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最終話についての解説と関連作品、お借りしましたリンクです。

(キャプションの3000文字にとてもではないけど全部入らなかったためこちらに貼らせていただいております。全ての記事が完成次第本編作品からもここへのリンクを貼っておきます)


今回はコルヌゥ君以外のラストまでの解説です。

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【19P目】


書く側としてはここに領民の皆さんや交流を頂いたキャラクターさん全ての画像を貼っておきたかった気持ちもあるのですが、お話の流れとして「ハバカリという個人に影響や転機を与えるというエピソードのあった方」に絞った方が綺麗かなと思ってそういった方々をそっと再掲させていただきました

(ほんとはちゃんとあたらしく描きたかったんですけど体力なくて断念しましたすいません……)


ゼルフォルト卿解説2参照。


サナーレさん解説3参照。


ヨークトャル船団の頭目シグトルさんと獅子ねずみ族の黒獅子ジャルヴァルさん

海という世界に興味を抱かせたという点を含めて大部分は解説5の項目参照。

最終キャラシのキャプションにも記載していた通りハバカリは獅子ねずみさんと取引を行ったのと同じように戦後もシグトルさんやヨークトャル船団と同盟とはいかずともゆるい協力関係など取り付けようと画策したと思います。

またハバカリも交えた三勢力は全て「賊」という同じ存在でありながら

かたや冥界の魔物との勝負を経てその傘下に入りそのままの形を保ち続けることになったヨークトャル

かたやどこまでも賊として戦い続け最後は討伐されることになった獅子ねずみ

かたや賊であったことを隠蔽し表舞台に上がろうとした山賊騎士団とそれぞれに全く異なる選択を取っています。

おそらくテイル島での出会いはハバカリ一行に賊であった自分たちが今後どうしていくべきなのかと考えさせる機会にもなったのではないかな~と思います。(妄想です)



平らげるグリードさん:

kbryさん作の『行こう行こう火の島へ』において博物誌という概念と解説1で少し説明したように戦の勝敗によって記録というものは抹消されるものであるという事を提示してくださった件は、ハバカリにとって大きな出来事だったと思います。

自分自身の名がありとあらゆる形で残る事を願うハバカリならば博物誌のパトロンとして協力することでその作成に携わったという事実を後世に残そうとするのではないかなと思い最終キャラシのキャプションにてその旨を記載させていただきました。

こちら側からそういった内容の投稿を描くことができなかったのが大変悔やまれるエピソードだったのですが、偶然にも「後世に遺す」という方向でグリードさんと同盟関係を結ぶ事が出来たというのはとてもうれしくありました、kbryさん本当にありがとうございました!!


ミヤマさん:詳細はこの記事の最後にて。


■ユニコボルド族エリーさん:解説3参照。


ケイヴァンさん:解説6参照。


バーロック卿

OPテーマ曲『愛のFANTASY』をハバカリ一行に歌わせることで新しい可能性を見出してくれたバーロックP。

メタ的な方向性でもハバカリ一行はあの愛FANを契機としていろんな方に知っていただくことができ、またそこをとっかかりとして交流していただけることも多かったのでもうナガスさんに足を向けて寝られないなって感じでした…。拝むしか……。

またケイヴァンさんよりコルヌゥ君を託され、もう一度ハバカリのもとに送り届けていただいたバーロック卿という一連の流れがあった結果、私自身も期間中の〆の話となった『第11話:盗人卿と屑竜コルヌゥ』を作成することができました。(これ個人的には凄まじく助かったのですがその辺りは次回の解説で触れます)

ハバカリとバーロックさんが実際に顔を合わせる投稿自体は最後の一作だけでしたが、どうしても愛のFANTASYを歌わせてもらったという事実を正史として反映したかったので「知己である・Pである」というゴリ押しをしてしまいました。

ですがナガスさんにはそのことを喜んでいただけて、本当にありがたかったです。

そしてその縁が回りまわって八房さんのアフター漫画『ノースリムへ 第一話』で生かしていただいてるのを見てだいぶ感動してしまいました…。

ワイのキャラあの書籍がバンバン出てる探偵騎士バーロックと繋ぎが取れる仲なんやで!!!!!(交流お自慢ディアス)

ナガスさん、素敵な出会いと素晴らしい名曲をありがとうございました!!!


