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 タワーマンションを昇っていくエレベーターの中で、魚住瀬那はドアの向かいにある巨大な鏡を見ながら、格好におかしなところが無いか確認している。


 耳上でツインテールにした長いぱっつんの黒髪は、艶と滑らかさを兼ね備えており、先端がくるくると巻いていて可愛らしい。

ぷっくらした涙袋、ラメが乗り泣き腫らしたような赤いまぶた、垂れ下がった目尻と大きな黒目が、いかにも病んだ女の子といった風でどこか危うさがある。

そんな印象は血色悪くメイクされた顔面によって増されていて、プラムに似た薄暗い色のリップが人形みたいな作り物じみた愛らしさを与えていた。


 やや太い首を飾る、中央にハートの金属が付いたチョーカーを見ると、少しぞくぞくしてしまう。

そして袖や裾など至る所にフリルのあしらわれた黒いミニワンピースには、シワやホコリひとつ付いていなかった。

下へ伸びていく少し丸みを帯びた素足にムダ毛は見られず、引っ掛かることなく、履いているリボン付きのローファーまで視線が通る。


 所謂地雷系のファッションに身を包む、今日も最高の自分に、身体の底から自信が湧いた。


 「よし」


 男性的な色を残しつつも高い声で独り言を呟いた「彼」は、こうして女装するよう調教したある人物に会うため、朝早い時間から気合の入った格好でここにいる。




 そのある人物とは、他でもない速水蘭だった。

彼女の正体は見込みがある男性をナンパし都合いい「メス男子」へと変え、金持ちのふたなりに斡旋して金を稼ぐ悪人である。

半ば犯罪紛いの行為にしかし、目を付けられた男たちは持ち合わせた数々の手練手管によって懐柔され、むしろ好意的でいつでも抱かれる、従順かつ忠実な「メス」となっていた。




