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 身体の重さをしっかりと支え包み込む、やたら寝心地のいいベッドで目が覚める。

身じろぎで擦れるシーツや枕カバーは肌ざわりが滑らかで、手足を動かせば気持ちいい。

寝ぼけた思考が一瞬、なぜここで寝ているのだろうと思うが、意識が覚醒するにつれて徐々に記憶が蘇ってきた。


 結局昨日は3回戦まで及んだ。

段々とセックスの体力はついてきたと自負していたが、最後の方はあまり覚えていない。

当然消耗しきった日向はその後すぐ、シャワーも浴びず泥のように眠り今に至る。


 そのためか、相変わらず服を着ていない。

しかも全身からは栗の花の匂いや甘酸っぱい交尾の匂いが漂っていた。

さらに枕から漂う蘭の香りも混ざり、浅ましくも尻穴が疼いてしまう。


 「んぅ」


 当の彼女は、向かいで顔をこちらに向けながらも、まだすやすやと寝息を立てていた。

人が居るにも関わらず全くもって無防備な姿に見惚れる。


 頭と寝具の間でくしゃりと潰れ、あるいは垂れて口元を撫でていく短めな髪の毛。

薄暗い部屋の中で白っぽい金髪は目立ち、暗い色の肌を映えさせていた。

寝具の純白と合わされば、寝ているだけのはずなのにすこぶる存在感が強い。


 いつも通った芯を感じさせる目は瞑られ、ひしゃげた柔らかそうな頬も相まってどこか幼く見えた。

しかし視線を下ろせば着けているのはシンプルな黒の下着だけで、刺々しいタトゥーやちらちら覗く胸との隙間が色っぽい。

軽く動くとブラジャーがずれ、その度に谷間や影の入り方が変化し、意図されていないにも関わらず、というかむしろ意図されていないからこその卑猥さがある。

無許可でまじまじと視姦する背徳を、イケないはずなのに止めることが出来ない。


 さらに羽毛布団が二の腕辺りまでしかかかっておらず、弱弱しく窄められた剥き身の肩が女性らしい丸みを帯びていて、清楚且つ淫らな光景へ釘付けになる。

いつもならあまり感じられない蘭の「女」を意識させられ、日向の中にある「オス」がむくむくと反応した。


 「ん……」


 「っ……」


 そこで、彼女のまぶたが少しずつ開いていく。

はっと我に返り目線を逸らし、何でもない風を装う。


 「ん……?あ、おふぁよ、日向くん……」


 少しの間があり、むにゃりとした声で挨拶が飛んできた。


 「あっ、おっ、おはようございます」


 なんだか気まずくて、顔を逸らしながら軽くどもってしまう。

同時に、寝起きのふわふわした様子をかわいらしいと思った。


 「ね、こっちみて……」


 「あ、はいっ」


 だが応じるように対面すると、まだ開き切っていない眠そうな瞳にじっとりと射貫かれる。

まるで、セックス中によく向けられる物憂げで艶やかな目つきみたいで、心臓が跳ねた。


 「ん~っ……」


 「ぁ……♡♡」


 続けて彼女が木製のヘッドボードに当たらないよう腕を上げ、伸びをすると、つるつるでしっとりした腋が露わになる。

蒸れた寝汗の甘ったるいフェロモンがむわ♡♡♡と周囲へ広がり、鼻をより淫臭で犯す。

するとただでさえいやらしい「秘所」が、ピンク色の霧に彩られて見えた。


 「ん?ふふ♡♡日向くんすごいえっちな目してる……♡♡」


 当然、起きている間にそんなことをすれば気づかれてしまう。

寝起きで細くとも、低音で染み渡る様な囁きに驚く。


 「えっ、いやっ」


 「どうせ私が寝てる間もそんな目してたんでしょ……?♡♡」


 「ちがっ……わ、ないですけど……」


 「あは♡♡素直でかわいいね~……♡♡」


 「ふあ……♡♡」


 包み隠さず自白をすれば、頭が撫でられた。

ほんの少しだけ冷えた手が気持ちいい。


 「ね、日向くん……♡♡」


 「はい、なんですか?」


 流石に失礼だったかもしれない、と反省しつつ尋ねると、蘭の腕が広げられ、こちらへと突き出される。


 「おいで……♡♡♡」


 「えっ……♡♡♡」


 声は蜂蜜のようで、なんだかご主人様とペットみたいだと思った。

もし自分が犬なら、この一言で尻尾をぶんぶん振っている、とも。


 「あの……♡♡♡」


 「ほら、早く♡♡♡」


 「あ……はい、失礼します……」


 意を決し、身体をずらしながら彼女の懐へと進む。


 「ぁ……♡♡♡」


 そうしてタトゥーがすぐそこまで近づくと、後頭部が包まれながら押され、顔が胸元とくっ付いた。

羽毛布団で暖められた、ぬくぬくした胴体を感じる。

さらに、脇腹へ足までもが絡み、腰が近づいたことで萎えて柔らかな股間も当たった。

感触からして、薄くさらさらしたパンツだけを履いている。


 「ふふ♡♡♡あったかいでしょ♡♡♡」


 「ふぁい……♡♡♡」


 鼻や唇を優しく潰されながら答えた。

蘭はあの後シャワーを浴びたのか甘くフローラルな香りがしており、「女」の香りにどきどきしつつも落ち着く。


 「ね、どうせ一日あるしこのまま二度寝しちゃおっか♡♡で、起きたらまたえっちしよ?♡♡♡」


 「んんっ♡♡♡」


 しかし、情事を直接想起させる言葉で途端に心拍数が上がった。

下半身が、どろどろした熱に苛まれる。


 「ふわぁ……じゃ、おやすみ~……」


 「えっ」


 そんな日向を尻目に、熱を発生させた張本人は大きなあくびの後寝入ってしまった。

自然と出た困惑の声も意に介さず、頭の「拘束」も解く気はないらしい。


 仕方がないのでこちらも目を瞑り、心を落ち着けていれば、長らく味わっていなかった温もりのせいか、比較的すぐ眠りへと落ちていった。







 二人が再び起きる時にはもう昼を過ぎていて、空腹を出前で満たし、それから一時間ほど食休みを取った。

やがて満腹感が薄れてきた頃、軽いいちゃつきを繰り返しつつ日向の浣腸を済ますとついに、情事が始まる。




 広いリビングに置かれたローテーブルとソファ。その二つの間に日向はぺたんと座っていた。

当然のように全裸で、申し訳程度に昨日も使われた手錠が手首を飾っている。


 「いい眺め♡♡♡」


 対して蘭は足を大きく広げつつソファへ浅く座り、着ているブラウンのスウェットからまたも陰茎と金玉だけを露出していた。


 対角線上にある、愛撫を待つかのようにどっしりと垂れ下がっていて、オスとしての威厳を強く思わせる睾丸。

内容物が重いため伸びきった、皺の一つもないつるりとした袋は、「男」達とは違う生殖器であると言外に主張する。

しかもこぶし大に膨らんで繁殖力の強さが見ただけで分かり、ごぷっ♡♡♡どぷっ♡♡♡と精液を生産する音が聞こえてくる気さえした。


 そんなザーメンタンクを支える根本はしっかりと太く、同じく太い血管が大量の血液を供給するため何本も先端へ走っていく。

浅黒い竿に浮く複数の盛り上がりは、まるで鍛え抜かれた肉体のような陰影を作り出す。

するとチンポは自重に負けずビキッ♡♡♡と天を向いてそそり立ち、妖しく艶めく先端に部屋の暖かい照明を燦々と受けていた。


 服装も合わせた、自分と彼女の「差」に、この家での立場の違いを感じてぞくぞくしてしまう。


 「あ……♡♡♡ぼっ、僕もそう思います……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡ありがと♡♡♡」


 「んっ……♡♡♡」


 彼女と同じことを考えそのまま口にすれば、頭を撫でてもらえた。

身体は既にマゾのスイッチが入っていて、上から伸びてきた賞賛に悦びが広がる。


 「じゃ、根本からお願いね♡♡♡」


 「はいっ……♡♡♡んぇ♡♡♡」


 そして蘭の求めに応じて、肉棒の付け根へと顔を近づけ、舌を這わせていく。




 こうしてまたフェラチオをしているのには理由があった。

それは彼女から「チンポ舐めるの上手くなってほしいな♡♡♡」という要望があったため。

なぜそこまで口奉仕にこだわるのだろうと少し考えたが、そういう性癖なのだろうと一人納得する。

しかも自分と彼女は「セフレ」の関係なのだから、より快楽を得るため技術の上達を求めるのも、至極当たり前な事だと思った。




 「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 陰嚢袋と陰茎の境目にべたっと貼り付けながら舐めれば、確かな塩気を感じた。

