【肉畜証明書】屠畜の日☆ルルイチ学園・チア少女の場合【SS付き】 (Pixiv Fanbox)
Content
二人のチア少女が、衝動を抑えずに自主屠畜のことを選んだ…
まに様が書いた、30KBにも及ぶSSもつきます。是非とも一見ください。
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~~以下はSSです~~
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作者:まに
一体、今宵幾度目の絶頂か。
数える余裕もまるでなく、彼女はトイレの個室に噛み殺した嬌声を立ち込めさせる。
「んんんっ――ふっ――!」
洋式トイレに座った彼女はがくんと頭を垂れて縮こまる。
そして、痙攣。何度も強く。
汗ばみ艶めく肉感的な太腿が、秘部に潜り込んだ彼女自身の手ごと、きつく閉じて擦り合わされる。制服のシャツから零れる片乳に美しい手の指が食い込み、その年不相応な乳肉の豊満さを主張する。
彼女は俯いたまま、その若々しい身体を痙攣させ続けることで、トイレの個室内に蒸れきった雌の色香を振りまいていく。既に個室内にはむんわりと極濃のフェロモンが立ちこめ、むせ返るようだ。
「おっ――ん、くっ――♡♡」
びくん、びくんと女体は暫し、アクメに浸って痙攣を続ける。
暫くしてようやく、それは止まる。
代わりに女体からは、切なげな色情が湯気のようにむんわりと立ち込めた。
「はぁっ……はぁっ……駄目、全然足りない……」
俯いたままの彼女から、不満げな声が漏れる。
彼女は溜息をつき、乱れた制服を直し始めた。
襟元を正し、スカートの裾を引いて、今しがたの獣みたいに快感を貪っていた姿を、誰に見られても恥ずかしくない一介の女生徒のそれへと戻す。
最も、彼女の着る指定の制服は胸部に布が存在しない。
彼女の小振りな顔を超える大きさの乳房が二つ、自慰の火照りを未だ残して汗ばみながらに露出している格好は、とても品行方正な女生徒のそれとは言いがたいのだが。
「もう無理……アイツらを呼んで解消しなきゃ……」
そう言って、彼女はふらりと立ち上がって扉へ手をかける。
彼女はその場を立ち去り、夜のルルイチ学園に消えていく。
後に残された個室は、開いた扉から残された温もりばかりが漏れていた。
この湿った温もりが、あのチアリーダー部のエース、牧部凜香(まきべ・りんか)の自慰行為によって有るともしも認知されたとしたら、男女を問わず即座に駆けつけ相伴に預かろうとするに違いない。
それほどに、彼女は完璧な魅力を誇っている。
ましてその自慰行為が屠畜に対する渇望によって行われたものであると分かれば、尚更魅力的に感じることだろう。
* * *
屠畜が日常のこの世界において、授業のカリキュラムに屠畜の予行演習が組み込まれていることは珍しくない。
模擬屠畜と呼ばれるそれは、大義名分こそ『肉畜が肉畜らしく気高い屠畜を迎えられる為の教育』と高尚な代物であるのだが、当の生徒達にとっては色欲を焚き付ける拷問となんら相違なかった。
この日の凜香も正に、そんな模擬屠畜の授業に否応なしに発情させられた被害者だった。
授業の内容は、所謂『首吊り切腹』であった。
首に縄をかけて軽く絞めた状態で切腹をすることにより、失血によって力を失った身体が吊られて死に至るというものだ。失血死と窒息死を同時に味わえる強欲な屠畜で、その誘惑は並の屠畜の比ではない。
無論あくまで模擬である為、授業は安全な道具を使った所謂『フリ』であったのだが、凜香からすれば『寸止め』に他ならず。
(まさか、ずっと気になっていた首吊り屠畜が授業で扱われるだなんて……私としたことが、自分の性欲一つ制御出来なくなってしまったわね……)
凜香は全身を疼かせ、悶々としながら歩いていく。
夜の学校、その廊下に凜香はいた。
昼の雰囲気とはまるで違う閑散とした暗さの中を歩む、彼女の色香は凄まじい。
美しいストレートロングの銀髪に制服姿と優等生然とした装いでありながら、見える白い肌の全てに紅潮が差しており、一目で発情を感じさせる。頬や首筋は勿論、制服から溢れる爆乳も、ニーハイが食い込む肉感的な太腿に至るまで、熱を感じさせる淫靡な艶が宿り、彼女が歩く度にむちむちひしめき、廊下に淫蕩な蒸れっ気を振りまいている。それは非の打ち所がない美少女である彼女の圧倒的な欲求不満を感じさせた。
一歩一歩歩く度、ニーハイの食い込む絶対領域が擦れ合う。
形を保った豊乳が、いやらしく存在を主張する乳首を震わせる。
凜香は強烈に下品な身体を晒しながら、鼻息を荒げつつ、不満げに眉根を寄せていた。
(もうこんな時間だし、面倒だったけど……もう無理ね、早くアイツらを呼ばなきゃ)
凜香は才女である。チア部のエースでありながら、品行方正、成績優秀で教師の評価も高い。だが一方では、強気で自信家、女王様気質な性格でもある。男も幾らか確保しており、彼女は才覚溢れる存在であるが故に許される横暴な欲求のまま、日々を本能に任せて生きていた。
要は、呆れる程の可愛さとエロさを兼ね備えたこの美少女は、日々、セックス三昧な生活を送っているのだ。
今日は時間が無く、一人でことを済ませていたのだが、やはりどうにも耐え難い。
凜香は『アイツら』――つまりは大量にいるセフレを呼び出し、夜の校舎で致そうと考えていた。この学校では、『健全な』異性交遊は校則違反にはならない。罰せられることはない。だからとにかく早く欲求を解消したかった。自分の完璧な肉体に無限に湧き上がる性欲を貪って欲しかった。
だから彼女は歩みを速め、せわしなく廊下を進む。
だから彼女は、そうして一直線にそこへと辿り着いたのだった。
(……とりあえず中に入って電気つけよ)
短いスカートの内から蠱惑的な太腿へ、透明の雫さえ伝わせながら、凜香は熱っぽい溜息と共に目的地への扉を開く。
チア部の練習場の扉だ。セフレとするなら慣れたここが一番良い。
(ここなら融通も利くし、色々興奮するし……)
もう限界。
色情を全身に巡らせて、練習場へと踏み入る。
――そして思いかけず、凜香は眼を丸くした。
(あれ?)