 モニターに表示される数字が増えていく度、尻穴はきゅん♡♡♡きゅん♡♡♡と蠢き、入っているエネマグラが前立腺を苛む。


 「あ……♡♡♡」


 肌ざわりがよい下着の中で、鎌首をもたげ始めた柔らかなペニスを感じていると、目的地に着いたことを表す音が鳴った。




 瀬那がインターフォンを押して少し待つと、がちゃりとした音が薄暗い内廊下に響く。


 やっと、蘭と会える。


 彼女へ深く依存している彼にとって、一週間という時間はあまりにも長い。

固定で会う「ママ」達との激しいセックス、囁かれる愛の言葉、齎される絶大な快感があっても、それは全く変わらなかった。


 だというのに、目の前のドアは一向に開く気配が無い。

仕方がないので自らドアノブを引くと、すぐそこに立つ、ハリとツヤがある生地でダボっとした灰色のスウェットを上下に着た人物。


 「きゃっ」


 どこか威圧感のある姿が目に入ると同時、肩が強い力で掴まれ部屋の中へと引っ張られ、玄関の壁に強く押し付けられる。

背中から衝撃が走り、少し息が漏れ出していく。

見上げれば、冷たく鋭い目が刺さった。

周囲は薄暗く、あまり表情が読み取れないが、快く出迎える顔でないということは分かる。

高級そうなボディソープの甘く香る体臭だけが、刺々しい空間の中でやけに異質だった。


 「らん……?」


 恐る恐る尋ねると、がちゃんと扉が独りでに閉じる。


 「んむっ!?♡♡♡」


 そして、唇を奪われた。

結んだ上唇と下唇の間をつーっ♡♡♡と舌先がなぞり、緩まされていく。

すると、すぐさま厚くどろついた肉がねじ込まれた。


 「んっ♡♡♡」


 粘膜を蹂躙するかのように、ミントの清涼感を与えつつもそれは滅茶苦茶に人の口内を動き回る。

弱弱しく震えるベロを絡め取って唾液を吸い上げ、性感帯として開発されきった上あごをしつこくしつこく愛撫してどろりと発情させていく。


 「ふあぁ♡♡♡」


 身体からは少しずつ力も吸い取られ、驚き胸元で固まっていた両腕はだらりと垂れ下がっていった。

顔まで快楽に緩んでいく様を、間近で開かれた瞳がじろじろと視姦している。

どこか恐ろしくて、だが襲ってくる震えはひどく甘い。


 服に皺がつきそうなほど荒っぽい、会ってすぐの予想だにしなかったレイプじみた行為に、しかし瀬那は激しく興奮していた。


 久しぶりの逢瀬なのにこのまま抵抗を許されず、たっぷりとイかされまくってしまうのだろうか。

それとも、すぐにチンポをぶち込まれ、都合のいい穴として身勝手に使われてしまうのだろうか。

蘭なら、腰砕けになった僕を長時間放置することだってあり得る。


 再会に沸く脳内で被虐的な妄想が浮かんでは消え、全身を一気に火照らせていく。


 「んんっ♡♡♡」


 貪るようなキスは依然として続いたまま、服の裾をたくし上げつつ、ねっとりした手つきで左足を触られ始めたのが分かった。

指の先端がなぞることで与えられる普段ならこそばゆいだけの刺激も、敏感さを増していく肉体で味わうとじん♡♡♡と頭が痺れるような気持ちよさを与えてくる。

愛撫はやがて丸みのあるシルエットを沿いながら腰に到達し、履いている女性ものの下着、その正面から背面へと伸びた紐みたいな頼りない布地を、何度か引っ張って弄ぶ。

今日彼女に会うからと着てきた、お気に入りのセクシーなパンツを咎めるみたいなぱちぱちという音は、どこか恥ずかしさを呼び起こした。


 「あっ……♡♡♡」


 勝手にもじもじと動いてしまう内ももの間に、膝が差し込まれる。

靴を履きっぱなしの足は浮き、最初からそんな気なんてさらさらないが、逃げられなくなったと実感した。


 さらに、ガチガチに硬い感触がスウェット越しに強く押し付けられている。

下腹部からへそ上までぴったりと密着し、その熱さや長さをありありと教えてきた。

布を貫通して、あまりにオス臭い我慢汁の香りまで漂ってきている。

前立腺が、早く滅茶苦茶にされたそうに切なく疼いた。


 「あぁぁ……♡♡♡」


 続いて皮膚の薄い脇腹、へそを目立たせるピアスが撫でられると、ぞくぞくした心地がこみ上げる。

快楽に身体が仰け反ろうとしても、後ろには壁があってあまりできず、仄かな膨らみを持つ胸だけが張られた。


 そこへ確実に近づいていくナメクジに似たねちっこさを持つ手。

ワンピースはもう殆どめくられていて、ついには着けていたブラジャーまでが露出する。

ひんやりした空気が肌と恥じらいを刺激していく。

やがて、下着は荒っぽく上へずらされ、むぎゅ♡♡♡と既に芯の通った、これまたピアス付きの左乳首が摘ままれた。


 「ふぁっ♡♡♡」


 蘭に愛されるのを待ち望んでいた性感帯の一つが触れられ、官能的な悦びが全身を支配していく。

ただ上下から当たっているだけ。動かされてすらいない。

だがペニスはぴょこりと申し訳程度に勃起していき、きつく滑らかな触り心地をした女性もののランジェリーに擦れた。

気持ちよくて分泌液が先っぽから流れ出して穢すと、自分のものであるはずなのにどこか罪悪感がある。


 「ひっ♡♡♡ひゃっ♡♡♡」


 突起は指の腹によってすり♡♡♡すり♡♡♡と擦られだして、動作毎に肩が跳ねてしまう。

徐々に下腹部へと多幸感が溜まりつつあり、メスイキが脳裏をよぎった。


 「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 「ん……」


 激しい自らの呼吸と、やや荒く熱くなった蘭の呼吸。

今なお向けられ続ける特に化粧の施されていない目は、相変わらず刺すようではあるが上気して赤みを増している。


 僕をこうして無理矢理犯すことに、興奮しているみたい。

移り気で気分屋な蘭が、この瞬間だけは僕の事だけを見ている。


 瀬那は、自分に向けられた彼女の溢れんばかりの性欲が嬉しかった。


 もっと「使って」「弄んで」ほしい。道具のように。


 「んぅぅ♡♡♡あ♡♡♡ふぁぁ♡♡♡」


 喉奥から媚び媚びの甘ったるい喘ぎ声を発して、オス様の性欲を炙り、滾らせる。

すると、絶対に逃がさないとばかりに同じくらいな肩幅の肉体同士はみちっ♡♡♡と密着度を増した。

女性らしいたおやかさと、奥底に男性的な屈強さを併せ持つ物体が押し付けられる。

愛撫されるがままになっていた舌でむらついて暴れるベロを誘惑すれば、チンポは腹にめり込まんばかりにより大きく硬く怒張していく。


 「っっ♡♡♡♡」


 ずっと触られないでいた右乳首が、這ってきた指によって強く摘ままれた。

開発され、ピアスが貫通していることで長くなった上面と底面がそうして摘ままれたまま、意識の集中した先端がかり♡♡♡かり♡♡♡と爪でひっかかれる。

反対側の突起にも同じ苛烈な責めが襲う。


 明らかに素早くイかせるための動きに、周囲に濃く充満し鼻を刺激し始めた青臭い匂いに、強まった蘭のむらつきを感じた。


 このまま絶頂させて、蕩けて力の弱くなったメスを、容赦なくレイプする。


 支配欲と暴力性の滲んだ意図が透けて見え、そんな気分をもっと盛り上げ煽るのを思い付き、拘束を逃れようと脱力した身体を捩った。


 「ふっ、ふんっ……んんんっ♡♡♡♡」


 しかし、途端に激しさを増した愛撫によって「抵抗ごっこ」はあっさりと鎮圧されてしまう。

より快楽を得ようと猛り狂った陰茎がごりごり擦り付けられ、素肌のへそ上に当たるスウェットが、我慢汁によってしとどに濡れていく。


 そして、彼女の目論見通りメスイキが近づいてきた。


 乳頭から発生した快楽は下腹へと溜まり、徐々に官能的かつ幸せなざわめきで満たす。

男性的な性機能の象徴たる勃起は収まり、逆にアナルがやたらにきゅん♡♡♡きゅん♡♡♡とときめく。

挿入してあるエネマグラが、腸壁のうねりで波打ちごりゅごりゅ前立腺を虐める。


 「ん~っ♡♡♡ん~っ♡♡♡」


 「……」


 イきそうだから、イきたくないから離して、と言うかのように泣きそうな瞳で見つめ、キスされた口で呻く演技。

対して蘭からはやはり無感情で高圧的で、「そのまま情けなくイけ」といった視線が向けられている。

指先による引っ掻きはあまりに素早く、併せて上下からぐにゅり♡♡♡ぐにゅり♡♡♡と潰さんばかりに揉み込まれると、硬い金属も相まって内外から刺激され耐えられない。


 「っ♡♡♡っ♡♡♡」


 「処刑」に最後の悪あがきをする。

だが、そこで丹田辺りに張りつめていた糸がぷっつり切れた。


 「ぁ♡♡♡―――♡♡♡♡♡」


 みちみちになった容器から溢れ出るように、多幸感がじわぁ♡♡♡と全身へ広がっていく。

徐々に細まっていく目はやがて閉じ、まぶたの裏で光が、大きな痙攣と共に迸る。

皮膚の下を緩慢にねっとり巡る気持ちよさが、はっきりと感じられた。


 手足がトロけ、脳がトロけ、そしてそれらを吸引するみたいに口がやたらと吸い上げられていて、くにゃくにゃにさせられる。

時間が経つにつれずっしり重くなる身体は、壁と、熱を帯びた背の高い肉体によって支えられていた。




 「ん……」


 瞑っていた目を開くと、ようやくキスが終わり、同時に蘭の身体も離れた。


 「あっ……♡♡」


 支えを失い、つるつるした壁面と擦れてワンピースをまくり上げながら地面にへたり込む。


 「んぁっ♡♡♡ふぅ♡♡♡ふぅ♡♡♡ふぅ♡♡♡」


 衝撃でエネマグラが揺れて腸内を苛み、ひんやりした土間の冷気が尻から伝わってくる。

乱雑に並べられた高そうなスニーカーたち、自分のへそに付いたピアスをゆらゆら見ていると、向かいから衣擦れの音が聞こえた。


 「あ♡♡♡」


 視線を上げれば、ずり下げられたスウェットから露出した金玉とチンポ。


 中身の重量を感じさせる風にぶら下がったやや浅黒い肌色の袋は、玄関が暗いせいでシルエットだけがやけに強調されている。

きゅっと締まった付け根から裾へ皺無く大きく広がっていき、丸々した球体が狭そうに収まっていた。