呼吸にはボディソープのフローラルで甘ったるい香りと、フェロモンの青臭い香りが混じる。

表面はごつごつした見た目に反して滑らかでかなり舌触りが良く、擦れ合うと緩い快楽が滲んだ。

唇がくっ付きそうなほど顔を近づけつつ、表裏を交互に使って同じ場所をよだれでべとべとにしていく。


 「ふふ♡♡♡ベロあっつい♡♡♡ね、先っぽでつーってして?♡♡♡」


 ちらりと見上げて頷き、視線を戻して肉の先端だけを滑らせた。

そうして全体の三分の一ほどまで行ったらまた根本へ戻り、厚塗りするように沿わせていく。


 時折肉の隆起に触れるとどくっ♡♡♡どくっ♡♡♡という力強い脈動が伝わってきた。


 「あ♡♡♡そこ、血管のとこぐりぐりして♡♡♡」


 「ふぁい♡♡♡」


 「ん……♡♡♡」


 言葉に従ったベロを押し付けるような愛撫に、気持ちよさそうな吐息が聞こえる。

努力にすぐ反応が返って来るのは嬉しく、夢中になって責めれば水音が大きくなっていく。


 「んむっ♡♡♡ぢゅぅ♡♡♡」


 喜んで欲しくてキスをし、なすり付けた唾液を啜れば陰茎は気持ちよさげに跳ねた。


 「ふふ♡♡♡いいよ♡♡♡」


 すると蘭は笑い、邪魔になっていた前髪を手でどかしてくれる。

優しいしぐさに、奉仕にはより熱がこもっていく。


 「ん~っ♡♡♡ん~っ♡♡♡」


 「あ~♡♡♡かわいいよ♡♡♡そのまま先っぽに向かって……♡♡♡」


 先ほどよりもぶっちゅりと、顔ごと押し付けるような口付けへと変化させると、気に入ったようで上から視姦されているのがなんとなく分かった。

密着の後軽く食むのも追加しつつ、身体を傾けゆっくりゆっくり左右や表裏へ寄り道しつつ先端へ昇っていく。

待ちきれないとばかりにチンポは時折ぴくん♡♡♡ぴくん♡♡♡と跳ね、どこか可愛らしくも思えた。


 やがて三分の二を超えたあたりで、味には青臭い物が混じり始める。

それは明らかに我慢汁で、亀頭を見ればやはり濡れ、煌々と煌めいていた。

やたら出っ張ったカリからいくつかの筋になって幹へと滴っていて、かなりの興奮が見て取れる。


 「あ……すごい♡♡♡」


 「あは♡♡♡ごめんね♡♡♡日向くんがえろいからもうこんなに出ちゃった♡♡♡」


 「っ♡♡♡そんなっ♡♡♡」


 自身の痴態を再確認させる言葉に、ぞく♡♡♡と背筋が震えた。


 そんなにいやらしかっただろうか、という羞恥と、悦んでもらえて嬉しい、という歓喜で頭が甘く惚けていく。


 「ひゃっ♡♡♡」


 すると蘭の手が後頭部を掴み、日向の鼻先と肉棒の裏筋をくっつけた。


 「ふぁ……♡♡♡」


 当然、間近で新鮮なオス汁の濃い香りを嗅ぐことになる。

侵入した匂いは鼻腔粘膜を犯し、脳へと抜けてメスマゾのスイッチを力強く押す。

意識がぼやけていく。


 「ね、そこで深呼吸してみよっか♡♡♡」


 「あ……♡♡♡」


 だがどれだけ思考にもやがかかっても、言われていることはすっと理解できた。


 「ほら、吸って~♡♡♡」


 「すぅ~♡♡♡っぁぁっ……♡♡♡♡」


 深く空気を吸い上げれば大量のフェロモンが体内に入り込み、意志や力といった「不必要なもの」を少しずつ溶かしていく気がする。

くにゃくにゃになった肉体はただ呼吸に集中し、じわぁ♡♡♡と満たしていく快楽によって時折痙攣するだけになってしまう。

代わりに気持ちよさだけを求めるけだものじみた本能が顔を出していった。


 「吐いて~♡♡♡」


 「ふぅ~♡♡♡♡」


 自分のよりもずっと青臭い淫臭を吐き出すのが名残惜しい。

このまま、このいやらしい空気だけを取り込み続けていたい。

もっと、深呼吸をさせて欲しい。


 そんな考えが意識を支配し、乞うような視線を蘭へと向ける。


 「ふふ♡♡♡吸って~♡♡♡」


 「すぅ~♡♡♡―――♡♡♡♡」


 返って来る目は見開かれ、チン嗅ぎする「メス」のいやらしい姿を焼きつけようとしているようだった。

視姦される悦びで、さらなる官能がじゅく♡♡♡じゅく♡♡♡と生まれる。


 「日向くんのメス顔、あとその欲しくてたまらないって目♡♡♡すっごいえろくてかわいいよ♡♡♡」


 「んんんっ♡♡♡」


 彼女の言葉を裏付けるように、チンポは跳ねて日向の顔を叩き、新しい体液をだくだくと溢れさせていく。

当然匂いはよりいっそう卑猥さを増す。


 「吐いて~♡♡♡」


 「ふぅ~♡♡♡」


 「……待て♡♡♡」


 「っぁ♡♡♡」


 唐突に飛んでくる命令。

しかし、思わず息を止めてしまった。

反射的に従う事を選んだ自分へ、「躾けられきった犬」に似たものを覚えて被虐感が甘やかに広がる。


 「あは♡♡♡えらいよ~日向……♡♡♡」


 「っふぁぁっ♡♡♡♡」


 さらに頭部への撫でと、ペットにするみたいな呼び捨てが合わさると、幸せすぎて喘ぎを抑えることが出来なかった。

ぞくぞくに見舞われて尻穴がやたらひくつき、乳首がぐっと硬くなり、全身から力が抜けてへなへなと項垂れる。


 「はぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 軽い酸欠も相まってか、聞こえてくる息遣いは自身のものとは信じられないほど荒い。

