<女体化>日替わり男女④~不思議な人生~(完) (Pixiv Fanbox)
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おとといは、博也として、
昨日は、桃香としてー
今日は、博也としてー
そんな日が続くー。
1日ごとに性別が変わる状況は変わらない。
いったい、どうしてこんな風になってしまったのか。
全く分からないー。
「ふ~」
だいぶ女子としての生活にも慣れては来たものの、
やはり、博也としてー
男としての1日のほうが落ち着くー。
「きゃ~~~!!」
「-!?」
博也がトイレに入った途端聞こえる悲鳴。
「あ…」
つい女子トイレに当たり前のように入ってしまったー
「ま、、間違えたー!」
博也は慌ててトイレから飛び出した。
(くっそ~!日替わりで性別が変わるの、
不便すぎるぞ!)
博也はそう思いながら、男子トイレのほうに入る。
トイレを済ませて廊下を歩く博也。
「そういえばさ~、博也って、まだ
田中田さんと会ったことないよな~」
友人の一人が言う。
「--え?田中田…あぁ、転入生の」
博也はすっとぼけるー。
1日ごとに交代で休んでるとか、
絶対無理があんだろ、と思いながらも
先生は女体化しているときの博也と
そうでない博也を、形式上、別生徒として
周囲には伝えながらも、成績はひとつに
まとめてくれる、ということで
ひとまず学校生活を送ることができている。
「--それにしても変な名前だよな~
田中田なんてさ~ ははは」
友人が笑う。
「う、、うるせ~!俺だって好きでそんな名前に」
「-え?」
友人が首を傾げる。
「あ、いや、なんでもない!
田中田って変な名前だよな~!
田中なのか中田なのかはっきりしてほしいぜ~」
博也は慌ててそう言いなおして笑うのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
「--あ、そっか」
妹の加奈子が、博也の部屋に顔を出すと
ため息をついた。
「今日は、”お兄ちゃん”だったね。
じゃあ、いいや」
加奈子が部屋から出ていく。
「-----」
博也は、人の部屋にノックもせずに
入ってきた加奈子が、一人でぶつぶつ呟いて
そのまま部屋から出ていくのを見て、唖然としていたー。
「--って、じゃあいいやってなんだよ!」
博也が叫ぶー。
だが、加奈子から返事はなかったー。
・・・・・・・・・・・・
翌日の土曜日。
「やっほ~!お姉ちゃん!」
嬉しそうに部屋に入ってくる加奈子。
博也は女体化していたー
「---く…」
博也は屈辱的な表情を浮かべる。
「さぁ、今日もわたしが、
女の子レッスンしてあげるから、
ちゃ~んと、聞いてね~!」
「ぐぐ…」
博也がさらに表情を歪める。
女体化してから、加奈子は
”女子としての過ごし方を教える”とか言い出して
博也にあれこれ言ってくるようになったのだー。
「--くっそ~…なんで楽しそうなんだ…」
博也が可愛い声で呟くと、
加奈子が「こら!お姉ちゃん!」と叫ぶ。
「-!?」
「--も~!なんで楽しそうなの!? でしょ!」
加奈子が言葉遣いを直すように要求してくる。
「-う…うるせ~!!
俺は男だ~!
それに、家の中ぐらいいいじゃないか~!」
博也が叫ぶと、
加奈子が「ブー!」と叫んでレッドカードのようなものを出した。
「は~い!レッドカード!もみもみの刑~!」
笑いながら加奈子が博也の胸を触り始める。
「んあぁぁ…や、、やめろ…やめ…あぅうっぅぅ♡」
加奈子に胸を触られながら
気持よくなってしまう博也ー
「わ、、わかった…わか~った!」
博也が叫ぶと、
加奈子が「ちゃんと、女の子っぽくしなくちゃ!」と
ニヤニヤしながら言った。
「くっ…くっそ~…
元の身体に戻れたら覚えておけよ~!」
博也が悔しそうに呟くー
加奈子のやつ、絶対この状況を楽しんでやがるー
と思いながら。
「ブー!」
「-…え?」
加奈子が笑う。
「レッドカード2まいめ~!」
「--うっ…た、、助けてくれぇ~!」
博也の可愛らしい声が響き渡ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日曜日ー
男に戻った博也は、
「はぁ~」とため息をつきながら
リビングで朝食を食べていた。
「--元気ないね…お兄ちゃん」
加奈子が心配そうに見に来る。
「---そりゃそうだろ」
博也が言う。
「加奈子も、面白がってるだけだし」
博也が拗ねた様子で言う。
「-----ーーー…」
加奈子が少しだけ悲しそうな表情を浮かべると
博也の方に近づいてきて口を開いた。
「--お兄ちゃんさ…
難しく考えるの、やめたら?」
加奈子が珍しく真面目な表情で言う。
「え…?」
博也がパンを食べながら加奈子のほうを見る。
「だってさ、普通、人間って
男か女、どっちかしか経験できないわけじゃん。
お兄ちゃんは両方経験できる。
これってすごくない?」
加奈子が笑う。
「--は…?ま、、まぁ」
博也は、”どうしてそういう発想になるんだ”と
心の中で思いながら加奈子の言葉の続きを聞く。
「もうさ、そういう身体になっちゃったんだからさ、
楽しむ方向に考えようよ!
