特殊囚用懲罰口枷と呼吸制御面 (Pixiv Fanbox)
Published:
2021-10-01 09:58:21
Edited:
2023-12-31 23:53:14
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第13民間女子刑務所、通称M刑務所。
刑務所業務の民間委託制度にのっとり設立された13番めの女子刑務所が、なぜM刑務所と呼ばれるのか。
一般的にはMがアルファベットの13番めだからと言われているが、おそらくそうではない。
その証拠に、M刑務所の前に設立された第12民間女子刑務所は、L刑務所とは呼ばれていない。M刑務所のあとに設立された最新の刑務所は、N刑務所と呼称されていない。
つまり、Mというアルファベットそのものに、なんらかの意味があるのだ。
とはいえそれはあくまで、この春新卒で刑務所運営会社に就職した私の想像にすぎない。
そして直属の上司に何気なくその質問をしてしまった結果、新人刑務官から特殊囚の身分に落とされ、破棄された名前の代わりにM 2-1という特殊囚番号を与えられた私に、もはやそのことを確かめる術《すべ》はない。
「察しのいい子は大好きよ。頭の回転が早い子ほど、優秀なマゾ奴隷に堕ちるからね」
取り返しのつかない処置を施された肉体を、拘束衣で厳重に拘束された私の耳元で、昨日まで上司だった刑務官《せんせい》――いや調教師《せんせい》がささやく。
「特殊囚M 2-1、抱いてはならない疑問を持ってしまった罪により、3日間の懲罰口枷と呼吸制御面の装着を命じる」
妖しい光を宿した目を細めた調教師が、その装具を手にして――私は、絶対に抜け出せない調教地獄に落とされた。