腔の奥底までを犯していく。


「あ……♡♡」


 そんな舌交尾が継続されたまま、腰紐の結び目に手がかけられた。

手慣れた様子で解かれていき、続けて白衣もあっさりと脱がされ、生まれたままの姿にされる。


「んっ♡♡」


 すぐさま抱き寄せられて裸体同士が、唇同士がきつく密着し合う。

鈴香の肌は早くも汗ばんでしっとりしており、吸い付くようだ。

乳頭は硬く勃起しており、胸下に当たってくすぐってくる。


 対してこちらの乳首は彼女のデコルテに当たって潰れた。

指で弄られるのを求めて、先ほどからじんじんしている。


「……♡♡♡」


 そして、股間からへそ周辺までぎちぎちに押し付けられている巨大な魔羅。

自分のモノと比べるまでも無い大きさのそれは、持ち主の肉体よりもずっと熱く、滑りのある汁でべとべとに汚れている。

こうしているだけで、腹筋を隔てて体内にある性器が恋でもしているみたいに疼く。


 少しでも感触を愉しみたくて、全身を揺らし擦った。

するとやたらと粘っこい音が二人の間から聞こえ、「私も早くえっちしたい」とでも言いたげな強い震えを肉棒から感じる。

縦の痙攣は、少しでもナカへ近づこうとしているかのようだ。

嗅ぎ慣れた、だがクセになってしまっているカウパーの濃厚な臭気が、これから起こる倒錯的な行為への期待感を募らせていく。


「んぅっ♡♡♡」


「ぇ~~っ♡♡♡んくっ♡♡♡んくっ♡♡♡」


 やがてぬめった蛇のような肉が口内へ侵入し、順々に内部をなぞる。

歯列、上あご、頬、下あごと愛撫しつつ中のよだれが啜られ、わざと喉を鳴らして嚥下されていった。

体液を吸い上げられ、心の底から愉しげに堪能されるという被支配的な官能で、仄暗い甘さが心を犯す。


「んじゅ♡♡♡ぢゅ♡♡♡」


「んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 筋肉が解され開きっぱなしになると、荒い動きで今度は鈴香のよだれが流し込まれてくる。

舌を使って奥へ押し込まれるのを素直に飲めば、すぐさま全身は更なる熱に浸されて、前立腺が疼いて堪らない。

だがよほど難しいのかかなりの量が零れていき、ぴったりくっついた互いの胸元をぐちゃぐちゃにしていく。

体内で生成されただけあって、液体はひどく熱かった。

乳首に当たると、淫猥なむず痒さでより充血した硬く大きい突起に育ってしまう。


「んふぅぅっ……♡♡♡」


 そこで、右腕による抱きしめは維持されたまま、左手の人差し指が背筋を撫でた。

脊髄をくすぐられたかのような性感がこみ上げ、上体は仰け反る。

亜人は追いかけて来て、粘っこいキスを続行した。

後ろへ倒れてしまいそうな姿勢のまま支えられ、強く深く愛されていく。


 まるで華奢かつか弱い女になった気分だ。

どうにも甘美で、一瞬強張った全身は全てを委ねるように力が抜けていく。


「っ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 彼女の手は、縦横無尽に少年の肌を撫で回している。

慈しむような、しかし確かに性欲の滲んだいやらしい手つきだ。

上半身よりもずっと長い時間、肉づきが良くて柔らかい下半身が堪能される。


 内ももは手が這うと重たい性感が腰に溜まっていく。

先ほどは触れなかった生尻が好色な動きで愉しまれる時、明らかに噴きかかる鼻息が荒い。

あまつさえ睾丸やペニスまで可愛がられた。


 だというのに後孔へは近づく気配すら無い。

もどかしさと不満、そしてじれったさで脚が思わず卑猥に擦り合う。


「あっ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 その瞬間キスが終わり、同時に抱き上げられた。

地面へ足が付かないことに一瞬不安を覚えるが、再度左腕が背中に回されるとまるで無くなる。

むしろ、次は何をしてくれるのだろうという期待だけが徐々に高まっていく。


 互いにじっとり見つめ合うと、なんとなく精神的な繋がりを感じた。

裸体と「恥ずかしい姿」を既にさらけ出しているからかは分からないが、心が温かくなっていく。


「ん……♡♡♡」


 そんな信頼に応じてか、目を合わせたまま捧げるような優しさで布団の上に寝かされる。

続けて四つん這いで目線を合わせて覆いかぶさってくる鈴香。


 相変わらず異常なまでに整った容姿だ。

肌はしみの無い均一な乳白色で、しかも瑞々しくて陽光を照り返す。

そこに長いまつ毛で彩られたアーモンド型のまぶたがあり、とても愛らしい。

いつもであれば憎たらしくいたずらっぽく笑う桃色の唇も、可憐な印象を底上げしている。


 だがそれらが赤らみ、劣情でぐずつくとひどく色っぽい。

朱色に染まる肌は、美しくも本人の興奮を痛いほど表している。

うっとりと上まぶたの落ちた目元も、向けられる激しい劣情から後に控える交尾を想起させて仕方がなかった。


 彼女は、太白の胸元へ頭を埋めていく。


「ひゃ♡♡♡」


 そのまま右乳首の周辺が舐められ始めた。

尖った舌先が筆みたいに使われ、こそばゆい刺激が与えられる。

少し乾き始め濃厚な媚香を放っていた唾液が再度塗られていく。


 微細な反応も逃さないとでも言いたげに、熱い視線は交差したままだ。

表情の変化を観察される事実に羞恥を煽られるが、だが同時に観察されたくもある。

はしたない自分をいっぱい見てほしい。そういった考えが頭にあった。


「んっ♡♡♡」


 時折れろりという比較的強い動作が襲うと、自然にまぶたが細まり甘ったるい声が漏れ出す。

すると亜人は愉しげに大きな猫目を細める。


 実際に痴態への応答があると顔を隠したくなるが、視姦されるのはそれ以上に気持ちがいい。

腹の底へ、直接的な快楽とは違う被虐的で幸せな感情が溜まっていく。


 なにより、びくついたチンポが下腹部を打ち、よだれを垂らしてくるのがたまらない。

もっと「メス狐」で肉棒を膨らませてほしいと思ってしまう。


「すずかぁ……♡♡♡ふぁぁ……♡♡♡」


 意地悪くも熱の籠った責めが愛おしくて名前を呼ぶと、彼女は応じるようにベロを肌へくっつけたまま迫ってくる。

鎖骨、首筋、顎と焦らすみたくなぞられていき、全身が重たくぞわついた。


「んむっ♡♡♡」


 そうして惚けた吐息を吐き出す口にディープキスがなされる。

互いの気持ちを確かめ合う、緩慢でひたすらもったりとした密着だ。

引き摺られたよだれが泡立ちつつ小さな破裂音を鳴らす。


「んんんっ♡♡♡」


 さらに右の乳輪へ二本の指が這いまわる。

だが決して突起にだけは触れられない。

周囲だけを延々と、爪を立てずにゆっくり引っ掻かれ続ける。

煮え切らない刺激は全身を小刻みに震えさせていく。


 そんなことをされればひどく意識が集中した。

摘ままれこりこりと弄ばれたり、ぴんぴんと弾かれたり、指の腹でなでなでをされたり、とここ一か月の記憶が鮮明に蘇る。

敏感な性感帯として育ちきった乳首を、めちゃくちゃに弄ばれたくて仕方がない。


「ぷはっ♡♡♡……♡♡♡」


「うぅ……♡♡♡」


 しかしやがて鈴香の頭が離れる時まで、愛撫どころか触れられる気配すら無かった。

潤んだ瞳で見つめても、上気しきった愉しげな表情で返されるだけ。

これからしばらく、まな板の鯉みたく意のままに跳ねさせられ、出来上がるまで調理されていくしかないのだと悟る。


 それはもどかしくも、あまりに甘美な事実だった。

勝手に口元がにへらとはしたなくにやつく。

そうした浅ましい姿が視姦されているのすらたまらない。


「あぁっ♡♡♡」


 口交尾を終え、指先での意地悪も終わりにして美少年の裸体を下りていく蕩けた美しい顔。

今度はなだらかな左の丘へと到達し、乳頭の直上数センチで尖った粘膜を固定する。

当然、重力に従って少しずつ唾液が滴っていく。

このまま行けば卑しい突起へ雫が垂れるのは、誰の目にも明らかだった。

視線が釘付けになる。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 穢れ無い赤紫の舌はとてもいやらしい。