後ろ向きに考えてたって治るわけじゃないし、
むしろ、前向きに考えてたほうが治るかもだよ!!
ほら、無理して、同じ人って考えるんじゃなくてさ、
開き直って、女の子になってる日は
わたしは桃香よ!ぐらいの気持ちになっちゃおうよ!
せっかくなんだから女子としての人生も楽しんだ方がいいよ!」
加奈子の言葉を聞いて
博也は「加奈子は前向きだなぁ」と笑う。
でも、確かに加奈子の言う通りかもしれない。
どうせ1日ごとに男女が変わるならー
開き直って女子女子してたほうが面白いかもしれないー。
行動を間違って大変なことに
なっちゃいそうな感じもするけれどー
ある程度”前向き”に考えることも、
大切なのかもしれないー。
「--そうだな。加奈子の言う通りだ」
博也は、開き直ることにしたー
悩んでいてもしょうがない。
「--明日は博也じゃなくて、桃香だ」
博也が少し恥ずかしそうに言うと、
加奈子は「よ~し!その意気だよ!」と
嬉しそうに言ったー
立ち去って行く加奈子の後ろ姿を見ながら
博也は思うー
加奈子は、茶化してるんじゃなくて、
俺が明るくなれるように、
わざと、ああやって、明るく振舞ってるのかもしれないー…
とー。
「---…いや」
博也は首を振った。
「やっぱ、加奈子は何も考えてないだけかもな」
博也はそう言いながら、苦笑いしたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日
「--おはよ~!今日は桃香だよ~!」
博也は妹の加奈子に
完全にお姉ちゃんモードで接したー
開き直ろうー
女体化してる日は、博也じゃなくて桃香だ。
「--あ、お姉ちゃんおはよ~!」
桃香として、髪を整えて、
スカートをはいて、学校に向かうー
「おっはよ~!」
普段話さない女子たちと楽しく話をするー
博也としての学校生活とはまるで違う
桃香としての学校生活ー
これは、これで、いいかもしれないー
1日おきだけどー
2人分の人生を味わうような
そんな不思議な気分だー。
「---好きです」
昼休みー
”や、、山本ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ”
博也は内心で叫んだー。
博也の親友・山本が、桃香に告白したのだ。
女体化した博也だと知らずにー
「---…え…」
博也は断ろうとした。
しかしー
”いや…女子として…”
「--…うん……ありがとう」
桃香として、山本の告白を受けたー
それからも、
性別は1日ごとに変わり続けたー
「--俺の彼女、紹介したいんだけどなぁ」
山本が言う。
「--ん?彼女できたの?」
博也が笑う。
”それ、俺なんだけど”と思いながら…
「-あぁ、転校してきた桃香ちゃん。
ほんとーに可愛いんだぜ!」
山本が笑う。
「--へ~大切にしてやれよ。」
博也が言うと、山本は
「つーか、お前と桃香ちゃん、なんか
同時に学校に来ないよな~」と笑っていたー。
「--最近、体調悪くてさ~」
博也は”やっぱ無理があんだろ、これ”と思いながらも
顔も身体も完全に変わってるから、
ばれはしないか、と思いながら
その生活を続けたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
桃香として学校に来ている日は、
山本といっしょにいるとドキドキするー
どうやら、本当に好きになってしまったようだー。
「---桃香と付き合うことができて、本当によかったよ」
「--わたしも…」
どんどん二人は親密になっていくー。
けれどー”博也”として
学校に登校している日は、
その感情を抑えて、普通に友達として
接していたー
”頭おかしくなりそうだぜ”
博也はそう思いながらも、
妹・加奈子のアドバイスに従って
”博也”と”桃香”は別人として
考えることにしていたー。
ある日ー
「な~んか、お姉ちゃん、わたしよりかわいくなったなぁ~」
妹の加奈子が笑う。
「え~!ほんとうに~?うれしい~!」
家の中でもすっかりお姉ちゃんモードになった博也。
「--も~!ずっとお姉ちゃんになっちゃえば~?」
笑う加奈子。
両親も、女体化・男体化を繰り返すことに
慣れてきた博也を微笑ましく見守っていたー
博也として、今まで通り過ごしー
桃香として、女子高生としても過ごすー。
最初は”女子”として疑われないようにする