コルヌゥ君ちゃん:彼(彼女)については最終記事で解説します。



【20P~21P上段】


●ハバカリは学問や知識をミッカラに学び剣術をケイヴァンさんに学び指導者としてのいろはをベックスに学んだ結果現在の地位を手に入れた

●ハバカリは3歳くらいで母親や住んでいた村の住人のほぼすべてを「悪しき竜」に喰われて失い、その結果父親が狂い7歳からは竜と永遠に殺しあう運命を課せられ人としての人生を捨てさせられた。

●全ての原因を作ったのは人食いの「悪しき竜」だが、復讐のゴールである討伐対象「悪しき竜」を「全ての竜」に設定された呪いをかけられてしまった

●ミーミスは9歳にして戦争と親族の事情に巻き込まれ領地と領主一族という地位を失った。

更にハバカリの手で残った親族を皆殺しにされ人生を狂わされた。

●古の昔、力を欲しがりその欲にとらわれてしまった人間は竜になると言われていた。

また物語において「悪い竜」は倒されて終わる存在であった。(参照:矢木坂せとさん作『竜の話』


要点としてはこんな感じです。

これ以上は若干野暮な気がするのですが一応詳細な解説もしておきます。


■そもそもハバカリがミーミスを殺さなかったのはその言葉に一理あると思ったことに加えて、ミーミスが9歳という幼さで親類の事情に巻き込まれその運命を狂わせられてしまった部分にあります。


ハバカリは幼少期に竜に母親を喰われ、父親が狂い、その結果全ての竜を殺して喰いつづけるという永遠に終わらない業を押し付けられてしまいました。

ある日突然やってきた「悪しき竜」に幸せだった家庭は打ち壊され人生を狂われたのです。

ハバカリは狂ってしまった人生の埋め合わせを己の力で行うべく、ありとあらゆる手を使って人の世を駆け上がってきました。

その結果、最後の最後に自分自身が「悪しき竜」となり、ミーミスの人生を踏みつぶしてしまったことに気付きました。ちょうど幼いころの自分がそうされたのと同じように。



■そもそも「悪しき竜」とはなんぞや?というと、このフレーズや意味合いは矢木坂せとさんの作品『竜の話』から引用させていただいたものです。


「力を求めすぎた人はいつか悪い竜になるという」


ハバカリは自分の幸せを追い求めた結果、振り返ってみれば己の仇と同じ「悪しき竜」になってしまいました。それに対して何も思いを巡らせなかったわけではありません。

それでも『第10話盗人卿と新しい約束』でバランス領民に語り掛けたように

人は誰も皆幸せな人生を送ることを望むものである。たとえ他人の望みを踏みつけ奪い取ることになっても自分の望む幸せがあるのならその手で奪い掴み取るべきものだという考え方をしており自分の歩んできた道を間違いだったとは思うことはありませんでした。


そうした中でハバカリが最後に出した結論が

「己の罪を認めそれと正面から向き合うものの己の道は決して譲らず最後まで戦い続ける」というものでした。


己を仇と同じ「悪しき竜」と呼ぶことは自分が同じ罪人であると認める事を

「負けてやる気は少しもない」という言葉はそれでも道を譲らないという決意を

「逃げも隠れもせず待っている」という言葉は正面から向き合い戦う意思があるという事を

それぞれ表しています。


これはミーミス以外の全ての敵対者及びその関係者に対しても全く同じスタンスであり

ハバカリはこの先も選挙で追い落とされるか死ぬその日まで「悪しき竜」としてグラーツ領に君臨し、挑むものすべてと正面から戦い続けるという意思の表明でもあります。



■またその一方でミーミスに救いの手と選択肢を与えるという行為はハバカリ自身を救済する行為でもありました。

望む未来があればそれを選び取る為の知識を得る道を用意し

仇を望むのであれば討って終わりにすべきもの存在を明確に示す。

それはかつて未来を奪われ無間地獄に陥ってしまった幼少期の自分を救うのと同義なのです。


それが自己満足にすぎなくても、ミーミスと自分は違うと知っていてもそうせずにはいられなかった、

『第10話盗人卿と新しい約束』において暗い表情をするサナーレさんを戦後解き放とうと決めたように。

それが領主ハバカリ・スティールでも竜狩り布都羽々斬でもなく東の国からやってきた鍛冶師夫婦の子・布都刃斬(ふつのはぎり)という男のもつ本来の性格です。



解説2でもふれたように恐らく一章の時点でのハバカリであればこういった行動や言動をとることはなかったと思います。

この結末の全てが出会いと別れによってハバカリというキャラクターが変化していった結果によるもので、それこそが「出会いはいつでも人に新たな世界の扉を開く」という言葉の示すところであったように思います。