――結論から言えば、夜の練習場の扉に鍵もかかっていない時点で不可思議なのである。
凜香はそれに気付くこともなかったが、誰もいないだろうと確信していた練習場に人影があるという印象のほうが余程強烈で些細な違和感など気付く由もなかった。
ましてやその人影というのが、同じチア部の人間であるだから余計に。
「に……二宮さん!?」
思わず大きく名前を呼ぶと、人影はびくりとして振り返った。
見慣れた人物が凜香を見て、同じように驚いている。
金髪が褐色の肌によく似合う華やかな黒ギャルだ。
彼女は慌てた様子だったがしかし、凜香を見るなり、安堵と落胆を入り混じらせたように肩を下ろした。
「……なんだ、凜香じゃん」
「……なによ、その言い方」
驚きも束の間、凜香は癪に障る物言いにムッとする。
凜香は彼女をよく知っている。
いつもそうなのだ、この、二宮霧亜(にのみや・きりあ)という彼女と、凜香はどうにも反りが合わない。
凜香と霧亜は共通点こそ多い。
同じチア部で三年生、共に部のエースであり気が強く、部内で一二を争うほど外見も良い。
また、霧亜の豊満なプロポーションがまた、凜香にライバル意識を抱かせる。
雌として完璧な褐色の肢体は、もしかすると凜香以上に蠱惑的に引き締まっているかもしれない。それでいて肉がつくところにはたっぷりついており、乳肉は凜香より僅かに小振りな分ハリがあり、太腿の絶対領域は最早犯罪的な『はちきれんばかり』。褐色肌は宝石のように艶やかで、色白の凜香に無い魅力がある。凜香は自分のプロポーションが負けている気こそしてはいなかったが、それでも霧亜の抜群のプロポーションは自分に匹敵すると認めてはいた。
不愉快なことだと、凜香は唇を甘く噛む。
(よりによって、二宮さんと鉢合わせるだなんて……)
思う凜香は、自分の視線が自然と霧亜の肢体に吸い寄せられていることに気がついた。
唇を噛む力はより強く。
その行為に比例するかのように、身体がより熱く火照っていく。
(ん、ぐ……全く、なんでこんなに……いやらしい身体つきなのよっ……)
無理やり目を反らして俯き、漏れ出る文句には二つの意味合いがあった。一つは、己を苛立たせるほどの淫らな肉体に対する罵倒。そしてもう一つは、どうしてこうも魅力的な身体つきでいられるのだという、不公平感である。それは正しく凜香が霧亜と反りが合わない一番の理由であった。
凜香は品行方正な優等生。
対して霧亜は素行の悪い不良である。
ルルイチ学園には1学期に遅刻44回以上の生徒は死刑、という校則があるのだが、霧亜は処刑ギリギリまで遅刻に次ぐ遅刻を繰り返している上に成績も悪い不真面目な生徒なのだ。
堕落の象徴であり、凜香とは正反対の存在。
不真面目な女。
――だというのに、何故こうまであらゆるスペックが自分に肉薄してくるのだろうか。
才色文武を弛まぬ努力で磨いている凜香だからこそ、ふしだらな霧亜が勉強以外の全てにおいて自分と対等に位置し、あまつさえチア部のエースとして双璧のもう片側に立つ霧亜のことを嫌わずにはいられない。
霧亜側も凜香を優等生の良い子ちゃんだと馬鹿にしている節がある。
(全く、どうしてこんな夜中に鉢会うのかしら)
凜香は露骨な苛立ちを溢れるフェロモンに絡ませ、全身からむんわりと放出するしかなかった。
とにかく文句の一つでも言ってやろう。
耐え難い疼きが全身を侵しているというのもあり、凜香はせかせかと口を開く――
「……すっごいえっろい匂い。凜香、どっかでオナってたっしょ」
――が、霧亜に先んじられ、顔に火がついたような心地に見舞われる顛末となった。
非難する気か、どの口が。
自分こそ、そのいやらしい褐色ボディで日夜男を食い漁っている痴女のくせに。
――自身もセフレとヤる為にここへきたことは棚に上げ、凜香は気恥ずかしさを誤魔化すように声を荒げる。
「!?っか、関係ないでしょ!?二宮さんこそこんな所で何をしてるの!」
「私はねー……うん、今から死のうと思ってね」
「え?」
こともあろうにあの霧亜に性の乱れを指摘されたという屈辱にムキになっていた凜香は、想定外の言葉に冷静になった。
霧亜は溜息混じりに言う。
「もうさ、最近色々ね、満足出来なくて。そろそろ死ぬ快感も味わいたいなってね」
「そ、そんな。屠畜はもっときっちり順序だててやらないと――」
「そうは言ってもさ。私達肉畜なんて所詮、死ぬ快感の為に生きているようなもんじゃん」
「それは……」
