Home Artists Posts Import Register

Content

「猛!隣町で牛の怪人が暴れてるよ!初任務だ!」 「なんだって!?よーし、すぐに向かうぞ!!」 俺の名前は牛島猛(うしじまたけし)だった。 名前まんまで恥ずかしいんだが田舎の牧場育ち。 子供の頃からヒーロー、戦隊ものに憧れて 実家のビデオデッキでテープが擦り切れるまで何度も何度も見返すぐらいのオタクだった。 そんな情熱も大人になった今でも冷めず、テレビの戦隊ものに出たいが為に 上京し、スタントマン見習いになった。 そんな中実際この半年の間にテレビで見ていたような怪人が現れ始めたのだ。 しかしいくら住民が危険な目にあおうとも、町が破壊されようにも テレビショーのようにヒーローは未だに一人も現れていなかったのだ。 うちに占める正義感が故、生身で一度立ち向かったが 3mを超える怪人相手に成すすべなく、気が付いたら全身包帯まみれで病院のベットの上で横たわっていた。 医者にはこっぴどく叱られたが俺の正義の炎はいまだ燃え続けていた。 そんな中退院した翌日、俺はとある牛を擬人化したようなぬいぐるみサイズの喋る妖精のカウラと出会い 俺をヒーローにしてやると言ってきたのだ。 正直その展開は魔法少女のノリではないか?とか思ったが ヒーローに憧れていた俺は2つ返事でOKし、やけに重いベルトを渡された。 それが運のツキだった。 「目的地までもう少しだよ、猛!」 「しかし牛の怪人か…」 「牛がどうしたの?」 「いやお前にも話したが俺、牧場育ちだからつくづく牛に縁があるなって…  お前も牛みたいな姿だし、初仕事が牛の怪人なんて」 「じゃあ得意な相手だね!」 「…実は牛は苦手なんだ、子供の頃嫌々仕事手伝わされたし、毎食牛乳を出されて…  で好きなヒーロー番組である日雌牛の怪人が出たんだ。そいつがおばさんみたいな気色悪いデブ牛で  自分が腹から出したミルクで住民を次々戦闘員に変えていったんだ、それを見てから普段飲んでる牛乳で  怪人にされるんじゃないかって…それ以来トラウマで牛乳が飲めなくなって…」 「それから親ともドンドン仲悪くなって…実家を継がず家飛び出して…てお前笑ってるのか?」 「…わ、笑ってないよ!辛い過去だったね!でも今はヒーローだ!そんな牛やっつけちゃえ!!」 「そうだな!カウラ!怪人はどこだ!」 「今は隠れているみたい!今のうちに変身だ!」 「え?対峙してからの方が様にならないか?」 「そんな悠長なこと言ってられないよ!テレビとは違うんだ!」 「お、おう。そうだな。でどうやって変身するんだ?」 「ベルトに向かってこう言えばいいんだ!・・・」 「・・・え!?嘘だろ?」 「早く!」 「わ、分かった!・・・ごほん」 「ミルキーチェンジ!!ビンボカウガール!!ってやっぱこれ男のじゃ…ってなんだ‼」 ここで俺はその言葉を言わず疑問に思うべきだった。 ベルトが光りだすまでは予想がついたが 尻が急激に膨らんだと思ったら あれよあれよという間に身体中が醜く変形し そしてあたしの身体は光に包まれて 漫画に出てくるような牛のおばさんになっちゃったの… 「モッ…モウ‼⁉どどどどうなってっるのおおおん‼?」 「ぎゃあははははは‼すっかり騙されてやんのこの田舎もん!」 「カ、カウラちゃあん?え?なんなの?この姿⁉この喋り方あ!?」 「鏡見る?鏡見る?すっごいブスだよwwwぎゃははははw」 「こ…これは!子供頃テレビで見た牛怪人じゃないのおおおおん!!?」 「この町に怪人は現れたよ!今からお前が怪人で暴れるんだよ‼その溢れる乳をバラまいて住民を仲間にしていくんだ!!」 「そ!そんなことできないわよおお!!元に戻してちょうだい!!」 「なんで今までヒーローが現れなかったと思う?正義心の強い人間を片っ端からヒーローに目覚める前に  怪人にしていったんだよ!!怪人に挑んだ時からおばさんはマークされてたんだぜ!?」 「おばさんじゃないわよ!私の名前はビンボミルキーン!!…え!?なんなの!?」 「お前はビンボミルキーン!体長320cm体重1232kg、肉体年齢48歳、得意技はミルクバズーカだ!」 「早くミルクをぶちまけろ!ビンボミルキーン!住民をお前の姉妹にしてやれ!」 「だれが!…はい♥カウラ様♥うーん乳首が気持ちいい♥(あれ?どうなってるのん!?)」 あたしは今後自分の考えで言葉を紡ぐこともできず、身体は勝手に動きミルクを出し続けたの。 そのミルクのせいでこの町一帯はあたしがいた牧場よりもはるかに多い雌牛怪人たちで溢れかえっちゃった。 カウラと名乗ったこの妖精もどきは 悪の組織にやられた時既にあたしは改造されていて あたしの心が作った思念体だったらしいの… で都合よく体も心も操られ、あたしの怪人体が固まった時 あたしは想像した姿に変身しちゃったの… ヒーローと違って雌牛の姿が通常体…人間体なんてありやしない… でももう一段階変身できて巨大ロボットにも対抗できる巨大牛怪人に変身できるの…50㍍級の… 死んでしまいたい…でもそれも許されない…それが怪人の運命。 アジトに帰ったあたし達はすぐにオス怪人とまぐわいの道具にされた。 あたしでヒーロー怪人化計画は最後 こんなことになるならあたしは実家を出るべきではなかったわ だって悪に加担し、地球を征服することになっちゃったんですもの…ぐすん。

Files

Comments

No comments found for this post.