結果うっすらと谷間が出来ており、汗でたっぷり蒸れていそうな狭い部分が、近づけば鼻へ当たってしまいそうな高さにある。

というか、むわぁ♡♡♡と独特のクセになる臭気が先ほどから鼻腔を刺激しており、散々嗅がされたものなのにいつも通り身体が発情してしまう。


 「っ♡♡♡」


 そして、高く高くまで伸びた太い塔の先端は粘液に濡れており、玉のような雫が絶えず分泌されていた。

よく肥えた亀頭は当たり前のように皮には包まれておらず、剥き身の禍々しい色が全て見られる。

元々はピンクをしていただろうそこは、度重なる肛門性交によってどす黒く変わり、濡れて艶めかしく輝く。

椎茸のようなカリから、根本に向かって指三本分ほどまでが同じような色合いで、よほど包皮が短いか、竿自体が長すぎたのだろうと感じた。

さらに水を力強く送るポンプのように、太い血管が数本砲身をうねり、海綿体に血を送り続けている。


 おチンポ様の「怒り」を、自分が鎮めないといけない。


 思えば思うほど、加えてあまりに大好きなそれを見ていると、無理矢理という雰囲気であったのに口元がにやつくのを抑えられなかった。

早く、むしゃぶり、味わう様な下品なフェラチオ奉仕をしたくて仕方がない。


 「ふぐっ♡♡♡」


 よだれ塗れになっていく口内を感じていれば、むぎゅ♡♡♡と鼻先を厚みのある皮膚が覆った。

視界が塞がれ、すぐさま頬にまでぺったりと張り付き、内部の睾丸がどんな感触か分かるほど密着する。


 「すんっ♡♡♡はぁっ♡♡♡す~っ♡♡♡ぅぁ……♡♡♡」


 浅ましくも耐えられず肺いっぱいまで空気を吸い込めば、濃厚なふたなりの匂いで満たされた。

煮詰められたような我慢汁の青臭さに、精液のむわぁ♡♡♡と匂い立つような香りが混ざりあまりにもひどいが、かえって出鱈目に性欲が煽られる。

普段する交尾の際には必ず感じるそれに、調教されきった肉体は条件反射的に蕩けていく。


 はやくえっちしたい。らんのチンポをなめたい。おしりにいれてほしい。


 「舐めて」


 とろとろになった頭は、しかし冷たく低く発された蘭の言葉だけははっきりと理解した。


 「はい……♡♡♡んれぇ♡♡♡」


 偉大な陰茎と持ち主への服従を表すように、敬語で返事をする。

続けて唾液を多量に纏わせた舌を、重たくて自重だけでも疲れてしまいそうな金玉を暖め癒すようにねっちりと這わせた。

上に乗せ包みながらにゅり♡♡♡にゅり♡♡♡と液体を塗っていく。

すると、汗の塩気と白濁の濃厚な苦みが広がった。


 「むふ~っ♡♡♡ん~ちゅ♡♡♡ふへぇ……♡♡♡」


 体内で熱くなった息を吐き出してくすぐり、今度は愛を示すようにキスを行う。

しばらくぶりの「好きな人の金玉」は格別で、幸せすぎて笑ってしまうほどだった。


 「ちゅっ♡♡♡ちゅっ♡♡♡ちゅっ♡♡♡」


 唇を動かして啄むような口付けの雨を降らせて刺激すると、中の精子たちが沸き立ってうぞうぞと蠢く気配がする。


 「ん~むっ♡♡♡ん~むっ♡♡♡」


 玉を彼女の腰へ押し付けるような熱烈なディープキスで、リップを唇型に付けていく。


 「ぇろっ♡♡♡しゅきっ♡♡♡しゅきっ♡♡♡」


 ベロ先でちろちろ舐め回しながら、求愛する。

最早、強姦じみた雰囲気は消えていた。


 「ん……♡♡」


 すると離れていく袋。

液体が滴るほどたっぷりと濡れ、スウェットにまで染みが広がっている。

そこへ上から垂れてきた我慢汁が合流し、表皮を滑って落ち、床を汚す。

さらにハートに似た形の赤いマークがいくつも付いている姿はとても卑猥で、「女」の矜持や誇りといったものすら男性器へ捧げられているみたいだった。


 「んぇ~♡♡♡」


 すかさず追い打ちみたいに見上げ、視線を合わせて空中を舐ると、感情の読み取れなかった目が興奮を滲ませていた。

まぶたが色っぽく細められ、口角が軽く吊り上がっている。

背筋を怖気立たせるのとはまた違った欲望に満ちた目付きで、変わらず身体が悦びによって打ち震えた。


 「あ~♡♡♡」


 「ここに入れて♡♡♡」と言わんばかりに舌をしまい、大きく口腔粘膜を開け放って待つ。


 「んっ♡♡♡」


 すぐに亀頭があてがわれた。

閉口して飴玉を転がすように尿道口へれりょ♡♡♡れりょ♡♡♡と舌を遊ばせれば、オス汁が充填されていく。

苦みとイカ臭い風味を持つそれは、よだれと混ぜてもやたらどろどろしていて、飲み込むと喉に引っ掛かる。

食道が舐められていくような粘っこい感触は、生殖機能の強さ、生物としての優秀さを物語っていてぞくぞくした。


 目線の先では蘭がほんのり熱い息を吐いている。

自分の奉仕でヨがってくれていると思うと、こちらも発情してたまらない。

伸びてきた左手によって、フェラ顔が見やすいようにか、前髪が上げられた。


 「ん~♡♡♡」


 なるべく下品に劣情を煽るため、口を開け突き出したベロで上下左右に、円を描くように舐め回す様を見せつける。

濡れた物同士がねっとりと睦み合うくちゅ♡♡♡ぐちゅ♡♡♡という音が響く。

形を確かめるみたいに繰り返し行うと、見るだけでは分からない大きさや表面の凹凸がはっきりと分かった。

裏にある窪みを執拗にこねくり回せば、特に濃い苦みがある。


 「きゃっ♡♡♡んふ~♡♡♡」


 するとよほど興奮してくれたのかぴゅ♡♡♡と勢いよく我慢汁が飛び出し、口腔粘膜内にべったりへばりつく。

頭頂部を掴む五指にもいくらか力がこもり始めていて、けだものじみた欲望がひしひしと伝わってきた。


 「あ~むっ♡♡♡」


 彼女の体液が絡みつく感覚に目を細めながら、一気にカリ首までむしゃぶりつく。

亀頭全体を咥えるだけでも口内はかなりいっぱいいっぱいで、みっちりと熱い肉の塊に占拠される。


 全身を刺し貫くような、快楽と痴態に期待しぎらぎらしている瞳。

それに応えるように、空気を抜き頬肉を貼り付かせたひょっとこじみた顔で、前後運動を開始する。


 「んっ♡♡♡んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 時折喉奥を押し当てると自然と声が漏れ出た。

さらに冗談みたいな出っ張りが上あごのパラタイン喉腺をやたら刺激し、脳がほわほわと気持ちいい。

先ほどよりずっといやらしいぐじゅ♡♡♡じゅぽ♡♡♡じゅぷ♡♡♡という音色は、時間が経つごとに粘り気が増す。


 久しぶりに味わう蘭のチンポには、否応なく夢中になった。

形、硬さ、熱さに集中し、一生忘れられなくなるくらい頭に刻み付けていく。


 そんな責めに意識を裂きすぎて、いつの間にかツインテールを両手で握られていたことに全く気がつかなかった。


 「っ♡♡♡」


 強制的に動きが止められる。

髪が引っ張られる痛みによって視界が開け、今の、頭部が蘭の思い通りにされる状態を認識した。


 「おごぉ♡♡♡」


 来ると察した瞬間、ゆっくりと確実に肉槍が押し込まれてくる。

容易くのどちんこが通過され気道が塞がれていく。

当然呼吸できなくなり、えずきかけるが、「使いやすい」ようじっと耐えた。

ぞり♡♡♡ぞり♡♡♡と分厚い肉が上部をやたら擦り、放出されるアドレナリンと合わせてくらくらするほどの快楽が押し寄せてくる。

自然と涙が浮かんでくる目で、見上げた。


 「ふーっ♡♡♡」


 その顔はメスを自らの手玉に取るサディスティックな悦びで、愉悦に溢れている。

苦しくて浮かぶ苦悶の表情は凝視され、にやつく口角からは湯気まで見えそうなほど満足げな息が吐き出されていく。

額は汗ばみ、髪の毛は熱気でしっとりとしていた。


 「―――♡♡♡♡」


 壁に押し付けられる後頭部。

だというのに更に奥を目指す強欲さに、アナルはくぱついてたまらない。

前立腺はそれで蠢くエネマグラによってごりごりと愛撫され、暴力的な劣情を浴びせられることでマゾヒスティックな欲望がいたく刺激される。

火が出そうなほどの興奮に、全身を包まれた。


 そこで、一度手が離れ陰茎は抜かれる。


 「っ♡♡♡ごほっ♡♡♡ごほっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 地面に向かって咳き込み、どうにか呼吸を整えていく。

しっかり酸欠から復帰し顔を上げると、目の前にはやけに泡立ち、汁塗れになって艶々した「おチンポ様」があった。

幾度もべたべたの液体を垂らし、ぽた♡♡♡ぽた♡♡♡と音が響く。

自分からも間近のモノからも、刺々しい臭気がぷんぷん漂っている。


 「あ……♡♡♡♡」


 まるでメスの穴を征服した証みたいに思えて、また滅茶苦茶にして欲しくて喉奥が著しく疼いた。

無意識的に、上目づかいで視線を送りつつ頭をぴったりと背後に付け口を開いて、恭しくイラマチオを待つ。


 「ん♡♡♡ぐっ♡♡♡」


 期待に応えるように、再度亀頭は突きこまれてくる。

あっさりと先端は咽頭に達し、しっかりと頭部を壁に固定した。


 瀬那はその時、今回はツインテールが掴まれていないことに気づく。

つまり、チンポだけで自分は全く動けなくされている。


 「ぐぶっ♡♡♡♡」


 甘やかな快楽が、ぞわぞわぁ♡♡♡と背筋を駆け巡った。


 僕はあまりに弱い存在で、蘭は性器一つでそれを支配できるほど強い存在なんだ。


 思えば思うほど、被虐感で頭が酩酊していく。

覆し得ない圧倒的な差が、信じられないほど気持ちいい。


 反射か奉仕の心からか「強い」先端に広げられた肉はうねり、愛撫して寵愛をねだる。

すると、剛直はナカでびくびく跳ねまわっていく。

痙攣は力強すぎて、魚のように釣り上げられてしまうんじゃないかという考えすら浮かんだ。


 やがて、膣じみた穴の中で、射精が近づいているからかぷりぷりした先っぽの肉はぐぐぐ♡♡♡と膨らむ。

狭い奥にみちっ♡♡♡と密着され、カリは外れそうにないほどしっかりと食い込んだ。


 もしかして、このまま抜かれず、窒息させられてしまうのでは?