霧亜の台詞に、凜香は神妙な面持ちで俯く。
例え反りが合わないとはいえ同じ肉畜、屠畜に対する想いは真摯に向き合いたい。
「……あ、ま、優等生の凜香さんにはオナって我慢するしかないでしょうけど?」
「……あ?」
霧亜に対して珍しく思いやりを抱いただけに、予想外な言葉の張り手は凜香をさすがにカチンとさせた。
「なによ、人が心配しているのに。そんな言い方ないんじゃない?」
「優等生さんはほんとつまらないよね~。心配御無用、私はさらーっと逝って思いっきりイクんで。はい、というわけで邪魔だから出てってくださ~い」
「つまっ……は、いくら肉畜だからって思いつきで自殺ねぇ。確かに私にはそんな頭足らずなこと出来ないし?花の屠畜を無碍にする低脳さなんて分からないけれど」
「んなっ」
煽り返す凜香に、今度は霧亜が眉間に青筋を立てる。
二人は睨み合い、歩み寄り、対峙した。
爆乳の先端にある勃起乳首が四つ、接触寸前までに接近する。
「良い子ちゃんうっざ!どうしようが人の勝手じゃん!そうやってお婆ちゃんになるまで大切に屠畜をしまっとくわけ?もったいな~い、ていうか結局勇気ないだけじゃ~ん!」
「勇気ならあります!私はただ、折角の屠畜を考えなしに済ます杜撰な女じゃないってだけ!」
「私にも考えくらいあるし!」
「何よ考えって!」
強気がぶつかりあい、キャットファイトの様相を呈す。
互いの乳首は触れるか触れないかという所で震え――ついに、甘く、絡み合った。
「考え、は――んっ♡」
「なに、んっ♡よっ……」
コシのある乳首を舌を絡めるように触れ合わせながら、それでも二人は引かずに言い合う。
「っ……私は元々、ちっちゃ~いときからず~っと自殺で逝きたかったの!それも憧れのチア着姿で!」
「どう、だかっ……それに今は制服じゃない」
「こっから着替えるの!幸い可愛くえろぉく育ったつもりだし?チア着で首を吊りながら、きゅっと引き締まりつつやわらか~いお腹に刃を突き刺して切腹するんですー!」
「首吊り切腹……って、今日の模擬屠畜でその気になっただけでしょ」
自身が度々想いを馳せていた屠畜であっただけに、凜香は霧亜を嘲笑う。
「違うっての!ふざけんな!」
「っ……な、なによムキになって」
「本当に子供の時からの夢なの!だって最高だもん、首吊り切腹!こう……きゅうう…って!首絞められて!酸欠になって!恍惚として……切腹っ……!ずっと、ずっとしたかったのっ……!」
「……ふーん」
凜香の思うより、霧亜の告白には真剣味があった。言うほどにその声色には艶が出で、霧亜の頬は紅潮を増していく。情欲を抑えるようにスカートを握り締める手の様子からは、触れずとも興奮に汗ばんでいるのが見て取れるほどだ。
本気だ――
霧亜の屠畜願望が真剣であることを理解した途端、凜香は自身の身体も火照っていくのを感じた。
想像での死と現実での死は、どう足掻こうとも臨場感が異なる。
数刻後には、目の前にいる同級生、しかも自分のライバルが『確実に』淫乱な死体と成り果てるという現実が、理解した凜香に強烈な興奮を与えたのだ。
「「……」」
二人っきりの夜の練習場に、不意の静寂が満ち渡る。
霧亜としてはこれ以上剥き出しの興奮をライバルに聞かせたくないという意図での沈黙なのだろうが、凜香としては堪った静寂ではない。
(本当に、今から二宮さんは死ぬんだ……)
静寂は、現実を噛み締める余裕を凜香に与えてしまう。
(私は別に、今日死のうとは考えてなかった……でも、二宮さんは今から死ぬ)
――凜香の抱く興奮は、例えるならば同級生が恋人と性行為を致したことを聞いた思春期童貞男子の抱く感覚に似る。
憧れはするが、現実での性交はまだ先の出来事だろうと、どこか他人事に思っていたところに、同じ立場である同級生が性交をしたと聞いて、実感するのである。
その気になれば、自分でも今すぐ致すことが出来る、と。
遠くに感じていた生々しさが一気に身近なものに感じられ、極端な色情を抱くのだ。
(私も……死のうと思えば、今すぐにでも……)
自主屠畜、つまり自発的に自殺することは、肉畜として褒められた行為ではない。
凜香は理解しているからこそ、理性の壁へと踏み込んできた誘惑を強烈に感じて表情を余裕なく歪ませる。
鼻息は荒々しく、その手はぎゅっと握られる。
「……さ、……」
(……私も)
「……さっき……」
(……私も今すぐ、二宮さんと一緒に首吊り切腹で死にたいっ……!)
