【サンプル】『リーマンのリアルな匂い』【男の靴下、素足、臭い、足コキ】 (Pixiv Fanbox)
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「まじか…」
仕事のタバコ休憩中、スマホに映ったクレジットカードの明細を見てゾっとした。
「なんでこんな額に…」
身に覚えは…あった。
先月は好きなブランドで新作のジャケットが出て、思い切って買ってしまったのだ。
その他にも過去に買った靴やスーツの分割の支払いも終わっておらず、合わせるとかなりの金額になっていた。
自分で言うのもあれだが、それなりに良い企業に勤めているお陰で給料は悪くないが、それでも今月の支払いはキツい。
妻には絶対バレる訳にはいかない…
来年娘を私立の幼稚園に入れる予定なのだが、その高額な入学金のための貯金にも少し手を付けてしまったことがあったのだ。
それがバレて離婚寸前までいったことを考えると、このクレジットの請求を見たら今度こそどうなるか分からない。
なんとか金を作ってこの支払をどうにかしないと。
「あぁくっそ、苛々する…」
こうゆう時は買い物をするのが一番良いんだが、この状況でできるはずもなく…
仕方なく俺は、もう一つの方法で発散することにした。
スマホを仕事用の端末へ変え、発信履歴からあいつの名前を探して掛ける。
『trrrr…はい、F社の佐藤です』
電話に出たのは、取引先の会社の社員である佐藤。
俺と同じ20代半ば程の年齢だが、本当に冴えない男だった。
安物のスーツに気を使ってないボサボサの髪型、別に不潔な訳でもだらしがない訳でもないのだが、どうもパっとしない男なのだ。
「あ、佐藤さん?この前貰った資料さ、全然要点まとまってなかったけど、あれ作ったのって佐藤さん?」
「え、えぇ。そうですが…」
「あのままじゃ使い物にならないから、悪いんだけど今度の打ち合わせの時に別なの用意しといてくれる?」
取引先と言っても、あっちは下請けで俺らの会社から仕事を貰っている立場の人間。
圧倒的に俺の方が立場は上だ。
「そ、そんな…」
電話越しに焦ったような声で言う佐藤。
それもそのはず。
打ち合わせは明日なんだから。
「あぁ、無理なら良いよ?打ち合わせはなくなったって部長には言っとくから」
「ま、待ってください!!作ります。作りますからどうかそれは…」
更に焦ったように言う佐藤の声に、俺は自然と口角が上がっていた。
折角部長と取り付けたアポを絶対に失いたくない佐藤が、断ることができないだろうことを分かっていながら俺は言ったのだ。
しかも、前に貰った資料は佐藤が作ったにしては良くできていたと言うのに。
あぁ…良い…
弱い奴を苛めるのは最高に気分が上がった。
だから俺は何か苛々することがある度に佐藤に電話し、仕事を依頼して楽しんでいる。
この前の打ち合わせの時も、俺は佐藤に無茶振りをしたばかりだった。
「あ、あの…資料のどの辺が問題だったでしょうか」
「え?それを考えるのがそっちの仕事だと思うけど」
「……はい…」
「俺も忙しい中資料確認したんだから、もうちょっとまともなの作れるようになってくれないと困るよ」
「はい…申し訳ないです」
「まったく、じゃあよろしくな」
そう言い捨てて俺は電話を切り、持っていたタバコを一吸いする。
「ふぅ~…」
苛々していた感情がほんの少し和らいだのを感じる。
さて、どうするか。
気分はすっきりしたが、実際問題金はなんとかしなくちゃならない。
宝くじでも当たってくれりゃ話は早いんだが、そもそも買ってすらいない。
競馬…パチンコ…
頭に浮かぶのは賭け事ばかりだった。
何か副業でもやってりゃ良かったんだが…
「あ、そうだ…」
ふと以前道端で声を掛けられ、渡された名刺のことを思い出した。
自身の容姿を活かして短い時間で高額収入。
時給2万円~
突然話かけられ、あまりに怪しすぎる声掛けに無視していたのだが、あまりにもしつこくて名刺だけ貰っていたのだ。
今の今まで忘れていた。
スマホケースに適当に入れていたその名刺を取り出してみる。
「フィートマニア…ん?足?」
ホストかと思っていたが、店の名前的には違う気もする。
正直こんなものに縋るのもどうかとは思うが、今はそんなことも言っていられない状況だ。
一旦話を聞いてみて、怪しければ断ればいい。
取り敢えず仕事が終わったら電話してみるか…
そんなことを考えながら、吸っていたタバコの火を消した。
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「はい…申し訳ないです」
「まったく、じゃあよろしくな」
・
・
・
クソがぁああああっ!!!