【22P上段】



■ハバカリが大公となったとしておりますが、これはウォーロンド家によって与えられた地位ではなくあくまで自称です。

本来なら独立したのだから王を名乗り「グラーツ王国」になる方がよっぽど自然なのですが、ハバカリはあえて大公を自称することを選びました。

それは「自分を王と呼ぶものは生涯騎士竜ミルカーラスただ一人だけでよい」という意思表示によるものです。


詳細をまとめて作品で描くことができず一部をキャプションや断片情報として出すことしかできなかったので物凄くわかりづらいのですが騎士竜ミルカーラスはハバカリに対し

「竜殺しの呪いの封じ方を教えた(=名鍛冶グレントンの元へ導いた)・読み書きや人間社会での生き方をはじめありとあらゆる知識を教えた・護衛・領地に人を集める・竜としての戦力」等々ありとあらゆる形で尽くしその覇道を支えてきました。

その一方ハバカリがミルカーラスに与えたものと言えばおぞましい呪いだけ。(解説6参照)


騎士竜にとっては自らが「王」と定めた人物に仕える事が至上の喜びであり、例え呪いで醜くなろうとも寿命が縮もうともそれは自分が立派に王に仕えたという誇り他ならないと知っている、

それでも何か一つだけでもいいからミルカーラスに与えてやりたいと考えた

その結果が選んだのが王ではなく大公となることでした。


なお大公なのになんで「グラーツ大公国じゃないの?」という件に関してですが

色々調べたら「公国」なのに大公が収めてる国とかもあるみたいで、どっちでもいいなら「公国」でいいやっていうくらいの軽い理由です。

そもそも10年ごとの選挙で大公の地位がポンポン変わるっていうのが通常ありえないのでハバカリも名前に関してはあまり頓着していないみたいなイメージです。



■公国で最初に制定された法である『10年毎に領地を治めるにふさわしい大公を国民が選出する』についてですが

そもそも戦時中ハバカリが貴族ゆかりの者でも何でもないということは誰もが知っていました。

ですがそんなハバカリが貴族として領主として振る舞う事が出来たのは他ならぬ領民が「前の領主や騎士団よりも山賊の方がまし」と判断し、それを望んだからです。

(参照:『第8話盗人卿と竜使い』

血や権力の恩恵にあずかる事が出来ず「この世は残酷で不平等だ」と考えてきたハバカリにとって

「どこの馬の骨であっても、民の支持得る事ができれば政治的地位や権力を手にすることができる」という経験は衝撃的であったはずです。

であれば自分の国を手に入れた時に

「血や爵位ではなく能力次第で誰もが国のトップを目指すことができる場所にする」

という願いを抱いてもおかしくないと考えグラーツ公国の支配体系をこのような形にしました。


しかしこれは誰もが権力を手にするというチャンスを得る一方で、ハバカリにとっては一度得た地位や権力を失う可能性が発生するリスクの高い選択でもあります。

ですが前項で述べた「己の道を譲ることなく正面から戦い続ける」という意思もあり、やはり生涯誰の挑戦でも受けるという制度を作るだろうなと考えました。

また同時に「領民の支持によって領主となり力を得た自分は、一度手にした地位に甘えることなく生涯その生き方を通し続けるべきである」と考えるだろうと思ったのも理由の一つです。


ハバカリが何期領主を務めたのか、その血筋を後世に残したかどうかは曖昧にしておこうと思いますが

ごく個人的にはハバカリの後に領主の地位を得たのはハバカリの子供ではないんじゃないかな~となんとなく思うのでした。



【22P下段~23P】

コルヌゥ君は別途最終記事で解説する為空事師ミヤマさんについて。

■ミヤマさんに最終章で果たしていただいた役割は

「ハバカリと山賊騎士団の事を本にしようとしたコルヌゥちゃんに当時の一行とバランス領・グラーツ領に関して書き留めた情報を資料として提供した」というものです。

コルヌゥちゃんは大戦時ファイアランド所属の兵士でありハバカリと正面から相対したのもレッドヴァルの戦いのみ、ミヤマさんの情報がなければ戦時中のバランス領の状況を詳しく知ることはできず「盗人卿と山賊騎士団」という物語を書き綴ることはできなかった...そういう意味で彼女は物語を完結させるために欠くことのできない人物でした。


■ミヤマさんというキャラクターは「自分の物語」を作るための取材として各地び面白い事象を書き留める旅をしているお方で(参照:『空事師ミヤマ』キャプション)

第二章において所属ギルド・白羽図書館イストワールの「平等に歴史を残す」という信条に基づき

敵国の将と会いその人となりをこの目で見定めるという意図と物事はあらゆる角度から見る方が面白いという考えからバランス領へと取材に来ていただいたという経緯があります(参照:『盗人卿と空事師』)

その後バランス領に興味を抱きその行く末を見届けようと決めたミヤマさんはエルダーグランの所属でありながら常に一行と寄り添い、最終章では守護を目的とした名もなき神獣「猫殿」を召喚し関係者の守護をして文字通り最後まで行く末を見守り続けてくださったという存在です。(参照・『名もなき神獣』)



