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「早く! 早く車を持ってこい! こいつの命が惜しければな!」  鰐獣人の悪漢にナイフを突きつけられた犬獣人の少年が声にならない悲鳴を上げる。 「犬吾!」  人質に取られた子供の父親らしき中年の犬獣人が悲痛な声で名前を叫んだ。  場所は街中の銀行。不幸にもこの日たまたまこの場所に訪れた父子はこの鰐獣人の銀行強盗と鉢合わせてしまい、犬獣人の子供は人質に取られてしまった。警察も周囲を取り囲んでいるが、興奮した鰐獣人の強盗に「近づくな、武器を捨てろ」と命令され距離をとって手を出せずにいた。 「フーッ! フーッ! ようやく来たか! おせぇんだよ!」  銀行の出口に一台の車が停まり、それが要求していた代物だと気付いた鰐獣人は犬吾と呼ばれた犬獣人を乱暴に掴み、喉にナイフを突き立てながら車に向かって歩いていく。 「運転手、さっさと降りろ! そしてすぐ遠くに離れろ! 絶対に怪しい真似はすんじゃねえぞ!」  運転席に乗っていた茶色の被毛に覆われたワイシャツ姿の熊獣人は車を降りると、鰐獣人の命令通り辺りを取り囲む警察の元まで歩いて離れていく。  それを確認した鰐獣人は犬獣人の子供を助手席に放り投げると、慌てて運転席に座ろうとした。  そう、本当に一瞬の出来事ではあるが、それは突き立てられていたナイフが犬獣人の喉元から離れた瞬間でもあった。 「変身」  小さく呟いた巨漢のワイシャツ姿の熊獣人の身体が光に包まれる。現れたのは赤いマントをたなびかせ、ブラウンとグレーを基調にしたヒーロースーツに身を包んだ姿へと一瞬で変わる。その姿は誰もが知るベテランのヒーロー。 「グライアントベア……!?」  犬獣人の父親がそう言い切る前に、グライアントベアは鰐獣人の目の前へと距離を詰めていた。その後ろ襟を左手掴み、運転席に乗ろうとする鰐獣人を持ち上げる。 「────ッ!?」  突然自身の身体が浮かび上がった鰐獣人は動転し、手足を動かしてジタバタともがく。しかし、熊獣人のヒーローグライアントベアは有無を言わさず鰐獣人の前襟を掴むと、そのまま地面に向かって背負い投げを行った。 「どっ、せえええい!!」  勢い良く鰐獣人の巨体が地面にぶつかる音が辺りに響く。  しん、とした静寂が訪れる。鰐獣人は今の一撃で白目を剥いてしまっており、どうやら気絶している様子だ。  熊獣人のヒーロー──グライアントベアは黒のグローブを嵌めた両手を腰に付けると口髭を生やしたその大きな口を開けた。 「わっはっは! これにて一件落着!」  グライアントベアが快活に笑いそう宣言した瞬間、辺りが歓声に包まれた。 「大丈夫か坊主? どっか痛い所はないか?」 「うっ、うっ、な、ない……」 「そうかそうか! そいつは良かった」  泣きながらしゃくり上げる犬獣人の子供の手を握り車の外に出すと、グライアントベアはわはわはと笑いながらその頭をポンポンと叩いた。  気絶した鰐獣人の強盗が警察によって運び出され、その横を犬獣人の父親が走って通り抜ける。 「犬吾!」 「うっ、パパ〜!」  犬獣人の父子がお互いに抱き合う様を見たグライアントベアはうんうんと頷く。犬獣人の父親は子供を抱きしめながらも顔を上げ、グライアントベアの方を見た。 「グライアントベアさん、本当にありがとうございます。このご恩は決して忘れません! ほら、犬吾もお礼を言いなさい」 「ひっく、ひっ……グライアントベア、ありがとう……」  お礼を言われたグライアントベアはなんて事のないように笑顔で答える。 「わはは! なに、ヒーローとして当然の事をしたまでです。また貴方達善良なる市民の身に何かあれば、このヒーローグライアントベアが直ちに馳せ参じましょうぞ!」  こうして今日もヒーローによって街の平和は保たれたのであった。 ***** 「いや~! お見事ですグライアントベアさん。先程の救出劇、見ていましたよ」 「ん、君は……?」  救出劇を終え人気の無い裏路地をパトロールしていたグライアントベアは、後ろから声を掛けられた。  振り返るとそこにはスーツ姿の中年の兎獣人が立っていた。小太りで背丈は成人男性の平均程度だが、大柄なグライアントベアと並ぶと小さく見える。 「私はドンバーニと申します。何を隠そう私はグライアントベアさん、貴方の大ファンなんです」 「む? わはは! そいつは嬉しい限りですな」  釣り糸目の兎獣人は口元に笑みを浮かべながら穏やかな口調で告げる。こんな人気のない場所で話しかけてくる胡散臭い兎獣人に対し少し警戒はしているものの、ファンと自称されては無下に扱う事などできない。グライアントベアは兎獣人の言葉に対し、両腕を腰に当て快活な笑顔でもって答えた。 「それで、恐縮なのですが私と握手していただけませんか?」 「握手ですか? 勿論構いませんとも!」 「ありがとうございます」  差し伸ばされた白色の獣毛に覆われた手に、戸惑うことなくヒーローグローブに覆われた厚みのある手で握り返す。 「む……っ?」  グライアントベアはピリッと頭の隅が痺れるような感覚に襲われるが、特に身体に異常はない。 「近くで見ると本当に惚れ惚れするような逞しい身体ですねえ。腕の太さだけを見ても私の二倍以上はありそうです」 「わはは! そうでしょう。悪を討ち、善良な市民達を守る為に日々の鍛錬を欠かさずに行っておりますからな!」 「ご立派です。やはりヒーローに相応しい素敵なお方だ。宜しければ何ですが、力こぶを見せて頂いてもよろしいですか?」 「力こぶ? 良いですとも!」  ドンバーニの要望に答え、右手を腰に当てたまま左腕で力こぶを作って見せる。中年太りで腹や胸、二の腕周りに脂肪が付いてしまっているがその内に秘められた筋肉は未だ衰えていない。膨れ上がる大胸筋と力こぶ、そしてうっすらと膨らんだ腹越しに浮かび上がる腹筋がグライアントベアの雄としての猛々しさを主張していた。 「おお……! 素晴らしい。貴方のような方がいればこの街は安泰でしょうな。少し触ってみてもいいでしょうか?」 「いいですとも! 市民の願いを聞くと言うのもヒーローとしての務めでありますからな!」  グライアントベアは快活に笑い、ウインクをしながら何ともなさそうに応えるが、どこか頭の隅で違和感を覚えていることに気付いていた。いつの間にか兎獣人──ドンバーニに対する警戒が解けているのだ。善良なる市民を疑うのは失礼かもしれないが、常に警戒を怠らない事が街の平和を守るヒーローとしての務めでもある。しかし、今こうして二の腕や胸をベタベタと我が物顔で触ってくる兎獣人に対し、グライアントベアはあまりにも無抵抗だ。 「大胸筋もカチカチですね……お腹も膨らんでいて柔らかそうに見えますが、しっかりと腹筋がついていて硬いです」 「そうでしょう! しかしその、少し触り過ぎではありませんかな?」 「そんな! 私はグライアントベアさんのファンなんですよ? ファンサービスの為に身体を触らせるぐらい普通ではないですか? 市民を願いを聞くのもヒーローの務めと先程言ったでしょう」 「むう、確かに男に二言はありませんからな」 「そうでしょうそうでしょう。もっとしっかり筋肉を見たいですね……他の筋肉がわかるよう別のポーズをとっていただいても良いですか?」 「仕方ありませんな。……フンッ!」  グライアントベアは困惑した様子であったが、ためらう事なくドンバーニの要望に応えるべく少し前かがみになり両手の拳を胸の前に付ける。そして右足を前にして力を入れることで両腕と太股の筋肉が膨れ上がった。所謂モスト・マスキュラーのポーズだ。 「ほほう。素晴らしい。