 うっすらと芽生えた疑念に尻穴をじゅわつかせていると、期待に反して肉棒は抜け始める。

まだ堪能していたいというマゾ思考が口を閉じて阻止しようとするが、力の差は歴然で意味をなさない。

やがてぬらぬらと黒光りした肉が、自身の口内から這い出てきた。


 「ごほっ♡♡♡ごほっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 どこか物足りなさを感じつつも、呼吸を整えていく。

そして「もう一回」とねだるために潤んだ瞳で見上げた時、蘭が言葉を発した。


 「下、脱いで」


 「へっ?」


 「パンツ脱いで」


 「んっ♡♡♡うん……♡♡♡」


 短くて最初こそ意味を飲み込めなかったが、彼女のことだから何か淫猥な意図があるのだろうと理解する。

誘惑するように、震えるチン先と射貫くような目へ交互に視線を揺らしながら、あまり力の入らない腰を持ち上げた。

手探りで指を紐に引っかけ、するすると足を通していく。

素っ裸になった尻が、ひんやり冷たい。


 脱ぎきった物を持ち上げると、乱暴に奪われた。

見せつけるように、互いの目線が交差する場所で広げられる。


 「えっろ……♡」


 「っ♡♡♡」


 揶揄する声が羞恥心に薪をくべ、火照りをより増した肉体からじっとりした冷汗が滲む。

しかし蘭の言葉通り、黒くぺらぺらした布は卑猥な姿をしていた。


 前側、つまり女性器側には、最低限Vラインを隠すための生地しかない。

その生地には暗い紫の椿が刺繍され、隠されたいやらしい「花びら」をどこか想起させる。

クロッチ部分には、明らかに瀬那が作ったしみが広がっていて、淫らな下着にさらなる湿り気を与えていた。


 二等辺三角形の底角からは細く紐が伸び、裏側へと回る。


 そこは殆どがレースで作られており、肌を、尻の谷間を隠す気が無いほどすけすけだった。

パンツ越しであれ尻たぶを広げられればアナルが見えてしまいそうで、かなり頼りない。

かろうじて、下方にだけうっすらと透けの無い布地がある。


 裸体を色っぽく飾り一日の気分を上げるため、そして、蘭に見て興奮してもらうための高級なランジェリー。

せっかく会うからと気合を入れて履いてきた、特にお気に入りの一つではあるが、こうしてまじまじと見られると恥ずかしい。

だが同時に、オスらしい剥き出しの獣欲に晒されていることに、すごく気分が昂る。


 もっと、猥雑な目で見られたい。


 淫乱にも考えてしまっていると、パンツは左手に丸めて収められた。


 「あっ♡♡♡やっ♡♡♡」


 そして、ふき♡♡♡ふき♡♡♡と粘液塗れの肉棒が余すところなく「それ」で拭かれていく。

使われている吸水性にも優れた繊維によって、たっぷりと我慢汁は吸われ、どんどん穢される。


 「ふ~っ♡♡♡♡ふ~っ♡♡♡♡」


 瀬那は、自分の思いを無下にするような行いに、異常なほど高揚を覚えていた。


 趣味一つである下着が、考え抜かれたデザインで質のいい服が、単なるチンポ拭き用の布として扱われている。

マゾである彼が、そんな行為に興奮しないはずがない。

さらに、化粧をばっちりとしてきた顔にぶっかけて欲しいという考えも芽生えた。


 発情で手が勝手に、アナルに刺さっているエネマグラへ移動し、ぐりぐり動かし始める。


 「んんっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡あはぁ……♡♡♡っ♡♡♡」


 すると、蘭はショーツを広げ、クロッチ部分に尿道口を押し付けたまま、力強く竿を扱いていく。

動作の度、既にぐじゅぐじゅになっていた生地から、濃い汁が滲みだした。

重くて垂れ下がった下の方から、糸を引いて大粒の雫が滴る。


 「ふぁぁ……♡♡♡らんっ♡♡♡らんっ……♡♡♡」


 名前を呼びながら前立腺を虐めると、快楽が倍増した。

玄関には浅ましいメスの喘ぎ声と、粘着質な水音が響く。


 「ん……♡♡♡ぅ……♡♡♡」


 聞こえてくる息遣いはかなり荒く、チン先はゆっくりと近づいていた。

てろてろになった布越しに、くぱくぱと蠢く鈴口が見える。


 「かけてっ♡♡♡ぼくのかお、ぱんつといっしょにぐちゃぐちゃにしてっ♡♡♡どろどろによごしてぇ♡♡♡」


 陶酔しきった頭が媚びた言葉を紡ぎ、ただでさえ充満した性臭と、加速度的にうるさくなっていく淫猥な音を盛り上げていく。

やがて、黒い下着にぴったり包まれた亀頭がわなないた時、先に下腹部の快楽が爆発した。


 「イくっ♡♡♡らんっ……♡♡♡♡らんっ……♡♡♡」


 絶頂するため力に満ちていた全身が一気に脱力し、代わりに幸せな気持ちよさが満たしていく。

がくがくと四肢が震え、立てていた膝が床へへにゃへにゃと寝そべる。

顔がとろとろに蕩け、今あまりに締まりのない顔をしていると分かった。


 「ぁ……♡♡♡」


 そんな痴態がきっかけになってか、黒さを増した薄い布から、黄色く濁った物がどぴゅ♡♡♡どぴゅっ♡♡♡と噴き出す。

目に入らないようまぶたを閉じれば、熱すぎる液体は泥パックさながらにたっぷりと顔や髪へこびりついた。

頭部全体が汚れきると射精は下へと移動し、首輪みたいに付けられたチョーカー、お気に入りの服、その奥にあるブラジャーまでも穢していく。


 ふたなり精液に全身をどろどろにされる官能に、極度の興奮で重かったメスイキはより重くなっていった。




 「はーっ♡♡♡はーっ♡♡♡はーっ♡♡♡」


 「ふ~♡♡♡」


 べったりと精液に覆われた口を拭い、アクメで乱れた息を整えていると、満足げな蘭のため息が聞こえてきた。

目元のものが何度か拭われ、やっと目が開けられるようになると、見上げる。


 「ふふ♡♡♡」


 そこに、柔らかくへにゃっとした顔で笑う彼女が居た。

今までの高圧的な雰囲気は、全くと言っていいほどない。


 「おはよ、瀬那♡♡♡」


 思えばしていなかった挨拶に、なんだか笑ってしまった。

日ごろ聞く高いとも低いともつかない声は、さっきまでよりずっと優しい。

差し出された手を取り、砕けた腰で何とか立ち上がる。


 「おはよ♡♡♡ふぅ♡♡♡らん♡♡♡」


 粘液に塗れていても気にせずぎゅっと抱きしめてくれるのに、心が沸き立つ。

間近に来た、あれほど刺すようだった鋭い目は、いつも通り目尻が垂れ下がって愛らしかった。







 一時間半ほど経過した後、瀬那はうっすらと日光の差し込む寝室に立っていた。

玄関での情事の後、二人でたっぷり「洗いっこ」したことを思い出すと、下半身がくねってしまう。

排水溝が詰まってしまうんじゃないかというほどたっぷりぶっかけられ、出た後鏡を見たらやけに肌がつやつやしていた。


 「よし。おっけ~かな。」


 向かいに居た蘭が、声と共にこちらへと近づいてくる。

準備していた、三脚に乗ったビデオカメラには、録画中であることを示す赤いランプが点灯していた。

これから行うえっちを記録するのだと思うと、既にエネマグラを外し、ローションでぬるついた準備万端のアナルが期待で疼く。