手足はかなりだるくて、あまり動かす気にならなかった。

対して頭は、軽く性臭が混ざりつつもいくらか普通な空気を吸ったことで少しすっきりしていく。


 「ふふ♡♡♡気持ちよかった?♡♡♡」


 愉しげな声が降ってくる。

未だ後頭部をさすり続ける手は優しく、労をねぎらうかのよう。


 「あっ♡♡♡は、はい……♡♡♡」


 「そっか♡♡♡じゃ、これからも日向くんが好きなチンポの匂い、たくさん嗅がせてあげるね……♡♡♡」


 「ふぁ……♡♡♡ありがとう、ございます……♡♡♡」


 元々忌避されがちな性器の匂い、それを堪能できることへの感謝はどこか変な感じがした。

しかし、またあの濃いオス臭を味わえると思うと確かな悦びがある。


 「ね、顔上げて?」


 「あ、はい……って♡♡♡」


 そして応じるように視線を上げれば、いつのまにか竿の根元が持たれ、すぐそこに先端が突きつけられていた。

黒ずんだピンク色は鈴口からたっぷりの体液を分泌し続けており、著しく濡れそぼっている。

また生臭くえぐみすらある香りを間近で嗅がされ、肉体には激しい疼きが戻っていく。

裏筋からねば~っ♡♡♡と糸を引いて滴り落ちていく、その香りの元。

太腿に垂れてきて重そうな音が鳴った。


 「あ♡♡♡垂れちゃった♡♡♡ね、そろそろ先っぽ舐めて欲しいな……♡♡♡」


 心臓が大きく跳ね、欲望が膨れ上がっていく。


 「っ♡♡♡んぇ♡♡♡」


 「んっ♡♡♡ふふ♡♡♡いいよ♡♡♡そこいっぱい舐めて……♡♡♡」


 味わいたいという気持ちが抑えきれず、言葉で答えるより先にチンポの下側へと潜り、カリ裏に舌先を向かわせた。

ぞり♡♡♡ぞり♡♡♡とこそぎ取るようにすると、口内へ我慢汁が入ってくる。

段々と慣れてきた粘り気と芳醇な苦みをもっと味わいたくて、動きを速めていく。


 「おいしい?♡♡♡」


 「ふっ♡♡♡」


 質問に首肯した。

すると再度、髪の毛が邪魔にならないよう手がどかしてくれる。

やりやすくなった、そう感じながらさらに愛撫を続けていく。


 先ほどたっぷりと「深呼吸」してから、なんだか熱に浮かされたようになっていた。

うっすらと残る冷静な思考が、「僕ってこんなに積極的だったっけ?」と疑問を持つ。


 だが、昨日から続くセックスで多幸感に浸され続けている脳は、「気持ちいいからいいじゃん」と考えをかき消す。

それだけ今、日向の中で快楽は重要で優先すべきものになっていた。

蘭からの悦びを含んだ視線を察知すると、さらにそれが助長される。


 気づけば、裏筋に保持されていたオス汁は全て無くなってしまった。


 「ね、カリも舐めて♡♡♡右側からべたぁ~って♡♡♡」


 「ふぁい……♡♡♡んべぇ~♡♡♡」


 ちょうど飛んできた声に従って陰茎の右側へと向かい、大きく舌を出して境目を中心に貼り付ける。

続けて身体を上へ動かしていけば、柔らかい肉と高い段差が擦れ合った。

舌は出っ張りにみっちり沿い、触覚が敏感になっているためかカタチを詳細に頭へ伝える。

亀頭は滑らかな丸みを帯びていて、比べて竿はでこぼこと凹凸が多かった。

しかしどちらもつるつるしている。


 「ふふ♡♡♡えっろいフェラ♡♡♡私の事気持ちよくしようと頑張ってるんだね♡♡♡えらいえらい♡♡♡」


 「ん……♡♡♡」


 彼女に褒められると、それがとても正しい事だと思う。

つまり、男がふたなりチンポへ積極的に奉仕するのは何らおかしなことではない、と。


 「逆側も同じようにやって♡♡♡」


 「んっ♡♡♡」


 最早憂いの無くなった日向は頷き、左側も同じように愛撫する。


 「うえっかわは伸ばしたベロで削るようにね♡♡♡」


 「こうれふか……?♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡そうそう♡♡♡」


 その後上側への愛撫を始める。


 長く伸ばしたベロの右辺を幹にくっつけながら、削り取るように先っぽへと動かす。


 「そのままカリに引っかけてぇ……♡♡♡力入れて滑らすの♡♡♡」


 当然すぐに高く張ったカリへ引っ掛かるが、彼女に従いそのまま力を入れ続けた。


 「んっ♡♡♡」


 するとやがてにゅるん♡♡♡と一気に滑り、特に感じやすい場所への責めに蘭が喘ぎを漏らす。

反応が嬉しくて、何度も繰り返していく。

さらに時折「かえし」を丹念に舐め回せば、その度にチンポは粘々したよだれを垂らした。

しかも舌は相変わらず濃い苦みの我慢汁を徐々に纏い、ぴちゃ♡♡♡ぐちゅ♡♡♡といういやらしい音が響きを増している。


 「はぁ♡♡♡上手いよ♡♡♡すっごく熱くなってきた……♡♡♡」


 彼女の言う通り肉棒は熱を増し、ずぐん♡♡♡ずぐん♡♡♡と脈打ちつつまだ膨張していく。

それは粘膜で触れているだけの日向にもはっきり分かり、アナルを突かれたいという思いを膨らませた。


 「チンポ舐めてる日向くん、ワンちゃんみたいでかわいい……♡♡♡」


 「ふぁ♡♡♡」


 頭頂部を撫でながら発される、仄かに人以下だと揶揄するような低い言葉。

しかし罵倒は快楽に変換され、湿っぽい吐息を漏らさせ、尻穴をひくつかせる。

さらに自分の唾液でてらてらしたチンポを見ると、どこか達成感があった。


 「そろそろ先っぽもお願い♡♡♡」


 「わかりました……♡♡♡」


 誘導されるがまま、身体を戻して今度は陰茎の正面へと移動する。

尿道口からは、まだまだ多量の我慢汁が分泌されていた。

思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。


 「あ、ね、こっち見ながらやって?♡♡♡」


 「はい……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡えっちな目……♡♡♡」


 見降ろしてくる蘭の目は威圧感があって、しかし興奮で潤んでもいた。

性欲や支配欲の感じられる「オス」そのものな視線にぞくぞくする。


 「最初はあつ~い口付けからね♡♡♡」


 「ふぁい♡♡♡んむっ♡♡♡」


 ぶっちゅりと強く鈴口とキスすれば、なんとも言えないときめきが滲む。

対して唇は青臭い汁で汚された。


 「そのままちゅっちゅってして?♡♡♡」


 「んっ♡♡♡んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 「そうそう♡♡♡かわいいよ♡♡♡」


 同じ動作を行えば、当然よりべたべたになっていく。

するとキスにはぬるつきとやけに粘っこい音が混じり、口内には風味が広がる。

さらにちゅぱ♡♡♡と離れる時、体液は弾けて香りが濃く立った。


 「次は鈴口ほじって♡♡♡」


 「んぇ~♡♡♡ぇろん♡♡♡ぇろ♡♡♡」


 「んはぁ……♡♡♡」


 尖らせた舌で穴を虐めると、気持ちよさげにまぶたを閉じる視線の先の彼女。

再度瞳が開かれれば、艶やかに細められた目がフェラ顔を視姦し、もっと見せろとばかりに前髪が手のひらで全て上げられる。


 「何回かぺろぺろしたら咥えよっか……♡♡♡」


 「ぁ……♡♡♡はい……♡♡♡」


 続く囁きはうっとりと低くて、ぐつぐつと煮え滾る劣情が感じられた。

危うさの増した雰囲気に、先ほどよりも殊更ぞくぞくする。


 言われた通りにぺろ♡♡♡ぺろ♡♡♡と舐め回すと、絶えず溢れ出す液体でベロがにちゃつく。

何本か先端との間に糸を引いてしまっているような、そんな感触があった。


 「それじゃ……♡♡♡」


 見上げつつ、区切りをつける。


 「うん♡♡♡お願い……♡♡♡」


 「はい……♡♡♡んぁ~ん♡♡♡」


 そして、チンポへ食らいついた。

でっぷりと肥えた亀頭を全部歯の内側へ収めれば、口内の三分の二近くが満たされる。

特に上側のカリはどうやっても上あごへ当たっていた。


 「ごめんね、チンポおっきくて……♡♡♡咥えづらいでしょ?♡♡♡」


 「んっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡えらいね♡♡♡」


 謝罪に見せかけた自慢に、今まで出てこなかったちくりとした意地の悪さが透けてむしろ興奮する。

「咥えづらい」ことに対して首を横に振れば、後頭部が撫でられた。

そこに手を置かれると、昨日のイラマチオを想起して頭が甘く痺れてしまう。


 「じゃ、動いてみよっか♡♡♡舌と唇をぺたっと付けながらゆっくりね?♡♡♡」


 「ふぁひ……♡♡♡」


 返答しようとしたが、舌が阻まれてうまく言葉にならなかった。

チンポが軽く痙攣したのを感じつつ、歯を立てないように気を付けながら奥へと入れていく。


 「あは……♡♡♡」


 ずりゅ♡♡♡ずりゅ♡♡♡と唇や口腔粘膜が擦られ、粘液で塗れてどろねばになっているため常に淫靡な音が鳴る。

塊が進むにつれ、空気が圧縮されるせいかどことなく息苦しさが広がっていた。

上あごからじんわりした快楽が広がり、食べることに使う器官が征服される恐怖と愉悦がある。

やがて、ベロの根本にまで先端が達した。


 「いいよ……♡♡♡口の中の空気抜ける?♡♡♡」


 蘭に従って空気を抜くと、頬肉が亀頭にべったり張り付く。


 「うん♡♡♡うまいうまい♡♡♡そのまま引き抜いていこっか♡♡♡」


 そのまま頭部を後退させていけば、ぐじゅ♡♡♡ぐぼぉ♡♡♡にち♡♡♡という響きと共に口の中が持っていかれそうになる。

挿入時よりも摩擦し合う場所がずっと多く、また彼女の椎茸じみたカタチが脳裏に刻み付けられていった。


 「ぁ♡♡♡ふふ♡♡♡」


 視線の先では満足げな吐息を吐く美女が目を閉じて感じ入っており、悦ぶ姿が見たくてよりきつく口内を締める。

すると口角が吊り上がって撫でには耳への愛撫が加わり、日向も甘い息を漏らす。


 「唇をカリに引っかけて……♡♡♡」


 言われた通り、出てきかけているカリに窄めた唇を纏わりつかせた。

それをこじ開けるようにえらはぬもぉ♡♡♡と這い出し、たっぷりとした刺激を味わって我慢汁を多く迸らせる。


 「いいよ……♡♡♡そうすると口、日向くんのおまんこみたい♡♡♡チンポが出そうになるとやだやだ~って締めてきて……♡♡♡」


 「んぁ……♡♡♡」


 セックス中の、膣と化した尻穴の様子を伝えられると背筋が粟立ってしまう。

単なる排泄器官だった場所が、今や彼女との度重なる交尾で立派な、さらには貪欲な性器になったと思うと危うくも妖美な「変化」を感じた。


 「さ、もう一回お願い……♡♡♡」


 「んむっ♡♡♡」


 頷き、もう一度、そして二度三度と繰り返せば口内は出されたものでずるずるのべたべたになっていく。

それらはよだれと混ざり合って卑猥な音色を奏で、動作の度口の端から零れて太ももや床を汚す。

部屋には、二つの鼻を刺す匂いがたっぷりと充満していった。


 時間が経つにつれて、上から降る視線はきつくぎらぎらしたものになり、後頭部に添えられた手には力が籠っていく。

やがてもう片方の腕までもが添えられた時、日向は蘭の「やりたいこと」を理解し、求愛するため一度口を離した。


 「ぷはっ♡♡♡」


 「日向くん……?」


 「らんさん……♡♡♡ちんちん、喉の奥まで突っ込みたいんですよね……?♡♡♡」


 彼女は一瞬間を置いた後、愉しげに笑う。


 「……ふふ♡♡♡そうだよ♡♡♡分かっちゃった?♡♡♡」


 「はい……♡♡♡その、手が頭の後ろ掴んでたから……♡♡♡」


 「あ~そっか♡♡♡ごめんね、日向くんのフェラ見てたら興奮しちゃって♡♡♡」


 「いえ……♡♡♡」


 全く自分へ向かうオスの欲望を隠さない姿に、きゅん♡♡♡と心が高鳴る。

喉奥も、同じように疼いた。


 「あの……♡♡♡」


 「ん?♡♡♡」


 見せつけるように、少し上を向いて口を開け、舌を伸ばす。


 「んぁ~♡♡♡いいれふよ♡♡♡きのうみたいに、ぼくののどおく、いっふぁいついても♡♡♡」


 「……♡♡♡♡」


 言葉を紡ぐ度、蘭の目が、口がいやらしく歪んでいくのが見えていた。

ぎとぎとと脂っこい劣情が、痛いくらいに伝わってくる。


 「ふふ♡♡♡じゃあお言葉通りイラマ、させてもらおっかな♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 強調された口虐を表す語句に、呼吸がひくつく。