こんな筋肉の付いた足で追いかけられれば、どんなヴィランも逃げる事など不可能でしょうねえ」 「ぬお゛……ッ!?」  ドンバーニがそんな事を言いながらグライアントベアの太股の内側に手を滑り込ませた。自分を襲う予想外の感触にグライアントベアは気の抜けた声を上げてしまう。 「おおお。硬いですが、流石に太股なのでムチムチしていて柔らかいですねえ」 「む……ッ、わ、わはは! 筋骨隆々ではなくお恥ずかしい限りです」 「いえいえ、私は柔らかい方が好きですよ。ヒーロースーツの生地もあってスベスベで、とても触り心地が良いです」 「そうですか、喜んで頂けて……ッ、何よりです」  ヒーローが市民の手を振り払ってはならない。少しぎこちない笑みを浮かべてグライアントベアはそう答えるが、ドンバーニはそんなグライアントベアに構うことなくその屈強な身体に手を這わせていく。内腿、ふくらはぎ、膝裏──そして肉の詰まった大きな尻。 「ぐ、う────ッ」  両尻臀に手を這わせ、ドンバーニは思い切り鷲掴みにした。グライアントベアは冷や汗を垂らしながら呻き声を漏らすが、何とかポーズはそのままを維持する。 「いい揉み心地ですねえ。流石はベテランヒーローグライアントベアです」 「むッ、ぐ……ッ」  我が物顔で尻を揉みしだき始めるドンバーニの手の動きに、グライアントベアは目を細めて耐える。  ヒーローなら一般市民の願いに可能な限り応えてくれると言えど、ドンバーニの一連の行為は少し非常識だ。そして、グライアントベアもドンバーニの行動に違和感を覚える程度の常識は持っているはずだった。しかし頭が霞が掛かったかのように痺れ、ドンバーニの手を振り払うことができない。それどころか、グライアントベアは己の筋肉を見られ褒め称えられながら好き勝手触られているこの状況にどこか高揚感すら抱いていた。 「おや? 何やら股間が大きくなっていませんか?」 「な……ッ!?」  尻臀を揉み終わりグライアントベアの正面に回ったドンバーニがそんな事を口にした。ドンバーニの視線の先──グライアントベアの股座の膨らみは、確かに最初見た時よりも大きくなりヒーロースーツにテントを張ってしまっている。 「こ、これは……?、違う、ワシはこんな……ッ」  正義の象徴であるヒーロー失格と言える醜態にグライアントベアの心臓の鼓動が早まる。市民の頼みを聞くまでは良い。しかしその願いを叶える為に身体を触られてることで勃起をしてしまうなど、それはヒーローではなくただの変態──。 「とてもご立派ですね。流石はヒーローグライアントベアです」 「む、う……?」  しかしドンバーニの反応はグライアントベアの予想とは違った物であった。腰を屈めて肉付いた顎に手を当て、グライアントベアの股間のテントを間近で見つめている。 「ちんぽの大きさも雄としての優秀さを表しますからねえ。市民を守るヒーローを豪語するのであれば、ココの大きさも大きくなければいけませんよね」  上目遣いのドンバーニと目が合い、グライアントベアの中の罪悪感が消えていく。まるで市民の前でちんぽを勃起させることが普通であるかのように。  そして大きな逸物を持った自分の事が誇らしくなり、目の前のドンバーニの期待に応えたくなっていってしまう。 「そ、そうでしょう♡ ヒーローたるもの雄の象徴も大きくなければいけませんからなッ♡ ここの大きさにはワシも自信があるのですっ♡」  鼻息を荒くしながらグライアントベアはそう答えた。ドンバーニの目と鼻の先にあるテントの膨らみがビクッ♡ ビクッ♡ と震える。ちんぽを見られ、褒められる事に確かな興奮を覚えているのだ。 「この大きさであれば自信があるのも納得ですねえ。それではもっと見えやすいように他のポーズをとって頂いてもよろしいでしょうか?」 「仕方ありませんな♡」  グライアントベアの言葉にドンバーニは口の端を吊り上げて厭らしく笑う。