「……さっきのオナニーは、ウォーミングアップにすぎないの」
「え?」
凜香の呟きに、霧亜はどきりとした表情を見せた。
凜香は霧亜を見定め、はっきりと言う。
「私もっ……私もこれから首を吊って、本当に切腹する気できたんだから!」
凜香の宣言に、霧亜は何も返さなかった。
しかしその表情は、霧亜が凜香と同じ類の興奮を抱いていることをどんな言葉より強く示していた。
気付けば、二人は見つめ合うまま己の衣服を脱いでいた。
凜香は黒の、霧亜は白のニーソのみを身につけた状態だ。
二人の美少女は呼吸さえ忘れるほどに相手の魅力的な身体から目を離すことが出来なくなっており、無意識の内に自慰行為にまで耽っていた。
これからを話し合うにせよ、身体の疼きが我慢出来なかった。また、いつもは憎むべき相手の発情姿を目の前にぶらさげられているのがそれに拍車をかけた。
互いがそうである為に、二人は行為については触れず、話し合う。
「……別に、一緒に死ぬのはいいけど。あんた、脇差か懐剣は持っているわけ?」
「あっ……」
霧亜の問いに凜香はぎくりとした。勿論用意なんてものはしていない、かといって霧亜に今更衝動的な自主屠畜だからと告白するのも癪だ。
困った凜香だったが、すぐに妙案を思いついた。
「勿論。じゃ、更衣室で交互に着替えよっか」
「そうね、だったら私から」
二人は素早く、最も自分が魅力的だと思える姿――つまりはチア着に着替えた。
それは、目覚しい発育である二人の肉体が映える下品でさえある格好だった。
ルルイチ学園のチア着は、学園の制服以上に露出が多く、腹部は完全に露出し、胸元さえも開ききっており、制服と同じように乳房が露出されている。スカートは動いていなくてぎりぎり下着の見えない短さであるが、二人とも下着を履いていない、純然たるドスケベビッチの装いをしている。
――スタイル抜群な黒ギャル美少女・二宮霧亜は、数多の男を貪ってきた極上な肉体がほぼ完全に露わになった姿で、艶々とハリのある太腿のそばで自前の脇差を握っていた。
――艶やかに麗しい美少女・牧部凜香は、神秘的な銀髪に対する衣装のギャップが凄まじい。霧亜に負けす劣らずなボディラインを晒す、その手にはしっかりと懐剣が握られていた。
懐剣は、チア部の部長の品である。凜香は部長が切腹愛好家で、ロッカーにいつも懐剣を収納していたことを思い出したのだ。
(少し借りますね、部長)
肩が上下するほど高揚しながらも、懐剣を握って目を瞑り礼を想う。
「――って、二宮さん!?」
「なによ」
「なに、じゃなくてっ!」
凜香は霧亜の元へと駆け寄る。
いつのまにか、霧亜は壁に複数あるフックに絞首用のロープをかけ始めているのだ。
「そのフックは私が使うのっ――」
「なんでよ、他のを使えばいいじゃんっ」
「私たち背の高さが同じくらいじゃない!高さが丁度いいフックはこれだけなの!分かってるくせに、だから抜け駆けしたんでしょ!なんでもいいなら他にいってくれるかしらっ」
「ヤダっつーのっ……!」
押し合いへし合い口論し合いで揉み合い、二人はたった一つの絶妙なフックを奪い合う。
その後は再び睨み合っての言い合いに発展するも決着はつかず、引かない二人は結局、無理やりに二本のロープを一つのフックに縛り付けた。
「……ちょっとまって」
ふと、霧亜が何かに気がついたように眉をひそめた。
「なによ、二宮さん」
「これだと私達、百合心中してるみたいじゃん」
「……そうね。それは困るわ。私と二宮さんは隠れた恋人同士、そして、今晩の自主屠畜は百合心中だと……そう誤解されるなんてごめんだわ」
「うん」
「……遺書、書いておきましょうか」
首を吊る段階になって、そんな会話から二人は携帯を取り出した。
* * *
『牧部凜香(二宮霧亜)は、首吊り切腹の誘惑に耐えかね、今宵、部の練習場で首吊り切腹を致します。どうか、無断での自主屠畜をお許し下さい。
ちなみに、二宮霧亜(牧部凜香)さんは私の隣で同じく首吊り切腹で逝きますが、これはあくまで偶然であり、私達は恋人同士ではなく、ましてや百合心中ではありません。
念を押しますが、絶対に、百合心中ではありません。
後は先生に全てを任せます。
今までありがとうございました。』
* * *
二人は同じ旨のメールを書き、三十分後に自動で顧問教師に送られるよう設定した。
顧問がこの練習場まで駆けつけるのにどう頑張っても更に三十分くらいはかかる。邪魔の入らない絶妙な時間設定だ。
設定をしている最中、一時間後には必ず逝っているという現実を実感して二人の発情が促されたのは言うまでもない。
設定をし終わると、二人は即座に携帯を投げ捨て、少しの躊躇もなく首に輪を通した。
「もうちょっとそっち行ってよ!窮屈!」
「二宮さんこそ、しっかり抱いてくれるかしら!」