 「でもさぁ……♡♡♡」


 「んぐっ♡♡♡」


 そして無防備な「穴」へ、無遠慮にチンポが挿入された。

反射的に引こうとした身体は、手によって力強く阻まれてしまう。


 「いいですよ、じゃなくて……♡♡♡使ってください、でしょ……?♡♡♡」


 「んむぅっ♡♡♡」


 舌すら悠々と亀頭によって制圧され、先端がすぐのどちんこの直前まで到達する。


 「日向くんは私にチンポ恵んでもらう側なんだからさ♡♡♡そこはちゃんとしてもらわないと♡♡♡」


 「っぁ♡♡♡♡」


 「分かった?」


 セフレの関係でどちらが上だとか下だとか無いはずなのに、やたら強引な蘭の態度。

視線は煮え滾った性欲で熱いはずなのに冷たく、ぞく、とした怖気と共に崇敬の念も芽生えさせる。

彼女に強く言われると、全く抗える気がしない。


 「んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 「よしよし♡♡♡えらいね♡♡♡」


 「んぅ……♡♡♡」


 頷けばわしわしといくらか雑な手つきで頭を撫でられた。

荒い褒め方にも、身体は反応して蕩けていく。


 「じゃ入れるね♡♡♡んっ♡♡♡」


 「んぶっ!?♡♡♡♡」


 そうしてふにゃふにゃになっていると、間髪入れずに後頭部が固定され、チンポは喉奥へと突きこまれる。

全くと言っていいほど心の準備をする時間が無かった。

当然気道が塞がり、昨日よりも激しく喉肉が蠕動して異物を押し出そうとする。


 「んぐっ♡♡♡ぐっ♡♡♡」


 「あは♡♡♡ん……♡♡♡日向くんの喉気持ちいいよ♡♡♡ぎゅ~って締め付けてきて♡♡♡」


 だが、蘭は意に介さない。

身体の反射を愛撫とでも思っているのか、むしろ気持ちよさげな声を出し、にこやかで優しい笑顔を向けてくる。

体内からのぐちゅっ♡♡♡ぐちゅっ♡♡♡という音がやけに響く。


 「ゃ♡♡♡ごっ♡♡♡ぅ♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡ベロでも気持ちよくしてくれるの?♡♡♡」


 「待って」と言おうにも舌はチンポに邪魔され、言葉を紡ぐことすらできない。

相変わらず彼女は奉仕だと勘違いしているようで、前後とも力強く押さえ付けられ逃げることもできない。


 このまま、窒息させられてしまうのだろうか。


 そんな考えが浮かんだ時、恐怖ではなくどす黒い快楽がぞくり♡♡♡ぞくり♡♡♡と皮膚の下で蠢いた。


 日向は身勝手な責めによって、確かに快楽を感じていた。

「速水蘭」という美しくも妖しい女性、ふたなりに弄ばれ、道具として使われる。

それは、真面目で道徳的な心が奥底でずっと望んでいた事だった。

破滅的でアブノーマルな願望が満たされるのは、とてつもなく気持ちがいい。


 「っ♡♡♡っ♡♡♡」


 「……♡♡♡」


 目からは、反射か悦びでか、涙が零れていく。


 すると蘭の目は細められ、鋭く甘い、ともすれば慈愛すら伝わってくる視線が身体を貫いた。

あれほどにこやかだった笑顔は消え、愉しげに軽く歪むだけ。


 彼女はああすれば自分が悦ぶのも、実際今自分が悦んでいるのも分かりきっている、と思った。


 「んおぉ……♡♡♡」


 酸欠で思考がおぼつかなくなって来た時、見計らったかのようにチンポが抜かれていく。

口蓋垂を先端が通過し、カリが上あごを愛しながら開き切った口を出て、亀頭全体が同じように這い出る。


 「ごほっ♡♡♡ごほっ♡♡♡」


 下を向いてえづくと、いつの間にかぴったり閉じられていた太ももに水溜まりができていた。

まだ仄かに暖かい液体は、ゆっくりと膝の方へ滑りながら床へと落ちる。


 日向が呼吸を整えている中で、蘭はその後ろにあるローテーブルへと手を伸ばしている気配があった。

コトンと音が鳴って、そういえばフェラチオを始める前、彼女が中くらいのジョッキを用意していたことを思い出す。


 「ふぅ……♡♡♡えっ……♡♡♡」


 息を整え終わり顔を上げればある、発情で少しせり上がった金玉、顔の右側へと少し傾けられたチンポと、それを扱く手。

中へ精液を注ぎ込もうとしているのか、どろどろの先端が傾けられたジョッキの中に入っている。


 「ふふ♡♡♡気持ちよかったでしょ?♡♡♡」


 やや困惑していると、上から声をかけられた。

半ば無理やりでもあったイラマチオにひどいと抗議するか悩んだが、正直な気持ちを伝える。


 「ぁ……♡♡♡はい……♡♡♡きもち、よかった、です……♡♡♡」


 「よかった♡♡♡日向くんなら喜ぶと思ったんだよね♡♡♡」


 「ふぁ……♡♡♡」


 かなりのマゾであるとバレてしまっていることに、愉悦を感じてしまう。

それも他でもない、圧倒的なほど性技に長けた蘭にバレていると思うと、これからの快楽へ期待も大きく膨らんだ。


 「あ、というか、これ、なんですか……?」


 先ほどから気になっていた右にある光景と、美しい顔を交互に見つつ聞く。


 「あ~♡♡♡私の出した精液、全部日向くんに飲んでもらおうと思って♡♡♡」


 「へっ♡♡♡」


 薄々そうかもしれないとは考えていたが、実際に言われると驚いた。

同時に、舌と喉がじく♡♡♡と疼く。


 「直接日向くんの口に出しても良かったんだけどさ♡♡♡」


 優しかった視線はまた見下すような鋭いものに変化し、鳥肌を誘う。


 「そうすると量が多くて大変でしょ?♡♡♡ただでさえ濃くてどろどろしてるのに♡♡♡」


 「ぁ……♡♡♡」


 昨日のセックスの後、並々と精液が入っていたコンドームの光景が蘇ってきた。

さらに、「お掃除」で飲み込んだ時のやたらに粘々した感触も。


 「だから、一回ジョッキに出してから飲んでもらおうかな~って♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 生唾を飲み込んだ喉がごく、と音を鳴らした。


 「ね、おっけーだったら金玉もみもみして……?♡♡♡」


 「あの……♡♡♡えっと……♡♡♡」


 じっ♡♡♡と見つめてくる目。

あまりに魅力的な提案に、自然と手が動く。


 「私は、日向くんに精液飲んで欲しいなぁ♡♡♡日向くんのために作ってぇ……♡♡♡日向くんのために出した精液……♡♡♡」


 続く甘ったるい囁きが、揺れていた心にとどめを刺した。


 「ふぁ、ふぁい……♡♡♡分かりました……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡ありがと♡♡♡」


 にやりと歪む口角を最後に金玉へと目線を移し、そっと手を添える。

ぎりぎり包み込めそうなほどの球体は、ずっしりと重たい。


 「うぁ……♡♡♡すごいあつい……♡♡♡」


 伝わってくるのは激しい熱と、どくっ♡♡♡どくっ♡♡♡という脈動で、今ここで自分のための白濁が作り出されているのだと思った。


 「そのまま優しく揉んで?♡♡♡」


 「……♡♡♡」


 「ん……♡♡♡いいよ♡♡♡すぐ出ちゃいそう♡♡♡」


 応じるようにほんの軽く指を食い込ませれば、より強い蠢きが感じられる。

段々せり上がり、射精が近づいているのも分かった。


 「あとさすったり転がしたりもして……♡♡♡」


 撫で回すとすべすべした肌触りで、弄べば大きすぎて零れてしまいそうになる。


 「あ……♡♡♡ね、日向くん♡♡♡チンポが射精するとこ見てて……?♡♡♡もうすぐ出そう……♡♡♡」


 頷いて右にあるチン先を見ると、とぷ♡♡♡とぷ♡♡♡と絶えず我慢汁を吐き出していた。

ジョッキの底にいくらか溜まり、揺れに合わせて波打っている。


 やがて、亀頭が軽く膨らみ、びくびく痙攣していく。


 「出る♡♡♡出すね♡♡♡……はぁ♡♡♡♡」


 そして射精が始まった。


 「すごい……♡♡♡」


 チンポは大きく跳ねつつ、その度に塊のような粘液を吐き出す。

一つの塊だけでも、一般的な男性の「量」よりもずっと多く、黄色くてずっと濃い。

かなり重そうなのに勢いも凄まじく、発車物は傾けられたグラスの上辺をべたぁ♡♡♡と汚しながら、すぐに奥まで到達していた。

上側にかかった物はすぐには垂れず、しつこく貼り付いている。


 ジョッキ内は三分の一、三分の二とみるみるうちに精液で満たされていき、もわぁ♡♡♡と栗の花のような香りを広げていく。

やがて肉の棒が絶頂を終えるころには、中はいっぱいになっていた。


 「ふぅ♡♡♡」


 「ぁ……♡♡♡」


 蘭が「ザーメンジョッキ」をテーブルへ置き、満足げな息を吐くのが聞こえる。

解放された先端からは、残り汁が垂れそうになってしまっていた。


 「んぇ♡♡♡」


 もったいなくて横から舌で舐め取る。


 「ふふ♡♡♡」


 耳は笑い声を拾い、味蕾は甘苦い味を検知した。

頭を撫でられながら、口内の物を弄りつつ薄めていく。

残り汁のはずなのにねばねばで、ぬち♡♡♡ぬちゃ♡♡♡と響いている。

自ら進んで精液を味わう自分に、背徳的な官能が滲んだ。


 「んくっ♡♡♡あっ♡♡♡」


 そうして飲み込むと、目の前へと黄ばんだ液体の入った容器が差し出される。


 「ほら、まだまだあるよ♡♡♡」


 「ふぁい……♡♡♡……んっ♡♡♡」


 受け取り、口を付けた。


 まず唇に暖かくどろどろした感触が伝わり、開くとそれらがゆっくり流れ込んでくる。

歯茎、下あご、ベロ、歯、と口の底面が浸されたところで一度区切り、賞味していく。


 「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 鼻へ青臭い風味が抜け、脳にも入り込んで幸せが広がった。