ただでさえ肉々しいのに、纏っている粘液も相まって触手や、ともすれば我慢汁でべとべとになった亀頭を思わせる。

光を照り返して煌めく姿に、あまりにも「性」を意識してしまう。

しかもあれが縦横無尽に蠢くのだ。

全身が濡れそぼるまで這い回られたいという思いが鎌首をもたげていく。


 そうしていると、糸を引きながら亜人の媚毒が落ちた。


「んっ♡♡♡んぅっ……♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 真っ赤に充血した小高い山の頂上が濡れ、流れて麓までが覆われる。

瞬間弱くも与えられた刺激に乳首は悦んでひくつき、しかしやはり足りなくて耐えがたい疼きを生む。


「なめてっ♡♡♡なめてくれぇっ♡♡♡」


 自然と言葉が口をついて出るほど責められたかった。

今たった一舐めさえしてもらえれば、それで満足できる。

胸元はねだるように持ち上がっていく。


「ふぅ~♡♡♡」


「ひぁぁぁっ……♡♡♡」


 だが接触はなく、彼女からは湿っぽい吐息が与えられるだけ。

冷たい空気がぞくぞくした心地を広げていく。

全身はぐっと力が入りつつ細かい痙攣を繰り返し、やがて脱力して荒い息をする。


 一度敷布団から離れ着地をした尻は、自身が愛液でぐちゅぐちゅになっていることに気づいた。

思えば先ほどから、オス臭い匂いに負けず劣らずの、自分が出したのだろう甘酸っぱい濃厚なメス臭が周囲に漂っている。

はしたなくて、恥ずかしくて、気持ちいい。

早くしつこいくらい視姦されたくて、淫乱な性器がひくついてしまう。


「んぇ~♡♡♡」


「っぁ……♡♡♡」


 すると太白の気持ちを知ってか、鈴香はまた舌先を這わせつつ左の脇腹を下っていく。

じんわりと脳髄を痺れさせるような心地だ。

いつもなら少し感じる程度だが、長い前戯によって敏感になりすぎている身体は意識までも蕩かす。

唇が切なげに震え、快楽をくまなく受け容れようと肉体はぐったりする。


「んふぅ……♡♡♡」


 さらに反対側の脇腹が指でなぞられていった。

ひくついて反応するくびれた腹筋に、痛いくらいの視線が刺さっている。

彼女はひどく愉しげだ。

目尻は垂れ下がり、逆に赤らんだ口角は吊り上がる。


「ひひ……♡♡♡」


「っはぁ♡♡♡だめじゃっ♡♡♡なんどもぉっ……♡♡♡」


 そこへの愛撫が気に入ったのか、何度か繰り返された。

しかも毎回触れるか触れないかの位置で行われ、慣れることを許してくれない。

不快かつ甘ったるく幸せな熱が腹の底へ溜め込まされていく。

「出来上がっていく」肉体には、やたらべとついた汗が滲む。


「ふぅぅっ……♡♡♡」


 やがて満足したのか、鈴香は相変わらずベロをくっつけたまま骨盤の外縁を通り鼠径部中央へ向かった。

よだれの筋が鎖骨からずっと繋がっており、犯された証として外から差し込む柔らかい光を照り返している。


「……♡♡♡」


 そして、鈴香は一度舐めるのをやめ、太白の精いっぱい勃起する包茎ペニス、その真上に到達した。

にんまりとした意味ありげな笑みを浮かべ、更なる肥大化を煽る。

健康な男性器であれば、美女にされれば血が大量に充填されはちきれそうにさえなる行動だ。


 しかしここ一か月で少し機能の衰えたそれは、天を向かずただ腹に寝そべっていた。

唯一ぴくぴくと可愛らしく震え、先端から少し我慢汁を吐き出すだけだ。


「うぅ……♡♡♡」


 神である彼にとって性別の意識は薄いはずだが、その光景はかなり恥ずかしい。

男性機能に優れた彼女と一緒に居て、何度も交尾を繰り返していると、否が応でも意識してしまうのだ。

自分が「メス」で、彼女が「オス」なのだと。

自分の小さなモノは、オス失格とすら言える代物なのだと。


 どろりとした深く根深い感情が、心の中で蠢く。

だらしのない卑しい顔を晒してしまう。


「あ~む♡♡♡」


「うぁっ♡♡♡」


「ん~♡♡♡むぐ♡♡♡」


「んぁぁっ♡♡♡したがぁっ……♡♡♡」


 そうした美少年の姿をしばらく愉しんだ後、亜人は直下にあった弱弱しい肉棒を咥えた。

続けて口内で舌を無秩序にうねらせ、異物を虐める。


 ひどく興奮した性感帯へするには、あまりに苛烈な刺激だった。

思いもよらない方向から厚ぼったくぬめる肉がぶつかり、念入りに擦っていく。

くぐもった粘着質な水音が耳だけでなく全身を犯す。

溢れ出した液体で無毛の根本が濡れそぼっていくのもひどくいやらしい。


 何よりも鈴香にペニスをしゃぶられているという光景自体がとても淫靡だった。

奉仕であり責めでもある愛撫へ釘付けになる。

さらにここ最近はずっと後ろの方ばかりで交尾していたため、前への刺激に慣れていない。


 反射的に逃げようとする腰は、しかしがっちりと手で床へ押さえつけられていた。


「うぁぁ♡♡♡まきついてぇ……♡♡♡」


 激しいだけかと思えば、今度は満遍なく触手が巻き付いてから止まる。

すると身じろぎで緩く擦れる程度の、まろやかな快楽が広がっていく。


 自然とぼんやりしていく表情は、またじっとりした目が視姦してきていた。

動きに意識を割かなくていい分見ることに集中できるのだろう、これまでよりも多くの感情が読み取れる。

それは「愉しい」「もっと犯したい」といった嗜虐的なものだけでなく、「かわいい」「気持ちよくしてあげたい」という甘いものもあった。


「すずかぁっ……♡♡♡はっ♡♡♡あふっ♡♡♡もっとぉっ……♡♡♡」


「むふ~っ♡♡♡」


 ならば、と媚び声で更なる刺激をねだれば、満足げな鼻息が下腹部にかかる。


「あぁぁっ♡♡♡いいっ♡♡♡」


 そして、空気を抜き頬をへこませながらの貪欲なピストンが開始された。

ベロは先ほどまでよりも隙間なくペニスへ密着しつつ、とぐろを巻くことによって出来た複数の段差でカリや裏筋を何度も擦っていく。

しかも一度目の往復で包皮が全て剥かれ、法悦はより情け容赦のないものとなる。

一瞬で腰がぞわつき、ひくつくほどの苛烈なバキュームフェラだった。

よだれが空気と混ぜられて響くじゅぷ、ぐじゅ、ぬち、という音が下品に、かつ淫らに動作を飾り立てる。

性欲を低俗にくすぐる匂いが褥へと充満していく。


「ふぅぅっ♡♡♡すぐクるぅっ♡♡♡のじゃぁっ♡♡♡」


 亀頭まで光沢が出そうなほど磨かれ、これまで散々焦らされたのもあって、早くも射精感がこみ上げてきていた。

メスイキとはまた違う甘美な心地に思考力は著しく低下し、頭は浅ましくも気持ちよく白濁を放出することしか考えられない。

惚けながらただただ思うまま喘ぐ。


「んひぃっ♡♡♡ちくびぃっ♡♡♡♡きたぁっ♡♡♡」


 すると、気づけば伸びてきていた手によって乳首が摘ままれ、そのまま捏ねられだした。

強烈な快感が男性器の快感と結びつき、大きく膨らませていく。

待ちわびていた淫乱な突起への責めに、全身は歓喜に大きく震える。


 幸せすぎて、どうにかなってしまいそうだ。

きっと今、ひどく情けない顔をしてしまっている。

だが、そうして繕うことの無いあられもない姿をさらけ出している事に、何とも言えない好い感情を覚えた。

神としての自分ではなく、「太白」という存在ごとを肯定されているような気がする。


「あぁぁぁ……♡♡♡イくぅ……♡♡♡でるのじゃぁ……♡♡♡すずかっ♡♡♡すずかぁっ……♡♡♡」


「んっ♡♡♡んぶっ♡♡♡んっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 やがて、砲身には濃い粘液が充填されていき、じわじわと昇りつめていく。

