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はじめに

僕は90年代などのアニメ映像の雰囲気が好きです。

そこで今回はその頃のアニメ映像の雰囲気を再現してみたいと思います。


現代のアニメと90年代のアニメで何が違うかと考えた時に思いついたのが撮影工程の違いです。

現代のアニメはすべてパソコン上で行われる撮影処理(デジタル処理)なのですが、元々アニメは撮影台と呼ばれるところで実際にカメラを使ってセル画を1枚1枚を撮影(アナログ処理)していた。つまりフィルムで撮影されていたと言うことです。

ここでデジタルとフィルムでの表現の違いが生まれてきます。

デジタルとフィルムの違いについて

デジタルは直接パソコン上で使用するので色の変化はないのですが、フィルム撮影の場合はカメラを使って物理的にフィルムに焼きこむので、その際にフィルムの影響が出てきます。色が変化します

フィルムの特徴

・色のレンジが狭い(白は少し暗く、黒は少し明るくなる)

・コントラストが強い

・鮮やかすぎる色は彩度が低くなる

・ハイライトやシャドウに色が付く

・画面の面積の多い被写体のカラーが全体カラーに影響する

・少しディティールがつぶれる

・粒子の粒がある


これらの特性をデジタル上で疑似的に再現していきます。

ポストエフェクトを使って調整をする

今回はUnityを使って表現をするためにPostProcessを使って作成します。

使う機能としては

・ColorGrading

・Overlay (KejiroさんのPostProcessを使用します)

・Grain


1. Color Grading

>色のレンジが狭い(白は少し暗く、黒は少し明るくなる)

>コントラストが強い

この2点を再現するためにGradingCurvesを使用します。

GradingCurvesを使って色のレンジを狭く調整します。明るいところは少し暗く、暗いところは少し明るくします。カーブをS字にすることでコントラストを高めます。

色のレンジが狭くなることで全体的に少し柔らかい印象になりました。


次に、

>鮮やかすぎる色は彩度が低くなる

こちらを再現するためにSaturationを調整します。

Saturationは全体的に彩度を変更することが出来ます。Sat Vs Satは彩度に対して彩度を調整することが出来ます。彩度の強いところ(右側のグラフ)を下げて彩度が弱いところは変わらないようにS字のカーブを作りました。

赤や青など彩度が強すぎる色が変わったことがわかると思います。


次に、

>ハイライトやシャドウに色が付く

こちらを再現するためにRGBのCurvesを調整します。

ハイライトには少し赤色が入るようにして、シャドウには少し青色が入るようにしました。


2. Grain

>粒子の粒がある

これを再現するためにGrainを使用します。

画面が汚く見えないように少しだけ粒子の粒を加えます。


3.Overlay

>画面の面積の多い被写体のカラーが全体カラーに影響する

>少しディティールがつぶれる

この2点を再現するためにOverlayを使用します。

SourceをTextureモードに変更して画像を使用します。

↑Textureに使用する画像です。

背景に少し青みを足して、さらにぼやかした画像を用意します。(MainCameraとは別にRenderTexture用のカメラを用意して、そのRenderTextureを素材として使用します)

これをOverlayとして重ねると下記のような見た目になります。

少し周りの色を取り込んだような柔らかい雰囲気になります。

結果

↓色んなシーンでも汎用的に使えます。


ちょっとした違いなのですが映像の厚みが生まれた気がします。

前から何度もチャレンジしていたことなのですが、今回は満足いく結果になり嬉しいですました!

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