電話の相手は取引先のクソ野郎からだった。
只でさえ仕事が溜まっていると言うのに、余計な仕事を次から次へと振ってくる。
あの資料で要点がまとまってないって…お前の理解力が無いだけだろうが!!
どんなに不満があったとしても、下請けの立場の俺としては強く行くことができないのが悔しかった。
「あ~あ、見た目だけは良いんだけどなぁ…」
東雲大輝
見た目だけなら短髪黒髪の爽やかなイケメンで、高身長な上に手足が長く、いつも高そうなスーツを完璧に着こなしていた。
革靴も俺の履いているような安物のフェイクレザーなんかではなく、光沢のある本革の黒い革靴を履いており、そこから延びる黒ソックスの足がなんとも言えないエロさがあった。
近くに寄ると程よく香水の良い香りがし、Sっ気を感じる顔付きも相まって本当に俺の好みど真ん中だった。
但し黙っていればだが。
プレイでSなのは歓迎だが、仕事上でそれを発揮してくるのは勘弁してほしい。
まぁその気になれば担当を外れることもできるのだが、抜群に好みな東雲と会う理由が無くなるのが嫌で外れない俺も悪いのだが。
「はぁ…やってらんねぇ…」
会社のPCに向かってボソリと呟き、仕方なく言われた資料を作り直すことにした。
大丈夫。頑張れる。来週の金曜には楽しみが待ってる。
そう言い聞かせながらなんとか手を動かし始めた。
『フィートマニア』
足フェチ専門のゲイ向け風俗の名前だ。
フェチ界隈には有名な店で、普通の店よりも高額な料金設定なのに予約は一瞬で埋まってしまうためなかなか取れないのだが、予約枠が公開される日にスマホに張り付いてなんとか予約が取れたのだ。
なんでもこの店はリアルさに重きを置いているらしく、在籍しているスタッフ達は皆本物らしい。
詳しくは記載されてはいないがレビューもかなり高評価で、足フェチとしては一度は行ってみたかった店だった。
俺が予約をしたのは『リーマンコース』。
普段からスーツの男達は見慣れているものの、足を堪能できる機会などあるはずもなく、手の届きそうな場所にあるだけに余計にもどかしく感じていた。
『スポーツ選手コース』と一瞬迷ったが、ここは是非とも本物のリーマンを思う存分感じたいと、『リーマンコース』に決めたのだ。
そのコースが待っていると思えば、こんな資料の一つや二つなんてことない。
「よし」
自分に気合を入れるように言い、PC画面に集中することにした。
金曜日
ようやくこの日が来た。
待ちに待った『フィートマニア』の予約の日だ。
今日の日中はほんとに散々だった。
急遽打ち決めなくてはいけない案件が入り、東雲と1対1での打ち合わせをしたのだ。
相変わらず俺と二人きりの時の東雲はいつもより態度がでかく、打ち合わせの最中に何度謝罪させられたか分からない。
俺のした提案はことごとく否定され、自分勝手なことばかり要求してきて本当に大変だった。
足を組んで革靴の足先をブラブラと揺らしながら、俺が戸惑えば戸惑う程楽しそうに笑みをこぼす姿はちょっとゾクゾクしたが、それでも流石にしんどかった。
だけどそんな鬱憤もプレイのスパイスにして、『フィートマニア』では思い切り楽しめば良い。
そう言い聞かせながらなんとか耐えたのだった。
そして予約の時間。
『リーマンコース』は予約の時間が19時以降と少し遅めだ。
仕事終わりのリーマンが来るのならその時間になるのも頷ける。
相手は選ぶことができないためどんな奴が来るのか少し不安ではあるが、あのレビューを見る限りだと変な奴は来ないだろう。
「よし、行くか」
店の前に立った俺は、そう言って目の前の扉を開いた。
「いらっしゃいませ」
扉の先は地下に続く階段になっており、再びドアがあった。