くちゅ♡♡♡くちゅ♡♡♡と混ぜながら咀嚼すれば、より香りが立つ。


 「ね、口の中見せて?♡♡♡」


 「……♡♡♡んぁ~♡♡♡」


 蘭の方を身体ごと向いて頷き、開口する。

ねっちりした視線が、こちらの目の少し下を見ていた。


 「あは……♡♡♡えっろい♡♡♡」


 声と共に、陰茎を扱く音が聞こえ始める。


 「ぐちゅぐちゅして……♡♡♡」


 応えるように舌を動かして、よだれと精液を混ぜ合わせていく。


 「そう、いいよ♡♡♡はぁ……♡♡♡やっば♡♡♡」


 「んぇ……♡♡♡」


 すると彼女の指が来て、すりすりと混合液を塗り込んだ。

手つきは粘着質で愛撫めいており、いくらか気持ちいい。


 棒は次第に奥へと進み、粘膜表面へ満遍なく摺りこむ。

うっとりしつつ唇で捕まえれば、ぬろ~っ♡♡♡と緩慢に抜かれていく。


 「ふふ♡♡♡全部飲んでもらおうと思ってたけど……♡♡♡さっさとえっちしたくなってきちゃった……♡♡♡」


 「……♡♡♡」


 淫猥な視線を絡ませ合いながら出て行くのを感じていると、やがてちゅぽんと鳴りながら爪の先までが這い出した。


 「よし♡♡♡」


 「んくっ♡♡♡んくっ♡♡♡んくっ♡♡♡」


 そして、「合図」と共に飲み込んでいく。

たっぷり空気と唾液を混ぜ合わせた液体は比較的あっさりと流れていき、「蘭」の熱を残しながらも胃へと落ちた。


 「見せて……♡♡♡」


 「あぇ~♡♡♡」


 「うん♡♡♡えらいよ♡♡♡」


 「っ♡♡♡はい……♡♡♡」


 再度の合図に従い、白濁の無くなった口を開けば、優しく撫でられる。

手つきに雑さは一切なく、慈しみを多分に含んでいた。


 「ね、それ置いて足の上おいで♡♡♡」


 言われた通り、まだ並々と注がれたジョッキをテーブルに置いて立ち上がり、閉じられた蘭の足を跨いで座る。

すぐに背中へ腕が回され、二人の間でチンポが擦れるほど抱き寄せられた。


 「わ……♡♡♡らんさん……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡」


 ちょうど頭が同じくらいの高さになり、真っ直ぐに向けられる目。

じっ♡♡♡と熱っぽい視線を送ってきており、長いまつ毛に飾られた瞳から逃げることが出来ない。

興奮しているからか仄かに赤らんだまぶたはしっとりしていて、同じくしっとりした金髪が目尻を隠して艶っぽさを与えている。


 「ん……♡♡♡」


 「んむ♡♡♡」


 キスをされ、ちゅぷりと音が響く。

精液とはまた違った暖かさの、むにむにして柔らかい感触が唇に当たった。

甘みの強い快楽が全身を満たしていく。


 「んぇ♡♡♡」


 やがて口内へ厚ぼったく長い粘膜を受け入れると、こちらの舌が包み込まれる。

続けてにゅり♡♡♡にゅり♡♡♡と扱かれると、徐々に息が荒くなった。

いやらしい水音が身体の中から聞こえる。


 そこで、胃から何かがこみ上げてくるのに気づいた。

恐らく何かとは空気で、白濁を飲み込んだ時に入ってきた物だと分かる。


 「んっ、んっ」


 口付け中にげっぷをするわけにはいかないと思い目で訴えるが、伝わっていないのか全く終わる気配がない。

その内、喉元までせり上がった。


 「ぐっ」


 口から鈍い音がして、今まで飲み込んだ様々な体液が混ざり合い発生した、青臭く生臭い「オス」そのものな風味が鼻を抜けていく。

はしたない行為で恥じらいと申し訳なさを覚える頭は、しかしその香りによって強制的に蕩かされ、発情させられた。

尻穴が、チンポを欲しがって著しく疼く。


 「ぷは♡♡♡ふふ♡♡♡」


 気づけば蘭の頭は離れ、「メス顔」を愉しげに視姦している。


 「ね……♡♡♡ベッドいこっか……♡♡♡」


 「っ♡♡♡♡」


 日向はすぐ、深く深く頷いた。







 昼下がりだというのにカーテンが閉められた暗い寝室、やや乱れたままのベッドの上で、日向は四つん這いになっている。

相変わらず、部屋はセックスの残り香で甘臭い。

マットレスが汚れないよう、足元にはバスタオルが何重かにして敷かれ、脛からはふわふわした感触が伝わった。

手の拘束はすっかり解かれており、ピンク色の痕だけが少し痛々しく残る。

そしてアナルはローションに塗れ、背後にいる「オス」を誘うようにひく♡♡♡ひく♡♡♡と蠢いていた。


 「あは♡♡♡日向くんの縦割れしたお尻、すっごくえろくてかわいい……♡♡♡」


 「ん♡♡♡」


 うっとりした声と共に尻たぶが持たれ、開かれていく。

首だけで振り向けば、自分の身体で影になって頭髪くらいしか見えないが、前のめりの体勢で明らかに「穴」を凝視している蘭。


 「周りもふっくらしててほんとにおまんこって感じ……♡♡♡ふ~♡♡♡」


 「んはぁっ♡♡♡」


 吹きつけられる息で腰が大きく跳ねた。

さらにすり♡♡♡すり♡♡♡もみゅ♡♡♡もみゅ♡♡♡と尻肉が派手に揉まれ、愛撫されていく。

豊かに実った臀部は反応を返すようにぷるぷる弾み、緩やかな快楽と絶大な期待感を膨らませる。


 「お尻もおっきくてぷにぷにで最高……♡♡♡」


 「っ♡♡♡らんさんっ♡♡♡はやくっ♡♡♡」


 焦らしに耐えきれず急かせば、美しい顔が上に動き、ようやく見えるようになった。

だが、いたずらっぽい目と意地の悪そうな笑みがそこには浮かんでいる。


 「ふふ♡♡♡ごめんごめん♡♡♡でも、もうちょっと日向くんのお尻愉しませて?♡♡♡」


 「うぅっ……♡♡♡」


 「我慢したらその分いっぱい気持ちよくなれるからさ……♡♡♡」


 「ん……♡♡♡わかり、ました……♡♡♡」


 たっぷり昂った後のメスイキが愉しみなのは確かだったが、早くシてほしいという気持ちもあり渋々といった風に了承した。


 「日向くんは言う事聞けて偉いね~♡♡♡」


 「んぁ……♡♡♡」


 すると賞賛に併せて、恐らく指の腹で肛門が撫で回され、気持ちよくて関節が震える。

粘液がくちゅ♡♡♡と淫らな音を鳴らした。


 「さてと」


 言葉を区切りにして、下半身への責めは一度終わる。

そして蘭は上体を起こして膝立ちになると、ゆっくり尻へと近づく。

服は既に全て脱いでいて、当然高くそそり立つモノの「裏面」が見えた。


 いつもみたくはちきれんばかりに膨らみ、まぶされたローションでどろどろになっている亀頭。

蘭の顔と同じように整った槍じみたカタチは、単純に見惚れてしまうほど魅力的で、滑らかな曲線美を持っている。

中心へ入る裏筋から左右対称に大きく盛り上がった肉は赤黒く、今までたっぷりと「メス」の汁を吸ってきたことの証みたいだった。


 反面竿は真っ直ぐ上へ伸びつつも血管によってボコボコと歪な形状で、持ち主の激しい性欲を表しているかのよう。

しかも先端よりもずっとどす黒くて、合わさると全体の印象がかえって禍々しいものになっていた。


 「あっ♡♡♡」


 棒はそびえ立ったまま谷間の中央へぴったりとくっつき、もちろんアナルにも当たる。

伝わってくるのはむらむらした熱と脈動で、さらに全体がぬめり気を帯びていた。


 「じゃ、日向くんのデカ尻でチンポ挟ませてもらうね♡♡♡」


 「ふぁ♡♡♡」


 間髪入れずむちむちの媚肉が閉じられる。

内側は温められた潤滑液でべっとり濡れ、硬い棒の円周を三分の二ほど柔らかく包み込む。

大きくなった尻でも覆い尽くせないほど巨大な陰茎に、興奮と恋慕の情を覚えた。


 「ふふ♡♡♡柔らかくてむっちむち……♡♡♡動くよ♡♡♡」


 「はぁっ♡♡♡」


 陰茎が上下に抜き差しされると、ぐちゅ♡♡♡ぐちゃ♡♡♡くちょ♡♡♡という淫猥な水音が響く。

しかも秘部や金玉の裏まで同時に擦られるので、快感は緩いのにもかかわらず発情がじわじわ高まる。


 「んぅ……♡♡♡これ……♡♡♡」


 「興奮するでしょ?♡♡♡お尻の穴にもタマタマにも当たって……♡♡♡」


