蒼光のアクアバレット 「ロングジャンプユニット#3」 (Pixiv Fanbox)
Published:
2020-08-01 06:39:24
Edited:
2020-10-20 20:34:55
Imported:
2024-01
Content
■ロングジャンプユニット装着
装着台でユニットを身につける少女4人。
おみ足をブーツの中にすっぽりと入れて、黄色いハンドル部分をグイッと上に持ち上げると、しゅぽっ!と気持ちよくフトモモまでブーツ状のジャンプユニットがせり上がる。
イスカ「コレ、案外履き心地しっとりとして気持ちいいね・・」
クロエ「ええ・・なんかもうちょっとゴツゴツするかと思ってたけど」
アイリ「コレ、このあとはどうするのかな?」
教官「サイドにある黄色いジッパーを引きあげて〜♡」
ユズリハ「コレですね、んしょ・・・ひゃあ!」
イスカ「おわー!なんかきゅ〜〜〜!ってなってきた!ゾワっとするぅ〜」
クロエ「すごい・・内部パーツが脚にフィットしてる」
アイリ「なんか・・・もみゅもみゅって動いてない?」
教官「それはね、今各人の脚の形状に合わせて、ブーツの軟体フレームの間に配置した3Dゲルでフィッテングしてるの♡脚は太さも長さも千差万別だからね♡ じゃ、そのまま黄色いジッパーの頭を手でポン!と押し込んで〜♡」
引きあげた黄色いジッパーを少女たちは軽く押し込むと、カチッ! プシュッ!っと小気味よくロックがかかり、ジッパー部分がぷしゅー!と前と後ろのパーツでサンドイッチされスリットの中に消えて、ジッパーラインが蒼く薄ら光り、ジッパーの頭の部分がデザインアクセントに残るだけになる。
ハンドル部分が伸縮して、フトモモの上部分でモーターの振動のような キューン!という音がする。
脚全体を包む各所から機械的なモーター音がして、少女たちの脚にしっかりとジャンプユニットが固定装着されていく。
イスカ「おお・・凄い・・・なんか脚からキュイキュイピコポコ音がしてる・・・装着したぁ・・・って感じ」
クロエ「ゾクゾクするわ・・こういうの・・こういうのがいいのよ・・・」
アイリ「なんか、脚が食べられちゃったみたい・・・」
ユズリハ「これ、結構曲がるんですね、ギプスみたいにガッチリ固定されるのかと思ってました」
教官1「あはは♡大丈夫大丈夫、ちょっと大げさに音が鳴るようにしてあるの。気分高めるためと、装着したのをしっかり確認するためね♡実際にはあなたたちの左腕のヒットマーカー・・・イッカクリスタルからエネルギーを供給する認証を行っているの。チャックの付け根のリングとか、所々蒼く光ってるのはそのためね♡」
教官2「脚全体を覆ってるゲルは強い衝撃を受けるとその部位だけが一時的に硬くなるように作られてるから、耐衝撃性に優れているわ。普段は膝の可動域を保ちつつ、必要な場合にだけ硬度を上げる。そして足の裏側にはスラスターが配置されてるから、シンプルな見た目だけど中身は結構忙しい構造なの。色々音がするのはそれらが適正な位置に微調整されていると思って」
イスカ「ふーむ、クロエ・・かっこいいじゃん!」
クロエ「あんたもイカしてるわ、イスカ」
アイリ「うわぁ・・・実際つけるとコレは・・・私たちの普段のユニフォームも恥ずかしいけど、これはさらに輪をかけて・・・」
ユズリハ「男の子の趣味という感じ・・」
教官1「うふふ♡ブーツの見た目は、ウチの技研の女体美を追い求める女体ラインマニアたちが頑張ってデザインしたから、それなりに見れるものになってるわ♡綺麗よ4人とも♡」
一同「に、女体ラインマニア・・・」
水辺で使うものなので、しっかり防水シーリング・耐水対策されていて中の機械はほとんど見えないが、両脚のユニットが微調整する「キュイキュイ」という精密な音に、4人は緊張する。