サオは切なげに脈打ち、先端は肥大化して放出の準備をする。


「っ♡♡♡でるっ♡♡♡でるぅっ♡♡♡――♡♡♡♡♡」


「ん……♡♡♡♡んひひ♡♡♡」


 最後の瞬間、ペニスは長い舌で何重にも包まれぬかるみのような暖かさに浸された。

応じ、中出しするかのように、火照った粘膜へ向けて尿道口から汁が迸っていく。


 ともすれば、後孔での絶頂に匹敵するぐらい気持ちがいい。

出す悦びを肉体が、オスの部分がひたすら享受する。

噴き出していく精液は自慰の時よりも明らかに数倍は多く、時間も同じほど長かった。





「むふ~♡♡♡」


「うぁぁっ……♡♡♡」


 視線の先に居る鈴香が、柔らかくなり始めたペニスへ唇をきつく纏わりつかせながら抜いていく。

白濁は、射精が始まってから一滴たりとも零れていなかった。

つまり彼女の口内には恐らくまだ、快楽の証が全て残っているのだ。


 未だ敏感なモノは、摩擦による強烈な刺激とその事実で尿道内にある残り汁を余さず吐き出す。


 やがてちゅぽんと音を鳴らして、皮が剥かれ桃色の光沢を放つ亀頭までが口外へと出た。

すぐさま太白の下腹部へと倒れ伏す。


「んひひ♡♡♡」


 亜人は硬く口を結んだまま、こちらへと這い上がってきた。


「んぇ~♡♡♡」


 そして胸元辺りまで来ると唇を開き、中にあるものを見せつけてくる。


「っ♡♡♡」


 口腔内には、記憶よりもかなり粘っこそうで、やや黄ばんだ精液がひしめいていた。

量も明らかに多い。

自分がどれだけ気持ちよくなったかを証明するみたいで、見ていると先ほどの絶頂がうっすらと呼び起こされてくる。


「れろ♡♡♡んぅ♡♡♡」


 さらに、長い舌が泳ぎそれらを掻き混ぜ弄び始めた。

もったりしていた粘液はよだれを含んで徐々に水っぽくなり、泡立っていく。

あまりにも淫猥な光景に、ペニスが再度鎌首をもたげ始める。


 だが同時に、ふたなりチンポによる射精の凄まじさも脳裏に蘇ってきた。

口内程度では量が多すぎて受け止めきれない、本物の「オス」がする射精が。


「ふぁ……♡♡♡」


 後孔が前ばかり満足してずるいとばかりに、巨大な魔羅を咥えこみたくてひくひくと疼く。

目前で繰り広げられる淫技は最早、意識の外にあった。


「……♡♡♡んくっ♡♡♡んくっ♡♡♡」


 そんな太白に気づいてか、鈴香はさっさと精液を飲んでいく。

やがて終わると、ぬめり気を帯びる唇を「ごちそうさま」とでも言いたげに舐めずった。


 そしてすぐさまこちらへ尻を向け、位置を調整する。


「んっ♡♡♡」


 すると目と鼻の先にやってくる、我慢汁でべとべとに濡れ、勇ましく勃起しきった剛直の先端。

ピンクがかった紫色の肉塊は絶えずわなないて、そこに居るだけで太白を誘惑してくる。

堕落や爛れた生活を思わせる退廃的な色だ。

濡れていることでぬめりとしたいやらしい光沢を帯びている。


 さらにでっぷりと肉厚な身が持ち主の欲深さを表し、同時にメスを啼かせたいという強い意志も表す。

見ただけではおよそ人の肉体が受け容れられると思えないが、しかしどれほど素晴らしい逸物かは、経験した狐の神自身がよく分かっていた。

自然に湧き出してくるよだれを飲み込んで、喉がやけに大きな音を鳴らす。


「んむっ♡♡♡」


 期待へ応じるように、亀頭裏の谷間になっている部分が唇へと重たく乗っかってくる。

尿道で出っ張った竿の底面も鼻先へとくっついた。


 待ちわびた粘膜接触に、ひとまず深いキスを返す。


 そういえばこれまで、自分から彼女のモノに口をつけることなどなかった。

なぜならば、性感帯である尻穴以外で味わっても気持ちよくなるわけがないと思っていたからだ。

性欲を発散するという目的に、この行為はあまりそぐわない。


 だというのに今は、むしろチンポを堪能し、何より鈴香を悦ばせたいと感じていた。

そして実際やってみて、心には愛おしさや不思議な満足感が湧き上がってくる。

直接的な快楽があるわけではないが、かといって何も得られないわけでは無かった。

奉仕するのは愉しく、確かに気持ちいい。


 考えるままよりキスに熱を籠めれば、青臭く芳醇なオスの風味が口いっぱいに広がった。

しかも内側で今も煮え滾っている欲望に加え、弾力のある感触が伝わってくる。

跳ねて反応してくれるのが嬉しくて、何度も何度も水音を鳴らしながら吸い付く。


「すぅ~♡♡♡……♡♡♡」


 時折媚香を嗅いでは頭をぐずぐずに蕩かした。

朝、セックスの後水浴びしたにも関わらず、精液の仄甘い匂いはかなり残っている。

当然我慢汁の匂いも折り重なって相当にオス臭い。

一か月間大量に飲まされ続けたアナルが、まだまだ注いでほしくて貪欲な拡縮を繰り返す。


「くひひ♡♡♡」


 それに感づいてか、鈴香が脚を大きく開かせてくる。

恥ずかしいところが全て見えてしまう格好だ。

しかし内側に腕が置かれていて、もう閉じることが出来ない。

物欲しげなメス穴を視姦されつくしているのだと想像すると、ひくつきはもっと激しくなっていく。


「うぁぁ……♡♡♡」


 やがてそのふちが指の腹でなぞられ始める。

ゆっくり解し、皺をそれぞれ丹念に伸ばしていくような動きだった。

自身の尻たぶ中央がどんなカタチなのか、どこから色が変わっているのかを教え込まれていく。

後ろでの交尾を繰り返したことで、入口は一点に集中した窄まりではなく縦の線になってしまっているようだった。

しかもひどく濡れそぼっているせいで、ぬちぬちと常に卑猥な音が鳴る。


 ひどくもどかしくて全身が小刻みに痙攣し、口奉仕が続けられなくなった。


 反面興奮したオスマラは痙攣して唇に食い込んでくる。


「やっ♡♡♡よせっ♡♡♡」


 亜人はさらに、左右二本ずつの指でアナルを拡げていく。

括約筋が蕩かされているせいで、易々と内部が露わにされていってしまう。


「っ……♡♡♡」


「ひひひ……♡♡♡」


 少しすると、意地の悪い笑い声と共に動かなくなった。

それはつまり、しっかりと中が見えるようになったという事だ。

さらにどれだけひくつこうとも、しっかりと押さえられていて閉じない。


「んぇ~♡♡♡」


「ひぁっ♡♡♡」


 また肛門の周辺が、今度は舐められ始める。

愛液の味わいを愉しみつつ、いやらしい穴の姿をオカズにするためか、会陰側へ重点的に舌が這う。

度々ごくり、ごくりと喉の音がやたら大きく鳴らされた。

まるで、「お前の汁はうまいぞ」とでも言うかのように。


 襲い来る羞恥はあまりにも激しい。

脚を開けっぴろげにされた挙句、性器から溢れ出す恥ずかしい体液を飲まれている。

そしてあまつさえ体液が溢れ出す場所を、その溢れ出す様子を視姦されているのだ。


「――♡♡♡♡」


 気持ちよくて、顔がにやついてしまう。


「んれぇ♡♡♡」


「んっ♡♡♡くひっ♡♡♡」