 「っ♡♡♡はいっ……♡♡♡あっ……♡♡♡」


 絶えず走る甘い電流によって、ぴく♡♡♡ぴく♡♡♡と小刻みに身体が跳ねた。

一日中メスイキしていなかったためただでさえひどかったナカの疼きが膨れ上がり、もはや痛いくらいになっていく。


 「ふっ……♡♡♡んっ……♡♡♡はぁっ……♡♡♡」


 尻たぶの間をガチガチに勃起した肉棒が滑る度、上半身を支える腕から力が抜ける。

やがて肘が笑ってベッドへ着き、頭もだらりと項垂れ白い枕だけが見えた。

息遣いも、乱れておぼつかないものになる。


 「あは♡♡♡力抜けちゃった?♡♡♡おまんこもず~っとひくひくしてる……♡♡♡」


 「んぁっ♡♡♡らんさんっ♡♡♡うぁ♡♡♡はやくっ♡♡♡はやくいれてっ♡♡♡」


 「……♡♡♡えっろ……♡♡♡」


 強くおねだりすれば、かなり満足げな言葉が聞こえた。


 「そうだね♡♡♡あんまり焦らしても可哀そうだし……♡♡♡そろそろ入れてあげよっか♡♡♡」


 ぶんぶん頭を振れば「かわいい♡♡♡」と続き、ようやく媚臀が解放される。

開かれると鳴るぬちゃぁ♡♡♡という音が、やけに寝室に響いた。


 「らんさんっ……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡焦らないで♡♡♡ちゃんと入れてあげるからいい子で待っててね♡♡♡」


 「っ♡♡♡はいっ……♡♡♡」


 四つん這いになっている時そんな風に言われると、またペット扱いされているようで被虐願望がくすぐられてしまう。

首輪が着けられた犬のようにおとなしく待てば、恐らくコンドームを準備しているのだろう気配はやがて止んだ。


 「あっ♡♡♡♡」


 そして、左側の骨盤が掴まれて腰が固定され、アナルにはチンポが突きつけられる。

たったそれだけなのに、悦びは身体中をじわぁ♡♡♡と浸していく。


 「あ、ナカの具合は……まぁ確かめなくてもいっか♡♡♡ここ、すごいことになってるっぽいし♡♡♡」


 「っぁ♡♡♡」


 「ほら、日向くんのお尻、チンポにキスしてきてるよ……?♡♡♡」


 「んっ♡♡♡」


 蘭の言葉は冗談でも何でもないようで、敏感な陰唇からは腫れぼったくぷにぷにした亀頭の感触が伝わってきていた。

ひくつきに合わせて内側がいくらか擦れ、期待を膨らませる緩い快楽が滲む。


 そんな風に軽い前戯のようなものをいくらか楽しんだら、なるべく力を抜いて、挿入しやすいよう括約筋を緩める。


 「じゃあ、日向くんのえっちなおまんこにチンポ……♡♡♡あげるね♡♡♡」


 するとずにゅ♡♡♡と先端がめり込んだ。


 「―――♡♡♡♡」


 右側の骨盤も掴まれることで、跳ねそうになる下腹部は押さえつけられ、チンポは奥を目指してずんずん進んでいく。


 「あは♡♡♡解してないのにカリまですぐ入っちゃったね?♡♡♡」


 「ふあっ♡♡♡」


 前までかなり時間のかかったえらは、かなりの快楽を齎しつつもすんなりと入った。


 「ね、バックだと当たるとこ違って気持ちいいでしょ♡♡♡」


 「はいっ♡♡♡せなかっ♡♡♡こすれてっ♡♡♡」


 彼女の言う通り、反り返りや特に上へ突き出したカリによって、腸壁の背中側がぞりゅ♡♡♡ぞりゅ♡♡♡と著しく擦れる。

そのせいで前立腺にはあまり当たらないが、全体が性感帯へと開発されたナカには些細な事だった。

背筋から気持ちよさが絶えず発生し、全身へ滲み出す。


 「私もナカとろっとろで気持ちいいよ♡♡♡」


 「っ♡♡♡なってっ♡♡♡きもちよくなってくださいっ♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡かわいい♡♡♡お尻撫でてあげる♡♡♡」


 「んんっ♡♡♡なでなでされるのすきぃっ……♡♡♡」


 興奮で蕩けきり、ふにゃふにゃになってしまっている頭では、言葉も蕩けたものになる。

理性や思考を介さない、本心からの言葉を吐きだすのは、解放感に満ちたものだった。


 そこへ、既に陰茎が半分ほど腸内を満たしたため、固定しなくてもよくなった手からの尻愛撫が来ると、幸せが押し寄せる。

もっととねだるように腰を押し付ければ、当然チンポはより深くなっていく。

やや力の抜けていた背中は、痙攣して仰け反った。


 「あは♡♡♡今日の日向くんは素直でかわいいね♡♡♡てなると今度はぁ……♡♡♡い~っぱい虐めて啼かせてあげたくなっちゃうなぁ……♡♡♡」


 「ひっ♡♡♡」


 低く発された声に、ぞわ♡♡♡と甘ったるい怖気が立つ。

いつの間にか、また手は下腹部へと移動し、今度は指が深く食い込んでいた。

食い込みすぎて痛いくらいで、しかし、それだけ蘭の「めちゃくちゃにしてやりたい」という気持ちが伝わってくる。

突然の危うく甘い誘惑に、全く抗えない。


 「こうやって腰ぎゅっと掴んだままどす♡♡♡どす♡♡♡って突いてぇ……♡♡♡」


 言い含めるような発声は、あまり働かなくなった頭にもありありとその情景を浮かび上がらせてくる。


 「多分日向くん、すぐイっちゃうんだろうね……♡♡♡でも、やめてあげない……♡♡♡」


 「それってっ……♡♡♡」


 「そう♡♡♡連続で何回もイかせるの……♡♡♡やめて、って言われても絶対にチンポ止めないよ……♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 「もしかしたら、途中で辛くなっちゃうかもね♡♡♡」


 彼女の言う通り、明らかにつらく苦しい責め。


 「でもまぁ、日向くんなら悦んでくれそうかな……♡♡♡」


 「そんなっ……♡♡♡」


 だが、そうして半ば無理矢理犯されることへの期待は大きい。

「自分で」や、普通の情事では決してできない行為を、一度味わってみたいと心の奥底が願っている。

そして、この問答が始まってから挿入は止まってしまっており、体内で動かず脈打つだけの肉棒が願いをより強いものにしていく。

日向は、口を開いた。


 「んぅ……♡♡♡いっ、いじめて……♡♡♡いじめてください……♡♡♡」


 「ほんと?♡♡♡」


 「はい……♡♡♡」


 さらに指の力が増す。

優しさの欠片もない、情け容赦のないピストンが、脳裏をよぎる。


 「ほんとにいいの……?♡♡♡私のチンポ無しじゃダメになっちゃうかもしんないけど……♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 より低く荒っぽく、あざけりも含んだ声に、恐怖とそれを優に超える渇望が膨らんだ。


 「はいっ……♡♡♡」


 「ふぅ~ん……♡♡♡」


 「ひっ♡♡♡」


 だが、続いた愉しげな言葉に恐怖が立ち込める。


 もしかしたら、まずい選択をしてしまったのかもしれない。


 「じゃ、動く……ねっ♡♡♡」


 「んぃぃっ♡♡♡」


 そんな思考は、奥への強い突きこみによって強制的に停止させられた。

代わりに視界が明滅するほどの快感で満たされる。


 「ふっ♡♡♡」


 「あぁぁっ♡♡♡」


 すぐ肉棒は引き抜かれていき、ぞりゅりゅぅ♡♡♡と腸壁が持っていかれそうなほど引っ掻かれていく。

反り返ってやや上向いた亀頭と、高く広がったカリがたっぷりと肉を捕まえ、摩擦した。


 「ふっ♡♡♡……ふっ♡♡♡……ふっ♡♡♡」


 「ひあぁっ♡♡♡やっ♡♡♡ひゅっ♡♡♡」


 蘭が息を吐くと同時にチンポはナカを埋めつくし、吸う度に出て行く。

早く的確なピストンは、喋ることを許さない。

ただ押し出されたような喘ぎ声で「啼く」だけになる。


 するとやがて、甘ったるい幸せが下半身を満たし、肉体全てへ広がり始めた。


 「あっ♡♡♡イっ♡♡♡くぅっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 「ふふっ♡♡♡あ~♡♡♡かわいい……♡♡♡」