またそのドアを開けると、薄暗い部屋に受付があり男が迎えてくれた。
「えっと、予約してたんですけど…」
「かしこまりました。お名前をお願いします」
「あ、佐藤です」
名前を伝えると、男は手に持ったタブレットの操作を始める。
「確認が取れました。本日はリーマンコースでお間違いないですか?」
「えぇ」
「料金のお支払いは事後となっております。既に相手は出勤しておりますので、先にお部屋でお待ちください。すぐに向かわせます」
受付の男はそう言って俺に部屋までのルートを説明し、鍵を渡してきた。
「は、はい」
緊張しながらも返事をし、俺は言われた通り部屋まで向かう。
受付の男から渡された鍵と同じ番号が書かれた部屋の前まで来ると、一気に鼓動が早くなり始めた。
ここで本物を味わうことができる…
緊張と興奮が入り混じる中、俺はドアに鍵を差し込んで開けるとドアノブを掴んで回した。
そこに広がっていたのは…
「おぉ…」
思わず声が漏れてしまう。
目の前に広がっていたのは、間違いなくどこかの会社のオフィスだった。
小さな会社ではあるものの、普通の風俗に比べると部屋はかなり広く、窓の外にはビルの立ち並ぶ風景が映っているせいで余計にリアルに感じた。
部屋の中に人はいないようで、俺はゆっくりと中へと入る。
デスクが並ぶ上にはPCや書類が置かれており、マグカップやおかしまであって本当にリアルだ。
「すごいな」
会社風の部屋とは聞いていたが、想像の遥か上を行くクオリティだった。
折角ならと奥まで行き、この部屋で一番偉い人が座るであろう席へと座る。
俺の会社だと部長の座る席だ。
「おぉ、良い眺めだな」
部屋の奥中央から見るオフィスは、それぞれのデスクの様子が見れてなんだか気分が良かった。
こんなにリアルな場所で、本物のリーマンとプレイできる。
想像しただけで股間が熱くなってきていた。
『コンコンッ』
部屋をノックする音が聞こえ、そのあとドアがゆっくりと開く。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
そう言って入ってきて頭を下げるスーツ姿の男。
「えっ…」
その男を見て驚愕した。
普段俺へするのとは違って爽やかな挨拶だったが、見間違えるはずがない。
「東雲さん…」
「えっ…」
そう言って下げた頭を上げて俺を見る男。
その顔は、今日も打ち合わせで散々俺を苛めてきた東雲本人のだった。
「えっ、はっ、えっ」
俺を見て驚いたように目を見開き、見るからにテンパっている東雲。
「な、なんで…えっ」
それは俺も同じだった。
場所も相まってここは本当に会社で、まだ仕事中かと一瞬錯覚するが、周りを見渡してここが見覚えのないオフィスであることを再認識し否定する。
まさか…
「きょ、今日の相手って…」
「嘘だろ…なんでここに佐藤が来んだよ…」
東雲さんのその言葉で確信した。
東雲さんは『フィートマニア』のスタッフであり、俺とプレイするためにこの部屋に来たのだと。
「なんでここで働いてるんですか…?」
そう確信して出てきた言葉がそれだった。
「っ!!!うるせぇな!!お前に関係ねぇだろ!!あぁ…まじで最悪だ…」
確か東雲は既婚で子供もいたはず。
ここで働くのには訳があるに決まっているのに、それを聞くのは野暮だったか。
「すみません…」
「あぁ…絶対にバレねぇって話だったのに…クソっ」
まぁ普通はこんなとこで働いていても、足フェチに特化した店なんて来る客も限られてくるしバレる可能性は少ないだろう。
「お前ゲイだったのかよ…しかも足フェチとか変態過ぎんだろ…」
そう言ってリアルに引いた顔をされ、流石に俺も状況への驚きよりも怒りが勝った。
