TIPS【ラフの期待値】 (Pixiv Fanbox)
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A:ラフと線画の評価の違いに気付いて下さい!
もう「あるある」すぎて笑ってしまいました。
わたしも今までに何回も何回も何回も!同じ感覚に悩まされています。
といっても、特に悩んでいるわけではありません。
それは何故か?
最初からそうなることが「わかっている」からです。
ラフや下書きは「良い感じ」になりやすいし、
逆に線画は「なんか違う感じ」になりやすいです。
今回はラフと線画で何が違うのか?何故そうなるのかについて解説します。
▶ラフは「期待値」、線画は「精度」
たぶん気付いていないと思いますが・・・
ラフの”良い”と線画の”良い”は違うモノを指しています。
ラフは「期待値」で評価します。
「あれ?これもしかして大作になるかも!?」
「これはイメージに近い、動きがある感じに描けそう!」
という、良いイラストが描けるかもしれないという期待値で良し悪しを決めます。
だからグチャグチャの線を描き殴ったようなラフでも、
期待値さえ高ければ「良いラフが描けた!」と感じるワケです。
ラフなら「精度」が低くても「期待値」が高ければOKです。
対して、線画は「精度」で評価します。
「人間の身体が正確に描けているか」
「装飾など曖昧な部分が細部までしっかり描けているか?」
という、実際に作品として成立するかという精度で良し悪しを決めます。
だから描きはじめたころのイメージとズレたとしても、
作品としての精度が保てれば「良い線画が描けた」と言えます。
線画は「期待値」を満たさなくても「精度」があればOKです。
こんな感じでラフと線画では評価基準が違います。
でも、この違いに落とし穴があります。
▶みんな「期待値」に振り回される
既に気付いたかもしれませんが、
あなたが感じている「物足りなさ」は線画の評価の仕方を間違えているからです。
たぶん「期待値」に見合った「精度」を要求しているのではないでしょうか?
期待通りの線画が描けなかったことに不満を感じていませんか?
この評価の仕方だと「期待値」が大きいほど難易度が上がります。
それは線画の良し悪しとは別の話です。
例えば、「テストの点数が90点だった」ことを想像してください。
90点は間違いなく高得点です。
9割以上正解できたので、その科目が十分理解できていると言えます。
・・・ですが、これも「期待値」が高ければ不満が出ます。
「今回は余裕だ!100点が取れたな!」
「これで学年1位が取れるぞ!」
そんな期待を抱いていた場合、90点では目標が達成できてませんよね?
「90点しか取れなかった・・・」
「学年9位にしかなれなかった・・・」
という不満が出てきます。
「期待値」に振り回されると事実を客観的に認められなくなります。
それがエスカレートするほど、自分が妄想する世界が実現できないことに不満を感じるようになります。
▶人間はポジティブに期待する生き物
「つまり、あまり自分に期待しちゃダメってこと?」
と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
人間は基本的にポジティブに期待する生き物です。
誰でも「自分だけは上手くできる」「自分だけは特別だ」と期待して、期待するからこそモチベーションを高く維持して頑張ることができます。
だから期待すること自体は悪いことではありません。
でも、だからこそ「基本的に期待通りの結果にならない」ということも知っておかないといけません。常に自分が実力以上の結果を求めていることを知っておかないといけません。
わたしもラフの時点では「今回はすごく良い!イケる気がする!」とモチベーションが高くなることがよくあります(本当によくあります)が、線画まで進むとそんなことはありません。いつも通りの実力しか出ません。
得意な部分はのびのびと描けて、前よりスムーズに描けるようになります。
でも苦手な部分は曖昧になって、最終的に誤魔化すことしかできません。
わたしの実力にふさわしいイラストになります。
当たり前の話ですが、
描けるモノは描ける、描けないモノは描けないことがわかります。
だからこそ、成長することができます。コレを知ることが一番大切です。
▶実力を認めた人だけが成長できます
ラフの「期待値」と線画の「精度」を見比べると、自分のどれだけ勘違い(期待)していたのかがわかります。
描けないモノも描けるようになったと勘違いしていた、曖昧な理解度でも足りると勘違いしていたことがわかります。
だからこそ「あ、ここを勘違いしていたんだな。もう少し勉強してみよう」と気付けるわけです。気付くから修正することができるし、修正することで昨日よりちょっとだけ上手くなることができます。
期待値とのズレはあなたの実力とは無関係です。
テストの例でも話しましたが、期待値とズレていてもあなたの実力は変わりません。
描けるモノは描けるし、描けないモノは描けません。
あとは「描けないなんて、自分には才能が無いんだ」と諦めるか、
「弱点がわかったから練習して克服しよう」と成長するかの2択です。
あなたならどちらを選びますか?
▶最後に
作品を見ていないので分かりませんが・・・
もしかしたら線画の際に「精度」を求めすぎて、いつも通りの描けるモノしか描いてない可能性があります。
修正しているうちに描き慣れてるポーズに寄ってきちゃう感じです。
そんなときはシルエットに注目してみてください!
基本的にシルエットが同じなら、印象はほぼ変わりません。
超便利なテクニックですよ!
TIPS【シルエット】
A:ポーズもパーツみたいに単独で描いてOKです! 既に実力がある人みたいですね。 とくに顔から遠い「脚」が描けるのはスゴイです! 苦手な人が多いので、相当描いてるんだと思います。 今回の質問は「パーツは描けるけどポーズが描けない」ということですね。 ポーズを描くためにどんなステップを踏めばいいのかを知り...
TIPS【はじめての模写】
A:キャンバスにアタリを描いてください 今回は割と実践的な質問ですね。 慣れないうちは模写をしても斜めにズレていたり、歪んでいたり、いわゆる「バランスが崩れている」ことが多いと思います。 そんな悩みを解決するには「アタリ」を描くことをオススメします。 「アタリならもう描いてます!」って思うかもしれませ...
このあたりの記事が役に立つと思います。
ラフと線画のギャップが埋まりやすくなるのでオススメですよ!
また何かあれば気軽に質問してください。
お疲れさまでした!