somuniaの外界探訪記｜第4話「もう一つのお部屋」 (Pixiv Fanbox)

前回までのお話

第三話：https://www.fanbox.cc/@somunia/posts/1013826

夜が明けた頃、ワタシは途方に暮れていました。

お家の方角が全く分からず、迷子になっていたのです。

大切な鉄を持って帰るため、もう少しで完成するお家のため、なんとしても帰らねばなりません。とりあえず、赤いキノコがたくさん生えている地域を探して、歩き始めました。幸いにもまだパンが残っているので、食事には当分困らなそうです。

ワタシの焦りなどつゆ知らず、太陽はどんどん空の裏側へと消えていきます。

遠くまで見渡すため、高い木の上に登ってみると なんとキノコが見えました。もしかすると、ここはお家からさほど離れていないのかもしれません。

予想は的中。翌朝しばらく歩くと見覚えのある風景が広がり、無事帰宅することができました。安堵する暇もなく、到着するや否やすぐにお家作りを再開。朝を待っている間にお家のことを考えていたら、一刻も早く完成させたくなってしまい、うずうずしていたのです。

作っては壊し、試行錯誤を繰り返していくさまは、自分が普段している創作と似ています。頭の中にあるものを実際に形にするのは、なかなか難しいこと。でも、とても楽しいことですね。

翌日、ついに完成しました。

somuniaのお家です。

普段いつも同じお部屋で過ごしているワタシにとって、このお家は、「もう一つのお部屋」 大げさに聞こえるかもしれませんが、ワタシにとってそれは、とても嬉しいことなのです。

裏側はこんな感じです。

風通しの良さそうな扉をつけました。

続いて側面です。

二階の窓からはとても綺麗な夕焼けをみることができるので、いつか大きなベランダを作りたいとおもっています。もう少し改良したいです。

お部屋はまだ手付かずのため、これから少しづつ作っていきたいと思います。

夢の二階建て、叶いました。

皆さんやお友達に遊びに来て欲しいな、と思いながら写真を撮影していたその時、ワタシは大きな音と衝撃に巻き込まれました。

何ですか...これは...。

というか、クマさんがいません。

どこを探してもいません。

しばらく考えた結果、緑の生命体が原因ではないかと仮定しました。

緑の生命体は、たまに爆発するようで、その爆発に巻き込まれた結果ワタシは吹っ飛び、クマさんは消失、そして地面がえぐられた、と。

ワタシが目を離していたせいで、こんなことに。

緑の生命体さんはなぜそんなことを...。

少し悲しくなってしまったので、出来立てのお家で荷物の整理を始めました。

もしかしたら、緑の生命体さんと共に生きる世界の実現は、険しい道のりかもしれません。一方的に攻撃される可能性がある以上は、防具を揃えておきたいところ。とりあえず足元だけ装備を作りました。

悲しい気持ちが和らいだのは夜になってからでした。

鉄を採取した日のことを思い出したら、道に迷うとか 帰り道を歩くとか そういった経験をしたことに対して、ワタシはすごく心が踊っていました。お部屋の中じゃ、迷いようがありませんから。

ワタシは取り憑かれたかのように身支度を始めました。あんなに焦ったのに、結構大変な思いをしたのに。すっかり、外の世界の虜になってしまったようです。

翌朝、もう少し遠くまで、出かけることにしました。

続く