しかし、ベテランヒーローグライアントベアは込み上げてくる昂りのせいか、目の前の市民の邪悪な笑みに気付くことができなかった。 「腕を下に下げて力こぶを作ってください」 「ふうッ♡ ふ……ッ♡ お任せください♡ ぬ゛ぅんッ♡」  少し前かがみになり、腰辺りに拳が来るように腕を曲げると力こぶを作る。 「ガニ股になって、立派な竿が見えやすいように」  ドンバーニの言葉通り腕の形を維持しながらガニ股になると、ビクッ♡ ビクッ♡ とグライアントベアの腰がヒクついた。それと同時に膨らみが少しずつ大きくなっていき、亀頭や雁首のシルエットをくっきりと映し出していく。 「ふうッ♡ ふうッ♡ ど、どうですかな?♡」  所謂ラットスプレッド・フロントのポーズをとったグライアントベアは顔を赤らめながら、恍惚そうな表情で笑みを浮かべる。 「素晴らしいです。ちんぽもビンビンでとても男らしいですよ」 「お゛お゛……ッ♡ そ、そうでしょう♡ 街の平和を守るヒーローたるもの、身体もちんぽの勃起も軟弱では務まりませんからな♡」 「私も男らしいグライアントベアさんのちんぽを見て興奮し始めてしまいました」  ドンバーニの股間を見ると、小振りではあるがスラックスにテントを張っていた。  それを見た瞬間グライアントベアの心臓が高鳴る。自らの痴態で雄を興奮させていることに言いようのない喜びを覚えている自分に気付いてしまう。 「しかしヒーロースーツに抑えつけられているせいで、せっかくの立派なちんぽをしっかり拝むことができませんねえ。ヒーロースーツのちんぽの部分だけ露出することはできないのでしょうか」 「ッ♡ う、うむ♡ できるぞ♡ ヒーロースーツは装着者の意思で纏う場所を決めることができる♡ ただ、全身を覆うのが効率的で皆このように装着しているだけなのだ♡」  興奮により言葉遣いも乱れ、グライアントベアの口調も素の男らしい物へと変わってしまっている。 「ほほう、それは面白い。それでは言った通りにしていただいても良いですか?」  ドンバーニの頼みに対し、グライアントベアの頭に掛かっていた霞が晴れ警笛を鳴らし始める。その行いは普通ではなく、ヒーローとしてあるまじき行為だと。 「いいですよね? グライアントベアさん」  しかし、ドンバーニの手が腰に添えられた瞬間、再び頭の隅が痺れるような感覚に襲われ警笛が鳴り止む。そしてこの市民の頼みを聞かなければならないという強迫観念にも近い使命感に襲われてしまう。そして。 「……承知したッ♡ 限定解除ッ♡ む゛お゛ぉッ♡」  グライアントベアの股間が光に包まれる。そしてその光が収まった瞬間、ヒーロースーツから解放された赤黒いちんぽがブルンッ♡ と大きく振れて顔を出した。  籠っていた熱気が放たれ、同時に冷たい空気にちんぽが振れる感覚にグライアントベアは身を捩る。ビンビンに勃起したちんぽはビグッ♡ ビグッ♡ と震えながら見られる期待に先走りを溢れさせヌラヌラと光沢を作っていた。 「これがかのヒーローグライアントベアの生ちんぽですか。ズル剥けで大きくて、とっても太い。私の両手で掴んでも指を回せなさそうです」 「そ、そうだッ♡ ふうッ♡ ふっ♡ どうだね? 腹や尻のようにワシのちんぽも触ってみるか?♡」  鼻息を荒らげながら期待の籠った眼差しでドンバーニを見つめる。己から擦り付けるようではただの変態だが、市民の、ドンバーニの願いならヒーローとして触らせてあげるのもやぶさかではない。 「ふうむ……」  ドンバーニが顎に手を当てグライアントベアのちんぽを品定めするように見ながら思案する。ドンバーニに見られる興奮で、グライアントベアのちんぽはそれそのものが意志を持つ生命かのようにヒクヒクと震え先走りを垂らしていた。 