リミテッド3Dアニメーション (Pixiv Fanbox)
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このシーンを作成したときの工夫や考えたことを解説します。(現役でアニメ制作をしているわけじゃないので、あくまで個人的な意見になります)
リミテッドアニメーション
今回は日本アニメのようなリミテッドアニメを意識して3Dで作成してみました。2コマ打ちのアニメーションで制作しています。
簡単にコマ打ちを説明すると、1フレームごとに絵が変わることを1コマ打ち、2フレームごとに絵が変わることを2コマ打ちと言います。
2フレームごとに絵が切り替わります
広角レンズとパースの歪み
今回のアニメーションでは奥から手前に来る勢いを出すために広角レンズで撮影をしています。
ここで問題になるのが広角レンズで撮影するとパースが強くなるので顔の印象が変わって見える場合があります。
カメラの画角による見え方の違い
望遠と広角で顔の印象が違って見えると思います。アニメ調の表現をする場合、キャラクターの印象を壊しすぎないように見え方を工夫する必要があります。
顔をカメラに近づけた場合、広角レンズだと頭が大きく見えるので顔の印象が少し少し変わったようにも見えてしまいます。なので顔のパースをなくすようにスケールで調整します。
顔にスケールを入れて調整することでパースが弱く見えるように出来ます。
体のバランスに合わせて顔を縮小してサイズを調整しました。これによって顔だけ望遠レンズで撮影したような印象になり、顔が飛び出した印象を減らすことが出来ます。
カメラに合わせたシルエットの調整
奥から手前に向かってくる勢いを出すためにシルエットも調整します
線を引いてみると各パーツの流れがバラバラなのが分かります。なので方向が合うように各パーツを調整します。
体の流れが切れないように足を縮小する
奥行きを出すために奥の方に向かって小さく見えるように手を縮小する。
調整前より飛び出してくる勢いが出たと思います。横から見るとおかしい形ですがカメラから見た時に良い絵になるように調整しています。このようにカメラから見た時の絵が一番よくなるようにすることが大事です。他のところでも同じように細かく調整しています。
両足の膝の位置が同じに見えるように調整
顔の比率に対して胸が小さく感じたのでサイズの調整と、足の奥行きが出るように手前と奥でサイズを調整
一瞬のアクションだと分かりずらいですが調整したほうがバランスの良い絵になっていると思います。個人的には全部の絵を細かく調整すると大変なので、印象に残る絵だけしっかり調整すると良いと思います。このカットだと最後のアップで走っているところですね。
おまけ
髪の毛のアニメーションを付ける時に気を付けたのが髪のなびき方です動きの流れです。
少し雑ではありますが根元から毛先に向かって流れていくような動きを意識して付けました。S字の動きでなびいているようなイメージです。
1フレームごとで良い絵になっていたとしても動きのつながりで違和感があるとおかしく見えてしまうので、アニメーションは前後の動きも意識して付けることが大事になります。アニメーションは動いたときに気持ち良い表現になっていることが非常に重要です。