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サイドストーリー、その2です。


【肉畜証明書】屠畜の日☆美しい屠畜場のオーナーは屠畜を受けた…【SS付き】

美しい屠畜場のオーナーは屠畜を受けた… ++++++++++++++++++++++++++++ ~~以下はSSです~~ ++++++++++++++++++++++++++++ 作者:まに  色熱による紅潮を宿した女体が艶やかに絡み合う。  二つは露わになった素肌に差した甘い艶を滑らせ合いながら、共に豊...

【肉畜証明書】日常風景☆美しい屠畜場のオーナーの場合<サイドストーリー>【SS付き】

サイドストーリーです。まに様が書いたSSもつきます。是非とも一見ください。 ++++++++++++++++++++++++++++ ~~以下はSSです~~ ++++++++++++++++++++++++++++ 作者:まに  セリナは極上の肉便器となっていた。  特殊な加工により、剝製となったその身体...


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~~以下はSSです~~

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作者:まに



 冷えた遺体のその頬を、思わず親指の腹を当て撫でていた。

 美しい女性だ。

 そもそもが見惚れるほどに優れた顔立ちをしたヒトではあるのだが、それ以前に、劣化が少ない。まるで未だ呼吸を続けているかのよう。肌は青白くはあるのだが、今にも目を見開きそうな、そんな気配すら感じる。

 そりゃあ、お金には困っていないのだろう。『今回のプラン』を注文してきたクライアントだ、(この整った外見を見ても)この女性本人か、或いは周りの人間が裕福であることは疑いようもないのだが……しかし。

 それ以上に、想われた最期を遂げたからこそ、こうまで美しく状態が保たれているのだろう。


   *   *   *


 この女性をここ……ルルイチ学園の附属屠畜場に連れてきた、彼女の表情を見れば、余計に容易に想像がつく。愛されたのだと。想われたのだと。

 彼女は名をタミーと言った。

 この遺体……セリナ・ウリンを引き渡して貰う際に彼女とは幾らかの言葉しか交わさなかったが、その態度は露骨にセリナのことを想っている様子であった。

 だからこそ、と言うのは語弊があるのかもしれない。仕事として、どのような依頼も完璧にこなさなければならないと言う程度の意識は持って生きているつもりだ。

 けれど、俺はタミーの切実な視線を思い出し、ほんの少しだけ、気の引き締まる想いがしていた。



 本来、肉畜は死後、無償での加工が行われる。

 腐敗の防止、剥製化。

 それら、大図書館の出資する資金によって執り行われる一連の作業は、決して質の低いものではない。

 しかし、より高品質の加工を望む者は、自ら資金を出すことにより更に高水準の加工を受けることが出来る。

 今回、加工を受けるセリナ自身が要望、契約していたことにより、セリナには最高クラスの遺体加工コースが施されることが決まっていた。


   *   *   *


「……始めるか」

 夜の屠畜場、加工室。

 加工台に横になったセリナに対して囁くように、俺は一人、呟いていた。

 俺と、彼女の、二人きり。

 ……眠っているような美貌とそれに見合った完璧な裸体には思わず喉の鳴る想いだが、夜、孤独、冷えた空気が、俺になんとか平静さを保たせてくれる。

 俺は唇を結びながら、湧き立つ欲望を抑えつつ作業を始めた。

 まず、俺は特殊な機器を引き出し、遺体にそれを向け、スイッチを押した。

 セリナに向け、降り注ぐ光。粛々とした、冷たいながらも、しかしだからこそ救いを感じるかのような、無機質な、そんな光。

 これは肉畜加工用の光だ。

 肉畜加工業に携わる者であれば、誰もが口を揃えて言うほど、『革命的』な技術。

 この光線は遺体の体内に残留する血液を始めとする体液に作用し、防腐効果のある液体へと変容させ、そのまま定着、遺体の劣化を防ぐ作用がある。遺体を傷付けずに都合よく防腐を成す、正に夢の技術。扱うには一定の責任が伴う為に資格が必要となる上に費用がかかるが、この技術が発明されたことによる肉畜処理技術の向上には目を見張るものがあるといっていい。

 この技術を使うことにより、肉畜は通常以上に生前の姿を保つことが出来る。

 ――今回は特にタミーによって、セリナの死後すぐに、同じ光線が簡易的ながら完璧に照射されている。クオリティは益々格段に上がることだろう。

 ――このセリナ自身も、屠畜場を設立運営していたという。

 俺の勤務しているここ、ルルイチ学園附設屠畜場はこの辺りで一番大きな屠畜場なので、近所の屠畜場で屠殺された肉畜はここへと送られ加工するのが一般的であるが――今回はセリナ自身が運び込まれてきた形となる。