演技に必死だったが、
男・女が毎日変わるようになってしまってから
一か月半が経過したころには、
もうすっかり慣れきっていたー。
男に戻った日は、今まで通り
博也として普通にふるまうことができる。
女体化した日は、特に意識しなくても
桃香として振舞うことができる。
「--最近、なんか、楽しそうだよな」
”田中田”と命名してきた担任の先生が言う。
「---まぁ…なんていうか、
開き直ったというか…
妹に言われたんです。
苦しんでても、どうにもならない、って」
博也が言うと、
担任の先生は笑った。
「そっか。
そうやって前向きになれるんだったら
名前も田中田島ぐらいにしておけばよかったな」
「--確かにそうですねー」
博也はそう答えたあとにすぐに
”って、調子に乗るな”と先生にツッコミを入れると
そのまま職員室を後にしたー。
今日は男子としてー。
そしてー明日は女子としてー。
・・・・・・・・・・
桃香として登校する博也。
今日も女子全開の振る舞いを続けているー
今は、これが自然になったー。
昼休みに
彼氏の山本と一緒にお昼を食べる。
女子の友達たちと一緒に楽しく談笑をする
日替わり男女生活ー。
こんな人生を味わえるのは、
自分だけかもしれないー。
そんな風に思うと、これも悪くないー
5時間目の体育の授業ー
男女が別々の教室に別れて着替えをする。
最初は正直、鼻血を出しそうになったが
今は慣れた。
自分が女体化している日は、
あくまで心も女子なのだと自分に言い聞かせて過ごした
結果ー、
女子の着替えを見ても、
心穏やかになったのだったー。
もちろん、自分の身体を見てもー
「--ん」
桃香として着替えを続ける博也が
あることに気づいた。
胸が…ない?
「きゃああああああああああああ!」
「ひーーーーーー!?!?!?!?」
「わあああああ!?!?!?」
「変態!!!!」
周囲が叫ぶ。
「え…?」
博也が戸惑うーーー
何かがおかしいー
周囲が悲鳴に包まれる中ー
博也が教室の後ろの方にある
鏡を見るとーーーーー
「------!!!!!!!!!!!!!!」
そこにはーーー
スカートを履いた
博也の姿があったー
「うおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
博也は思わず叫んでしまったー
今日は女体化の日のはずー
さっきまで女子だったはずー
なんで…!?!?!?
どうしてーー!?!?!?!?!?
博也は戸惑う。
女装した博也状態になってしまっていて
周囲が悲鳴を上げる。
「--き、急に桃香ちゃんが、川上くんに!?」
「桃香ちゃんって、川上くんだったの!?」
桃香が博也に戻った瞬間を見た女子までいたー
「--うっ、、、う、、、嘘だろぉぉぉぉ!?」
博也は思わず叫んでしまったー
博也=桃香は瞬く間に広がっていくー
大変な騒ぎになった。
博也は帰宅すると、
絶望的な表情で燃え尽きていたー
「----!」
妹の加奈子が博也を見て驚く。
「あれ!?今日、お姉ちゃんの日じゃなかったっけ!?」
とー。
「---もう、治ったみたいだ」
博也が呟くー
でも、治るタイミングが最悪だったー
学校にもう行けないレベルだー
「---…ま、、、まぁ、、元に戻って、、、よかった…ね?」
加奈子がどう慰めていいか分からず、そう言った
その直後ーー
ーーー!?!?
博也がまた、女体化したー。
「むおっ!?!?」
博也が驚くー
どういうことだー!?
博也は、自分がまた女体化してしまったことに
唖然とするー
その日からーーー
博也は、数時間に1回、性別が変わるようになってしまったー。
理由は、分からないー
「--どうすりゃいいんだ…くっそ…
誰か、俺の性別を固定してくれ~~~!」
博也は、頭を抱えながら叫んだ。
「--気まぐれ男女デビューおめでとう!おにいちゃん!」
茶化す加奈子。
「うるさい!」
博也が可愛らしい姿のまま、男に戻りながら叫ぶー
博也の苦悩は、おわらないー。
おわり
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コメント
気まぐれ男女デビューしてしまいました~!
いつ性別が変わるか分からないと
手の打ちようもないですネ~汗
お読み下さりありがとうございました~!
気まぐれ男女…?
今のところ書く予定はないデス~笑!