最期まで口論しあいながら、二人の姿はそれでも華やかで美しい。
立った状態で、二人は互いの腰を抱えて身体を寄せている。
ひしめき合う女体は飛び込みたくなるような肉感で、艶めかしい太腿は擦れ合い、腹部のくびれに細い指がしっとりと食い込んでいる。
何より規格外の爆乳が、その大きさを互いに押し潰しあっているのが殊更性的であった。
まるで女体の溶け合うよう。白と褐色の雌肉が淫蕩に汗ばむ柔肌を絡ませている。万人を吸い付ける豪勢な光景であり、それがルルイチの淫乱チア着でのものであるのだからそのいやらしさはひとしおだ。
そのぷるぷると瑞々しい唇達は尚も言い合ってはいるのだが、光景だけならば情熱的な愛情を紡ぎあっているかのようにさえ思える。口論は絶えず、しかしその身体は互いの熱を共有しあい――さながら痴話喧嘩のような。
霧亜が、間近で凜香を睨みつけてくる。
「……とにかく、これは窮屈だから仕方なく抱いてるだけだかんね!」
「分かってるわよ!もう……!」
凜香は辟易して答えるが、その声は更なる欲情の色が抑えられていない。
悔しいけれど、興奮する。
今、自分は男女に関わらず求められる霧亜と絡み合っているのだ。こともあろうに極端に露出度の高いチア着姿で、僅かな布地を擦れあわせながら素肌を触れ合わせている。
良い匂い。
柔らかいのに、ハリがある。
お肌すべすべ――。
「ふぅーっ……ふぅーっ……♡」
幾ら興奮を噛み殺そうとしても、鼻息から洩れる熱は抑えられない。
凜香の全身を、悶々とした欲求が埋め尽くす。
――嗚呼、霧亜をもっと貪りたい。
抱き締めたい身体を撫でたいキスをしたい舌を絡めあいたい脚を交わらせたい秘部を擦り付けあいたいちゅっちゅしたいちゅっちゅしたいちゅっちゅしたいちゅっちゅしたい――。
(ううう……二宮さんっ……)
――はっきり、これは恋愛感情ではない。凜香は霧亜を、霧亜は凜香を忌み嫌っている。愛情なんてとんでもない、ありえない話だ。
これはただの性欲が生み出す欲求に他ならない。
そしてそれは不自然な欲求ではないと、凜香ははっきり自信を持って言えた。
だって――霧亜も自分と同じ吐息の荒げ方をしている。
「ふぅーっ……ふぅーっ……♡」
「ふーっ、ふーっ……♡」
ほんの数十秒、練習場には二人の鼻息だけが充満した。
やがて、凜香は霧亜を自然と見やる。
霧亜も同じようにして、凜香を見つめていた。
交錯する視線。
――二人の唇が強烈な引力に吸い寄せられる。
「んんっ、ちゅっ――♡」
「んふ、ん、ちゅるっ、にゅるるっ――♡」
言葉なんて必要なかった。
互いが互いを、ある意味では最も良く理解していた。
だから性欲を満たす為だけの百合行為を、二人は指し示したように行っていく。
抱き合い、濃厚なディープキスを交わす。
乳肉を密着させあうばかりか、その下の滑らかなヘソ回りまで擦りつけ合わせ、互いの美脚を絡めあう。
二人の年相応に瑞々しい唇が互いを求め、粘膜を練り合わせる。
極上の女体が蕩け合い、練習場中を淫靡な水音でいっぱいにしていく。
「んぶ、ちゅっれあ、んぷ……はぁっ、はぁっ……♡」
「……んん、ふー、ふーっ……♡」
やがて二人は、唇を引き剥がすように激しく口を離した。
すっかり発情した目で互いを見つめる二人の口からは透明の唾液が橋を渡している。
二人は数多を魅了した女体を極限まで発情させ、もう限界であった。
だから自然と、二人の口から同時にそれは漏れ出した。
「ルルイチ学園高等部3年、チアリーダー部所属、牧部凜香……」
「ルルイチ学園高等部3年、チアリーダー部所属、二宮霧亜……」
学校ではもちろん、家でも毎日何度も練習した『最後の告白』。
いよいよ本番に臨む時、その文句は自然に二人の唇から流れて出ている。
情欲に染まる霧亜の瞳を段々と潤ませていった。
凜香の凛々しい顔も発情した雌の艶を帯びていた。
「「……ただいまから、首吊り切腹で屠畜されます」」
『告白』のセリフを言い終える時、二人のチア少女の爆乳の上から、既に桜色の乳首はつんと硬くなっている。
十秒、あるいは二十秒経った時か。
「……じゃあ、切ろっか」
凜香は途端、甘く吐息を震わせてそう言った。
そしてその蠱惑的なチア着姿を、捩じらせ、震わせ、霧亜に擦り付ける。
そうしてふーふー言いながら、蕩けた目で霧亜を見やる。
――自分と全く同じ目で霧亜が見返していて、凜香は思わず再びの接吻を交わす。
二つの女体は、益々互いを昂ぶらせていく。
二人は、今度は特に重点的に下腹部を擦り付け合わせた。
今から裂かれる艶やかな腹筋を、それはまるで磨く行為。
より熱く、よりすべすべに仕上げるように、二人はお腹でキスをする。乳肉がすっかり押し潰れ、乳首同士が潰れ合う快感に見舞われて尚、こすこすと腹筋の艶を擦り合わせる。