教官1「ジャンプユニットの構造はあまり意識しないで、とりあえず海上をいつも通りの感じで走ってみて♡」
イスカ「イ、イエッサ!よ、よーし・・・行くよクロエ!」
クロエ「おうさ!」
アイリ「ノリノリだぁ・・」
ユズリハ「・・・あ、でも思ったほど・・動きに制限ない感じです。アイリ、私たちも行きましょう」
装着台のレーンからそのまま海面になめらかに滑り降りる4人。
白色のブーツのようなユニット、普段はシューズのカカト部分に浮いてる丸っこい反重力ユニットが太ももの裏側に移動し接続され、そこから妖精の羽のようにスラスターが伸びる。
フトモモ裏にセットされた円形の反重力ユニットのスリットが青く輝いて、4人のカラダの重心の取り方のクセなどを学習し始めている。
新ユニットの感覚を掴むため、4人が稽古するスケート選手のように低速で流し、輪を描きながらしばらく並の上を滑る。
イスカ「ややや、意外や意外!普通に流す分には目線が高くなっただけって感じだね。なんかブーツをはいてるっ感じがほとんどないや」
クロエ「そうね・・・ただ瞬発力が明らかに違う。後ろから押されるみたいな力強い感覚。低速を維持するのがなかなか難しいわ」
アイリ「1蹴りでスィーと気持ちよく進むー 目線が高いってこんなに見晴らしが良いんだね」
ユズリハ「抑え目にしてこれは今までと出力が全然違います・・・ところで何かたまにククッて引っかかるような感じがあるのはなんなんでしょう?」
イスカ「あ、そのククッっていうぎこちない振動?私も感じるー」
教官2「それはいまブーツ内のバランサーがあなたたちのカラダの重心の取り方のクセを学習してるの。もうしばらくその辺りを流してバランサーに初期学習させて」
教官1「特にユズリハとイスカは人一倍胸に夢と希望をぶら下げてるから、バランサーが一生懸命学習してるのよ〜♡私も最初はククッて振動凄かったから安心して♡」
たぷん♡と豊かな胸を弾ませて教官1が微笑む。
イスカとユズが納得した晴れやかな顔をし、クロエがククゥ・・と引き攣った表情で2人を見て、それをアイリが苦笑いで見守る。
4人のガンネレイスの少女の緊張がだんだん解けてきて、最初はただただバシャバシャとしていた海上の飛沫にも一定のリズムが生まれ、新ユニットとガンネレイスの挙動が少しづつ少しづつ一体化し始める。
今までシューズの部分だけだったウォーターブレードと違い、足そのものを覆うブーツパーツと、妖精の羽のように突き出たスラスターによって、脚のシルエットそのものが変わってしまっている。
そのふくらはぎや羽の裏に備わった水流モータースラスターはまだどれ1つとして駆動していない。
フトモモ裏のまるっこい反重力ユニットがブーツパーツで強化されて、基本推力が上がっているのだった。
低速時でもかなり馬力のある新ユニットを、旋回を繰り返しながら時間をかけて恐怖心をほぐして行く。
白い羽の生えた妖精のようなシルエットの4人が、右に左にリング状の素麺流しマシンの中で流れる素麺のようにひたすら回る。
ククッというぎこちない動きも消えて、バランサーも正常に動作するようになり、4人の動きにも慣れが見え始めた頃合いを見計らって教官が声をかける。
教官2「よーし、そろそろ良いわね。じゃあ4人とも、向こうに見えてるコーンをターンして戻ってきて。できるだけ速くね。・・と言っても、今日はまずは速度に慣れるだけで良いから無理しないようにね。目的のブーツのフィッティングも終わったし、怖くない範囲でやってみて」
教官1「3分の1のスラスターを解放するわね♡」
キュィーン!と音がして水流モータースラスターがアクティブになる。
「おお・・・」と一同が自分のブーツを見る。