「ですが、流石におちんちんを触るというのは少し躊躇ってしまいますね」  しかしドンバーニの言葉はグライアントベアの期待に沿わないものだった。グライアントベアはその言葉にショックを受けている自分自身に気付く。ドンバーニに腹や尻と同じように触れられたい。そうして情けなく喘ぎ悶える様をドンバーニに見られたいのだ。しかし、そんな事を言ってしまえばヒーロー失格。ベテランヒーローグライアントベアは直ちに変態の烙印を押されてしまうことだろう。 「わ、私は構わないぞッ♡ 市民の願いとあらば、ちんぽの一つや二つぐらい触らせてあげようッ♡」  だからこそ、あたかも助け舟を出すかのようにドンバーニにちんぽを触らせることを促す。 「しかし先走りでベタベタですからねえ……手が汚れてしまうのはちょっと……」  しかし、下心丸出しのグライアントベアの提案をドンバーニは断ってしまう。そして、ポーズを取りながら息を荒らげ、切なげにちんぽを震わせるグライアントベアを見てドンバーニは意地悪そうに微笑んだ。 「もしかして触ってほしいんですか?」 「な……ッ♡ そんなことは……ッ♡ ヒーローたるもの、市民に性欲の発散の手助けをさせるなど言語道断……ッ♡♡」 「ふふ、そうですよね。それじゃあ今度は別のお願いです。ヒーローグローブとブーツ姿になってください。できますよね?」 「お゛、お゛……ッ♡ し、承知したッ♡」  己の性欲に従順になることはできないが、市民の願いを受け入れるのはヒーローとしての使命。判断力を失ったグライアントベアは躊躇うことなく、ドンバーニの常軌を逸した提案を受け入れてしまう。 「変身、限定解除ッ♡」  グライアントベアの肉体が光に包まれる。光が霧散し、現れたのは茶色の獣毛に覆われたグライアントベアの肉体。脂肪こそ付いてしまっているが、その内側にしっかりと筋肉が付いているのがわかるレスラー体型の肉体。全体を覆う獣毛より濃い茶色の胸毛や脇毛、腹毛や股間の陰毛があられもなくドンバーニの前へ曝け出される。  ヒーローバイザーにマントにグローブとブーツ。それ以外何も身に着けず情けなく勃起する姿は、既にヒーローではなく露出狂の変態であった。グライアントベアの異常な行動──その原因は茂る陰毛の上……下腹部に光る紋様にあった。 「こ、これは……ッ♡」  腹部にいつの間にか刻まれていた見覚えのない紋様を見てグライアントベアの動きが止まる。その紋様はグライアントベアの心臓の鼓動に合わせて光を強めていることに気付く。そしてその紋様が光れば光る程、この状況に対する興奮が高まっていくのだ。 「ようやく気付きましたか。これは私の異能力です。こうして触れた物に淫紋を刻み、徐々に淫乱に変えていく力を持っているんですよ」 「き、貴様……ッ♡ 正々堂々戦わず隠れて攻撃を行うとはなんと卑怯なヴィランだ……ッ♡」 「ふふ、こうでもしなければベテランヒーローグライアントベアには勝てませんからね。しかし、まだあなたも負けたわけじゃありませんよ? 今から淫紋に……自分の性欲に抵抗して私を捕まえればいいのですから」 「ぐ、う……♡ ならば、そうさせてもら……!? き、さま♡ 何をしているッ♡」 「何って、変態的な格好でポージングしている露出狂の写真を撮ろうとしているだけですが」  ドンバーニが徐に懐から取り出したスマホのカメラをグライアントベアに向け、画面をタップする。するとカシャリ、という写真を撮った音が鳴りグライアントベアの痴態がスマホの中にデータとして保存される。 「や、やめろ、何をしているっ♡」 「動画も撮りますね」 「ふうッ♡ ふっ♡ やめろ、やめ……ッ♡」  ピロン、と動画を撮り始める音がスマホから鳴った。瞬間、グライアントベアの心臓が高鳴りちんぽから先走りをピュッ♡ ピュッ♡ と勢い良く放出させる。 「ぐお゛……ッ♡ お゛ッ♡ 撮られているッ♡ このワシがッ♡ ヒーローとして悪を討ち続けた皆を守り続けていたワシが、こんな痴態を……ッ♡」  下げられていた左腕が上へと上がる。