 「ふふ♡♡♡じゃ、始めよっか♡♡♡」


 「ん♡♡♡いっぱい気持ちよくしてね……♡♡♡」


 背後から肩ごと抱きしめてきた彼女に、甘えるようにそう返した。




 ハメ撮りをしたいと言われたのは、こうしてセックスする関係になってから初めての事だった。

最初こそ、蘭自身から「ママ」にはさせるなと繰り返し言われた事をねだられ少し困惑する。

なんでもバラまかれたり、それで満足され次から呼ばれなくなったら面倒だという理由かららしい。


 しかし、「瀬那と会ってない時に見ていっぱい抜くからさ♡♡♡」と言われると、その甘美な誘いには全く抗えなかった。

むしろ、今ではえっちがもっと盛り上がりそうだと、心からそう感じる。




 「んっ……♡♡♡」


 「具合」を確かめるため挿入されていた指が抜けていく。


 「相変わらず前戯しなくてもとろっとろだね……♡♡♡ここにチンポ入れたら気持ちよさそ~♡♡♡」」


 「んんんっ♡♡♡だって……らんとえっちできると思ったら……♡♡♡」


 「かわいいね、瀬那……♡♡♡期待通りたっぷりイかせてあげる……♡♡♡」


 「っぁ♡♡♡」


 きつく絡みつかれながら耳元で低くこそこそした声で囁かれると、それだけでも身体の芯が麻痺するような快楽がのたうつ。


 度重なる調教や性交で、瀬那のアナルは期待だけでトロける、チンポをハメるのに丁度いい穴になっていた。

さらに相手が大好きな蘭であれば、それもひとしおと言える。


 「あ……♡♡♡かたい……♡♡♡」


 尻穴に、亀頭がうっすらめり込んだ。


 「瀬那の事考えてたらすぐこうなっちゃうんだよね♡♡♡ちゅ♡♡♡」


 首筋への熱いキスに、胸が甘ったるくときめく。

肩がきゅっと、女の子みたいに窄まる。


 「ふぁ……♡♡♡それ、他の子にも言ってるんでしょ……♡♡」


 「ふふ♡♡♡でもぉ……♡♡♡今見てるのは瀬那だけだよ……?」


 後ろを振り向きつつ咎めるが、にやつきの無いじっとりと真剣な表情を返された。

心の奥底まで覗き込む瞳、本心からの言葉であることを伝えるような視線に、本当に自分の事が好きなのではと錯覚してしまう。


 「っ♡♡♡ずるい……♡♡♡んぁっ♡♡♡」


 恥ずかしくなって思わず視線を逸らすと、頬に浴びせられる追い打ちみたいな軽い口づけ。


 「入れるね……♡♡♡」


 「はぁっ……♡♡♡」


 続けて、ナマの肉棒が挿入され始める。

中心を刺し貫かれ脱力していく身体は、後ろからしっかりと蘭が抱き留めていた。


 「らんっ♡♡♡すきっ……♡♡♡」


 「男性」を受け入れるためこなれた肛門はあっさりとカリの前までを咥えこみ、信じられないほど出っ張ったカリも少しの抵抗の後呑み込む。

にゅるん♡♡♡と一気に入る時の快感は凄まじく、腰が抜けかけることで竿もいくらか入った。


 「私もだよ……♡♡♡ね、チンポ入れられるのどんな感じ……?♡♡♡こまか~く聞かせて♡♡♡」


 「っ♡♡♡ぅん……♡♡♡」


 オスの支配欲を煽らせようとする意図に、しかし自分も激しく興奮できそうで従う。

挿入は一度止まっていた。


 「チンポにおしりちゅってされるとすごいしあわせでぇ……♡♡♡んぅ♡♡♡はいってくるともっとしあわせになるの……♡♡♡ひあぁっ♡♡♡」


 耳に入ってくる自分の声は、あまりにも蕩け蜂蜜じみていて、およそ「男」であったとは思えない。

「オス」はいやらしい姿に気をよくしたのか、首筋がぬろぉ♡♡♡と卑猥に舐められた後尋ねられる。


 「どう幸せかな……?♡♡♡」


 「あっ♡♡♡あのね……♡♡♡いつもさびしいアナルがぶっといのでみちってみたされて……♡♡♡そうするとこころもみたされて……♡♡♡」


 まだ始まったばかりなのに、先ほどまでの甘い囁きによって頭がふやけすぎて、子供が大人へ無邪気に何かを伝えるみたいな言葉遣いになった。

軽く目線を上げれば、赤いランプとビデオカメラのレンズがしっかりと痴態を記録している。

思考は後でたっぷりとオカズに使ってもらうため、なるべく下品に性欲を刺激することを選択した。


 「ぁ……♡♡♡それでえっぐいカリがはいるとけつまんこきゅんってなっちゃうの……♡♡♡あたままっしろになって……♡♡♡」


 ろくに働かない脳で、なんとか言葉を紡ぎ出す。


 「チンポのこといがいなにもかんがえられなくなって……♡♡♡それが……しあわせで……♡♡♡ひゃっ♡♡んむっ♡♡♡っっっ♡♡♡」


 言い終わったところで、後頭部に添えられた手によって右を向かされ、唇を奪われる。

鼻で息をする度、シャンプーのフローラルで色っぽい香りを吸い込んだ。

同時に、止まっていた亀頭があっさりと前立腺を発見し、摺り潰すように虐める。


 すりこぎの先端は的確に弱点を捉え、ぎゅっ♡♡♡ぎゅっ♡♡♡と突く。

ナカからどばどば溢れ出ていく多幸感。

全身は重力が増したみたいに重たくなり、より深く強く、チンポが突き刺さった。

永遠にも感じられる時間ぶりのモノに、絶頂が耐えられない。


 「んーっ♡♡♡んーっ♡♡♡」


 全く喋れなくなるぐらい絡みつかれた舌で、早くも一度イってしまいそうだということを伝える。

するとキスは食らいつくぐらい熱いものに変化し、手がさわさわと体表を這いまわっていく。

こそばゆい刺激に身体を埋め尽くし始めたぞくぞくが助長され、鳥肌が止まない。


 「んっ♡♡♡ぃっ♡♡♡んんんっ♡♡♡♡♡」


 そして、伸びてきた指によって乳首を貫通するピアスが弾かれ、あまりに容易く、今日初めて肉棒で弱点を突かれてのメスアクメが始まった。


 腸内はきつく狭まり、中のモノをぴったりと抱きしめる。

蘭の力が抜かれていることによって少しずつ剛直は吐き出され、結果としてカリがぞりぞりぞりぃ♡♡♡と腸壁を引っ掻いていく。

それによって快楽は上乗せされて絶頂を突き上げ、さらに激しいものにした。

途中で顔が離れ、代わりに入ってきた指が舌を掴む。

瀬那は挿入された棒へ、しばらく赤ん坊みたいに吸い付いていた。




 「んふ~っ♡♡♡んふ~っ♡♡♡」


 へろへろの足腰を、後ろにいる蘭が力強く支えている。

ベロとらぶらぶに睦み合っていた人差し指と中指が、最後に軽くあやした後、ちゅぽん♡♡♡と音を立てて抜かれた。

よだれがぽたぽた零れる。


 「ふふ♡♡♡」


 目の前で縦に掲げられる二本の指と、その向こうにある含み笑いをした意味ありげな顔。


 「あ~む♡♡♡」


 瀬那の唾液に塗れた二つは、大口を開けた彼女によって咥えられた。


 「んむ♡♡♡ぢゅっ♡♡♡」


 そのまま味わうように、纏った液体を吸い尽くすように、いやらしい空気の音を立ててしゃぶられていく。

やや品無く窄む口元に対して、愉しげな目だけはしっかりとこちらを視姦している。


 「らんっ……♡♡♡」


 自身の体液が啜られる様に、彼は興奮と高揚、そしてどこか背徳感も覚えていた。

この光景は単純に卑猥で、あまり多くの人には見せられない姿を見せられているという信頼も感じる。

ただそれだけではなく、整った顔立ちが淫らに歪む姿が、目にしてはいけない禁忌のようにも思えた。


