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ポニー学園物語 6.朝の浣腸処置 「はい、先生がツルツルに沿ってくれた自分のお股、私も好きです」  剃毛を終えたミワ号の言葉を聞きながら、藤島調教師はこの少女のポニー適正に舌を巻いていた。  彼女の経験上『競技者』という枠に自分を押し込め、そこから逸脱しないよう律し続ける女子アスリートは、基本的にポニー適正が高い。  しかし、ミワ号の適正の高さは異常だ。  それは、アスリートという属性に加え、彼女の生来の性格、競技者時代の指導者との関わりかた。さらにその頃、たった一度の失敗で周囲に手のひら返しをされたことも、作用しているのだろう。  その結果、ミワ号は順調すぎるほど順調に、ポニーになることを受け入れていった。  とはいえ、昨夜貴龍園長に話した杞憂もまた、調教師の経験上ありうることである。 (もし……)  ミワ号がこれから行われる処置を、オンナにとって最大の恥辱、いや汚辱をもあっさり受け入れるようなら、なんらかの『きっかけ』がほんとうに必要になるかもしれない。  そして汚辱のあとに用意している調教にも順応してしまうようなら、それが必要不可欠になる。 (はたして……)  ミワ号はこの汚辱を受け入れてしまうのか。それとも泣き喚いて拒絶するのか。 (おまえは、どんな反応を見せてくれるかしらね)  そのことを考え、自然とこみ上げる笑みを抑えられないまま、藤島調教師は『処置』の準備を進めていった。  黙々と『処置』の準備を進める藤島調教師を、私はM字開脚で拘束されたまま見ていた。  バスケットから、新しい金属製ボウルとガラス瓶を取り出すと、ボウルにその瓶の中身の液体を注ぐ。  それからバケツの水で瓶の液体――おそらくなんらかの薬品――を希釈するうち、藤島調教師の顔に、笑みが浮かんできた。  ふだんのほほ笑みとは違う、どこか凄みすら感じさせる、嗜虐的な笑み。  その表情を見てすくみ上がったところで、藤島調教師がガラス製の巨大な注射器を取り出した。 「ひっ……」  もしかして、これで注射されるのか。  そう考え、とうてい人に使われるものと思えないほど巨大な注射器におののくと、瞳に妖しい光を宿した藤島調教師が、私を見た。 「もしかして、注射器だと思った?」 「は、はい……」 「ご覧なさい。針はついていないでしょう?」  言われて見ると、その注射器状のなにかの先端に針はなく、代わりに丸く滑らかに成形されていた。 「これは注射器じゃないわ。エネマシリンジ……浣腸器よ」 「か、浣腸……浣腸!?」  一瞬その言葉の意味を理解できず、わずかの時間考えて、私は素っ頓狂な声をあげてしまった。 「ええ、浣腸。ボウルの液体は、グリセリン水溶液。簡単に言うと、浣腸液ね」 「えっ、えっ……浣腸って……あの……?」 「そうよ、あの浣腸。お尻に浣腸液を注入し、腸のぜん動運動を促し、強制的にうんちを排泄させる、あの浣腸」 「そ、そんな……なんで……?」 「さっき言ったでしょう?」  それは、剃毛の前の藤島調教師の言葉。 『腕の拘束とフェイスハーネスは必要に応じて解かれるけど、ふたつのコルセットとブーツ、それに尻尾付きプラグは、身体洗浄と朝の処置のとき以外は外されない』 「つまり、四六時中お尻に栓をされているポニーは、朝の『処置』のときしかうんちを排泄する機会がないのよ」  とはいえ、それで浣腸が受け入れられるわけではない。  うんちの排泄を見られることは、おしっこの排泄や性行為よりさらに重い。それは女の子にとって、最も秘しておきたいものだ。 「い、いや……です」 「ダメよ。ポニーの朝の処置は、規則で決められたものなの」  しかし、拒否しても取り合ってもらえなかった。 「お、お願いします……」 「ここでは規則と調教師の命令には絶対服従。もうわかっていると思っていたけど?」  懇願してみても、同じことだった。 「このエネマシリンジの容量は500cc、ミワ号はまるふつかうんちしてないから、めいっぱい注入しようかしらね?」  あまつさえそんなことを言って私を震え上がらせ、藤島調教師はボウルの浣腸液に、浣腸器の先端を漬けた。 