しかしそれはドンバーニのスマホを没収する為でも、ドンバーニを捕らえる為でもなく、力こぶを作り己の筋肉をアピールする為だった。 「わ、ワシは何をして……ッ♡ お゛、ほお゛ぉ……♡♡」  淫紋が強く光り、今度はグライアントベアの右腕を動かした。腰の前で固定されていた拳はゆっくりと開かれ、股座で反り勃つちんぽに向かっていく。ドンバーニに見られながら、動画に見られながら浅ましくもオナニーを始めようとしているのだ。 「ち、違う違うッ♡ こんなことをしたいのでは……ッ♡ ドーバー二に見られながら、動画に撮られながらちんぽを扱きたいなどワシは思ってはいないのだッ♡」  手でちんぽを掴もうとするのを必死に耐えるため、鍛え続けてきた腕の筋肉に力を入れる。しかし、本能には逆らえないのか手はブルブルと震え、これからの期待に腰をヘコヘコと前後に振り始めてしまっていた。 「良いんですよ。オナニーをしたければしてしまっても♡ 気持ち良くなりたいのは雄の本能ですから。ヒーローではなくただの変態だと認めるなら、今ここでちんぽをシコシコしてしまっても良いんですよ♡」 「そんな、ことお゛……ッ♡♡」  ゆっくり、ゆっくりとちんぽに開かれた両手が近づいていく。少しづつ指が閉じていき。赤黒く先走りに濡れたちんぽを掴もうとする。そして。 「ぐ、ほお゛お゛ぉお゛……ッッ♡♡♡」  ビンビンに勃起するちんぽを右手で握った瞬間、グライアントベアはビクッ♡ ビクッ♡ と全身を震わせ情けない声を上げた。そして一度掴むと躊躇うことなく、シコシコシコシコ♡ とちんぽを上下に扱き始める。 「おや、とうとう自分でオナニーをし始めてしまいましたか。雄々しく立派なヒーローかと思っていましたが、とんだ変態でしたね♡」 「違っ♡ ワシはッ♡ お゛ほッ♡ 違うのに゛い゛ッ♡ 止まらんッ♡ 見られながらポージングしてちんぽ扱くの気持ち良くて止まらんん゛ッッ♡」 「違いませんよ。ヒーローではなく変態なら当然の事です。ほら、もっと足を開いてガニ股になってください。腕を上げて脇をもっと見せて。そうすればもっと気持ちよくなりますよ♡」 「ワシはヒーローではなく、変態……♡」  濁った目でそう呟くと、ドンバーニの言葉通り足をもっと大きく開き、腕を上げ股座と脇を見やすいように無防備に晒す。するとゾクゾクと背筋に快感が走り、グライアントベアの興奮が高まっていく。 「ぬお゛ぉ゛ッ♡ 気持ちいいッ♡ 気持ちいいぞッ♡♡」  激しくちんぽを扱きながらドンバーニの方を見ると、ドンバーニの眼光に射抜かれ胸が高鳴る。先程よりも大きく張ったスラックスの股間のテントを見るとキュウキュウと尻の奥が疼いてしまう。  いつの間にか淫紋の進行が進み、性的志向を男色に、そしてドンバーニを最も魅力的に感じるように変えられてしまっているのだ。 「イ゛ッ♡ いいいイグッ♡ イ゛ってしまうッ♡ ドンバーニにオナニーするところを見られながらッ♡ ヒーローであるワシがッ♡」 「見られたくないんですか? それならカメラで撮るのも止めますし、私もあなたの見えないところに行きますが」 「む、う゛う……♡ 待ってくれッ♡ 見てくれっ♡ ワシが全裸でビンビンに勃起しながらちんぽをシコシコしているところをっ♡」 「そうですか。しかしそれが人に物を頼む態度ですか?」 「お゛、お゛……ッ♡ 見てくださいっ♡ お願い致しますッ♡ ワシが情けなく変態ポージングしながらちんぽシコシコして射精する所を見てくださいっ♡ ワシは見られるのが好きな変態なのだッ♡ 見られなければ満足出来ないのだっ♡」 「ふふふ、そうですか♡ それでは仕方ないので見てあげましょうか」 「あ、ああありがとうございますっ♡ フッ♡ ほっ♡」  グライアントベアは感謝の言葉を上げながらシコシコと浅ましくオナニーを続ける。