 道徳を犯しているみたいな、しかし不思議と不快ではない気持ちに、背筋がじゅく♡♡♡と甘い。


 「んぇ……♡♡♡」


 開け放たれた赤い口からゆっくりと、付け根から手の甲までがどろどろになった指が引き抜かれていく。

長く、細くしなやかな、粘液を今も滴らせつつてらてらと褐色に煌めくそれは、何故かやたらいやらしいモノな気がして目が惹きつけられる。

ようやく現れた爪先は、真っ赤な舌によってれろ♡♡♡れろぉ♡♡♡と舐られていた。

中央で白銀に輝くピアスが、淫猥に飾り立てている。


 「うぁ……♡♡♡」


 「せな、あ~ん……♡♡♡」


 指差すみたいにこちらを向いた二本指が、緩慢に近づいてきた。


 「んぁ♡♡♡ん♡♡♡」


 迷わず唇を開き受け入れると、未だ温かい蘭のよだれが口腔粘膜いっぱいに広がる。

爽やかなミントと、蘭の体臭である甘い風味も一緒に広がった。

悦びでぞわつく下腹部へ、彼女の左腕が硬く固定するように抱き着く。

続けて、再度チンポがナカへ挿入され始めた。


 「んんっ♡♡♡ふぁ……♡♡♡こひゅれる……♡♡♡」


 しっかりと蘭へと肉体が押し付けられていることによって、ガチガチで凸凹した竿が激しく前立腺に擦れる。

ぐりゅ♡♡♡ぐりゅ♡♡♡と邪魔なものを押しのけるみたいに、我が物顔で肉槍は通っていく。


 「ね、指舐めて♡♡♡いつも私のチンポしゃぶる時みたいに……♡♡♡」


 応じるように空気を抜いて吸い付き、纏わされた彼女の体液を啜った。

何度か口を開いてちゅぱちゅぱという水音を立て、オスの交尾欲をくすぐる。


 「ふふ♡♡♡えっろい舐め方……♡♡♡」


 悦びを表すような笑みの後、やや剛直が入ってくる速度が上がった。

結合部からも淫猥な音が響いている。


 「んっ♡♡♡んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 もっと興奮してほしくて、頭を前後させつつぴったりと貼り付かせた頬肉で指を扱いた。

唾液が飛び散り、べたべたになっていく口元は気にせず、奉仕を繰り返す。


 「っ♡♡♡」


 すると、腸内のモノが膨らみ、チンポが占める割合が増した。

さっきまでよりもずっと溶かされてしまいそうな熱と、節くれだった妖しいカタチをはっきりと感じ取れる。

幸せすぎて、腸壁が型を取るみたいにぴったりと抱きつく。


 「ナカせっまい……♡♡♡精液搾り取られちゃいそう……♡♡♡」


 今日散々ぶっかけられている精液がナカに欲しくなって、きゅん♡♡♡と疼いた。


 「今ケツマンコきゅんきゅんしたでしょ♡♡♡そんなに私のせいえき♡♡♡中出しして欲しいんだ♡♡♡」


 「ぅんっ……♡♡♡」


 指を舐め回しながら、当然のごとくこくこくと頷く。


 「……♡♡♡嬉しいからぁ……♡♡♡頭ん中ぐぢゅ゛ぐぢゅ゛になっちゃうぐらい気持ちよくしてあげる……♡♡♡ふふ♡♡♡」


 「―――♡♡♡♡っぁ♡♡♡」


 右耳に唇がくっつくほどの距離で、やけに擬音を強調して囁かれると、ぞくぞくして腰が砕けてしまった。


 「んれぇ……♡♡♡んぅ……♡♡♡」


 「ひあぁぁぁっ♡♡♡♡」


 さらに咥えられ、悩まし気な息遣い混じりに舐められると、足からも力が抜ける。

それを逞しいチンポが支えることで一気に深々と奥まで、互いの下腹部がぴったりと張り付くまで入った。

脳天から脊髄までが痺れ、多幸感が全身を駆け巡り、上向いた口がぽっかりと開いたままになってしまう。

結合しているところから押し出されたのか、甘酸っぱさとイカ臭さの混ざり合った交尾臭が香った。


 「おっ……♡♡♡ほぉっ……♡♡♡」


 蘭に体内を満たされる悦び。オスに包み込まれ、抱かれる悦び。

あまりに甘美な「メス」の感覚は、意識を真っ白に染め上げ恍惚とさせる。


 「顔とろっとろ……♡♡♡馴染ませてる間に乳首も可愛がってあげるね……♡♡♡」


 「ふぇ……♡♡♡」


 口から抜かれた指が唾液の道を作りつつ顎や首筋をのたくった後、右の乳首を先端で摘まむ。

左の乳首には左手も伸びてきて、同じように摘まんだ。


 「ふぁぁっ♡♡♡♡」


 ピアスが貫通しているのもあって長く敏感な突起が、こり♡♡♡こり♡♡♡と悩ましく愛撫されていく。

冷えてひんやりした金属が中から、続く行為によって汗が滲むほど火照り、片方は唾液で濡れた人肌が外から開発されきった性感帯を責め苛む。

痛みを感じないよう優しく、しかし確実に刺激し性欲を昂らせてきた。

時折自分の喘ぎ声に重なるように、硬いもの同士の当たるカチカチとした音が鳴る。


 「カラダ、ずっとびくびくしてる♡♡♡ナカも私のチンポのことちゅっちゅ~っていっぱいキスしてるね……♡♡♡かわいいよ……♡♡♡」


 「んぅぅっ♡♡♡♡ふぅぅっ♡♡♡♡もっとうごいてっ♡♡♡らんっ♡♡♡ついてぇっ♡♡♡」


 低く静かに囁かれる声に対して、口から出て行く喘ぎ声は乱れて高い。

ナカをピストンされたくてたまらなくなり、浅ましく大きく叫ぶ。


 「ふふ♡♡♡……ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 「あぁぁっ♡♡♡きたぁっ♡♡♡ちんぽっ♡♡♡ちんぽぉっ♡♡♡」


 すると、よりしっかりと身体を固定された後、密着していた腰が一気に離れ、強く打ち付けられた。

衝撃でナカが揺らされ、振動と摩擦で腸壁だけでなく前立腺からも凄まじい快感が齎される。

ばちゅっ♡♡♡ばちゅっ♡♡♡と肌がぶつかり合って響き、にゅちっ♡♡♡にゅちゅっ♡♡♡とローションが空気と攪拌されて響く。


 チンポの動きはただ出し入れされているだけでなく、えぐり、こそぎ取るようなものだった。

引っかけることに特化したような、ありえないほど出っ張ったカリによってそれが行われれば、余すところなく感覚器として成長した腸は法悦に浸される。

ピストンの無い時と全く変わらない力でこりこりされ続けている乳首もあって、簡単に頂点は訪れた。


 「イっ♡♡♡イっ♡♡♡イくっ♡♡♡イくぅっ♡♡♡はぅぅぅんっ♡♡♡♡」


 撮影されていることも忘れて、恥を捨てたガチの獣声を発しつつイく。

魂が震えるような大きすぎる悦びで、気持ちよさと共に涙が溢れてくる。

思考は放棄され、ただぽけーっと襲ってくる波へなすがままになるだけ。

散々味わい続けたメスイキに、慣れるということは全く無かった。


 「ふふっ♡♡♡あぁ……♡♡♡ナカきっつぅ……♡♡♡」


 うっすらとだけある肉体の外へ向かう意識で、蘭の陶酔した声と交尾の音色が聞き取れる。

絶頂で狭くなり、中の物体を押し出そうと蠕動するケツマンコを、彼女が「愉しんで」いることが分かった。

嬉しくてさらなる愉悦が心を満たす。


 「はふ……♡♡♡ん……♡♡♡んっ♡♡♡んぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 やがてじわぁ♡♡♡とした快楽の残滓が広がってくると、もっと感じて欲しくてこちらからも尻を振り始める。

