PFLS最終話解説その6 (Pixiv Fanbox)
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最終話についての解説と関連作品、お借りしましたリンクです。
(キャプションの3000文字にとてもではないけど全部入らなかったためこちらに貼らせていただいております。全ての記事が完成次第本編作品からもここへのリンクを貼っておきます)
今回は経済関連の云々とケイヴァンさんの遺品魔剣「ムルドサマク」とフロルさんについてです。
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【17P中段~18P上段】
コルヌゥ君をお借りしました。
コルヌゥ君に関してはちょっとまた別の記事で語るのでここでは割愛させていただくのですが
彼(彼女)は主に『文字をおしえて』というイベントを通じファイアランドはおろかラスト大陸各地に様々な縁を持っています。
本人にそのつもりはなくても見る人が見ればそれはよだれが出るほど欲しい伝手ではないかと思います。
ヌゥ君は悪意なく仲介を請われれば国家同士のどうこうとかはあんまり気にしないで普通に引き受けてくれるだろうなと思いまして……。
またジェルドとテイル島の名産品に関しては悩んでいたところテイル島の英雄ロズニエルさんの作者真砂さんにアドバイスを頂きました。
ちなみにキーバイが抱えているのはパナシー(だと本人は思い込んでいるが実際はファイアハーブ)です。
その後ろにいるのは第2話盗人卿とボールランの戦いでハバカリ一行の輸送を依頼をしたドラゴン空運さんです。(ギルドシートなどが現在消去されている為リンクなしで失礼いたします。)
多分あの後も色々付き合いがあって何かとお世話になっているのではないかな~と思います。
八房さん、真砂さん、弁柄丸さん、ドラゴン空運の発案者さん、ありがとうございました!!
【18P右下】
ハバカリが腰に差している剣は常夜の氷壁ケイヴァンさんの遺品、魔剣「ムルドサマク」です。
(遺品としてハバカリの届けられた経緯は『伝記抄録・終着起点/エピローグ』をご覧ください。)
このシーンはミーミスが「賑やかになったものだ」というセリフとあわせて領地に目に見えた変化が起きる程度の時間が経過しており、この時点でケイヴァンさんは死亡しているという事も指しています。
(ケイヴァンさんが春死亡なので多分秋か冬くらいかなあとぼんやり)
ハバカリがムルドサマクを携えるようになった一番の理由はキャプションでも説明した通り
竜殺しの呪いの発動を最低限に抑える為です。
呪われた刀である布都羽々斬は黒鋼の大剣の中に封じてもなお周囲の竜に竜殺しの呪いと浸食の影響を与え不快な叫び声をあげます。(参照:第10話盗人卿と晶殻の騎士)
ミッカラはハバカリに仕えるようになって以降戦闘中は常にその傍で戦い続け、呪いの影響で肉体能力が大幅に落ち魔術師としてしか活動できなくなって以降も
こんな感じで常に周囲に控えていたため、自分に向けたものでなくても竜殺しの呪いの余波を食らい続けていました。
山賊時代はいつ誰に寝首をかかれるかもわからず、領主となってからは戦功をあげる為常に戦場に立っていたためやはり片時も剣を手放すことはできなかったという事情があり
結果としてミッカラは黒鋼の大剣ごしとはいえ呪いの影響を常にびっしゃびしゃに浴び続け、余裕1000年を生きるファイヤーレインボーホワイトドラゴンが
(※しんせきの姿)
余命間もなくで御覧のありさまだよ!!
……という感じになってしまいました。
しかし大戦が終り、グラーツという大きな領地とたくさんの臣下を手に入れ、ようやくハバカリは黒鋼の大剣(布都羽々斬)を片時も手放せないような不安定な生活から脱却することができました。
そうなると竜の浸食を引き起こすこの剣を携帯することはメリットよりもデメリットの方が多くなる……
ミッカラ、ネレイダさんやコウメさんをはじめとしたサナーレさんの周りに集う竜、コルヌゥ君などなど自分にかかわりのある竜やその関係者に及ぼす害を最小限にとどめる為に布都羽々斬を黒鋼の大剣に封じた上でリバーシー城の地下に安置、代わりに黒鋼の大剣とは兄弟剣でもある魔剣「ムルドサマク」を携えるようになった……という感じです。
ムルドサマクの持ち主であるケイヴァンさんはゼラ皇帝に仕える騎士であり、10~7年程前に騎士となるため身分を隠し武者修行の旅を行っていたという経歴があり(参照:常夜の氷壁ケイヴァン)、二人はその修業時代に偶然出会いました。(参照:伝記抄録・鋼鉄工房(2))
その時期ハバカリ(ハバキリと名乗っていた)の年齢は19歳~21歳くらい、ちょうど竜殺しをやめて字をはじめさまざまな勉強をしながら人間社会の事をミッカラから学んでいる最中でした。
2人は偶然の出会いの後、西洋剣術と東洋剣術の技を互いに盗みあう修行仲間となったのですが(参照:第9話盗人卿と晶殻の騎士→剣術狂時代)、同時にケイヴァンさんというのはハバカリが物心ついた後にはじめてできた友達でした。