この日を俺はどんなに楽しみにして来たと思ってるのか。
東雲に嫌がらせをされながらも耐え、ようやく今日と思ったらここでも東雲に暴言を吐かれ、流石に頭にきたのだ。
「そんな変態の相手をするって自分で決めて東雲さんはここにいるんじゃないんですか。どんな事情か知りませんけど、奥さんや子供がいるのに何やってんですか。それにここでは俺が客なんですよ」
「なっ!!」
俺に初めて言い返されて面食らっている東雲に続ける。
「もう良いです。今日はキャンセルします。それと店には正式にクレームを入れさせて貰いますから」
「!!!!」
そう言って俺は部屋から出ようと歩き出す。
「ちょ、ちょっと待て!!」
部屋のドアへ手を伸ばそうとした瞬間、東雲にその手を掴まれてしまった。
「キャンセルは勘弁してくれって!!しかもクレームって、俺がクビになんだろ!!」
「そんなこと知ったこっちゃないですよ」
「なぁ悪かったよ。ちと言い過ぎたって」
「……」
普段の東雲からは絶対に聞けない謝罪の言葉。
あまりに珍しかったため思わず動きを止めてしまった。
「頼むって。キャンセルはしねぇで、このまま何もしないで時間までここで過ごせよ」
「は?」
「だってお前だって俺の足なんか嫌だろ?お茶入れてやっから、ここで過ごしていけって」
つまり、何もできないのにただここにいて、時間になったら高額な金だけ払って出て行けと。
あまりの自分勝手な言い分に流石に呆れた。
そして同時に良いことを考え付いた。
どうやらキャンセルされるのは東雲にとってあまり良くない状況な上に、クレームを入れると言う脅しは効果があるようだ。
なら、普段から調子に乗っているこいつで楽しむのも悪くない。
「東雲さん、分かりました。ここで過ごします」
俺は東雲に向き直って言った。
「ま、まじで!?」
目に見えて嬉しそうな顔をする東雲。
思ったより顔が近くてその好みの顔にドキっとしてしまい、つい目を反らしてしまった。
こんなことじゃダメだ。
自分に言い聞かせながら再び東雲の方を見ると、俺はなるべく余裕があるように見えるよう薄く笑った。
「えぇ、ほんとですよ。但し、東雲さんをたっぷり堪能させて貰いますけどね」
「……は!?」
俺の言葉が一瞬理解できなかったのか、東雲はきょとんとした後すぐに驚きの声を上げる。
「当然でしょ。俺はここに楽しみに来たんですから」
「け、けど俺の足なんて嫌だろ?」
「全然嫌じゃないですよ。東雲さんのことは好きじゃないですけど、見た目だけならめちゃくちゃ好みです」
「うぇ…」
本気で嫌そうな顔をされ少し傷ついたが、別に俺は東雲にどう思われようと構わないと開き直ることにした。
「まぁ東雲さんが嫌なら良いですよ。俺はキャンセルをした上でクレームを入れるだけです。高いお金も払わなくて済むし、俺にデメリットはありませんから」
「くっ…」
言い返せず歯を食いしばる東雲を横目に、俺は近くの椅子へと腰を掛けた。
「まぁ東雲さんには選択肢なんて無いんですけどね。東雲さんが覚悟を決めたところで、俺がプレイを断ったら終わりですしね」
「そ、それは…」
「確かに東雲さんの見た目は好みですけど、そこまで反抗的だと俺もする気が起きないと言うか…」
「何が言いたいんだよ…」
怪しむような目で俺を見ながら言う東雲の姿に俺は楽しくなってきてしまい、思わず演技ではない笑みがこぼれる。
「俺の気分を盛り上げるために、そこの机の上で俺に足裏を晒しながら嗅いでくれって頼んでみてくださいよ」
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