指示された方角を見ると、一定距離を競う長ーいレーンのずっと向こうにちょこんとコーンが見える。
普段のウォーターブレードの出力だと全開でも途中で息切れ(オーバーヒート)して、それなりに行って帰ってくるのに時間がかかる距離だ。
4人はそれぞれのレーンに移動する。
いつもよりも目線が高く、竹馬で海面の上に立ってるような気持ちになるが、バランスそのものは普段海面に浮かぶのとほぼ変わらない体感。
ピー!とスタートの音がして、4人は指示された遠方に見えるコーンに向かって、青碧色が美しいグラデーションを描く海面をアメンボのようにスイスイと助走をつけ滑り始める。
ある程度助走がつくと、ギアをあげるように クンッ!とシフトして、解放された水流モータースラスターから青い燐光が薄らと発生して、一気に速度域が上がり、少女たちの後ろに羽のような飛沫があがる。
イスカ「!? 同じところグルグルしてる時は分からなかったけど、コレ、体感速度すごく速い!」
クロエ「くぅ〜 この加速感!たまらない!!」
アイリ「ほんと、怖いくらい!」
ユズリハ「3人とも、なんでそんなに速く行けるの〜!?」
教官2「ジャンプユニットのブーツは直進性と旋回性が通常あなたたちがつけているシューズタイプのものよりも格段に上がるわ」
ユズリハ「ええ・・・こんな速度が普通なの・・・?」
イスカ「きゃっほーい!!!!」
クロエ「たまらないぃ〜!!全開よーー!!!!」
アイリ「2人とも凄い速さ!」
教官2「あー・・イスカとクロエは曲がり切れないですね」
教官1「特にイスカは派手にいくわよ♡」
初めての加速感、怖いもの知らずのトップスピード合戦になったイスカとクロエが盛大なしぶきをあげてコーナーに突っ込む。
競艇がターンするかのような、ラリーでドリフトをするような盛大な飛沫を上げる少女2人。
イスカ「うわっ!!あっという間にターンコーンが目の前に!!!」
クロエ「ええ!? ターン・・・わわっ!!」
イスカとクロエは上手くカラダを傾けるものの、スピードに対してカラダの傾斜と進入角度が浅すぎて大きく進路を外れてしまう。
イスカ「んなー!! っ!? ほわー!!!!!!!」
イスカが無理矢理角度を調整しようとカラダを思いっきりひねると、スラスターの勢いと、上半身につく1キロ近いお乳というウェイトが仇になって、コマが回転するようにツインテを竹トンボのよう回して盛大にスリップしてしまう。
クロエ「イスカ!! っきゃっ!!!!」
クロエがイスカのスピンに気を取られた一瞬にバランスを崩し、一瞬宙に舞い女の子っぽい声をあげる。
クロエ「ーっ!!!!!」
宙に舞った勢いでそのまま着水、盛大にキリモミしながら海面をコロコロ回転していく・・・という所を、クロエはフラットなカラダをしなやかに捻り、まるでスノーボードのトリックのように空中で姿勢を変え、スラスターの噴射も組み合わせて、空中でドリフトするようにうまく姿勢を保ちながらコーンを曲がろうとする。
教官「!」
意外なクロエの挙動に教官が目を丸くする。
しかしそれも束の間、
クロエ「きゃぅ!!!」
ジャンプユニットの翼とブーツの微妙な調整ができず、スラスターの推力に負けてイスカと同じようにくるんくるんと回転して盛大な水しぶきをあげてどこまでも弾む飛び石のようにコースアウトしてしまう。
教官「アイリ、ユズリハ、2人は気にしないで、コーナー回って」
アイリ「2人ともいくらなんでもスピード出しすぎだよー」
ユズリハ「2人とも大丈夫?」
イスカ「うぅー 酔うー・・・」
クロエ「目がまわるぅ・・・」
ぷかぷかと目をぐるぐるにして海面に浮かぶ2人が、口からぴゅーっと水を吹く。
アイリが先にコーナーに進入する。
アイリ「うわ、この速度でもカラダが外に持っていかれる感覚がすごい!」