3歳ごろに村の子供全てを竜に喰い殺されその後竜殺しとなったため、ほとんどまともな対人経験をしてこなかったハバカリにとって最初の友達が
先帝直属の騎士であったデイゲン卿の養子となり正当な教育を受け(参照:常夜の氷壁ケイヴァン)
修行として諸国を旅をし、テイル島で遭遇した竜の惨劇を経て(参照:伝記抄録・悪竜退治(1))
そこから探偵騎士バーロックと行動を共にすることで再び立ち上がり(参照:伝記抄録・紅都活劇)
様々な経験をへて研鑽を積みつつある騎士であると同時に、のちに茶目っ気をたっぷり含んだ人物へと成長する「ケヴィン君」であった事は本当に幸運な出会いだったのではないかと思います。
その後ハバキリはハバカリと名を変え山賊として牙を研ぎ、領主の地位を奪い取った後は栄達を目指してひた走り続けることになったため『呪物の竜狩り・布都羽々斬』でも『コボルド山の山賊ハバカリ』でも『盗人卿ハバカリ・スティール』なく、ただの青年ハバキリであった束の間の剣術修業時代というのはあらゆる束縛や役割から解放された唯一自由な青年としての時間だったはずです。
戦後とはいえ長年命を預けてきた布都羽々斬と黒鋼の大剣を手放すのはハバカリにとって間違いなく不安だった。でも朋友であるケヴィン君の、皇帝ゼラ直属の騎士・常夜の氷壁ケイヴァンの振るったムルドサマクならば己の命を預ける剣として安心できると考え腰に携えるようになったのだろう……というイメージでした。
それから、ケイヴァンさんは以前ハバカリの後ろ暗い噂話に花を咲かせようと近づいてきた人間に対し
「私はイケメンで最強なので万一彼が謀反など起こしたら帝国騎士としてちゃんと潰すから心配するな」
とばっさり言って下さった事があります。(参照:ユキちゃんに指一本触れてみろそのほか)
前後のお話も併せて、あそこまで面と向かって啖呵を切ったとあればあの件はそれなりの噂となってハバカリの耳に届いていてもおかしくはなかったと思います。
そして多分それをきいてハバカリはだいぶ笑ったと思うんですよ「あいつならまあマジでやるだろうな」と。
けれどこの先、自分が民や連邦の支持を失うような醜態をさらすことがあっても自分を切り捨てに来てくれるイケメンで最強で脚が綺麗な友達はもうこの世にはいない。
でもイケメンで最強で脚が綺麗でカニ身のおいしい友達の剣が自分の腰にある限り、
それは「これあいつが殺しに来る奴ちゃうか?」と己の行動をみつめる鏡となるのではないかな という思いがそこにはあるんじゃないかと思いました。
大変私事ですがケイヴァンさんの作者であるギ県さんはペ〇ソ〇2時代からのファンで一方的に存じ上げておりまして、今回企画でご一緒に遊ばせていただくことができて本当にフワッフワの夢心地な気分でした……。ず、ずっと好きでした……!!!!!!!!(突然の告白)
ケイヴァンさんとの素敵なご縁を頂き、また朋友として遺品の剣を託していただいたギ県さんほんとうにありがとうございました!
【18P左下2コマ】
書きおろしではないので借りたというのはちょっと語弊があるのですが解説が必要なので……
こちらは歪斗さんの小説『バランス領へと至る三つの道筋』にてバランス領にやってきたフロルさんです。(デザインは私が第10話にて歪斗さんの許可を頂いてやらせていただきました)
ハバカリ自身は恐らくフロルさんの事は全く知らないと思いますが(※領地獲得までの間に接触があったと歪斗さんがおっしゃれば知ってることになります)
このコマはメタ的な意味でハバカリがバランス領の騎士虐殺という罪を抱えており、その証拠にフロルさんという仇をバランス領に迎え入れている……という意味を指しています。
(そして誰が自分にとっての仇であるかと理解していなくても自分が山程罪を抱えている事を自覚しているという意味でもあります)
広く領民や協力者の募集を行った場合に自分を愛してくれる有能な人材だけが集まるなどという事は絶対になく、利用しようとするものや害を与えようとするものなどそこには様々な種類の人々が集まって当然です。
ハバカリがどれだけ善行(に見えること)を行い、ノーザリア貴族として功績重ねようともハバカリが虐殺や略奪を行ったことは事実であり
布都羽々斬や山賊時代まで遡れば罪なく殺された竜たちや強盗や略奪を働いた一般人などその犠牲者の量は数えきれない量になります。
当然その親族や関係者たちがハバカリを恨まないはずはありません。
フロルさんはバランス領で唯一そういったハバカリの罪の側面をまっすぐに見つめていただいたキャラクターだったと思います。
本編中彼女と相対するシーンはついぞ描くことができずそれは心残りの一つではありましたが、フロルさんをバランス領に生み出してくださった歪斗さん本当にありがとうございました!
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次回は多分5/24・無理だったら6/1頃になると思います。
後二回くらいで終われると思う(多分)