身体をガニ股で支える両足に力が入り、太股とふくらはぎが膨れ上がる。脇が見えるよう上へと上げられた左腕に筋肉が浮かび上がる。興奮によって行われる荒い呼吸に合わせて、うっすらと腹筋が浮かんだ大きな腹が動く。そして。 「イグッ♡ イぎますっ♡ 変態ヒーローグライアントベア、変態露出オナニーしながら射精しますッ♡ うお゛ッ♡ ほッ♡ ぐ、ほお゛お゛ぉお゛ッッ♡♡」  びゅるるるるッ♡ びゅッ♡ びゅるるッ♡ びゅびゅッ♡ びゅ~~~~~~~ッッ♡♡♡  ヒーローバイザーとマントにグローブ、そしてブーツのみ着用という変態的な恰好でポージングしたまま、ベテランヒーローグライアントベアは射精した。立派なズル剥けの亀頭の先端、鈴口がぷっくりと開き大量の精液を噴水の様に噴出させる。 「うぉお゛お゛お゛ッ♡ お゛ッ♡ お゛ほッ♡ お゛ッ♡♡」  厚みのある手で上下に擦る度、乳絞りのようにびゅッ♡ びゅっ♡ びゅッ♡ と雄の遺伝子が鈴口から噴き出る。勢い良く出た精液は顔にまで掛かり、茶色の獣毛に覆われた肉体を白く染め上げていく。 「お゛ほッ♡ お゛────ッ♡」  弱まっていた精液の噴出は、最後にびゅびゅッ♡ びゅッ♡ と強く噴き出るのと共に終わりを告げた。大量の精液はコンクリートの床に精液だまりを作り、強く怪しく光る淫紋をも白く染めている。ガニ股でポーズを維持しながら肩で息をし、射精の余韻に浸るグライアントベアにドンバーニは声を掛けた。 「とても良かったですよ、グライアントベアさん。やはり愉快な物ですね、立派なヒーローがただの変態に成り下がる瞬間と言うのは」 「う、お゛ぉ……♡」 「淫紋も完成し、一人の変態中年親父のできあがりです。貴方はもう元には戻れません。自分だけではその欲求は解消できません。私がいなければ、私に見られなければ、私に飼われなければ貴方は満足出来ないのです」  ドンバーニの言葉にグライアントベアは救いを求めるような目を向ける。それを見たドンバーニは邪悪に笑う。 「私に見捨てられたくないですか? ならば仰向けになって犬の降参のポーズをとりなさい。恥部を全て曝け出して私に飼われたいと。私に飼われる変態の下僕であることを誓うのです」 「わ、ワシは……♡」  ドンバーニの眼光に射抜かれると共に淫紋が強く輝き、ドクンと胸が高鳴る。この小太りの兎獣人に全てを捧げ掌握されたいと。己の痴態を見られたいという欲求が肥大化する。  ゆっくりと仰向けになり、両手を胸の前に持っていき足を大きく横に開いた。マントは土で汚れ、布地に覆われていないグライアントベアの二の腕が、胸が、腹が、太ももが、股間が無防備に曝け出される。股座の上に反り勃つちんぽは無様な姿をドンバーニに見られる喜びで、射精直後だというのにも関わらずガチガチに勃起してしまっていた。 「ワシを……♡ どうか変態であるこのワシを下僕として飼ってくださいませ♡ ドンバーニ様♡」  ただの変態へと成り下がったグライアントベアの姿に、ドンバーニはニヤリと微笑むと懐から首輪を取り出した。  それを見たグライアントベアはビクッ♡ とちんぽを震わせ先走りを溢れさせるのだった。 ***** 「もうそろそろ帰るからな、ママと家でしっかりお留守番をしているんだぞ」  日が暮れ、時計の短針が七の数字を回った頃。街灯の少ない薄暗い道を歩いていた中年の犬獣人はそう言って電話を切った。そして思いを巡らせるのは家で帰りを待つ妻と息子、そして──。 (ヒーローグライアントベアの消息が不明、か……どうか無事でいてくれて欲しいが)  一週間前、息子が強盗に人質に取られた時、危機から救ってくれたのはヒーローグライアントベアだった。しかし、消息不明とニュースになったのはそれから一日してからの事。