 淫乱なメス狐はすぐ、口元にあるチンポへの奉仕を再開した。

ベロを亀頭の中心、窪んだところへ沿うように動かせば、エグ味のある我慢汁に少し精液の仄かな甘さが混じった味がする。

ひどくおいしくて、何度も何度も繰り返し堪能していく。


 同じように鈴香も、次から次へと出てくる愛汁を念入りに舐め回していた。

二匹のけだものによる性器の舐り合いは次第に熱を増していく。


「あふっ♡♡♡ん~っ♡♡♡」


 カリ裏へ舌を押し付けると、多少饐えた性臭が広がった。

へこんでいる故汚れが溜まりやすいのだろう。強烈な「オス」を感じさせる下品な香りに、しかし劣情は著しくそそられる。

おまけに味も濃い。粘膜がぴりぴりしてしまうほど、様々な粘液たちがいくつも折り重なっている。

その中には当然太白の甘酸っぱい汁も含まれていた。


 全くの無味になるまで時間をかけて綺麗にしていく。

というより、夢中になりすぎて他の場所へ向かう気にならない。


「はぁっ♡♡♡んべぇ~っ♡♡♡」


 対して肉マラの持ち主は、べっとりと粘着質に尻穴周辺をなぞっている。

ざらついた刺激によって、むず痒くも心地よい性感が全身へ広がっていた。

しかも媚薬唾液によって感度は段々と増していき、後に控える情事に向けて整っていく。


「ん♡♡♡……?」


 そうしているうちに、視界の上の方で揺れる丸っこい物が気になる。


「あ……♡♡♡ふふ♡♡♡」


 それは、重力によってやや垂れ下がった亜人の金玉だった。

浅黒い肌色の袋に包まれており、大男のこぶしぐらい大きい。

だがその割には表面がつるりとしていて、引き締まっており上品な印象すらある。

中で大量の精液を作り、溜めこんでいるかと思うと、思わず笑みが零れた。


「ん……♡♡♡」


「っ♡♡♡はふぅ~♡♡♡」


 舌奉仕は続けたまま手を伸ばして包み込むと、中々の重さが伝わってきてさらに時折蠢く。

同時に一瞬驚いたような、しかしすぐ気持ちよさげな鈴香の吐息が聞こえた。


「んぅ……♡♡♡」


 撫で回せば肉棒がびくついて反応し、彼女の豊満な腰も悩まし気に揺れる。

朱に色づいた肉が弾んでなんともいやらしい。

また、煮え滾った我慢汁が噴き出したようで、鎖骨からへそ辺りまでかかった。

新鮮なものを飲みたくて、ベロを尿道口へと移動させる。

傍から見れば相当にはしたない恰好だ。


「んふ……♡♡♡んくっ♡♡♡はぁ……♡♡♡」


 そのままほんの軽く睾丸を揉むと、思った通り体液は発射され口内へと伝ってくる。

所々へ絡みつく粘り気の強いそれらを纏め、転がせば、濃厚なエグ味と苦みでかなり不味くて美味い。

やがて飲み込むと、身体の中をオスの熱が満たしていく。

精液も同じように欲しい、という考えが浮かびつつ、火照った息を吐き出す。


「んぁ……♡♡♡」


 すると、開かれっぱなしだった肛門が閉じられたのが分かる。


「んぉっ♡♡♡」


 そしてすぐさま、指が一本だけ、極めてゆっくりと挿入され始めた。

既にぐちゃぐちゃかつとろとろだったそこは、全く抵抗なく異物を受け容れていく。

ずっと焦らしを耐え続けただけあって、悦びはひとしおだ。

責めですらない動きに緩やかな多幸感が広がり、暖かい布団で包み込まれているような心地になる。

恍惚としながら、動きを止めて集中した。


 小さな水音が絶えず響き、呼吸する度間近にあるチンポの臭気が頭を犯す。

少しずつ少しずつ、身体の中で一番弱い場所へと這い寄られていく。


「あっ♡♡♡♡」


 そうして期待に胸を膨らませているとやがて、先端が前立腺へと食い込んだ。

同時に異様なほど甘ったるく確かな感覚が、腹の底から手足の先へと伝播していく。

紛れもないメスの快楽だった。

肉体は嬉しさに打ち震え、何度かびくつく。


「あぁっ♡♡♡はンっ……♡♡♡んぅっ♡♡♡」


 愛撫の好さを全身で表現する太白へ応じるみたく、鈴香は一秒に一度の頻度で圧迫しだした。

あくまで優しく強すぎず、しかし弱すぎて気持ちよくない、とならない絶妙な力加減で。


 押し込まれる度四肢のいずれかが跳ね、肺から熱っぽい空気が昇ってきて喉から出る。

普段のような激しさは無くとも、じっくりじわじわと高まっていくのが気持ちいい。

節々まで滲み、深く沁み渡っていく性感に意識が陶酔していく。


「ちゅっ♡♡♡んぇ♡♡♡」


 しかも目前には怒張しきった魔羅。

先ほどからよだれを絶えず垂らしていたため、かなり舐め取ったにも関わらずまだまだ濡れそぼっている。

唇で、舌で触り心地や味わいを愉しめば、更なる興奮に満たされていく。


 特にカリが好みで、やはり高い段差がたまらない。

いつもナカを掻き回してくれる部分へ感謝を示すように、熱っぽい仕草で責める。


「ふぁ……♡♡♡それっ、すきじゃぁ……♡♡♡」


「くひひ……♡♡♡」


 するとGスポットへ、指の腹をくっつけたまま撫でるような摩擦が行われた。

食い込まれる時とは違う溢れ出すような官能に、甘く惚けた声と喘ぎが漏れ出す。

自分からも腰を揺すって擦りつけると、より快感が増した。


「んぁぁ……♡♡♡たまらぬぅ……♡♡♡」


 時間をかけのんびりとした行為はただただ幸せだ。


 それは、神として紫苑村の人々を癒し恵みを与え、感謝や笑顔を貰う幸せとはまた異なるものだった。


 退廃的ではあるが、神ではなく「太白」という個人としての幸福だと感じる。

こうして鈴香と乱れ爛れた生活をするのも悪くない、むしろ良い、と思う。

愛おしいが重たくもある責任を一時的に忘れ、安心し全てを曝け出すための場として、この時間は必要な気がする。


「っあ……♡♡♡」


 そう思案をしているうちに、限界はかなり近づいてきていた。

背筋にはぞわつきが絶えず走り、意識が自然と下腹部に吸い寄せられている。

加えて待っているものは、中々に深そうだ。


「すずかぁ……♡♡♡きそうじゃっ……♡♡♡」


「……♡♡♡」


「ふンっ♡♡♡おふっ♡♡♡ひぁぁっ♡♡♡」


 言葉に応じて前立腺への愛撫は少し激しくなる。

頻度が短くなり、圧迫もぐりぐりと強い。

さらに大量に出て入口周辺を汚していた愛液が素早く掻き回され、出入りしているのは細い指だというのに大きな水音が常に鳴り響く。

自分の尻穴からその淫猥な音が出ているのだと思うと、恥ずかしくて気持ちよかった。


 しかもメスの濃い香りを間近で嗅ぎ続け、メスを絶頂させる悦びを味わっているためか、チンポはわななき粘っこいよだれを吐き続ける。

六畳ほどの質素な寝室には、入っただけで即発情してしまいそうなほど交尾臭がむせかえっていた。


「あぁぁ……♡♡♡クるぅ……♡♡♡すずかっ♡♡♡すずかぁ……♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 多幸感を与えてくれる肉棒が、体臭が、彼女が愛おしくて名前を呼ぶ。