「ひっ……ご、500ccなんて……お腹破裂しちゃう……」 「平気よ。初めはきついけど、500ccならすぐ馴れるわ。お仕置きとして浣腸するときは、3リットル注入するくらいよ」  信じられなかった。お仕置きとはいえ、3リットルも浣腸することが。  想像できなかった。500ccの浣腸にすぐ馴れるということが。 「い、いや……やめて……」  震えながらもう一度懇願したところで、藤島調教師が唇の端を吊り上げ、冷たく嗤った。 「じゃあ、半分の250ccなら受け入れる?」 「えっ……?」  それは、藤島調教師が初めて提案した譲歩だった。 「そ、それは……」  彼女の初めての譲歩を受けて、私は考える。 (もし……)  譲歩した提案をも拒絶したら、どうなるか。  そう考えて、今しがたの藤島調教師の言葉を思い出した。 『お仕置きとして浣腸するときは、3リットル注入するくらいよ』  もし譲歩した提案すら拒絶したら、お仕置きとして3リットル浣腸を宣告されるかもしれない。  いや、それ以上の厳しい罰もありうる。 『ここでは規則と調教師の命令には絶対服従』  つまり、どのみち朝の処置――浣腸を拒むことはできない。 (だとしたら、受け入れて量を半分にしてもらったほうがまし……)  そう考えて、私は意を決して答えた。 「お願いします……250cc浣腸してください」  そのとき一瞬、藤島調教師が苦笑いのような表情を見せた。  その表情の意味がわからず、少しだけとまどったところで、藤島調教師が浣腸器に薬液を吸い上げた。 「それじゃ、始めるわよ」  元の表情に戻り、浣腸器を手に藤島調教師が迫る。 「ひっ……!?」  おののいて短く悲鳴をあげても、拒むことはできない。  250cc浣腸を受け入れた前言を翻したときの罰が怖くて、いや前言撤回を考えることすらできずに、私はおののきながら浣腸を待つ。 (いや……)  心の声を、口にすることはできない。 (やめて……)  懇願するなんて、もってのほか。 「ひっ……ひっ……」  ひきつったような悲鳴をあげるうち、浣腸器の先端が、お尻の穴に触れた。 「ひいっ!?」  半日以上にわたってプラグを挿入され、緩くなってしまったお尻の穴を引き締めることはできず、あっさり挿入を許してしまう。 「注入するわよ」  そして藤島調教師が告げた直後、液体が侵入してきた。  思いのほか冷たくないのは、このために温められた水だったのだろうか。  そういえば剃毛の時の石鹸水も冷たくなかったが、羞恥に耐えることに精いっぱいで、まったく気づかなかった。  とはいえ、余裕がないのは今も同じ。 「あっ……!?」  少しずつ侵入してくる薬液がお腹の圧力に押し戻されているのか、逆流して漏れそうになった。 「途中で漏らしたら、赦さないわよ」  冷たい調子で言われ、緩くなってしまったお尻の穴に、力を込める。 「ひっ、あっ……」  そのあいだにも、薬液の注入は続く。  苦しい。苦しい。  250ccの飲みものならふつうに飲めるのに、同じ量をお尻から注入されると、こんなに苦しいなんて。 「どうしたの?」  その苦しさにギュッと目を閉じて耐えていると、藤島調教師が声をかけた。 「乳首が勃(た)ってるわよ。もしかして、浣腸で感じてる?」 「えっ……?」  言われて目を開けると、私の乳首はぷっくり膨れて屹立していた。 「ど、どうして……?」  それは、初めての浣腸がもたらす緊張感と、嫌悪感のせいである。しかし、私は乳首の屹立は性的な興奮の証と信じ込まされている。 「人に見られて、お尻でも感じるミワ号だもの、浣腸で感じるのも当然かもね」  そのうえで、藤島調教師の言葉だ。 「人に見られて感じ、乳首でも感じ、お尻でも感じるミワ号は、浣腸でも感じちゃうのはあたりまえよね」  私の精神を支配する藤島調教師にそう言われ、私はこのたびも「そうかもしれない」と思わせられる。 「全部注入(はい)ったわ」  そこで、浣腸が終わった。 「いいこと? 私が許可するまで、絶対漏らしちゃダメよ」 「は、はい」  お尻に力を込めながらうなずくと、浣腸器が引き抜かれた。 「くっ、うぅ……」  力を込めて食い締めていた先端がヌルリとお尻を刺激して、ブルリと身体を震わせる。 