脱力した身体でそうできるのは、たとえイっていてもふたなりに奉仕できるように、と蘭に調教された結果だった。

そして、「私とのえっちはマグロでもいいよ♡♡♡」と言う彼女へ瀬那からの、ずっしりと重たい好意の表れでもある。


 「はぁ♡♡♡かわいいよ瀬那……♡♡♡私もも~っと気持ちよくしてあげなきゃね♡♡♡」


 「っ♡♡♡あんっ♡♡♡♡やっ♡♡♡はげしっ♡♡♡」


 思いは見透かされていて、責め手は苛烈さを増した。

乳首へのこりこりした愛撫は、爪を使ってかりかりと虐めるような動きとピアスをしつこく弾く動きに変わる。

鋭い刺激と芯を麻痺させる刺激が左右それぞれへ同時に来て、慣れることを許さない。

かつ、かつ、かち、かち、という音が鳴る度、感度が高まっていく。


 さらに下半身へのどすどすと素早かった前後運動が、ずろ~っ♡♡♡ずろ~っ♡♡♡と引き抜きを強く重視したものに変化しており、脳が溶かされそうなほどぞくぞくする。

じっくり、ねっとり、深くカリを食い込まされると腸壁は冗談みたいに激しくひくついた。


 「―――♡♡♡♡あふっ♡♡♡はっ♡♡♡おっ♡♡♡ほぉっ♡♡♡」


 心の中を覗かれた恥じらいをごまかすみたいに、チンポが出て行く時腰を振って縦の摩擦へ横の摩擦も加える。

それは受け取る快楽も当然増やし、軽いメスイキが連発するが意地でも絶対に止めない。


 「あ~やば♡♡♡イってるケツマンコでチンポ扱かれるの最高♡♡♡金玉が瀬那に出すための精液いっぱい作ってるよ……♡♡♡」


 「ひゃぅぅっ♡♡♡♡すきっ♡♡♡すきぃっ……♡♡♡」


 あまりに下品で下劣な、下種の欲望を隠そうともしない言い回しに、しかし興奮はどこまでも昂っていく。

腸内がぱんぱんになるまで、熱い白濁を注ぎ込まれたくて仕方がない。

なるべくたくさん出してもらえるよう、息を切らしながらもメス尻はしばらく動いた。


 「瀬那、ストップ」


 「へっ?♡♡♡んっ♡♡♡わかった……♡♡♡」


 そこで唐突に、蘭から停止するよう言われる。

腋の下もぎゅっと掴まれ、不服ながら従う。


 「ふふ♡♡♡えらいえらい♡♡♡ちゃんと私の言う事聞けたね♡♡♡」


 「ふあ……♡♡♡ぅん……♡♡♡」


 服従を褒められ頭を撫でられると、マゾとしてたっぷり調教された心が嬉しがった。

まだ残った快楽が、劣情をちくちく刺激している。


 「ちょ~っとだけいちゃいちゃしよっか♡♡♡それで、瀬那はふっか~いメスイキするの♡♡♡ね、どうかな……?♡♡♡」


 「っぁ♡♡♡」


 反射的に想像し、開け放たれた口からよだれを垂らすはしたない自分が浮かんだ。

ろくに焦点の合わない顔で、ぐったりとした身体を愛する人に支えられながら、びくん♡♡♡びくん♡♡♡と大きく痙攣する。

そして下半身からぼたぼたと垂れ落ちる、重たいくせに粘っこすぎるため、やたらに糸を引く精液。


 「あと……♡♡♡私にもいっぱい精液溜めた気持ちいい射精させて?♡♡♡」


 「んんんっ♡♡♡ぅん……♡♡♡いっぱいだしてね……?♡♡♡」


 言いながら赤ん坊のように据わらなくなりつつある首で振り向く。

すぐそこに、いつもより艶の増した銀髪を額に散らした、怖気すら感じるほど色っぽい顔があった。


 「ふふ♡♡♡んむっ♡♡♡」


 肌に少し似た赤色をしたリップの付いていない唇が、愛らしく窄まりながら近づき、キスをしてくる。

むちゅりと密着する柔らかい粘膜から、緩くも確かな幸せが浸食した。


 熱烈な瞳は軽く潤みつつ自分だけを映していて、気持ちよさげに時々細められる。

鋭い眼光が心の奥底まで鎖を絡みつけていく。


 「んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 引き寄せられるようにこちらからも押し付ければ、ハリのある肉同士が複雑に睦み合い、うっとりするような甘ったるい快楽が滲んだ。