「んむっ♡♡♡」


 すると亀頭が強く口元に押し付けられる。


「ちゅっ♡♡♡んっ♡♡♡ぢゅぅっ♡♡♡んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 太白は、自然とディープキスを返していた。

唇を纏わりつかせ、舌を絡みつかせ、熱烈な思いをぶつける。

それに豪快な震えを見せ、我慢汁をたっぷりと噴き出してくれるのがたまらない。

飲み干していく度呼吸は短く荒くなり、肉体から性感以外の感覚が薄れていく。


「あっ♡♡♡イくぅ……♡♡♡イくぅぅ……♡♡♡♡」


 やがて、神としてはあまりにそぐわない、「メス狐太白」としての猫なで声が出る。


「っ♡♡♡これっ♡♡♡クぅっ♡♡♡♡―――♡♡♡♡♡」


「……♡♡♡♡」


 そして、快楽や多幸感が一点に集中していった刹那、それらは絶大な威力で爆発し、全身をどろりとした異様な甘ったるさで満たしていった。


 時間をかけ焦らし、ゆっくりと頂点に到達しただけあって、身体や意識だけでなく魂にまでも沁み込むような法悦だ。

全身は気怠いのに暖かくて、まるで動こうという気にならない。

ぼけっと何も考えず襲ってくるものに浸るだけ。


 しかも鈴香との心の繋がりを感じるためか、いつもより深く気持ちいい気がする。

特定の対象へ持ってこなかった太白にとって愛は、あまりに幸せだった。





「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 未だメスアクメの余韻から抜けきれないでいると、再度同じ向きになった鈴香にキスをされる。