アイリは驚きの声をあげると、カラダをまるでスピードスケートの選手のように傾ける。
ユズリハも遅れてコーナーに進入し、同じように驚きの声をあげる。
2人はイスカ・クロエよりもだいぶ速度を落としていたが、普段よりもかなり速度が出ていた。
ユズリハ「胸が重りになって・・・思ったよりも傾きが・・微妙な調整が難しい・・!」
ユズリハは競泳インナーでみっちりと固定されるものの、華奢な上半身にぶら下がる谷間を作るボール2つ分の胸にバランスを乱されて四苦八苦する。
アイリの進入速度は適正よりもわずかに遅めで、ユズリハは逆に遅すぎた。
速すぎても遅すぎてもバランスを取るのが難しい。
倒れ込むカラダを、前に行こうとする推力で立て直す、速度域に応じての微調整が必要なのだ。
ユズリハ「きゃー!!」
アイリはなんとかターンしきったが、ユズリハは内側に倒れ込むようにスリップして、そのまま水面を転がってしまう。
アイリはその声と転がっていくユズリハの音を聞いて、バシュゥゥゥ!と逆噴射すると、その場に停止し振り返る。
教官「アイリ、そのまま・・・」
教官はそう言いかけたが、アイリの行動を見守る事にした。
アイリ「大丈夫?ユズ」
ユズリハ「う、うーん・・・水面をあんな風に滑ったの初めて・・・」
アイリは水面にプカプカ浮かぶユズリハの横にしゃがみ込み助け起こす。
アイリ「これ、速度域を使いこなすのはなかなか大変そうだね」
ユズリハ「うん・・・使いこなせるかな・・・私、ちょっと自信ない・・・」
アイリ「大丈夫だって。あんなに達者なイスカもクロエもポーンと!飛んでっちゃったんだし、私だってバランスグラグラで自信ないよ。まだまだ最初最初」
ユズリハ「アイリ・・・ありがと」
ユズリハはアイリの手を取り立ち上がると、ジャンプユニットが瞬間乾燥機のようにユズリハに向かってブワァ!と送風し、ユズリハの競泳インナーの上に着るユニフォームと髪の毛を乾かしていく。
マイナスイオンたっぷりの青い粒子が飛び交い、ユズリハの体を乾かしながらも潤いで満たしていく。
アイリは右手に吸水パフをつけて、ユズのユニフォームや髪の毛につく水気をポンポンと優しく拭っていく。
ユニフォームは蓮の葉のような特殊生地の撥水素材で、競泳インナーの濡れを吸水しつつ、ユニフォーム表面にぷるぷる水を浮かべて撥水していく。
アイリ「ユズの髪の毛は青色に映えて羨ましいなぁ。私なんて名前が(藍璃)なのに、こんなに真っ黒」
ユズリハ「あら、そんな事思ってたの?アイリの髪の毛、黒くてしっとりとしてて羨ましいなぁって見えてるのに。それに、アイリの毛先、海と空の蒼色を溶かし込んだみたいに綺麗にグラデーションかかってるのよ。知らないのは本人だけ、みたいね」
アイリ「え、そ、そうなの?気がつかなかった・・・」
ユズリハ「寺院の、よく磨かれた床が周囲の風景を鏡のように写し込む映像を見た事あるんだけど、まさにそんな感じ。私は凛としてて好きよ」
ユズリハが優しく微笑む。
アイリ「え、えへへ・・知らなかった、なんか嬉しいな」
クロエ「ふぅ〜 盛大に飛んだわ・・」
イスカ「モノみたいに吹き飛ばされる気分はじめて味わったよぉ・・・」
アイリとユズに合流するように水浸しの2人がやってきて、ユズと同じように青い粒子をカラダに纏うように瞬間乾燥を行う。
アイリとユズは両手に吸水パフを持つと、クロエとイスカのカラダに残る水分をポフポフと拭ってやる。
クロエ「んっ♡ ありがとアイ、ユズ」
イスカ「はぁ〜♡ポフポフ気持ちいぃ♡」
まるで小さな愛玩犬のようにしっぽを振る勢いで気持ちよさそうにするクロエとイスカ。
吸水パフは使い捨てなので、十分に水気を拭うと膨らんで、陽光に輝く白い花びらのように海面に散っていく。