ちゅっ♡♡♡ちゅっ♡♡♡というねっとりした口付けの音と、くぐもった息遣いが部屋に充満している。

そういえば今日は漂ってこない煙草の刺激的な風味が、少しだけ物足りない。


 「んれぇ……♡♡♡ぇろ♡♡♡」


 思ったことを察してか舌が入ってきて、舌先をこそばゆくくすぐった。

感じるのは歯磨き粉の味ではあるが、応じるようにこちらからも素早く上下させれば、まさしくいちゃいちゃしている雰囲気になる。


 「んふ♡♡♡」


 「ん♡♡♡」


 そのまま引いていくベロを追いかけて、二人の口の外で同じ動きをすると、ぴちゃぴちゃと水音が響く。

誘うように見つめ合ったまま、少し疲れるまで続けた。


 やがて疲労するとすぐ蘭は気づき、先端を押し込んでくる。

口内へ再侵入すると、それぞれの表面と裏面がぴったり張り付き、長い間接触し合うだけの時間が訪れた。


 交差させた視線で、じっとりと「えっちしたい」気分を高めていく。

肩ごと抱きしめてくる腕を、ぎゅっと掴む。


 「んー♡♡♡ぷはっ♡♡♡」


 「あ……♡♡♡」


 名残惜しむように絡み合いつつ離れていく顔。

蘭との間には、よだれの糸が太くつながっていた。

熱く密着していた口には寂しさが残るが、同時に深いメスイキへの期待も膨らむ。


 「そろそろシよっか……♡♡♡」


 目尻がだらりと下がった淫蕩そのものな表情で、囁かれる。


 「うん♡♡♡めちゃくちゃにしてね……♡♡♡」


 「ふふ♡♡♡」


 笑い声と共に、身体の位置を強固に固定するためか右腕が左肩を、左腕が脇腹から腰の右側までをぎゅうっ♡♡♡と抱きしめた。

背中から尻にかけて、隙間が無いほどぴったり互いの肌が張り付く。


 「動くね……♡♡♡」


 「っ♡♡♡」


 そして遂に来る、と息を呑んだ瞬間チンポが抜け、次の瞬間には突きこまれた。


 「あぁぁっ♡♡♡」


 甲高くぱんっと鳴ったのが分かるより先に、潰された奥と衝撃によって揺れる腸壁、砲身によって擦られた前立腺から著しい快楽が襲う。


 「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


 「はぁっ♡♡♡はっ♡♡♡はげしっ♡♡♡」


 一度で腰が抜けてしまいそうなほどなのに、逞しい肉体を使った容赦のないガチピストンは、勢いを衰えることなく何度も何度も続く。

脳内は「気持ちいい」で埋めつくされ、うるさいくらいの交尾音が耳に入ってこない。


 「がまん♡♡♡がまんだよ♡♡♡イくの我慢して♡♡♡」


 「やぁっ♡♡♡むりぃっ♡♡♡これっ♡♡♡すぐきちゃうっ♡♡♡」


 「そっかっ♡♡♡せなが耐えられないならっ♡♡♡私も早く出すねっ♡♡♡」


 「ひゃぁぁっ♡♡♡だめぇっ♡♡♡クるっ♡♡♡くるぅ♡♡♡」


 言葉を皮切りに速度はさらに増した。

ひくつく腸壁はチンポによって出鱈目に掻き回されている。

まるで、オナホみたいに。


 そう思うと、オス様に使われる悦びが全身を支配していき、快楽を貯めていた容器は爆発した。


 「イっ♡♡♡ぁ♡♡♡―――♡♡♡♡♡」


 耐えることのできない震えがどこか奥底からこみ上げ、がくがくと肉体を振動させる。

時折びくっ♡♡♡びくぅっ♡♡♡と大きな痙攣をすると、その度幸福に溺れさせられてしまう。

うっすらと恐怖すら感じるほどの法悦。


 「あー♡♡♡イく♡♡♡イくね……♡♡♡」


 耳が蘭の噛み締めるような声を聞きとったかと思うと、さらなる「幸せ」が腸内へと吐き出されていく。

それはやたらにどろっとしていて重たく絡みつき、マグマかと思うほど熱い。

精液だと認識すると、嬉しいという気持ちが際限なく湧き、突き上げるようだった絶頂に甘さが滲む。

底なしかと感じるほど深い沼へ、ゆっくり沈んでいくようなメスイキは、長い間続いた。




 「瀬那、チンポ抜くね♡♡♡」


 「はーっ♡♡♡はーっ♡♡♡っ♡♡♡」


 返事すらままならない身体でなんとか頷くと、少し柔らかくなったチンポが出て行く。

共に掻き出される精液が勿体ないが、力は入らない。


 「あ……♡♡♡」


 「おっと♡♡」


 やがて全て抜けきると、崩れ落ちそうになったのを蘭が支えてくれた。

ぺたりと床に座らされる。


 「ふふ♡♡♡チンポすっごいことになってる♡♡♡」


 項垂れる瀬那の前へ、移動してくる彼女。


 「ほら、見て♡♡♡」


 「あ♡♡♡すごい……♡♡♡」


 言葉に従いどうにかして頭を上げると、肉の棒がある。

少し萎えてだらりと亀頭だけを重たげに垂らしてはいるが、くまなく黄色い粘液がこびりついていて、強烈なオスの匂いを漂わせていた。

きゅっ♡♡♡とアナルが疼く。


 「まだまだ出来るよね?瀬那♡♡♡」


 「ぁは……♡♡♡うん……♡♡♡」


 力のないへにゃっとした笑顔で応じる。

疲労しきった肉体に構わず、「綺麗にしてあげないと」や「あれを味わいたい」という思いから舌が伸びた。







 ベッドを汚さないよう敷かれたバスタオルの上で裸体を仰向けにし、未だ快楽の抜けきらない身体を感じている。

時折痙攣してアナルからは粘液が零れ、飾りみたいな萎えたペニスからは薄い我慢汁がとろぉ♡♡♡と溢れ出す。

時間は三時半くらいで、少し前までロクな休憩すら挟まずに交尾し続けていた。

腹が音を鳴らし、空腹を訴える。


 度重なるセックスとメスイキでへろへろになった瀬那を尻目に、蘭はシャワーを浴びに行っていた。


 そういえば、いつもならもっと、日が暮れるぐらいまで貪るようにえっちし続けるのに。

もしかして、これから誰かと会うのだろうか。


 ちくりとした胸の痛みと共に、顔も知らない誰かへの嫉妬心が芽生える。


 そこで開く、廊下への扉。


 「♪~」


 見れば生まれたままの姿をした彼女が部屋に入ってくるところだった。

胸筋に支えられて形のいい乳房よりも早く、うっすらと割れた腹筋や、先ほどまで精液まみれだったチンポがぶらぶら揺れるのに目が行く。


 「出かけるの?」


 見惚れつつもこみ上げてくる怒りをぶつけるように声を出すと、煙草に火をつけるのが見える。


 「ふぅ……うん。このあと人と会う約束があるの。」


 返ってきた悪びれもしない、いたって普通の声色によりむすっとしていれば、蘭がこちらへ近づいてきた。


 「んぅ♡やめて……♡♡今やだ……♡♡」


 そのままベッドサイドで膝立ちになり、紫煙をくゆらせながら乳首を右手で愛撫してくる。

感情を無視した行為で嫌なのに、絶頂を重ねて敏感になりすぎている肉体では振り払えず、受け入れてしまう。

鼻を刺激していく、昔は苦手だった刺激的な香り。

蕩けてしまいそうになる顔を反対側へ背けて隠す。


 「ふふ♡♡♡ふぅ~♡♡♡」


 意味深な笑い声と一服する息遣い、間近から聞こえる荒くなり始めた呼吸だけが部屋に響く。


 「ぁ……♡♡♡」


 指先はつーっ♡♡♡と下半身へゆっくり移動し、へそや脇腹を弄びながら、やがて尻穴へと到達した。

まだ蕩けて力の入らないそこで拒絶する前に、侵入される。


 「っ……♡♡♡」


 ナカは勝手に快楽で悦び、歓迎するかのようにうねっていく。

そして、すぐに前立腺が見つかった。


 「ふぁ……♡♡♡だめ……♡♡♡んぁっ♡♡♡」


 ぎゅっ♡♡♡ぎゅっ♡♡♡と強い力で圧迫され、否が応でも喘ぎ声が出る。

正直なところ、淫乱なマゾメスとして調教された瀬那は、「嫌なのに気持ちよくされる」というこの状況にひどく興奮していた。

あっさりとメスイキが近づいていく。


 「ね、瀬那……♡♡♡イく前の顔、私の大好きなトロトロになった顔、見せて……♡♡♡」


 ひそひそした甘ったるすぎる囁きに、逆らえない。


 「んっ……♡♡♡ぅん……♡♡♡」


 頭を反対側に向ければ、三日月に細められた情熱的な目があった。

視線に全身を刺し貫かれ、もう絶対に逸らすことが出来ない。


 「かわいい……♡♡♡ちゅ♡♡♡」


 「んむっ♡♡♡」


 むちゅりと唇を重ね合うキス。

煙草の煙が醸し出す芳醇な香りに、思考がぼやける。

同時に指の動きは速度を増し、すぐに絶頂した。


 「んんっ♡♡♡―――♡♡♡」


 「んふ♡♡♡」


 法悦に包まれる肉体を癒すように、口内へと侵入してきたベロが絡みつく。

一人でに突き上がる腰は無様で、それがすごく気持ちいい。

予定調和じみた、蘭がどれだけ絶対的なのかを分からせるアクメに、瀬那はしばらく溺れた。




 「じゃ、明日帰って来るから家事お願いね、瀬那」


 「うん♡♡♡」


 Tシャツとブルゾン、カーゴパンツという出で立ちに着替えた蘭が、重たげな扉の前で言う。

玄関には所々精液の残骸があって、むせかえるような性臭が立ち込めている。

新婚の妻みたいに返し、上目遣いをして「おねだり」すると、啄むようなキスをされた。


 「んっ♡♡♡……あ、もちろんお礼に、た~っぷりえっちしてあげるからね……♡♡♡」


 「ひあぁっ♡♡♡」


 耳元で行われる囁きと、背筋への愛撫で腰が砕ける。


 「行ってくるね~」


 「あっ♡♡行ってらっしゃいっ♡♡♡」


 そんな彼を尻目に、彼女は出て行った。




 一人やけに広い家で残された瀬那は、中出しされた精液や撮ったハメ撮り、すっかりかぴかぴになってしまった下着を使って、たっぷりと自分を慰める。

夢中になりすぎて、家事をやろうと動き始めるころ、すっかり外は暗くなってしまっていた。


 その後、彼は明日の事を期待して家中がぴかぴかになるまで掃除し、残り物を使って朝食や昼食をこしらえる。

そして夜が深くなると、蘭の匂いが沁み付いた布団に包み込まれ安心しながら、ぐっすりと朝になるまで眠りについたのだった。



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