『お尻でも感じる』  あらためてそのことを意識したところで、藤島調教師の声が降ってきた。 「ねえ、なぜ人の肛門に性感帯が存在するか、知ってる?」 「えっ……?」 「そこをなにかが通過したとき『気持ちいい』と思わせて、次回の快便を促すため。そのため、肛門の性感帯は入るときより出ていくときに、より強く快感を感じるようにできているの」 「そ、それは……?」  藤島調教師の言葉の意味がわからず、問おうとしたとき、それはやってきた。  浣腸液――グリセリン水溶液の効果により、腸のぜん動運動が始まる。それまでお腹の圧力に耐えていればよかったところに、内容物を押し出そうとする力が加わる。 「うふふ……そろそろ始まったようね。繰り返すけど、私がいいというまで、けっして排泄(だ)しちゃダメよ」 「はひ、はいぃ……」  答えてはみたものの、長く耐えられる自信はなかった。  それほどまでに、浣腸液の効果は絶大だ。  グルグルグルと、お腹が鳴る。そのたびに、排泄欲求は増す。私の意思を無視して、お尻の穴が決壊しそうになる。  苦しい。苦しい。  でも耐える。  排泄(だ)したい。排泄したい。  でも排泄するわけにはいかない。  それは、藤島調教師に許可するまで排泄するなと命じられているから。同時に、うんちの排泄を人に見せたくないから。  浣腸された段階で『敗け』が決まっている勝負に、私は挑む。  額に汗を浮かべ、虚空に視線を泳がせながら、耐えがたい苦痛と排泄欲求に耐え続ける。  とはいえ、排泄を促すよう作られた薬品の力の前に、ひとりの女の子――いや1頭のポニーは無力だった。 「もうムリ! 出ちゃう!」 「まだダメよ。我慢しなさい!」  しかし、その命令に従うことはできなかった。 「ごめんなさい! 出ちゃううッ!」  初めての命令違反を詫びた直後、私の肛門は決壊した。  ブビッ!  まず出たのは、内部に溜まっていたガスと、それが肛門を通過する破裂音。 「いやああああッ!」  その音が恥ずかしくて声をあげたところで、色つきの液体が、放物線を描いて噴き出した。 「いやあ、見ないでぇえッ!」  無意識に叫びながらも、お腹に感じる解放感。液体が勢いよく肛門を通過する妖しい感覚。 『そこをなにかが通過したとき『気持ちいい』と思わせて、次回の快便を促すため。そのため、肛門の性感帯は入るときより出ていくときに、より強く快感を感じるようにできているの』  不意に、藤島調教師の言葉が頭をよぎった。 (こ、これが……その……?)  あまりの羞恥と屈辱、耐えがたい恥辱から逃避するように、私は排泄の快感にのめり込もうとする。 「あひっ……き、気持ちいいッ!」  あまりにもひどい現実から逃れるため、今感じている快感にすがりつく。 「あらあら、ミワ号は排泄でも感じるポニーなの?」 「は、はひぃ……わたしは排泄でも感じるポニーですぅ……」  現実逃避するために、藤島調教師の蔑むような言葉も認めてしまう。 「排泄の快感が欲しくて、許可していないのに排泄(だ)しちゃったの?」 「は、はひぃ……快感が欲しくて、勝手に排泄しちゃいましたぁ……」  ほんとうは浣腸液の力に抗えなかっただけなのに、用意された濡れ衣を自ら着てしまう。  そこで、腸内の液体が尽きた。  しかし、排泄が終わったわけではない。  グリセリン水溶液の効果で激しくなったぜん動運動に押し出され、軟らかくなったうんちが肛門を通過する。 「あひ、はひぃ……まだまだ出るぅ……」  それにも感じながら、いや感じようとしながら、私は排泄を続ける。  聞くに耐えないぶざまな音をかき消そうと、あえて激しく喘ぎながら。立ち込める匂いを忘れようと、今そこにある快感にのめり込む。  そして――。 「はひっ、あっ、あひぃ……」  すべてを排泄(だ)しきり、強制M字開脚で拘束された身を藁の上にぐったりと投げ出した私を見下ろし、藤島調教師が厳しく宣告した。 「快感のために命令を無視することは重罪。ミワ号、おまえを永久歩行刑に処す」

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