「ん……♡♡♡ふ……♡♡♡」


 これまでの行為を労わり、慈しむような優しいキスだ。

唇同士が柔らかく重ね合わされると、若干あった疲労感が癒されていく。


「ぷは♡♡♡くひひっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡ふふ♡♡♡」


 やがて顔が離れ、互いに視線を交差させる。

猛烈な色香に、ふしだらな笑みを返す。


 彼女の顔は熱っぽく蕩けていた。

特にまぶたはやたら重たそうで、しかし奥にある瞳はじっとりとした欲望の炎を宿している。


 そして腹には、かなり苦しそうに血液を充填したチンポがずっと当たっていた。


「鈴香、その魔羅、つらくはないのか……?」


 行為が始まってからずっと射精していなかったことを思い出し、気遣う。


「……」


 だが亜人は首を横に振った。


「よいのか……?お主が望むならわしの手でも口でも尻穴でも、シたいようにシてよいのじゃが……♡♡」


「――」


 蠱惑的に発した二度目の問いかけにも同じ反応が返ってくる。


「わっ」


 続けて太白の身体を横向きにしてきた。

何か意図があるのかと思い、胴体の下敷きになった左腕を逃がし、楽な体勢になるよう調節する。


「んっ♡♡♡」


 すると、鈴香が後ろからぴったり密着してきた。

慎ましくも頂点の尖った胸は肩甲骨の少し下へ当たり、火照り汗ばんだ豊満な肉体がくっつき、それだけで心地いい。

普段の甘い体臭と発情したオスの青臭い匂いがすぐ近くから漂う。

さらに手が前に回され、脚の間に太腿が差し込まれ、緩く抱きしめられる。

体格差もあって包み込まれるかのようだ。


 それでようやく理解した。

彼女はつまり、今は奉仕したいのだと。

先ほど梅にしたことへ、相手が違うとはいえせめてもの償いをしようとしているのだ。

思えばこれまでの愛撫も、とにかく相手を気持ちよくすることに重きが置かれていた。


 考えを受け容れ、任せることに決める。

動きやすいよう間にある尻尾を鈴香の腹辺りに全て乗せ、背後に目線をやった。


「わかった、鈴香。お主が思うまま、わしをヨがらせてくれ……♡♡♡」


「……♡♡♡」


「んっ♡♡♡」


 甘く囁けば、応じるように閉じた尻たぶを掻き分けて亀頭が肛門へ突きつけられる。

先ほど口で存分に味わったにも関わらず、そのおよそ入らなそうな大きさに驚いてしまう。


 そのまま、我慢汁を塗り付けるように周辺が撫でられていく。

互いの体液が混ざり合ってぐちゅ、ぬちゅ、ととにかく品の無い音を立てた。


「あぁっ……♡♡♡やっとおぬしの魔羅を味わえるのじゃな……♡♡♡」


 背筋が官能的に粟立ち、全身に鳥肌が立っていく。


「ふぅ~♡♡♡」


 遂に繋がれることへの期待は鈴香も同じようで、吐き出された熱い息がいくらか後頭部にかかる。


「くぁぁっ♡♡♡きたぁっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡ひひひっ♡♡♡」


 そして、真ん中へ向けて少し力が籠められると、チンポは簡単にナカへと入り始めた。

熱く滾った分厚い肉が、発情しきった、しかし歓迎するために締まる媚肉を少しずつ掻き分けていく。

細い指では味わえないオスに貫かれていく悦びが、摩擦刺激と共に頭を支配する。

敏感になりすぎている腸壁は、先端部分の裏側にある窪みやカリに向けての広がり、つるりとした感触をはっきり伝えてきた。

何度経験したとしても慣れることの出来ない、デコボコしたカタチを集中して堪能する。


「これっ♡♡♡すきじゃぁっ……♡♡♡」


 つい数時間前にも求め合ったはずなのに、幸せな感情が溢れてたまらない。

信頼する相手とする情事はこうも違うのかと、感動すら覚える。


「お゛っふぅ……♡♡♡♡」


 やがてあっさりと前立腺に到達する肉棒。

後ろから挿入しているだけあって、圧迫は相当に激しい。

しかもオスマラにされているという事実がより興奮を高める。

こちらからも腰を押し付け、脱力した腹筋にどうにか力を入れてより快楽を貪ってしまうほどだ。

体内から互いの脈動がうるさいくらいに響く。


「んぁっ♡♡♡くはぁっ……♡♡♡」


 さらに、前に回されている手から甘やかされる左の乳頭。

指の腹を先端に当て、緩慢に撫で回す動作は弱くも確かな性感をもたらした。

愛でるような手つきにうっとりと心まで惚けていく。


 全身が絡み合うみたく密着しているためか、満たされた心地だった。

思えばこうして、裸で人と肌を重ね合わせたことなど今まで無い。

神という立場のため当然と言えば当然だが、そうしてどこか奥底にしまいこんでいた寂しさが、今癒されているのかもしれないと思う。


「すずかぁ……♡♡♡」


 上半身をひねって後ろを向けば、少し身体を起こした彼女と視線が合う。

火照った肉体同士でくっついているため、またこれまでの行為も相まってか既に多量の汗をかいていた。

髪の毛はいくつか纏まって重たげに垂れ、肌はてかてかした光沢を放ちつつ朱い。

加えてフェロモンが揮発してむせかえるような甘ったるい香りが漂う。


「んむっ♡♡♡」


 布団へ寝そべるようになった上体へ、鈴香は体重をかけすぎないよう軽く圧し掛かりつつキスしてくる。

伝わってくる熱気は湿っぽくて、そのまま彼女の熱情を表すみたいだ。

反面唇はゆったり愉しもうとばかりにひどく遅い。

口付け、じっと数秒待ってから離れていく。


 広がるのは仄かな幸せだった。

しかし同時に乳首も前立腺も愛撫されている太白にとっては、確実に絶頂へと追いつめていく責めになる。


「ん゛ぅ……♡♡♡――とけっ、ちゅ♡♡♡――すずかっ、んむぅ……♡♡♡――まてっ、んぁ……♡♡♡」


 それは優しいようでいて、有無を言わさない嗜虐的なものでもあった。

口付けが終わったかと思えば、言葉を紡ぐ隙無く再度され、抵抗できないままじわじわと限界へ引きずり込まれていく。


 亜人の行動は、マゾなメス狐の好みを熟知したものだ。

実際彼は一切押し退けようとせず、意味を為さない形だけの抗議を繰り返す。


 そして内心は、押し付けられようとしているアクメに悦ぶ。

腸壁が、乳首がきゅんきゅんと嬉し気に痙攣しているのが何よりの証拠だった。


「んぇ♡♡♡ん~っ♡♡♡♡」


「ふぁっ♡♡♡ひゃめっ♡♡♡」


 やがて口内へ舌が侵入してきて、粘膜を粘着質に蹂躙しだす。

ひどく淫猥で下品な水音が周囲を汚染し、狐耳を強姦する。

最後にはとどめとばかりに、口腔全てが猛烈に吸引されていく。


「イっ♡♡♡♡んんんっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


 きっかけを与えられ、いやらしい神は全身を強くびくつかせ始めた。

重たいメスイキが、心と肉体を満たしていく。

頭は強烈な多幸感で馬鹿になっていき、愛する相手にしか見せてはいけない緩みきっただらしのないイき顔を晒す。


「はっ♡♡♡お゛ふぅっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 しばらくしてからようやく抜けだすころには、太白は口元だけでなく顎までがよだれ塗れになっていた。