乙女の汗と水気を十分に吸水した純白の花びらは、海中でプランクトンに分解されるのだ♡
教官はその4人の仲の良さを笑顔で見守る。
競争意識は大事だけど、お互いを出し抜くような意識はマイナスに働く。
特に今みたいに新しい装備でみんなが同じスタートラインに立つ時はなおのことだ。
チームとしての仲の良さ、これはやろうと思ってできるものじゃない。
普段からの関係が出てしまう。
クロエ「これ相当出力あるね。速度域やクセをカラダで覚え込まないと。」
イスカ「見た目カッコいいけど難しい、これはかなり練習が必要そうだぁ・・・ でも、使いこなせたら絶対カッコいいよ」
クロエ「新しい可能性を感じるわ」
イスカが目をらんらんと輝かせ、クロエも ふんす!と鼻をならす。
クロエ「幸い私たちは十分に今の小さなウォーターブレードを使い込んでるから、それが少しばかり大きくなった程度よ」
教官1「ウフフ、そのユニットの潜在能力を全員で体感してもらえたみたいね♡お互いのディスカッションを密にして、ユニットの能力をこれから引き出してちょうだい」
教官2「これは覚えておいてもらいたいんだけど、私たちでさえこのユニットの能力の一面しか見えていない。私たちは多少アドバイスできるけど、それは解明できてる範囲での話。この先の新しい使い方や、取りこぼしはあなたちが見つけていくの。だから、あなたたちの仲の良さが武器になるわ。お互いのカラダとセンスの個性の違いが、何よりの向上力と閃きになるの」
教官1「私たちになんでもかんでも頼るっていう受け身の頭をここで捨てて行ってね。気になったらじゃんじゃん聴いて。聴き出し、引き出す気持ちで。・・・よし!じゃあ、今日は早いけどもう上がりましょ。最初から無理してもね♡ そこから1番最後に戻ってきた人が今日の授業料として、練習後に私たち含めて全員に新作のマキガイパフェおごりよ♡」
クロエ「ほ!? んなっ!!」
イスカ「ええー!こういう時は教官が!!」
アイリ「全員にって!」
ユズリハ「ひいふうみい・・・6人分は重いです・・」
教官「貴重な金言をあげたじゃない♡ 人生は何度も重要なことは言ってもらえないし、タダである事も少ないものよ♡ はーい♡よーい・・・」
そんな無理矢理すぎる!!と、4人は横一列にワテワテと位置につく。
教官「はーい!♡ どーん!」
勢いよくクロエが飛び出し、後を追ってくるイスカに近づく
イスカ「クロエ!負けない・・・」
クロエ「イスカ!向こうに回って手を!ユズと!」
イスカ「!?・・・ああ! さっすがクロエ!!」
イスカはクロエの意図を汲み取ると、アイリとユズリハの前につき、速度が怖くて出せないユズの横につく。
自転車と違って、後方に水しぶきが盛大に上がる海上ではスリップストリームは使えない。
イスカ「ユズ!手を!アイリと!」
ユズリハ「イスカ!ええ!アイリ!」
アイリ「イスカ、ユズ、クロエ・・」
クロエ「ほらアイリ、手繋いで!4人で同時にゴールすればいいのよ。誰か1人が払うなんてアホらしいわ。全力で行って全員同着1位!ビリを作らなければ文句ないでしょ教官も。もっとも、胸の差とかミリ単位でゴールライン通過を見るようなイジワルで細かい人だったらあたしがビリなんだけど・・・知ったこっちゃないわ」
速度がまだうまく出せないユズが取り残されるのを瞬時に判断したクロエの機転で、4人は横一列に手を繋いで並び、美しいしぶきをあげながらゴールに向かう。
繋いだ手から伝わる心強さ。
スピードが出る2人がうまく調整して、速度が出せない2人をひっぱり上げる。
飛ばし気味な2人には自分を抑える力、臆病な2人には踏み出す勇気。
教官の立つラインを4人が同時に駆け抜ける。
教官1「へぇ・・・♡」
教官2「フフ、この子たち・・・新しい使い方を見つけるかもしれませんね」