 突き上げられるような激しいメスイキが訪れ、じゅく♡♡♡じゅく♡♡♡と快楽が迸る。

焦がれていたそれはかなり重たくて、頭を真っ白に染め上げていく。

ナカの感覚は薄れ、遠くから「オス」の愉しげな声色が聞こえた。


 「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡おっ♡♡♡あっ♡♡♡やぁっ♡♡♡」


 そうして徐々に頂点から降りてきたかと思えば、どうして分かるのかすぐ前後運動が再開される。

引き締まった腸壁に扱かれてかなり感じているはずなのに、動きは全く衰えない。

鳴り響くローションの淫靡でうるさい音が、脳内に木霊して性感をさらに高める。

アクメ後の身体はあまりに敏感で、間髪いれずに「予兆」が来るのが分かった。


 「まっ♡♡♡まってっ♡♡♡らんしゃっ♡♡♡はぁぁっ♡♡♡」


 想像を遥かに上回るあまりの激しさに、どうにか止めてもらおうとする。


 「ん~?♡♡♡どうしてっ♡♡♡かなっ♡♡♡やってって言ったのはっ♡♡♡日向くんだよねっ♡♡♡」


 「だっ♡♡♡んぁぁっ♡♡♡だってぇっ♡♡♡あっ♡♡♡はげしっ♡♡♡クっ♡♡♡クるっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 だが蘭は一切意に介さず、それどころか責め手をより激しくした。

早さと正確さを両立した機械じみた動作に、連続での絶頂を食らわせられる。


 びくん♡♡♡びくん♡♡♡と下半身が大きく跳ね、腸内が収縮してチンポへと絡みつく。

著しく感度の増した体内で感じるカタチは、太くて長くてメスとして惚れ惚れするものであり、連続イきの辛さが薄れていった。

「これ」にいっぱいイかされるなら、幸せかもしれない、と。


 「んぅ……♡♡♡はぁ……♡♡♡あっ♡♡♡チンポっ♡♡♡ちんぽしゅきぃっ……♡♡♡」


 余韻に浸され始めたのを見計らったかのように、デカマラはまた動きだす。

今度は浅く早く奥だけを徹底的に虐め、上下左右へと器用に潰した。

ぐちゅ♡♡♡くちゅっ♡♡♡という水音に、少しずつ肌同士がぶつかり合って打ち鳴らされるぱんぱんという音色が混ざる。


 「ふふ♡♡♡私のチンポっ♡♡♡奥まで入っちゃったねっ?♡♡♡ねぇ♡♡♡嬉しい?♡♡♡」


 「お゛ぉっ♡♡♡うれしいっ♡♡♡うれしいですっ♡♡♡すきっ♡♡♡すきぃっ♡♡♡」


 自分の身体が好きな人のモノを全て受け入れられるようになった。


 その事実はあまりに甘美で、ただでさえ度重なるメスイキで多幸感に溢れていた全身が、さらなる悦びに満たされていく。


 「あっ♡♡♡クるっ♡♡♡キますっ♡♡♡らんしゃんっ♡♡♡おくっ♡♡♡おくついてっ♡♡♡」


 「あ~♡♡♡えっろい……♡♡♡いいよっ♡♡♡ぎゅ~って突いてあげる♡♡♡」


 するとまた訪れそうになるアクメ。

どうしてもぴったりと繋がったままシたくておねだりすれば、ぐっ♡♡♡と先端により最奥が押し込まれた。


 「っ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 尻に当たる彼女の熱い肉体、長く腸内を占める淫棒、愉しげな声、それらを味わうと快楽が爆ぜる。


 アナルにあったむずむずが一気に広がり、練乳じみたトロけに変わっていく。

ピンクがかった白色に意識が染められ、「気持ちいい」とか「とけちゃう」、「すき」といったことのみが浮かんだ。

白は長い間続き、ゆっくりゆっくりと時間をかけて現実が戻ってくる。


 「はっ♡♡♡はっ♡♡♡はっ♡♡♡」


 軽い酸欠になった頭が激しく呼吸をし、甘い痺れが滲む。

部屋には汗の酸っぱい匂いとフェロモンのむらつく匂いが漂っている。


 流石の蘭も少し疲れたのか、今回は追い打ちをかけられることは無かった。

だが、代わりにじっとりした目が視姦してきている気がする。


 「気持ちよかった?♡♡♡」


 肯定を見越した問いに、全身が法悦で竦む。


 「ひゃい……♡♡♡あっ……♡♡♡」


 そうやって鋭敏になった背筋が指先でなぞられると、発生した快感が脳や下半身をぞわつかせた。


 「よかった♡♡♡日向くんなら悦ぶと思ってたよ♡♡♡だってぇ……♡♡♡マゾ、だもんね……?♡♡♡」


 「ひあぁぁ……♡♡♡」


 強調された罵りは鳥肌を助長し、ぞくぞくが止まらなくなっていく。


 「ね、そうでしょ?♡♡♡今だって貶されてるのに背中ぴくぴく震えてるし、何よりナカ、すっごい締め付けてくるよ……?♡♡♡」


 「ぁっ……♡♡♡♡」


 事実を並べられると、反論のしようもない。

確かに「マゾ」であるということを、改めてはっきり自覚させられてしまう。

まだ終わらない快楽責めに、正直なところ悦んでしまっている。


 「それに、あ~んなに激しくされたのに、自分から腰動かそうとしてるでしょ♡♡♡」


 「っ♡♡♡それはっ……♡♡♡」


 蘭の言う事は正しかった。

実際今、先ほどの連続絶頂をまた味わいたくて仕方がない。

急に無くなってしまったあの快楽を得るため、どうにかチンポを腸壁へ擦り付けようとしている。


 「ふふ♡♡♡ただでさえお尻で感じる恥ずかしいマゾなのに、淫乱でもあるんだ……♡♡♡♡最悪だね♡♡♡」


 「やぁっ……♡♡♡」


 日向を淫乱に変えたのは彼女であるはずなのに、低い罵声はちくちくと心を犯した。

粘っこい言葉に、被虐心がたまらなくくすぐられていく。


 「ふあぁぁぁっ♡♡♡」


 そこで、両手で腰が掴みなおされ、ふたなりマラがまた動き始めた。

肉体を釣り上げんばかりに、ぞりゅ♡♡♡ぞりゅ♡♡♡ときつく上方へ摩擦しながら引き抜かれていく。

カリや亀頭が、たっぷりと媚肉を掻きむしる。

甘ったるい身震いが、さらに強くなった。


 「あっ♡♡♡こりぇっ♡♡♡イっ♡♡♡」


 あまりの甘さに、メスイキが訪れるのが分かる。


 「っ♡♡♡……ぇ?」


 だが、もうクるというところで陰茎は止まってしまう。


 「なっ♡♡なんでぇ……♡♡」


 「……♡♡♡♡」


 疑問を口にしてみても、聞こえてくるのは「オス」の荒い息遣いだけ。

自分できっかけを得ようにも、下半身はがっちりと固定されていて出来ない。

頭が蕩けすぎていて、乳首を弄るという考えさえも浮かばない。


 「んぅ……♡♡♡」


 やがて前兆が治まりきると、引き抜きは再開された。

相変わらず腸壁はごしごしと抉られ、齎される快楽はあまりに強い。


 「っ♡♡また……♡♡」


 しかし、絶頂の直前で必ず動作は止まる。

蘭も、先ほどあんなに罵ってきたのに、全く言葉を発さなかった。


 「あ……」


 そうして三回ほど寸止めされると、ついにチンポは亀頭まで余さず出て行ってしまう。


 「あは♡♡♡」


 するとようやく蘭の嗜虐的な笑い声が聞こえた。

尻たぶの谷間に手が添えられ、開きっぱなしのアナルが軽く固定される。

吐息や空気が、ナカをさわさわと撫でていく。


 「ね、お尻の穴ぽっかり開いてるよ?♡♡♡それに、チンポちょうだいちょうだ~いってひくひくしてる♡♡♡」


 「んっ♡♡♡」


 さらにはそこが視姦されているらしく、「どんな様子か」が続いた。


 「ナカもすっごい動いててえろいよ♡♡♡ふふ♡♡♡やっぱりおまんこみたい……♡♡♡」


 「いわないでぇっ♡♡♡」


 「あ♡♡♡ぎゅってなった♡♡♡かわいい……♡♡♡」


 「ひぅっ♡♡♡」


 普段人に見られることの無い体内、しかも、開発されて性器と化した場所を事細かに説明されると、羞恥心が激しく煽られる。

身を焦がすような恥じらいは、ぐつぐつと煮え滾る劣情へと変化していく。


 「ね♡♡♡」


 「あっ♡♡♡」


 手が腰へと戻ったかと思えば背中へとチンポが乗っかり、尻たぶの間にはぺったりと金玉が貼り付いた。

どちらもマグマのような熱を帯びており、どくっ♡♡♡どくっ♡♡♡と力強く脈動している。

少し離れた顔にまで、しかもコンドーム越しにも関わらず、鼻をメスに変えるような青臭く強烈な「オス」の香りが漂う。


 「認めて?♡♡♡日向くんはマゾで淫乱だって♡♡♡」


 「そんなっ♡♡♡」


 「そしたらイかせてあげる……♡♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 あまりに屈辱的で、それゆえ甘ったるい誘惑。