頬を伝い髪、枕まで滴っていく。

ぼーっとしていると、上体は再度横向きに直された。


「はぁぁぁっ……♡♡♡ぐりぐりぃ……♡♡♡」


 息もつかせぬうちに、ナカと馴染んだチンポがGスポットを捏ね回してくる。

下半身からは愛液と我慢汁の混ざり合う音が響いた。

さらに立ち昇る甘臭いすけべ臭はどんどんと濃密で恥ずかしいものになっていく。

いくら浄化の力を使ったとしても取れなくなってしまいそうなほどだ。

むしろあえて浄化せず、ここを常に下品な香りが立ち込める、交尾専用の部屋としてしまうのもいいかもしれない、と思う。


「っくぁぁ……♡♡♡おされてっ♡♡♡」


 そんなことを考えていると続けざまに強く強く亀頭が密着してきた。

全身はきつく抱きしめられており、逃げることは出来ない。

体内から体外へ向けての激しい圧迫に息が詰まり、すぐ快楽が襲ってきて喘ぎ声が出て行く。


「くひひっ♡♡♡」


「お゛っ♡♡♡んんっ♡♡♡んぁ……♡♡♡なんじゃ……?♡♡♡」


 すると肌をくすぐりつつ下半身へと向かっていく、胸の淫突起を責めていた鈴香の手。

包茎ペニスが生えている上辺りへと到達すると、そのまま撫でてくる。

おかしな感覚だった。

何かいつもより膨らんでいるような、やけに気持ちいいような気がする。


「――っ♡♡♡♡あぁ……♡♡♡」


 気になり視線を移せば、真っ白で艶やかなそこは内側から押し上げられて、ぼこっと大きく数センチは出っ張っていた。

感覚で分かる。あの中に、肉魔羅と淫核があるのだと。

自分の身体が無茶な扱われ方をしているというのに、太白はひどく興奮を覚えてしまう。

手を伸ばし、既にさすっている亜人のに重ねた。


「うぁ……♡♡♡どくどくしておる……♡♡♡♡」


 肉体をいくつか隔てているというのに、脈動が伝わってくる。

鉄のような硬さや、うっすらとではあるが熱までもだ。

まるで持ち主の無尽蔵な精力や、猛々しい獣欲を表しているかのようで、いつもこんな凶悪で巨大なモノを受け容れているのだと、改めて認識する。


「あぁぁぁ……♡♡♡だめっ♡♡♡だめじゃっ♡♡♡そんなのぉっ♡♡♡ん゛ぉっ♡♡♡♡」


 「それ」は、前立腺を押し込んだままぐにぐにと動き始めた。

同時に反対側にある手も押し込んできて、二方向から虐められていく。

石臼で摺り潰されているかのようだった。

それも、最も弱くて敏感な部分が。


「お゛ぉぉ゛ぉ♡♡♡♡すずかぁっ♡♡♡♡これっ♡♡♡やめぇっ♡♡♡」


 怖気に似た重すぎる快楽が全身をひしめいて役立たずにし、小刻みに震えさせる。

喉からはひどく濁った嬌声が溢れ出していく。

視界には白い雷光が迸り、瞳からは涙が零れる。

そして尻穴は相当嬉しそうに絶えずくぱつき、チン竿にキスを繰り返して媚びた。


「グっ♡♡♡グるぅっ♡♡♡♡ごりごりぃっ♡♡♡だめじゃぁっ♡♡♡♡」


 強烈すぎる刺激であっという間に限界は近づいてきて、背筋のぞくつきが止まらなくなっていく。

腰の辺りも同様にぞわつき、かなり強引な責めであるのに幸せへ強制的に導かれる。

脚は鈴香の脚に絡みつかれ拘束されており、ばたつかせて快楽を逃がすことが殆ど出来ない。

長きに及ぶ前戯で相当感じやすくなっているのもあるが、本気で愛撫されればここまで簡単にイかされてしまうのか、と思う。


 与えられる甘ったるい敗北が、癖になってしまいそうだった。

優秀な本物のオスに、ちょろくて可愛らしいメスにされるのは、あまりに気持ちいい。

心へ黒く暗い悦びを、さらに植え付けられていく。


「イっ♡♡♡♡グぅっ♡♡♡♡イぐイぐぅっ♡♡♡♡――♡♡♡♡♡」


 内外から淫核を捏ねられ続け、最後に一際強く潰されると、自然に濁った媚び声が出て深い痙攣が襲い来る。

幼くも均整の取れた肉体は、どれほど好くされたのかを物語るようにいやらしく大きく跳ねた。

下腹部がくねり、尻は締まり、腹筋は波打つ。


「くひひっ♡♡♡♡」


 後ろから注がれている猫亜人の視線は、これまでの熱っぽく甘ったるい行為に反して粘っこく下卑ていた。

それこそ、この奉仕に何か別の意図でもあるかのように。

しかし、太白はアクメに夢中で気づかない。


「やぁっ♡♡♡すずかぁっ♡♡♡イったっ♡♡♡いちどイったのじゃぁっ♡♡♡」


 そのため余韻に浸り始めた頃同じ愛撫が再開しても、言葉だけ嫌そうに、だが内心では嬉しくて喘ぐ。

連続イきさせられることへ、意識が恍惚として仕方ない。


 感度がより増した前立腺は、きつく密着してくる異様なまでに硬いモノのカタチをはっきり伝えてくる。

亀頭の裏側にある窪みはぴったりと隙間なく覆ってきて、互いの相性の良さを感じてしまう。

押し付けられる度きつく抱きしめられているかのようで、チンポに弱点を愛される幸福がまた幸せなアクメを引き寄せた。


「んぉ゛ぉっ♡♡♡♡かりくびぃっ♡♡♡♡ぐにぐにされてっ……♡♡♡♡」


 少し奥へ移動され裏筋が当たると、今度はカリ首にこりこりと愛撫されていく。

まるで飴玉を舌で転がすかのようだ。

高い出っ張りで捕まえ、引き摺る動作は遊びに近い。

粘液が空気と混ぜられ破裂し続け、褥には大きな水音が響き渡る。

だというのに、尿道によるぼこっとした膨らみがしっかりと圧すのもあって快楽は凄まじかった。


「あぁぁぁぁっ♡♡♡グるぅっ……♡♡♡♡っ――♡♡♡♡♡」


 下がるはずの絶頂感は無理矢理限界まで昇らされ、やがて到達してべとついた官能をもたらす。

意思という意思が消え、この感覚に浸るという選択のみが残される。

相当激しい責めだったにも関わらず、与えられるのは心地よさだけだった。

喉から鳴き声のような音を鳴らし、視姦するオスを満たす卑猥な痙攣で身を震わせていく。


「フっ――♡♡♡フーっ♡♡♡んひっ♡♡♡♡はぁ~っ……♡♡♡んぉっ♡♡♡」


「ひひっ……♡♡♡」


 時間が経ちピークを終えても、余韻はいまいち抜けきらない。

突然棘みたいに鋭い性感が肉体を刺し、跳ねさせる。


「あっ♡♡♡すずかぁ……♡♡♡」


 そんな太白を、鈴香はきつい前立腺潰しを緩めて再度優しく抱いてきた。

下腹部に当てていた手を胸元へと戻し、身体もくっつき直して背中を包み込む。

熱くも滑らかな肌が気持ちよくて、連続アクメで昂っていた精神が落ち着いていく。


「んぁ……♡♡♡んむっ♡♡♡」


 少しして、左頬が持たれ天井を向かされ、甘いキスをされる。

これまで幾度となく味わった労いのキスだが、やはり好い。

悦楽とはまた違ったぬるい快感や充足感が、さらなる癒しを与えてくれた。

しっとりと潤み弾力のある唇も気持ちがいい。


 思わず脚がくねって間にあるむちむちした脚といちゃつく。

柔らかな肉はこちらの動きに合わせてひしゃげ、覆いかぶさるみたく絡みを受け止めた。


「んっ♡♡♡ふぁ……♡♡♡」


 その間彼女は首筋や肩、鎖骨の辺りなどを産毛にだけ触れるよう撫で回してくる。

性感帯を愛撫された時には無いぞくつきが、全身に悩ましい熱を広げていく。

思わず官能的な息が漏れ、軽く指先が跳ねた。


 すると徐々に尻穴が疼き、締まって開いてを繰り返してチンポへ媚びだす。

下半身からちゅぷちゅぷと音が鳴り響き、自分でも頭が蕩けるような濃いメス臭が漂う。


「ふぅ~……♡♡♡」


「っ……♡♡♡」


 顔を仄かに離し、咎めるように、からかうように、だが愉しげに細められた目を向けてくる鈴香。

にやついた笑みを見るに、何か言葉を待っているようだ。


 瞬時に「おねだり」だと悟る。

羞恥が身を焦がし、浮つかせていく。

オスを、彼女を誘惑したくて、たまらなくなる。


「すずかぁっ……♡♡♡わしをきもちよくしてくれぇ……♡♡♡」


 うっすら嗜虐的な色を帯び始めた瞳は、次の言葉を待っていた。


「わしのっ――♡♡♡しりあなを……♡♡♡♡おぬしのりっぱでかたいっ、マラで……♡♡♡♡」


 肉棒は、激しく脈打って悦んでくれる。


「いくども突いてっ……♡♡♡どろどろのせいえきでいっぱいにしてくれぇっ……♡♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡ちゅ♡♡♡」


「んっ♡♡♡」


 少し舌ったらずにそう告げ終えると、出来たことを褒めるみたく啄むような口づけをされた。

興奮してもらえたことが嬉しい。


「あっ……♡♡♡ふふ……♡♡♡んぅ♡♡♡」


 亜人は太白の背後へと戻り、後頭部辺りに顔を埋めた。

続けて動きづらい体位ゆえ激しくは無いが、的確にGスポットを抉るピストンが開始される。


 イかせるためだけでなく、交尾そのものを味わい、相手のカラダを味わうための緩慢な動きだ。

愛液や我慢汁塗れになった敏感な肉同士が、ぬちゃぬちゃと擦れ、絡みつき、愛し合う。

久しぶりとすら思える腸壁を掻き回されていく感触で、性器を受け容れている実感が芽生え心が満たされた。


「ふあっ♡♡♡ナカっ♡♡♡ひろげられてぇっ♡♡♡っ♡♡♡」


 何度か入口周辺を往復した後、最奥へ向かって入ってくる。

今回の情事では到達していなかった場所まで、肉棒はその長さを活かしてくまなく堪能していく。

自然と身体が丸まるのに、鈴香はぴったりとついてきた。

そして、さっきほどではないが内側から膨らまされている腹が目に入る。


 下腹部、へそを越え、腹筋上部まで縦長の出っ張りがあった。

そこだけで留まらずさらに上へと浮きだしていく。

触覚だけでなく、視覚でも感じる雄棒にめろめろになってしまう。


「んぁぁぁっ♡♡♡ぞりぞりすきぃっ♡♡♡このマラもっ♡♡♡すきじゃぁっ♡♡♡」


 侵入はやがて折り返し、相変わらずの高いカリを使って膣壁をこそぎだした。

沸き立つひだはすれ違いざまに掴まれ、たっぷりと愛撫してもらってからようやく元に戻る。


 ナカは悦びで震え続け、今度は背筋が反っていく。

尻穴はネバっ濃い本気汁を絶えず吐き出し、互いの身体や布団を穢した。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡んぅっ♡♡♡これもっ♡♡♡すきじゃっ……♡♡♡」


 入口付近まで出きると、再度浅いピストンが始まる。


「んぃっ♡♡♡」


 そして、細長くしなやかな指先が軽く左乳首を引っ掻いた。


「っは♡♡♡あっ♡♡♡ちくびっ♡♡♡」


 彼女は数秒の間を空けつつも、それを何度も続けていく。

小さいながらも物欲しそうに存在を主張し、しかししばらく触られていなかった淫乱な突起は相当に嬉しがる。

すると持ち主に、甘くて蕩けるような重たい快楽をもたらした。


「んぅぅぅ……♡♡♡ふッ♡♡♡ん゛っ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 口から出て行く嬌声は低くくぐもっており、普段太白が出す鈴が鳴るような声とは似ても似つかない。