街の平和を守る立派なヒーローであり、恩人であるグライアントベアの安否が中年の犬獣人の最近の気がかりであった。  しかし、こんな一般市民が心配をしていても力になる事はできない。気落ちしながらも元気な姿を妻と子供に見せなければと、前を向いて前に出す足に力を入れる。すると、正面の街灯に照らされる一つの影があった。 「おや、こんなところに良い餌がいますよ」  現れたのはスーツ姿の小太りの中年兎獣人だ。何やら右手にリードを持っており、それは後方の暗闇へと続いている。 (今、あの兎獣人は何と言った?)  少し異様な雰囲気に中年の犬獣人は身構える。すると、低く地に響くような声が兎獣人の後ろから聞こえて来た。 「かッ、かしこまりましたァ♡ ドンバーニ様ッ♡」  低く地に響くような声の主が街灯に照らされ姿を露わにする。声の主は兎獣人に比べて縦にも横にも大きな大柄な熊獣人だった。しかしその格好はあまりにも異様だ。  兎獣人と違いフォーマルなスーツ姿ではなく、頭に黒色のうさ耳を付け、胸にカフスと黒色のリボン、両腕に黒色のロングレザーグローブ、そして足に黒色のロングブーツを身に着けている。しかし、肝心な胴体と股間周りには何も身に着けておらず、ちんぽは露出したまま勃起しており、その根元に黒色のリボンが結び付けられている。所謂逆バニーの姿をした大柄なレスラー体型の中年熊獣人は、首輪に繋がれ息を荒げながら兎獣人の前へと歩み出た。  歯向かえば簡単に制圧できそうな兎獣人にリードを着けられ、忠実に命令に従う熊獣人の顔にサラリーマンの父親は見覚えがあった。ヒーローバイザーを装着してはいないものの、強面で雄々しい髭を蓄えたその顔は。 「ぐ、グライアントベア……?」  サラリーマンの父親はヒーローの名を呼びながら狼狽する。  変態的な恰好をしながらちんぽを痛い程に勃起し先走りをダラダラと垂らすこの中年の熊獣人が、自分達を危機から救ってくれた恩人グライアントベアと同一人物だと思いたくないのだ。 「ふうッ♡ ふッ♡ バレてしまっては仕方がありませんな♡ 如何にもワシは元ヒーロー、グライアントベアだ♡ しかしワシはドンバーニ様の淫紋で、露出好き男好きの変態にされてしまったのだ♡ もうヒーローとして市民達を、街の平和を守る事もできん♡ しかし安心してください♡ あなたもドンバーニ様の淫紋で、ワシと同じよう露出狂の変態に変えていただければワシの気持ちもわかりますからな♡」  グライアントベアは鼻息荒くポージングをとりながらちんぽをビクッ♡ ビクッ♡ と震わせた。目を細め恍惚そうに笑う強面の熊獣人の姿を見れば、演技ではない事は一目でわかった。ベテランヒーローグライアントベアは、ドンバーニの下僕、変態の露出狂へとその心身を堕としてしまったのだ。 「な、馬鹿な事を言うな! 私がそんな変態なんぞになるか!」  一児の父である中年の犬獣人は逃げようとするが、頭の隅でそれは不可能であると理解していた。相手はあのヒーローグライアントベアなのだ。一般人の身体能力で逃げおおせることができるはずがない。 「話は終わりましたか? それではお願いしますね。私の可愛いグライアントベア」 「ふうッ♡ ふッ♡ お任せください、ドンバーニ様♡」  ドンバーニがリードを離すとロングブーツに包まれた逞しい足を一歩前に動かした。中年の犬獣人から声にならない悲鳴が上がる。    こうして、この夜一人の獣人が行方不明になった。それと同時に変態の露出狂、ドンバーニの忠実な下僕が一人増えるのだ。  ヒーローグライアントベアはこれからも、ドンバーニの下僕として人生を謳歌するのだろう。  ヒーローグライアントベアが悪を討ち、街を、人々の平和を守る事はもう二度とないのだ。 終

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