ひくっ♡♡♡ひくっ♡♡♡と拡縮を繰り返す「ケツマンコ」が、「早くセックスさせろ」とばかりに疼く。

この疼きは、無くなりそうになどなかった。

たっぷりと肉の棒に愛される以外は。


 「ね、どうなのかな?♡♡♡認めてくれる?♡♡♡」


 「はい……♡♡♡」


 頷き、肯定すると、心に事実として染み込んでいく。


 「ん~?♡♡♡ダメだよ♡♡♡ちゃんと自分の言葉で言って♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 だが、たったそれだけで蘭が許すはずもなかった。


 「あっ……♡♡♡あの……♡♡♡」


 「何?♡♡♡私に聞かせて♡♡♡」


 宣言してしまえば、昨日に引き続き何かが変わる様な気がする。

しかし宣言しないという考えはすでに無く、口は急かされるままゆっくりと言葉を紡いだ。


 「ぼくは、マゾで……♡♡♡いんらんっ、ですっ……♡♡♡」


 「もっと言って?♡♡♡日向くんはどんなマゾで、どれくらいすけべなのか♡♡♡」


 「はいっ♡♡♡ぼっ♡♡♡ぼくはっ♡♡♡恥ずかしいマゾで……♡♡♡しかもっ♡♡♡ドのつくすけべですっ……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡あぁ……♡♡♡いいよ♡♡♡最高♡♡♡」


 自分から言うと、深層心理に根付いたものになっていく。

淫乱なマゾであるということが、べっとりと意識を塗り替えていく。


 「ちゃんと言えてえらいね♡♡♡ほら、なでなでしてあげる♡♡♡」


 「ふぁぁ……♡♡♡」


 そこに優しく頭を愛撫されると、変えようのない事実として深く定着する気がした。

さらにチンポも悦んでいるようで、べち♡♡♡べち♡♡♡と背中が叩かれて嬉しい。


 「じゃ、頑張ったご褒美あげないとね♡♡♡」


 「ぁ……♡♡♡きてっ♡♡♡きてぇ……♡♡♡あっ♡♡♡」


 蘭が言うと同時に、当たっていた二つのモノは離れる。

すぐに先端が閉じきった肛門へと少しめり込んだ。


 「入れるよ♡♡♡」


 「はいっ……♡♡♡っ♡♡♡きたぁっ……♡♡♡」


 そして、再度切なくわなないていたメス穴へと、ずにゅにゅ♡♡♡と滑らかに挿入されていく。

猛った激しい熱に満たされる。


 「あっ♡♡♡すきぃっ♡♡♡きもちいいっ♡♡♡」


 「ナカ、すっごい歓迎してくるね♡♡♡んっ♡♡♡私も気持ちいいよ♡♡♡」


 彼女の言葉通り腸壁は閉じ、自分から耕されに行く。

当然、著しい快楽が齎された。

腰は飛び上がりそうになり、指先は小刻みに跳ねる。


 じきにチンポが奥まで到達し、尻と腰はぺったりくっ付いた。


 「あは♡♡♡奥とろっとろ……♡♡♡それじゃ、最初はゆっくり動くね♡♡♡日向くんはイくの我慢してて♡♡♡」


 「それって……♡♡♡」


 昨日のセックスで絶頂を我慢したとき、最後に襲ってきたのが絶大な法悦だったことを思い出す。


 「そう♡♡♡溜めて溜めてふっかいメスイキしよ?♡♡♡」


 「ひゃいっ……♡♡♡んっ♡♡♡」


 承諾すれば、じりじりとしたピストンが始まる。


 「これぇ……♡♡♡せつないです……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡」


 陰茎は数秒かけて押し込まれていき、数秒かけて抜かれていった。

一度挿入で開いた腸内は緩く擦られ、ひだが偶にカリへ引っ掛かってにゅるりと滑る。

動作自体に激しさはないが、数回の寸止めであまりにも敏感となったナカは確かによがり、快感を蓄積していく。

響く水音はまだぬち♡♡♡くち♡♡♡と慎ましかった。


 しかし、少しずつ往復にかかる時間が短くなっていく。


 「あっ♡♡♡きもちいいっ……♡♡♡ふっ♡♡♡はぁっ……♡♡♡」


 「我慢♡♡♡我慢だよ~♡♡♡」


 「ふぁいぃ……♡♡♡」


 ゆっくりと確実に強くなっていく気持ちよさ。

時折呼吸が引きつり、同時に身体も一際大きく震える。

ぱくりと肉棒にむしゃぶりつく括約筋を感じつつ、うっすらと鎌首をもたげ始めるメスイキをどうにか逸らす。

先ほどまであった息をつけるタイミングは、既に無くなっていた。


 「おっ♡♡♡んぁっ♡♡♡ぞわぞわっ♡♡♡するぅ♡♡♡」


 「ふっ♡♡♡もうちょっとがんばろうねっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 ぱちゅっ♡♡♡ぱちゅっ♡♡♡と濡れた肌同士がぶつかって音を鳴らしだす。

全身は衝撃で軽く揺れ、震えた腸が快楽でひくついた。

それによって意識は白っぽくなってきて、思考力も低下していく。


 散々昂らされたのもあって、いつもならイってしまうぐらいに多幸感が溜まっている。

背筋にまで広がった甘ったるさが、肉体の自由を奪い始めていた。


 すると右腕が掴まれ、後ろへときつく引っ張られる。

なんだかオナホとして使われているみたいで、興奮が最高潮へと昇っていく。


 「あっ♡♡♡らんしゃっ♡♡♡クるっ♡♡♡もっ♡♡♡がまんっ♡♡♡むりっ♡♡♡」


 「あはっ♡♡♡私もっ♡♡♡そろそろかもっ♡♡♡んっ……♡♡♡」


 とどめを刺すかの如く、先ほど連続で絶頂させられた時のような、強烈で的確なピストンが繰り返された。

肉体全てが、性器と化したみたいに性感で満たされ、性感だけを受け取る。


 いつの間にか、体内を占領する肉塊の痙攣が止まなくなっていた。

亀頭が膨らみ、振り子のように当たる金玉が蠢き、どくっ♡♡♡どくっ♡♡♡という白濁の奔流が感じ取れる。


 そして、必死の我慢によって押し上げられていた、普段よりずっと高い「限界」へと、日向の肉体は達した。


 「イくっ♡♡♡お゛っ♡♡♡んはあっ♡♡♡―――♡♡♡♡♡」


 「私も♡♡♡あ……♡♡♡出る……♡♡♡」


 しあわせ、きもちいい、その二つだけが頭頂部から足先までを満たし、末端までを浸していく。

空気の流れやチンポの痙攣、爆発のような勢いで吐き出される精液に触れられた場所が、じゅわぁ♡♡♡と溶ける。

あまりの法悦に身体が崩れ去ってしまう気さえした。


 そうしてただでさえ重たいのに、濃くどろどろした液体によってさらに重たくなる。

だがその重ささえ心地よく、多幸感という水に深く深く溺れていくかのようだった。

これさえあれば、むしろこれが無ければダメになってしまう、と思うほどに。







 二人同時の長い絶頂が終わり、セックスも終わりを告げると、日向はシャワーも浴びず疲弊しきった身体をベッドへと投げ出した。

すると蘭はそれを労うように抱きしめ、優しく包み込んで撫で繰り回す。

彼は、そんな彼女に多大な好意と安心を覚えながら、深い眠りへと落ちた。


 やがて起きる頃、外はすっかり暗くなっており、日向は汚れた身体を洗って渋々帰る支度をした。







 なんだか、かなり長い間服を着ていなかった気がする。

日向は、蘭の部屋に訪れた時と同じ格好をして、玄関に立っていた。

目の前の「好きな人」は、こちらへにっこりとした笑みを浮かべている。

そこに、情事の間見せた嗜虐的で強気な雰囲気は微塵も無かった。


 「じゃ、日向くん、来週ね」


 「あ、はい。また……」


 挨拶を交わし、背後にある扉へ向こうとする。

だが、身体は遅々として動かない。


 「……ふふ♡♡おいで♡♡」


 すると蘭が土間に居るこちらへ一歩近づき、手を広げた。


 「あ……♡♡んっ♡♡」


 胸元へと飛び込むと、柔らかく抱きしめられる。

ブラウンのスウェットを着直した彼女の身体は暖かい。


 「ね、どうだった?昨日と今日は」


 耳元で囁かれると、あれだけイかされたにも関わらず若干の快楽が滲んだ。


 「良かったです……♡♡すごく……♡♡」


 「そっか、よかった……♡♡」


 されたことを思い出しながら言うと、少しアナルが痙攣する。


 「またいっぱいえっちしようね……♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 低く発された声に、劣情がぶり返す。


 帰りたくない、早くまたえっちしたい。


 そう思いながらも、流れていく緩やかな時間を楽しむよう努めた。


 「じゃあ……」


 そうして一応の満足を得ると、こちらから離れる。


 「うん。またね」


 「はい」


 手を振る彼女にこちらも振り返し、回れ右をして扉を開けた。

最後に一度だけ振り返り、軽く会釈をして外へ出る。




 三回目の家路は、今までよりもずっと激しく意味深い行為を経たからか、少し違って見えた。



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