どんどん熱くなっていく。
どんどん疼きが増していく。
やがて擦り合わせられる疼きが子宮にまで染み込んできた頃――いよいよ耐え切れず二人は離れた。
「……やっば、もう……いこ……」
「……そう、ね……」
切り出した霧亜も、受け入れる凜香も、燃えるような腹部の疼きを掻き回したくてしょうがなかった。
二人は首に回された紐が緩まないよう、改めてきつめに縛る。切腹によって弛緩した身体が、しっかりと自重で吊られるように、待ちきれない手つきで何とか縛りなおす。
互いがそれを終えると、どちらからともなく短刀の鞘を払っていた。
「「うう、うっ――♡♡」」
二人はその目に剥き出しの刃を映して生唾を飲む。
凜香のサファイアが白銀の刃の冷たさを求めて潤み、霧亜の琥珀が肉体とはあまりにかけ離れた無機質な輝きに美しさを覚える。
二人は呼吸に乳房を揺らして、引き寄せられるように刃を己の腹部へとあてがった。
震え上がるような深呼吸が二つ。
――その滑らかな腹部に、刃の切っ先が触れる。
「ふっ――」
「んっ……」
色は違えど同様に淫靡な腹部に、煌く刃がほんの刹那食い込む。
次の瞬間、一瞬ばかり張り詰めた薄皮はあえなく割けて刃が沈み込んだ。
鮮血が一点、刺した刃の形を縁取るようにして滲む。
二人は走る痛みに殆ど同時に身体を丸めようとし、互いを支えてなんとか体制を保つ。
双方が相手のくびれをぎゅっと抱き、片乳同士を押し付けあいながら内股にニーソをもじつかせた。
なんて、気持ちいい。
抱く想いは、二人とも全く一緒であった。
ほんの僅か刃の切っ先を刺しただけで、全身を貫く痛みが快感を極限まで高め上げる。
誰もが欲する極上の女体が己の腹部に刃を刺し、二つ並んで膝を泣かせる光景は贅沢の塊だ。首に縄をかけ屠畜に耽る、凜香と霧亜は正しく誰もを魅了するだろう。
彼女等は悩ましい表情に脂汗を浮かべながら、先を求めて動く。
手が、自然と刃を深く刺していく。
脂肪層を通り抜ける刃の感触に二人は身悶え、それが内臓に辿り着いた瞬間、激しい絶頂感に身体がびくつき、乳肉は大きく揺れ動いた。
「ああ、ぎぅぅっ……♡」
「こんな……す、ごっ……♡」
散々見せ付けてきた、腹部。
チアダンスを踊る度にきゅっきゅと腹筋を引き締め、魅了を振りまいていた腹部。
――今は、刃を突き刺されて、血を流している。
今の二人が踊るのは華やかな応援の踊りではなく、抗いがたい刺激に身を捩らせる欲望の踊りだった。チア部のエース二人が密着し合い身体をくねらせる。観客がいないのがあまりに勿体無い。
特に凜香の踊りは激しく、がくつく膝が一瞬砕ける。
その瞬間、凜香の麗らかな首が一気に締まった。
「んぎゅっ――♡」
凜香は途端に歯を食い縛った。
女体がびくりとし、ぐりんと黒目があがる。
酸素の供給が絶たれる首の締まり心地は、快楽物質を一気に増産させ、切腹の強烈な痛みの角をとり、純粋な快感のみを一気に彼女へと弾けさせた。
正しく天にも上るような心地。
死にたい、このまま死にたい――
「り、凜香っ――」
――一足早い死を願った凜香は、柔らかい脇腹をぎゅっと抱き締められて我に帰った。
折角の首吊り切腹を、こんな中途半端なところで止めてはならない。
凜香の表情が理性を取り戻し、膝にも何とか力が戻る。
(あ、危なかった……ううん、まだ、危ないかも……)
凜香は再び短刀の握りを強めるが、湧き上がった大量の快楽物質が無くなるわけではない。今にも意識を飛ばしてしまいそうな恍惚が頭の中をいっぱいにしている。気を抜けば倒れこんでしまいそうだ。
凜香は卑猥なチア着ボディを悶えるようにくねらせる。
こんなところで、終われない。
「ご、ごめん、もう、だいじょう、ぶ、だからっ……切ろう、か……」
「……うんっ……」
凜香だけではない、霧亜も太腿をむちむちがくがく震わせて、大分限界が来ているようだった。
褐色の腹筋が、刃を咥えこんで何度もきゅっきゅと生理的に引き締められている。
吐息を浅く不規則に乱し、霧亜もまた凜香と同様に踊り狂っていた。
二人とも、体内を駆け巡る快感に向き合うことが精一杯で相手は視界に入っていない。
それでも二人は無意識の内に、呼吸を合わせてゆっくりと互いを抱いた。
そして――突き刺した刃を、ゆっくり横一文字に滑らせる。
「「――♡」」
練習場に、嬌声とも呻きともつかない声が響き渡った。
チア着姿の女体が二つ、腹部を鮮血に染め上げながら一層妖艶に身悶えた。
凜香のやわっこい乳肉が揺れ動き、霧亜の太腿が酷く痙攣を催す。
二人の秘部は蕩けながらに引き締まり、快感の強さを感じさせる。
その腹部は今正に赤黒い傷口を広げ、中身さえ見えてしまいそうになっていた。
(こんなのっ――♡)
痛烈な快感に、凜香はまた懐剣を落としてしまいそうになった。