それは、取り繕うことが出来ないほどの心地よさに浸っている事を表していた。


 鈴香はこれまでに無いほど愉しそうに笑い、意地悪な責めを継続していく。


「ふぉぉっ……♡♡♡」


 乳輪はやたら敏感になっており、ふちをゆっくりなぞるように愛撫されると背筋が震える。


「んひっ♡♡♡」


 すかさず中心のいやらしい蕾を擦られれば、はしたなく喘がされた。


「っ♡♡♡さきっぽぉっ♡♡♡お゛っ♡♡♡♡ひっ♡♡♡」


 そのままかりかりと指の腹が頂点を何度も撫でくり回す。

どれだけ身体を跳ねさせようとも無慈悲に。


 下からの滲み出すような快楽と上からの素早く広がっていく快楽で、ゆっくり確実にメスイキが忍び寄ってくる。

性に溺れたけだもの二匹が出す様々な体液の香りが交じり合い、甘くも刺々しく、酸っぱくも陶酔してしまう複雑で淫猥な匂いが漂う。

フェロモンが多分に含まれたそれは、まさしく強制的に発情を生む毒だ。


「っ♡♡♡魔羅っ♡♡♡ナカでふくらんでっ♡♡♡♡」


「ふーっ♡♡♡」


 そして長く続いた「奉仕」と媚香で、いよいよ挿入されているチンポは貪欲に亀頭を肥大化させひくつき始めた。

腸壁とより隙間なく密着し、振動で食い込みながら溶け合いそうなほど愛し合う。

当然摩擦係数は著しく上がり、前立腺にも強く当たるようになり、さらに射精の予感で劣情が昂る。


 ついにあのねばこい熱を感じられるのだと思うと、尻穴は同じようにひくつきながら締まった。

すると双方の距離は際限なくゼロに近づき、先端のヌメつきだけでなく細かなシワまでも感じられるようになる。

また、カリ付近にある包皮のたるみや裏筋の深い窪みにさえ淫肉は入り込み、余すところなく愛おしい男根を堪能していく。


「あぁぁっ♡♡♡たまらぬっ……♡♡♡たまらぬぅ……♡♡♡あひっ♡♡♡」


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 いやらしい音が響き、交尾臭で充満した褥に渦巻くいやらしい熱は、最高潮へと向かっていた。

鈴香は一心不乱に身体を動かして美少年を突き、全身で埋もれさせんばかりにひしとかき抱く。

太白は悦びを声と雌性器、淫らな身体で表現しオスを受け止める。

互いの脚と腕は交差し、相手と出来うる限り濃厚な接触をした。

濡れた肌同士がぶつかり、明度が低い桃色の湯気が立ち昇る。


「っ♡♡♡あっ♡♡♡♡すずかぁっ♡♡♡♡すずかぁっ♡♡♡♡」


 限界が訪れ、名前を呼んだ。


「ふぅっ♡♡♡♡ふぅっ♡♡♡♡」


「ふあぁっ♡♡♡♡」


 応じるように指が食い込むほど手が肩を強く掴む。


「――♡♡♡♡♡」


「っ~~~♡♡♡♡♡」


 その刹那、狐の神は愛情を感じて一気にその身を幸せで染め上げた。

続けて更なる「幸せ」が体内へ吐き出され始める。

しかも一度の脈動での量が相当に多い。


「ふぅ゛っ~♡♡♡♡お゛っ♡♡♡♡」


 おんなの快楽は甘ったるくて、痙攣と同時にはしたない音が口から鳴る。

それは太白が味わっているのがどれほど強烈で、絶対的なのかを表していた。

知覚している世界までもが眩く白んでいく。


「くひひっ♡♡♡♡」


 注ぎ込まれる液体は腹を膨らませ、ぼってりと妊婦のようにさせる。

美少年をボテ腹にする背徳感からか、勢いはもっと激しくなった。


 精液とアクメにより重たくなった身体で、ひたすら押し寄せてくるものを味わう。

数分か、はたまた数十分か、至福の時は長く長く続いた。







「んくっ♡♡♡んくっ♡♡♡」


 肉棒から舐め取り口内に溜めていた黄色い白濁を、少しずつ飲み込んでいく。

唾液でかなり薄めたというのに、絡みつき様はひどい。

腸内だけでは飽き足らず、喉までも淫乱な性器に変えようとしているみたいだ。

実際、先ほどから口腔粘膜は火照り、疼いてきている。


「んっ♡♡♡はぁ♡♡♡んぁ~♡♡♡」


 やがて飲み干すと、上を見上げてだらりと口を開いた。

視線の先には太白を撫でながら満足げに見下ろす鈴香がいる。

さらに間では、未だ精液まみれのチンポがそそり立っていた。


「んぇ♡♡♡れろ♡♡♡」


 特に汚れのひどいカリを引き寄せ、数回戦で溜まった汚れを「掃除」していく。

腸内でかき混ぜられ完成した様々な体液の混合物が、そこにはべっとりと纏わりついており、舌をつければ濃厚な甘苦い味がした。

当然匂いも数十回の絶頂で劣情が発散されきったにも関わらず、また性欲が再燃してしまいそうなほど強い。

ただでさえ雄汁だけでも鼻に来るキノコに似た香りを放つのに、さらに二つのすけべ汁までもが混じっている。

深く堪能しつつ、しつこくこびりついたそれらをこそぎ落す。


「はぁっ♡♡♡相変わらず異常な魔羅じゃなっ♡♡♡ちゅ……♡♡♡んっ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 奥にある肉棒はまだまだ元気なままで、触っているだけでも尻穴がひくついた。

愛おしくてキスし、頬ずりする。


「ふふ……♡♡♡ん……」


 そうしているうちに、ふと数刻前遊んだ梅の事が頭に浮かんだ。

鈴香と友達になりたいと言っていた事、紹介すると約束したことを思い出す。


 義理を通し話すべきだろうか。

こうして喧嘩を収められたのは紛れもなく梅のおかげだ。

であれば、多少難しいことでも叶えるのが筋というものかもしれない。


 しかし出来れば双方に一切の関わりを持たせたくないことも確かだった。

性という概念の塊みたいな存在と、いたいけな少女とに繋がりを持たせていいものか。

何よりこの関係は、個人の秘め事としてなるべく隠しておきたい。


「鈴香。ん……?」


 だが自分はあの子に誓ったのだ、と口を開こうとした時、なんとなく下腹部が熱いことに気づいた。

しかもただの熱ではなく、じくじくとした欲望の熱だ。

寂しくて切なくて、ナカにチンポが欲しくなってくる。


 また身体が発情し始めたのかと一瞬思ったが、それにしてはやけに全身へ侵食し、広がっていく。

まるで何か原因でもあるかのように。


 どうにも嫌な予感がして一度掃除をやめ、下を向く。


「な……。これは……まさか……」


 するとペニスが生えている場所の少し上、下腹部の中央へ、けばけばしいピンク色に発光するいやらしい紋章が刻み込まれていた。

ハートに禍々しい装飾が少し施され、てっぺんに猫の耳らしき形が描かれているそれは、見覚えがあるものだ。


 さらには一生見たくないと、心の底から願っていたものでもあった。


「くっ……ふんっ!」


 咄嗟に捕縛術を練り上げ、目の前に立つ猫型の亜人へ放つ。

光輪が手首足首を捕らえ、空中へ持ち上げて固定する。

皮肉なことに、どう加減すればいいかは今までの情事を経てはっきりと分かっていた。


「っ!?――!!――!!」


「少し静かにしておれ」


「ん~っ!!ん~っ!!ひっ!?」


 激しく喚いて抗議するのを黙らせ、彼女が一か月前まで過ごしていた場所への扉を開く。

怯えた瞳で懇願するような眼差しを送ってくるが、努めて気にしない。


「ふっ!」


「~~……!!」


 そして、異空間へと放り込んだ。

入口を閉じてしまえば気配は綺麗さっぱりと消える。

周囲には、少し前まで互いに求めあっていた証、体液や匂いだけが残っていた。


「はぁ……。くそ、なぜ気づかなんだ……」


 非常事態を収拾し終えると、強烈な自己嫌悪が湧いてくる。


「う……」


 かなりの量「奴」の体液を飲み込んだことにも気づき、吐き気すらも催す。


 思えば、特徴はいくつもあった。


 銀色の髪。猫型の亜人。美しい容姿。

恐らくだが交わった相手の力を吸い取る能力。

加えて、ふたなりだということ。


 いくつもの特徴が、700年前紫苑村を襲い壊滅寸前まで追い込んだ一人の亜人と似通っている。

それを長い間放置し、あまつさえ友好的な関係を築こうとした自分が嫌になった。


「……」


 だが、そうして失敗を責めてばかりいても仕方がない。

ひとまず身を清めるため、太白は障子を開き、紫峰神社裏手の湖へと向かった。

重く、ゆっくりとした、気怠い足取りで。



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