■そんなミヤマさんの正体は、かつて高度な術に守られ常世を目指した亡国で父祖の罪によって幽閉され生涯を閉じた御山紫園という女性が空事で生み出した彼女の分身であるというものでした。

(参照:『御山紫園(みやま・しおん)の帖』&『ミヤマの呪い解説Q&A』)


御山一族は自らの術によって作り上げた歪な社会構造によって発生した呪詛によって最終的にことごとく死罪となり、まだ幼く術にかかわりのなかった末娘の御山紫園は死罪を免れる代わりに生涯幽閉されることとなりました。

過酷な幽閉生活の中で彼女は

「この状況を招いたのは一族の術から生まれた呪詛によるものである」

「術そのものが悪なのではないく本来『希望』であったものが使い方を誤った結果『呪い』となり『過ち』となってしまった」

「犯してもいない罪を課されるならば何かをなして過ちだったと断罪されたい」

「何が正しく何が過ちかを知る為にはこの世を知りこの世に触れなくてはわからない」

といった結論に達し空事にて分身を作成しました。これがミヤマさんです。



■ハバカリにとってミヤマさんがどういう人物かという事を期間中に書くことができなかったのでできればアフターでその辺りを描きたいと思っているのですが確実にやる自信がないので一旦ここに書きのこしておきます。(すいません…)


まず彼女が分身を作り続け術を使うための制約を破らない限りは不死の存在であること、その上で自分に興味を持ちそれを取材として帳面に残そうとしていることについて、さんざっぱら解説で述べてきた通り「自分の死後も世に自分の記録を残し続けるものがいる」と判断して、かなり歓迎しそれなりの待遇で迎え入れたと考えています。

それは戦争が終わりグラーツ領を得た後もきっと同じで、最終キャラシのキャプションで

「物書きを厚くもてなしその保護にあたったとされている。」

と書いた通り、各地を旅するミヤマさんがいつグラーツを訪れても彼女を歓迎しノーザリアにおける彼女の活動拠点となるよう部屋を用意するなど色々と便宜を図ったのではないかなと。


またマセさんは以前『御山紫園(みやま・しおん)の帖』のキャプションはハバカリに対して語り掛けているものだと仰っておりました。

ハバカリにとって彼女の話、特に「呪い」とは切なる「願い」が始まりとして生まれた事や

「自分の人生を自由と取るか不自由と取るか、自身を縛る帳面を「呪い」ととるか「願い」と取るかそしては全て自分の心ひとつである」と告げたことに大きく心を動かされたと設定しております。

戦争において竜殺しの呪いは解説2のルドヴィーグさんの項目や竜を食べたことによる身体や頭脳のブーストなどの面で圧倒的な力としてハバカリの覇道の支柱になっていました。

そんな中でハバカリに語られた「自分を縛る呪いは心ひとつで願いに転化する」というミヤマさんの示した言葉は

呪いの力を願いの為に振るう事でそれを肯定することができる」という考えをハバカリにもたらし

最終的に『第11話:盗人卿と屑竜コルヌゥ』において竜殺しという忌まわしい過去を望む未来を掴み取る為の力であるとして肯定する……という結果につながったのです。

ハバカリが最終的に自分の過去を肯定することができたのは、相対した強敵である屑竜コルヌゥ君の存在とハバカリの背中を確かに押したミヤマさんの言葉の二つであった……という風に私は設定しています。


そういった経緯もありハバカリは個人的に恐らくミヤマさんの事をとても信頼していたと思います。

ラストの

このコマも、ハバカリは彼女の帳面に残してほしい事そうでないことも含めてきっと生涯彼女とたくさんの話をしたんだろうなという思いで描写させていただきました。

本人に面と向かって言えない心情も彼女にはそっと託して、たとえ帳面に残らなくても自分が死んでも歴史の中に埋もれても、ミヤマさんという存在が生き続ける限りその記憶の中に生き続ける……

ミヤマさんとはハバカリにとってそういう存在だったと私は考えています。




■ミヤマさんの作者さんであるマセさんはサナーレさんと同じくエルダーグランの方でありながら最後までハバカリやバランス領を見守り続け沢山作品を描いてくださいました。

私が期間中まともに交流を返すこともできない状況でも、一度もそれを責める事もなく最後までバランス領をずっと見守りよりそい投稿を続けてくださいました。

こちらからは結局期間終了後の最終章の最後に「全てを見守り、それを記していてくれたのだ」という描写を入れる事くらいしかできなかったのですが、本当に期間中ずっと頼もしく嬉しい気持ちでいっぱいでした。

マセさん本当にお世話になりました&ありがとうございました!


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次回コルヌゥ君回で解説ようやく終了です。

長すぎィ!!!!!!

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