しかし首吊り切腹は腹部の大動脈をしっかり切っておかなければ中途半端に終わってしまう。
まだ、足りない。
恍惚に浸って堕ちたい凜香だったが、それは不本意だと必死に腹部の傷を広げていく。普段はポンポンを握る手が今は刃を持ち、己に突き立て腹を開いていく。
滑らかな腹部が切り裂かれていくと、どろりと血が溢れ、内臓を零れさせる。凜香の白さにそれは良く映え、柔肌を蕩け落ちていく内臓はさながら腹部を撫で付けているようなとろみを帯びていた。
(嗚呼……二宮さんも同じなのかしら……)
凜香の頭の隅にふと浮かんだ想いは、今まで覚えた事のない感情であった。
共感、心配り、激励。
邪魔としか思っていなかった霧亜という存在を、初めて凜香は思いやる。
同時に、妙な確信をも感じていた。
きっと――霧亜も同じ気持ちだろう。
(ああっ――)
殆ど同時に、落とした刃が床を鳴らした。
切断された大動脈から噴き出す真っ赤な血が、ドクドクと傷口から湧き出した。
切腹は完了したのだ。
「にの、みや……さっ……♡♡」
「りんっ……♡」
二人は獣が唸るように呼び合って、そこで初めて互いを見やった。
凜香の腹が裂けている。
霧亜の内臓が覗いている。
見るうち、まるでそれをオカズにするかのように、二人の手は己の秘部を弄り始めていた。
二人は完璧に腹を切り裂いた姿で自慰を始めた。
互いが互いの身体を抱き、片手で秘部を弄りたてる。
「ああ、んっ♡」
指の腹で割れ目をなぞり、陰核を細かく弄ぶと、想像を遥かに上回る快感が全身に走っていく。まるで激痛の全てが快感に変わっているような。麻薬さえ遥かに及ばぬ幸福だ。
凜香はその可憐な外見に見合わない激しい自慰で、陰核を執拗に擦りあげる。
霧亜はその傍で、細い指を挿入し必死に出し入れを楽しんだ。
艶やかな女体が二つ、肉畜の至福を貪るように互いを擦り付け合う。
むっちり甘い雌肉は何かを誘惑するように、蠢き蕩け合っていく。
当の二人は、その内、この世の天国を見た。
(これ……)
(やっば……いっ……)
――全てが、陶然としている。
失血により朦朧となった感覚に、純然たる快感のみが電流のように走っていく。
まどろみに似た感覚が、全てを桃源に染め上げていくのだ。
凜香も、霧亜も、恍惚の中で理解した。
首吊り切腹が数分持たないのは、この浮き立つような感覚が原因なのだろう。
腰骨が蕩けている。
でも、もっともっと、味わっていたい――
(凜香……)
(二宮さん……)
((もっと……もっと……♡))
どちらが思ったか、どちらも想ったか。
凜香と霧亜は、自然と互いの身体を支え合っていた。
腹部の内容物を晒しながら、互いの肉を溶け合わせた。
チア着を擦らせ、必死に体勢を維持して、自慰の助け合いを始めたのだ。
腹部の裂けたグロテスクな様相であるというのに、太い腿に手を忍ばせて擦り上げる二人からは強烈な雌のフェロモンが漂い、美しくさえあるのが不思議であった。
意識は既に混濁し始めている。最早理性などない。快楽のみしか分からない。
だからこそ、二人はいつしか見つめ合っていた。
「はぁっ、はぁっ……、り、凜香、凜香……!」
「二宮さん、二宮さん……霧亜、霧亜……!」
相反する二人の雌は、うっとりとした目に双方を映す。
――そして。
「……はむっ♡んっ、んちゅるるるっ……♡」
「んにゅるっ、はっぷ、れるろるるっ♡」
二人はとうとう耐え切れず、強烈に互いを貪り始めた。
片手は相手のくびれた腰を抱き、もう片手では下品に秘部を擦りあげる。百合の美しさが発情の御下劣を兼ね備え、とにかく濃密な接吻を執拗に絡め合う。
ねっとり舌を舐り合わせる二人には、ただ長く快感を味わう為に支えあっている、という利害関係のみがあるわけではない。
自分の味わっている快感を共有しているのだ。
凜香も霧亜も、相手が自分と同じ気持ちよさを味わっていることを知っている。
だから百合の花を咲かせることで、互いが互いを昂ぶらせ合っているのだ。
凜香は、どんな好ましい相手にさえしたことない甘い接吻をライバルへと与え、霧亜もそれを受け止めて一層激しく舌を絡め返してくる。むちむちの身体は雌肉の音がする程こすこす擦り合わされて、くねる、悶える、全身を走り抜ける痛みを共鳴させていく。
――凜香は夢見心地でいた。
もう無限に、この快感が続いているような気がした。
しあわせ。
思考能力に欠けた頭は快楽物質を噴出すばかりでろくな言葉さえ出てこないが、ただ今の多幸感さえ味わえていさえすればそれ以外はもうどうでもよかった。
目の前の霧亜もまるっきり凜香に追従しているらしく、陶酔に目蓋をとろんと落として、舌ばかり激しく動かしている。
自慰の糧は互いのいやらしい身体があるから困りもしない。