 そしてこのセリナを運んできたタミーも、セリナの元で働いていた元従業員。現在では屠畜場を受け継ぐオーナーであるというが。

 流石は優秀と言うべきか、セリナに対する簡易的な処置の迅速さや丁寧さには同業者ながら目を見張るものがあった。

 死後すぐに遺体に光線を照射すること自体は標準的なプロセスでしかない。

 しかしここまで緻密に、細部に至るまで完璧に処置を施せる者は果たしてどれだけいることか。

 ここまで適切な処置を施された遺体にトップレベルの加工を施す機会などそうはない。

 俺は緊張しながら、処置を入念に行っていった。時間をかけ、丁寧に。

 一時間ほどの時間をかけ、遺体の反応に細かく気を遣いつつ行程を進めていくと、いよいよセリナはその美しさを永久に留め始める。

 まずはひと段落つき、俺は改めてセリナの全貌をまじまじと見た。

 ……屠畜業をそれなりには続けているが、それでも中々見れない保存状態、そして下世話な言い方をするならば、上玉。

 俺は欲望をぐっと堪えつつ、作業を続ける。

 同時に夜のふけていく中、確かな確信も抱いていた。

 ……これからの工程でセリナに携わる者達を、俺と同じく耐え難い色情を抱くことだろう、と。

 俺はこの遺体を手にしたタミーが、携わる誰もが成し得ない欲求をセリナにぶつけられると思うと、なにか羨望のようなものを感じ得ずにはいられなかった。


   *   *   *



 トップレベルの遺体処理は一日では終わらない。

 まず腐敗の防止を済ませた上で、高価なナノマシンを注入しての細胞レベルの洗浄を行なった上、毛髪を生前のまま保つ加工、口内粘膜を始めとする粘膜の適切な質感維持……またはオナホ化など、様々な加工を丹念に行う。

 全ての工程を終えるには、おおよそ一ヵ月の期間を有する。

 しかもそれら全てを完璧に完了する為には、従業員達による数時間体制での管理により遺体の状態を注視しつつ作業をしていかなければならない。遺体にとっては一度きりの最期であり、それを受け取る者によっては一生添い遂げる伴侶でもある場合も少なくない。特にトップクラスの剥製化においては一瞬たりとも気を抜くことは許されず、細心の注意を払うことが要求される。

 ――後に聞いた話だが、やはり他の従業員も、欲を抑えることに大層苦労したそうだ。

 欲をもよおした際に依頼の遺体を使用することは勿論許されることではない為、皆がスタッフ用の剥製オナホで欲を発散しながら、何とか全てを終えたそうであるが。


   *   *   *



 ともあれ一か月後。

 最期の確認として、全ての加工を終えたセリナを見た俺は、思わず、ふ、と、息をついた。

 吸い込まれるような、永遠の、美しさを持つ美女がそこには眠っていた。

 棺桶をイメージした商品パッケージに収まったセリナは、麗しかった。

 運ばれた当初のような顔面蒼白の一歩手前ではなく、その頬にはうっすら赤みすら帯びている。

 肌の色艶は勿論、その表情も、香りすら、生きている肉畜ですら及ばないのではないかと思えるほどの、完璧な仕上がりであった。

 ――俺は息をするのも忘れ、最期の作業に手を動かす。

 死化粧。

 それは本来、最期を迎えるご遺体を、一番美しい姿で送り出してあげようという、生者の思いやり。

 だがこの場合は、紛れもなく――これからもタミーと続いていく愛を、沸騰させる為の施しとなるだろう。

 これからも、彼女は彼女を愛していく。

 タミーは――恐らく、ふとその表情を見た限り――惚れ込み慕い尽くしたセリナに、これからもずっと愛情を伝え続けるのだろう。

 『最期』ではなくその『最初』を、彩る為に、化粧を施す。

 俺は彼女達のことを想いながら、ただ丹念に、完璧な仕事をこなしてみせた。

 そして同時に、確信も抱いた。

 数日後、タミーがセリナの遺体を受け取ってまずすることは、セリナを犯すことだろう。

 俺達従業員にとって、それはとてつもなく羨ましいことだ――。


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