永遠に思える時間が続く。
それは実際驚異的な長さで、十分が経ち、二十分が経ち、やがて三十分を越えても、二人は未だ堪え凌ぎ、快感を共有していた。
当然すっかり血の気は引き、動きも殆どない状況である。
内臓を零す二人は、腹部から広がる快感に、やがて、ついに、折れた。
二人は殆ど同時に、互いの手を取り合ったまま膝を砕いた。
――そこからがいよいよ、この世の極楽であった。
「「~~っ……♡、~~っ……♡♡、げぇっ……え……♡♡」」
強烈に首を締め上げられた瞬間の、二人の恍惚面がなにより色濃く快感を表現していた。
息が出来なくなるほどの締め上げは、二人の頭に致死量の快楽物質を噴出させた。
まるで、ホイップクリームのたっぷり詰まった絞り袋を思いっきり絞ったように、細く美しい首が命を保つことを許さない強さで絞られ快感が毒々しく噴き出す。
二人は最後まで密着し合い、乳肉を潰し合いながら抜群のプロポーションを痙攣させて色香を振りまく。肉感的な身体はこの上なく美しいフェロモン振り撒き器といえる様相で痙攣を続けるのだが、腹は切られ、首は締められて悶えているという現実が、より滑稽さを帯びたいやらしさを感じさせる。
美少女二人が、首を締められ恍惚のアヘ顔を晒す。
屠畜でしか味わえない快感が二人の快楽神経をたわしで磨くかのように激しく擦り上げていく。
二人は狂ったように秘部を弄り、潮とも小水ともつかぬ絶頂の証明をしきりに漏らした。
全身を絶え間なく絶頂が駆け巡り、それにただ浸っていく。痛烈な感覚でこそあるものの、今の朦朧としている彼女達にとってはただただ極楽でしかない。
首を吊ったチア部のエースが二人。
反射的に暴れるも虚しく紐に吊られて身体を遠心力に揺らしながら、キスをし合って蜜壷を掻き毟る。
それは最期の、二人のダンスに他ならない。
乳肉を上下左右にたぷつかせ、身体全体を振れに合わせて揺らす生命をかけたダンスだ。
皮下脂肪ごと内臓を露出したままの理性の一切ないダンスは、彼女達の悦びに溢れかえっている。
華麗な銀髪と豪奢な金髪は振り乱れ、二つの秘部が潮を吹く。
ヒクヒクとうごめく膣口から、黄金色の露があふれ出し、痙攣する美脚を伝って流れ落ちていった。
もう、二人に考えることはないもない。
ただただ本能のままに、接吻を続け、乳房を押し付け合い、獣のように求めあうしかなかった。
快感は、いつまでも湧きあがり続けた。
それこそ――二人が、糸の切れた人形のように動かなくなり、吊られて揺れるそのときまで。
* * *
――一時間後。
駆けつけた顧問教師が見たのは、変わり果てた二人の姿であった。
凜香と霧亜はすでに学園から卒業して、二人の肉畜生徒から、二つの淫乱死体に変わった。
まったく同じ死に顔。かつて気の強そうな4つの瞳は今、虚空を見つめて、恍惚に溶けた。
二つの極上な女体は首を吊るされて、腹部から内臓を零れさせて血溜まりの上で抱きあっている。
その表情は、酸欠と失血の恍惚によって何とも幸せそうだ。
(この死に方……凄い、きっと二人で身体を支え合って、普通よりずっと長く快感を味わっていたのね)
いつも理性派の顧問は合理的にそう考え、カメラを取り出し、遺体を撮影し始める。
カメラのフラッシュに焚かれる凜香と霧亜の姿は、まるで芸術品のように美しかった。
* * *
余談ではあるが、顧問教師によって二人は本物の芸術品となる。
剥製化された二人の姿は死ぬ時の光景がそのまま再現され、彼女達の開発した新たな屠畜方法を世に知らしめることになる。
百合カップルが互いを支え合うことで長く快感を味わえる、『百合心中首吊り切腹』――
凜香と霧亜にとっては皮肉にも、彼女達の剥製を見た者全員が、これは恋人同士の百合心中だ、と思っていた。
顧問の主導下に、この屠畜方法の効果を検証するために、学園内外問わず、98組の百合カップルは志願して身を捧げた。
首吊り切腹の亜種として知れ渡ったこの屠畜方法は、やがて顧問の論文により、正式な屠畜方法として大図書館本館から承認された。
ルルイチ学園に限らず、ルルモエ市にとっても大変な栄誉であった。
その祝いの祭典には、研究に献身した肉畜達の剥製と、凜香と霧亜の剥製、計99組の百合カップルの剥製が展示されることとなった。
さらに、祭典の現場に、顧問と恋人のチア部部長は大勢の観客の前に、この屠畜方法を実演し、100組目のカップルとなった。
その後、この100組の百合カップルの剥製は全部、ルルモエ市の肉畜展覧館に永久収蔵されたのだった。
ロリから熟女まで、色んな肉畜だが、200体の剥製の顔には、同じ表情が浮かんでいた。
このうえなく、淫らな表情だった――。
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